2015年5月17日日曜日

ドクターZは知っている ちょっと変だよ 日銀・黒田総裁―【私の論評】子会社が親会社のいうことを聞かずに勝手なことをしているというのが、今の日本の国政の最大の問題点だ(゚д゚)!






日本銀行が「'15年度を中心とする期間」としていた2%のインフレ率目標の達成時期を、「'16年度前半ごろ」と事実上後ろ倒しにした。

黒田東彦総裁は記者会見で、消費者物価指数対前年同月比(消費増税による見かけ上の変動を除いた分)が「当面は0%程度で推移する」とその背景を説明したが、肝心の「物価に対する消費増税の影響」についてはまったく言及をしていないのが不可解だ。

'14年4月に8%に上げられた消費増税によって消費が落ち込み、それに応じて物価が下がったのは明らかである。

実際のデータを見てみよう。
消費者物価指数総合対前年同月比は、「異次元緩和」の直前の'13年3月は▲0・9%だったが、その後は順調に上がり、'14年3月に1・6%をつけている。

消費増税が実施された同年4月には3・4%だったが、これは、消費増税による見かけ上の上昇分2%を引くと事実上1・4%。同じく翌5月は1・7%だったが、その後はどんどんと下がり、今年2月には0・2%、3月は0・3%まで落ち込んでいる。

実はこうした物価の動きに並行するように、日銀は政策決定会合の正式文書における「物価の見通し」の書き方を微妙に変化させている。

'13年4月4日の異次元緩和以降は強気で、「プラスに転じていく」、'13年8月8日からは「プラス幅を次第に拡大していく」、'14年1月22日からは「暫くの間、1%台前半で推移する」としていた。

ところが、消費増税の影響が明らかになってくると、この文言が弱気に変わってくる。

'14年秋頃にまず「当面現状程度のプラス幅で推移する」と下方修正。さらに、今年1月21日からは「エネルギー価格の下落を反映して、当面プラス幅を縮小する」、3月17日からは「エネルギー価格下落の影響から、当面0%程度で推移する」と、短期的な理由を原油価格下落に求めるようにまでなっているのだ。

それでも黒田総裁は、みずからの口からは、物価低迷の背景には消費増税による需要落ち込みがあるとは言わない。

それは黒田総裁自身が消費増税に積極的で、消費増税前に「増税の影響は軽微である」と発言してきたのが大きい。実際は影響は軽微どころではなく、黒田総裁の見通しは大外れだったので、それを認められないわけだ。

記者会見に出ているマスコミも、消費増税に賛成した大手紙などは、いまさら消費増税の影響が大きかったとは言えない。だから、記者会見でも消費増税の話を避けて、お互いが傷をなめ合うようになっている。

消費増税の影響によってインフレ目標達成時期は後ずれするが、ようやく消費増税の影響は和らぎつつあるので、今後は需要が盛り返して、物価も上がる―そう単純に説明すればいいだけなのだが、いざ消費税のことになると黒田総裁は財務官僚そのものになる。

そもそも消費増税は政府の仕事なので、黒田総裁は余計なことには口出しせず、しっかりと金融政策に専念してもらいたい。黒田総裁が職務に専念しないと、日銀の信認が揺らいでしまい、金融政策の効果も弱まってしまう。これは国民にとって大きな損失だ。

『週刊現代』2015年5月23日号より

【私の論評】子会社が親会社のいうことを聞かずに勝手なことをしているというのが、今の日本の国政の最大の問題点だ(゚д゚)!

確かに、上の記事でも指摘する、消費税増税の悪影響を全く述べないというのは、少しではなくかなりおかしいです。

しかし、上記のように黒田日銀総裁は、記者会見では増税の悪影響について触れませんでしたが、国会では触れています。その内容を以下に掲載します。

消費増税の影響「予想超えた」、過度な円高は修正=黒田日銀総裁

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、黒田総裁が、増税の悪影響について認めた部分のみを以下に掲載します。

日銀の黒田東彦総裁は13日、参院デフレ脱却・財政再建調査会で、昨年4月の消費税率引き上げの景気への影響について「予想を超えた大きさだった」と語った。 
・・・・・・〈中略〉・・・・・・・・ 
QQE導入によって市場では株高・円安が進行したが、為替相場について総裁は「金融政策はそれを直接の目的にはしていない」としながら、「金融緩和を進める中で、かつての過度な円高水準は修正された」との認識を示した。 
一方、昨年4月の消費税率引き上げの影響については「駆け込み需要とその反動、税負担増による実質所得の減少が、やや予想を超えた大きさだったことは認めざるを得ない」と言明。もっとも、反動減の影響はすでに収束しつつあるとした。
確かに、黒田日銀総裁は、増税の悪影響は認めているものの、何やら歯切れが悪いです。昨年4月の時点での8%増税は完璧な間違いであるのは、あまりにもはっきりしすぎています。ただし、一昨年大増税キャンペーンを展開した、財務省、マスコミ、似非識者どもは、それをはっきり言いません。

日銀の黒田総裁も、一昨年は8%増税の悪影響は軽微としていたので、今更大失敗であったことは言い難いとは思います。

しかし、それだけではないと思います。やはり、黒田総裁ももともとは、財務省出身だということで、財務省の言うことには、表立ってはっきりと反対したり、批判したりすることなどできないのでしょう。

しかし、ここが日本の政治の大問題なのです。この大問題はどこから発生するのでしょうか。それは、日本では財政をつかさどる財務省がまるで政党のように一大政治勢力のような行動をするというとんでもない状況にあるからです。

本来、選挙で国民に選ばれた与党が国政の中心となるべきなのですが、日本では財務省という政府の一下部組織が、様々な手法を用いて政治に大きな影響力を与えているのです。

では、財務省がなぜこのような政治権力を持っているかといえば、財務省が税金の配賦を行っているからという見方があります。実際そうなのかもしれません。なにせ、財務省というか、その前進の組織である大蔵省の頃から、予算、その中でも特別予算は複雑怪奇なもので、全体像を理解することすら難しい状況です。

中には、為替特別会計として為替変動に対応するための予算などもありますが、これはもともと他国とGDP比など比較してもかなり多いし、さらに円安の今ではその必要性もないにもかかわらずのそのまま積み立てられたままになっています。このような、一般には理解不能の特別会計が多数存在します。

このようにして、財務省は巨額の資金を貯めこんでいます。そのため、日本の政府は世界で最も金融資産を大量に保有する政府となっています。

このような、大蔵省時代からの積立金は、埋蔵金などとも呼ばれ、民主党が政権与党になったときに、この埋蔵金を何とかしようとしていましたが、結局財務官僚の抵抗などがあり何もできないという状況に追い込まれました。これは、自民党が政権交代した後も同じことです。

それどころか、財務省は、本来経済成長をすれば、増税など必要なかったどころか、悪影響のある8%増税や、10%増税を強力に推進しました。大々的に増税キャンペーンを行い、マスコミのほとんどすべて、政治家や官僚の多くや、多くの識者を味方にして、8%増税を安部総理に迫り、とうとう実現してしまいました。


その後の10%増税も、強力に推進しましたが、これはさすがに、安部総理によって、増税見送り選挙により、安部総理が勝利したため、阻止されてしまいました。このように、財務省の意向に真っ向から反対して、増税を阻止した総理大臣など、日本では安部総理がはじめてと言われています。

それだけ、財務省の力は大きく、政治に直接関与しているのです。しかし、本来財務省は、政府の一下部組織にすぎません。これは、企業を例に取ると、子会社をいくつか持つ親企業が、企業グループ全体の方向性を決めるにあたって、小会社にかなり影響を受けているのと同じようなものです。

本来、企業グループの方向性は、親企業の取締役会で決められるものですが、小会社がそれに大きく干渉しているようなものです。

これは、本来あってはならないことです。あくまで、親企業が主導的立場に立たなければならないはずです。

しかし、日本国政府はそうではないのです。財務省や、日銀など従来から政府に干渉する大きな権力を持っていました。ちなみに、皆さんは、日銀が私企業でもあることをご存知でしょうか。日銀は、店頭市場に登録している私企業でもあります。ただし、その株式は親会社である政府が持っています。

そうして、財務省だけではなく、日銀も小会社であるにも限らず、強力な権限を持っています。これは、日銀法という法律に守られ、なんと、日本国の金融政策は政府が決めるのではなく、日銀の政策決定委員会で決められるという、とんでもない状況になっています。

