2013年1月9日水曜日

安倍政権が、朝鮮学校を高校無償化の対象から外す方針を決めた(朝日新聞)―【私の論評】世の中の変化に追いつけない朝日新聞、まだ大昔のままの姿勢は新聞廃刊になるまで続く!!

安倍政権が、朝鮮学校を高校無償化の対象から外す方針を決めた(朝日新聞「声欄より)

朝鮮人学校の入学式

経済力にかかわらず高校に進み学べる社会にする。無償化の趣旨を考えると、例外を設けるべきではない。

教育内容に朝鮮総連の影響が及んでいること、拉致問題の進展がないことなどから、現時点では国民の理解が得られない。下村文科相はそう説明している。

たしかに拉致、事実上のミサイル実験などから国民の不信は強い。

朝鮮人学校の職寝室


北朝鮮指導者の肖像画を教室に掲げ、独裁体制を肯定するような授業をしているとすれば受け入れがたい。

ただ、制度の対象は生徒個人であって、学校ではない。日本の大学に進学する生徒も多い。日本社会の一員となる。

子どもたちだ。生徒たちの学びを保障し、かつ日本や国際社会の価値観をきちんと学んでもらう。両立の手立てを
探りつづけるべきだ。

これまで文科省は、無償化を認める場合には留意事項をつけ、日本の政治・経済の教科書を教材の一つとするなどの自主的改善を促すとしてきた。無償化対象にして回路を保ちつつ、こうした改善を働きかける。その方が社会全体にとって有益ではないか。

神奈川県は県内の朝鮮学校に県として補助金を出すにあたり、拉致や大韓航空機の爆破事件をめぐる教科書の記述などの疑問点を指摘した。その結果、十分でないにせよ記述は一部改訂された。横田めぐみさんを題材にした映画を使い、拉致問題を教える授業も行われた。働きかけの回路をもつことで一歩前に進んだといえる。

セクシーな朝鮮のモーターショーコンパニオン

朝鮮学校を対象から外す手続きにも疑問がある。

外国人学校への無償化適用は文科省令に定められている。そこから、朝鮮学校を審査対象とする根拠の条項だけを削除するというものだ。

この条項に基づいて、朝鮮学校からは2年以上も前に申請が出ている。ところが、その審査をずっと先送りした末に、条項そのものをなくして審査を打ち切る。これはおかしい。

ルールの変更を検討するにしても、まず審査の結論を示すのが先だろう。民主主義社会の価値観に合う教育を求める側が、手続きの公正さに疑問をもたれることがあってはなるまい。(抜粋)

【私の論評】世の中の変化に追いつけない朝日新聞まだ大昔のままの姿勢は新聞廃刊になるまで続く!!

朝日新聞による異常な安倍内閣成立の報道


さすが、中国人民日報の記事です。いや、違ったか、朝日新聞でした。しかし、本当に中国人民日報のような論評です。文部省がとか、文部大臣が高校無償化の対象から外すという表現ならまだ理解できるのですが、わざわざ「安倍政権が」と表題に入れるところが、背後の意図をありありと感じさせます。よほど、安倍晋三氏個人が嫌いなのだと思います。安倍首相誕生のときにも、上のようにさんざんぱら、悪態をつきまくった特集を出しています。就任したばかりの首相としては、いかに再選といっても異常です。こんな新聞は、他国には存在しないでしよう!!

もう、馬鹿馬鹿しくて、論評する価値もないです。

とはいいながら、若干説明します。

高校無償化とはもともと、2010年4月に施行された高校無償化法に基づくものです。

この法律により、公立高校は授業料を徴収しません。私立高校は「就学支援金」という形で低所得者世帯などでは実質授業料免除の形に近いものとなります。

この法律によれば、文部科学省が「高校に類する課程」と認めた専修学校や外国人学校も対象となります。

しかし、朝鮮学校は判断が見送られていました。結局、民主党ははっきりと無償化にしないという結論を出せずにズルズルと引き延ばしてきたのす。

今回、のこの措置は、文部科学相に内定した下村博文元内閣官房副長官が朝鮮学校無償化に対し強い拒絶を示しており、その意向を反映したものとなったようです。

現在経済制裁を行っている「潜在的敵国」である北朝鮮の支配下にある朝鮮学校を無償援助するというのはそもそも異常なことです。

「当然」、「当たり前」という声が大勢を占めるのは当たり前のことである。その当たり前のことが出来なかったのが民主党政権でなのです。

それにしても、上の記事相当インパクトがあったようです。

まずは、ツイッターの状況を以下に記します。この記事内容凄まじく拡散されています。


ツイッターでは「朝鮮学校」、「適用しない」、「授業料無償化」がトレンドワードに浮上。ニュースが大きく拡散しています。拡散の内容は、このニュースの告知とともに、「当然」「当たり前」というものがほとんどです。


「2ちゃんねる」でも関連ニュースのスレッドが立ち、26日、10:50時点で勢いランキングの2位。スレッドはprat2まで進んでいます。


ちなみに、上の画像では、順位が読み取りにくいので、以下に掲載しておきます。
1位:【政治】亀井静香氏、未来離党へ
2位:【政治】安倍政権、 朝鮮学校には授業料無償化を適用しない方針★2
3位:【食文化】 七面鳥の代用品で「クリスマスはKFC」 フライドチキンCMに海外から驚きの声 「これは悲しい」「ジョークか何かだろ」★5

それにしても、このネット上での人気ぶり、朝日新聞はどう受け止めているのでしょうか?朝日新聞といえば、一時「アサヒる」という言葉が流行りました。

アサヒる問題(アサヒるもんだい)とは、朝日新聞(2007年9月24日付)に掲載された安倍晋三氏に関する石原壮一郎のコラムをきっかけに、インターネット上で流行した「アサヒる」という言葉が朝日新聞への批判やパロディ化の一形態として使われるようになったことに関する一連の議論や論争を指します。

