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- 中国は軍事演習と臨検(船舶への立ち入り検査)で台湾を海上封鎖し、無血開城を狙っている。台湾のエネルギー備蓄が少ないため、すぐに陥落する可能性がある。
- ペロシ議長の台湾訪問時の中国の大規模軍事演習は実際は海上封鎖の訓練だった。中国は金門島周辺の遊覧船を臨検するなど、台湾統一への動きを見せている。
- 中国は台湾を軍事的に圧倒しているので、米軍が介入しなければ台湾統一が成功する可能性が高い。しかし米軍が介入すれば、日本の在日米軍基地や自衛隊基地が攻撃対象となり、日本のエネルギーインフラも狙われる。
- ロシア・ウクライナ戦争では、互いのエネルギーインフラが破壊されている。ドローン攻撃により、日本近海の海上交通の安全も脅かされかねない。
- 中国に台湾統一を容認させるのではなく、必ず米軍が介入し、中国が惨敗して政権も崩壊すると思わせる必要がある。
台湾の首都台北市 |
中国は「台湾統一」を目指し、その一環として軍事演習や臨検を通じた台湾の海上封鎖を計画している。台湾のエネルギー備蓄が少ないため、この戦略は台湾を迅速に陥落させる可能性がある。ナンシー・ペロシ米下院議長の台湾訪問時やその後の中国海警局による臨検など、既に実際に行われている動きがある。
中国の軍事力は台湾を圧倒しており、米軍が介入しなければ台湾統一は可能とみられる。しかし、米軍が介入すれば、在日米軍基地や自衛隊基地、さらには日本の基幹インフラが中国の攻撃対象になり得る。ロシアとウクライナの例を見ても、エネルギーインフラが戦略的な標的になりうることが示されている。日本もドローンによる攻撃の脅威にさらされており、エネルギー供給の安定性が懸念される。
中国を刺激しないよう、台湾有事における日本の強固な態度が重要である。日本は防衛能力の強化やエネルギー備蓄の増強、インフラの保護に向けた予算配分を見直す必要がある。グリーントランスフォーメーション(GX)への投資も重要だが、現在の国際情勢を鑑みると、防衛力やエネルギー安全保障の強化が急務である。
中国による台湾統一の野望とその影響は、台湾だけでなく、日本やその他の関係国にとっても深刻な問題である。日本はエネルギー備蓄の充実や防衛能力の強化を急ぎ、国際的な安全保障環境の変化に備える必要がある。
【私の論評】台湾とエネルギー備蓄の実態 - 日台が抱える課題と対策
まとめ
- 台湾のエネルギー備蓄は石油30日分、天然ガス10日~2週間分、石炭1カ月分
- 台湾のエネルギー輸入依存度は97.4%で、2050年までに50%以下に削減目標
- 日本のエネルギー備蓄も乏しい
- エネルギー・ドミナンスは資源保有、供給支配力、影響力の確立を意味する。これを日台が確立するには、将来は小型原子炉、核融合炉を実用化すべき
- 日台は当面、これを確立するため、再エネは抑制、化石燃料の安定的な調達や備蓄の確保、さらには原子力発電の活用といった、即効性のある対策に注力すべき
台湾・九份 |
石油: 台湾政府は石油基金を運用して国家戦略石油備蓄を行い、過去1年間における国内石油製品販売量及び消費量の30日分相当を備蓄しています。民間備蓄は石油精製業者及び輸入業者が過去12ヵ月間における国内石油製品平均販売量及び消費量の60日分以上の安全在庫を確保しなければならないとされています。
天然ガス: 台湾の天然ガスの国内備蓄量はおよそ10日から2週間分程度しかなく、将来的に石炭を天然ガスで代替する場合には、安定したエネルギー供給が重要な課題となっています。
石炭: 現状では1カ月の在庫があるとされていますが、これは増やすことが可能かもしれません。
台湾はエネルギーの輸入依存度が高く、2021年の依存度は97.4%に達していましたが、2050年には50%以下に引き下げる目標を立てています。台湾当局は、これらの取り組みにより、2030年までの4兆台湾元にのぼる民間投資の促進、輸入エネルギーへの依存度の低下、大気の汚染量を2019年比で減少させることを目指しています。
エネルギー・ドミナンス AI生成画像 |
これは、エネルギー・ドミナンスの観点から早急に見直すべきでしょう。ちなみに、エネルギー・ドミナンスとは、ある国や地域がエネルギー分野で圧倒的な優位性を持つことを指す概念です。具体的には以下のような特徴があげられます。
- 膨大なエネルギー資源の保有 特定の国が、石油、天然ガス、石炭などのエネルギー資源を大量に保有し、供給能力が非常に高い状態。
- 支配的な地位の確保 保有するエネルギー資源や輸送インフラを通じて、特定の国がエネルギー分野での支配的な地位を確立している。
- 政治的・経済的な影響力 エネルギー供給を実質的に支配することで、その国が世界の政治・経済に大きな影響力を持つようになる。
- 地政学的な優位性 エネルギー資源の保有や供給ルートの管理によって、地政学的な有利な立場を築くことができる。
現状の日米、台湾、中国のエネルギー・ドミナンスの状況を述べておきます。
まず、米国は自国内の膨大なエネルギー資源を保有しており、特に近年のシェールガス革命により、エネルギー自給率が向上しています。また、世界最大のエネルギー消費国としての地位を活かし、エネルギー分野での影響力を行使しています。つまり米国はエネルギー・ドミナンスを確立している国の一つといえます。
エネルギー・ドミナンスを確立した国は、米国の他には、ロシア、サウジアラビアなどがあります。
一方、日台は国内にエネルギー資源が乏しく、ほとんどを輸入に頼らざるを得ません。そのため、エネルギー分野では相対的に弱い立場にあり、エネルギー・ドミナンスは有していません。
