2016年10月22日土曜日

トランプ氏の支持率上昇、クリントン氏に4ポイント差まで迫る―【私の論評】驚天動地の急上昇の背景には何があるのか、日本はどう対処すべきか(゚д゚)!


10月21日、ロイター/イプソスが発表した米大統領選に向けた支持率調査によると、共和党候補の
ドナルド・トランプ氏の支持率が上昇した。写真は同日、ノースカロライナ州で演説するトランプ氏
ロイター/イプソスが21日発表した米大統領選に向けた支持率調査によると、共和党候補のドナルド・トランプ氏の支持率が上昇。トランプ氏による女性へのセクハラ疑惑などが取り沙汰されているにも関わらず、民主党候補ヒラリー・クリントン氏との差を縮めた。

調査は14─20日、全米50州で有権者1640人を対象にオンラインで実施。クリントン氏の支持率は44%、トランプ氏は40%となった。7─13日に実施された調査ではクリントン氏が8ポイントの差をつけていたが、そのリードは半分に縮まった。

また、今回の調査からは、トランプ氏が過去に女性に対するわいせつ行為を働いたと考えているとの回答が63%に達したこともわかった。

【私の論評】驚天動地の急上昇の背景には何があるのか、日本はどう対処すべきか(゚д゚)!

この驚天動地の急上昇の背景には何があるかといえば、大きく言って2つの事柄があると考えられます。

まず一つ目は、ヒラリー候補が大統領になった場合、おそらく現オバマ大統領の政策が継承され、あまり変わりがないことが予想されるということです。

アメリカではオバマ大統領の評判は地に堕ちています。日本で例えると、それこそオバマ大統領にルーピーと呼ばれた、鳩山元首相よりもまだ酷いというような感覚です。

ここで、オバマの失政を振り返っておきます。

2011年12月にオバマ大統領は、イラクから米軍を撤退させましたが、その時期があまりに早すぎました。この判断によって、中東はさらに混乱することになりました。そもそも、イラクからの撤退はオバマにとっては2008年大統領選挙戦略の切り札の一つでした。同年の大統領選では、「イラク戦争反対を表明していた唯一の有力候補」として、自己PRに全面的に使い、厭戦気分が高まっていたアメリカ国民の心を捕らえました。

 2012年アフガニスタンに向かう米軍兵士たち
大統領就任後、オバマは、アルカイダとの戦いの「主戦場」と位置づけるアフガニスタンに米軍をシフトさせるという大きな方針を掲げます。同時にイラクの都市部から戦闘部隊を撤収、郊外の基地に再配置するとともに、「2010年8月末までにイラク駐留の主力部隊の撤退を開始し、2011年末までにイラクから完全撤退する」という出口政策のシナリオを打ちたてます。

実際、このシナリオ通りにイラクからの撤退が進んでいきました。2011年末というイラク撤退日程は、12年選挙でのオバマ自身再選を後押しする “手柄”の一つにしようという狙いもありました。

さらに、2014年5月には、「アルカイダは相当部分掃討した」として、アフガニスタンからの米軍撤退期限も2016年末に設定することを発表しました。このアフガン撤退の2016年末という日程は、オバマ政権の8年間のフィナーレの時期です。「イラク・アフガン戦争の完全終結」は、オバマ政権の華々しい最大の遺産(レガシー)がとなるはずでした。しかし、イラク早期撤退の代償として、ISISが台頭するという事態を招いてしまいました。

ISISはシーア派色の強いマリキ政権に反発するスンニ派の住民も味方につけ、勢力を拡大させてきました。イラク情勢がさらに不安定化すれば、米軍の再び軍事介入する可能性も高まります。

アフガン撤退を遅らようとする意見も既に次第に大きくなっています。オバマ政権の「イラク・アフガン戦争の完全終結」までのこれまでのシナリオは完全に崩壊しました。

拘束されたアメリカ人5人がイランによって開放されたことを伝えるCNNのニュース
さらに、核武装を目指すイランに弱腰な姿勢をとったことも、5人のアメリカ人がイラン当局に拘束されたことを受けて、16年1月に4億ドル(約408億円)の金を秘密裏に支払ったのも大失敗でした。

8月になってそれが明らかになったときは、多くのアメリカ人が憤激したはずです。これによってオバマはアメリカ人を人質にすれば多額の身代金を得られるという、悪しき前例を作ってしまったようなものです。共和党は、4億ドルの金がシリアのアサド政権に流れる恐れもあると批判していましたが、本当にその通りかもしれません。

移民制度改革を発表したオバマ大統領
そうして、さらに酷いのはオバマ大統領が不法移民に対して寛容な措置をとったことです。確かにアメリカは「移民の国」です。アメリカの「建国の理念」に賛同する移民たちが、アメリカに活力を与え、発展させてきたというのは事実です。しかし、アメリカは断じて「不法移民の国」ではありません。

にもかかわらず、オバマ大統領はアメリカ国内に1100万人いるとされる不法移民の強制送還免除を目的とした「移民制度改革」まで打ち出したのです。もしこの法律が施行されていたとしたらアメリカ生まれの子を持つ親など不法移民の約500万人に合法滞在が認められる可能性がありました。

結局はテキサス州などアメリカの26州が「大統領の権限を逸脱している」として提訴し、米連邦最高裁の判断が真っ二つに分かれ、米連邦高裁の「移民制度改革は無効」との判断が維持されたことにより、この政策は何とか食い止めることができました。しかし、オバマ政権下の8年間で不法移民が増えたのは事実です。それが治安の悪化など、アメリカ国内で現在大きな問題になっています。

さらに、ここでは詳細は述べませんが、ウクライナ問題でも煮え切らない態度を取り続けたオバマは、結局ロシアのクリミア併合を許してしまいました。

このような失政続きのオバマです。オバマと同じく民主党のクリントン候補が大統領になった場合、このような外交政策が継承される可能性が大きいです。これに関しては、多くのアメリカ国民が懸念を抱くのは当然のことです。

二つ目には、このブログにも何度か掲載したように、アメリカのメディアは非常に偏っていて、そのほとんど9割がリベラル・左派勢力に握られており、保守派は1割に過ぎないという実体があるということです。そのため、日本でも報道されるアメリカは、アメリカのメディアによるものがほとんどで、多くの日本人はアメリカの半分しか知らないというのが実情です。

米大統領選の第3回テレビ討論会で司会を勤めた米FOXニュースのクリス・ウォーレス氏
この状況は、日本国内の状況にたとえると、産経新聞は存在せず全部の新聞がリベラル・左派新聞であり、保守派新聞は、テレビなどのマスコミもほとんど全部がリベラル・左派であり、唯一FOXニュースだけが例外で保守であるという状況です。

この状況ですから、米国内では民主党のクリントン候補に対して肯定的に、共和党のトランプ氏に対しては否定的という傾向があります。だから、米国ではトランプ氏に否定的な報道が多くなるのは当たり前といえば当たり前です。

これに関しては、以下の動画をご覧いただくとさらに良くご理解いただけるものと思います。


これに関しては、トランプ氏自身も以前から懸念を述べていました。米西部ネバダ州ラスベガスで今月19日開かれた米大統領選の第3回テレビ討論会では、司会は保守系の米FOXニュースのクリス・ウォーレス氏が務めました。FOXニュースから大統領候補討論会の司会者が出るのは初めてのことです。トランプ氏は過去の討論会で、CNNテレビなどリベラル派の司会がクリントン氏の味方をしていると不満を漏らしていました。

ウォーレス氏は告発サイト「ウィキリークス」の流出メールで、クリントン氏が環太平洋経済連携協定(TPP)など自由貿易に前向きな姿勢を示していたことを追及。トランプ氏が「ありがとう」と応じる場面もありました。

今回のトランプ氏の支持率の上昇は、最後のテレビ討論会の司会者がFOXニュースのクリス・ウォーレス氏だったことや、このままではアメリカは大変なことになると考え焦燥感を抱いた保守層が、以前よりもより積極的に大統領選挙に関与するようになったからと考えられます。

アメリカ大統領選に関する報道で、日本のメディアは盛んに「アメリカは内向きになっている」という報道を続けています。

確かに各候補者は、外交問題ではなく国内問題に関して主張する機会が多かったのですが、だからといって、アメリカが内向きになっているというわけでもありません。というより、アメリカは「原点回帰」をしようとしているとみるべきです。

典型的なリベラルの発言を掲載した共和党派によるfacebookの写真
現在、アメリカには歪な「米国型リベラリズム」はびこっています。これは、多くのまともなアメリカ人なら誰もが感じていることでしょう。そうして「米国型リベラリズム」の象徴がオバマ大統領であり、民主党なのです。

だからこそ、メディアではほとんど報道されないものの、現実には半分を占める、保守層はリベラリズムをたたき潰して、強いアメリカを取り戻そうとしているのです。

「原点回帰」の動きはアメリカだけの話ではありません。ヨーロッパでも同様の動きが起きています。イギリスの欧州連合(EU)離脱もその象徴といえるものと思います。

イギリスは財政破綻や難民問題など、ヨーロッパが抱える問題に巻き込まれることに嫌気がさし、EU離脱の道を選んだのです。

この動きはまさに「原点回帰」です。だからといってイギリスが内向きになっているかといえば、そんなことはありません。イギリスはEU離脱で国境をはっきりさせただけです。

