2011年7月11日月曜日

「暑くなるから揚げ物したくない」 スーパーやコンビニ「節電惣菜」が人気―【私の論評】流通業の業績回復は、業界の素早い対応によるもの?それにしても、コンビでも鶏肉が救世主?

「暑くなるから揚げ物したくない」 スーパーやコンビニ「節電惣菜」が人気

  節電が本格的に始まって、スーパーやコンビニなどでお惣菜食品の売れ行きが好調だ。

   室温が上がる自宅での揚げ物などを敬遠する主婦、職場のサマータイム導入で早めに帰宅するサラリーマンといった消費者の需要を取り込むため、各社は品揃えや販促に力を入れている。

「夕市」「4時からデリカ」「サマータイムセール」
   イトーヨーカドーでは6月29日から、開店から正午までを「朝市」、16〜19時を「夕市」としたタイムセールを、食料品を扱う全国約160の店舗で実施している。夕市では簡単にできる夕食メニューやできたての惣菜を提供していくという。


   ダイエーも「電力供給ピーク時間帯や日中の暑い時間帯のお買い物を避けるといった傾向が見込まれる」として、同様に朝夕で1時間ずつ「サマータイムセール」を関東の74店舗で6月23日から実施。日替わり、数量限定で惣菜や弁当を安売りしている。


コンビニの店内調理メニューも多彩に
   セブン-イレブンでは、から揚げなどの揚げ物が好調という。コンビニ各社はこの夏、家庭での調理を控えたい人や早めに帰宅するビジネスマンの「家飲み」ニーズを想定し、積極的に商品を強化していく方針だ。


   ローソンは「家飲み」のつまみや夕食のおかずとして「炭火焼き鳥」(7月5日発売)を、サークルKサンクスは「家庭の台所支援」と銘打って「焼きとり もも」(7月12日発売)を、それぞれ店内調理のメニューに追加。ファミリーマートは大分県の人気唐揚げ専門店「もり山」のから揚げを5月末に発売している。
ローソン「炭火焼鳥」イメージ

サークKサンクス「焼き鳥もも」

   各社はこういった惣菜以外に、調理時間の少なくて済む「時短メニュー」や冷えていてもおいしく食べられる「冷やしメニュー」の加工食品販売にも力を入れており、食品市場では「節電メニュー」バトルが白熱している。


【関連記事】流通業の業績回復は、業界の素早い対応によるもの?それにしても、コンビでも鶏肉が救世主?

さて、このブログでは過去には、小売業の業績など良くとりあげていましたが、最近は、あまり掲載していなかったので、本日は、掲載します。

最近のデータとしては、日本フランチャイズチェーン協会(JFA)が、6月20日に月度のコンビニエンスストア(CVS)統計調査月報を発表しましたた。調査対象は、JFA正会員CVS本部10社です。

これによると、既存店ベースの売上高は6567億円、前年同月比+5.7%と7カ月連続のプラスとなりました。全店ベース売上高も7120億円で同+7.5%といずれも4月の伸びを大きく上回っています。

店舗数は4万3560店(同+1.6%)、来店客数は既存店ベースで11億2094万人(同1.1%)で2カ月連続プラスとなっています。全店ベース来店客数は12億231万人(同+2.4%)。

既存店平均客単価は585.8円で同+4.5%となり6カ月連続のプラスとなっています。全店ベース平均客単価は592.2円で同+5.0%となっていいます。

米飯類(寿司・弁当・おにぎりなど)、パン、惣菜などの「日配食品」は、前年同月比+1.4%で、全売上高に占める割合は32.4%となっています。

JFAによれば、ゴールデンウィーク期間中の降雨や台風の発生、梅雨入れなどがあったが、売上高には天候による目立った影響はなかったとしています。

飲食業界も、5月時点で、既存店対比を上回る状況になっています。この小売の業績ともあわせると、やはり、日本の景気は上向いているのではないかと思います。

それにしても、最近の小売の対応は早いです。やはり、デフレの中鍛えあげられてきたからだと思いす。顧客の動きをみて、すぐに対応するという習慣ができたのだと思います。

これからしばらくは、いつも売上が下がることを前提としての商売ではなく、上記のように顧客の変化をすばやく捉えていろいろと変えていくということがますます、必要になっていくのだと思います。

それにしても、コンビニ業界では、どこでも、鳥肉に力を入れているんですね。チキンといえば、マクドナルドでもここしばらく力を入れています。

マクドナルド「チキフフィレオ」
KFCでも、瀬戸内はるかさんのCMで、ローストチキンサンドをだしています。


KFC「ローストチキン・サンド」
鶏肉に関しては、やはり、比較的安いし、栄養価もありますし、安心・安全、ヘルシーというイメージが強いということでしょうか?まだ、現状のように電力供給など不安定な時など、供給する側としても、鶏肉であれば、比較的供給しやすいということがあるのだと思います。そうして、スーパーや、コンビニのように、室温が上がる自宅での揚げ物などを敬遠する主婦、職場のサマータイム導入で早めに帰宅するサラリーマンといった消費者の需要を取り込むため、ということもあるのだと思います。

数年前に暑さのため、ピザ宅配の売上げがあがったということがありました。これも、暑い最中家の中で火を使う調理をしたくないという消費者のニーズによるものだったと思います。しかし、これは、デフレの最中であり、確かにあまりに暑すぎたので、消費者側からのニーズによって売上げが上がったのだと思います。

しかし、今回の「節電惣菜」はそうとばかりもいえないような気がします。消費者のニーズも確かにあるのでしょうが、消費者の心理にたくみに働きかけているという要素もあるのではないかと思います。ここしばらく、デフレで、節約意識が高まっている消費者ではありますが、最近では景気の上向き傾向があり、本来もっと出来合いの惣菜を利用したいという心理が消費者の中にあるのですが、まだ、節約意識もあり、両者が相克しているところに「節電惣菜」というネーミングで、消費者にある意味で、「言い訳」を提供しているという側面があるのだと思います。

この「節電惣菜」という言葉、背後にはそうした意味があると思います。誰が最初に考えたのかは、知りませんが、現状の消費を促すという意味では、良いキャッチだと思います。

今後、鶏肉などを使った新たなメニューなど開発すれば、あたるかもしれません。いずれにせよ、最近は、震災など暗い話題ばかり多かったのですが、コンビニや、ファストフードなど、業績が回復しているというのが喜ばしいです。このまま、本当に景気が良くなって欲しいものです。
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2011年7月10日日曜日

菅首相「違法献金」急展開 東京地検 捜査開始―【私の論評】首相の犯罪を法律に照らして、厳格に処分せよ!!

菅首相「違法献金」急展開 東京地検 捜査開始

さて、本日は、菅首相の「違法献金」問題に関して、新たな展開があったので、それを掲載します。
昨日のGendqi.netに上記のタイトルの記事が掲載されていましたので、その要約を掲載します。

●「返却日」をウソついていたことも発覚
菅首相の「違法献金問題」が急展開だ。ついに東京地検が捜査を開始した。首相に違法な献金をしていた人物が聴取されていたのだ。どんなに「菅降ろし」が強まっても居座りつづけてきた首相だが、「政治とカネ」がトドメを刺す可能性が出てきた。

●「国籍を知らなかった」は不自然
菅首相の「違法献金問題」とは、横浜市内でパチンコ店を経営する在日韓国人K氏から109万円の献金を受け取っていたという一件だ。政治資金規正法は、政治家が外国人から寄付を受けることを禁じている。

さらに、首相が虚偽答弁をしていたことをバクロした。

これまで首相は、「3月11日の朝日新聞の報道で初めてK氏が在日韓国人だということを知った」「3月14日に献金を返した」と答弁していた。

ところが、礒崎議員が〈現金を返したのはその日じゃないでしょう。あなたが初めて知ったという3月11日の前日、3月10日に神奈川県の保土ケ谷パーキングエリアで、あなたのスタッフがこっそり返したと、そういう事実を我々は聞いている〉と明かしたのだ。その瞬間、首相は真っ青になっていた。

献金を返したのが、3月14日なのか、それとも3月10日なのかでは、決定的な違いがある。司法関係者が言う。

「首相は国会答弁で、『3月11日の報道を受け、事実関係を調べた結果、K氏が在日韓国人だと確認が取れたので3月14日に返却した』と答えています。あくまで外国人だったとは知らなかったという主張です。もし、知っていて献金を受けていれば、罰則の対象ですからね。でも、本当は事前に外国人だと知っていて献金を受け取り、『週刊朝日』から取材を受け、『これはヤバイ』と大慌てで3月10日に献金を返したのではないか。だとすれば返却日を3月14日だと小細工した理由も納得です。K氏は在日韓国人のなかでは有名人だった。首相が外国人だと知らなかったというのは不自然です」

違法献金の捜査はどう進むのか。カギはK氏が握っている。もし、K氏が「首相は自分の国籍を知っていた」と検察に話したら、首相はアウトだ。

「K氏は首相にカンカンになっているといいます。週刊朝日の記事が出る数日前、菅さんがKさんの携帯に電話し、『なにかあったら帰化したことにして欲しい』と頼み込んだりしたことに不信感を持っているというのです」(事情通)

国会で追及した礒崎議員はこう言う。

「捜査情報をどこから入手したかは、信頼できる筋の情報としか言えない。しかし、この問題は首相の『政治とカネ』という重大問題です。真相を明らかにする必要があります」

国会はK氏を「国会喚問」して徹底的に追及すべきだ。

【私の論評】首相の犯罪を法律に照らして、厳格に処分せよ!!
この問題に関しては、3月時点にこのブロクでも掲載しました。地震によって、この問題は、ほとんど報道されることもなくなり、なぜかうやむやになってしまいました。それに、この問題に対する報道が当初から大地震が起きたにしても、ほとんどないということが不可解でした。