そのためもあってか、過去の日銀は、デフレであるにもかかわらず、15年以上にもわたって、金融引き締めを行うというとんでもないミスを犯し続けました。

日本では、本来政府が、日本国の財政政策と金融政策の目標を定めて、その目標にあわせて、財務省や日銀がその目標に向かって、様々な対策を行うというのが本当の姿であるにもかかわらず、財務省は、国の財務政策に過度に干渉して、増税キャンペーンを行い、過去の増税を実現してきました。

このような異常な状態が続いているからこそ、日銀の黒田総裁は、ブログ冒頭の記事のように、増税は大失敗だったなどとはっきり言うことができないのです。

そうして、多くの国民も、財務省の政府に対する強い干渉の事実をマスコミなどがほとんど報道しないし、似非識者どもは財務省の意図に沿って、経済の原理原則を曲げてまで、財務省の方針を擁護するような発言をするため、増税よってどれだけ自分たちが損失を被っているのか理解できない状況になっています。

日銀もかつては、金融政策に失敗を続けてききましたが、平成13年度から、白川前総裁にかわり、金融緩和派の黒田氏が総裁になったためと、日銀政策委員会の審議員がリフレが多数になったため、金融緩和が実施されるようになり、それもあって、経済は改善しましたが、その腰を財務省による増税が腰を折ってしまったのです。

このような財務省に横暴には、多くの人が認識していないため、避難されることもないのですが、最近では例外的な出来事も見られるようになってきました。それに関する記事を以下に掲載します。

国立大の授業料 値上げ案に猛反発
審議会資料では「高卒と大卒で、生涯年収は男性で6200万円、
女性で7200万円の差」と試算されているが…(画像は東京大学)
 詳細は、この記事をごらんいただくものとして、一部を以下にコピペさせていただきます。

5月11日に行われた「財政制度等審議会」で、歳出抑制に向けた方策を議論するなか、財務省が国立大学の授業料を引き上げることを検討するように提案した。これを時事通信などが報じ、ネット上で議論を呼んでいる。 
国立大の授業料は、各大学が決めることができる。とはいえ、多くは文部科学省が定めた授業標準額(53万5800円)と同額。これは私立大学(平成25年で平均約86万円)の約6割程度だ。毎日新聞によると、財務省はこれを踏まえたうえで、さらに「国立大入学者は富裕家庭の子どもも多いことから、私立大の授業料近くに値上げ」することを提案したという。また、幹部からは、増えた収入を教育環境の改善や、親が低所得で優秀な学生向けの奨学金制度を充実させるといった改革に充てるべきだとの意見が出たとのことだ。
さて、この財務省の提案に関しては、ネットでは大反発をくらっているようです。しかし、一方先に例をあげた、為替特別会計などに対しては、反発をくらうことはありません。それどころか、マスコミがあまり報道しないせいもあり8%増税もあまり反発をくらっていないようです。

しかし、財務省が特別会計を貯めこんだり、増税をしたりすることにより、国民は多大な悪影響を被っているのは間違いありません。

いくらマスコミが報道せず、似非識者が財務省を擁護すような言論を繰り返したとしても、子会社が親会社のいうことを聞かずに勝手なことをしているというのが、今の日本の国政の最大の問題点であるという事実には変わりありません。

私達は、このことを理解して、もっと小会社の暴走に声を大にして反対すべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?




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財務省の実体を知っていただくため、以下の三冊をセレクトいたしました。

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2015年5月16日土曜日

民主党・有田芳生議員が「悪質な差別煽動コミック」とツイートした『日之丸街宣女子』が大人気に!?―【私の論評】左翼も似非識者も近いうちに、かつてコミンテルンが日本国内で力を失ったように、国民に見向きもされなくなる(゚д゚)!


5月13日、民主党の有田芳生参議院議員(@aritayoshifu)が『Twitter』にて



と、本の一部内容の画像つきでツイートを行った。本日5月15日に発売になった『日之丸街宣女子』なる漫画、数日前から書店には並んでいたようで、有田議員が神保町の「高岡書店」に売れ行きを聞いたものと思われる。

「そんなに売れていません」

ということだったのだが、有田議員のツイートをきっかけに多くの方が興味を持ったのか『Amazon』ではランキングが急上昇、5月15日18時の段階で2位にランクインし発売日にも関わらず品切れとなっている。入荷予定は5月22日とのことである。

カスタマーレビューは34件寄せられており、星5つが33件、星4つが1件と超高評価。

「この本の出会いは民主党議員・有田芳生のツイッター」

「普段漫画は買わないのですが、某有田芳生大先生が宣伝していたので迷わず購入しました」

「尊敬する有田ヨシフ先生のおかげでこの本を知りました」

といったレビューが寄せられている。

【私の論評】左翼も似非識者も近いうちに、かつてコミンテルンが日本国内で力を失ったように、国民に見向きもされなくなる(゚д゚)!

中韓の力強い味方である? 有田芳生氏
上の多くの人の反応、理解できます。私も、有田芳生氏が何かを声高に主張すればするほど、有田芳生氏の語っていることは中国や韓国を喜ばせることであり、有田氏の語っていることの反対のことが正しいのであり、有田氏の正反対のことを支持すべきなのだと思ってしまいます。

だからこそ、『日の丸街宣女子』の人気は高まり、売れるようになったのだと思います。まさに、有田氏は、このアニメのプロモーション活動をtwitterで行ったということになります。


私自身は、有田氏に対して批判のツイートを発信したこともあるせいでしょうか、有田氏側からブロクされていて、今では見ることができません。有田氏のツイートは良く見ていたので、本当に残念ですwwwww

このような傾向は、数年前から見られるようになったと思います。特に顕著なってきたのは、2013年あたりからだと思います。当時、それに関する記事をこのブログにも掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
ネットは「秘密保護法」賛成が多数! 背景に大手マスコミへの不信感―【私の論評】馬鹿な一般大衆を操作し、世論形成できると考える愚鈍マスコミ、お前はもうすでに死んでいる!

特定秘密保護法に反対する演説をする山本太郎氏
この記事は、 2013年12月8日日曜日のものであり、この頃は「特定秘密保護法」が巷を賑わしていました。詳細はこの記事をご覧いただくものとして、以下に一部分だけコピペさせていただきます。
たとえばJ-CASTニュースが2~5日にかけ行ったウェブアンケートでは、6269票のうち実に55%が、「今国会で成立」を支持していた。一方の「廃案」は29%、「慎重審議」はわずか13%に過ぎない。 
ニコニコ動画などでドワンゴ、ニワンゴが行った調査でも、「今国会成立」支持が36.6%で「多数派」を占める。2ちゃんねるなどでも法案成立直後から、 
「日本の夜明けキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!」 
などと歓迎の声が相次ぐ。国民全体から見て多数派かどうかはわからないが、一定の「賛成」の声があることは間違いない。もっとも、こうした「歓迎論」をマスコミはほとんど黙殺している。 
彼らはなぜ「賛成」なのか。もちろん、尖閣諸島を巡る中国との対立が激化し、安全保障上の必要性を説く人も少なくないが、一方で「反対」を説くマスコミ、文化人への根強い反発も見え隠れする。 
顕著な例は、朝日新聞がウェブ上で行ったアンケートだ。当初は「反対」が優勢だったものの、その存在が話題になると、ツイッターなどで「賛成票を入れよう」という呼びかけが始まった。もちろん朝日への反感からだ。結局アンケートは「賛成」が「反対」に倍以上の大差をつける結果に終わった。 
ネット上ではかねてから、「知る権利」をしきりに強調するマスコミに対して不信感が根強い。そうしたマスコミがまさに「知る権利」を盾に法案に反対したところで、冷ややかな空気は強まるばかりだ。こうした問題意識は当の反対派からも出ており、たとえば精神科医の香山リカさんは、5日にツイッターでこうつぶやく。 
「秘密保護法に反対してる人がみなキライだからきっと良い法律なんだろ、という意見をネットでよく見る。反対を語れば語るほど逆効果になるくらい嫌われてるちゅうことを、私を含めたいわゆるリベラル派は考えてみなきゃ。これじゃ反対会見開いてかえって法案成立に貢献しただけ、ってことになる」

上の香山リカの「秘密保護法に反対している人がみなキライだからきっと良い法律なんだろ、という意見をネットでよく見る」という発言にもあるように、最近では確かに、左翼系の人が何かを批判すると、その批判の反対が良いと思う人が増えているのだと思います。

しかし、香山リカのいう「キライな人」とは、はっきり言えば左翼系の人ということになると思います。ただし、私は左翼系とは言っても、多くの人に嫌われる日本で主流の左翼は、本来の左翼ではないと考えています。

