2017年10月12日木曜日

連立政権で経済悪化のワケ 官僚主導で筋悪の政策実行、政治も弱体化する悪循環に―【私の論評】今は政権交代や連立政権を組むような時期ではない(゚д゚)!

連立政権で経済悪化のワケ 官僚主導で筋悪の政策実行、政治も弱体化する悪循環に

衆院選では、早くも選挙後の各党の組み合わせについての論議も出ているが、かつての細川護煕連立政権や、自社さ連立政権にはどのような特徴があったのだろうか。

 細川政権は、元熊本県知事の細川氏が第79代首相に任命され、日本新党、社会党、新生党、公明党、民社党、新党さきがけ、社会民主連合、民主改革連合の非自民・非共産の連立政権で、在職期間は1993年8月9日から94年4月28日までの263日だった。

細川政権
その後、細川連立政権を支えた党派が、羽田孜氏を第80代首相に任命し、羽田政権が誕生した。しかし、各党派が離脱し、94年4月28日から6月30日までの在職日数64日の短命政権だった。

羽田政権
引き続いて誕生した自社さ政権は、村山富市政権と橋本龍太郎政権からなり、94年6月30日から98年5月30日までの自民、社会、さきがけによる連立政権である。

 村山氏は第81代首相に任命され、94年6月30日から96年1月11日までの在職日数は561日だった。

村山富市政権
橋本氏は村山内閣の通産相を経て第82代首相に任命され、96年1月11日から98年7月30日までの在職日数932日の政権だ。第二次改造内閣の途中、社民党と新党さきがけは98年5月30日に連立与党を離脱した。

第二次橋本政権
これらの連立時代から、日本経済は失われた20年に落ち込んだ。政権がしっかりしていないと、官僚の間違った経済政策を改めることができない。典型的な例が、バブル崩壊以降の日銀による過度な金融引き締めや、97年4月からの消費増税だった。

前者については、政治の混乱の中、バブル期のマクロ経済パフォーマンスは悪くなかったのに、金融緩和が問題だと日銀官僚が勘違いし、バブル崩壊以降に過度な金融引き締めを継続した。これがデフレによる失われた20年の主たる原因になった。

 98年4月から改正日銀法が施行されたが、政争の具となったこともあり、中央銀行の独立性について「手段」と「目的」を峻別できなかった。世界の流れについて行けないまま、その後のインフレ目標の導入に日本は遅れを取ってしまった。

 後者については、自社さ政権での政治パワーが低下している村山政権において、当時の大蔵省主導で97年4月からの消費増税が決められた。デフレ期の消費増税は最悪の経済政策であり、デフレをさらに激化させてしまった。

 なお、2014年4月からの消費増税も、導入決定は民主党政権であり、不慣れな政権運営時という意味では、1997年4月からの消費増税と似ていた。

 連立政権は、政党間で共通する政策が少なく、政治面で推し進めるものが乏しいので、どうしても経済面では官僚主導になりやすい。そして、筋悪の政策が選ばれ、その結果悪い経済パフォーマンスになって、さらに政治が弱体化される悪循環になりがちだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】今は政権交代や連立政権を組むような時期ではない(゚д゚)!

ブログ冒頭では、細川政権あたりから日本の政権は、短命になったことが記されています、この流れは第二次安倍政権になってから、止まったように見えます。以下に歴代政権の在職期間の表を掲載します。


この表をみるとここしばらくは、小泉政権を除きすべてが短命です。そうして、今回の選挙で安倍政権が勝利し自民・公明の連立政権が継続することになれば、第二次安倍政権も外になりそうです。

さて、ブログ冒頭の高橋洋一氏の記事を補足すると、日銀がバブル潰しのために金融引き締め政策を行い、その結果1991年にバブルが崩壊しました。

細川政権が成立する前から日銀は金融引締めを行い、その後も金融引締め政策は続きました。

そうして、このような状態になってからしばくして1997年4月から消費税増税が行われました。消費税増税をしたときの政権は橋本政権ですが、橋本氏は総理大臣を辞任するときに、「消費税導入は失敗だった」として国民に詫ています。

そうして、日本経済は未だデフレから完璧に脱出しきっていないにもかかわらず、2014年4月から増税をしています。

一方、金融緩和は、2013年4月から実施し現在に至っています。

そうして、その結果経済はどうなったのか、以下に振り返っておきます。

まずは株価ですが、昨日11日の東京株式市場で、日経平均株価(225種)の終値は、前日比57円76銭高の2万881円27銭となり、1996年12月以来、約21年ぶりの高値水準をつけました。


約21年ぶりの高値となった日経平均株価の終値を示すボード(11日、東京都中央区で)

以下に高橋洋一氏作成のグラフを掲載します。


さて、リベラル・左翼の金融政策の理解では、株価を上げだけと言うかもしれません。しかし、このグラフをみていると、株価を上げたのは正しいが、株価と雇用に関係があることを忘れているようです。株価と半年先の就業者数は関係あります。もっともこれは見かけ上の相関で、実は金融政策が裏にあって、金融政策は株価にも雇用にも効くのです。株価のみに言及し雇用をいわないのは非常に奇異なことです。


雇用改善。選挙になると必ず雇用改善はアベノミクス(金融政策)ではなく「失業率改善は人口減少だから当然」などという出鱈目を語る識者もいますが、これは完璧な間違いです。

確かに高齢化・団塊世代の引退で働ける人が減るので、失業者の数も減少するし、労働市場の需給バランスが改善するのは、そのとおりです。

しかし、現状の失業率が3%台を下回るまでの失業率低下の主たる要因が、人口・働き手の減少であるというのは、誤解です。まず、15-64歳(現役世代)の人口は、1997年がピークで、それ以降毎年減少し続けています。具体的に言えば1998年以降、同人口は毎年平均で0.7%減少し続けています。

ところが、現役世代の人口が減り続ける中で、1990年代後半から失業率は大きく上昇、2000年代には5%台まで悪化しました。

つまり、現役世代の人口の減少幅より、雇用削減幅が大きかったため、失業率が上昇していたのです。そして、2010年代に失業率は低下に転じたましたが、2000年代までとは逆に、雇用が増え失業が減ったので、失業率が1994年以来の水準まで再び正常化したのです。

以上がやや長い目でみた、現役世代の人数と失業率の関係です。景気の変動による雇用者数の増減が、失業率の動きのかなりの部分を説明しており、人口動態の影響が小さいということです。

一方、現役世代の数は1998年から減り続けていますが、団塊世代の引退などでその減少ペースが2012年から年率1%の減少にまで「ペースアップ」しています。それが、2012年の失業率低下(改善)を後押しした部分は多少あります。ただ、2013年以降、4%を下回る水準まで低下した失業率の主たる要因は、アベノミクスが発動された、2013年からの景気回復で新規雇用が生まれたことに原因があります。

リーマンショックが起きた2008年から、民主党政権最後の年の2012年までの4年間で就業者数は129万人減少しました。

その後アベノミクス発動後の4年間で就業者数は185万人増えています。民主党政権下で減少し続けた就業者数が、アベノミクス発動による景気刺激政策で一転して増えたことは明確であす。一方、2013年以降の4年間で、失業者は80万人減っています。4年間での就業者数から失業者数を引けば分かる通り、2012年まで就職を諦めていた人たちに新たな雇用の場が、約100万人分創出されたのです。

実は、失業率だけをみると、民主党政権下の2011~12年にも失業率は低下しています。そのため、失業率の低下と金融緩和強化は関係ない、などと言う枝野氏のような論者もいます。ただ、2011~12年までの失業率低下と、金融緩和が発動された2013年以降の失業率低下は、その中身が全く異なることは明らかです。

デフレと総需要の不足下において、景気刺激的な金融緩和、財政政策が適切かつ十分行われたとすれば、経済成長率は高まり雇用が増えます。

失業率だけでなく就業者数の推移など関連指標を丹念にみれば、2013年からの労働市場の改善によって、新たな雇用が生まれ、その分家計所得全体が底上げされたことは否定できません。そうして歴史的な長期政権となっている安倍政権の支持率の高さを保っている最大の要因は、満点とはいえないものの、妥当な経済政策運営を続けているからです。

枝野氏は民主党政権時代と安倍政権時代で就業者数で変化があったことを認めず、図が間違っているとテレビで語っていました。私は「失業率改善は人口減少だから当然」ということを数量的に説明した資料は、現在に至るまで見たことはありません。もし証明できるものがあれば、是非見せていただきたいものです。

さて他にも安倍政権による成果はあります。それを以下に掲載します。


これだけ、具体的な成果を数字で出せた政権は、ここ20年では安倍政権だけです。どう考えても現政権は、経済に関してはここ20年では最も成果をあげているし、外交や安全保証でも高い水準で議論をし、実行している政権です。

安倍総理が、消費税10%になったときを前提として、諸費税の配分に言及していたことをもって、安倍総理は諸費税を10%にあげると判断して、安倍政権は消費税をあげると考えている人たちもいるようですが、この問題について判断するのは早計です。

私自身は、以前このブログで述べたように、これは消費税増税分のほとんどが、本当はありもしない国の借金の返済というかたちで、財務省が溜め込むので、それを批判したものと思います。

安倍総理は、今回の選挙では、消費税増税を争点にはしたくないのでしょう。北朝鮮の危機への対応を考えた場合、現在は財務省と対峙するようなことはせず、それは後に回すと判断していると思います。