そうして、共和党の大統領候補であるドナルド・トランプ氏も同様の考えを持っているようです。彼が不法移民について激しく批判しているのも、国家の破壊につながりかねない、うさん臭いグローバリズムにはうんざりしているからです。

しかし、ニューヨーク・タイムズ紙やCNNなど、民主党の広告塔といっても過言ではないアメリカのリベラル・左派メディアは、トランプ氏の考えが気に入らないようです。トランプ氏が共和党予備選挙に出馬して以降、ずっと批判を続けてきました。

日本のメデイアもこれに右にならえであり、同じく最初からトランプ氏を色物、際物として色眼鏡で見た報道を繰り返してきました。

米国の「リベラルメデイアの顔」。多くの日本人は彼らの主張が
アメリカの主流であると信じて疑わないが、彼らの主張は
アメリカの半分しか現していない。クリックすると拡大します。
しかし、現時点でもトランプ氏が大統領になる可能性は捨て切れません。にもかかわらず、上の動画にもあったように、安倍総理はクリントン氏とは会談したものの、トランプ氏とは会談していません。

もし、トランプ氏が大統領になったとしたら、現在の日本ではトランプ氏と全くパイプも何もない状態で、アメリカとの外交をしなければならないことになります。

さらに、ヒラリー氏が大統領になったとしても、ヒラリー大統領が代表するのはアメリカの半分にしか過ぎないどころか、もっと小さいかもしれないことを認識すべきです。

議会は、今でも共和党のほうが多数です。そうして、忘れてならないのは、アメリカ大統領は平時においては、世界で最も権力のないリーダーであるということです。

多くの人は、アメリカでは大統領に権限が集中していると勘違いしているようですが、実はそうではありません。なぜこのような勘違いがはびこったかというと、第二次世界大戦中の大統領などを思い浮かべからでしょう。

アメリカでは、総力戦のような戦争になると、戦争を遂行するために、権力が大統領に集中する仕組みになっているのです。だから、多くの人は戦争中のアメリカの大統領を思い浮かべ、アメリカの大統領は強大な権力を持っていると勘違いしているのでしょう。しかし、平時の大統領はアメリカ議会の承認がなければ何もできません。さらに、平時のアメリカでは司法がかなり強い権力を握っています。

トランプ氏が大統領になれなかったにしても、それに対する反動として議会はさらに共和党の勢力が強くなる可能性が十分ありますし、今でも共和党のほうが多数派です。

そうなると、日本も保守層とのパイプを持っておく必要がありますし、私達も、アメリカの報道に関しても、アメリカや日本のリベラル・左派的なものだけではアメリカの半分しか知ることが出来ないことを認識して、FOXニュースや弱小なその他のアメリカ保守メディアに注目していくべきでしょう。

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2016年10月21日金曜日

【痛快!テキサス親父】日本は予算不足の国連に「アメとムチ」で対応せよ―【私の論評】腐れ組織国連抜本的組織改革をしなければ何も成果をあげられない(゚д゚)!


国連は、一般企業なら破綻必至だぜ
 ハ~イ! みなさん。

 先週に続き、俺が「無用の長物」と言い続けている国連について書くぜ。

 国連の2016年の通常予算は25億4900万ドル(約2640億円)なんだが、このうち11億8900万ドル(約1230億円)の分担金が加盟国から支払われていないという。率にして約47%にもなるんだ。

 加盟国193カ国中、2月の期日までに全額支払った国は27カ国しかなく、10月半ばまでに、やっと104カ国が払ったっていうんだから、「システム自体がまともに機能していない」と言えるよな。今年の不足分は、昨年に比べて1億3600万ドル(約141億円)も増加しているという。

 一般企業ならリストラに取り組むだろうが、国連は米ニューヨークと、スイス・ジュネーブ、オーストリア・ウィーン、ケニア・ナイロビなどに事務所を持ち、職員数は約4万4000人のままだ。慢性的な資金不足(=太り過ぎ)なのに、官僚体質のせいかダイエットする気もない。経営破綻、必至かもな。

 国連の分担金だが、国民総所得(GNI)の世界合計に対する比率を基準として、3年ごとに見直される。日本の負担率は16~18年、10%を切って9・68%となったが、依然として、米国(22%)に次ぐ2位だ。日米両国だけで31・68%、8億3100万ドル(約860億円)も支払っている。

 日本はこのほか、PKOやWHO(世界保健機関)、ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)などに、毎年、1000億円程度を支出している。国連常任理事国の中国やロシア、フランスよりも、世界のために多額の資金を出している。

 それなのに、日本を対象にした国連憲章の「敵国条項」は削除されていない。朝日新聞が慰安婦問題の大誤報を認めたが「慰安婦=性奴隷」との認識を決定づけた国連のクマラスワミ報告書(1996年)は撤回されていない。米国人の俺でも「ふざけるな!」と思うぜ。

 日本政府が先日、ユネスコへの分担金など計約44億円の支払いを留保していることを明らかにした。ユネスコが昨年10月、「南京事件」関連資料を世界記憶遺産に登録したことに対抗したようだ。よくやった! 日本はもっと、「アメとムチ」で対応すべきだぜ。

 さて、俺の新著『テキサス親父の大予言 日本は、世界の悪を撃退できる』(産経新聞出版)が20日出版されたぜ。日本国が素晴らしい文化や伝統を守るために、周囲の野蛮な国にどう対処すべきかをまとめてある。ぜひ、読んでほしい。

 親愛なるみなさんと、日本と米国に神のご加護がありますように。

 では、また会おう!

 トニー・マラーノ 

【私の論評】腐れ組織国連抜本的組織改革をしなければ何も成果をあげられない(゚д゚)!

トニー・マラーノ氏

冒頭の記事、トニー・マラーノ氏のは、本当にもっともなことで、そもそも国連は何の成果もあげていないということがいえます。

さて、国連も公的機関であることには変わらず、やはりいずれの国の官僚組織にみられるように、機能不全に至っています。

さて、この国連を含めた公的機関について、ドラッカー氏が興味深いことを語っています。
公的機関が成果をあげるようにすることは容易でない。しかし、公的機関が成果をあげないようにすることは簡単である。6つの罪のうちどの2つを犯しても、成果は立ちどころにあがらなくなる。今日、公的機関の多くが6つの罪のすべてを犯しているが、その必要はない。2つで十分である。(『日本 成功の代償』)
 これは、1980年、ドラッカーが「パブリック・アドミニストレーション・レヴュー」誌に寄稿した論文の一文です。『日本 成功の代償』に収載されているのですが、日本の公的機関についてだけ書いたものではありません。世界中の公的機関が抱える問題を論じていくます。その中には当然のことながら、国連などの国際機関も含んでいます。

ドラッカーは、公的機関が成果を上げないようにするための第1の方法は、目的として、「保健」や「身体障害者福祉」などのあいまいなスローガンを掲げることであるとしています。
この種のスローガンは、設立趣意書に書かれるだけの値打のものであり、いかなる趣旨のもとに設立したかは明らかにしても、いかなる成果をあげるべきかは明らかにしないからである。
確かに、国連も設立の趣旨は明らかにしても、いかなる成果をあげるべきか明らかにしていません。今後10年以内に何をどの水準にするとか、何をどの程度なくすなどの具体的な目標を聴いたことがありません。

第2の方法は、複数の事業に同時に取り組むことです。優先順位を決め、それに従うことを拒否することです。優先順位がなければ、努力は分散するだけとなります。

国連は、まさにいくつもの委員会があり、複数の事業に同時に取り組んでいます。巨大な組織ですから、いたしかたないところもありますが、それにしてもあまりにも多くの委員会や部会や、組織まであり、何かはやっているようであるのですが、では具体的に何をどうしたのか、あるいはこれからどうするのか全く見えない組織です。

第3の方法は、「肥満が美しい」とすることです。ドラッカー氏は痛烈です。
金で問題の解決を図ることは間違いだと言われる。だが頻繁に目にするのは、人手で解決を図ることである。人員過剰は資金過剰よりも始末に負えない。
これも、国連にぴったりとあてはまります。上の記事でトニー・マラーノ氏は、「国連は米ニューヨークと、スイス・ジュネーブ、オーストリア・ウィーン、ケニア・ナイロビなどに事務所を持ち、職員数は約4万4000人のままだ。慢性的な資金不足(=太り過ぎ)なのに、官僚体質のせいかダイエットする気もない」と述べています。

第4の方法は、実験抜きに信念に基づいて活動することです。ドラッカーは、これについて以下のように語っています。
初めから大規模にやれ、改善はそれからだといのが今日の公的機関に一般的に見られる態度だ。
これもまさに、国連に当てはまります。本来は、どこかの国の何かを改善することに狙いを定めて、いくつか優先的な施策を実行し、それが成功すれば、それを手本として、様々な国々の事情にあわせて適用するというような方策をとれば良いものを、初めから大規模に実行して、何やら成功しているようなしていないような、成果の見えない状況に至っています。

