2024年4月15日月曜日

岸田首相らG7首脳「前例のない攻撃、明確に非難」イランによるイスラエル攻撃で声明「激化を避けなければならない」―【私の論評】イスラエルの安全保障を支持する日本の姿勢 - G7との協調と核抑止力の重要性

岸田首相らG7首脳「前例のない攻撃、明確に非難」イランによるイスラエル攻撃で声明「激化を避けなければならない」

まとめ
  • G7首脳がイランによるイスラエルへの攻撃を受け、緊急オンライン会議を開催した
  • G7は「最も強い言葉で明確に非難」し、イスラエルへの「全面的な連帯と支援」を表明した
  • G7は、イランが地域の不安定化と激化を招いていると指摘し、これを避ける必要があると強調した
  • 岸田首相も会議に参加した
  • アメリカ政府高官は、この攻撃に事前通告がなく、イランが死傷者を出すつもりだったと述べ、アメリカはイスラエルの防衛を支援すると警告した

G7のイランのイスラエル攻撃に関するリモート会議

G7首脳は、イランによるイスラエルへの攻撃を受け、オンラインでの緊急会合を開催しました。会合には岸田首相も参加し、G7は「最も強い言葉で明確に非難」し、イスラエルへの「全面的な連帯と支援」を表明しました。

G7は、イランが地域の不安定化と激化を招いていると指摘し、これを避ける必要があると強調しました。

アメリカ政府高官は、この攻撃に事前通告はなく、イランは死傷者を出すつもりだったと述べ、アメリカはイスラエルの防衛を支援すると警告しました。

この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧ください。

【私の論評】イスラエルの安全保障を支持する日本の姿勢 - G7との協調と核抑止力の重要性

まとめ
  • イラン大使館周辺へのイスラエルによる攻撃に対し、イランが報復を行った。
  • G7全体(日本含む)がイランの攻撃を「最も強い言葉で明確に非難」し、イスラエルへの「全面的な連帯と支援」を表明した。
  • イランの領土からイスラエルを直接攻撃するのは今回が初めての事態であり、G7が「前例のない攻撃」と非難した。
  • 多くの中東専門家は、今回の事態が大規模な戦争につながることはないと予想している。その理由は、イスラエルが強力な破壊兵器(核兵器)を保有しているため、イランが過度な攻撃をする可能性が低いからである。
  • 日本の左派政党やマスコミはイランを擁護する傾向にあるが、今回日本政府はイランを非難し、イスラエルを支持する姿勢を示した。今後日本は、このような傾向を強めていくべき
攻撃を受けたダマスカスのイラン大使館周辺

シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館周辺がイスラエルによるとみられる攻撃を受けたことを巡り、イランは報復を行うと表明しており、それが実行されました。

イランによるイスラエル攻撃の際、G7全体(日本を含む)が「最も強い言葉で明確に非難」し、イスラエルへの「全面的な連帯と支援」を表明しました。これは、イランによる攻撃が明らかな国際法違反であり、地域の平和と安全保障を脅かす重大な事態だったため、G7が団結して強い姿勢を示したものです。

さらに、イランの領土から直接イスラエルの領土を攻撃するという事態は、今回が初めてです。

過去にもイランがイスラエルを攻撃する事例はありましたが、それらはイランが支援するシリアやレバノンなどの地域からの攻撃でした。

今回のように、イラン領土そのものからイスラエルに直接攻撃を仕掛けるのは、これまでにない新しい事態でした。

G7がこれを「前例のない攻撃」と強く非難したのは、この点を踏まえてのことだと理解できます。日本もさすがに、イランに対して曖昧な態度をとれなかったのでしょう。イラン領土からの直接攻撃は地域の緊張を一段と高めるものであり、G7が強い懸念を示したのは適切な対応だったと言えます。

イランによるイスラエル攻撃

一方、ハマスによるイスラエル攻撃の際は、日本を除くG6がイスラエルへの「全面的な連帯と支援」を表明しました。この背景には、G6諸国がハマスをテロリスト組織と明確に認識しているのに対し、日本の認識が相対的に希薄であったことが考えられます。

日本は、ハマスの本質を十分に理解していなかったため、G6諸国ほど強硬な姿勢を示せなかったと考えられます。テロリスト組織であるハマスに同情的な立場をとることは適切ではなく、同盟国との連携も重要です。今後は、ハマス等のテロリストの実態をより正確に認識し、国際社会との調和した対応を取る必要があるでしょう。

イランがイスラエルの実効支配下にあるゴラン高原に無人攻撃機やミサイルを撃ち込んだことで、第三次世界大戦への懸念が高まっていると報道されています。しかし、多くの中東専門家は今回の事態が大規模な戦争につながることはないと予想しています。その理由は、イスラエルが強力な破壊兵器を保有(イスラエルは認めていないものの核保有されてるとしている)しているため、イランが過度な攻撃をする可能性は低いからです。

さらに、貧困に苦しむガザ地区を支配するハマスとは異なり、イランはその産油施設を破壊されれば取り返しがつかないです。ハマスのイスラエル攻撃は例外ともいえますが、基本的に、侵略されて女性や子どもが虐殺される国は核兵器を持っていない国に限られます。

日本では核兵器は戦争の象徴とみなされていますが、世界的には平和の象徴と考えられています。日本は日米安全保障条約により、米国の核の傘の下にあります。日本が核攻撃されたら米国は報復するとは明記されていませんが、「危険に対処する」と曖昧に記されています。

その背景には、2023年末時点で日本が世界のドル流通量の1/7以上に当たる1.2兆ドルを保有していることがあります。一方、中国の保有額は約9,000億ドルと報告されています。

つまり、日本はドル資産保有においては中国を上回っているのが現状です。

このように、日本はドル資産保有大国の一つであり、世界の通貨システムにおいて重要な役割を果たしていると言えます。


日本が戦争等にまきこまれドルを大量に売却する姿勢をみせれば、米国はそれに対処せざるを得なくなります。つまり、日本のドル保有がアメリカの対日支援を引き出す要因となっているといえます。

もし、これに加え、日本が核兵器を保有すれば、世界における日本の地位も飛躍的に高まるでしょう。一方で、貧困層を支持する政党は非核化を主張しますが、それは日本の平和と繁栄の基盤を脅かすものだと言えるでしょう。

日本の左派・左翼勢力は、それだけではなく、テロリストのハマスを擁護する傾向が強く、日本のマスコミや学問界でもその傾向が強く、それが日本国内に広く流布しているため、ハマスによるイスラエル攻撃の時には、日本政府はそれにひきづられイスラエルへの「全面的な連帯と支援」の表明からは外されると大失態をしてしまいました。

これと同じように、日本の左派政党やマスコミは、イランを支持・擁護する傾向にあります。これは、イランの反米・反西側的な姿勢や、パレスチナ問題でのハマス支持、さらには核兵器に関する立場などに共感を持っているためと考えらます。

それでも、今回は日本は、「最も強い言葉で明確にイランを非難」し、イスラエルへの「全面的な連帯と支援」を表明しました。これは、一歩前進だと思います。

これからも、日本はこのような傾向を強めていくべきです。そうでないと、せっかくかなり高い潜在的能力を持っているにもかかわらず、世界における日本の地位が低下し、衰退への道を歩むことになりかねません。


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