当時のブログに掲載した内容の一部をそのまま掲載します。
昨日地震が発生してから、テレビの報道は、すべて地震ばかりです。しかも、どの局も例外なくそうです。NHKの教育テレビにいたるまでです。確かに、今回の地震は、観測始まって以来の最大のもので、トップニュースであることには違いないと思います。しかし、阪神淡路大震災のときでも、普通の番組は中止して、ほとんど地震の特集のようなものばかりではありましたが、確か私の記憶では、ニュースの時間というものがあって普段の定時のニュースの時間には、普通どおりにニュースとして報道し、無論地震のニュースを手短に述べるとともに、その間には地震だけではなく他のニュースも流していたと思います。 
地震は被災者もあることですし、様々な情報を報道するという意味でも、地震のニュースは、必要ですが、そればかりということはないと思います。これでは、重要なニュースを知ることができない人も多々でてくるのではないかと思います。
私は、今でも、これはマスコミの情報操作ではなかったかと疑っています。 それから、前原前外務大臣の献金問題に関しても、今ではまるでなかったことのようになっています。これも含めて、解明する必要があります。

外務大臣を辞任した直後の前原氏
私は、小澤献金問題では、政治資金規正法がザル法であるため、小澤氏は絶対に有罪にはならないであろうと、踏んでいましたし、その通りになりそうです。しかし、いかにこの法律がザル法だったにしても、外国人の献金に関しては、はっきりと、有罪と記載されてあります。

これに関しては、灰色などの部分はありません。量刑がどの程度になるかは別にして、確かな物証がでてくれば、有罪に持ち込めるはずです。最近は、失点続きだった検察、ここで、何がなんでも、努力して、汚名を挽回して欲しいものです。

それにしても、マスコミ、このことについては、ほとんど報道していないです。このニュースに関して、ネットで検索してみましたが、新しい方の、献金問題である、 菅首相の資金管理団体が、日本人拉致事件の容疑者の親族が関係する政治団体に3年間で計6250万円を献金していたことについて、関する報道はありましたが、その他はみあたりません。

新しい献金問題に関しても、数日前、産経新聞以外には、全く報道されていないことはこのブログでも、掲載しましたが、今回のこの記事に関する報道もほとんどなされていません。本当にマスコミというやつは、どうしようもないです。

菅首相の二重献金問題、受けたのも、提供したのも違法かもしれないというこの現実。普通の人であれば、辞任しますね。しかし、権力志向の菅さん、何がなんでも首相の席に居座ろうとすると思います。はやく、検察が菅さんに引導を渡すように、頑張っていただきたいものです。

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2011年7月9日土曜日

消費増税で日本国家を殺し給う勿れ―【私の論評】日本のデフレに終止符を打つのは、オバマか?

消費増税で日本国家を殺し給う勿れ


「デフレだからこそ増税が必要だ」。消費増税ありきで設置された「政府・与党社会保障改革検討本部 成案決定会合」の場で、与謝野馨氏は驚天動地の珍説を力説しました。

対して民主党の税調責任者は「デフレで震災後の今は、時期的にちょっと」と腰が引けた条件闘争。上げたい側も上げたくない側も、労使のベア交渉レヴェルの小手先議論なのです。

歴史に類を見ない超少子・超高齢社会ニッポンの社会保障を如何に抜本改革するかの議論とは対極。財務省の手の平の上。俎板(まないた)の鯉なのです。

そもそもが羊頭狗肉です。「社会保障改革検討本部」なのに終始一貫、増税議論。デフレ脱却の方策を議論する訳でもなく、遊休国家資産の有効活用を示す訳でもなく、消費増税せねば年金も医療も破綻不可避、と配付資料も“説教強盗”状態。他方で、受給者が200万人を突破し、年間総額3兆円を超えた生活保護制度を如何に再構築するかの提言は、何処にも記されていません。

二百歩譲って、税制改革の議論だとして、古今東西、増税で景気浮揚した国家は何処にも存在しません。

フェア・オープン・シンプル・ロジカル=公正・透明・簡素で理に叶った徴税制度に不可欠な5条件。即ち、きめ細やかな税率設定の付加価値税への転換。中小事業者が泣き寝入りしない為のインヴォイス導入。脱税や二重課税を防ぐ為の納税者番号導入。給与所得者にも確定申告を導入。企業の利益でなく支出に課税する法人税の外形標準化。これらの導入こそが大前提です。

「国民新党・新党日本」の反対を押し切り、菅直人氏出席の下、政府・与党案ならぬ政府・民主党案「了解」に至った6月30日、僕は発言を求め、96年前に与謝野晶子女史が詠んだ詩歌「駄獣の群」を引用し、「君、日本国家を殺し給う勿(なか)れ」と諫言(かんげん)しました。与謝野馨氏は宙を見詰め、驚く勿れ、仙谷由人氏は発言を撤回・謝罪せよ、と激高しました。

「ああ、此国の怖るべく且つ醜き議会の心理を知らずして、衆議院の建物を見上ぐる勿れ。禍なるかな、此処に入る者は悉(ことごと)く変性す」。「われわれの正義と愛、われわれの血と汗、われわれの自由と幸福は最も醜き彼等駄獣の群に寝藁(ねわら)の如く踏みにじらるる」。

烏合の衆以下の、まさに堕落した獣の群と、全国の国民は悲憤慷慨しているでしょう。僕も恥じ入るばかりです。
【田中康夫】
(日刊ゲンダイ2011年7月6日掲載)

【私の論評】日本のデフレに終止符を打つのは、オバマか?
田中康夫氏の言っていることは、ほぼ正論です。デフレで、震災復興の時に、増税するなどということは、どこの国でも、そんなことを言うことはあり得ません。デフレのときは、減税するというのが、まともな主張です。最近は、デフレが収束する傾向もみられますが、それは、原油・食料品の根上げによる、コスト・プッシュ型インフレによるものであり、決して良い形での収束ではありません。

これによる、デフレの収束では、経済にとって何も良いことではありません。この形で、デフレが仮に解消したとしても、実体経済は回復したことにはなりません。

やはり、日本経済がもっと回復するまでは、増税などすべきではありません。私は、何もいつまでも、増税すべきではないなどと言っているわけではありません。もともと、どんな時でも、増税する、どんな時にも減税するということはあり得ません。

もともと、増税の減税の論議は、経済の循環にあわせてやるべきものです。そうです。物の値段が、下がっているとき、すなわち、デフレのときは、減税をしたり、政府が財政出動をしたり、日銀がお金を増刷したり金利を下げたりして、通貨量を増やし金融緩和をするのが、当たり前のことです。

そうこうして、経済が回復し、さらに加熱し今度は、インフレ傾向になった場合は、増税し、政府は、緊縮財政をしたり、日銀が、お金をすらないようにしたり回収して、通貨量を減らし金融引き締めを行うのが当たり前のことです。

これは、高校生あたりでも、理解できる簡単なことです。与謝野さんをはじめとする民主党の面々は、こんな簡単なことも理解できない馬鹿だということです。

与謝野さんなどの、増税論の有力な根拠となっている、日本国借金論ですが、これは完全に間違いです。正しくは、日本政府の借金です。それも、900兆円もあるとされていますが、それも間違いです。実は、日本国政府は、世界で一番金融資産を持った政府です。これを相殺してみれば、日本政府の借金は、さほどのレベルではありません。それに、日本国としては、世界にもっともお金を貸しているいる金貸し大国です。日本の対外金融資産残高は、直近の数字で、266兆円で、これは、世界一です。しかも、その世界一の座を過去20年間も保ち続けています。こんな当たり前の簡単なことを今更、ここに掲載しなければならないこと自体が情けないです。

この点では、対外債務が国の経済規模からみれば、膨大にあったギリシャなどとは根本的に異なります。このあたりは、このブログで何回も掲載してきたことなので、ここで同じことを書くのは、面倒なので、過去に、このことについて、これ以上は分かりやすくは書けないというところまで、話を簡単にして掲載した内容がありますので、是非それを参照してください。

その内容を読んでいただいた後で、現在の増税論議など全く異常どころか、馬鹿げていることが良くお分かりになると思います。仮に、この簡単な内容をご覧になっても、まだ、疑問が残る方々は、是非私に質問してください。下の、コメント欄でも良いですし、メールでも受け付けます。私自身は、この単純明快な理屈を隅から隅まで、理解していますから、必ず納得のいく解答をさせていただきます。

上の論議、本当に田中さんがおっしゃっている通りの、労使のベア交渉レヴェルの小手先議論です。この程度のマクロ経済も理解できない連中が、増税論議するなど全くの的外れで、その点で、田中さんのいうことは、全く正論です。本当に困ったものです。こんな常識もわからない、連中が日本経済の舵取りをしようとしていると思うと、本当に、田中さんが「駄獣の群」を詠みたくなる気持ちが良くわかります。それに対して、仙谷由人氏が、激昂するとは、もう、二の句を継げませんナァ。もう、馬鹿という前に、悲しくなります。

しかし、この状況、このままでは、どう考えても、解消されそうもありません。このままでは、本当に、直近で増税されてしまいそうです。そうなれば、誰にでもわかることてずが、またデフレ傾向に落ち込み、経済は落ち込むのは、目に見えています。余計なことをせずに、黙って、当たり前のことをやっていれば、日本の景気は復活するはずです。震災復興は、この景気復活に弾みつけることは、あっても、妨げにはなりません。

しかし、与謝野さんをはじめとする、民主党の増税論者達は、日本経済にとって、最も危険な要素です。しかし、このままでは、彼らの言うとおり、増税に踏きり、日本は、失われた30年に突入するかもしれません。これは、野党の自民党が、政権交代に成功しても同じことかもしれません。もともと、与謝野さんは、自民党の人間でしたし、自民党の中には、与謝野さんと似たような考え方をする人も多いですし、あろうことか、総裁の谷垣さんその人が、増税論者です。