私自身は、左翼というよりは、はっきりいえば媚中的な発言をする人、中国にとって都合の良い発言をする人ということであり、本来は左翼の中でも世界的に見れば少数派に過ぎなかったものが、今では主流になっている日本の左翼を指していると思います。

考えてみれば、安部総理の靖国参拝も世界の中で反対するのは、ほとんど中韓くらいなものです。 集団的安全保障に関しても、これを一番嫌がるのは、中国です。

日本の多くの人は、はっきりいえば、中国スパイや中国スパイを擁護するような発言や行動をする人が嫌いなのだと思います。そうして、中国スパイや、中国スパイを擁護するような人たちは、典型的な安倍嫌いであり、安倍総理のやることなすことすべてに反対をします。だから、非常にわかりやすいです。

私は、中国スパイを擁護するような発言や行動をする人たちの背後には、当然のこととして、中国スパイが存在していて、その背後には無論中国共産党中央政府の意向が働いており、それらが様々な工作を行っていると思います。そのような査証とされるものも見つかっています。

しかし、このような中国スパイの暗躍は、まもなく中国経済が崩壊することもあり、日本の経済が回復しまともになれば、少しづつ弱まり、消滅すると思います。

それに関しては、このブログでも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。

帰国後の安倍首相を待ち受ける“抵抗勢力” 正念場となる安保・辺野古・70年談話 ―【私の論評】単なる安倍嫌いは、かつて日本からコミンテルンが姿を消したように、国民から見捨てられることになる(゚д゚)!
典型的な安倍嫌いの作家大江健三郎

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分のみコピペさせていただきます。
かつて、日本は戦前、戦中、戦後にわたって、コミンテルンといわれるソ連のスパイが国内で暗躍し、かなり日本の政治に悪影響を与えてきました。 
ところが、池田総理による、「所得倍増政策」などにより、労働者の賃金も上昇した後は、コミンテルンの影響力はなくなりました。やはり、経済がまともになり、賃金が上昇すれば、コミンテルンなどに幻惑される人間もいなくなるということです。 
さて、安倍政権はいわゆるアベノミクスという経済対策で、経済を良くしようとしています。この動きは、最初はかなりうまくいきそうでしたが、昨年4月の8%増税で、後退を余儀なくされました。 
しかし、金融緩和の効果自体は、増税によって後退させられはしたものの、それでも着実に効果がでており、上記で示したような安倍嫌いの人たちにとっては、不都合な真実である、経済指標の上向き傾向という事実かあります。 
国民の多くは、これをかなりまともに評価しているのだと思います。このまま、景気が良くなれば、日本からコミンテルンが消えたように、"安倍嫌い"の対抗勢力姿を消すことになると思います。 
だからこそ、彼らはそんなことはさせじと、断末魔の雄叫びをあげ、安倍政権を糾弾し、アベノミクスの頓挫を狙っているのです。 
しかし、そのようなことにはなりそうもありません。私自身は、"安倍嫌い"という姿勢も、許容される場合もあると思います。しかしそれは、安倍政権に変わる効果のある対策を示す場合にのみ許容されるものだと思います。ただ反対するだけでは、大多数国民は馬鹿ではないので、単なる"安倍嫌い"に幻惑されることはありません。 
代案もなくただただ「安倍が嫌い」と叫ぶだけでは、かつてコミンテルンが見捨てられたように、見捨てられることになると思います。
さて、上の記事では述べていませんでしたが、日本が池田政権以降、高度経済成長を遂げてさらそこから発展したときに、当時のソ連はどうだったかといえば、衰退する一方でした。これは、すでに1950年代にアメリカの経済学がいずれソ連経済は崩壊するであろうと予言していました。

なぜアメリカの経済学者がそう予測したかといえば、ソ連の経済はあまりにも単純だったからです。どういものであったかといえば、"投入=産出"という恐ろしく単純なものであることを統計資料等から読み解いたのです。

ソ連の、第二次世界大戦後の一時的な成長は、第二次世界大戦後に打ち負かした国々からの算出物や、人材などを投入してできたものであり、それ以上でも以下でもないことが明らかにされたのです。

日本は急成長し、ソ連の経済は悪化する一方で、ソ連崩壊直後のロシアは、空軍が定期的なパトロールさえできないような経済の停滞状況に見舞われていました。今のロシアは、GDPはインド以下で、日本の1/5に過ぎない小国に過ぎません。これと同じようなことが中国にもおこります。

これから日本は、デフレの最中の増税などというバカ真似はせずに、アベノミクスが軌道にのれば、経済は必ず回復するどころか、かつてないほどに発展します。しかし、中国の経済は停滞します。

中国の経済もソ連ほどではないにもしても、非常に簡単です。簡単すぎるほどに簡単です。中国の過去の発展は、海外から借金をして、中国国内のインフラに投資することによって成長してきました。

しかし、最近では、中国国内のインフラ整備は一段落したにもかかわらず、誰も購入しない、住まないような鬼城というゴーストタウンを国中のあちらこちらに建てたため、投資が回収できず、焦げついて、不動産バブルは崩壊しました。その他の国内外のインフラ投資もほとんど失敗で、もう国内にはまともな投資案件はありません。

だからこそ、AIIBを設立して、国内ではなく、アジアの他地域で大規模なインフラ投資を中国の主催で行い、国内では駄目になった外国からの借金でまた大きな発展をしようとしていますが、これも頓挫することは目に見えています。

日本の経済がまともになれば、日本国内から中国スパイは消える!

今後日本が、アベノミクスが軌道にのり、成長をはじめ、中国が衰退すれば、日本から中国スパイは、一掃されることになります。それにともない、中国を擁護するような発言や行動をする左翼も似非識者も近いうちに、かつてコミンテルンが日本国内で力を失ったように、国民に見向きもされなくなることになります。

それどころか、中国がインフラ投資借金型経済から転換して、まともな経済になることを目指し、それを実現しない限りソ連と同じく崩壊することになり、崩壊後の中国はたとえ現在の版図の大半を獲得できたにしても、現在のロシアのように経済的な小国にならざるを得ない状況となります。

このような状況は、今の状況が変わらない限り、必然です。おそらく、10年以内にはそうなります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年5月15日金曜日

大阪都構想 最後の審判の行方―【私の論評】大阪都構想ではなく、かつて行われてきた市町村合併の延長線上で訴えるべきだったかも?

大阪都構想 最後の審判の行方

【高橋洋一・株式会社政策工房 代表取締役会長】

いよいよ5月17日だ。大阪都構想に関する賛否を問う住民投票が行われる。事前の報道によれば、反対票が優勢であるが、はたしてどうなるだろうか。

地方行政の観点からみれば、人口270万人の大阪市が基礎的自治体としての適正規模を超えているのは、どのような方法で計算しても明らかなので、もう少し小ぶりの基礎的自治体に再建する、つまり、基礎的自治体として今の大阪市の代わりに、今の24の行政区を5つの特別区に統合するという大阪都構想の方向は正しい。

政治的な立ち位置をいえば、維新の会だけが賛成で、自民・共産・民主が反対となっている。公明党の支持母体である創価学会は自主投票である。

先般の統一地方選での大阪市議会議員選挙の各党の得票率は、維新の会37.0%、公明党18.9%、自民党19.6%、共産党14.6%、民主党4.2%、その他5.7%だった。

公明の票がどうなるかで、勝敗は決まる。これまでの報道では、表向き公明党は反対だったので、反対が優勢なのだが、はたしてどうなるのだろうか。

大阪都構想が否決されると、現状維持になる。となると、これまでの体制のまま、将来の大阪はどうなるのだろうか。

東京都、大阪府、愛知県の県民総生産(名目)の推移を1960年から見てみよう。

表作成:政策工房

日本経済全体のマクロ政策に地方経済もだいたい連動する。しかし、動きはまったく同じではなく、地方によって差が出る。その差が長期にわたって継続する場合には地方政府の巧拙の差であろう。現状維持であえば、この差はこれからも続くと思ったほうがいい。

この記事は要約です。詳細はこちらから(゚д゚)!

【私の論評】大阪都構想ではなく、かつて行われてきた市町村合併の延長線上で訴えるべきだったかも?