そんなことより、上記でも述べたように、各党の金融緩和に対する姿勢をみるべきです。

今のところ、実績をあげている安倍総理の金融緩和に対する姿勢が最も良いものと判断されます。

一方、希望の党も、現状の金融政策スタンスを維持することに言及しています。ただ、そこに至るまでに紆余曲折がありました。

当初は、「金融・財政政策への過度の依存から脱する」とされていましたが、これは、素直に読めば、「現行の金融政策を転換させ、『出口政策』へ舵を切る」ことを意味します。そうして、緊縮財政をすることも意味します。

直近の「金融政策は現状維持」の公約が実現すれば良いですが、実際に希望の党が政権のキャスティングボードを握った場合、誰が首相になるのかがわからないような状況から、政策の信頼性がやはりいまひとつ不透明です。

北朝鮮の危機が顕在化しつつある現在、政権交代したり、選挙後他党と連立政権を組むなどということはすべきではありません。

そのようなことは、必ず失敗するということを、上に掲げた「歴代政権の在職期間の表」が如実に示していると思います。

政権交代や連立政権など組んで良い結果を招く可能性が高くなるのは、北朝鮮や中国の危機が遠のき、経済的にはデフレから完全脱却し経済がかなり良くなったときであって、今ではありません。

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2017年10月11日水曜日

【ニュースの核心】脅威は北だけではない 小池氏は衆院選操る「暗黒政治家」 適当な人物を首相指名し自分は黒幕に―【私の論評】危機に対応する真のリーダーの姿勢とは?

【ニュースの核心】脅威は北だけではない 小池氏は衆院選操る「暗黒政治家」 適当な人物を首相指名し自分は黒幕に

金正恩
 いま日本は「戦後最大の危機」を迎えている。朝鮮半島情勢が一触即発の状態にあるからだ。そんななか、日本の将来を決める衆院選が10日公示された。私たちは何をどう判断すべきなのか。

 まず、「何を」についてだ。それは消費税の使い道とかアベノミクスではない。何より「日本の平和と安全」である。

 問題を難しく考える必要はない。国の平和と安全が守られなければ成長も繁栄もないからだ。

 日本はいま中国と北朝鮮に脅かされている。北朝鮮は言うに及ばず、中国も沖縄県・尖閣諸島周辺に公船や軍艦を派遣して、隙あらば島を奪取しようともくろんでいる。この現状認識が出発点になる。

 この危機認識を共有できず、「中国も日本と平和共存を望んでいる」などと考える能天気な人々は論外である。これだけで、怪しさを見破れる政治家や政党もあるはずだ。

 では、日本はどう中国や北朝鮮の脅威に対処するのか。

 残念ながら、単独では対抗できない。毎年の中国の軍事費は日本の4倍近くに上り、ベースになる経済力は2倍以上に達している。

 仮に、軍事衝突が起きたとしても、日本は攻撃能力を保有していない。だから攻撃力を持つ米国との同盟を基軸に対抗するしかないのが現状なのだ。ところが、野党は何を言ってきたか。

 ここから「どう判断するか」の問題になる。野党は日米同盟を強化する安全保障関連法に反対し、自衛隊明文化という最小限の憲法改正にも反対してきた。

 本当を言えば、立憲民主党を結成した枝野幸男代表や、民進党を壊した前原誠司代表は月刊誌への寄稿や自分のブログで、実は改憲に賛成していた。

 希望の党に駆け込んだ民進党出身の前議員たちに至っては、「安保関連法反対、改憲反対」を絶叫していたのに、議員バッジ欲しさに一夜にして寝返って支持者を裏切った。

 こうした野党議員は「確固たる信念を持った政治家かどうか」という基準に照らせば、容易に判断できる。

写真はブログ管理人挿入 以下同じ
 希望の党の小池百合子代表(都知事)は立候補を否定した。選挙後の首相指名で「誰に投票するか」については明言を避け、「選挙後に決める」と言っている。

 これが何を意味するか。

 もしも希望の党が過半数をとったら、誰を首相にするか「一切、私に任せてくれ」と言っている。つまり小池氏は適当な人を首相に仕立て上げ、自分は「舞台裏の黒幕」として国を仕切るつもりなのだ。

 国会議員でないから、国会で説明責任も求められない。彼女が言う「情報公開」とか「透明性強化」など、とんだお笑い草である。

 こんな人物が代表を務める希望の党が権力を握ったら、日本はとんでもない「ブラックボックス政治」「暗黒政治」になってしまうに違いない。

 日本を脅かしているのは、北朝鮮の「核・ミサイル」だけではない。ポピュリストの仮面をかぶった「暗黒政治家」にも脅かされているのだ。

 ■長谷川幸洋(はせがわ・ゆきひろ) ジャーナリスト。東京新聞論説委員。1953年、千葉県生まれ。慶大経済卒、ジョンズホプキンス大学大学院(SAIS)修了。政治や経済、外交・安全保障の問題について、独自情報に基づく解説に定評がある。政府の規制改革推進会議委員などの公職も務める。著書『日本国の正体 政治家・官僚・メディア-本当の権力者は誰か』(講談社)で山本七平賞受賞。最新刊に『ケント&幸洋の大放言!』(ビジネス社)がある。

長谷川博之氏

【私の論評】危機に対応する真のリーダーの姿勢とは?

ブログ冒頭の長谷川幸洋氏の記事のように、いま日本は「戦後最大の危機」を迎えています。このような危機にある日本は、今真の意味でのリーダーが必要不可欠です。

優れたリーダーについて、経営学の大家ドラッカー氏は以下のように述べています。
優れたリーダーは、“私”とは言わない。意識して言わないのではない。“私”を考えないのである。いつも、“われわれ”を考える。チームを考える。彼らは、自分の仕事がチームを機能させることだということを知っている。責任を引き受け、逃げることをしない。成果は“われわれ”のものとする。考えることは、なされるべきことと、チームのことだけである。そこから信頼が生まれ、なされるべきことがなされる。(ドラッカー名著集(4)『非営利組織の経営』)
これを今の日本即して言い換えると、以下のようになると思います。

優れたリーダーは、"私"とはいわないのです。意識して言わないのではありません。"私"を考えないのです。いつも"日本"を考えるのです。政府のことを考えるのです。優れたリーダーは、自分の仕事が政府を機能させることだということを知っているのです。責任を引受け、逃げることをしない。成果は"日本国"のものとするのです。考えることは、なされるべきことと、日本のことだけです。そこから信頼が生まれ、なされるべきことがなされるのです。

ドラッカーは、リーダー用の資質などというものはないと言います。リーダーにはいろいろなタイプがあります。しかし、リーダーたるために必要とされる姿勢は、いくつかあります。

 第1が、人に聞くことである。聞くことは、スキルではなく姿勢です。

 第2が、自らの考えを理解してもらう意欲です。そのためには何度も言い、身をもって示すことです。

 第3が、言い訳やごまかしをしないことです。何事にも本気であることです。

 第4が、仕事の重要性に比べれば、自分など取るに足りない存在であるとの認識です。仕事と自らを一体化しないことです。仕事とは、リーダーよりも重要であって、リーダーとは別個の存在です。

リーダーの姿勢として、現在の日本で一番重要なのは、特に第4の姿勢だと思います。北朝鮮に対応することの重要性に比べれば、自分など取るに足りない存在であるとの認識です。仕事と自らを一体化しないことです。北朝鮮への対応は、リーダーよりも重要であって、リーダーとは別個の存在です。

ドラッカーは、真のリーダーについて、こう言っています。「私の知っているほとんどのリーダーが、生まれつきのリーダーでも、育てられたリーダーでもなかった。自らをリーダーとして作り上げた人たちだった」。

ソ連封じ込めに尽力したハリー・トルーマン
トルーマン大統領は、ルーズベルト大統領の突然の死によって大統領になったとき、今米国のリーダーとしてなすべき最も重要な仕事は何かを考え、急きょ、不得意だった国際問題に取り組み、旧ソ連の封じ込めに成功しました。

マッカーサー元帥は、自分よりも頭のよい者はいないはずと自負しながらも、部下の言に耳を傾けて最強のチームをつくり上げました。気性には合わなかったのですが、それがリーダーの役割だということを知っていました。
リーダーたるものは、献身しつつも個たりえなければならない。そのとき仕事もうまくいく。自らを仕事の外に置かなければならない。(『非営利組織の経営』)
北朝鮮の危機の前に、安倍総理に衆院を解散し、衆院選に突入したことによって多くのことが明るみにでました。

現状の衆院選の様子をみると、多くの政治家がとにかく北朝鮮の脅威などは二の次にして、選挙において何とか生き残るとか、選挙において少しでも有利に戦い、自らの権力を拡大することにばかりに汲々としているようにしかみえません。

特に「安倍一強を倒す」という野党のリーダーたちのスローガンはお粗末です。確かに日本人は強力なリーダーシップを嫌う傾向にあるので、なんとなく強い人物を倒すというと、情緒的には訴えるものがあるのかもしれません。

しかし、一強のどこが悪いのでしょうか。どのような組織でも、先見性のあるリーダーが強力な力を持つことがプラスに作用することのほうが多いです。安倍政権を倒した後に、どうするのかも言わずに、政治家が務まれば、本当に気楽なものです。