もう、日本経済は永遠に復活することができないかもしれません。しかし、ここにきて、様相が変わってきています。それは、何かといえば、アメリカ経済です。アメリカは、金融危機、リーマンショックなども、素早く公的資金などどんどんつぎ込み、立ち直りも早かったです。その後、多くの人が、アメリカ経済がよくなるだろうと、楽観的な見通しを持っていたようですが、そうではないようです。

8日に発表されたアメリカの先月の雇用統計によりますと、失業率は前の月に比べて0.1ポイント上昇し、9.2%と3か月連続の悪化となりました。また、景気の動向を敏感に映し出す農業以外の分野で働く人の数が1万8000人の増加にとどまって、10万人程度の増加を見込んでいた市場予想を大幅に下回り、景気の先行きに対する懸念が強まっています。

私自身は、経済の復元力の原則からいって、アメリカはここしばらく、内需主導型の景気浮揚はなかなかできないと思います。おそらく、ここ数年は無理でしょう。実は、この事実が、日本経済にとって、救世主となる可能性が大なのです。

このことに関しては、以前のブログでも掲載しましたので、詳細はそれを見ていただくきこととして、以下にその記事のURLを掲載しておきます。


詳細は、上記の記事を読んでいただくものとして、下にその一部分をコピペしておきます。
しかし、最近のアメリカから出された景気の統計などをみると、その楽観的な見通しは間違いであることがはっきりしてきました。そうです。GDPの予想はもとより、雇用も改善されていません。 
これは、アメリカの経済の復元力からいって、ここ数年は、景気、特に、アメリカの国内の景気は、悪くなるとみるのが妥当です。要するに、ここしばらく、やってきたアメリカの内需拡大策は効果がでていないし、これからも、難しいということです。 
だからこそ、オバマ大統領は、ここ数年、外需主導でアメリカの経済を短期間でも良いから、底上げしたいのです。そうなれば、現在、その可能性がある国は、日本です。震災による需要は、期待できるし、経済の復元力による内需の拡大が期待できます。そうして直近で内需拡大で景気の浮揚が期待できるのは日本だけです。
・・・・・・・日本が、外需主導型ではなく、内需主導型での景気浮揚をして、本来の姿を取り戻せば、海外からの輸入も増え、世界経済に良い影響を及ぼします。そうなると、アメリカも輸出しやすくなります。アメリカが輸出を増やすためには、ドル安、円高の状態が望ましいわけです。そのため、アメリカは、ドル安傾向にもっていくため、アメリカのデフォルトを演出するなどの手を打っています。このへんのところも、前回のブログを参照してください。 
現在日本の政局は、最低の状況で、菅内閣に任せておけば、復興も、景気回復もままならないなどということがいわれており、私自身も、このままでは、せっかくの千載一遇のチャンスに恵まれているのに、このままでは、さらにデフレ状況が続き、失われた30年、50年ということが続くかもしれないという危機感をいだいていましたが、今度ばかりは、そうではありません。 
菅内閣、あるいは、次の内閣が、復興や、日本の景気回復にもたついていれば、いままでは、野党の攻撃にさらされるだけですみました。しかし、今度ばかりはそうではないということです。 
もし、景気回復がもたつけば、オバマが黙ってはいません。そんなことになりそうであれば、今後、アメリカは、内政干渉ぎりぎりの圧力をかけてくることになることでしょう。そうなれば、日本政府は、なぜアメリカがこんなことを言い始めたのかを判断しかねて、丁度尖閣での、中国漁船の日本巡視艇の体当たりのときのように右往左往し、慌てふためくことでしょう。 
場合によっては、それが、政局にかなりの影響を与えるかもしれません。しかし、結局はアメリカ側の意図を受け入れることなります。そうなれば、景気を落ち込ませるようなバカ真似は簡単にはできなくなります。
さて、今回ばかりは、与謝野さんを初めとするマクロ経済音痴が、珍妙なことをいって、日本経済をダメにするようなことがあれば、オバマが黙っていないでしょう。なにせ、オバマには、来年の大統領選挙には、必ず勝たなければならなからです。そのためには、アメリカ国内の内需主導型がだめであれば、アメリカ製品の輸出を増やすなどの外需主導型であろが何であろうが、一時的にでも、経済を良くして、何がなんでも雇用を回復しなければならならないわけです。

そういった意味では、オバマは日本のデフレに終止符を打つ人物になる可能性が大です。それにしても、情けないです。このような偶発的な外圧でもない限り、日本の経済の回復が期待できないなんて。もう、いい加減に、マスコミも、財務省も、それに政治家も目覚めて欲しいです。無論、政治家も全部が増税論者というわけではないですが、少なくとも、外国の大統領に内政干渉されて、はじめて、日本国内の経済がまともになるなんて情けないことだけは、やめていただきたいものです。復興に伴う日本の新しいビジョンや、景気回復のビジョンなど高らかにあげていただき、それこそ、外国の手本になるように日々の仕事にまい進していただきたいものです。

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2011年7月8日金曜日

【ニュースの読み方】永田町とマスコミ、真夏のミステリー「新献金問題が全く報道されない不可思議?」―【私の論評】屑民主と、屑マスコミ終了しました!!もう、その役割は実質上終了しました!!

【ニュースの読み方】永田町とマスコミ、真夏のミステリー「新献金問題が全く報道されない不可思議?」


皆さん、上の動画のニュースの詳細を以下に掲載します。私自身は、このニュース、産経新聞を読んでいたので、知ってはいたのですが、いずれ他社も報道を開始して、とてつもないことになるだうと、思っていたのですが、とうとうそうはなりませんでした。
菅首相側が6250万円献金…北の拉致、容疑者親族の周辺団体(7月2日産経新聞)
菅直人首相の資金管理団体「草志会」が、北朝鮮による日本人拉致事件容疑者の親族が所属する政治団体「市民の党」(東京、酒井剛代表)から派生した政治団体に、計6250万円の政治献金をしていたことが1日、分かった。年間の献金限度額上限の5千万円を支出した年もあり、大口の献金者だったことがうかがえる。政府の拉致問題対策本部長でもある首相側の献金先としては「不適切」との批判を受けかねない。 
菅首相側が献金していたのは、「市民の党」から派生した政治団体「政権交代をめざす市民の会」(神奈川、奈良握(にぎる)代表)。 
「めざす会」は市民の党の酒井代表の呼びかけで平成18年に結成され、奈良代表も市民の党出身。めざす会には、市民の党の名を冠する会派に属している複数の地方議員が年間計1千万円近い政治献金をしているほか、事務担当者が同一だった時期もある。 
政治資金収支報告書によると、草志会は19年に5千万円、20年に1千万円、21年に250万円をめざす会に寄付している。19年の5千万円は資金管理団体から政治団体に献金できる上限額。この年は、めざす会の収入の6割近くが草志会の寄付だった。市民の党をめぐっては14年6月、横浜市議2人が市議会本会議で議場内の国旗掲揚に反対し、議長席と事務局長席を占拠して6時間近く議事を妨害した問題が起きている。 
一方、市民の党には日本人拉致事件の容疑者の親族が所属。この親族は、昭和55年に石岡亨さん=拉致当時(22)=と松木薫さん=同(26)=を欧州から北朝鮮に拉致したとして結婚目的誘拐容疑で国際手配されている森順子容疑者(58)と、よど号ハイジャック犯の故田宮高麿元リーダーの長男(28)。長男は北朝鮮で生まれ、平成16年に日本に帰国するまで現地で生活していた。今年4月の東京都三鷹市議選に市民の党から立候補したが、落選している。 
市民の党には、民主党の黒岩宇洋(たかひろ)法務政務官の関係政治団体も21年に計約400万円の政治献金を行っており、自民党の河井克行衆院議員らが今年5月の衆院法務委員会で「(長男は)20歳のときまで北朝鮮にいた。どのような教育を受けたかということは容易に想像がつく。そういう人を公認したのが市民の党だ」などと指摘している。 
市民の党の酒井代表は取材に、「菅首相とは30年ぐらい前からの付き合い。寄付については出している側に聞いてほしい」、めざす会の奈良代表は「首相と会ったこともないし、詳しいことは分からない」と話した。 
菅直人事務所は献金について、「当時の党の役職者(代表代行)としての責任において、職務遂行の一環としてのものであり、法に則(のっと)り適正に処理している」とコメントしている。 
拉致容疑者親族周辺団体へ献金 鳩山前首相側も1000万円(産経新聞7月3日)  
菅直人首相の資金管理団体が、日本人拉致事件の容疑者の長男(28)が所属する政治団体「市民の党」(東京、酒井剛代表)から派生した政治団体「政権交代をめざす市民の会」(神奈川、奈良握代表)に6250万円の政治献金をしていた問題で、鳩山由紀夫前首相の資金管理団体「友愛政経懇話会」も平成19年に1千万円の献金をしていたことが2日、分かった。民主党の首相経験者がそろって多額献金をしていたことで、同党の拉致問題に対する姿勢が改めて批判されそうだ。 
政治資金収支報告書などによると、友愛政経懇話会は、めざす会に19年に1千万円を献金。この年には菅首相の資金管理団体「草志会」も5千万円を寄付していた。 
当時、鳩山前首相は党幹事長、菅首相は党代表代行で、そろって党要職に就いていた。 
また「民主党東京都総支部連合会」(東京都連)も、20年に600万円をめざす会に献金。当時の都連代表は菅首相だった。 
献金について、鳩山由紀夫事務所は「当時の役職者としてのものであり、政治資金規正法にのっとり適切に処理されている」とコメントしている。東京都連からコメントはない。 
市民の党には、昭和55年に石岡亨さん=拉致当時(22)=と松木薫さん=同(26)=を欧州から北朝鮮に拉致したとして結婚目的誘拐容疑で国際手配されている森順子容疑者(58)と、よど号ハイジャック犯の故田宮高麿元リーダーの長男が所属。長男は今年4月の東京都三鷹市議選に市民の党から立候補したが落選している。 
めざす会は、市民の党の酒井代表の呼びかけで平成18年に結成され、奈良代表も市民の党出身。めざす会には、市民の党の名を冠する会派に属している複数の地方議員が年間計1千万円近い政治献金をしているほか、同一人物が事務担当者を務めていた時期がある。 
めざす会をめぐっては、草志会が19年に5千万円、20年に1千万円、21年に250万円を寄付しており、拉致被害者家族から批判の声が上がっている。
【私の論評】屑民主と、屑マスコミ終了しました!!もう、その役割は実質上終了しました!!
上の二つのニュース、ご存じの方は、ご存知だと思うのですが、それにしても、産経新聞以外では全く報道されないので、少し、時期は遅れましたが、私のブログでも掲載し、論評しようと思います。