上の記事で高橋洋一氏が述べているように、実際にどうなるのかはまだわかりません。それにしても、大阪都構想は劣勢であるように報じられています。

結局のところ、反対派も賛成派も、大阪の将来がどうなるのかよく見えていないというのが実態なのではないでしょうか。

ただし、橋本氏の提唱する大阪都構想の是非はともかく、高橋氏の語るように、人口270万人の大阪市が基礎的自治体としての適正規模を超えているのは、どのような方法で計算しても明らかなので、もう少し小ぶりの基礎的自治体に再建するという方向性そのものは正しいそうです。

セレッソ大阪女子=ヤンマースタジアム長居
日本では昔から、市町村の合併が盛んに行われていました。これは、自治体のサイズがあまりにも小さすぎると、何もかも小さな自治体で提供するという非効率性を是正するものでした。

2000年年代にも人口減もあり小さな自治体では衰退するばかりで、合併して自治体のサービス向上を目指すということで、いずれにしても、市町村合併は多くの人に理解しやすいものだったので、実際全国でかなり多くの市町村が合併されました。

皆さんの住んでいる自治体や、近くの自治体で合併されたところも結構あると思います。以下に合併による市町村数の推移のグラフを掲載します。


明治の大合併により江戸時代から引き継がれた自然集落から1888年(明治21年)71,314の町村数が15,859になりました。戦後8000人以上の町村の基準として全体の3分の1に減らした昭和の大合併では,1953年(昭和28年)9,868から1961年(昭和36年)3,472になりました。少子高齢化や地方分権の推進より1999年(平成11年)3,229から2006年(平成18年)1,821となりました。

さて、大阪都構想では、基礎的自治体として今の大阪市の代わりに、今の24の行政区を5つの特別区に統合するということです。これは、上に示した市町村合併と同じようなことをするということです。

ちなみに、ブログ冒頭の高橋洋一氏の記事では、「大阪市が基礎的自治体としての適正規模を超えているのは、どのような方法で計算しても明らか」として、計算の内容などを明示していませんが、これは、以下の論文などを参照していただけるとご理解いただけるものと思います。

市町村の適正規模と財政効率性に関する研究動向

このように考えると、大阪都構想は高橋洋一氏が語るように、大阪都構想は実施すべきものとも考えられのですが、反対派も賛成派もこのような単純な議論ではなく、なにやら複雑化した議論をしていて、一般の人には理解し難いものになっています。

また、大阪橋本市長のキャラクターが突出するような報道のされかたがされたりして、一層理解し難いものになっています。

大阪都構想を訴える橋下市長

安部総理は、政権交代のときには、「戦後体制から脱却」などには、あまり力点はおかず主に経済に力点を絞り、一般の人にわかりやすい選挙戦を戦い勝利しました。

直近の選挙では、「次世代の党」が天下・国家論を全面に打ち出して選挙戦を戦いましたが、準備不足もあって惨敗しました。

今回の大阪都構想に関する住民投票は選挙とは異なりますが、橋本陣営はもっと単純でわかりやすい戦略をとるべきだったかもしれません。

とはいいながら、住民投票は明後日17日です。現在は、大阪都構想は劣勢にもみえますが、現実はどうなるかは、まだわかりません。

投票結果を見ながら、また論評を加えていこうと思います。

ただし、上で述べたように、橋本陣営は大阪都構想をぶち上げるのではなく、従来の市町村合併の延長線上で訴えたほうが、多くの人達の賛同を得られやすかったのではないかと思います。

私は、そうも思います。皆さんは、どう思いますか?

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上西議員を除名処分、大阪維新の会 「あんな議員につきあって1時まで…」橋下氏陳謝―【私の論評】国立大が入学式に国旗掲揚も国歌斉唱もしないという「けじめ」の欠如した社会が、「モンスター」を生み出した?

NNN世論調査 安倍内閣支持率51.0%―【私の論評】その時々でありながらも、少なくとも10年や20年継続して、「心の底から信じ込める価値観」がなければ手段と目的を履き違えるという愚行をすることになってしまうと心得よ(゚д゚)!

世界で最も安全な主要都市ベスト10―【私の論評】来るべき東京オリンピック開催時にも世界で一番安全な都市であるように、この平和を維持するため備えに万全を期することこそ、私達日本が進むべき道(゚д゚)!

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2015年5月14日木曜日

【安部総理記者会見】安全保障の関連法案を閣議決定、国会論戦へ―【私の論評】戦争法案などというのは中国スパイだけ!中国の嫌がる立法をこれからもどんど実施しよう(゚д゚)!


本日記者会見が発言する安部総理
【動画】安倍首相の会見: https://www.youtube.com/watch?v=x77WRvJXBdo
【動画】質疑応答: https://www.youtube.com/watch?v=f6NqLbQjnww

政府は14日夕、集団的自衛権の行使などを可能にする安全保障の関連法案を閣議決定した。安倍晋三首相がこのあと会見し、狙いを説明する。自公両党と政府の間で昨年5月に始まった法制化に向けた作業は、国会に論戦の場を移す。政府は会期延長を視野に、今夏の法案成立を目指す。

一定の条件を満たせば集団的自衛権の行使が可能になるほか、他国軍の後方支援、国際的な平和協力活動での役割が拡大する。掃海艇を派遣した1991年の湾岸戦争以降、海外での活動が徐々に増えてきた自衛隊の任務は大きく広がる。

<後方支援、随時可能に>

法案の名称は「平和安全法制」。現行法の改正案10本と、新法案1本で構成される。

改正する現行法のうち、武力攻撃事態対処法は、他国が攻撃された場合でも、日本の存立にかかわるなどの要件を満たせば、自衛隊が武力行使できるように改める。

朝鮮半島有事を念頭にした周辺事態法は、後方支援の対象を米軍以外に広げるとともに、自衛隊の活動範囲も制約をなくす。弾薬の提供や、発進準備中の戦闘機への給油も可能にする。

国連平和維持活動(PKO)協力法も改正し、国連以外が行う平和協力活動に参加できるようにする。武器使用の権限を拡大、治安維持任務も可能にする。

新たに作る国際平和支援法案は、日本の安全に直接影響がない場合でも、アフガン戦争時に自衛隊がインド洋で多国籍軍に給油をしたような後方支援を随時可能にする。例外なく国会の事前承認が必要であることなどを歯止めとして盛り込んだ。

<治安出動の手続き迅速化>

政府はこのほか、日本への武力攻撃かどうか判断できない「グレーゾーン事態」が起きた場合に、警察権に基づく自衛隊の出動を迅速化する方策についても閣議決定する。

武装勢力が離島に上陸したり、外国軍艦が領海に侵入した場合に、自衛隊による「治安出動」や「海上警備行動」を電話閣議で発令できるようにする。

【私の論評】戦争法案などというのは中国スパイだけ!中国の嫌がる立法をこれからもどんど実施しよう(゚д゚)!