以下に当時の動画を掲載します。


なにやら、この当時から、朝日新聞ほとんど変わっていません。朝日新聞主筆・若宮啓文氏は、「安倍叩きは社是である」と放言したと伝えられています。これは、不偏不党が建前の新聞社において、その建前を真っ向から否定する世紀の大暴言で­あり、いくら左翼スタンスの朝日新聞であるといえども許される水準の発言ではありません。これに関する動画を以下に掲載します。



それにしても、もう時代の空気も変わったというのに、相変わらず、朝日新聞は、このような記事を掲載すれば、安倍首相をけ落とせるとでも思っているのでしょうか?だとすれば、本当に、時代錯誤も甚だしいです。これだけ世の中が変わって、朝日新聞の上記のような記事が、ネット上で大批判されているにもかかわらず、世の中の変化に追いつけない朝日新聞新聞のこの姿勢は、廃刊になるまで続くことでしょう。廃刊の日も近いと思います。そう思うのは、私だけでしょうか?

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2013年1月8日火曜日

「日経平均1万5000円」も実現できる安倍政権のリスク要因は麻生蔵相ら経済閣僚の「危うい見識」―【私の論評】金融政策の重要性を理解すべし!!それに、共産主義がうまくいかなかったことも銘記すべし!!

「日経平均1万5000円」も実現できる安倍政権のリスク要因は麻生蔵相ら経済閣僚の「危うい見識」

スタートした安倍政権

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[ 高橋洋一「ニュースの深層」 ]
「日経平均1万5000円」も実現できる安倍政権のリスク要因は麻生蔵相ら経済閣僚の「危うい見識」 
[高橋 洋一]
安倍首相の年頭所感は「デフレと円高からの脱却による経済の再生だ」として、経済の他にも教育、外交を立て直す方針を掲げ、「一つ一つ『結果』を出していくことにこだわり続ける」と決意を表明した。
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【私の論評】金融政策の重要性を理解すべし!!それに、共産主義がうまくいかなかったことも銘記すべし!!

増税を決めた三党合意


上記の記事、麻生財務大臣に対する批判をしています。しかし、この批判は麻生氏もそうですが、現在の政治家には大部分の人に対する批判でもあると思います。なぜなら、過去20年にもわたって、日本はデフレだったわけで、結局自民、民主、与野党を問わず多くの政治家もこれを放置してきたわけです。それに、デフレの最中であるというのに、自民公の三党合意で増税を決めたのですから、ほとんど全員が経済オンチであったわけです。

安倍総理だって、前回総理だったときには、戦後レジームからの脱却ばかり、前面に押し出して、経済対策は、あまり積極的ではありませんでした。しかし、今回は、経済対策、その中でも、特に金融政策に力を入れていることは評価できると思います。

そういった観点から、上の高橋氏の記事の中から気になる点だけピックアップして、説明させていただきます。

まず、第一点目は、 「90年代以降円高になっているが、輸出は伸びているので、円高は問題でない」ということはなく、外国と比較すれば、円高では輸出は伸びていなかったということです。

 これは、日本だけを見ているとわかりませんが、グラフをみると一目瞭然です。やはり、円高では、輸出は伸びにくいというように受け取るべきと思います。

2番目は、やはり、金融政策の軽視は絶対に駄目ということです。これは、マンデル・フレミング効果について、以前のこのブログにも掲載しました。そのURLを以下に掲載します。

【産経・FNN世論調査】増税法案成立後に解散を57%―【私の論評】これから選挙に打って出ようとする人へのアドバイス"次の選挙では、何を争点にすべきか?何を主張する政治グループに属するべきか!!"

 詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、マンデル・フレミング効果についてのみ掲載します。
経済では、マンデル・フレミング効果ということがいわれています。開放経済の小国で変動相場制の下では、金融政策は有効ですが、財政政策は無効であるとい うものです。閉鎖経済のケインズ体系であるIS-LMモデルを開放経済に拡張した「マンデル=フレミング・モデル」によって導かれるものです。
マンデル=フレミング・モデルでは、IS-LM分析に国際収支の均衡を表すBP曲線を加えて、「経済政策の有効性」を考えます。
難しいことはさておき、小国で、変動為替相場制の国であれば、経済対策としての財政支出はほとんど効果がなく、金融政策のみが有効であるというものです。日本は、経済的にみて大国ですから財政政策は無効とうことはないですが、それにしても、効かない局面もあるということです。だから、金融政策をないがしろにはできないということです。

それから、最後に気になったは、やはり、「産業育成のためのTARGETING POLICY」ということです。これは、政府が、成長産業分野をみつけだし、後押しするというものです。高橋氏も、「TARGETING POLICYなどは、途上国での幼稚産業育成くらしか当てはまらず、先進国ではほとんどあり得ない政策だ。TARGETING POLICYなどは経産官僚のおもちゃでしかなく、予算獲得のための隠れ蓑である」としています。私も、そう思います。

このことについても、 以前このブログに掲載したことがあります。そのURLを以下に掲載します。

【日本の解き方】あまりにヒドい政府の“日本再生戦略”―【私の論評】今の政府や政治家は、自分の頭の上のハエを追えない人が、他人の世話を焼いているようなもの、自分がやるべきことに専念せよ!!

 詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、この記事では、実は、あのノキアが、iPhoneや、iPadとほぼ同じようなものをアップルがこれらを発表する数年前から開発ずみであったものを市場に投入する機会を逸したことを例にあげて、以下のように論評しました。

NokiaのCM、なぜ女性のランジェリーなのか?
民間企業ですら、このような失敗をすることがあるわけですから、政府が成長する産業を見極めることなどほとんど不可能です。特に自由主義経済下では、そのようなことは誰もわからないというのが事実です。いろいろなタイプの企業が種々様々な工夫をして、その結果いずれかの事業がその時々の市場に適合うして、それが産業として伸びて行くというのが普通です。
スマホは、アップルがiPhoneで、現在の原型をつくりあげ、それを市場に投入しました。これが、たまたま、市場に適合していたため、それが、大ヒットして、今日につながっています。そうして、今では、iPhoneだけではなく、Android携帯なども様々の種類のものが、開発され、一大産業となっています。しかし、その影て、ノキアに限らず、ブルーベーリーその他、失敗しているところたくさんあります。それに、私としては、これら携帯電話に限らず、いまでは完璧に姿を消したPDSだって、電話機能さえつければ、現在のスマホと変わりないものがいくつもありました。
スマホの例でもわかるように、どの産業でも、いくつもの会社が、いくつもの新しい次世代のものを開発しており、そのうちの本の数社、場合によっては、1社だけが、次世代の産業を担って、大きく発展していのです。今日確かにアップルは大成功を収めましたが、何かがどこかで違っていれば、アップルがノキアのような目にあっていたかもしれないのです。
そんな自由主義経済下の競争において、政府が発展する産業を見抜けるわけはありません。政府はもともと、そのようなことをする機関ではありません。城山三郎氏の小説「官僚たちの夏」では、あたかも、通産省が日本の産業を主導してきたような扱いですが、あれは、幻想にすぎません。現実には、通産省主導で行ったことは、何一つ成功していません。大成功したのは、先送り戦術だけです。

この自由主義経済下においては、いくつもの民間企業が、競争環境の中で、その時々で様々な努力をして、その時点ではうまくいくかどうかもわからないですが、数年後には、決着がつくといった具合で、政府が主導で、成長産業を見つけることはほぼ不可能ということです。

共産主義は魅力的にみえたが結局うまくいかなかった!!

それが可能だと信じて、頑張った国々が過去にありました。そうです。共産主義の国々です。これらの国で、優秀な人が計画経済を立案して、それを実行すれば、成功し国が反映するといわれていましたが、現実はどうなりましたか?

全部破綻して、結局はうまくいかず、今では、共産主義国などなくなりました。だから、 「産業育成のためのTARGETING POLICY」など成り立つわけてがないのです。

TARGETING POLICYがうまくいくのなら共産主義だってうまくいったはず!!

私は、今回の安倍総理は、経済対策にも目覚め、まともな、金融政策、財政政策などを進めようとしています。しかし、上記のようなことを理解しない政治家が、安倍氏の実施しようとしていることに、障壁にならないようにして欲しいものだと思います。上記のようなことを理解して、与野党を問わず安倍総理の足を引っ張ることだけは、しないで欲しいと思います。

皆さんは、どう思われますか?  

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2013年1月7日月曜日

創業時から「ニッチよりグローバル」なテラモーターズ−【私の論評】メイカーズの流れを知れば、最初からグローバルでもニッチであることが理解できるはず!!

創業時から「ニッチよりグローバル」なテラモーターズ:

テラモーターズがフィリピンの輪タク業者に提供したスクーター

「ベンチャー企業は先行企業がまだ手をつけてないニッチな市場を狙うもの」──。 ベンチャー企業の定石ともいうべき戦略であるが、2010年4月にテラモーターズを起業した徳重徹社長は違った。「ボーン・グローバル・ベンチャー」を掲げたのだ。その狙いについて徳重社長は「設立当初からグローバル市場に切り込むことで、これまでのベンチャー企業にない新しい成長スタイルを描き出したかったのです」と語る。そして徳重社長が目を付けたのが電動バイクだった。

【私の論評】メイカーズの流れを知れば、最初からグローバルでもニッチであることが理解できるはず!!

上の記事、詳細を読んでいただければお分かりになると思いますが、大きな勘違いをしていると思います。上の記事でば、「ベンチャー企業は先行企業がまだ手をつけていないニッチな市場を狙うもの」というのが常識だったのを、テラモーターズは、それを破ったというような書き方をしています。しかし、これは間違いだと思います。この記事を書いた人は、完璧に勘違いしています。グローバルな事業展開をしているかといって、ニッチではないということはありません。


上の記事を書いた人は、このブログにも、このブログに昨年末掲載した、現在おこりつつあり、これから大きな潮流となる、いわゆる「メイカーズ」というトレンドを知らないのだと思います。(上の写真は、メイカーズ・ムーブメントを解説したクリス・アンダーソン氏の著書『メイカーズ』の表紙)

「ロングテール」「フリー」著者が提唱する“メイカーズ革命”で日本が再起動する?―【私の論評】本年最後の話題として「メイカーズ」は取り上げないわけにはいかない!!

詳細は、上の記事をごらんいただくものとして、いわゆるメイカーズとは、最初からからグローバルでありながら、ものづくりのロングテールといっても良い動ききで、最初からニッチであるという動きです。ニッチであるからこそ、個性的な製品ができあがる可能性が増えたし、メイカーズ的なものづくりをすればこそ、ニッチでも成り立つという具合です。

ちなみに、ロングテールについて、簡単について掲載しておきます。詳細はwikipediaなどで調べてください。
「オフライン小売店」と呼ばれる従来型の店舗を構えた形態の販売店では、商品棚の容量や物流上の制限などで売上げ成績の良い売れ筋商品を主体に販売するよう努め、売れ筋以外の商品(死に筋商品)は店頭に並べられないことが多かったものです。しかし、アマゾン社などのオンライン小売店は、無店舗による人件費と店舗コストの削減に加えてITの利用による在庫の一元化やドロップシップの導入などによる物流コストの極小化を進めた結果、従来型の小売店の制約に縛られず、普通に考えれば年に1個、またはそれ以下しか売れないような商品まで顧客へ提供することで、店舗を構えていたのでは実現不可能な大きな販売機会の取り込みを可能にしました。このようなITを駆使した新たな物品販売のビジネスモデルを説明する時に使われるのが「ロングテール」です。