まあ、結論から言ってしまえば、屑民主も、屑マスコミももう日本では終了したといっても良いと思います。もう、その役割は実質上終わっており、このまま継続すれば、多くの人々にとってますます、害悪を与えるだけの存在になり下がったようです。もう、どちらも、継続は不能と思います。いや、継続させてはなりません。

民主党に関しては、次の選挙では、完敗でしょう。というより、有権者の総意で何がなんでも、完敗させなければなりません。

それから、マスコミに関しては、最近の若者は、新聞も読まないですし、テレビもみません。これは、喜ばしい現象だと思います。先日も、会社の昼食の時にで何人かの人に聴いてみましたが、40歳台以上の人は、テレビをみますが、20歳台では、ほとんど見ないという人が多いです。18歳でも、ほとんどみないそうです。もう、テレビも新聞も老人メディアなのだと思います。

これらの年代が世の中の中心になったときには、今のマスコミはほとんど姿を消していると思います。いや、そうしなければならないと思います。もう、日本のテレビや新聞を読んでいると、経済もそうですし、社会も何も分からなくなってしまいます。まだ、外国のそれを見ていたほうが、外国のそれは、立場がそれぞれ異なるものの、当該国の利益のために報道しているということを理解して見れば、物事が良く理解できます。

どうして、日本の政党や、報道機関はここまで堕落したのでしょうか?これからの時代は、新聞、テレビなども、正しい報道がなされているかどうか、きちんと裏を取ることは無論のこと、意図的に報道しないことにまで、気を配らなければならないということです。

しかし、そのようなことばかりしていれば、一般の人は、余計な時間をかかってしまうばかりであり、このままだと、だいたいまともな報道をするメディアに多くの人がシフトすることでしょう。実際、私もそうです、最近では、テレビはほとんど見ないですし、新聞は、産経のデジタル版のみです。他の情報は、もっぱら、サイトから入手しています。

これは、10年前に外国と日本を数年おきに行き来する方が語っていたことですが、日本で、日本の新聞を読んでいると、日本の経済が良くわからなくなると語っていました。この話を聴いたときは、あまり深刻に受け止めなかったのですが、ここ数年は、この方の語っていることが身にしみて良くわかるようになりました。

このブログでも、過去にマスコミ報道の虚偽を多数掲載していますが、上記の内容から、本当に日本のマスコミは、終了したと思います。

現在の政権など、歴史の悠久の流れの中に咲いた一時の徒花に過ぎません。1,000年に一度の震災も、悠久の歴史を持つ我が国の歴史からみれば、ほんの一時のことに過ぎません。天皇制をはじめとする私たち日本人の日本の伝統文化、それに勤勉で実直な国民性は、古から今に至るまで、継承されてきましたが、これからも悠久の歴史の中に燦然として輝き続けるどころか、さらに輝きを増すことでしょう。そうして、こうした勤勉と実直さを強く継承してきた東日本の人々も近いうちに、復興をなしとげ、悠久の歴史の中で共に燦然と輝くことになることでしょう。

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2011年7月7日木曜日

復興需要本格化、新司令塔登場で「9月末にも1万1000円回復」との見方も―【私の論評】日本の景気回復の救世主は復興需要だけじゃない!!

復興需要本格化、新司令塔登場で「9月末にも1万1000円回復」との見方も
復興需要で宮城は2・1倍 5月の中古車販売台数
先週末、東京市場は日経平均が約2カ月ぶりに9900円を記録。

夏本番。震災以降、重苦しい雰囲気に包まれてきた株式市場に、強気論が台頭、期待感が高まっている。

「その最たる要因は外部環境の改善です。6月末にギリシャ議会で中期財政計画が可決され、デフォルト懸念が遠ざかりました。米国市場も活気づいている。ギリシャ不安の解消に加え、米サプライマネジメント協会が発表した6月の製造業景況感指数が改善したことで景気減速への警戒感がやや後退したことから、1日のNY市場は5日続伸、前日比168ドルの大幅高でした。先週1週間の上げ幅は648ドル(5.4%)にも達した。この上げ幅は実に2年8カ月ぶりの記録です」(市場関係者)

先週末(1日)の東京市場は、日経平均が一時9900円を回復した。5月11日以来である。ファナックが11年ぶりに1万4000円台を回復するなど明るいムードが漂う。この先発表される5月の景気動向指数や機械受注統計の数字が改善されれば、ガ然、期待感が高まりそうだ。

こうした流れの中、専門筋の見方も強気論が目立ってきた。武者リサーチ代表の武者陵司氏は先月末、こう言っていた。

「株式市場は7月以降、サマーラリー(夏の上昇相場)に突入する公算が大きく、日経平均株価は9月末にも1万1000円台を回復する可能性があるとみている。大震災後の復旧は急ピッチで進み、秋口には震災前の生産水準に戻ることはほぼ確実だ。第2次補正予算のめどがつく8〜9月以降、復興需要が本格化してくる。日本の景況感は急回復するが、株価は上場企業の6割がPBR1倍以下という空前の割安状態にある。また、菅直人首相退陣により新たな司令塔ができ、復興対策が加速することも好材料となろう。消費税増税などの懸念要因はあるものの、著しく評価が低い日本株の新たな悪材料にはならないとみる」

猛暑続きでサラリーマンには厳しい日々が続くが、投資家にはホットな季節が訪れたということか。

(日刊ゲンダイ2011年7月4日掲載)

【私の論評】日本の景気回復の救世主は復興需要だけじゃない!!



上の動画は、日本復興は原発再稼働が鍵という4月時点での、鈴木淑夫氏のものです。この動画では、主に地震の復興について、語っています。私は、今回もし震災が起こらなくても、日本はそろそろ、実体経済が回復基調に向かっていたのではないかと考えています。

そうして、今回の地震は、その回復基調をさらに加速することはあれ、逆行させることにはならないです。それと、このブログにも掲載した要因で、今回の景気回復は間違いと思います。その要因とは、日本の国内経済の復元力によるものです。復元力とは、景気が良い時期が続けば、その後悪い時期が続く、逆に景気が悪い時期が続けば、その後良い時期が続くというものです。

この原則は今まで、敗れたことはありません。これは、昔から繰り返されてきたことであり、景気が悪い時期が長く続くと多くの人が悲観的になり、不景気はいつまでも続くと思い込み、逆に景気が良い時期が続くと、その好景気が永遠に続くと多くの人が楽観的になります。しかし、そのようなことはありえません。

日本であれば、20年間にわたって、デフレ基調が続きました、その間小渕、麻生内閣を除いては、すべて緊縮財政を行ない、公共工事は全部が、ハコモノ行政と同じで、すべからく悪とされ、かなり縮小されてきました。そうして、20年たってみると、整備すべき橋、トンネル、道路などがそのままにされ、耐用年数をすぎかけ、いずれ、落ちる橋、崩壊するトンネルなどが出てくる可能性が大です。

そうなれば、いやがおうでも、公共工事を増やさざるをえないなどのこともありますし、この20年間のデフレで、消費者の間に節約の意識が高まり、場合によっては、必要なものでも、控えていたもを購入するようになり、景気は上向いていきます。そんなところに、震災が発生し、震災の復興のためには、様々な投資が必要になることから、これは、いろいろな条件が重なり、日本の景気はこれから良くなることは必定と見るべきです。

以前掲載したブログでは、この景気は、本来は、現政権による緊縮財政により駄目になる可能性があったのですが、この確率も著しく減りました。日本は、まだまだ、デフレ傾向にあるのは間違いなく、さらに、直近でデフレが解消される見込みもでてきましたが、それは、実体経済の回復によるというものではなく、原油、食料品などの値上げによる、コストプッシュ型インフレによるものであり、これは、実体経済にとって決して良いことではありません。

こうした傾向が続いているときに、たとえ、デフレが解消される傾向がみられたからといって、増税すれば、経済はかなり冷え込み、失われた20年が、30年、50年になったかもしれません。まさに、運が悪ければ、そうなったかもしれません。

しかし、その日本に、救世主ともいうべきことが二つ重なって起きたのです。それは、まずは、震災です。震災に関しては、被害にあわれたかたは、誠にお気の毒で、残念のことには違いないのですが、震災の復興には必ず復興需要というものがあります。これがまずは、日本にとっての一番目の救世主ということになります。

しかし、これだけだと、民主党の経済の舵取りや、原発対処の方法がまずくて、景気が回復しないうちに、電力供給不足や増税などがあって、なんとなく、復興が終わってしまい、尻切れトンボのような結果になってしまったかもしれません。

しかし、今回は、都合の良いことに、来年の秋にアメリカで、大統領選挙があります。そうして、これは、以前のブログにも書いたのですが、オバマ大統領は、選挙に勝つためには、今年から来年に欠けて、是が非でも経済を良くして、雇用を改善して、有権者の支持をとりつける必要があります。

そうして、アメリカの経済を振り返ってみると、金融危機前までは、日本などから比較すれば、景気の良い状況が続いていました、いっとき落ちたとしても、日本などから比べれば、軽微なもので、金融危機、リーマンショックなども、公的資金をどんどんつぎ込んで、あっという間に回復基調まで、もっていきました。そうして、多くの人がいずれもっと景気はよくなるだろうと楽観的な観測をしていました。