この会見は、歴史にも残るものと考えますので、歴史の記録という意味合いで、安部首相による会見ならびに、質疑応答の全部を以下に文章で掲載させていただきます。

安倍首相による会見

安倍総理:いかなる事態にあっても、国民の生命と平和な暮らしは守り抜いていく。内閣総理大臣である私には、その大きな責任があります。その覚悟の下、本日、新しい安全保障法制の整備のための基本方針を、閣議決定致しました。自民党・公明党の連立与党が濃密な協議を積み重ねてきた結果です。協議に携わった全ての方々の、高い使命感と責任感に心から敬意を表する次第であります。 
集団的自衛権が現行憲法の下で認められるのか。そうした抽象的、観念的な理論ではありません。現実に起こりえる自体において、国民の生命と平和な暮らしを守るため、現行憲法の下で何を為すべきか、という議論であります。 
例えば海外で突然紛争が発生し、そこから逃げようとする日本人を同盟国であり、能力を有する米国が救助・輸送しているとき、日本近海において、攻撃を受けるかもしれない。我が国自身への攻撃ではありません。しかしそれでも、日本人の生命を守るため、自衛隊が米国の船を守る。それを出来るようにするのが、今回の閣議決定です。 
人々の幸せを願って作られた日本国憲法が、こうした時に、国民の生命を守る責任を放棄せよ、と言っているとは、私にはどうしても思えません。 
この想いを与党の皆さんと共有し、決定しました。 
ただし仮に、そうした行動を取る場合であっても、それは他に手段が無いときに限られ、且つ、必要最小限度でなければなりません。現行の憲法解釈の基本的な考え方は、今回の閣議決定においても、何ら変わることはありません。 
海外派兵は一般に許されない、という従来からの原則も、全く変わりません。自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してありません。 
外国を守るために日本が戦争に巻き込まれる、という誤解があります。しかし、そのような事もあり得ない。日本国憲法が許すのはあくまで、我が国の存立を全うし、国民を守るための自衛の措置だけです。 
外国の防衛それ自体を目的とする武力行使は、今後とも行いません。むしろ、万全の備えをすること自体が、日本に戦争を仕掛けようとする企みを挫く、大きな力を持っている。これが抑止力です。 
今回の閣議決定によって、日本が戦争に巻き込まれる恐れは、一層無くなっていく、そう考えています。日本が再び戦争をする国になるというようなことは、断じてあり得ない。今一度、その事をはっきりと申し上げたいと思います。 
二度と戦争の惨禍を繰り返してはならない。その痛切な反省の下に、我が国は戦後70年近く、一貫して平和国家としての道を歩んできました。しかしそれは、「平和国家」という言葉を唱えるだけで、実践したものではありません。 
自衛隊の創設、日米安保条約の改定、そして国連PKOへの参加。国際社会の変化と向き合い、果敢に行動してきた先人たちの努力の結果であると考えます。
憲法制定当初、我が国は自衛権の発動としての戦争も放棄した、という理論がありました。しかし吉田(茂)総理は、東西冷戦が激しさを増すと、自らの手で自衛隊を創設しました。その後の自衛隊が、国民の生命と暮らしを守るため、いかに大きな役割を果たしてきたかは、言うまでもありません。 
1960年には日米安全保障条約を改定しました。当時、「戦争に巻き込まれる」という批判が随分ありました。まさに批判の中心は、その論点であったと言ってもいいでしょう。 
強化された日米同盟は、抑止力として、長年に渡って、日本とこの地域の平和に大きく貢献してきました。 
冷戦が集結し地域紛争が多発するなか、国連PKOへの自衛隊参加に道を開きました。当時も、「戦争への道だ」と批判されました。しかしカンボジアで、モザンビークで、そして南スーダンで、自衛隊の活動は世界の平和に大きく貢献し、感謝され、高く評価されています。 
これまでも私たち日本人は時代の変化に対応しながら憲法が掲げる平和主義の理念の下で最善を尽くし、外交、安全保障政策の見直しを行って参りました。
決断には批判が伴います。しかし、批判を恐れず、私達の平和への願いを、責任ある行動へと移してきたことが、平和国家・日本を創りあげてきた。その事は間違いありません。 
平和国家としての日本の歩みは、これからも決して変わることはありません。むしろその歩みを更に力強いものとする。そのための決断こそが、今回の閣議決定であります。
日本を取り巻く世界情勢は一層厳しさを増しています。あらゆる事態を想定して、国民の命と平和な暮らしを守るため、切れ目のない安全保障法制を整備する必要があります。もとより、そうした事態が起きないことが最善であることは、言うまでもありません。 
だからこそ、世界の平和と安定のため、日本はこれまで以上に貢献していきます。さらに、いかなる紛争も力ではなく、国際法に基づき外交的に解決すべきである。私は、「法の支配」の重要性を、国際社会に対して繰り返し訴えてきました。その上での、万が一の備えです。そしてこの備えこそが、万が一を起こさないようにする、大きな力になると考えます。 
今回の閣議決定を踏まえ、関連法案の作成チームを立ち上げ、国民の生命と平和な暮らしを守るため、直ちに作業を開始したいと考えています。充分な検討を行い、準備が出来次第、国会に法案を提出し、ご審議いただきたいと考えています。私たちの平和は、人から与えられるものではない。私たち自身で築きあげる他に、道はありません。 
私は今後とも、丁寧に説明を行いながら、国民の皆さまの理解を得る努力を続けて参ります。そして、国民の皆さまと共に、前に進んでいきたいと考えております。私からは以上であります。
質疑応答
記者:北海道新聞のウノと申します。今回閣議決定した内容については、日本への攻撃の抑止力を高めるという見方がある一方、武力行使(の)要件として、「国民の生命などが根底から覆される明確な危険がある場合」とするなど、抽象的な表現に留まった感があります。これでは時の政権の判断で、いかようにでも拡大解釈でき、明確な歯止めにならない、との指摘もありますが、総理はいかがお考えでしょうか? 
また、自衛隊の活動については、世界の警察官としての役割を果たそうとしないアメリカに、尖閣諸島をはじめ、東アジア地域に求められる役割の、より適切な実行を促すとの期待がある一方、隊員が戦闘に巻き込まれ、血を流す可能性がこれまで以上に高まる可能性も指摘されています。総理はこの点をどうお考えでしょうか? 
安倍総理:今回の「新3要件」も、今までの3要件と基本的な考え方はほとんど同じと言っていいと思います。そしてそれが、武力行使の条件であったわけでありますが、今回、「新3要件」としたところであります。繰り返しになりますが、基本的な考え方はほとんど変わっていない、表現もほとんど変わっていないと言っていいと思います。 
今回の閣議決定は、現実に起こりえる事態において、国民の生命と平和な暮らしを守ることを目的としたものであります。武力行使が許されるのは、自衛のための必要最小限度でなければならない。このような従来の憲法解釈の基本的な考え方は、何ら変わることはありません。 
従って、憲法の基幹性を何ら変更するものではなく、新3要件は、憲法上の明確な歯止めとなっています。また、この閣議決定で、集団的自衛権が行使できるようになるわけではありません。国内法の整備が必要であり、改めて国会のご審議をいただくことになります。これに加えまして、実際の行使にあたっても、個別的自衛権の場合と同様、国会承認を求める考えであります。 
民主主義国家である我が国としては、慎重の上にも慎重を期して判断をしていく、というのが当然だろうと思います。今回の閣議決定を受けて、あらゆる事態に対処できる法整備を進めることによりまして、隙間のない対応が可能となり、抑止力が強化されます。我が国の平和と安全を、そのことによって、抑止力が強化されたことによってですね、一層確かなものにすることが出来る、と考えています。 
記者:フジテレビのニシガキと申します。お願い致します。北朝鮮問題についてお伺い致します。本日、北京で日朝局長級協議が行われました。北朝鮮による特別委員会につきまして、拉致被害者の方を含めて、包括的・全面的な調査を行うという、その実行性の担保というのがどのようになされているのか。また日本の独自の制裁解除に値するようなものになるのかどうか、総理のご認識をお願い致します。
また合わせまして、韓国のユン・ビョンセ外相が30日に韓国の国会での答弁で、日本の制裁解除を含む拉致問題解決に向けた交渉が、核問題についての日米間の協調に影響を与えるのではないか、との認識を示されていますが、総理のお考えはいかがでしょうか? 
安倍:日朝政府間協議については、現在も北京において開催されている最中であります。私としては、代表団が帰国後に、北朝鮮側の特別調査委員会に関する説明についてきちんと報告を受けた後に、しっかりと見極め、適切に判断をしていく考えであります。現時点で今後の対応についてお答えすることは、適切ではないと思います。 
日朝関係を含め、北朝鮮をめぐる問題については、平素から米国や韓国と緊密に連携をとってきています。我が国としては、今後も引き続き連携していく考えでありまして、日朝政府間協議の開催によって、日米韓の関係に悪影響が出ることはない、と考えています。 
記者:時事通信のヤマグチと申します。よろしくお願いします。今回の集団的自衛権を容認する、という決定は、日本の国防政策の大きな転換になると思います。これによって総理は今後、日本をどのような国にされていくお気持ちでしょうか。 
それから、抑止力を高め、世界貢献が出来るという国になる、ということはまた、平和を守るためにはもしかすると犠牲を伴うかもしれない、という可能性もあると思いますが、国民はどのような覚悟を保つ必要があるのでしょうか。(その後聞き取り不明) 
安倍総理:今回の閣議決定は、我が国を取り巻く安全保障環境がますます厳しさを増すなか、国民の生命と平和な暮らしを守るために何を為すべきか、との観点から、新たな安全保障法制の整備のための基本方針を示すものであります。これによって、抑止力の向上と地域及び国際社会の平和と安定に、これまで以上に積極的に貢献していくことを通じて、我が国も平和と安全を一層確かなものに出来る、と考えています。 
憲法が掲げる平和主義、これからも守り抜いていきます。日本が戦後一貫して歩んできた平和国家としての歩みは、今後も決して変わることはありません。今回の閣議決定は、むしろその歩みを力強いものにしていくと考えています。また、今回閣議決定を致しました基本的な考え方「積極的平和主義」につきましては、私は首脳会談の度に説明をしています。そしてそれを簡単にした説明書、英語やフランス語やスペイン語、ポルトガル語など様々な言葉に訳したものをお渡しをし、多くの国々から理解を得ていると承知をしています。 
また自衛隊の皆さんはですね、今この瞬間においても、例えばソマリア沖で海賊対処行動を行っています。あるいは東シナ海の上空、また海上において、様々な任務を担い活動しているわけでありますが、それぞれ、時には危険が伴う任務であるなかにおいて、国民の生命を守るために彼らはこの任務を粛々と果たしているわけであります。私は彼らに感謝をし、そして彼らの勇気ある活動に敬意を表したい。彼らは私の誇りであります。今後とも、彼らは日本国民の生命を守るために活動していただける、と確信をしております。 
記者:毎日新聞のタケシマです。先ほどのご発言で、関連法案の作業チームを立ち上げたいというお話があったと思うんですが、今回示された基本方針が国会でどのように議論されていくのかっていうのは、国民の関心もかなり大きいと思います。グレーゾーン、国際協力、集団的自衛権、この3つについてどのようなスケジュールで法改正に臨まれるお考えでしょうか? 
安倍総理:法改正についてはただちに取り組んでいく必要があると思います。今回の閣議決定において、今おっしゃったようなグレーゾーンにおいて、あるいは集団的自衛権において、あるいは集団安全保障において。自衛隊が活動できるようになるわけではありません。そのための法整備を、先ほど申し上げたようにスタートしていくわけでありますが、この法整備についても与党とよくスケジュールも含めて連絡をして、緊密な連携をしていきたいと思っています。
今の段階では、いつまでにということについては、これからスタートするところでありますから、まだ申し上げる状況ではないというふうに思います。 
記者:日本テレビのタケウチです。そもそもなんですが、この集団的自衛権の問題というものに、総理が問題意識を持って取り組もうと思ったきっかけとか原点みたいなものはなんでしょうか? これをお聞かせください。 
安部総理:いわゆる有事法制、あるいは国民保護法の制定をおこなったわけでありますが、当時私は官房副長官でありました。あのときあらためて、戦後60年近く経つ中において、そうした日本の独立、そして国民の命を守るための法令には不備があるという現実と向き合うことになりました。 
その中において、残された宿題がまだあった。それが今回のグレーゾーンであり、たとえば集団安全保障の中において、PKO活動をする中において、いっしょに活動する他国の部隊に対して、自衛隊がもし襲撃をされたときには、助けてもらうことになるけれども、逆はないということで果たしていいのか。あるいはNGOの人たちが実際に危険な目に遭っている中において、自衛隊が彼らを守ることができないというのが。 
そしてまた、何人かの米国の高官から、米軍あるいは米国は日本に対して日本を防衛する義務を安保条約5条において果たしていく考えであると。しかしたとえば日本を守るために、警戒にあたっている米国の艦船が、もし襲われて、近くにいて守ることのできる日本の自衛艦がそれを救出しなくて、あるいはまたその艦を守るために何の処置も取らなくて、アメリカ国民の日本に対する信頼感、あるいは日本に対して、共に日本を守っていこうという意志が、ついていくかどうか、真剣に考えてもらいたいと言われたことがありました。 
だんだんと安全保障環境が厳しくなるなかで、まさにそうした切れ目のないしっかりとした体制をつくることによって、抑止力を強化し、まったくスキのない体制をつくることによって、日本と地域はより平和で安定した地域となっていく。そう考えたわけでございました。 
今時、その意味においては、閣議決定ができました。私は総理大臣として、国民の命を守り、平和な暮らしを守るために、さまざまな課題に対して目を背けずに、正面から取り組んでいく責任があります。その責任において、今回閣議決定を行いました。 
(以上)