このロングテールの意味そうして、新たな「メイカーズ」の潮流を知っていれば、上記のようなグローバルだから、ニッチではないという見方にはならないと思います。ロングテール、メイカーズ的な観点からいえば、逆にグローバルだから、ニッチでも成り立つということができると思います。

テラモーターズはどの程度、オープンイノベーションにしているのか、あるいは、クラウド・ファンディングを使っているのか上の記事では解説されていません。しかし、おそらく、従来のように自分たちが、製造工場を持っているのでなく、アップルのように自らは製造設備は持たず、自分たちは企画と、試作品製作のみを行っているのだと思います。おそらく、このように全部ではなく、ある程度の部分は、メイカーズ的なやりかたを取り入れていると思います。上の記事をみていても、たとえ海外に販売するからといって、海外にもすでに、大手メーカーによる、スクーターなどかなり販売されているでしょうから、ニッチであることには変わりないと思います。

上の記事、メイカーズ的潮流をどの程度取り入れているかという観点から、記事を掲載すれば、もっとレベルの高い記事を掲載できたものと思います。このままだと、真実を伝えたことにはならないと思います。このようなことを説明するには、ひよっとしたら、"グローバル・ニッチ"という言葉が必要かもしれません。そうです。最初からグローバルな市場でありながら、ニッチな市場という意味です。このような言葉ないようですが、これで十分日本でも、外国でも通用すると思います。

このような潮流を知らなければ、上記の記事のように、本当の姿を見失います。このブログの 購読者の皆様は、そのようなことはないでしょうが、自分の身の回りの人で、上記のような見たて違いをする方がいた場合には、メイカーズの潮流を教えてあげるべきと思います。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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【目覚めよ 日本力】〈次世代技術〉医療・福祉に革命起こす「脳ロボット」―【私の論評】日本にも面白いメイカーズが存在し、クリエイティブな活動をしている!!

「存在に値する」会社の必要条件は何か? それは過去を健全に否定し、世の中に新しい価値を送り出し続ける「起業家精神」だ!―【私の論評】顧客価値の創造をすることが「存在に値する」会社の必要条件であることは、間違いないが、今の経済状況は、十分条件を満たしてはいない!!

2013年1月6日日曜日

【日曜経済講座】編集委員・田村秀男 「インフレ目標」だけでは不十分―【私の論評】政治家は日銀を中央銀行として捉え日銀はしばしお金供給マシンに徹すべし!

【日曜経済講座】編集委員・田村秀男 「インフレ目標」だけでは不十分:

銀行にカネを預けると金利がつくし、借金すると金利を払うことが当たり前になっている。ここで言う金利とは、プラスの数値である。ならば貸し手が金利を払い、借り手が金利をもらえるマイナスの金利があってもよい。


【私の論評】政治家は日銀を中央銀行として捉え日銀はしばしお金供給マシンに徹すべし!!


マイナス金利とは英語ではNegative Interest Rates

上の記事では、デンマークのマイナス金利政策の話を掲載していました。私も、この記事を書いた田村氏が主張しているように、日銀は、マイナス金利政策を含むありとあらゆる、マネーサプライの増加措置をとるべきと考えます。

ゼロ金利政策というと、金利を限りなくゼロに近づけていくという政策です。しかし、マイナス金利政策というと、多くの人かと惑いを感じてしまうかもしれません。日銀を民間銀行のように考えていると、この政策は何なのかわからなくなってしまいます。

なにせ、普通の銀行は、金利で儲けているわけですから、マイナス金利とは、銀行がお金を民間企業に貸し付けたとすると、お金が民間企業にわたりますが、金利分は毎年銀行に払わなければならないのが普通ですが、そうではなくて、金利を逆に銀行からいただけるということになります。銀行からすれば、金利を貰って儲けるどころか、儲けであるはずの、金利を民間企業にさらに提供するというとんでもないことになります。儲がなくなるどころか、そらに損をしてしまうということになります。

しかし、日銀は、別に市中銀行にお金を貸して金利を得ることを生業としているわけでないですから、こんなこともできるわけです。そうして、市中銀行への貸し出しをマイナス金利にすれば、市中銀行から、民間企業に貸し付ける際の金利も下がるということです。

マクロ経済を理解しないで、日銀を民間企業のように考えてしまえば、これはとんでもないことのように思えます。しかし、このように単純に考えるべきではありません。日銀というと、日本銀行ですし、また、日本でいう日銀の役割をする各国の金融機関の総称が、これまた中央銀行と、銀行という名称がつきますから、これも理解しにくくなる原因ともなっているかもしれません。

FRB長官 バーナンキ
しかし、アメリカの中央銀行は、日本のようにアメリカ銀行とは呼びません。Bank of America(通称:バンカメ)という銀行もありますが、これは、純然たる民間銀行であり、中央銀行ではありません。それは、ご存知FRBです。日本語では、連邦順制度理事会と呼びます。日銀も、FRBも中央銀行です。

ちなみに、中央銀行(ちゅうおうぎんこう、英: Central bank)とは、国家や、国家連合、国家的地域、事実上独立している地域などの金融機構の中核となる機関で、銀行券(通貨(紙幣))を発行し、市中銀行を相手に資金を貸し出す業務を行うものです。

国債を売買し、国へも資金の提供を行います。また、通貨価値の安定化などの金融政策もつかさどるため「通貨の番人」とも呼ばれます。「発券銀行」「政府の銀行」であると共に、最後の貸し手として「銀行の銀行」としての役割を果たします。


それから、FRBは上場企業でもあります。連邦準備制度理事会は株式を発行していませんが、その下部組織である連邦準備銀行は株式を発行しています。しかし、合衆国政府は連邦準備銀行の株式を所有しておらず、各連邦準備銀行によって管轄される個別金融機関が出資(=株式の所有)義務を負っています]。また、個人や非金融機関の法人は連邦準備銀行の株式を所有できません。

個別金融機関すなわち、銀行、投資銀行(日本でいえば、証券会社)などが、出資し所有義務を負っています。政府は、出資しておらず、大手民間金融機関が出資をしているということで、このことがしばしば問題視されることがあります。

日本銀行初の女性支店長 白川貧乏神よりよほどいいかもしれない?