しかし、最近のアメリカから出された景気の統計などをみると、その楽観的な見通しは間違いであることがはっきりしてきました。そうです。GDPの予想はもとより、雇用も改善されていません。

これは、アメリカの経済の復元力からいって、ここ数年は、景気、特に、アメリカの国内の景気は、悪くなるとみるのが妥当です。要するに、ここしばらく、やってきたアメリカの内需拡大策は効果がでていないし、これからも、難しいということです。

だからこそ、オバマ大統領は、ここ数年、外需主導でアメリカの経済を短期間でも良いから、底上げしたいのです。そうなれば、現在、その可能性がある国は、日本です。震災による需要は、期待できるし、経済の復元力による内需の拡大が期待できます。そうして直近で内需拡大で景気の浮揚が期待できるのは日本だけです。

このあたりに関しては、詳細は、以前のブログを読んでいただきたいです。日本が、外需主導型ではなく、内需主導型での景気浮揚をして、本来の姿を取り戻せば、海外からの輸入も増え、世界経済に良い影響を及ぼします。そうなると、アメリカも輸出しやすくなります。アメリカが輸出を増やすためには、ドル安、円高の状態が望ましいわけです。そのため、アメリカは、ドル安傾向にもっていくため、アメリカのデフォルトを演出するなどの手を打っています。このへんのところも、前回のブログを参照してください。

円高、ドル安で、日本の内需拡大が進めば、アメリカとって、輸出がしやすくなる条件が揃うため、いまのアメリカは、日本の景気の浮揚を強く望んでいます。これが、日本の景気回復の第二の救世主となります。

アメリカというより、オバマ大統領は、アメリカの外需主導型の景気回復、すなわち、輸出の振興を強く望んでおり、それを達成するためには、日本の内需主導型の景気回復は是が非でも達成されなければならいというわけです。これを実現するため、ありとあらゆる手段を講じることでしょう。

現在日本の政局は、最低の状況で、菅内閣に任せておけば、復興も、景気回復もままならないなどということがいわれており、私自身も、このままでは、せっかくの千載一遇のチャンスに恵まれているのに、このままでは、さらにデフレ状況が続き、失われた30年、50年ということが続くかもしれないという危機感をいだいていましたが、今度ばかりは、そうではありません。

菅内閣、あるいは、次の内閣が、復興や、日本の景気回復にもたついていれば、いままでは、野党の攻撃にさらされるだけですみました。しかし、今度ばかりはそうではないということです。

もし、景気回復がもたつけば、オバマが黙ってはいません。そんなことになりそうであれば、今後、アメリカは、内政干渉ぎりぎりの圧力をかけてくることになることでしょう。そうなれば、日本政府は、なぜアメリカがこんなことを言い始めのかを判断しかねて、丁度尖閣での、中国漁船の日本巡視艇の体当たりのときのように右往左往し、慌てふためくことでしょう。

場合によっては、それが、政局にかなりの影響を与えるかもしれません。しかし、結局はアメリカ側の意図を受け入れることなります。そうなれば、景気を落ち込ませるようなバカ真似は簡単にはできなくなります。それに、上の動画でも言われているように、日本復興の鍵である原発の再稼働について、ノラリクラリとしていれば、内政干渉ギリギリの圧力をかけられることになるでしょう。

さて、このような観点から、今後、景気は間違いなく良くなります。しかも、過去にもあったように、1~2年外需主導型で少し上向き、多くの人々に「実感なき景気浮揚」などいわれた、過去のようなものとは、一線を画した、内需主導型で、多くの国民が実感できる景気浮揚であり、しかも、短くても3年、長ければ5年以上景気の良い時期が続くことが確実です。

そうなれば、企業の経営方式も大幅に梶を切り替えなければなりません。そうです、今までだと、経済があまり成長しなくても、やっていける体制を整えることに注力してきたのですが、今後は、本当の意味での成長戦略が必要になってくるということです。
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2011年7月6日水曜日

Google+との連携でPicasaウェブアルバムの無料容量が無制限に!―【私の論評】これって凄すぎませんか?といいつつ、やっぱりfacebookへの対抗措置か?

Google+との連携でPicasaウェブアルバムの無料容量が無制限に!


話題の「Google+」のおかげで、Picasaユーザーに朗報です。Google+のアカウントを持っている・いないに関わらず、今なら容量無制限でPicasaへ写真をアップロードできます。15分以下の動画に関しても同じく無制限です。さらに、新しい写真タグ機能では、Google+の友だちのタグを、公開している写真へ自動的に付けてくれます。

Picasaウェブアルバムは、これまで写真やビデオの容量が1GBまで無料で、特定サイズ以下のファイルは、この無料の容量制限にカウントされていませんでした。Google+ユーザーであれば、2048×2048ピクセル以下の画像、15分以内の動画は同じくカウントされません。Google+ユーザーでない場合、画像サイズは800×800ピクセル以下になります(ビデオのサイズは15分以下で変わらず)。

容量の制限を超えて、これらのサイズ以上の画像をPicasaにアップロードしようとすると、Googleは自動的にリサイズしてしまいます。よって、結局無料の容量は無制限ということになるのです(希望のサイズでのアップロードはできない、もしくは有料ということに)。

また、Facebookのようにソーシャルタグ付け機能を追加するために、GoogleはPicasaとGoogle+を統合しました。あなたのGoogle+のネットワークにいる人が、共有されているPicasaアルバムの中にいると、タグ付けされます。タグの付与や削除、タグを自動で付けるかどうかは、設定で変更可能なので、ご安心ください。

【私の論評】これって凄すぎませんか?といいつつ、やっぱりfacebookへの対抗措置か?
Google+については、このブログにも掲載しました。私も、まだ、申し込みをした段階で、まだ使ったことはできないので、論評はできません。しかし、日本での発表、そうして、現在アメリカで使われてGoogle+の機能に関して、これらは、全体の中の個々のパーツに過ぎないようです。Wiredのスティーヴン・レヴィー記者がGoogle+を内部で1年以上追っかけてきて、内部情報をスクープ(リンク先英語ですが)しています。彼いわく、Google+は社運を賭けた試みなんだそうです。以下Wiredから一部抜粋です。
今回コードネームEmerald Seaとして開発されたもの(Google+)は、みっちりとしかし高い緊急度で取り組まれ、Googleのほとんど全製品を巻き込んできました。数百人のエンジニアが関わり、新CEOラリー・ペイジも極めて重視しています。 
今回アナウンスされたパーツはGoogleの計画のごく一部に過ぎません。実はGoogleはすでに、大きなソーシャル戦略のパーツをひっそりと世に出しつつあるのです。Googleのソーシャル戦略に関連して100以上ものローンチがあり、一部のローンチに関する評価が思わしくなくても、Emerald Seaのチームリーダーたちはくじけませんでした。ドラマチックでないのも計画のうちです。Googleは、こうしたパーツを全体戦略の中に位置づけるのを意図的に避けてきたのです。 
そして今回、Google+の主要パーツのアナウンスで、全体戦略が明確に始動しました。でもこれすら、戦略の大きさから見れば静かなものかもしれません。なぜならこれもGoogleがより「人間中心」に変わっていく長い道のりのほんのひとつのマイルストーンに過ぎないからです。 
「我々はGoogle自体をソーシャル・デスティネーションに変化させていきます。我々が試みなかったようなレベルとスケールになるでしょう。その規模は、人員投入という意味ではこれまでのどんなプロジェクトではなかったほどです。」Googleのソーシャル戦略を率いているヴィック・グンドトラさんは語ります。 
Wiredでは、Facebookの台頭についてGoogleがどんな危機感を持ったかが書かれています。Googleが恐れたのは単にユーザーを奪われるというレベルのことではなく、自社の存在理由に関わることでした。Facebookの普及によってネット上の情報が人間中心に再構成されつつあり、Googleが創業時からミッションとしてきた「世界中の情報を整理する」ことについて、このままではFacebookの方が長けている状態になりうるのではと恐れたのです。 
言い換えれば、Googleが取り組もうとしているのはソーシャルネットワークだけの問題ではないということです。Twitter上でティム・カーモディ氏が指摘するように、「Googleはソーシャルについては実は気にしていない。Googleはアイデンティティのことを気にしている。ソーシャルは(今ある形では)末端への手段に過ぎない」のです。そして「ソーシャル、アイデンティティ、アプリ、ブラウザーがみんなつながっているのは偶然ではない。今は、Appleと同じように、Googleが全体を仕切れる状態になっている。」とも言っています。 
つまりGoogleにとって怖いことは、みんなが使うソーシャルネットワークとしての座をFacebookに独占されてしまうことではありません。ユーザーのアイデンティティを独占されてしまうことなのです。 
Googleはユーザーについて知りたいと考え、そしてユーザーが自分について知るのを手助けしたいのです。そしてユーザーが自分が何者かとか、何が好きかを友達や家族や同僚や世界中に見せるときに向かう場でありたいのです。
Googleの思いはさておいて、やはり、Googleは、facebookをかなり意識していることは間違いないと思います。私は、facebookを利用していますが、最近、写真といえば、すぐにfacebookにアップロードしています。picassaは、容量制限があったのでほとんど使っていません。また、写真の編集でも、piccaseなどより、picnic(現在Google傘下)のほうがはるかに使いがってが良いので、最近では、もっぱらこちらのほうを使っています。このブログの冒頭の写真も、これで編集しています。

iPhoneで撮影した写真は、たいていは、バソコンに保存して、picnicで編集したり、しないものでも、facebookに一旦送ってしまうというようになっています。あまり意識したことはないのですが、facebookは、おそらく、容量無制限なのではないかと思います。これも、facebookの大きな魅力ではないかと思います。

だからこそ、今回、Google+と、Picccasaを一体化し、さらに、容量無制限としたのだと思います。facebookを使う前だと、evernoteだとか、skydriveだとか、いろいろなストレージに写真をアップロードしていて、どれが、どれだか判らない状況になっていましたが、facebookでは、アルバムなどつくりそれにアップロードしていますし、なにせ、容量無制限なので、安心です。