さて、上の記者会見について皆さんはどう思われたでしょうか。本日は、札幌市内の中心部に赴く用事があり、歩いていると、どこかの団体が安全保障の関連法案に反対と、シュプレヒコールをしていました。見る限りで、この団体の人たちが叫んでいるだけで、その周りを囲む通行人などいるわけでもなく、街を歩いている人たちはほとんど無関心のようでした。

世界の中で集団的自衛権が行使できない国は、永世中立を標榜するスイスなどを除けば日本だけです。しかし、そのスイスもかなり強力な軍隊を持っていますし、山岳地帯であることから、この地形を活用して、国自体を要塞のようにして国を守る体制を整えています。

スイスの守りは鉄壁!
また、現役の軍人の他にも予備役が相当数存在していて、平素から訓練を行い、いざというときには投入できる体制をとっています。昔は、一般家庭に武器があるのが普通でした。集団的自衛権を行使しないかわりに、かなりの軍事力を持つことで、スイスは安全保障を確実なものにしています。このようなことがあるので、あのヒトラーですら、スイスを侵略するというようなことは最初から考えていませんでした。

スイスは、このように単独で自国を守りぬく構えが十分に整っています。だからこそ、集団的自衛権など行使しなくても良いのです。

しかし、スイス以外の国は、すべて集団的自衛権を行使できるようになっています。それは、多くの国が、スイスとは異なり、他国との国境の大きな部分が、平地であったり、海洋であったりで、用意に攻めこまれやすい地形になっているからです。

大国日本が他の国が普通に出来ることができないのはおかしいと思います。安全保障のためには、何でも出来るようにしておいて、のです。

そうでないととんでもないことになります。日本が侵略を受けていて、自衛隊が劣勢になっていたとしても他国はおいそれと手を出せないという、とんでもないことになります。それ以外にも、安部総理の上の記者会見でも述べられていたような、対策をとることができます。しかし、集団的自衛権を行使できなければ、これらは実行できないのです。

スイスとは異なり四方が、海に囲まれ、島国である我が国。多くの都市が、平野に位置していて、さらには海に面してる日本においては、集団的自衛権が行使できないことのほうが、はるかに危険です。

最近では、テレビで盛んに「日本は平和国家なのに集団的自衛権を行使するのはおかしい」というような一般の人のインタビュー映像が流されていました。この人たちは、全く安全保障について理解していないようです。

テレビ局は集団的自衛権の行使反対をこれらの映像で訴えたかったのでしようが、このような報道は多くの国民を間違った方向に誘導することになります。

テレビ局のようなマスコミこそ、集団的安全保障を行使しないスイスの安全保証の実態や、スイス以外の他国集団的安全保障に関する考え方などを報道すべきと思うのですが、そうではありません。これから、国会での論戦となるわけですが、この論戦では、安倍政権は多く国民にも理解できるように、説明をしていただきたいものです。

今回の安全保障の関連法案を閣議決定を世界で最も嫌がるのは、中国であるのは明らかです。他国は、米国をはじめ中韓以外の全部の国が賛成しているか、反対はしていません。

これを嫌がるのは中国スパイだけです。中国の嫌がる立法はこれからもどんどすべきです。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

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2015年5月13日水曜日

若年層の自殺がG7でトップ。日本の若者はなぜ死を選ぶ?―【私の論評】自殺率の高さの原因は、若者の精神的な弱さではない!過去のデフレによる悪影響が未だ残っているせいだ(゚д゚)!


2015.05.12 ニュース

「いのちの電話」など、自殺対策には力を入れている団体も多い
「いのちの電話」など、自殺対策には力を入れている団体も多い 日本の年間自殺者は全体的に減少傾向にある。’98年以降、14年連続で3万人を超えていたその数は、’12年から3年連続で3万人を割り、警察庁によると’14年は2万5218人だ。

しかし、若年層の自殺は深刻な状況にあると言ってよい。15~39歳の死亡原因の第1位は自殺だ(男女別では男性15~44歳、女性15~34歳で1位)。

G7で15~34歳の死因の1位が自殺というのは日本だけ(※グラフ参照)。死亡率はアメリカやフランス、カナダの約2倍、ドイツやイギリスの約3倍、イタリアの約4倍となっている。


この傾向について国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所自殺予防総合対策センターの山内貴史研究員(認知行動科学・疫学)はこう語る。

「日本以外の各国では、若年層の死因はがんなどの病気、交通事故などのほうが自殺よりも多くなっています。ところが、日本では中高年の自殺死亡率は下がったものの、若年層の精神的な弱さが目立っています。他国のように、ストレスの対処法を教育で教わっていないからではないでしょうか。中高年の自殺率は今後も下がっていくと思われますが、若年層は増加傾向にあります。また、この数値(自殺率)には自殺未遂者が含まれていません。自損事故として救急搬送されるケースは女性に多いのですが、若年層は未遂も含めると相当の数になると思われます」(山内研究員)

思いつめる前に、自治体、ボランティアなどの相談できる組織のドアを叩いてほしい。 <取材・文/週刊SPA!編集部>

【私の論評】自殺率の高さの原因は、若者の精神的な弱さではない!過去のデフレによる悪影響が未だ残っているせいだ(゚д゚)!