第5の方法は、経験から学ぼうとしないことです。
何を期待するかを事前に検討することなく、したがって、「結果」を「期待」にフィードバックさせないことである。
これも国連によく当てはまります。そのため、まともなフィードバックもありません。

第6の方法は、何ものも廃棄しないことです。もちろん、この方法によれば、ほとんどただちに成果を上げなくなることができなくなります。
政府機関であれ民間機関であれ、公的機関はすべて不滅の存在と前提している。馬鹿げた前提である。そのような前提が、公的機関をして成果をあげなくさせている。
廃棄とは、もはや必要でなくなった事業やシステムなどをやめることです。ドラッカー氏は真にイノベーティブな企業は、これを定期的・体系的に行っていると語っています。確かに、いつまでも古いものにしがみついている組織は、成果をあげることはできません。しかし、国連ではそのようなことは滅多に行われません。

ドラッカー氏
こんな腐れ組織は、廃棄すべきときであると思います。なぜなら、国連は最早役にたたないだけではなく、悪を成す組織に堕ちたからです。たとえば、上の記事にもあったように、ユネスコが昨年10月、「南京事件」関連資料を世界記憶遺産に登録していますがこれは、中国が申請したものであり「南京大虐殺文書」登録がされています。

そもそも、中国の主張する数十万にも及ぶ「大虐殺」など、単なるフィクションに過ぎません。中国や台湾などの日本や他の先進国のように正規軍を数十万人以上投入した、会戦など経験をしたことがないので、正規軍が数十万人虐殺するということはどういうことなのかをまともに想像することすらできず、ファンタジーでこのな虚構をつくりあげ信じ込んでいるとしか思えません。このくらいの規模以上になれば、まともに考えれば、ナチスドイツの行ったような方法でなければ、到底不可能です。

それに、このブログでも以前述べたように、南京における蒋介石らの責任はいまだにそのまま放置されています。これは、どう考えても理不尽としか言いようがありません。

これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
「尖閣は台湾のもの?」“二重国籍”蓮舫新代表が知っておくべき日本と台湾の対立点―【私の論評】南京・尖閣問題で台湾は決して親日ではない(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に南京事件に関する部分を引用します。



日本軍の南京入場
『南京事件』は当時の新聞に、国民党軍(現在の台湾軍)が南京を去るとき8万人の市民を犠牲にした、と記載しています。南京虐殺の真実は、南京では通常の戦闘ではなく、異常な戦闘が行われたということです。 
なぜ、異常な戦闘になったかといえば、国民党政府軍軍事委員長・蒋介石が戦いの途中で麾下の数万の兵士を置き去りにして高級将校とともに南京から逃げたからです。この時蒋は督戦隊を残して逃亡しています。 
督戦隊とは、逃げる兵士を撃ち殺す部隊のことです。そのため、南京市内の国民党軍兵士は逃げるに逃げられなかったのです。 
1937年(昭和12年)12月13日に日本軍は南京城に入城しました。当時毛沢東の共産党軍は南京にはおらず、大陸中国の奥地を逃げまわっていました。日本軍は開城を勧告したが応じなかったというか、司令官も存在せず督戦隊が存在したので、国民党軍兵士は降伏することができませんせんでしたので攻城戦となりました。 
そうして、日本軍に包囲され、指揮官を失い、逃げ道を失った彼らは、投降するより軍服を脱ぎ捨てて便衣を着て民間人になりすましたのです。南京入した日本軍は、脱ぎ捨てられたおびたたしい数の国民党軍の軍服を発見しました。
日本軍は当惑しました。南京市内には一般市民がいる。彼らと便衣を着て、一般市民になりすましている便衣兵とを見分けるのは難しいです。 
結局当時の中支那方面軍司令官の松井石根大将は、便衣兵の掃蕩作戦を行わざるを得ませんでした。そうして、掃蕩した便衣兵の中には、一般中国人が含まれていた可能性は否定できません。ただし、この人数が20万人〜30万人というのは、虚構にすぎません。 
松井石根大将は、この事件のため戦後に極東軍事裁判において死刑になっています。しかし、この事件の大元の責任者である、蒋介石と高級将校たちには、いっさい何の罪にも問われていません。 
南京に蒋介石が残っていたら、あるい蒋介石ではなくとも、高級将校が一人でも残っていて、日本軍に降伏していたら、あるいは南京の国民党軍がはやめに全員が南京から逃れていたら事態は混乱せず、日本軍が便衣兵を処刑する必要もなかったはずです。 
この所業は、どこの国においても、とんでもない敵前逃亡です。国民党としては、この事実を隠蔽したかったのでしょう。すべての責任を日本軍押し付け「日本軍による市民大量虐殺」という虚構を作り出し、今に至っています。 
蒋介石らの責任を問うこともなく、日本が南京市民を数十万人も虐殺したという途方もないデマにすぎない「南京大虐殺文書」を世界記憶遺産に登録したのが、ユネスコです。このような事を平気でするのが、ユネスコです。日本に対して、このようなことをする組織ですから、他でもどのような悪さをしているかわかったものではありません。

南京事件の最大の責任者である蒋介石
このような悪に染まった組織は、廃棄すべきです。国連をまともにするには、まずは、この国連という組織そのものを解体すべきです。そうして、現在よりもはるかに小さな組織(現在の1/100以下の組織)として、この組織は新しい国連があげるべき成果を徹底的に検証し、その成果に沿った、目的・目標・アクションプランを明確にして、実際のアクションは自分たちがするのではなく、公募制にすべきです。

世界各地のNGOやNPOが新しい国連の公募に応じることができるようにして、実績のある組織を優先して、新しい国連はこれらを慎重に選ぶようにすべきです。そうして、実行させてみて、期限内になかなか成果を挙げられないようなNGOやNPOは容赦なく切り捨てるような方式で、新しい国連の事業を運営すべきです。

このようにしたほうが、はるかに大きな成果をあげられる可能性が高まります。とにかく、今のままの腐れ組織では結局何も成果をあげられません。

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2016年10月20日木曜日

慶大集団レイプ、最高刑は懲役20年 実行犯以外の学生も罪に問われる可能性―【私の論評】これは日本のマスコミの本質を露呈した事件(゚д゚)!

慶大集団レイプ、最高刑は懲役20年 実行犯以外の学生も罪に問われる可能性

慶大広告学研究会の「合宿所」の強姦現場とされる部屋
慶応大の広告学研究会(広研)に所属する男子学生が、10代の女子学生を集団で強姦したとされる問題は、神奈川県警の捜査が続いている。今後事件化した場合、強姦を実行した学生だけでなく、周囲の学生も罪に問われる恐れがある。集団強姦の場合、最高刑は懲役20年で、重い代償を支払うことになる。

 事件は9月2日夜に発生した。神奈川県葉山町にある広研の「合宿所」で女子学生に、複数の男子学生が飲酒を強要。酩酊(めいてい)状態になった女子学生を集団で強姦し、別の学生がスマートフォンで撮影していたという。合宿所には当時6人の男子学生がいたとされ、強姦を実行したのは2人とみられることが分かっている。

 今後立件された場合、容疑者はどんな罪に問われる可能性があるのか。甲南大法科大学院の園田寿教授(刑法)は強姦を実行したとされる2人について「あくまで報道ベースだが、刑法上の罪からいうと集団強姦に該当するだろう。これは、2人以上が強姦や、(酒を飲ませるなど抵抗不能にして強姦する)準強姦をしたという場合に適用され、被害者がけがをしているならば、強姦致傷になってより刑が重くなる」と説明する。

 集団強姦罪は、早大生主宰のサークル「スーパーフリー」(解散)の女子大生集団暴行事件を受け、2005年1月施行の改正刑法で新設。一般の強姦罪よりも重い「懲役4年以上の有期懲役」と規定され、最高刑は20年となる。

 園田教授によると、陵辱の様子をスマートフォンで撮影し、提供した場合、いわゆる「リベンジポルノ防止法」に違反している可能性も考えられるという。同法では、被写体を特定できる方法で、個人的に撮った性的な写真や電子画像を不特定多数に提供した際、3年以下の懲役か50万円以下の罰金、拡散目的で少数へ提供した場合にも罰則がある。「LINE(ライン)にアップしたり、YouTubeにアップすることも該当するだろう」(園田教授)

 レイプを実行したり、動画を撮影していなくても、罪に問われる可能性もある。園田教授は「どの程度、重大な関与をしていたかがポイントになる」と指摘。仮に、女子大生を抵抗不能にするため強引に酒を飲ませるなど積極的に事件に関与していたなら、集団強姦の共同正犯として逮捕されることもあり得るという。

 事件の進展について、園田教授は一般論として、「示談が成立したら、起訴されない場合もある。示談の交渉は結構時間がかかるので、それで(立件が)遅れている可能性はある」と推測している。

 学生たちはどんな形で責任を取るのか。

【私の論評】これは日本のマスコミの本質を露呈した出来事(゚д゚)!