これでは、とてもリーダーにふさわしいとはいえません。小池東京知事に至っては、自らが女性初の総理大臣になることを目指しているためか、北朝鮮の危機などおかまいなしに、自らの権謀術数をはりめぐらして、少しでも有利に動こうとしているようにしかみえません。やり方が、姑息で意地汚いです。

とても、北朝鮮に対応することの重要性に比べれば、自分など取るに足りない存在であるとの認識があるようにはみえません。

安倍総理としては、様々な情報源から、北朝鮮の脅威は年内には顕在化せず、来年あたりに顕在化するものとみて、その時に選挙をするよりは、今のうちにやっておいたほうが、対応しやすいということで、今回解散選挙に踏み切ったのでしょう。

だから、今回の選挙で本来もっとも問われなければならないのは安全保障政策であるのは、あまりにもはっきりしすぎています。他の問題は、無視しても良いくらいです。特に「森友問題・加計問題」などは本当にどうでも良い問題であり、今となってはそもそも何が問題なのかもわかりません。

森友に関しては、すでに篭池氏が逮捕されており、国会など関与しなくても、司法がこれを明らかにしつつあります。

加計問題も、そもそも公開されている戦略特区ワーキング・グルーブの議事録を読んだり、加戸氏の証言により、獣医学部設立にどう考えても安倍総理がかかわっている明白な証拠などあり得ないことも明らかになっています。にもかかわらず、小池知事も他の野党の代表などもこれを追求し続けるといいます。

そもそも、これで安倍総理や政権を追求したとしても、無意味であり、これをやり続けることは時間の無駄です。こうした無駄時間を費やしたことが、民進党崩壊の大きな要因の一つになっていることは明らかです。

平成27年に成立した安保関連法に対する各党の姿勢はさまざまで、仮にリベラル派勢力が議席を伸ばすようなことになれば、自衛隊の活動が制限され、北朝鮮のミサイルを日米が連携して迎撃する態勢が揺るぎかねないです。

憲法改正で自衛隊を明記するかどうかも含め、各党は国民の生命をどう守るのか、具体的な政策を訴えるべきです。それが、現状のそれぞれの党のリーダー役割です。それを国民もしっかりと見極め、投票すべきです。

そうして、今本当に必要なリーダーを定めるべきです。選挙が終わったら、野党のリーダーは、こと北朝鮮対応に関しては、党派を超えて政府に協力する旨を申し出るべきです。そのようなことをするリーダーこそ、仕事の重要性に比べれば、自分など取るに足りない存在であるとの認識する真のリーダーです。

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2017年10月10日火曜日

小池都知事の「排除」も「寛容」も、まったく心に響かない単純な理由―【私の論評】小池氏は、政策論争の前に簡明な言葉遣いをすべき(゚д゚)!

小池都知事の「排除」も「寛容」も、まったく心に響かない単純な理由






希望の党への合流を決めた民進党の一部議員が、政治信条をもとに選別されたことから、にわかに「リベラル」「保守」という対立軸が注目を集めている。しかし、この二つの立ち位置の違いを正確に理解し、説明できる人はどれくらいいるのだろうか。レッテルを貼り分けられるほど、議員たちの立ち位置はハッキリしたものなのか。『リベラルという病』(新潮新書)の著者、山口真由さんに聞いた。
「(リベラル派は)排除いたします」と言って薄笑いを浮かべたあのあたりから、小池百合子・東京都知事の勢いは失速し始めたという見方がある。そんな空気を感じ取ったのか、最近の小池氏は、会見のたびに「寛容」「大きな心」などとくり返し、お茶を濁そうとしているようにも見える。

さて、先ごろリベラルという病を上梓したこともあり、「現代ビジネス」編集部から、小池氏はなぜこれほどリベラル排除にこだわるのか書いてほしいとの依頼を受けた。

結論から言えば、そのような問いは「二重に」意味がないと、私は思うのだ。ただ、意味がないことを意味がないと整理しておくことに意義があろうという、まどろっこしい理屈を立てて、本稿を書き始めることにしよう。

二重に意味がないとした理由の第一は、そもそも日本に「リベラル」なんてないと思うから。第二に、小池氏にリベラルを排除するほどの強い政治信条があるとは思えないから。要するに、「空虚な概念 vs. 空っぽな信条」なのだから、そこには排除も寛容もないでしょう、と。

言葉だけ輸入された、中身のない「リベラル」


民進党幹事長代行の辻元清美氏は、希望の党に公認申請するかどうか問われ、「私はリベラルの力と重要性を信じています。ですから、私は行きません」と答えた。多くの方が、辻本氏の言う「リベラル」っていったい何、と疑問を抱いたことだろう。

憲法改正に反対すること?原発再稼働に反対すること?もしそれがリベラルということなら、その根底にある哲学は、戦争に反対する平和主義だろうか?

太平洋戦争の敗戦国という重い十字架を背負った日本では、戦争と平和へのスタンスが、「保守」と「革新」を分ける大きな軸になってきた。安保闘争しかり。だが、その後「リベラル」という言葉を輸入したことで、日本のイデオロギーは混乱する。

きわめて広い意味を持つ「リベラル」という言葉だが、アメリカの現代政治においては、ニューディールから現在の民主党へと続く一つの系譜を指す。ここで大まかにその流れを解説しておきたい。

世界恐慌の渦中でも、政府は市場に介入しないとの方針を取ったフーヴァー大統領は、生活が立ちゆかなくなったアメリカ国民の怨嗟を一身に集め、退陣を余儀なくされた。続いて大統領に就任したルーズベルトは、政府の公的支出によって需要を下支えし、雇用やビジネスの機会を生み出そうとしてニューディール政策を推し進めた。

フーヴァー大統領(左)とルーズベルト大統領
景気の波さえ政府によってコントロールしようとする「大きな政府」論は、経済は市場によってしか調整されないという自由放任の「小さな政府」論と対置され、前者はリベラル、後者は保守として分断される大きな軸となっていく。

そして、そこにアメリカの「神話」が重ねられる。黒人に対して非人道的な扱いをした歴史を深く恥じた知性派は、「人種の平等」を高く掲げた。少数者への共感は、やがて女性やLGBTへと広げられ、それがリベラルを支える大義を生んだ。「多様性への寛容」のため、政府は格差を是正して少数者にも均等に機会を与える必要があるという考え方から、「大きな政府」論が正当化されたのである。

このリベラルの発想は、いかにも「平和主義」につながりそうだが、実は真逆だったりする。人道主義という大義の御旗を振りかざすがゆえに、それを解さない野蛮な連中は武力によってその性根を改めてやろうというのが、リベラルの系譜を受け継ぐ民主党の伝統的な考え方なのだ。

実際、1990年代に民主党のクリントン大統領は、北朝鮮の核施設への空爆を実行寸前に至らせる強硬姿勢を見せている。それに比べ、保守の系譜にある共和党は、孤高のカウボーイよろしく、ヨーロッパの戦争にも干渉しない孤立主義を貫いてきたのだった。

アメリカのリベラルは、日本と真逆の立場


ここまで述べてきたリベラルと保守の真髄には、人間をめぐる考え方の違いがある。

リベラルは「人間の理性」を絶対的に信じる。経済不況や格差は政府の積極的な介入によって解決し、野蛮な帝国は軍事介入によって折伏する。そうやって理性的な人間がコントロールできる領域を広げれば、多様な人間が共存できる理想的な社会ができ上がる。こうした一種の理想主義は、自然を耕し、従えるという発想につながる。

対する保守は、人間に対する深い懐疑がその源にある。荒野の開拓者を原風景とする彼らにとって、大いなる自然の前に人間はあまりにちっぽけだった。だから、彼らは自然を支配するなどというおこがましい発想を捨て、政府の介入は最小限にし、市場は自由競争に委ねようと考える。

そんなわけで、アメリカのリベラルは、憲法改正反対や原発再稼働反対を主張する日本のリベラルとは、真逆の立場をとる。

リベラル派の判事は、時代に合わなくなった憲法を解釈によって変更しようとするのが常だ。「解釈改憲は許されない!」と批判するのは、アメリカではなんと保守派の判事である。また、人間が自然をコントロールすべきとの発想から、アメリカのリベラルは原子力発電を人類の輝かしい到達点と考えている。

一方、日本では、戦後の「保守」「革新」という対立軸を離れ、「リベラル」の中身を定義しないまま言葉だけ輸入したために、混乱が起きた。今日に至るも、リベラルに分類される議員たちが「安倍憎し」以上の何を国民に伝えたいのか、ちっとも見えてこない。

公平のために付言しておくと、今日の事態を招いたのは、保守の側にも責任がある。内閣官房長官時代の安倍晋三氏が記した『美しい国へ』(文芸春秋、2006年)というきわめて評判の悪い本の中で、彼はドラマ「大草原の小さな家」を「古き良き時代のアメリカの理想の家族のイメージ」として、伝統的な家族の価値への回帰を目指したレーガン大統領の政策に同調している。

だが、安倍首相がアメリカの共和党と同じ「保守」思想を持っていると考えるのは、誤解だ。確かに、伝統を重んじるのが保守の立場だが、守るべき伝統が日本とアメリカではまったく異なることを忘れてはならない。アメリカの保守は、解釈改憲を容認しないし、原発も推進しない。