上の記事、どうしようもないです。日本の若者の自殺者数が多いことの理由を「若者層の精神的な弱さが目立っています」として、その真の原因を全く追求していません。山内研究員は、精神的な弱さを示す統計数値も示すことなく、このような結論を出しています。

日本の若者の自殺が多いのは、本当に「精神的な弱さ」だけが原因なのでしょうか。私は、そうは思いません。これについては、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。

若年者死因トップは自殺 先進7か国で日本のみ―【私の論評】若者の死因の第一位が自殺になったのは、デフレ退治をしなかったことによる大きな罪ということを理解しない人が多いためますます、悲劇が続く?

この記事は昨年のも6月5日のものであり、ちょうど今から1年ほど前のものです。

タイトルからわかるように、この記事では若者の死因のトップが自殺というのは、先進7カ国の中では、日本のみというショッキングな内容でした。

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部分をコピペさせていただきます。
26年版自殺対策白書が3日の閣議で報告された。25年の自殺者は2万7283人。前年の2万6433人より850人増えた。40歳代から60歳代男性が自殺者全体の4割近くを占めたことも家庭の中心的役割を担う年代だけに影響の深刻さがうかがえるものになった。 
また15歳から39歳の各年代の死因のトップをみると、いずれも「自殺」で、白書は「こうした状況は国際的にみても深刻で、15~34歳の若い世代で死因の第1位が自殺となっているのは先進7カ国では日本のみ」とした。また日本では15歳から39歳までの死因トップが自殺になっていた。

さて、 上の山内研究員は、統計資料もなしに若者の自殺者が多いのは、精神的な弱さと決めつけているようですので、私はそのようなことをせず統計資料を以下に提供させていただきます。

まずは、自殺者全体について以下に振り返っておきます。

自殺者数と景気は相関が高いことが知られているが、この二年間の経済状況の改善と、さらに自殺対策にここ数年経費を増加させていく方針を採用していることも大きいです。類似の事例はホームレス対策にもいえ、ホームレス数は景気要因に関わらず対策費の増加に合わせて減少しています。

自殺者数の減少については、マクロ(景気)とミクロ(自殺対策関連予算の増加スタンス)の両方が功を奏していると考えられます。

自殺対策関連予算の推移はまとまったデータがないので拾い集めてみると

平成19年 247億円 平成20年 144億円 平成21年 136億 平成22年 140億 平成23年 150億 平成24年 326億 平成25年 340億 平成26年 361億 となってます。


若年層で死因トップが自殺となっているのは先進7カ国で日本のみで、その死亡率も他国に比べて高いものになっています。その自殺死亡率をグラフにしたものが以下です。





上のグラフは若年失業率と20~29歳の自殺死亡率の推移です。
経済状況の相対的な改善とともに、中年男性の自殺死亡率が低下しつつある一方で、近年、20代以下の若年層の自殺死亡率の上昇が見られる点が注目されます。若年層においては中年層に比較して、『勤務問題』の占める割合が高いことが特徴であり、若年層の自殺死亡率が上昇していることと関係している可能性が考えられます。
若年失業率と20~29歳の自殺死亡率の推移を比較すると、両者は近い動きを示すことがわかります。こうしたことから、若年層における自殺死亡率の上昇は、経済状況の相対的な改善にもかかわらず、派遣社員、契約社員、パート、アルバイト等の非正規雇用の割合の増加など、若年層の雇用情勢が悪化していることも影響している可能性があるものと考えられます。なお、特に20歳代以下の若者の『就職失敗』による自殺者数が平成21年を境に急増していることにも注意が必要です。
「勤務問題による自殺」に関するグラフを以下に掲載します。

少し古いデータではありますが、勤務問題で自殺する若者が近年増えていたのは間違いないです。

「就活自殺」に関すグラフを以下に掲載します。


就職活動がうまくいかない大学生が精神的に追い詰められて死を選ぶ「就活自殺」が、平成25年までの7年間で218人に上ることが、警察庁のまとめで分かっています。それを示したグラフが上のものです。各大学は最悪の事態を防ごうと対策に乗り出していますが、自殺者数は、雇用環境と密接に関係するともいわれており、専門家は「解決には、雇用環境を改善することが先決だ」と指摘しています。

警察庁によると、自殺原因の詳細な分析を始めた19年以降、自殺した大学生は3516人。そのうち遺書などの記述から「就活の失敗」が原因とみられるのは218人でした。雇用環境との関連を証明するように、景気が回復したとされる25年は、前年より17人減少しました。

「勤務問題」も、「就活失敗」も特に若者に顕著です。大学を卒業したばかりの、学生など、企業に入って、すぐに即戦力になるスキルなど持っていません。企業としては、大卒の新人などを雇用しても、まずは訓練しなければならず、雇用すれば当初は経費がかさむことになります。

だから、デフレともなれば、採用を控えるのは当然のことです。企業に採用されなかった若者は、パート・アルバイトになるわけですが、デフレ化では、雇用条件も悪く、スキルも身につきません。

こうした若者が、将来に絶望して、自殺を選ぶということなど容易に想像できます。

今の日本は、厳密ではデフレではありません。しかし、過去20年近くにもわたって、継続したデフレによる、悪影響から抜けきっているわけではありません。

最近は、若干景気が良くなっているようではありますが、それにしても、世界的な視野からみれば、日本は若者の自殺が他の先進国に比較して、突出して多いという大問題がまだ解消されていません。

このような状況で、昨年4月に8%増税をしたのは、全くの間違いでした。そうして、もし10%増税が決定され、導入されたとした、若者の自殺はさらに増えたことが予想されます。

とにかく、現状は増税などの緊縮財政などは避け、一日も早くデフレから脱却するだけではなく、デフレによる負の遺産を一掃して、若者の自殺を撲滅すべきです。

「若者の自殺が多い国」という汚名は、一日でもはやく返上して、若者が希望の持てる国になろう!

「若者の自殺の多い国」という汚名は、一日でもはやく、返上すべきです。いつまでも、若者が、未来に希望が持てなく、自殺してしまうような国であってはならないです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2015年5月12日火曜日

アパレル業界で働く女性たちの貧困…「食費を削って服を買うコも多いのでガリガリに痩せて病気になる」―【私の論評】貧困女子をなくすには、ブラックを叩いても効果はない!叩くべきは昨年増税キャンペーンを繰り返した愚かな者共だ(゚д゚)!

アパレル業界で働く女性たちの貧困…「食費を削って服を買うコも多いのでガリガリに痩せて病気になる」

2015年5月12日 9時3分

日刊SPA!
モデルに憧れダイエットをし続けた結果、25kgという
ありえない体重になってしまった女性、「ヴァレリア・レビチン」
日本のアパレル業界の女子もこのような姿に?

  今や「単身女性の3人に1人が貧困状態にある」という調査結果もあるほど、もはやニッポンの大問題として取り上げられることも多い「女性の貧困」問題。彼女たちはいかにして貧困に沈んでいくのか。長年「貧困問題」について取材を続けてきたSPA!取材班が、「女性の貧困」問題について改めて徹底調査。世代別に彼女たちの貧困ぶりを見ると、そこにはさまざまな「共通項」が浮かび上がってきたのだった――。

ここでは、「20代女性の貧困問題」について、その壮絶な実態を一部紹介する。

◆食費を削って服を買い、薬を飲んで耐えています
~前島知美さん(仮名・28歳)/アパレル関係~

若い女性が多く働くアパレル業界。華やかに見えるが、実は低賃金で過酷な労働を強いている面がある。契約社員としてショップ店員を務める前島さんの年収はおよそ150万円。休みはほぼなく、もちろん、福利厚生など皆無だ。

「19歳のときに『カリスマ店員』に憧れて飛び込んだものの、現実は華やかな世界どころか、若いコを倒れるまで使い潰すのが当たり前のブラックな業界でした。徹夜で残業をしたり、休日出勤も当たり前なのに手当ては一切出ない。一人当たりの売上げノルマもあるのに、13万円しかない月給のなかから自腹で自分の店の服を買わないといけない。食費を削って服を買うコも多いので、ガリガリに痩せて病気になったり、みんな常に大量の薬を持ち歩いています」

同じ職場の10代の女性は劣悪な環境に耐え切れず、ストレス性の糖尿病で倒れたという。

「『アパレルには健康なスタッフはいない』というのが業界のあるあるネタです。若いコは生活苦や体を壊してどんどん辞めていく。それでもアパレルに憧れたコはどんどん入ってくるから、ブラックな体制は何も変わらない。私も数年単位でお店を転々としていますが、どこも似たりよったりで、生活は全然楽になりませんね」