男子学生が女子学生に集団暴行したされる慶大「広告学研究会(広研)」について、問題を起こしたのは「ミス慶応コンテスト」を担当する学生ではなく、“オラオラ系”の別動隊だったことが16日に分かっています。女子学生側の被害届を警察が受理し、捜査を始めています。

広告学研究会は10年程前までは100人を超える大所帯になっていたそうです。その為、広告学研究会の中でも3つのグループに分かれ、所属する組織によって活動内容が異なるようになっていきました。以下にそのグループを掲載します。

1.「ミス慶應コンテスト」の運営担当
毎年11月に三田キャンパスで行われる慶應義塾大学の学園祭「三田祭」の最大のビッグイベントである「ミス慶應コンテスト」の運営を手掛ける組織。 
他の学生や大手企業、マスコミといった学内の生徒以外からも大きく注目を浴びる伝統行事であり、広告学研究会に所属する学生にとって最もやりがいのあるイベントなので、「ミス慶應コンテストの運営」を目的に所属する生徒が多い。
2.機関紙「三田広告研究」の発行や広告学の研究
創立当初からの「三田広告研究」の発行や、現代の広告の在り方や、企業が自社をPRするための広告を研究する活動を行う組織。イベントや行事といったものより、純粋に広告の研究をしたいと願う学生が集う。
3.海の家「キャンプストア」運営

海の家「キャンプストア」(葉山海岸)
毎年7~8月に神奈川県、葉山海岸の海の家「キャンプストア」の運営を担当する組織。 
「広告学研究会の活動の延長」、「サークル内の一体化を図る」というのが「キャンプストア」を手掛ける目的であり、いわゆる「イベントサークル」という位置付であると思われます。
ちなみに、今回の一連の不祥事を起こしたのは広告学研究会の中でも「キャンプストア」運営の組織です。

関係者によると、広研はその名の通り広告に関する研究を行う団体。その一環として「ミス慶応」の運営を行っていたのですが、一方で全く異なる活動を行う「別動隊」と呼ばれる学生たちがいます。9月2日の暴行疑惑の現場にいたのは全員が別動隊の1年生でした。

別動隊の主な活動は神奈川県葉山町にある海の家の運営。シーズン終了の解体撤去作業は毎年1年生が担当。作業後に合宿所に泊まって打ち上げとして飲み会をする学生もおり、今年は男子学生6人が参加。そこに女子学生1人が呼ばれました。

昨年、海の家で撮られた広研の記念写真には、いかつい風貌をした学生が足を組んだり股を開いたりして写っています。

昨年、海の家で撮られた広研の記念写真
学内での広研のイメージはまさにこの写真の通り。「飲み会がメインの団体でオラオラ系。酔ったら大変なことになる」という不評が広がったことで、会員の人数がどんどん減っていました。10年ほど前に広研で活動したOBは「自分たちの時は100人ほどいたけど、今は半減している」と話しました。写真に写っていたのは33人。結果、暴行疑惑の当日の飲み会に集まる人数も減り、女子学生は1人だけでした。入学して5カ月足らずで飲酒してはいけない年齢がいるはずの新入生だけがおり、監督する上級生がいない状況だった。

一方で「ミス慶応」の運営をしていたのは、広研の1924年(大13)から続く92年の歴史を継承し活動していた学生たちでした。別動隊の人数が多くなる中で現在は少数派です。ファイナリスト6人も決まっていた「ミス慶応」が別動隊の不祥事で中止になり、学内からは同情の声も上がっています。他の公認団体の有志も手を挙げ、開催を訴えたのですが、大学側は認めなませんでした。削除されたミス慶応コンテスト2016のツイッターでも「今年度ミス慶応コンテストは、いかなる団体を通じても開催する予定は一切ございません」とされていました。

慶大広告学研究会の「合宿所」。右奥に強姦
現場とされる2階につながる階段が見える。

この事件に関しては、週刊文春が以下の様に報じています。
慶應“集団強姦”主犯格「S」とその母を直撃!

 小誌が報じた慶應大学「広告学研究会」(以下「広研」)の男子学生による“集団強姦”事件が新たな展開を見せている。被害者の同大学1年生、A子さん(事件当時18歳)の被害届は正式に受理され、神奈川県警が捜査に乗り出した。 
 一方で、A子さんは小誌に「この事件の主犯は『S』です。絶対に許せません」と語っている。「S」とは、どんな人物なのか。Sの知人はこう語る。 
「両親は韓国人で、小学校の頃に日本に来たはずです。高校時代は野球部で、一浪して慶應に入った。現在2年生ですが、酒に強いことを見込まれ、広研では日吉キャンパスの責任者を任されていた」
 このSこそが、“集団強姦”事件当日、「後片付け」を名目にA子さんを「合宿所」に呼び出し、飲酒を強要、2人の1年生男子がA子さんをレイプしている間、これを撮影したのみならず、事件を表沙汰にしないようA子さんを脅すようなメッセージまで送ったのである。 
 「それどころか、『ミスコンが中止になったのは、(事件を公にした)お前のせい』という内容のLINEをA子さんに送って、ミスコンのファイナリストたちに謝るよう強要したんです」(A子さんの知人) 
 Sの携帯電話にかけると、か細い声で「どちら様ですか?」と応じたが、週刊文春と名乗った途端に切れてしまい、それ以降、電話が繋がることはなかった。 
 実家で暮らすSの家を訪ねると、パジャマ姿で現れたSの母親が韓国語でこう答えた。 
「話は聞いているのですが、お話しすることはできないです。ごめんなさい。私たちの心情も理解してください、心情を」 
 詳細は、10月20日発売の「週刊文春」10月27日号で報じている。
<週刊文春2016年10月27日号『スクープ速報』より>
「週刊文春」編集部
ネット上で出回っている主犯格「S」とされる、宋治潤:송치윤【song_chiyoon】
(ソン・チユン)
韓国から小学生で来日→日大一高(2014年卒)→
代ゼミにて1浪→慶大商学部(2015年入学)→現在2年生

さて、上記はあくまでスクープ版です。スクープではない、文春の記事より以下に一部引用します。
前略)
事件が起きたのは九月二日。この日、被害者のA子さん(当時18・慶應大学一年)を、「(広研が夏季に運営している)海の家の跡片付け」という名目で呼び出したのが、広研の二年生で日吉キャンパスの代表を務める「S」である。 
(中略) 
「事件当時、A子は生理中だったので、合宿所の二階には血の付いた証拠となるものが残されていた。事件が発覚し、警察が合宿所を調べに来ると知ったSは、それらを新宿駅のゴミ箱に捨てたと聞いています。さらにSはA子さんにLINEで事件を表ざたいにしないよう脅すメッセージも送っています」(広研関係者) 
(中略) 
Sは驚くべき行動に出た。 
『ミスコンが中止になったのはお前のせいだ』というLINEをA子さんに送り、ミスコンの6人のファイナリストに直接謝罪しに行くよう脅したのです」(A子さんの知人) 
■Sは「オレは撮影していただけ」 
A子さんは、記者に対して「この事件の主犯は『S』です。絶対に許せません」と語っていたが、「S」とは、どんな人物なのか。 
Sの高校時代の友人はこう話す。 
「Sの両親は韓国人で、小学校の頃に日本に来ているはずです。私大の付属中学からエスカレーターで高校へ進み、高校時代は野球部でした。勉強もできて気さくな奴。親は日本語が苦手で、家では韓国語で会話しているそうです。親が厳しいらしく、Sは自分がタバコを吸っていることも親に隠してほどです」 
一浪して慶應大学に入学すると、いくつかのサークルを掛け持ちする。 
「野球サークルとダーツサークルに所属していました。他には広研と、慶應で一番のヤリサー(セックス目的のサークル)と言われたシルバーキャノンボールにも入った。だけど、シルキャンはすぐに辞めました。その時は『モラルのないことをやりそうだから』と話していたんですが……。Sはみんなに注目されようと、授業中に突然奇声をあげたりして、精神年齢が幼いところがありましたね」(Sの同級生) 
別の同級生はこう語る。
「Sが広研で、日吉の代表になったのは、とにかく酒に強いから。将来は『電通とか、広告代理店に就職できたらいいな』と言っていました。一方でSは意外にも童貞で、嘘っぽい女性関係の武勇伝を話しては周囲に『ウソつけ』とツッこまれる『いじられキャラ』ですね。今回の件では、『オレは撮影していただけで、犯したわけではない』と言い訳しています
事件後は大学にも姿を見せないというSの携帯に電話をかけると「どちら様ですか?」と応じたが、「週刊文春ですが……」と名乗った途端に切れてしまった。それきり、何度かけても、電話が繋がることはなかった。 
『実行犯』の一人であるXは、記者の直撃取材に最初は偽名を騙ってシラを切ろうとしたが、「謝罪の気持ちは本当に……。時が来たら連絡します。」と話し、「これから友達と会うんで」と言って逃げるように立ち去った。 
もう一人の『実行犯』Yは、横浜市内で実家暮らし。「兄は慶応大学の医学部で、姉もいます。父親は普通のサラリーマンで、お嬢さんを駅まで送り迎えするほど可愛がっているのに……」(近隣住民) 
(中略) 
主犯格のSの親はどうか。実家で暮らすSの家を訪ねると、母親がピンクのパジャマ姿で現れた。次のやり取りは韓国語で行われた。
――「週刊文春」ですが。 
「それについてはまだお話しすることができません」
――Sさんが何をしたか聞いていますか?
「話は聞いているのですが、お話しすることはできないです。ごめんなさい。私たちの心情も理解してください、心情を」
そう言いながら、自分の胸をトントン叩くジェスチャーを繰り返した。
韓国では「私たちもやりきれない、つらい」ということを意味する仕草だというが、何よりつらい思いをしているA子さんへの謝罪の言葉はやはりなかった。 
性犯罪に詳しい望月晶子弁護士はこう解説する。
「性犯罪を撮影し、加勢し、レイプを共謀したのであれば、共同『正犯』の罪に問われる可能性があります。また未成年の学生は、更生を目的として家庭裁判所で裁かれ、少年院に行く場合もあります。最近は口止めのために写真や動画を撮られたとの相談が増えています。暴行の現場にいなくても、撮影対象者を特定できるような方法で、不特定多数に写真や動画を提供した場合は、三年以下の懲役、または50万円以下の罰金になることもあります」(以下略)
現在では削除された本人のツイッターでのプロフィール用写真