結局、日本では、リベラルも保守も、自らを定義する言葉の意味すらわかっていないというのが現実なのだ。

小池氏が目指すのは「私が輝く日本!」

さて、多少ややこしい話が長くなってしまったが、話を戻そう。

小池氏が自らと政策を異にする勢力を「排除」したこと自体は、別に批判されることでもない。政策を実現するために政党を作るならば、異なる政策を掲げる者と一緒に結党するほうがおかしい。安倍政権に「NO」と言うためだけに寄せ集まった、政策の一致を見ない野合の衆をもって「多様性のある集団」と主張したいなら、話は別だけれど。

小池都知事を囲む、希望の党の細野豪志氏(左)と若狭勝氏 
政策が一致する者どうしで党を作りたいという正論を掲げる小池氏が、それでも批判されるのは、この人が政治的信条を持たない“カメレオン”なのだと、なんとなくみんなにわかってきてしまったからだろう。

「小池氏は、政策を異にする『リベラル』を排除したかったわけじゃなく、人気のない民進党をそのまま抱え込むと、希望の党が失速すると思ったからじゃないの?」「首相経験者とか自分よりも格上の目の上のタンコブが入り込むのを嫌っただけじゃないの?」という具合に。

都政を牛耳る人相の悪いオジサンを「都政のドン」呼ばわりし、そこに切り込む勇敢な女性として「改革勢力」のイメージを売り物にした小池氏は、アメリカのリベラルのキーワードである「ダイバーシティ(多様性)」を謳うものの、第一次安倍政権で防衛大臣を務めたことからもわかるように、安全保障については安倍首相と相違ない見解を持つ、日本で言うところの「保守」だ。

大衆にウケると思えば「改革者」になり、ときには「保守政治家」に舞い戻る。彼女の中心にあるのは政治信条ではなく、極端な自己中心性ではないだろうか。

都民ファーストの会の国政進出を進めようとした「百合子一筋」若狭勝衆院議員の面目を、「リセット」のひと言でものの見事につぶし(←まあ、若狭氏はそもそも無能だとの批判もあるが)、希望の党に合流すれば民進党候補者がまるごと公認を得られるという前原氏の期待をさらりと裏切る(←まあ、前原氏のお人好しな期待が甘かったといえばそれまでだが)。安倍首相への対決姿勢を明確にしたかと思えば、いつの間にやら自民党との連立も考えられるという。

前原誠司元外相の見立てでは、希望の党と「合流」するはずだったが…… 
「初の女性首相」という自らの進路は何よりも明確なのに、日本が進むべき将来の方向性は描けない。そんな小池氏からは、「日本をどうしたい」より「私はこうなりたい」しか見えてこない。つまり、「私が輝く日本!」ということか。

「朝からメディアの皆さん、私の発言ばかりを報道して」などと満足げに微笑む小池氏を見ていると、残念ながら、この人の芯にあるのは「私を見て!」という強い欲求だけだと思わざるを得ない。

都民ファーストの会の議員にメディア発言を控えさせるのも、若狭氏や細野豪志氏にメディアへの出演を自粛せよというのも、「私より目立つな」という暗黙の指示ではないか。結局、都民ファーストの会の代表に据えたのも、自分に決して歯向かわない、自分より決して目立たない、自らの元秘書なわけでしょう?

そういう意味で、元滋賀県知事の嘉田由紀子氏と小池氏はよく似た人種だ。嘉田氏が希望の党の公認を受けられなかったときには「やっぱり」と思った。「同族嫌悪」、目立ちたがり屋は目立ちたがり屋が嫌いなのだ。都民ファーストの会から音喜多駿都議が離脱したのも、どう言葉を飾ろうと、「私を見て!」と「僕の声を聴いて!」の対立に相違ない。

橋下徹氏には思想があった


「ポピュリズム」と批判されようとも、橋下徹氏は少し違ったのではないか。だからこそ、大阪維新の会が日本維新の会として国政進出するときには、小池氏に寄せられているような批判が起こらなかったのだと思われる。

橋下氏も確かに目立ちたがり屋ではあろうが、彼には思想があった。

大阪府知事時代の2008年、私学への助成金28億円を打ち切る財政再建策を打ち出した際、高校生12人から猛抗議を受けた。が、橋下氏は、私立ではなく公立校を選ぶ道もあると告げ、公立校には学力が足りないと泣きつかれても、「自己責任」と取りつく島もなかった。大人気ない対応だとも言えようが、子供相手にすら曲げられない確固とした信念があったというのは、いささか持ち上げ過ぎだろうか。

アメリカの保守と重なる「小さな政府」論を明確に打ち出した橋下氏に対し、改革勢力、リベラルにも保守にも変わる小池氏からは、理念が見えてこない。結局のところ、そこには政治信条などないのだろう。

とはいえ、私は、小池氏をある意味あっぱれと思っている。誰だって目立ちたい政治家の中で、埋没しない手腕と度胸はさすがだ。本稿の最初に「日本にリベラルなんてない」と書いたが、小池氏の「私を見て!」という生々しくも力強い野心は、「日本のリベラル」という空虚な概念、妄想をこの際打ち砕いてくれるのではないかと、私は変な期待を抱いている。
『リベラルという病』書影欧米のリベラリズムを奇妙な形で輸入・加工し続けてきた日本的リベラルの矛盾と限界を解き明かす!(amazonはこちらから)
【私の論評】小池氏は、政策論争の前に簡明な言葉遣いをすべき(゚д゚)!

小池百合子氏の話は、とにかくカタカナが多いという印象が強いです。「アウフヘーベン」「AI」「ワイズ・スペンディング」「チャーターメンバー」「リセット」と最近でもかなり多いです。

知事選から知事になってからもかなり使っています。

「ダイバーシティー」「サスティナブル」「ソーシャルファーム」「イノベーション」「メルクマール」「フィンテック」「IoT」「スプリングボード」「ブランディング」「レガシー」。

小池氏は、エジプト・カイロ大卒で語学堪能で知られるますが、哲学用語など難解な言葉も用いるため有権者に意図が伝わっているとは言い切れず、識者からは「誠実さに欠ける」との指摘も出ています。

これだけ、外来語を用いれば、確かに有権者はついていけいなかもしれません。そうして、小池氏の本質は、ブログ冒頭の記事で述べられているように単なる「目立ちやがり屋」なのかもしれません。



どこかの記事で読みしたが、一般的に横文字を使いたがる人間は”頭が良くない”って
批判されていました。

なにしろ聞き手の気持ちや、聞く側の知識等を考慮せずに自慰行為のように自己満足目的に使っているとしか思えないです。

それに、私は英語を読み、書き、話せますが、普段日本でする会話はすべて横文字を要れずに会話等を進めるようにしてます。

私は「それ、ファジー(あいまい)だね」 という言葉を聞くことがあります。しかし、たいていの場合、英語でいうなら「unclear」とか「vague」 というべきところをこのように言っていることを耳にすることが多いです。これでは、自己満足で「それ、ファジーだね」 と言っているようにしか聞こえません。

小池氏に限らずモチベーション、コンセンサス、イニシアチブなど、日本語でも十分用が足りる言葉のカタカナ語や、ブロードバンド、PTSDなどの一般社会ではあまりなじみのない専門用語をやたらと使う人がいます。

こういうタイプは、たいてい身に着けるもののセンスもよく、言葉遣いもていねいで、とても洗練された印象を与えます。

ただし、日本語にない概念を表わす場合は仕方ありませんが、むやみにこれらの言葉を使いたがる人は、自信に満ちた外見の裏返しとして、意外なコンプレックスを抱えていることが少なくありません。

また不安や劣等感を強く持ちつつも、それをあからさまに見せるのを避けたがる傾向にあります。

欧米コンプレックス、専門コンプレックスの強い日本人には、確かにカタカナ語、専門用語は格好よく聞こえ、使っているだけで、外国通、業界通の人に見えてしまうのでしょう。

それだけに、何らかのコンプレックスがある場合、カタカナ言葉や専門用語は重宝なことこの上ありません。

使っている人にとっては無意識かもしれませんが、これらの言葉をコンプレックスを覆い隠すためのバリヤーにすることで、自分自身を大きなものに見せることができるのです。

同じような例としてあげられるのは、「〇〇博士がいっている」、「作家の〇〇が“△△”の中で書いている」などという有名人の言葉の引用です。

やはり、その有名人の持つ権威を借りて、自分を大きく見せようという意識が隠れています。

外国生活が長い人が多用する場合、自分の知識を誇示しようとしているケースもありますが、一方、質問をされたくないときや、聞き手を煙に巻きたいときに使う人もいます。
あまり信用はできないでしょう。

本人は格好よく使っているつもりのカタカナ語や専門用語を、よくわからないといって嫌がる人も多いものです。

やはり、誰にでもわかる、簡単な表現を使った方がコミュニケーションも円滑にいくでしょう。

さて、ブログ冒頭の記事では、「ポピュリズム」という言葉が使われています。これは、現在では「大衆迎合主義」という意味でつかわれています。しかし、本来の意味はそうではなかったようです。これについては、以下の動画をご覧下さい。