時折、ふと疲れた顔を見せる彼女もまた、精神的にギリギリの状態で働いていた。

「資格を取る時間もないし、みんな目の前の仕事をこなすことしか考えられない。それに職場は10代や20歳そこそこの若いコばかりなので、法律の知識がないから辞めた後も泣き寝入りするしかない。業界もそれを知ってて利用してるはず。人を追いつめて使い潰す業界の体質そのものが、貧困女子を量産しているんだと思います」

他業種へ転職できるようなスキルも身につかず、心と体を壊せば再起するにも時間がかかる。きらびやかな世界の闇は異様に深い。

<私の未来予想図>
資格もスキルも取れない以上、結婚に逃げるしか術はないです

5/12発売の週刊SPA!に掲載されている大特集『ニッポンの大問題[女の貧困化]が止まらない!』では、上記のような「リアルすぎる実例」が世代別で続々登場。彼女たちの未来予想図にもぜひ注目してほしい。20代、30代、40代別で「女性の貧困」問題を検証していくと、「ワーキングプア」「シングルマザー」「隠れホームレス」などさまざまな問題が浮かび上がり、貧困大国ニッポンの真の姿に誰もが驚きを隠せないことだろう。

果たして、新局面を迎えた「女性の貧困」問題に我々はどう向き合えばいいのか、ぜひとも考えながら読んでいただきたい特集なのである。 <取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>

【私の論評】貧困女子をなくすには、ブラックを叩いても効果はない!叩くべきは昨年増税キャンペーンを繰り返した愚かな者共だ(゚д゚)!

上の記事、まったく薄っぺらな内容で、ただただ、貧困女子の有り様を描くだけで、何の救いもありません。週刊誌だから仕方ないのかもしれませんが、週刊誌以外の報道でも似たり寄ったりのところがあります。

なぜ、上記のようなブラック企業のような企業がはびこるのか、その理由はあまりにもはっきりしすぎています。その根本原因はデフレです。デフレを解消しない限り、このようなブラック企業ははびこるし、他のまともな企業だって、ブラック的にならざるを得ない状況に追い込まれてしまうのです。

上の記事を見ていると、このような根本原因には全く触れず、ブラック企業、ブラック業界の内情をつぶさに報道するだけで、その根本原因や解決方法など全く解説しません。

存立の基盤を崩壊させなければ、ブラック企業ははびこり続ける

平成13年度から日本では、日銀が金融緩和に転じたため、そのまま緩和を続けていれば、今頃かなりデフレが解消され、賃金も上昇し、そもそもブラック企業の存立基盤が失われることになっていたはずです。

ご存知のように、デフレ下では、モノが売れないため、物価がじわりじわりと下がり、それに連れて賃金も下がります。そうなると、多くの人の消費意欲も減退し、さらにモノが売れないため、物価が下がり、それに連れて賃金も下がるという悪循環を繰り返すことになります。

このようなことが繰り返されると、雇用状況が悪くなり、雇用条件の悪いブラック企業のような企業が人を募集すると、仕事がないため、そのような企業でも我慢して勤める人が出てくるようになります。

この悪循環の連鎖を断つのが、金融緩和策です。金融緩和をすることにより、景気が良くなるだけではなく、雇用も改善します。雇用が改善するということは、賃金も上昇するし、日本国全体の採用枠も広がるということです。

そうなると、ブラック企業に勤めていた人も、もっと賃金や他の雇用条件が、良い企業に転職するようになるし、雇用枠が広がったことから、最初からブラック企業に勤める人もいなくなります。そうして、働き手のいなくなったブラック企業はこの世から姿を消すことになります。

平成13年4月に、日銀は異次元の包括的金融緩和に転じ、今頃は日本は、デフレから完璧に脱却するとともに、実質賃金なども上昇して、ブラック企業の存立の基盤はとうに崩されていたはずです。

この金融緩和の段階的な進行については、以前のこのブログにも以前掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。

【日本の解き方】経済予測をことごとく外してきた面々は合理的な推測をしているのか―【私の論評】奴らは論評をしているのではない!論病に過ぎない(゚д゚)!
増税の影響がはっきり見られる
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、金融緩和の進行の段階を掲載しました。その部分を以下に掲載させていただきます。
1.日銀がマネタリーベースを増やす 
2.予想インフレ率が約半年かけて徐々に上昇し、実質金利が下がる 
3.消費と投資が徐々に増える 
4.外為市場で円安が起こり、徐々に輸出が増える 
5.約2年~をかけて、徐々にGDPが増え、失業率が下がり、賃金が上がり、インフレ率も上昇する。その過程で株価も上がる。
金融緩和を実施し続け、増税などというバカ真似をしなければ、今頃上の金融緩和の5段階まで進んでいたかもしれません。しかし、増税したため、金融緩和の効果は腰折れとなり、帳消しとなりこのこの段階の振り出しに戻ってしまったというのにが、昨年の状況です。

それでも、金融緩和は継続していたので、雇用情勢など、かなり改善されましたが、増税のため実質賃金は一時下がるとか、ブラック企業がはびこる状況には変わりなく、ブログ冒頭の記事のように最近でも、このような悲惨な状況がまだ続いてます。

しかし、このようなことブログ冒頭の記事では何も報道していません。日本のマスコミはなぜかブログ冒頭の記事のように、ブラック企業がはびこる真の原因について報道しません。

本当に無責任です。無責任といえば、これは何もマスコミに限ったわけではありません。

本日は、高橋洋一氏による以下のような記事をみつけました。
増税の影響「なかったこと」にしたい日銀総裁や学者 誰も口にしないお寒い現状

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用させていただきます。

 日銀が2%のインフレ率目標達成時期について「2016年度前半ごろ」と、事実上後ろ倒しにした。その理由について、黒田東彦(はるひこ)総裁は、昨年4月の消費増税の直接的な影響について語らず、ほとんどのマスメディアも言及しない。一体なぜなのだろうか。 
 黒田総裁が「消費増税があったので需要が落ち込んだ」と言えないのは、黒田総裁自身が消費増税に積極的で、「消費増税の影響は軽微である」と言っていたからだ。実際には影響は軽微どころではなく、黒田総裁の見通しは大外れであったが、それを認められないのだ。そこまでして消費増税を進めたい黒田総裁は、日銀総裁というより、まるで古巣の財務省職員のようだ。
 マスメディアも、消費増税に賛成した大手紙などは、今さら消費増税の影響が大きかったとは言えない。だから、黒田総裁と同じ穴のムジナである。マスメディアの場合には、下手に質問して、黒田総裁の感情を害したら、その後の取材活動にも影響しかねないので質問をセーブする気持ちもあろう。
 こういう場合には、学者などの知識人が問題を指摘しなければいけない。しかし、学会でも、財政政策に関して、「消費増税の影響」という話題はさっぱり盛り上がらない。というのも、日本の代表的な一流学者を含む多くの学者が 
「影響なし」と主張していたものだから、議論にならないのだ。
一昨年は、財務省をはじめ、マスコミ、政治家、識者の多くの人たちが、増税大賛成であったため、安部総理自身は、アベノミクスを成功させるため、増税などしたくはなかったのですが、押し切られてしまい、増税を決めるしかない状況に追い込まれ、8%増税を決めてしまいました。

8%増税の影響を軽視した日銀黒田総裁

さて、ブラック企業がはびこる原因は、もうお分かりになったと思います。それは、デフレであり、デフレからの脱却を遅らせたのが、8%増税です。

そうして、これを強引に迫ったのが、大増税キャンペーンを主導した財務省であり、それに乗ったマスコミであり、日銀黒田総裁であり、政治家、似非識者どもということです。

これで、貧困女子の本当の敵は、ブラック企業ではなく、ブラック企業の存立を許してしまうような、経済状況をつくりだしてしまった、連中というわけです。

貧困女子が増える原因を作ったのは、もう一度言います。それは、大増税キャンペーンを主導した財務省であり、それに乗ったマスコミであり、日銀黒田総裁であり、政治家、似非識者どもです。

貧困女子を救うためには、ブラック企業や、ブラック業界を叩いたとしても、なくなりはしません。デフレを退治しなければなりません。デフレを退治するために、またぞろ、増税などと言い出す輩を徹底的に糾弾して粉砕してしまわなければなりません。

貧困女子をなくすには、ブラック企業・業界を叩いても効果はありません。叩くべきは昨年増税キャンペーンを繰り返した愚かな者共です。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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以下に、最近の貧困女子の驚くべき実態をあらわした書籍をセレクトしました。ただし、これらの書籍も、貧困女子が発生する真の要因については述べていません。

貧困女子が生まれる原因は、デフレであることを念頭に置いて読まれることを希望します。


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