しかし、日本銀行も実は、上場企業でもあります。これは、意外と知られていないようです。日本銀行は、政府から独立した法人とされ、公的資本と民間資本により存立しています。資本金は1億円で、そのうち政府が55%の5500万円を出資し、残り45%にあたる約4500万円を政府以外の者が出資します。

出資者には出資口数を証した「出資証券」が発行されますが、出資証券はジャスダックに上場され、株式に準じて取引されています(ただし、一般の上場株式とは違い、一部の証券会社では日銀出資証券を取り扱っていない場合があります)。

証券コードは8301。取引の1単元は100株(便宜上の呼称で、正しくは100口)。2010年(平成22年)3月末日時点における政府以外の出資者の内訳は、個人35.9%、金融機関2.4%、公共団体等0.2%、証券会社-%、その他法人6.5%となっています。

株式会社と異なり、出資者は経営に関与することはできず、役員選任権等の共益権はありません。自益権に相当する剰余金の配当は、払込出資金額(1株の額面金額に相当、1口あたり100円)に対して年5分(5%)以内に制限されています。もし、日本銀行が解散を決議した場合でも残余財産の分配は出資者にはなく、日本銀行法によりすべて国に財産は帰属することになっています(第9章 第60条2項)。なお、売買価格は株式市場における実勢価格であり、「額面の出資金額」とは異なります。売買単位は100口ではあるが、100口券を1口券100枚に分割可能であること及び、100口未満(1 - 99口)の買取請求が出来ないことから、単元は1口と考えます。

少し、中央銀行や、日銀の説明が長くなってしまいましたので、本題に戻ります。日銀はこのように、民間企業の体裁を整えていますが、そうはいっても、民間企業でなく、あくまで、政府の下部機関でもあります。そもそも、日銀の職員は、国家公務員であり、民間銀行のように、民間企業にお金を貸して、その金利で収益をあげたり、利益をあげる存在ではありません。職員の給与は、税金によって賄われています。

だからこそ、先に述べたようなマイナス金利政策ができるどころか、民間金融機関では絶対にできない、貨幣を増刷・鋳造することもできます。その点、日本銀行は、民間企業や市中銀行とはまったく、異なるわけです。

しかし、このあたりの実情がわかっていなければ、先のマイナス金利政策も良く理解できないということになってしまいます。しかし、こんなこと、当たり前だなんて言っては、おられないかもしれません。なぜなら、前の民主党政権の閣僚や政治家、もしかすると、その前の自民党政権の閣僚や政治家も良くわかっていなかったかもしれません。なぜなら、20年近くも、デフレを容認し続け、日銀の金融引き締め政策を容認しつづけてきたからです。当たり前に、考えれば、こんなことを容認すること自体がおかしなことです。

史上最低最悪の復興税?気が触れているとしか思えない!!

特に、民主党政権時代は、おかしかったと思います。東日本大震災の復興に復興税で対処しようとか、デフレの最中に、増税しようとか、これは、それこそ、自民党(特に当時の谷垣総裁)も含めておかしかったと思います。このおかしさ程度どの程度のおかしさかといえば、上に私が掲載したように、日銀を中央銀行としてとらえるではなく、民間銀行と同じように捉えてしまうのと、大同小異だと思います。古今東西、大規模な自然災害への復興に税で対処するような国などありません。日本の建設国債もしくは、それと同等のもので対処するのが当たり前のど真ん中です。そうでなければ、震災を受けた世代だけに負担が重くなります。まるで馬鹿な政策です。

とにかく、日銀はここ20年ばかり、実質上金融引き締め政策をやってきたわけですから、ここしばらくは、根本的に考え方を変えて、上で田村氏が主張している、マイナス金利政策も含めて、ありとあらゆる本格的金融緩和に転ずるべきです。自分たちの役割は、お金供給マシンであると自認すべきです。それに、日銀と民間銀行とを同じように考えてしまうような政治家の悪癖も、昨年限りでおしまいにすべきと思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年1月5日土曜日

新春特別番組 維新・改革の正体を語る(SakurasoTV)−【私の論評】今後の私たちは、新自由主義の呪縛から逃れ、真性保守主義の立場を貫くべき!!

新春特別番組 維新・改革の正体を語る(SakurasoTV)

 

 

戦後のめざましい復興と力強い発展を支え続けた我が国の経済成長が、10年以上にも亘って停滞しているのは何故なのか?「リセット」「ぶっ壊す」「改革」という胡散臭い理念こそが「日本弱体化」の元凶であることを、大局的な視点から、具体的な事例とともに明らかにしていきます。

出演:

宍戸俊太郎(筑波大学名誉教授・国際大学名誉教授)

藤井聡(京都大学大学院教授)

聞き手:水島総(日本文化チャンネル桜代表)

【私の論評】今後の私たちは、新自由主義の呪縛から逃れ、真性保守主義の立場を貫くべき!!