송 そん 宋
@songchiyoun
慶應 商 1年
2015年3月27日に登録


さて、この事件一ヶ月以上もたってから、上記のような展開になっています。なぜこのようなタイムラグが生じるのでしょうか。

蓮舫民進党代表の二重国籍事件もタイムラグが有りました。TVのニュースや情報番組でやまともな解説が聴けるようになったのは、現実よりも1カ月半以上遅れていました。ネットの情報空間で6週間前に話題になっていた事がやっと地上波の電波に乗るのは異様です。

私たちのネット空間での現実が、テレビな新聞ではまるで太陽系外の惑星の出来事のようです。アメリカの大統領選挙ですら、かなりの偏向があるにしても、リアルタイムに近いくらいの速さで入ってくるというのに、時差があまりにもあり過ぎます。

これは日本のメディアに顕著な特徴といえます。特定アジアが絡むと物凄い圧力が掛かります。蓮舫氏に関しては、台湾との二重国籍が問題となっているのですが、台湾にも中国が大きく関与しています。慶應の広研暴行事件の報道もあるときからブッツリと止まってしまい、青森の自殺した中2の子に報道がシフトしました。

蓮舫氏の二重国籍問題がまともに報道されるようになったのは今月に入ってからだった

そうして、先に掲載したように広研が別動隊に乗っ取られた事は、日本の代理店(電通等)の現状を反映したとも言えそうです。上の週刊文春の記事でも、主犯格のSは、将来は『電通とか、広告代理店に就職できたらいいな』とあります。

広研の別働隊の現状は、電通などへの登竜門になったか、これからそうなりかけていたことも示唆しているように思えます。無論今回の事件で、この目論見は消え去る可能性が大です。

日本で中国や韓国のイメージを損ねる情報・報道が、民放TV・ラジオから発信されないという構造があります。というより、民法TVなどには、反日バイアスが掛かっているようです。例えば最近の電通のTBS担当営業は6人中4人が在日か生粋の韓国人だそうです。

電通ビル
電通の元社長の成田豊氏(2011.11.20死去)は、日本広告業協会会長などを務めた人物ですが、日本統治下の朝鮮半島で生まれ、昭和28年に電通入社。新聞雑誌局長、営業局長などを経て、平成5年に社長に就任しました。13年の東証1部への株式上場や14年の東京・汐留への本社移転などで手腕を発揮したほか、同年の会長就任後も、電通の海外との連携を指揮。その後最高顧問となった韓国生まれの韓国人(血筋そのものははっきりしないですが、心情的にはどうみても韓国人)です。電通は韓国企業と言っても差し支えなく、実質は支配されていると言って良いでしょう。

そして広告業界を束ねる「電通」にマスコミは逆らう事は出来ないのです。 実はNHKも間接的に「電通」に支配されています、NHKの番組制作の委託を受けている「NHKエンタープライズ」は「総合ビジョン」に番組制作を丸投げしているのです。「総合ビジョン」の株主は電通とNHKです。 国民より強制徴収されるNHK受信料は「電通」の利益となって、利益の一部がNHK役員の懐に収まるという構図です。

以上のようなことを考えると、今回の慶大集団レイプ事件は、単なるレイプ事件ではなく、日本のマスコミの体質を体現するような出来事であったともいえるかもしれません。

そうして、事件の重大性にかんがみ、この集団レイプ事件は今後司直の手に委ねられるべきものと思います。そうして、容疑者には厳しい処断がなされるのはもとより、背景になった日本のマスコミのありかたも、暴露していただきたいものです。

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2016年10月19日水曜日

【日本の解き方】輸出も輸入も不振の中国経済 GDPが伸びるのは無理がある 習体制は持ちこたえられるか―【私の論評】長期の調整期に突入した中国でいずれ大規模な政変が(゚д゚)!

【日本の解き方】輸出も輸入も不振の中国経済 GDPが伸びるのは無理がある 習体制は持ちこたえられるか

中国の2016年9月の輸出入 輸出は6ヶ月連続で前年割れ、輸入も再度、前年割れに
中国の9月の貿易統計は、輸出が前年同月比10%減と、6カ月連続で前年割れし、輸入も同1・9%減と2カ月ぶりに前年割れとなった。これらの数字は、中国経済が内需、外需ともに不振であることを示している。

 共産党の一党独裁で社会主義国の中国では、統計はあてにならないと筆者はかねてより主張している。国営企業が経済の中心である社会主義国では、経済統計が産業を所管する役人の成績に関わるので、改竄(かいざん)がしばしば行われる。

 だが、貿易統計はその中でも信頼できる統計である。というのは、貿易は相手国があり、中国で貿易統計を改竄すると、相手国の統計からばれる確率が高まるからだ。

 輸出減の中身をみると、地域別では欧州や東南アジア向けが中心である、品目では衣料品や半導体、自動車部品などだ。輸出減の原因は、世界経済の低迷によって中国製品の需要が落ち込んだことであるが、従来型の輸出では競争力が弱まっているという見方もできる。

 ここで2008年のリーマン・ショック以降の人民元のレートを見よう。人民元は管理されており、基本的にはドルにペッグ(連動)している。リーマン・ショック以降2年間はほぼ完全にドルペッグしたが、その後3年間はやや人民元高に誘導、その後3年間逆に人民元安に誘導し、現在はほぼリーマン・ショック時と同じ水準に戻っている。

 円に対しては、リーマン・ショック後の円独歩高の結果、大幅な人民元安となったが、アベノミクスの金融緩和で円安になったため今度は人民元高になった。ここ1年では再び人民元安となって、ドルと同じようにリーマン・ショック時の水準に戻っている。

 対ユーロでは、ユーロ安なので、結果として人民元高傾向である。リーマン・ショック時と比べて、人民元はユーロに対し25%高くなっている。このため、中国のユーロ向け輸出は、欧州経済の低迷もあって減少した。

 輸入は、基本的には可処分所得の動向で決まるので、その動向は国内総生産(GDP)の動きと連動している。輸入が対前年同月比でマイナスというのは、中国のGDPが伸び悩んでいることをまさに示している。

 輸出が外需、輸入が内需の動きを示すので、輸出、輸入ともに減少しているのに、GDPが伸びているというのは、どこかに無理がある説明だ。

 外需が芳しくない要因は、短期的には改善しない。また内需も中国国内の過剰生産が解消されない限り解消しないだろう。こうした意味で、中国貿易は当分の間、低迷するだろう。

 中国の統計で貿易統計だけが信頼できるものである以上、貿易の低迷はまさに中国経済そのものの低迷を意味していると筆者は見ている。

 中国経済不振の中で、習近平体制がどこまで持ちこたえ得るか、不満のはけ口として日本たたきに走る恐れもあり、注意深く見守る必要がある。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】長期の調整期に突入した中国でいずれ大規模な政変が(゚д゚)!