この動画の文字起こしを以下に掲載します。

【ニューディール連合とは (3:00頃~)】
フランクリン・ルーズベルトが社会主義政策を大規模に推し進め、労働組合・バラマキ利権者・リベラル派官僚から成る選挙機関を作り政界を乗っ取った。これをニューディール連合という。このニューディール連合から政治の主導権を取り戻すのがアメリカの保守の課題です。
ニューディール連合を日本的に言うと「戦後レジーム」となる。ニューディーラーの中でも極めて落ちこぼれで、アメリカ本国で通用しないので極東アジアに左遷されたGHQなる組織によって作られたのが戦後の日本国憲法であり日本的左翼です。
【ポピュリズムとは(5:55頃~)】
日本で一般的に認知されているポピュリズムは「大衆迎合主義」と訳され批判の対象とされる。しかしこの解釈はアメリカの左翼によって作られたものであり、保守派の定義ではもともとは中産階級の代弁者という意味。
「ポピュリズム」の対義語は「エスタブリッシュメント」です。
エスタブリッシュメントは支配階級・上流階級の意味であるが、分かりやすく日本で例えるなら朝日新聞のような自称インテリ、朝日岩波文化人を指します。
これに対してまともな国民の意見を代弁する少数の政治家を、左翼が「ポピュリスト」とレッテル貼りをしたのです。
ポピュリズム の語源を探っていくと、確かに元々の意味はこのようなものだったようですが、米国左翼がこのように言葉の意味を変えてしまったのです。

現在のこの言葉の「中産階級の代弁者」という意味は、米国内では死語となっています。

言葉にはおうおうにしてこのような問題があります。だから、本当に重要な話をするときには、誰もが使っている基本的な単語を用いて話すべきです。

米国では、元々多人種の国家ですから、このような言葉の変遷や行き違いがあるので、政治家は誤解などをさけるために、非常に単純明快な言葉をつかう事が多いです。

その典型例が大統領の就任演説です。歴代の大統領が平易な言葉で就任演説を行っています。皆さんの記憶に新しい、今年1月のトランプ大統領の就任演説もそうでした。

ビジネスの世界でもそうです。特に国際ビジネスの世界はそうです。

国際ビジネスの世界で求められる「英語の運用力」とは、状況に的確な単語やフレーズを使って、相手に伝わるように話すことができる発信力ではないかと思います。

世界では、英語を母語としない人が英語を母語とする人)よりも多いのが現状です。このような状況で求められる英語は、plain English(わかりやすい英語)です。

シンプルで、曖昧さは残さずに、はっきりと伝わる英語を話すことが大切になります。

さまざまな言語を母語とする人達の間でのコミュニケーションでは、複雑で高度な英語表現は必要なく、かえって邪魔なんです。

日本でも、やはり日本国内の不特定多数の多くの人に語りかけるには、簡明な語りかけが重要です。

このようなことを考えると、小池百合子氏は政策論争の前に、簡明な言葉遣いをすべきです。

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2017年10月9日月曜日

もし米朝戦わば 北朝鮮軍には実際どれだけ攻撃力があるのか―【私の論評】機雷戦で北朝鮮は崩壊する(゚д゚)!

もし米朝戦わば 北朝鮮軍には実際どれだけ攻撃力があるのか

トランプ大統領のツイート
 トランプ米大統領は10月1日、北朝鮮に核・ミサイル問題で対話の意思の有無を尋ねていると公言したティラーソン国務長官に、「時間の無駄だと伝えた」とツイッターに投稿した。9月26日の記者会見でも、軍事的な選択肢の準備は完全に整っており、北朝鮮にとって壊滅的なものになると警告したが、本気で「武力行使も辞さず」と考えているのだろうか。当然、軍事衝突が起きれば北朝鮮の猛反撃も予想される。

 朝鮮半島問題研究家の宮田敦司氏が、ミサイルだけではない北朝鮮の攻撃力について分析する。

* * *

 米国の武力行使に対する北朝鮮軍の反撃の手段は、戦略軍が保有する弾道ミサイルだけではない。100万人以上の兵力を保有する地上軍、海軍、空軍も反撃することになる。北朝鮮軍は、日本、韓国、米国(グアム)へ弾道ミサイルを発射する一方で、在韓米軍と韓国軍の北進を防ぐために韓国へ侵攻する。

 北朝鮮軍は「烏合の衆」と揶揄されることがあるが、実際のところ、どのような戦闘を行うのか再確認することにしたい。

 ■地上軍-ソウルを攻撃できない可能性も

 米軍の武力行使に対して、北朝鮮軍は弾道ミサイルを発射するとともに、非武装地帯付近に配備されている長射程砲や多連装ロケットを発射して反撃する。ソウルを攻撃可能なのは300門に限定されるが、実際にソウルが「火の海」になるかどうかは別として、ソウルに砲弾が落下すれば、少なからず被害が出ることは間違いない。

 北朝鮮軍は約102万人の地上兵力を保有しているが、このほかにも準軍隊である「教導隊」(17~50歳)約60万人、「労農赤衛軍」(17~60歳)約570万人、「赤い青年近衛隊」(14~16歳)約100万人があり、これらが北朝鮮の防衛に動員される。

 また、米韓軍の海岸からの上陸や空挺作戦(落下傘降下)に備えるための兵力は残すことになるため、すべての地上兵力が韓国侵攻へ投入されるわけではないが、半数以上の地上兵力が非武装地帯の突破を試みるだろう。しかしこれは容易なことではない。

 北朝鮮軍の侵攻に備えて、韓国陸軍は非武装地帯沿いに12個師団を配備している。このことから、非武装地帯に直接張り付いている歩兵大隊は72個となる。本稿では詳しい計算は省略するが、このうちの韓国軍1個大隊を無力化(30%程度の損害を与える)するためには、砲弾を10万4615発撃たなければならない。

 これは、あくまでも韓国軍の歩兵大隊1個に対する攻撃である。1個大隊が布陣している面積は、正面幅3.5km、縦深2kmにすぎない(非武装地帯の総延長は248km)。極めて狭い突破口を開けるのにこれだけの弾数が必要になるのだ。

 しかも、韓国軍の防御ラインは一線ではなく、ソウルに最も近い北朝鮮軍第2軍団の正面では最大6線の防御ラインが配備されているといわれているので、乱暴な単純計算だが最低でも60万発は撃たなければならない。

 そもそも、ソウルが「火の海」になったり、北朝鮮軍が非武装地帯を電撃的に突破するという考え方は、韓国軍の反撃を一切考慮していない。韓国の尹光雄国防長官は2004年10月、北朝鮮軍の長射程砲が射撃を開始してから、韓国軍は多連装ロケットを6分以内、長射程砲を11分以内に撃破することが可能と述べている。

 ■海軍-機雷敷設とゲリラ戦

 北朝鮮海軍の任務は次の4項目が考えられる。

 1.米韓両軍の基地の破壊もしくは妨害

 →特殊部隊の潜入支援

 2.韓国の主要港への機雷敷設

 3.米軍艦艇の補給路の遮断

 4.北朝鮮の各主要港の安全確保

 これらの任務には、主にロシア製のロメオ級とウィスキー級の旧式潜水艦があてられる。北朝鮮の潜水艦で注目されるのは、サンオ級(1000トン、乗組員30人)沿岸用潜水艦とユーゴ級小型潜水艇など、特殊な潜水艦を保有していることだ。

 では、北朝鮮海軍はこれらを用いてどのように戦うのか。簡単に言えば海上および海中でのゲリラ戦だ。ゲリラ戦なら老朽化した艦艇や潜水艦でも可能である。潜水艦の任務は機雷敷設となる。北朝鮮海軍が保有する潜水艦は機雷を24~28発搭載できる。つまり、計算上は潜水艦部隊全力で1回に600発以上の機雷が敷設できる。

 例えば、対馬海峡一帯に機雷を敷設すれば、米空母機動部隊の展開を遅らせることができるかもしれないし、米韓連合軍の航路を大混乱に陥れることもできる。1隻でも触雷すれは機雷警報が発せられ、一時的にせよ、全ての艦艇の運航が止まる。

 しかし、米韓連合海軍が本格的に活動を始めたら作戦を遂行することが出来なくなる。つまり、北朝鮮海軍の潜水艦が出撃できるのは1回きりとなる。この1回で、どれだけの機雷を敷設できるのかが勝負なのだ。

 ■空軍-パイロットは技量不足、戦闘機の半数は飛行不能

 前述した大量の砲撃の問題に目をつぶったとしても、地上部隊に対する航空機の援護がなければ、地上部隊は戦力を発揮できない。他国の空軍と同様に、北朝鮮空軍の最も重要な任務も航空優勢(制空権)の確保である。

 しかし、航空優勢を確保するための北朝鮮空軍のパイロットの技量が問題となる。1996年に韓国へ亡命したミグ19のパイロットは10年間での総飛行時間は350時間だった。1996年当時でこの飛行時間なのだから、現在はもっと短くなっているだろう。(なお、航空自衛隊と韓国空軍は1年で150時間前後)

 北朝鮮空軍は1000機以上の航空機を保有している。しかし、比較的新しい航空機は、ミグ29戦闘機16機、スホーイ25攻撃機35機だけだ。しかし、これらの航空機は交換部品の不足などから稼働率は低くなっているはずだ。

 たとえ稼働率100パーセントだとしても、旧式機が大半を占める北朝鮮空軍が、韓国空軍の新鋭戦闘機と互角に戦い、航空優勢を確保することは不可能だろう。

 戦闘機がまともに戦えないとなると、残る選択肢は片道切符での韓国の軍事目標に対する体当たり攻撃となる。つまり、人間が操縦する巡航ミサイルというわけである。実際に1998年には「自殺決死隊」(特攻隊)が編成されている。