本年の新春の動画では、この動画がもっとも見応えがあったし、テレビ番組などは、見るべき価値のあるものは、ほとんどありませんでしたので、本日は、この動画を掲載することにしました。

今の日本の惨憺たる有様は、デフレのときに緊縮財政と、金融引き締めをやるという前代未聞k
政策をとったことが原因であることは、あまりにもはっきりしすぎていますが、この動画ではどうしてこのような政策をとるようになってしまったのかというところで、特に財政政策についてあますところなく解説されているのが凄いです。特に、番組で提示されていた、「日本をダメにした六つの勢力」 というフリップは、この問題の要因を的確に示していました。そのフリップを下に掲示させていただきます。


このブログでは、過去に日本の長く続くデフレの原因は、緊縮財政と金融引き締めによるものであることは、何回も掲載してきました。特に昨年は、日銀による金融引き締めを糾弾してきました。緊縮財政に関しては、昨年はあまり掲載はしませんでしたが、これもデフレの大きな要因であることに変わりはありません。そのため、今年は、財政政策についても積極的に掲載していくつもりです。この記事は、その第一弾です。

それにしても、これだけの勢力が正論を捻じくりまわし、日本をデフレスパイラルの奈落に落とし込んでしまったということを:決して忘れてはならないと思います。そうして、その勢力は、今でも生き残っていて、安部自民党政権に対して高い障壁となってたちはだかっています。しかし、安倍政権は、デフレ脱却を公約にあげて選挙で勝ったわけですから、これらの勢力にも成仏していただかなければならないと思います。

私は、この中でも、特にたちが悪いのが、「新自由主義経済イデオロギー」だと思います。官僚主義とか、アメリカの日本弱体化、社会主義陣営による「対日工作」などは、過去から連綿として続けられているものであり、多くの人がかなりその悪弊を理解しやすいと思います。


しかし、「新自由主義」は、「新」と銘打っているため、一見新しいくて魅力的に映るところがあります。実際私も随分前には、その恐ろしさを知らず、魅力的に感じたときもあります。学生の頃は、丁度フリードマンの理論を解説するテレビをみて、このような考え方もあるのかと、なにやら消化不良のような感覚はあったものの、妙に納得したことを覚えています。しかし、どうにも馴染めない考え方でした。ちなみに、以下に新自由主義についてwikipediaから引用させていただきます。
新自由主義の思想は、個人の自由と尊厳を守るために、私的所有、法の支配、自由市場、自由貿易のような経済的自由が必要であり、このような自由に支えられた社会はより多くの個人を幸福にすると主張し、福祉政策は全体主義に繋がるとして批判する。
統治様式は、国家行政が官僚によって計画的に社会を統治するのではなく、市場原理や民間企業の経営方法を行政に導入することで効率的で質の高い公共サービスの提供を目指す、ニュー・パブリック・マネジメント(NMP)と言われるような方法をとり、社会全体に市場原理を適用する。
政策は、主に経済に関する規制緩和、商業・産業の自由化、国営企業の民営化という三つの原理が含まれ、大企業や高額所得者の減税、社会保障の削減、インフレ抑制を目指す金利政策、小さな政府、労働運動の抑制、経済のグローバル化といった政策が組み合わされる。1960年代から70年代の経済停滞と政府の財政悪化はこれらの政策が解決するとされ、多くの国で政策に取り入れられた 。
ミルトン・フリードマン

新自由主義を主張した主な学者・評論家にはミルトン・フリードマン、ジョージ・スティグラー、ゲーリー・ベッカー、ジェームズ・M・ブキャナンなどがいる。また新自由主義に基づく諸政策を実行した主な政治家にはロナルド・レーガン、マーガレット・サッチャー、中曽根康弘、などがいる。
新自由主義は冷戦に勝利をもたらした思想として世界中に広まり、1992年頃に思想的に全盛期を迎えたが、労働者に対する「自己責任」という責任転嫁は、格差社会を拡大したとの批判もあり、また、チリにおけるシカゴ学派の功績は事実と大きく異なると主張しているジョセフ・E・スティグリッツは新自由主義的な政策で国民経済が回復した国は存在しないと主張している。
韓国ではIMF管制下で新自由主義路線をとった金大中政権下で20万人以上もの人々が失業し、事実上「刑死」(=失業による自殺)に追い込まれた者も多い。その後を受けた盧武鉉政権では「左派新自由主義」の名の下に格差の解消に取り組んだが、根本的な政策転換はなされないまま格差がさらに広がる結果となり、経済が回復しても正規雇用が増えずに非正規雇用が増加する「両極化」が大きな社会問題となった。
2008年に発足した李明博政権は、法人税減税と規制緩和を中心とした新自由主義政策を実施している。
20世紀末の西ヨーロッパでは、新自由主義の台頭を受け、イギリス労働党のトニー・ブレアが唱え、公正と公共サービスの復興を訴える第三の道に代表される中道左派政党を含む政権が台頭した。ユーロ同入前夜である97年の時点で、イギリス、フランス、イタリアといったEUを構成する主要三ヶ国に加え、スウェーデン、ポルトガル、ギリシャを含めた6ヶ国が与党となっていた。
日本では元京都大学准教授の中野剛志が新自由主義はインフレ対策であり、バブル崩壊後の新自由主義的な構造改革はデフレの克服に貢献しなかったどころか、デフレの原因ですらあったとしているほか、著書などで批判もしている。
多くの人はすでに、共産主義のイデオロギーに関しては、信じる人は誰もいないでしょうが、新自由主義に関してはかなりの人がいまだに魅力的に感じているようです。特にいわゆる、古いタイプの経営者には、魅力的に映るようです。自由競争とか、グローバリズムとか、何やらとにかく「自由」という言葉の響きが良いです。しかし、現実はそうではありません。

新自由主義は、アメリカでも混乱と疲弊を招いただけ

グローバリズムに関しては、すでにEUで実験済みですが、なかなかうまくはいっていないのは明らかです。それに、ブッシュ時代のアメリカでは、とんでもないほど、貧富の格差が拡大いしました。そうして、過去の20年間のデフレが新自由主義の過ちを如実に示していると思います。

自由とは何か?

しかし、多くの人々がこの自由という言葉履き違えているのではないかと思います。これに関しては、あの経営学の大家であるドラッカー氏が1930年代の著書「産業人の未来」で警告を発しています。それを以下に引用させていただきます。
自由とは楽しいものではない。それは幸福のことではない。安定のことでもない。平和や進歩のことでもない。科学や芸術が栄える状態のことでもない。清廉かつ善意の政府のことでもなければ、より多くの国民のためのより大きな福祉でもない。とはいえ、自由はその本質からして、それらのものすべて、あるいはそれらのもののいくつかが価値とするものと相容れないということではない。もちろん両者は相容れないこともありうるし、事実相容れないことがある。
 自由の本質は別のところにある。自由とは責任を伴う選択である。自由とは権利というよりもむしろ義務である。真の自由とは、あるものからの自由ではない。それでは特権にすぎない。自由とは、何かを行うか行わないかの選択、ある方法で行うかの選択、ある信条を信奉するか逆の信条を信奉するかの選択である。
 自由とは解放ではない。責任である。楽しいどころか一人の人間にとって重い負担である。
ーP138
自由とは気安いものではない!!