上の記事で、高橋洋一氏が指摘するように、比較的信用に足る、貿易統計からみても中国の経済はかなり危険な状況にあるのは間違いないようです。

他のソースからも、中国経済の危険な兆候を読み取ることができます。

国際決済銀行(BIS)
国際決済銀行(BIS)は9月18日、GDP(国内総生産)の2.5倍に膨れあがった中国の債務総額が、「今後3年間で深刻な問題を引き起こす兆候である」との警告を発しいますた。

7月にもIMFが同様の警鐘を鳴らし、中国政府に企業債務に対処するよう要請しているものの、中国経済の崩壊への懸念はますます高まるばかりです。

中国社会科学院は歯止めがきかなくなった中国の負債総額が、2015年末にGDPの249%に値する25兆6000億ドル(約2602兆2400億円)に達したと発表しました。

BISの統計からも、発行債券額が2015年第4四半期から2016年第1四半期のわずか半年間で7兆8929億ドル(約802兆3132億円)と、1475億ドル(約14兆9933億円)増えていることが判明しています。

またゴールドマン・サックスを含む欧米の金融機関も、シャドーバンキング(正規の融資システムを通さない影の融資)の実態などを根拠に、実際の数字がさらに巨大化している可能性を指摘しています。

最近では中国人民銀行による景気刺激策が、結果的には企業負債と個人負債を押しあげるきっかけとなったという見方が強いのですが、その根本には他国の経済危機の影響を最小限にとどめる意図で、中国政府が与信を拡大しすぎたという背景があるようです。

総与信とGDPの差を算出した場合、一般的な経済危機レベルが10%であるのに対し、中国が30.1%に達している点にBISは強い懸念を示しているのです。

米国では総与信対GDP比率の差が10%を突破した後、サブプライム住宅ローン危機が訪れました。

サブプライム住宅ローン危機が起こり、住宅ローンが
払えなくなった住民の強制差し押さえを執行中の武装警官。
しかし中国自体は、周囲の懸念もまったく他人ごとといった様子という印象を受けます。

今年8月の銀行による融資は7月の2倍。その多くが住宅ローンの借り入れだったといいます。中国の銀行は2008年の金融危機以来最高の気前のよさで住宅ローンの申請に応じており、不良債権問題の影は微塵も感じられません。

またUBSも今年上旬、中国経済の行く末に関して、国内貯蓄率の高さや資本市場の成長の可能性を理由に、比較的楽観的な見解を示すレポートを発表しています。

ただし中国はあくまで「短期負債で長期負債資金を回転させている」との指摘もあり、経済市場自体が景気刺激策に依存しきっているリスクは打ち消せません。

銀行による不良債権比率が政府の発表している2%をはるかに上回っていた場合、中国には銀行システムの資本再編が必須と予想されているのですが、中国政府がどこまで現実を受けいれすみやかに対処するかにすべてがかかっています。

「借金で国を豊かにする」という発想はけっして中国にかぎったことではありません。経済成長が鈍化し、借金とともに国民の資産が増えるという悪循環は、多くの先進国が経験しています。

中国の統計は出鱈目なので、結局ところこのような当て推量をするしかないのですが、やはり高橋洋一氏がブログ冒頭の記事で指摘しているように、輸出入は相手があることから、あまりごまかしもしにくいし、たとえ中国が貿易統計をごまかしたにしても、中国の輸出入の相手国の統計から、現実にかなり近い数字を類推できます。

その輸出入からの数字でみても、特に輸入が著しく減っているということは、常識的に家は、中国はすでにデフレに陥っている可能性が高いということです。

この状態だと、雇用状況も悪くなっている可能性があります。中国では、ずい分前から大学の新卒の就職率などかなり落ちていましたから、若者の就職率の悪さだけでは特に悪くなったかどうかは推定することはできません。しかし、最近このブログでも掲載したように、退役軍人が中国国防省の前でデモをしたという珍事が発生しています。おそらく、退役軍人の雇用状況は最悪なのでしょう。

さらに、1-6月期の中国の投資において、民間投資はわずかに対前年同期比2・8%の増加に過ぎませんでした。代わりに、国有企業が対前年同期比23・5%と、投資全体を下支えしています。

要するに、現在の中国は民間が投資意欲を喪失し、政府の公共投資を国有企業が受注することで、何とかGDPが維持されている状況になっているのです。

投資ではなく、消費を見ても、やはり「政府」の影響力が強まっています。1-6月期の中国の個人消費は対前年同期比10・3%と、GDP成長に貢献しました。しかし、消費の主役が何かといえば、自動車購入でした。

長期の調整期に入った中国経済

実は、中国共産党政府は景気の急激な失速を受け、自動車販売を下支えすべく、小型車やエコカー向けの減税や補助金といった政策を打ったのです。結果的に、自動車販売が増え、消費総額が拡大したわけなのですが、投資同様に「政府の政策主導」になってしまっているのです。

このような状況のなかで、今回の貿易統計の結果です。これだけ輸入が激減したということはは、もう完璧にデフレに入ったとみなすべきでしょう。

デフレに入ったのであれば、金融緩和をすれば良いということになりそうですが、そのような常識的な判断は中国には当てはまらないです。中国経済のより本質的な問題は、設備投資が盛り上がらないことではなく、逆に設備が過剰であることにあるからです。

中国の場合、他国にない優れた技術力を保有しているという訳でもない訳ですし、それに賃金も上がり続けているので、安い労働力を武器とした輸出に頼るのも限界です。

ということで、中国の経済は調整期に突入したと言えるのです。そして、その調整のためには相当の時間を要すると考えるべきでしょう。

このような長期の調整期に入るのは、中国としては初めての経験です。そのため、習近平政権に対する風当たりもかつてないほど強くなります。おそらく、習近平体制は近いうちに崩れることでしょう。

しかし、ポスト習近平の後の体制も経済をすぐには好転させることはできないでしょう。しばらく、政権交代が比較的短期におこる可能性があります。そうして、それが繰り返されることになる可能性があります。かつての中国なら考えられないことですが、今後の中国では多いにあり得ることです。そうなると、中国共産党の統治の正当性は地に堕ちることになり、いずれ大規模な政変に結びついていく可能性が大きくなりそうです。

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2016年10月18日火曜日

「リフレ派敗北」という人の無知と無理解と統計オンチ デフレに逆戻りさせるのか―【私の論評】俗説、珍説を語る輩はエビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)を出せ(゚д゚)!

「リフレ派敗北」という人の無知と無理解と統計オンチ デフレに逆戻りさせるのか

日銀が金融政策の検証を行ったことを受けて、金融緩和によるデフレ脱却を主張する「リフレ派」の「敗北」や「失敗」を強調する報道が見受けられる。「異端の理論を実験したが、失敗して路線変更を余儀なくされた」といった論調もある。

だが、「異端」というのは日本のマスコミや学会だけの話である。世界の中央銀行はリフレ的な考え方で運営されている。

こうした批判者は、日銀が「金利」重視に変更したことで、これまでお金の「量」が重要だと主張してきたリフレ派が敗北したと言いたいのだろう。

たしかに、名目金利にこだわる従来の金融政策を批判するために、実質金利に注目すべきことや、量的緩和が重要であることを筆者は主張してきた。

だが、金融理論では、実質金利を決めれば量が決まり、逆に量が決まれば実質金利が決まるという「1対1対応」の関係にある。この意味で、量か金利かというのは、さほど本質的なことではない。

この等式が頭に入っていないお粗末な経済記者や経済学者が多い
図表・写真はブログ管理人挿入以下同じ
「名目金利をゼロ以下に下げにくいのだから、もう金融政策は無効だ」という従来の金融政策に対して、「予想インフレ率を高めれば実質金利(名目金利から予想インフレ率を差し引いたもの)を大きくマイナスにすることもできる」と主張してきたのがリフレ派である。そのための手段の一つが量であるが、決して量だけを強調してきたわけではない。

筆者は、日銀の2013年以降の金融政策を評価している。なにより就業者数が増加し、失業率は低下するなど雇用環境が良くなった。これはマクロ経済政策としてクリアすべき必須条件だ。

こう言うと、冒頭の批判者は「人口、とりわけ生産年齢人口が減っているからだ」と反論する。しかし、人口減少は05年から、生産年齢人口減少は1995年から始まっており、アベノミクスの金融緩和による結果とは無関係だ。「リフレ派の敗北」といった記事を書く人は統計数字をまったく読めない人たちだというほかない。

ただし、筆者は9月に日銀が決めた政策には不満がある。金融緩和か引き締めかでみれば、現状維持で、何もしていないのと同じだからだ。

筆者の計算では、失業率は現在の3・1%から2・7%程度まで下げることが可能だ。しかも、現状のインフレ率はゼロ近辺で、目標の2%まで達していないため、失業率を下げてインフレ率を高める金融緩和を実施するのは当然だ。

今回それを日銀はやらなかったので、筆者の評価は、やるべき時にやらなかったという意味で「日銀はサボった」となる。

野球の試合にたとえれば、日銀は5対0でリード、追加点2点を取ればコールドゲームというチャンスなのに、絶好球を打ち損じた-というところだ。

リフレの批判者は、ほぼ例外なく実質金利を理解できていない。冒頭のような批判者も、金融政策は無効であり、他の政策を行うべきだと主張する。しかし、これまで雇用増加に寄与し、さらなる増加も見込まれるのに、もう金融政策をやるなというのは、デフレに逆戻りせよというのと同じだ。失われた20年間の教訓がまったくない、デフレの犯人ともいえる。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】俗説、珍説を語る輩はエビデンス(証拠・根拠、証言、形跡)を出せ(゚д゚)!