さて、これで、Google+は、facebookと十分張り合えるような、ソーシャル・メディアになったのではないかと思います。この無制限というとことろが、鍵ですね。どんなサービスであっても、容量制限があっては、安心してつかえないですし、今後、写真など個人のものは無料でクラウドに保存するのが当たり前という時代になると思います。

iPadや、Android端末が普及すれば、これらの機器は、容量が少ないのが普通なので、、ますます、この傾向は加速されると思います。

さて、Google、こうしたサービスを含めて、どのようにして、ユーザーのアイデンティティーをどうやって獲得していつもりなのでしょうか。今まで、低調だった、ソーシャルも、Google+の登場をもって、ようやっと本格化してきたと思います。

私自身、しばらく前は、Googleが自分の生活の中にかなり浸透していて、確かに自分の愛ディンティテーの一部であるような気持ちがしました。最近では、facebookがそうなりつつありましたが、Google+を使い始めれば、また、逆転するかもしれません。日本では、mixiが、アイデンティティーのよう人も多数いるのでしょうが、私の場合は、そうはなりませんでした。

いずれにせよ、Googleが社運をかけるほど、ソーシャルに力を入れているということは良いことだと思います。ユーザーにとって、さらに、選択肢が広がるということで、良いことだと思います。

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2011年7月5日火曜日

民主党梶川ゆきこ氏が宮城県知事を批判「復興利権がほしくてヨダレを垂らし、腹を空かせて待ってる狼ども」―【私の論評】社会を理解しようとしない者は、社会から隔絶される!!

民主党梶川ゆきこ氏が宮城県知事を批判「復興利権がほしくてヨダレを垂らし、腹を空かせて待ってる狼ども」


梶川さんについては、以前このブログにも掲載しましたが、今回の発言も酷いです。以前も、twitterで、「東日本大震災は、アメリカの地震兵器HAARPが起こした」や、「福島原発が爆発したのは空母ロナルド・レーガンから発射された小型核によるもの」などのトンデモ発言を披瀝し、が、今度はさらに、松本龍復興相を擁護し、ネット上で波紋を呼んでいます。

梶川氏の発言をまとめると、応接間で大臣を待たせた宮城県知事が悪く、大臣はハメられただけであり、わざと怒らせてマスコミがハイエナのように喰らいつきネタにしただけとのことなのだが……。そのつぶやきの全容は以下の通り。

「松本大臣の件。宮城県の対応が酷すぎ。ふつう、マスコミのカメラの前で大臣が待ちぼうけくらうとこ撮らせないでしょ!別室に案内して、お待ち頂いて、知事が会合する場に到着したら、大臣を迎え入れるのが常識。まぁ、知事がああだと、職員も気がきかなくなる。大臣を怒らせた県の接遇がマズすぎだ。

復興利権がほしくて、ヨダレを垂らし、腹を空かせて待ってる狼どもは、足を引っ張ることは、何でもやるでしょ。松本大臣は、はめられただけ。宮城県は、大臣を怒らせて何の得があるんでしょう。既得権を守りたい獣らの術に惑わされんぞ、ガツン!と一発かますのは当然でしょ。それが敵の狙いだった。

大臣をわざと怒らせて、それをハイエナのようにパパラッチが喰らいつく。復興利権がかかっているから、大騒ぎになるよう仕込んだんでしょ。だいたい、約束の時間に遅れるほど、本当に精力的に知事が働いてるなら、大臣も理解を示すでしょう! 県民のために必死で、汗をかいている知事だったのか?

ご立派な知事さんが現場を走り回られているのか、利権獲得でお忙しいのか? 利権が第一では復興しないでしょう…。」
(Twitterより引用)

もし梶川氏の言う通り、知事の『陰謀』により大臣がハメられたのであればそれはそれは恐ろしい事であるが、数分応接間で待たされた程度で激怒し、「これ書いたらその社は終わりだから」などの恫喝とも取れる発言をする危機管理能力の無い大臣が復興を担当している方が、より恐ろしい。

そもそも、今回松本大臣が非難されているのは、「九州の人間だから東北は良く知らない」などの被災者をバカにしているとも取れる発言や、知事やマスコミへの対応がまずかった部分。利権問題などがあるのであれば、明確な証拠を出して厳重に注意・処分するべきである。それはTwitterで知事を非難している梶川氏にも同様の責任があるはずだ。証拠もなく、現場にも行かず憶測だけで知事に対する中傷まがいの発言をする人間は公人失格と思われても仕方がないだろう。

知事の対応もマズかったという人もいるが、ほとんどのTwitterユーザーが「元議員と思えない表現に幻滅する」、「敵って被災地の人間が敵なんですか?」、「失言を擁護するために他の人を中傷するとは最低。」など梶川氏の発言に対し、怒りを覚えているようだ。

参照元:Twitter yukiko_kajikawa

【私の論評】社会を理解しようとしない者は、社会から隔絶される!!
さて、今回の、松本大臣の問題発言から、辞任まで、一連の動画を下に掲載します。

松本龍復興担当大臣が就任後初めて、3日、宮城県庁を訪れましたが、村井知事が出迎えなかったことに腹を立て、知事を叱責しました。

松本復興担当大臣は4日午後3時半から会見を開き、一連の言動を謝罪しました。

「上から目線」の発言で批判を受けていた松本復興担当大臣が、自らの発言の責任を取って辞任しました。

私は、最初の動画をみたときから、単なる常識知らずの馬鹿の権威主義的な行動にすぎないと思いました。企業の世界でも、このような馬鹿なことをする人間は珍しいです。たとえ、どんな関係であろうとも、会社対会社のつきあいであれば、たとえ、片方がどんなに大きくて、他方が小さかったとしても、このバカ大臣のような言葉遣いなどしません。

互いに、にこやかに話をしながら、要求すべきところは、要求します。無関係の人が見れば、互いに談笑しあっているようにしか見えないような話でも、実は、激しい火花が散っている場合もあります。動画を見ていて、松本大臣は、このような話などしたことは一度もないのだろうと察しがつきました。あんな横柄な話方をする人は、まともな社会生活を送ってきたとは、とても思えません。

大臣などの、社会的に高い地位につけば、普通は、「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」という言葉どおり、まわりに対して、気遣いをすべきです。というよりは、それが常識です。こういう立場の人でも、場合によっては、人を叱責しなければならないこともあります。でも、それは、あくまで、大臣という役割を演じているからであり、役割に徹しなければなりません。それに、叱るにしても、相手に愛情を持って叱らなければなりません。さらに、日頃から信頼関係を築いておいて、その上で叱るというのが当たり前の事と思います。

それが、上の動画のようにしょっぱなから、相手のことも良くわからないうちから、あのような上から目線で、横柄な物言いをするというのでは、お話になりません。今回の件は、まさに、身の丈を知らない人が、社会的に高い地位についてやらかす、典型的な大失敗だったと思います。

それに、被災地の知事とはどういう人なのか、大臣も、梶川も全くわかっていません。村井嘉浩宮城県知事といえば、当然のことながら、公式には、被災地の人々を代表する人です。知事の背後には、無数の被災地の人々がいるということです。知事に対して、あのようなぞんざいな口のききかた、態度をとるということ自体が、被災者の人々にとって、あのような態度をとったということになります。大臣も、梶川にも、そのような意識などさらさらないのだと思います。それに、あの状況を勇気を持って地元放送局が報道したため、あの態度が全国に知れ渡ったということです。

雜誌のオルタナには、「松本復興相の発言は的外れ、そもそも村井知事は遅れていなかった」という内容で以下のような記事がありました。
松本龍震災復興担当相が3日午後に村井嘉浩宮城県知事と宮城県庁で会談した際、応接室に後から入ってきた知事を叱咤し、「お客さんが来るときには、自分から入ってからお客さんを呼べ」と発言したことに関して、関係者の間に戸惑いが広がっている。そもそも知事は予定に遅れておらず、通常の応対をしたに過ぎないからだ。 
村井知事と松本復興相の会談が設定されていたのは3日の午後2時15分。宮城県庁秘書室によると「会談時間の数分前に松本復興相を応接室にご案内し、お茶を出したり、報道陣のテレビカメラの設置が完了したのを待って、時間通りに知事が入室した」。つまり、入室が遅れた事実はないという。 
応接室と知事室は、同じフロアの隣り合わせの場所にある。村井知事は、松本復興相との会談スケジュールに合わせて、秘書が呼びに来るのを執務室で待っていた。県庁で知事の来客がある際には、「誰であっても知事よりも先に応接室へ入室してもらうのが一般的」(秘書課)という。来客が資料を整理しているときなどに知事がその場にいたら、逆に失礼に当たるという配慮もある。 
会談を設定した秘書課では、「民間も同じ対応をしているはずだし、世間一般に考えておかしくない」と、松本復興相の発言に戸惑いを見せる。 
また松本復興相は知事に対して「長幼の序が分かっている自衛隊ならそんなことやるぞ」と発言し、後から入室した知事を責めている。松本氏は、自衛官出身の村井氏を戒める意味で発言したのかもしれないが、防衛省によるとそれも正しくないという。 
「確かに階級のある部内では長幼の序という考えがあるかも知れない。ただ、部外の人と会談するときには当てはまらない。そもそもどうやって上下関係を付けるのか判断できない」(防衛省広報)。 
さらに松本復興相は4日、首相官邸で記者団の質問に答え、「呼ばれて入ったら(村井氏が)3、4分出てこなかった。だから怒った。九州の人間は、お客さん来るとき、本人はいるものです」と述べるなど正当性を主張したと報道されているが、これも誤解を招く発言だ。 
松本氏の地元である福岡県庁によると、「庁舎に大臣がお見えになったら、すぐに会場にお通しし、その後、すみやかに知事に入室してもらう。先に知事が応接室で待つことはないし、本人が来客をお出迎えすることも通常はしません」(秘書課)。
複数の地方自治体によると、知事と大臣の会談場所がホテルなど外部の場合には知事が先に到着して出迎えるが、庁舎で行われるときには、応接室に先に大臣に入室してもらうのが普通だという。 
村井知事は4日の会見で「国と地方自治体は主従関係ではない」などと述べ、松本復興大臣の発言に対して不快感を示した。 
松本復興相が3日の岩手、宮城両県の知事との会談で発言した「知恵を出さないやつは助けない」「九州の人間だから(被災地の)何市がどこの県とか分からん」などの発言は野党が追及する構えでいるほか、民主党幹部からも辞任すべきだとの声が出ている。
上の記事には、でていませんが、Twitter上には、「オフレコ」発言については、「言論抑圧」「マスコミへの圧力」「ジャーナリズムへの全面的な宣戦布告」といった指摘のほかに、「オフレコの強要に従わなかった東北放送を支持」という意見もあり、新聞やTVがどう報道するのか注目されます。