 戦闘機の体当たり以外で重要な任務は何かというと、300機保有しているプロペラの複葉機であるアントノフ2輸送機による特殊部隊の空輸となるだろう。アントノフ2は旧式だが巡航速度は時速160km、離陸距離は180m、着陸距離は170mなので、高速道路はもとよりゴルフ場でも200mあれば離着陸が可能だ。

 アントノフ2は、北朝鮮へ帰還することを考慮せず、なおかつ天候などが理想的な状態であれば理論的には西日本へも到達できる。

 ■軍事パレードの効果

 米国が金正恩体制を崩壊させるために攻撃を仕掛けてこないという確信があれば、正規軍の実際の能力は低くてもよい。とはいえ、大規模な軍事パレードや軍事演習などを行って、米国をはじめとする関係国に、「北朝鮮軍の能力の高さ」を誇示するデモンストレーションは適時行う必要がある。

 金正恩の前で軍事パレードや軍事演習はできても、正規軍は一部の精鋭部隊を除いて崩壊寸前の状態にある。このような状況だから、政治的により高い効果が期待できる弾道ミサイルや核兵器の開発を続ける必要性が出てきたのだ。

 ■中国の介入

 そもそも北朝鮮への攻撃は、米海軍が保有している3000発のトマホーク巡航ミサイルを全て使用しても足りない。北朝鮮軍が大きな打撃を受けることは間違いないが、トマホークだけで壊滅はしないだろう。

 このため攻撃が短期間で終わることは考えにくい。本格戦闘が終了し、大部分の将兵が戦わずして投降し、残存勢力による目立った抵抗がなかったとしても、数百万人もの将兵の武装解除には多大な時間がかかるだろう。

 たとえ、最終的な勝利が望めない「烏合の衆」でも、兵器の老朽化や燃料不足で能力を100パーセント発揮できなくても、朝鮮半島を混乱させて戦争を長引かせることはできる。戦争が長引けば中国軍の介入があるかもしれない。こうなると北朝鮮軍にもチャンスが巡ってくる。

 このため、米国が北朝鮮へ武力行使するにあたっては、事前に中国から「どのような事態になっても中国軍は介入しない」という確約を得ておく必要がある。さらに、金正恩政権崩壊後の新体制について合意しておくことも必要だろう。これは非常に厄介な問題で、確約や合意を得ることは簡単なことではない。

 冒頭で少し触れたが、ティラーソン米国務長官は9月30日、訪問先の北京での記者会見で、北朝鮮と「対話ルートを持っている」として、対話に臨む用意があるのかを「探っている」と述べている。

 トランプ大統領が「対話」に反対しているとはいえ、事態はまさに北朝鮮の思惑どおりに動いている。北朝鮮の弾道ミサイル発射や核実験は、米国との交渉を開始するにあたり、自国が有利な立場になったと確信するまで継続されるだろう。

【私の論評】機雷戦で北朝鮮は崩壊する(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事では、北朝鮮海軍による機雷敷設とゲリラ戦の懸念が掲載されています。しかし、これは日本にとってはさほど脅威ではない可能性が大です。それどころが、北朝鮮が、機雷を撒けば、それが北の命取りになります。

このような機雷が敷設されたとして、それを捕獲して、爆発しないようすることを掃海といいます。

海上自衛隊の機雷
このような掃海は海上自衛隊が持つ特殊な技術であって、世界に類を見ない世界一の技術を持っています。第二次大戦中、日本周辺は機雷で封鎖され、輸送路を断たれたとき我が国は破れました。世界に誇る連合艦隊も緒戦だけで、あとは海上封鎖という我が国軍部が想像もしていなかったアメリカ軍の巧妙な戦術に翻弄され、敗れ去りました。

このため掃海に関しては日本は戦時中から研究を重ね、ある程度の実績を挙げてきました。しかし、大型爆撃機(B29)に多くの機雷を搭載し、日本近海の海上を低空で飛びながら機雷をバラ撒くという新戦術で、あまりにも多くの機雷をばらまかれ、お手上げになってしまったのが実情でした。

戦後は、アメリカ軍が自ら撒いた機雷の除去に苦慮し、終戦時接収していた旧海軍の小型艦艇を貸与という形で機雷除去の掃海を命じ、旧海軍軍人が集まり、掃海に従事し、それが海上保安庁創立の礎になり、さらに海上自衛隊に引き継がれ、現在に至っています。、海上自衛隊創立の母体は掃海部隊なのです。

戦後も触雷による沈没事故は数多く起きており、青函連絡船は夜間の航行は禁止となり、昼間だけでした。見張り専用の船舶が同航し、浮遊機雷の発見に努め、避けて航行するのがやっとでした。その危険性が無くなったのは昭和30年代であって、掃海部隊の尽力によるものです。

実践で鍛えられてきた海上自衛隊の実力は世界でずば抜けた実力を有しており、また世界はそれを認め、期待しています。ペルシャ湾掃海は最初にアメリカ海軍、イタリヤ海軍、イギリス海軍などが掃海に従事し、浮流機雷は除去しましたが、残りは海底に潜む磁気機雷で、この掃海は海上自衛隊にすべてを任せ撤収しました。

機雷除去の訓練(出典:海上自衛隊掃海隊群HP)
海上自衛隊は、100%の掃海を目指し、掃海部隊の実力を発揮し、完全に100%の掃海を成し遂げました。この実績につては、世界の国々、特にタンカー乗りは『Japan Navy(正式にはJapan Maritime Self-Defense Force)』を大絶賛しています。

さて、このような高度の掃海能力を持っていることは、以前もこのブログに掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
日本単独で「核武装国」中国を壊滅させる秘策は機雷―【私の論評】戦争になれぱ中国海軍は、日本の機雷戦に太刀打ち出来ず崩壊する(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に海上自衛隊の掃海能力に関係する部分だけ引用します。

"
さて、日本にも昔から、掃海母艦、掃海艦、掃海艇、掃海管制艇があります。そうして、海上自衛隊が機雷掃海のために保有する艦艇は27隻に上ります。米国や英国など主要国の掃海艦艇は20隻以下とされおり、海自は世界一のの陣容を誇るのです。

「日本は高い掃海能力を持っている。掃海によって機雷を敷設することが無意味になっていく。つまり抑止力にもなる」

安倍晋三首相は一昨年6月9日の参院決算委員会で、自衛隊の掃海能力について、誇らしげにこう語りました。

最新鋭の「えのしま」型掃海艇は、木造船を使用してきた海自で初めて強化プラスチックを船体に使用し、耐用年数が大幅に延びました。掃海艇より大型の「やえやま」型掃海艦は潜水艦を標的とする深深度機雷の処理も行うことができます。

掃海艇「えのしま」
掃海艦「やえやま」
「うらが」型掃海母艦は旗艦として補給支援や機雷敷設などを行うほか、ヘリコプターの発着艦が可能で、掃海艇を狙った機雷を処理するためダイバー(水中処分員)を現場海域に送り届けます。「いえしま」型掃海管制艇はラジコンのような遠隔操縦式掃海具を操り、掃海艇が入れない水深の海域に敷設された機雷を処理します。

掃海母艦「うらが」
こうした総合力は、対潜水艦哨戒能力と並ぶ海自のお家芸ともいえます。一昨年7月の閣議決定で集団的自衛権の行使が認められたことにより、政府は新たに可能となる活動の1つとして、停戦合意前に中東・ホルムズ海峡で行う機雷掃海活動を挙げたのも、このためでした。

自衛隊が初めて海外での任務に投入されたのも、機雷掃海活動でした。

湾岸戦争終結後の平成3年、海上自衛隊はペルシャ湾掃海派遣部隊を送り込みました。当時はすでに他国海軍が活動しており、“遅参”した自衛隊に割り当てられた掃海区域は「最も危険で難しい場所しか残っていなかった」(海自関係者)といいます。過酷な条件下で海自部隊は約3カ月間に34個の機雷を無事に処分し、他国海軍から高い評価を受けたのです。
平成3年4月、湾岸戦争終結を受け、機雷掃海のためペルシャ湾に
向けて出航する、海上自衛隊の掃海派遣部隊=海上自衛隊横須賀基地
安倍首相が「高い掃海能力」を誇るのは、このときの経験も裏付けとなっています。ただ、防衛省関係者は「当時の海自部隊は装備面では他国に劣っていた面もあった」と指摘します。特に、水中に潜って爆雷を投下する装置にはカメラが付いておらず、水中処分員が目視で機雷を確認せざるを得なかったといいます。

海自が装備の遅れをカバーできたのは、先の大戦の“遺産”によるところが大きかったのです。

終戦当時、日本周辺海域には旧日本海軍が防御用に敷設した機雷約5万5000個のほか、米軍が敷設した約1万700個の機雷が残っていました。主要航路の掃海は昭和40年代後半まで行われ、現在も港湾工事前の磁気探査で機雷が発見されることがあります。これを処理してきた海自の経験が、精密で効率的な掃海能力を培ってきたのです。

機関砲や爆雷投下で処分できない機雷は、生身の水中処分員が潜って機雷に爆薬を取りつけます。水中処分員には体力、知力、精神力が要求され、海自の特殊部隊「特別警備隊」と同様に精鋭隊員が選ばれる。東日本大震災では「えのしま」型掃海母艦「ぶんご」に集約されたダイバーが、水中での行方不明者捜索に当たりました。