最後に中国ですが、膨大な人口と急速な経済成長により、世界最大のエネルギー消費国となっています。中国は自国内の石炭、石油、天然ガスなどの資源を活用しつつ、海外からの輸入も拡大させており、エネルギー供給分野での影響力を高めつつあります。中国はエネルギー・ドミナンスを目指す一つの候補国といえるでしょう。
中国は確かに大量のエネルギー資源を有している一方、世界最大のエネルギー消費国でもありエネルギー資源の多くを輸入に頼らざるを得ない状況にあり、完全な自給体制を確立できていないのが現状です。
また、輸送インフラの整備や技術力の面でも、まだ米国などの先進国に遅れをとっているのが中国の課題です。
日本や台湾のようなエネルギー資源が乏しい国が、真のエネルギー・ドミナンスを確立するには、小型原子炉の実用化や、将来的な核融合炉の実現が不可欠だと考えられます。
さらに、再生可能エネルギーには、出力変動性、経済性の課題、資源制約、大規模な設備投資の必要性などの不安定な要素があります。
具体的には、発電出力が天候に左右されるため供給の安定性が低く、コストも化石燃料発電に比べて割高な状況が続いています。また、希少金属などの資源確保が難しく、大規模な初期投資も必要となります。
小型原子炉については、大型の従来型原発に比べて安全性が高く、さらにコスト面や立地面での優位性があり、日台にとって有望なオプションになり得ます。小型原子炉の開発を進め、実用化を図ることで、エネルギー供給の安定性と自給率の向上につなげられるはずです。
そして長期的には、核融合炉の実現が鍵を握ると言えます。核融合は膨大なエネルギーを安全かつクリーンに生み出す可能性を秘めた次世代技術です。この実用化が実現すれば、化石燃料や ウラン 資源に依存しなくてもエネルギーの確保が可能となり、まさにエネルギー・ドミナンスの確立につながることになります。
ただ、これらが実用化されるまでには時間がかかります。それまでの間、日本や台湾としては、まずは化石燃料の安定的な調達や備蓄の確保、さらには原子力発電の活用といった、即効性のある対策に注力すべきです。
再生可能エネルギーについては、引き続き研究開発を続けることはやぶさかではないものの、あくまで実験レベルにとどめるべきであり、現実的なエネルギー供給源とみなすべきではありません。短期と長期のバランスを取りつつ、段階的にエネルギー・ドミナンスを確立していくことが、日本や台湾にとって望ましい道筋です。
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一方、日台は国内にエネルギー資源が乏しく、ほとんどを輸入に頼らざるを得ません。そのため、エネルギー分野では相対的に弱い立場にあり、エネルギー・ドミナンスは有していません。
最後に中国ですが、膨大な人口と急速な経済成長により、世界最大のエネルギー消費国となっています。中国は自国内の石炭、石油、天然ガスなどの資源を活用しつつ、海外からの輸入も拡大させており、エネルギー供給分野での影響力を高めつつあります。中国はエネルギー・ドミナンスを目指す一つの候補国といえるでしょう。
また、輸送インフラの整備や技術力の面でも、まだ米国などの先進国に遅れをとっているのが中国の課題です。
現状では、再生可能エネルギーの発電コストが化石燃料に比べて高く、安定供給性にも課題がある状況です。再生可能エネルギーの比率を急速に高めていくと、エネルギー供給の不安定化や経済的負担の増大につながる恐れがあります。
具体的な数値を見てみると、以下のような状況です。
再生可能エネルギー(2022年)
- 太陽光発電: 5~10円/kWh
- 陸上風力発電: 8~12円/kWh
- 洋上風力発電: 15~20円/kWh
- 天然ガス火力発電: 10~15円/kWh
- 石炭火力発電: 12~18円/kWh
確かに、再生可能エネルギーの発電コストは下がりつつありますが、いまだ化石燃料にはおよびません、特に2022年は、ウクライナ情勢などを背景に燃料価格が高騰した時期であり、それでもなお化石燃料の発電コストが低いことに注目すべきです。
具体的には、発電出力が天候に左右されるため供給の安定性が低く、コストも化石燃料発電に比べて割高な状況が続いています。また、希少金属などの資源確保が難しく、大規模な初期投資も必要となります。
再生エネルギー AI生成画像 |
小型原子炉については、大型の従来型原発に比べて安全性が高く、さらにコスト面や立地面での優位性があり、日台にとって有望なオプションになり得ます。小型原子炉の開発を進め、実用化を図ることで、エネルギー供給の安定性と自給率の向上につなげられるはずです。
そして長期的には、核融合炉の実現が鍵を握ると言えます。核融合は膨大なエネルギーを安全かつクリーンに生み出す可能性を秘めた次世代技術です。この実用化が実現すれば、化石燃料や ウラン 資源に依存しなくてもエネルギーの確保が可能となり、まさにエネルギー・ドミナンスの確立につながることになります。
ただ、これらが実用化されるまでには時間がかかります。それまでの間、日本や台湾としては、まずは化石燃料の安定的な調達や備蓄の確保、さらには原子力発電の活用といった、即効性のある対策に注力すべきです。
再生可能エネルギーについては、引き続き研究開発を続けることはやぶさかではないものの、あくまで実験レベルにとどめるべきであり、現実的なエネルギー供給源とみなすべきではありません。短期と長期のバランスを取りつつ、段階的にエネルギー・ドミナンスを確立していくことが、日本や台湾にとって望ましい道筋です。
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