今のところは、どのメディアも、この件に関しては、めぼしい報道をしていないようですが、やはり、切りの良いところで、まともに報道すべきと思います。

民主党の会見などでは、フリーランスのジャーナリストを閉めだしたり、自衛隊での外部の人の講演で民主党に反対するような人のものを禁止しようとするなど、情報の開示を妨げる傾向があります。上の大臣のマスコミに対する発言など、このまま捨ておけないと思います。

それに、上記の梶川議員のtwiteer上での発言、一体どうなっているのでしょうか?このレベルだと、井戸端会議のおばさん達よりもレベルが低く、どうしようもないと思います。民主党内でも、彼女のお粗末な発言をやめさせる手立ては取れないのでしょうか?

それにしても、民主党、大臣がこの程度の社会性しかないということですから、人材が枯渇しているのだと思います。このブログにも以前掲載しましたが、閣僚の着任の挨拶をするために、演壇に登壇する際に、日本国旗に挨拶したものの数の方が少なかったというくらいの体たらくです。

民主党は、まず、社会を勉強してから、政権交代を目指すべきだったと思います。社会を勉強しないから、社会のことがわからず、日本国解体を推進したり、今回のようなことが起こるのだと思います。本当に困ったものです。本当に、民主党は、不思議な政党です。社会性もなく、国政をつかさどることなど不可能なはずです。なぜ、人は、このように向こう見ずで、破廉恥になれるのでしょうか?私には、到底理解不能です。

松本氏を強く批判する、民主党の幹部もいますが、その批判する幹部自身も、社会性のなさを露呈しており、やはり、若い時に、共産主義革命を本気で信じたり、そうした人間と気脈を通じるような愚か者どもにはまともな社会性も育まれなかったのだと思います。はっきりいいます、社会がわからないというなら、社会の本道である政治など司るなどということは考えずに、社会の片隅で生きなさい!!

社会を理解しようとしない人の歩む道はそれしかありません。もっと、社会の本道を歩み社会で活躍したいのなら、本気で社会を勉強しなさい!!そうでなければ、いずれ社会から隔絶されるのは当然の帰結です。今回の出来事は、松本大臣は、失言で辞任したのではなく、社会が受け入れなかったのだと理解すべきです。そうして、ここでいう社会とは、日本解体を目論む民主党のカルト社会ではなく、リアルな現実社会のことです。

現実社会を理解したり、理解しようと努めてそれに本気で対応しない組織は、政治に関するものであっても、民間の営利企業であろとう、非営利企業であろうと、いずれ社会から隔絶されて存続できなくなります。個人だって同じことです。社会を理解する気もなく、対応する気がないというのなら、社会の底辺や片隅で生きていくしか仕方なくなります。

現在の政権など、歴史の悠久の流れの中に咲いた一時の徒花に過ぎません。1,000年に一度の震災も、悠久の歴史を持つ我が国の歴史からみれば、ほんの一時のことに過ぎません。天皇制をはじめとする私たち日本人の日本の伝統文化、それに勤勉で実直な国民性は、古から今に至るまで、継承されてきましたが、これからも悠久の歴史の中に燦然として輝き続けるどころか、さらに輝きを増すことでしょう。そうして、こうした勤勉と実直さを強く継承してきた東日本の人々も近いうちに、復興をなしとげ、悠久の歴史の中で共に燦然と輝くことになることでしょう。

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2011年7月4日月曜日

日本がリードする21世紀の革新素材”炭素繊維”―【私の論評】いくらマスコミが情報操作しても、炭素繊維の旅客機が日本の空を飛べば、国民は欺かれない?!!

日本がリードする21世紀の革新素材”炭素繊維”

先日の、ボーイング787の報道でも同じみの素材、日本の炭素繊維に関して、本日は、政府のサイトである『科学技術政策』というサイトから、以下に要約を掲載します。


1961年に通産省工業技術院大阪工業技術試験所の進藤昭男博士がアクリル繊維を使った炭素繊維の基本原理を発見、特許化し、1971年に日本の企業が世界ではじめて生産を開始しました。その製造方法は、セーターや毛布に使われる特殊なアクリル繊維を、炭素繊維用に組成等を改良し、焼成(原料を高熱で焼いて性質に変化を生じさせる)するものです。


1970年代からの成長初期には「軽くて強い」、釣り竿、ラケット、シャフトが需要を支え炭素繊維の性能実証が進みました。また、航空宇宙分野での実証が進みました。21世紀になって炭素繊維の性能が向上し、信頼性が認められるようになってから、航空宇宙用途、産業用途、スポーツ用途での本格拡大が始まっています。

その中で、特に自動車用途が注目されています。軽くて強い素材なので、自動車の各パーツに炭素繊維を使うと3割程度重量が軽くなります。この軽量化によって、燃費が良くなり、CO2の排出量の削減効果が期待されます。さらに、次世代の電気自動車においても、電池の電極等に炭素繊維を用いることで車体の軽量化が進み、航続距離の向上の実現、リチウムの電池の軽量小型化により、資源の枯渇緩和が図れる等の効果が期待されます。

このように炭素繊維の需要は益々拡大することが予想されています。


炭素繊維の飛行機への適用は、1970年代にまずボーイング737の内装材を中心に始まりました。その後、767では尾翼の一部などで、777では尾翼全体に使われました。飛行機の模式図の青塗り部分が炭素繊維を表しています。さらに、来年就航予定のボーイングの最新鋭機である787では、胴体、主翼、尾翼等機体の50%に炭素繊維が用いられています。
このように炭素繊維の性能の向上と信頼性が実証されています。


炭素繊維を1トンつくるのに大体炭酸ガスが20トン排出されます。ただし、自動車に使われると、軽量化によって10年間の使用期間で70トンぐらい改善できます。飛行機の場合では、効果がさらに大きく、1,400トンぐらい改善ができると考えられます。

表では自動車、航空機、風車、それぞれ1機当たりの炭素繊維の使用量と1年当たりの削減効果、世界の機数全部を掛け合わせたCO2の総削減量を示しています。炭素繊維を用いることによるCO2削減効果が大きく、低炭素社会に貢献できることを示しています。


航空機や自動車の軽量化の他にも、バス・トラックの圧縮天然ガス(CNG)用軽量タンクなどに使用され、CO2排出削減に貢献しています。

また、風車や原子力発電用ウラン濃縮の効率化、さらに燃料電池自動車に必要な高圧水素タンクおよび電極材として、クリーンエネルギー製造に貢献しています。

【私の論評】いくらマスコミが情報操作しても、炭素繊維の旅客機が日本の空を飛べば、国民は欺かれない?!!


この内容に関しては、昨日あたり、ボーイング787の報道などで、皆さんの記憶にも新しいことでしょう。ただし、これは、アメリカの飛行機ということで、飛行機のことが主に報道されていました。私たち日本にとっては、炭素繊維のほうが、主役かもしれません。

この炭素繊維のシェアは、現在全世界で7割と、まさに、日本が独壇場といっても良いような状況です。この技術はもうすでに40年前から、日本では、徐々に取り入れられていました。身近なところでは、釣竿、バット、テニスのラケットのようなものから徐々に使われるようになりました。皆さんも、このようなものに初めて接したときは驚かれたでしょう。特に、この素材のもつ靭やかさに関しては、私自身も、驚きました。

そうして、最近では、世界各国で、ジェット戦闘機の素材などとして、用いられるようになりました。そうして、今度は旅客機です。今後、車の車体は、いうにおよばず、線路とか、船、その他、ノートパソコンとか、ありとあらゆる製品の素材として、どんどん用いられるようになります。鉄、アルミニュウム合金、プラスチックで作られているものは何でも、炭素繊維でつくることが可能です。

今後、さらに、大量生産されるようなれば、コストも低くなり、本当にこのようなことが実現されていくことでしょう。

私自身としては、筐体が、炭素繊維でつくられている、ノートパソコンとか、タブレット型PC、スマートフォンなど使ってみたいものです。これらのものは、さらに、軽量化され、丈夫で薄くなるでしょう。

私は、以前、このブログに見方を変えれば、「日本は、資源大国」であるという記事を何回か掲載したことがあります。この炭素繊維も日本のとって、大切な資源となることでしょう。これは、一昔前の鉄と同じことです。

これに関してはいろいろな例をあげて説明しましたが、今回のこの旅客機ほど、解りやすい事例はないと思います。なにせ、実際にかなり大きな機体が、炭素繊維で作られ、それが、長い距離を本当に飛んでいるわけですから、多くの人にとって、実感できる素晴らしい事例だと思います。

最近、中国の特許申請数の数が、110万件を超えたということをテレビで報道していました。多くの人は、この数字に幻惑されているようですが、良く文字を読んでください。「特許申請数」ですから・・・・・・。

特許を申請することなど技術力がなくても、申請だけなら誰でもできます。私だって、カネと時間さえあれば、人を大勢つかって、110万件の特許申請などできます。これは、もう、完全にマスコミによる情報操作としか言いようがありません。それも、本当に単純な手口です。