ホルムズ海峡だけではなく、東アジアでも有事の際は中国などが機雷を敷設して米軍や海自の艦艇を封じ込めようとする可能性が高いです。もちろん、ペルシャ湾派遣以降、海自掃海艦艇は「えのしま」型や「うらが」型などの導入により世界トップレベルとなっていいます。人と装備の両方を兼ね備えた海自掃海艦艇が担う役割は大きいです。
"
さて、このような能力を持つ海上自衛隊です。半島有事の際には、この能力を使わない手はないと思います。この記事では、中国と機雷戦になったことを想定しいますが、北朝鮮とて同じです。

もし北朝鮮がブログ冒頭の記事のように潜水艦で機雷を敷設することにでもなれば、北朝鮮の軍港前にも日米の潜水艦によって機雷を撒き、それを公表するのです。同時に北朝鮮の海域で、米潜水艦によって敵軍艦を雷撃してもらい、わざとらしく「機雷が作動したと思われる」とアナウンスするのです。

すると北海軍の防衛ドクトリンがスタートすることになります。彼らは外国軍の潜水艦を近づけ北朝鮮に近づけないように、大量の機雷を撒かせることでしょう。こちらが機雷を撒くと、向こうも機雷を撒くのです。そうしてレバレッジ(梃子作用)が働いて、我が国の自衛行動が数倍の効果を生むことになります。

北朝鮮には撒いた機雷の位置を精密に記録するという訓練も装備もありません。そうして、北朝鮮の製機雷には時限無効化機構もついていません。

自分たちで撒いた機雷により、北朝鮮沿岸は半永久に誰も航行ができない海域と化します。もし、北朝鮮の機雷の数が十分でなかった場合は、日米間で撒けば良いのです。そうして、彼らは様々な商品を船で受け取ったり、送り出せなくなります。

外国船籍の原油タンカーが北朝鮮沿岸には近寄らなくなります(無保険海域となるのでオーナーが立ち寄りを許可しない)結果、北朝鮮沿岸部の都市では、石油在庫はたちどころに闇市場向けに隠匿されて、表の市場には出てこなくなるでしょう。他の生活必需物資も同様です。

およそ精鋭の掃海部隊があったとしても、大量の機雷の除去には数十年を要します。北朝鮮軍にはその準備がないので、北朝鮮は「石油高」「電力高」「輸出ストップ」に長期的に苦しむことになります。闇石油を押さえた軍閥が強くなり、石油を支配していない中央政府と大都市・大工場は逼塞します。この場合、クーデターがおこることも十分に考えられます。

機雷戦のメリットは、いったんスタートすると、核をチラつかせた脅しや、北朝鮮得意の政治的工作をもってしても、事態を元には戻せないことです。

そして、機雷戦がいったん始まれば、北朝鮮沿岸海域は長期にわたって無保険化することが確定するので、戦争の決着がどうなるかとは関係なしに、北朝鮮経済の未来は終わります。一方、日米韓は、たとえ北朝鮮が機雷を撒いたにしても、日本の掃海技術によって、支障が出ることはあまり考えられません。機雷戦がスタートした時点で、日米韓の勝利が決まるのです。

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2017年10月8日日曜日

安倍総理の演説妨害者を説教するおばちゃん、超絶有能―【私の論評】「安倍憎し」ばかりを繰り返すなら、今度はマスコミ、リベラル・左翼全体が崩壊する(゚д゚)!

安倍総理の演説妨害者を説教するおばちゃん、超絶有能

安倍総理が登場した街頭演説で10名ほどの集団が大声で騒ぎ始め、妨害行為を行った。そこに現れたのは1人のおばちゃん。勇猛果敢に妨害者を説教し始める。

まずは当日の様子から。
自民党演説会において「お前が国難」「アベ政治を許さない」などというプラカードを掲げ、「帰れ」とコールする集団が映っている。周囲の聴衆は演説を聞きに来ているのにこの10名ほどの団体がうるさくて仕方がない。

また、集団にはTBSのカメラが密着取材していることも判明。わずかな人数なのにズームで映すことで大勢いるように撮られていると批判の声があがった。これで「100名超の抗議者が」などと報じるのはマスコミの常套手段だ。

森友・加計学園問題はすっかり冤罪と判明したので今度は「国難」というキーワードで安倍総理を責め始めた。もっともその意味合いはよく分からないが…。

さて本題はここから。迷惑な集団に対し勇敢に立ち向かったおばちゃんがいたのだ。

▼安倍やめろと大声でコールする。


▼一体どこから集まってきたのやら。



▼と、そのときおばちゃん目の前に立ちふさがる!そして「うるさい!」と一喝。



▼警察に対して指示を出す様子は超大物。思わぬ事態に集団は硬直してしまった。


攻撃は強くても守りは弱いというのが集団の特徴なのかもしれない。偏屈な連中が1人のおばちゃんに圧倒された瞬間は実に爽快であった。

最後に一句。

TBS、逆から読むと、しばき隊。

【私の論評】「安倍憎し」ばかりを繰り返せば今度はマスコミ、リベラル・左翼全体が崩壊する(゚д゚)!

安倍総理の演説の妨害は、当然良いことではありません。このような妨害行為は、警察署に通報があれば、警察は現場を確認します。そのうえで、注意や警告などがあります。それを守らなければ、最悪謙虚ということになります。交通違反のようなもので一発アウトではないですが、警察の警告を守らなければアウトになります。

都議会議員選挙と違い、今回は国政選挙ですので、政党としても比例名簿を出しているため、公示後は政党党首などに対する暴言行為なども陣営に対する自由妨害になる可能性が高いです。公示前は選挙活動ではないので自由妨害ということにはならなです。

公示後は、見かけたら即通報すべきです。 自由妨害行為は一発検挙案件です。 過去の事例でいえば一発検挙案件であり、このような妨害を見かけたら警察にすぐに通報しすべきです。インターネット上の書き込みも虚偽や誹謗中傷は摘発対象です。こちらも警察などへ通報すべきです。 ルールを守って正しい選挙をすべきです。

さて、私はこうした選挙妨害に限らず「#お前が 国難」「アベ政治を許さない」等のような、キャンペーンは当のリベラル・左翼やマスコミにとっても良い結果を招くことにならないと思います。

これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
リベラル勢力たちの自業自得 「反安倍なら何でもあり」では国民から見捨てられるだけ―【私の論評】マネジメントの原則から見る民進党消滅の要因(゚д゚)!
「立憲民主党」を設立した枝野氏
詳細は、この記事をご覧いただくもとして、以下に少し長くなりますが一部を引用します。

"
旧民進党は、言葉づかいや、関連して扱うスキャンダルの内容は変わるもの、結局8〜9割方が「アベ政治を許さない」という主張でした。これだと、早晩(民進党は)滅ぶ運命だったのです。

 なぜそのようなことになるかといえば、主に3つの理由があります。


第1は、自分たちの使命は「政権や権力と戦うこと」と定義してしまうと、本来の使命を考えなくなってしまうことです。

これは、誰が考えてもわかります。「政権や権力と戦うこと」自体は、手段に過ぎません。「政権や権力」と戦って、相手を潰したり、あるいは弱めたりすれば、自分たちの主張が通りやすくなります。
これは、あくまで自分たちの主張を通すための手段です。戦って、相手を潰したり、弱めた後には、自分たちは何をしたいのか、何をするのかはっきりしていなければ、全く意味がありません。
経営学の大家であるドラッカー氏はリーダーシップと、使命について以下のように語っています。
真のリーダーは、妥協を受け入れる前に、何が正しく、望ましいかを考え抜く。リーダーの仕事は、明快な音を出すトランペットになることである。(『プロフェッショナルの条件』)
ドラッカーは、リーダーシップとは、人を引きつける個性のことではないといいます。そのようなものは煽動的資質にすぎないとしています。まさに、「安倍政治を許さない」は、扇動的キャッチフレーズに過ぎないものです。

また、仲間をつくり、人に影響を与えることでもないといいます。そのようなものは、セールスマンシップにすぎないといいます。小池百合子氏も今のところ、上手にセールスマンシップを発揮しているに過ぎないのです。

ドラッカーはリーダーシップは、カリスマ性でも資質でもないとしています。それでは、リーダーシップとは何なのでしょうか。ドラッカーは、リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることだといいます。

信頼がない限り、従う者はいません。そもそも、リーダーに関する唯一の定義が、つき従う者がいることです。

リーダーが公言する信念とその行動は、一致しなければならないのです。リーダーシップは、賢さに支えられるものではないのです。一貫性に支えられるものなのです。

リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立することである。リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者である。(『プロフェッショナルの条件』)
「アベ政治を許さない」はどう考えても、政党の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確率したものではありません。使命が明らかになっていれば、このようなキッチフレーズが出てくるはずがありません。民進党は、自らの使命を考え抜くことができず、その結果として、目標や優先順位も決められず、基準も定められず、したがってそれを維持することもできませんでした。これでは、崩壊するのが当然です。


第2に「アベ政治を許さない」では、まともな意思決定ができないということがあります。経営学の大家ドラッカー氏は、意思決定について以下のように述べています。
決定においては何が正しいかを考えなければならない。やがては妥協が必要になるからこそ、最初から誰が正しいか、何が受け入れられやすいかという観点からスタートしてはならない。(『経営者の条件』)
決定においては何が正しいかを考えなければならないというのは、別な方面からると、誰が正しいか、誰が間違いであるかを考えてはならないということです。