高橋洋一氏の上の記事では、「日銀はサボった」との記述もありますが、過去においてはまともに実行していた時期もあります。そうして、あまりにも当然のことなので、わざわざ触れていませんが、量的金融緩和政策をまともにやっていたときでも、8%増税などという馬鹿げた政策をやってしまったので、せっかくの量的金融緩和の腰を折ったというのも事実です。

もし、消費税増税をしていなければ、量的金融緩和の政策の効果が至るところに現れていて、「リフレ派」の「敗北」や「失敗」などという論調など全く影を潜めていたことでしょう。

さらに、量的金融緩和政策には、量的金融緩和政策には、一定期間のラグがあるということも理解すべきです。それに関しては、以下の表をご覧いただければご理解いただけるものと思います。

岩田規久男「デフレをとめよ」(日本経済新聞社)第6章 IS-LM2分析で記述

量的金融緩和政策を実行したからといって、その効果がGDPの上昇、失業率の上昇、インフレ率の上昇という形になってあらわれるのは、約2年かかるということです。これは、何も後付で解説しているのではなく、最初からわかっていたことです。

日銀の量的金融緩和政策は、2013年4月から実施されてます。もし、増税せずにそのまま金融緩和を続けていれば、2015年にはGDPも上昇していたことでしょう。

ただし、GDPは上昇してはいないものの、過去に量的金融緩和を実施し続けてきたことにより、失業率はかなり下がり、新卒の就職率もここ数十年ほどなかったほどの高水準です。実質賃金も上昇基調にあります。

特に新卒雇用に関しては、2013/03/09にはYouTubeで以下の様な動画が掲載されていたことを考えると、隔世の感があります。



この動画は、『「就活狂想曲」animation "Recruit Rhapsody"』というタイトルで、「ごく普通の大学生として何となく過ごしてきた主人公。ところが近頃友人たちの様子がおかしい。聞けば、彼らは噂の"就活"に躍起になっているらしい。それが一体どのようなものなのか見極められぬまま、主人公もまた「ニッポン式就活」の渦中へと引きずり込まれて行く」というストーリーです。

わずか3年ほど前には、このような悲惨で異様な就活が一般的だったのが現在のような状況になったのですから、現状までの量的金融緩和が失敗だったなどというのは全くの間違いです。

高校や大学の就職担当の先生方は、この違いを一番良く理解しているでしょう。それに、多くの若者達もこれをよく実感または、体感していることでしょう。そのためでしょうか、多くの若者はアベノミクスの継続を希望しています。

しかし、2014年4月から8%の消費税増税を実行してしまったため、その悪影響でGDPはいまだにはっきりとした上昇基調にはありません。

会社経営でも、一旦業績をかなり落とした企業が、回復して成長軌道にのるためには、何か対策を打ってそれが効き目があったにしても、数年かかります。量的金融緩和政策も同じことで、緩和したからといって、半年、1年で目に見えてすぐに効果でるというわけではありません。

それに、一旦業績を落とした企業が何か対策を打ったにせよ、まだ会社の業績が回復しきっていない状況にあるにもかかわらず、大規模な設備投資や賃上げを行ってしまえば、ふたたび会社の業績を落とすのは目に見えています。

このたとえが、良いものであるかはどうかはわかりませんが、量的金融緩和政策を実行中似、減税ではなく増税を実行してしまうというのは、企業経営でいえば回復途上にある会社が大規模な設備投資や賃上げを行ったのと、同様で、GDPがいまいち伸びないのは当然すぎるほど当然です。

量的金融緩和政策はまさに、失敗したのでも何でもなく、増税さえしなければ今頃十分に成果をあげていたはずなのが、増税をしてしまったために、その途上にあるということです。

その根拠として、ブログ冒頭の記事で高橋洋一氏は「失業率は現在の3・1%から2・7%程度まで下げることが可能だ。しかも、現状のインフレ率はゼロ近辺で、目標の2%まで達していないため、失業率を下げてインフレ率を高める金融緩和を実施するのは当然だ」としています。

特に、失業率に関してはまさに、高橋洋一氏の言うとおりです。それに関して以下に若干の説明を加えます。

総務省では、失業を発生原因によって、「需要不足失業」、「構造的失業」、「摩擦的失業」の3つに分類しています。
需要不足失業―景気後退期に労働需要(雇用の受け皿)が減少することにより生じる失業
構造的失業―企業が求める人材と求職者の持っている特性(職業能力や年齢)などが異なることにより生じる失業
摩擦的失業―企業と求職者の互いの情報が不完全であるため、両者が相手を探すのに時間がかかることによる失業(一時的に発生する失業)
この3つの失業のうち、需要不足失業は金融緩和などの政策によって、解消しうる失業です。構造的失業と、摩擦的失業は金融緩和などの政策によっては解消できない失業です。このうち、摩擦的失業は最近ではインターネットなどが発達したため、情報共有が進みあまりみられらなくなりました。現在では、あまり考慮しなくても良いといえるものです。

量的緩和政策により失業率が下がり需要不足失業が全くなくなったとしても、構造的失業は依然として残るわけです。この構造的失業率を高橋洋一氏は2.7%であると見ているわけです。

以下に、過去の完全失業率のグラフを見ておきます。過去の失業率でも、97年以降からは日本は完璧にデフレに突入しましたし、その数年前からデフレ気味でした。ですから、このあたりの失業率はあまり参考になりません。


それ以外の期間の失業率をみると、87年を例外として、ほとんどが2.0%と3%の間に収まっています。この前の年の1986年には、日本経済は円高不況に陥っていました。失業率の悪化はその影響であると思われます。

このように過去の傾向からみても、日本の失業率の下限(≒構造的失業率)は、やはり3%未満、おそらく2.7%であるとみるべきでしょう。これは、かつてデフレでなかった頃の、日本では失業率が3%を超えるとそろそろ赤信号と言われていたことと、符号します。

そうなると、失業率が2.7%になるまでは、量的金融緩和政策を続けるべきという結論に落ち着くのは当然のことです。

さらに、2%の物価目標も達成されていないわけですが、やはり量的金融緩和は絶対に必要であるという結論になります。

「リフレ派」の「敗北」や「失敗」等と主張する方々には、そのような主張をする前に、誰もが納得するエビデンスを出せといいたいです。

エビデンスがないのなら、日本を再びデフレ(証拠・根拠、証言、形跡)に戻すような主張をするのは厳に慎むべきです。

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2016年10月17日月曜日

「日系企業が中国大脱出?」過去最大規模の財界訪中団の要望書に中国ネットが大騒ぎ―【私の論評】1m80Kgのレールから見る中国幻想の終焉(゚д゚)!


中国国家発展改革委との会合であいさつする日中経済協会の
宗岡正二団長(左)。右は経団連の榊原定征会長=21日、北京

 9月下旬、日本の主要企業トップが訪中して政府要人と会談した。その際に日本側が中国市場から「撤退」する際の環境整備を求めたことが波紋を呼んだ。中国のネット上では「出たいなら出ていけばいい」といったいつもの強気の反応が盛んで、ネットメディアも「中国市場を失った日本企業が、どうやって欧米企業などと競争できるのか?」などと日本側の「不見識」をとがめるような意見が目立った。その一方で「本当に日本企業が大規模に撤退したら、中国企業は必ず損害を受ける」といった不安な“本音”も見受けられた。

 日中経済協会を中心とした財界人は9月20日から27日に中国を訪れた。宗岡正二会長(新日鉄住金会長)を団長とし、経団連の榊原定征会長、日本商工会議所の三村明夫会頭らが加わった。3団体がそろって中国を訪問するのは昨年に続いて2回目で、過去最大規模となる計230人の参加となった。日本代表する大企業のトップらが参加し、さながら“オール財界”のメンバーが顔をそろえた。

 21日には北京の人民大会堂で中国共産党序列7位の張高麗副首相とも会談。滞在中の22日には、上海市に本社を置く国有鉄鋼大手の宝鋼集団と湖北省の武漢鋼鉄集団が経営統合すると発表する局面にも遭遇することとなった。

中国国家発展改革委の幹部(右)と握手する日中経済協会の宗岡正二団長。右から
2人目は経団連の榊原定征会長、左端は日本商工会議所の三村明夫会頭=21日、北京
 一連の日程で中国側の関心を集めたのが、22日に中国商務省の高燕商務次官と会談した際に提示した投資環境の改善項目をまとめた要望書だ。その中で、中国市場から迅速に撤退できる環境がなくては新たな投資が進まないと強調し、中国側に改善を求めた。
 撤退の環境整備に関する要請について中国の官製メディアでは話題にならなかったが、ネット上ではすぐに騒ぎとなった。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)では「日本企業が手厚い扱いを受ける時代は終わっている」といった否定的な反応が大勢を占めた。また、この要請について報じた日本人記者の個人名を挙げて「この記者は経済を分かっていない」などとからかうような記述も見られた。

 中国系香港メディア、フェニックステレビのホームページは「日本企業の中国大脱出?」という文章を掲載し、財界訪中団の要請がなされた背景について分析した。

 文中では、近年の日本企業の撤退はそれぞれの企業の「経営上の原因だ」と説明し、統一的な動きではないことを強調した。その上で「もし誰が誰に頼っているか論じる必要があるならば、現在は日本企業が中国市場に頼っている時代だ。その逆ではない」と述べ、中国市場撤退による被害は日本側が受けることを示唆した。また「日本企業は『政冷経冷』という中日関係の被害者だ」との見方も示した。

 一方で、中国市場からの日本企業大量撤退を招くような事態に「不安」を感じる反応も少なくない。

 「ネット上で積極的に転送されたニュースは、やはり人を不安にさせた」

 ある中国の経済系ウェブサイトは、今回の騒動について不安な思いを率直に吐露した。同サイトは、日本側が積極的に進めてきた対中投資について説明し、「日本の中国経済への影響は、その他の国を上回っている」と指摘。日本企業撤退が現実のものとなった際の被害を懸念し、「何が何でも中国の官製メディアはこの事実をできるだけ早く真実のままに報じ、中国側は誠意を持って日本企業の引き留めに当たるべきだ」と訴えた。

 「政冷経冷」の時代に入ったと指摘される日中関係。日本貿易振興機構(ジェトロ)がまとめた平成27年度の進出企業実態調査によると、今後1~2年のうちに中国事業を「縮小」または「移転・撤退」すると答えた企業は全体の10・5%で、前年度調査に比べ3ポイント増えたという。今回の騒動は中国側にも、日中関係がそのような時代に入っていることを深く認識させる一つのきっかけになったかもしれない。

【私の論評】1m80Kgのレールから見る中国幻想の終焉(゚д゚)!