これが、本当の意味での自由です。新自由主義をイデオロギーとする人々は、この意味での自由を理解しているのかどうかはなはだ疑問です。

さらに、保守ということも根本的に理解されていないと思います。保守とは、右派とか、右翼ということでも、左派や、左翼でないということとも違います。ましてや、ノスタルジーや、守旧派でもありません。ましてや、財政政策はこう、金融政策はこう、軍事はこうなどと、線引きや、枠を決めるような、保守の考え方の類型などありません。

合衆国憲法第5条

これに関しては、ドラッカーが、1700年代のイギリスと、アメリカの真性保守主義についてやはりドラッカー氏が「産業人の未来」でアメリカの憲法などに関連して述べています。これなど、本当に現在の日本の人々にも役に立つ論考だと思いますので、少し長いですが、以下にコピペさせていただきます。
■理念と方法
1776年と1787年のアメリカとイギリスの保守主義は、同じ理念に立っていただけではなかった。自由のもとにおいて機能する社会を実現するために採用した方法も、同じだった。いずれも同じ方法を重視し、それを同じように扱い、同じように使った。
われわれにとっては、二つの保守反革命がとった「方法」は、その拠って立つ「理念」と同じように、あるいはそれ以上に重要な意味をもつ。今日多くの政治家と政治思想家が、「理念こそすべてであって、方法など問題ではない」としている。だが、これは政治と政治行動の本質の理解において、1776年の世代ならば決して犯したことのない基本的な間違いである。
 彼ら1776年の世代は、実現のための制度的な裏付けのない理念は、理念のない制度と同じように、政治的に無意味なだけでなく、むしろ社会秩序にとって有害であることを知っていた。彼らにとって、方法は理念と同じように重要だった。事実、彼らは理念だけでなく、その方法においても正しかったがゆえに、成功したのだった。
■第一の柱 - 未来志向
つまるところ、彼らのとった方法は三つの柱からなっていた。
 第一に保守主義にたちながらも、過去の復活を行いもしなかったし、行おうともしなかった。過去を理想化することをしなかった。現在についても幻想を抱くことをしなかった。彼らは、「社会は不断に変化している」ことを知っていた。
 彼らは、自らの使命が、「過去の理念にたって新しい社会を組み立てることである」とは考えなかった。すでに起こったことを元に戻すことも考えなかった。建国の父たちは、過去の復活を断固拒否したがゆえに、過激派として扱われ、その保守主義の本質を理解されなかった。
 たしかに彼らの社会観は急進的だった。きわめて急進的だった。彼らは「すでに消滅した社会秩序が、いまだに機能しうる」とは考えなかった。過去の復活に夢をかけたり、社会的、政治的な伝統に縛られることはなかった。
 事実、バークとルソーを見るならば、よく指摘されるように驚くほど似ていることがわかる。そして多くの人々が、バークとルソーが、現実についての同じ評価を基盤としながら、まったく反対の政治的立場にたったことに驚く。しかし真の保守主義は、現実については、真の革命主義につねに同意する。反動主義や進歩主義とは異なり、彼らは、いずれも、政治と社会の本質を理解しているからである。彼らが対立するのは理念についてだけである。一方は、自由を生み出し、自由を守る。他方は、自由をなくす。保守主義は、事実について現実的であることにおいては、決して保守的ではない。
 1776年と1787年の世代が、保守主義の真髄を示しているのは、まさに過去の復活を目指さなかったところにある。過去の復活の試みこそ、革命と同じように暴力的であって、絶対主義である。アメリカの建国の父たちとイギリスの保守主義は、過去のための保守主義ではなく、現在と未来のための保守主義だった。
 彼らは当時の社会状況がすでに商業社会になっているにもかかわらず、社会制度は商業化前のそれであることを認識していた。彼らが目指したものは、この事実からスタートし、自由のもとにおいて機能する商業社会を発展させることだった。彼らは過去の問題ではなく、未来の問題を解こうとした。過去の革命ではなく、未来の革命に勝とうとした。
■第二の柱 - 問題不完全解決志向
彼らがとった方法の第二の特徴は、青写真や万能薬を信じなかったことにあった。
 彼らは大きな理念をもっていた。その理念については一歩も譲らなかった。しかし彼らは、機能する制度、問題を解決することのできる制度は何でも受け入れた。実に彼らは、ほとんどあらゆる制度が、ほとんどあらゆる種類の目標を実現できることを知っていた。
 彼らが固執したのは基本的な理念についてだけだった。日常の政治についてはおそろしく現実的だった。理想的な制度や完全な制度をつくろうとはしなかった。具体的な解決策の詳細には矛盾があって平気だった。彼らが求めたものは、目前の仕事のための解決策だった。それらのものは、たんに彼らの理念に合っていればよかった。
 (しかしアメリカについては、「建国の父たちは、青写真として合衆国憲法をつくったではないか」との反論がありうる。だがあの憲法の素晴らしさは、「何を定めたか」にあったのではない。「何を定めることを控えたか」にある。それは、いくつかの基本理念を定め、いくつかの制度を定め、いくつかの簡単な手続きを定めただけだった。
  フィラデルフィア会議(憲法制定会議)は憲法に人権条項を入れることさえ控えた。条項そのものに反対だったためではなく、後世を縛りたくないためだった。事実、後日憲法修正として採択された人権条項でさえ、基本的にはきわめて消極的な性格のものであって、「何をしてはならないか」を定めたにすぎなかった。
 建国の父たちがとった方法と、そのもたらした成功の典型が、北西部開拓条例だった。
  この条例は、その後の西部開拓の法的基盤となり、准州の組織化と州資格取得のための手引きとなった。しかるにそれは、あくまでも緊急の解決を要する現実の問題について、臨時の法的措置を講じたものにすぎなかった。条例の制定者は、その後四半世紀にわたって開拓地で起こるであろうことについて、いかなる青写真も持っていなかった。いかなる予測を行ったわけでもなかった。彼らが行ったことは、大きな理念に反することのないいくつかの制度を断片的につくることだけだった。