これは、誰でも理解できます。社会問題を解決したり議論するときに、「誰が正しい、誰が間違い」などと議論することは不毛な結果しか招きません。やはり、「何が正しい、何が間違い」という議論をすべきです。

これは、一見誰にとっても当たり前のことのようにみえます。しかし、本当に当たり前でしょうか。多くの皆さんは、当たり前でない人たちを日々ご覧になっているはずです。そもそも「アベ政治を許さない」というキャチフレーズそのものが、「安倍が間違いで、自分たちが正しい」という前提に立っています。

これでは、まともな意思決定などできるはずはありません。それに、「アベ政治を許さない」というキャッチフレーズは、頭を使わなくても良いということもあります。何か政治信条などに、根ざしたキャッチフレーズだと、それを大勢の人々に理解してもらうには、それなりに説明したり、鼓舞しなければならず、かなり頭をつかいます。

しかし、このようなものでは、「あっ、安倍政権を倒すことが正義」だということで、このフレーズを広めるほうも、受けるほうも、頭をつかうことをしなくなります。まともな意思決定のできない組織はどんな組織であれ、早晩滅びます。


第3に民進党は、「アベ政治を許さない」という信念に凝り固まって、妥協の仕方が下手だということもあります。ドラッカーは次のようにも述べています。
頭のよい人、しかも責任感のある人は、せっかくの意思決定も実行されなければ意味がないと思う。そのため、最初から落としどころとしての妥協を考える。(『経営者の条件』)
安倍総理は、意思決定においては、最初から落とし所の妥協を考えているわけではありません。無論政治の世界には妥協はつきものなので、全く考えないということはないですが、少なくとも、野党と比較するとその度合いはかなり少ないです。

ドラッカーは、妥協について以下のように述べています。
妥協には2つの種類がある。1つは古い諺の「半切れのパンでも、ないよりはまし」、1つはソロモンの裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」との認識に基づく。前者では半分は必要条件を満足させる。パンの目的は食用であり、半切れのパンは食用となる。半分の赤ん坊では妥協にもならない。(『経営者の条件』)
ギュスターブ・ドレ〈知者ソロモン王の裁き〉
実際、民進党をはじめ、野党の多くは、何が国民から受け入れやすいかという観点から、護憲という立場を崩さないことを前提に物事を考え、最初から落とし所を考えるため、北朝鮮の危機にまともに対応できるような意思決定ができません。北朝鮮どころか、国際情勢からかけ離れた意思決定しかできません。
"
以上のように「アベ政治を許さない」などというキャチフレーズでキャンペーンをすることは、民進党自身にとっても良いことではなく、それは民進党の急速な衰退をもたらし、挙句の果てに、民進党の崩壊を招いてしまったのです。

そうして、「アベ政治を許さない」というキャンペーンは、民進党自身だけではなく、日本の新聞・テレビなどのほとんどのメディアもこれに加担しました。

今年の都議選でもこのようなキャンペーンがみられました。これについても、このブログに掲載しました。そのリンクを以下に掲載します。
「左がかった人たち、安倍政権をたたきつぶそうと必死」阿比留編集委員が講演、わが国の将来は―【私の論評】これからマスコミの一部と官僚支配が作る日本最期の厳しい時代がくるかもしれない(゚д゚)!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、マスコミは「アベ政治を許さない」一部の人たちが、選挙妨害しているところを切り取って報道して、結果としてこの人たちを応援しました。

この動きの同一線上に、「もりかけ」問題もあります。とにかく、アベ憎ししか言わない、民進党などの野党にほとんどのマスコミが応援しました。

このような酷いキャンペーンをするマスコミを懸念した、阿比留氏は、この記事で「これからマスコミの一部と官僚支配が作る日本最後の厳しい時代がくるかもしれない」という警告をしています。

しかし、現実はどうだったでしょうか。「安倍憎し」で凝り固まった、民進党が事実上崩壊しました。

結局、「アベ政治を許さない」というキャッチフレーズに凝り固まった、民進党に対し、「アベ政治を許さない」という方針に基づき、様々な応援キャンペーンを繰り返したマスコミは、欠局民進党の劣化を強化し、崩壊をはやめる結果を招いたに過ぎないのではないでしょうか。

マスコミがもう少しまともで、民進党の使命は"「政権や権力と戦うこと」ではない"と批判したり、「アベ政治を許さない」では、まともな意思決定ができない批判したり、"正しい妥協の仕方を学ぶべき"と批判していれば、この状況は変わったかもしれません。

私自身は、民進党がまともになってほしいという考えから、これらの批判を繰り返してきました。なぜなら、民進党のような野党がまともになり、自民党の強敵になれば、自民党も引き締まり、結果として良い政治風土が定着することを期待できるからです。

しかし、マスコミはそのようなことはなく、民進党の考えに迎合するだけで、「アベ政治を許さない」という姿勢で報道を続けました。これでは、欠して民進党を応援することにはなりません。結局、甘やかしているにすぎません。

その結果、マスコミは民進党の崩壊を助長したことにも気付かず、今でもその姿勢は変わっていません。

「#お前が国難」というキャッチフレーズも、「アベ政治を許さない」と根本的には何も変わりません。おそらく、「アベ政治を許さない」ばかりでは飽きられてしまうので、新しい言葉にしただけで、その根本の「安倍憎し」では同じことなのでしょう。

特に、ブログ冒頭の記事にあるように、TBSは都議選のときの報道と同じように、また一部を切り取って報道し、「アベ憎し」の姿勢で報道を続けています。

今後も「安倍憎し」てキャンペーンを続けると、一見リベラル・左派を応援しているようにみえながら、その実破壊することになります。

このブログでは、次の選挙で、民進党は牛歩戦術の後の選挙で崩壊したのと同じ運命を迎えることであろうことを予言しました。その記事のリンクを以下に掲載します。
民進党、お決まりの空騒ぎ 「加計問題」追及も現地視察門前払い、法務委では大騒ぎ―【私の論評】歴史は繰り返す!牛歩戦術で社会党はどうなったか?
「加計学園」獣医学部建設予定地を視察する今井雅人衆院議員(前列左)ら
民進党プロジェクトチームのメンバー=5月19日、愛媛県今治市
この記事で、の結論部分では結論部分で以下のような予言を掲載しました。
第二次世界大戦の敗戦後、初めて議会に進出した日本社会党や日本共産党もまた、牛歩戦術を使うようになりました。日本国憲法が公布され、帝国議会から国会となってから、本格的な牛歩の最初は、野党時代の日本自由党が、大野伴睦の発案で行われました。自民党が政権を握っていた55年体制下では、日本社会党や日本共産党が得意とした戦術であり、その後の自公政権下でも民主党などが行うことがありました。 
ただし、社会党は党としては行わず、議員個人の裁量に任せるという形を取っていました。一回の投票での最長記録は1992年のPKO法案採決阻止を目的とした下条進一郎参院国際平和協力特別委員長問責決議案での13時間8分です。 
ちなみに、社会党が存続していたときには、この「牛歩戦術」を最も頻繁に行ったのは社会党でした。そうして、その社会党はこの最大の牛歩戦術をとった次の選挙では大敗を喫し、その後なくなりました。
衆院本会議場でのPKO協力法案の投票を真剣な表情で見守る傍聴人=1992年6月15日
上の写真は、衆院本会議場でのPKO協力法案の投票を真剣な表情で見守る傍聴人の写真です。傍聴人以外にも、当然のことながら、テレビなどで多くの国民がこれを見守りました。 
その衆人環視ともいえる最中に、社会党は牛歩戦術という審議妨害活動を敢行したのです。社会党としては、自分たちは国民のために、努力している姿を見せたつもりだったのでしょう。そうして、次の選挙で多数の国民は、社会党に厳しい審判を下したのです。 
このように国民から大ききな批判を受けた『牛歩戦術』。 今の民進党は、同じことをしています。  
彼らはここ数年、戦争法案というレッテル貼りや、森友学園問題、加計学園問題という論点が不明確な事で、安倍総理、自民党のイメージ低下を訴求しています。しかし、その根底は「牛歩戦術」と同じ議事妨害を展開しています。
しかし、よく考えてみるべきです。『牛歩』のあと、当時、最大野党だった社会党はどうなったのか、ということを。 歴史は繰り返します。
今回の選挙で旧民進党は事実上崩壊しましたが、それでも、「希望の党」から率候補して、選挙で当選した議員が、民進党に戻るなどして、再度民進党が事実上再建されるかもしれません。しかし、それでも「安倍憎し」をやめなければ、次の選挙までもたず確実に崩壊するでしょう。
この予言は的中したと思います。私は、これと同じような予言は数年前から行っていました。民進党が崩壊しても、リベラル・左翼やマスコミが「アベ政治を許さない」「#お前が国難」という姿勢を取り続ければ、リベラル・左翼全体そうしてマスコミが、今後民進党と同じく崩壊の憂き目にあうことになるでしょう。

そうして、マスコミが「アベ政治を許さない」「#お前が国難」をキャッチフレーズに、効果的にキャンペーンを行えば、行うほど、崩壊のスピードがはやまることになります。その崩壊は、今回のように予測できず、突然発生し、関係者は大いにうろたえることになるでしょう。

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