上の記事には、掲載されていませんが、日本側からは、中国の鉄鋼の過剰生産問題に関し早期解消を求める声が相次いでいました。

日中経協の宗岡正二団長(新日鉄住金会長)は冒頭あいさつで中国からの鋼材の安値輸出により「世界の鉄鋼業が深刻な打撃を受けている」との認識を示し「過剰生産などの改革を着実に進めていただきたい」と訴えた。経団連の榊原定征会長も「痛みの伴う改革の着実な実行を期待したい」と構造改革の推進に期待を示しました。

中国側は「供給サイドの改革は進展しつつある。構造的な改革を進め両国関係を強化したい」との考えを示していました。

中国の鉄鋼業界が構造調整をしないため、日本の鉄鋼業界はもとより、世界の鉄鋼業界が依然、その余波を受け続けています。中国国営の鉄鋼大手同士による統合計画が発表され、足元では再び市況が改善し始めたとはいうものの、生産や輸出は高水準のままです。

欧米諸国がその削減を中国政府に強く求めるものの、その歩みは欧米の不満を解消するまでには至らず、日本はその対立の巻き添えになりかねない立場にも置かれているのです。


日本の鉄鋼大手は自動車など製造業向けに中国現地の合弁企業から鋼材を供給。そこに向け、高級鋼に使う熱延コイルや冷延鋼板、線材などの半製品を大量に輸出しています。

こうした中、欧米諸国と中国の対立が激化し、アンチダンピング措置など対抗手段の打ち合いとなれば、日本もそのとばっちりを受けています。実際、米国は6月下旬、中国と日本の冷延鋼板に対するアンチダンピング措置を最終決定。税率は中国製が265・79%と圧倒的に高く、中国をターゲットに据えたのは明らかです。

しかし、日本製も「クロ」と判断され、71・35%と決して低くはないアンチダンピング税が課されることになったのです。

中国政府は今後5年で最大1億5000万トンの能力削減を決めているのですが、6月下旬には国家発展改革委員会が16年の削減量を4500万トンと明示。焦点の雇用問題でも18万人を配置転換させるとしており、同委員会の徐紹史主任は「目標達成を強く確信している」と断言しました。

しかし、同時にネガティブな指標も明らかになりました。まず、6月の1日当たり粗鋼生産量が過去最高を更新。政府支出による大型公共工事の拡大で鋼材需要が膨らんだ上、6月に市況が下げ止まり、「この水準なら、利益が出ると判断した製鉄所が稼働率を高めたのではないか」(中国国内の鉄鋼関係者)と見ています。


鉄鋼というと、中国も相当進んでいるように思われるかたもいらしゃる方々も多いと思います。しかし、そうではありません。中国というか、日本以外の国々は日本に遠く及ばないところがあります。

その実例を以下に掲載します。それは、鉄道のレールをみれば一目瞭然です。ただし、渡したは、常日頃、電車には乗りますが、その電車のレールにはあまり関心がないものです。
しかし、この鉄道レールは昔から日本の独壇場の様相を呈しているのです。その鉄道レールは過去においては、1メートル当たりの重量が60キログラムが主流でした。この頃から、日本のレールは品質が良いということで、人気があったのですが、実はこれからは、80キログラムレールが主流となるというのです。

なぜそのようなことになっているかといえば、より重いレールの方が、より重い列車を走らすことが出来るからです。ところが、この80キログラムレールを製造できるのは世界で日本のメーカーしかないのです。

そのメーカーは、日本国内でも新日鉄住金の君津製鉄所とJEEスチールの東日本製鉄所の2か所しかありません。

新日鉄住金の君津製鉄所
現在たとえば、アメリカは大陸横断鉄道のコンテナ列車の重量が大きくなってきて、レールの強度が問題となっています。現在の60キログラムのレールでは無理が生じてきたのです。これに対応するには80キログラムレールに置き換えるしか方法がありません。

ところが、アメリカでは80キログラムのレールを作る製鉄所はないのです。アメリカでは今、三本の大陸横断鉄道(約3万8000キロ)があるのですが、徐々に、この80キログラムレールに入れ替えています。一昨年オバマ大統領が日本に来た時に、安倍総理に「日本の鉄道技術をお願いしたい」と要請したのですが、中身は80キログラムのレールのことなのです。

この80キログラムになれば、大量の貨物を一気に運ぶことが出来るわけで、アメリカの物流革命の担い手としての期待が大きいのです。

ご存知のように、日本で鉄道の脱線事故が少ないのはこの80キログラムレールが採用されているからなのです。東海道新幹線も80キログラムレールにどんどんと、置き換わっているのです。

函館港から陸揚げされた北海道新幹線のレール
このレールを使用すると、超高速で走る車両の揺れも大幅に減らすうえに、レールの摩耗を防ぐことができます。このレールを製造するには、圧延機の能力が強力で、一本30メートルもありますが、これを均一に800度で加熱します。これには大変な技術と設備が必要なのです。

ご存知のように、鉄道というのは、昔から経済効率が非常に高いのです。しかも公害の発生も低いというメリットもあります。これからの世界は鉄道が建設ブームになりますが、当然これに合わせて、80キログラムレールの需要は世界的に高まります

さらに、鉄道車両の車輪も日本は世界に誇れる技術があります。それは、車輪と車軸は外れると脱線しますが、新日鉄住金は、なんと、車輪と車軸を一体で鍛造することができるのです。そうすれば、車輪と車軸が外れる心配はなくなります。こう言った凄い技術を持っているのは、世界中で、新日鉄住金だけなのです。

さて、話が少し文字通り脱線しましたが、なぜこのようなことを述べたかというと、鉄の製造にも当然のことながら、日本では高度の技術が駆使されていることを示したかったからです。

そうして、先ほどの80キログラムレールなど、日本国内の製造工場で製造されているのです。そうして、中国の鉄鋼メーカーはどうかというと、別に中国でなくても、どの国でもできるような鉄鋼を製造しているに過ぎません。

中国の鉄道だって、こ日本の80kgレールがなければ、成り立たないというわけです。このような圧倒的な技術力の差異は中国としてもいかんともしがたいでしょう。

もう、ブログ冒頭の記事をみてもおわかりでしょう。ここでは、鉄道を例にとって話をしましたが、他のことでも似たようなものです。

そもそも、製造業などかなり自動化されたので、実はかなり前から、製造業に占める賃金の割合は数%に過ぎなくなりました。

今の中国は、従来から比較すると、低賃金ではなくなりました。そうなれば、わざわざ中国で製造する意味もありません。現在では、従来のように、日本銀行が金融引き締めばかりしていて、極端な円高で日本国内で製造するよりも、中国で製造して日本に輸入したほうが、コストが安くなるということもありません。

そうなれば、わざわざ中国に生産拠点など置いておく必要もありません。中国の消費がさらにかなり高まり、現地で製造したほうが、コストがはるかに安くなるということにでもなれば、中国国内で製造する意味もありますが、現在はそのようなことはありません。

それは、日本に限らず、他の国の製造業なども同じです。小売業だってそうです。中国のGDPに占める個人消費の割合は35%程度に過ぎません。最近は、これが少し上がったという話もありまずが、これは全く良いことではなく、他のGDPが下がったので個人消費が上がったように見えるだけです。

そもそも、中国での小売業も最初から大変です、日本のように人口が密集しているわけではなく、広い地域に人口が拡散しています。

それに、最近では経済も落ち込み、余程の大構造改革でも行わない限り、経済が良くなる見込みも全くないです。このままだと、中国は中所得国の罠に嵌り込み、そこから浮上する見込みはありません。

もともと、中国は中所得国あるいはそれ以下の国々の集合体のようなものです。一つ一つの省を一つの国と見たほうが理解しやすいです。

将来の中国は、中所得国の寄り合い所帯のような国になることは必定です。中国の将来は、図体が大きいだけの、アジアの凡庸な独裁国家になりはてるだけです。

やはり、中国に進出している企業の多くは、もう見込みのない中国から撤退したいのです。しかし、それをなかなか自由にさせてこなかったのが中国です。

だからこそ、今回日中経済協会の日本側が中国に対して、日本側が中国市場から「撤退」する際の環境整備を求めたのです。

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