  この方法の素晴らしさは、1776年の世代が「何を見、何を見ることができなかったか」を知ることによって明らかとなる。当時、時代を見ることにかけては、右に出る者のない洞察力と実務能力を持つ人間が少なくとも3人いた。
トーマス・ジェファーソン
  そのうち、1800年にいたってなお、一世紀をかけずして大陸中に白人を定住させることになる西部開拓の姿をおぼろげながらも予見することのできたのは、ジェファーソン一人だった。彼の政治思想は、ミシシッピー上流の広大な地域に50年後に生まれることになる大農場地帯についての、このかすかなビジョンに基づいていた。しかしその彼でさえ、自らのビジョンを実現することになるものが鉄道だったにもかかわらず、やがて到来するはずの産業化の波を予見することはできなかった。
  他方、ハミルトンのほうは、産業化の波を予見していた。産業にかかわるビジョンをもっていたのは、彼の世代およびその次の世代で彼一人だけだった。しかし、彼にとってのアメリカは、東海岸沿いの貿易都市と、アパラチア山脈を限界とするその後背地だけからなるものだった。
  もう一人のバークは、イギリスにとって、未来の繁栄が貿易にかかっていることを認識していた。しかし彼は、その貿易の基盤となるものが産業であろうことも、その犠牲となるものが農業であろうことも認識していなかった。
  フィラデルフィアに集まった憲法制定者たちのうち、誰一人として、その後40年を経ずして奴隷制度が大問題となり、彼らのつくりあげた国が重大な危機に直面することになろうとは予見できなかった。誰もが、奴隷制度はその必然の死をあっけなく迎えるものと信じていた。
  要するに、まさに起ころうとしていた変革について、その兆しさえ予見した者はほとんどいなかったし、その全容を予見した者など一人もいなかった。しかし、フィラデルフィアに集まった者たちは、その先見性において並みはずれて劣っていた人々ではなく、並みはずれて優れた人々だった)。
■第三の柱 - 実証現実志向
保守反革命がとった第三の方法は、バークが実証志向と呼んだものである。もちろん、これは「伝統の神聖」などとは関係がない。バーク自身、役に立たなくなった伝統や前例は容赦なく切り捨てていた。実証志向とは、人間の不完全さに対処するための政治的な方法である。
 それはたんに、「人間は、未来を予見することはできない」とするだけである。人間は、自らの未来を知りえない。人間が知り、理解することができるのは、年月をかけた今日ここにある現実の社会だけである。したがって人間は、理想の社会ではなく、現実の社会と政治を、自らの社会的、政治的行動の基盤としなければならない。
 人間は完全な制度を発明することはできない。理想的な仕事のための理想的な道具を発明しようとしても無駄である。なじみの道具を使ったほうがはるかに懸命である。なじみの道具ならば、それがどのように使えるか、何ができるか、できないか、いかに使うべきか、どこまで頼りになるかが分かっている。われわれは、新しい道具については何も知らない。すでにわれわれは、完全な道具というふれこみのものよりも、完全でもなければ、期待もしていない、なじみのもののほうが役に立つことを知っている。
 実証志向とは、「人間が不完全な存在である」とする考えの表れである。同時にそれは、「日々の営みの結果もたらされるものが社会である」との認識の表れである。この認識の有無が、政治家を一流と二流に分ける。
 しかも、それは経済の原理にも沿う。すなわち、より複雑、高価、特別なものよりも、より単純、安価、一般的なものを選択すべきことを教える。それは、絶対理性に対するものとしての常識であって、華々しさに対するものとしての堅実さである。それは、地道ではあっても、頼りがいのあるものを使うことである。
 この点に関しては、さすがのイギリス人バークも、アメリカの建国の父たちにはかなわなかった。彼らが植民地行政において、いかに実証済みの頼りになるもの、過去の経験やおなじみの道具に頼っていたかは、すでに膨大な研究の結果、明らかにされている。
エドマンド・バーク
 しかもそれらの研究の少なからざるものは、あの憲法制定者たちが「いかに独創性のない人々だったか」を暴露することを意図して行われていた。もちろんそのような見方は、1788年のアメリカが、「憲法制定会議の参加者の優れた頭脳によって生み出された」とする、これまでの見方と同じように間違いである。実際には、あの緊張と危機の時代にあって、新奇な制度を避けた「用心深さ」こそ、彼ら建国の父たちの英知を示すものであって、後世が感謝すべきものである。
 彼らは、自分たちがすでに手にしているものしか使えないことを知っていた。彼らは、未来がつねに過去の延長線上にあり、政治家の役割は、政治の永久運動や永久静止の秘密を探し出すことではなく、完全ならざる過去のうち、「何をよりよき未来のために延長させるか」を決めることであることを知っていた。
少し長くなってしまいましたが、敢えて引用させていただきました。私は、自分は保守派であると思っています。しかし、その意味はもちろん、上記のようドラッカーの語っていた、真性保守の意味での保守です。

これからの日本は、安部自民党政権の樹立を契機に、新自由主義などの呪縛から解き放たれて、真性保守的な考え方で現実路線を歩み、まずは先日も述べたように、デフレ克服を一里塚として、未来志向で進んていくべきものと思います。そうして、過去20年間のような過ちは今後二度と起こすべきではないです。私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?


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