いくらマスコミが情報操作をしたとしても、このような旅客機ができあがり、それが、日本の空を飛べば、日本の技術の優位性を否定することはできません。

特許を申請したとしても、特許を取得出来なければ、意味がありません。では、日本の特許取得数は、といえば、ダントツの世界一です。これに関しては、ここでは、本題ではないので、以下の記事を参照してください。

http://journal.mycom.co.jp/news/2011/01/20/010/index.html


それにしても、日本という国は、何と恵まれているのでしょうか。現在日本の政局は最低といっても良い状況ですが、技術的には、優れており、いままでも、打ち出の小槌を沢山作ってきたというのに、直近でも、すぐにカネになる打ち出の小槌があり、さらに、将来の打ち出の小槌も着実に生み出しています。

このような国が、将来没落するなど、到底考えられません。数年前のBBCの調査では、世界に最も貢献している国はというアンケートで、「日本とドイツ」が1位になっています。本当に世界に貢献しています。

現在の政権など、歴史の悠久の流れの中に咲いた一時の徒花に過ぎません。1,000年に一度の震災も、悠久の歴史を持つ我が国の歴史からみれば、ほんの一時のことに過ぎません。天皇制をはじめとする私たち日本人の日本の伝統文化、それに勤勉で実直な国民性は、古から今に至るまで、継承されてきましたが、これからも悠久の歴史の中に燦然として輝き続けるどころか、さらに輝きを増すことでしょう。そうして、こうした勤勉と実直さを強く継承してきた東日本の人々も近いうちに、復興をなしとげ、悠久の歴史の中で共に燦然と輝くことになることでしょう。

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2011年7月3日日曜日

震災後に注目を集める新しい働き方『分散型オフィス』まとめ―【私の論評】震災を期に多くのものが変わりつつあり、ビジネスチャンスが到来の時期と捕らえるべき!!

震災後に注目を集める新しい働き方『分散型オフィス』まとめ



3月11日の東日本大震災は、サラリーマンや会社のありかたというものを見直すきっかけとなりました。その中でも、今、大きく変わろうとしているのが「オフィス」です。

これまでは、社員が仕事をするための機能を一箇所に集中させ、そこに全ての社員を収容することで業務効率化・経費削減する”集中型”のオフィスが主流でした。しかし、震災後はより積極的にクラウドやノートPC、IT機器を活用することで社員を”分散”する傾向にあります。そのほうが不測の事態にも強く、省エネにもなり、結果として経費削減にもなることに企業も気付き始めているからです。

本稿では、震災以降に出てきた新しいもの、以前から注目されていたものも含めて、従来には無かった新しいオフィスの形、”分散型”オフィスをまとめてみました。

コワーキング・スペース
『共同』、『共に』という意味の接頭辞coをworkingに付けて作られた言葉「コワーキング」。日本にも見られるような、いわゆる小規模の月極めレンタル・オフィスと違って、フリーアドレスで無線LAN完備の時間貸しオフィスが「コワーキング・スペース」です。仕切りのない漫画喫茶のオフィス版といったところでしょうかね。六本木店、渋谷店の2店舗を運営する「JELLY JELLY CAFE」(http://jellyjellycafe.com/)は1日千円程度、1ヶ月契約でも15,000円(2011年7月現在)と、かなり安いです。気軽にお試ししてみるのもいいですね。

JELLY JELLY CAFE
セカンド・オフィス
異なる企業が複数集まり、共に働きながら職場をシェアするのが、「セカンド・オフィス」です。「第二のオフィス」の名のとおり、既にオフィスを所有している企業が、他社との共同プロジェクト運営のためにオフィスを共有します。場所をパーテーションで区切り、大人数でオフィスを借りるコストカットするシェア・オフィスと違い、あくまで複数の企業の協業を主眼に置いています。日本では赤坂にオープンした「オフィス・コロボックル」(http://www.facebook.com/KOROBOCL)が一部で話題になってますね。
公共の空間をセカンドオフィスにするという手もある
そんな時にボーズコンフォートのような、まわりの音をシャ
ットアウトするノイズ・キャンセリング型のものが役に立つ
ルームシェア型オフィス
同じような仕事をする会社員や個人が集まり、生活しながら人脈を広げたりスキルを磨き合う、現代版の「トキワ荘」とも言えるのがこの「ルームシェア型オフィス」です。phaさんが主催し、WEB系のエンジニア、クリエイターを集めた「ギークハウスプロジェクト」(http://geekhouse.tumblr.com/)は都内だけでなく京都や愛知など、全国に広がっています。生活費を節約しつつ、同じ志を持つ仲間を欲する若い人たちの間で、今後ますますニーズは高まるでしょう。今後は企業が主導し社員を住まわせるルームシェア型オフィスなども生まれそうです。

ギークハウス文京護国寺 外観
ギークハウスの中の様子
一般的な事業所における一人当たりの必要スペースは、おおよそ2坪と言われています。都内の平均的な相場ですと、100人の事業所で月400万円、千人を超えるような規模の大企業だと、月々4千万円ほどかかることになります。

技術的にはskypeやUSTREAM、twitter等で社内の情報共有できる状況も整っています。社員を分散し、いつでもどこでも作業できるようにしてしまえば、個人の必要スペースどころか会議室やミーテイングルームさえいりません。セキュリティの問題もあり、大きな会社がスピーディに導入するのはなかなか難しいかもしれませんが、上記で紹介したような社員”分散型”のオフィスが、日本でも少しずつ浸透していくでしょう。
【ガジエット通信より、要約】

【私の論評】最近は、分散型オフィスを支援するクラウドも充実している!!
このブログでは、以前にも震災前と後で変わったものの事例として、フアッションをあげました。今年、アパレルメーカーや、フアッション雑誌などでは、春夏の流行りの色は、ピンクや赤といういうことで、ファッション雑誌など6月号あたりでは、表紙も中も特にピンク一色に染まったという感じでした。

しかし、震災後実際に売れているのは、色としては、スティント・ブルー、白、ベージュなどでした。また、靴もバレーシューズがかなり売れたようです。特に、バレーシューズに関しては、都内では、地震があったときに、女性もかなりの距離を歩いて自宅まで帰った人もいます。このようなとき、ハイヒールであれば、相当辛い思いをされたのではないでしょうか。だからこそ、地震に限らず、いざのときの準備ということで売れたのだと思います。

また、震災を期に、結婚を考える女性も増えました。都市部の女性を中心に結婚相談所への照会が相次ぎ、会員同士で成婚して退会するケースが急増しました。婚約指輪の売れ行きも伸びました。未曽有の災害に直面して孤独感にさいなまれ、人との絆を持ちたいとの思いが広がった、との見方もあります。

ちなみに、新宿高島屋(東京都渋谷区)のアクセサリー売り場では、4月1~19日の婚約指輪の売り上げが前年同期比で約4割増加しました。「婚約指輪を買うつもりはなかったが、自分たちの出会いや気持ちを形にして残したい」と訪れるカップルもいたそうです。

新宿高島屋一階アクセサリー売り場
さて、このほかにも、皆さんご存知のように、原発の安全神話が崩れたり、自粛があってみたり、節電があってみたり、震災を期に確かに多くのものやことが、大きく変わりました。

分散型オフィスに関しては、ずいぶん前からいわれていて、たとえば、経済産業省によるオフィスあアルカディア構想なるものがありました。函館からJRで千歳空港まで行くには、南千歳で降りて、そこから、千歳空港駅まで行く必要がありますが、その南千歳駅で降りると、駅のフォームにこのオフィスアルカディア構想の看板が良く見えるようになっていたのを記憶しています。

オフィスアルカディア構想とは、経済産業省による地方拠点法に基づき国の支援のもと、オフィス、研究所など、産業業務機能の地方分散を目的とした政策でした。千歳にも、千歳アルカディア・プラザなる施設があり、この施設は、この政策に基づき千歳オフィス・アルカディア団地内立地企業への産業業務支援中核施設として、ビジネス支援サービスを中心に運営されます。また、平成10年開校の我が国唯一の光技術を専門とする「千歳科学技術大学」と連携した国際産業交流拠点としての役割も併せ持っています。

1階には、交流を目的とした産業情報プラザ、レストラン、多目的ホールがあり、2~4階はレンタル、テナントオフィスとして賃貸を行うそうです。フリーアクセスフロアや光ケーブル網を整備するなど経済性と機能性を重視しています。建物外観は地区の持つ先進性を表すためアルミパネルとカーテンウォールを中心に構成したそうです。

千歳アルカディアプラザ
この構想は、2000年あたりにはじめたもののようですが、2005年時点では、入居率100%だったようです。しかし、このような採算度外視の国の関連の施設は別として、各地でのこのような試みは、あまり成功しなかったようです。特に、都内ではそのようです。

何しろ、大企業のほとんどが、従来型のままで、大きな建物に、全社員が朝一時に集まるという方式を継続したままでしてから、結局は、進まなかったのだと思います。大企業などで、そのような方式をとるということは、やはり、その方式が一番効率的でコストもかからなかったということです。

しかし、震災後には、この考え方も変わりつつあると思います。まずは、大地震が起こったときに、社員が一箇所に集中してまとまつていれば、それだけ被害も多くなります。これが、分散してあれば、被害は少なくなります。

それから、地震で、都内はそうでもなかったですが、津波の被害にあったところにあった、自治体や、会社などでは、情報が津波にさらされてしまったということです。いくら、最新鋭のパソコンや、LANなどを組んでいたとしても、津波にさらされてしまってはどうしようもないです。

このようなことを防ぐためにも、ますます、クラウドの使用が検討されるようになるでしょう。情報漏洩など恐れていても、いざ、地震などの震災にあえば、情報そのものが消えてしまうこともあり得ます。そうなってしまえば、どうしようもないです。クラウドに蓄けば、パソコンなど津波にさらわれようとも、情報だけはなんとかなります。そうして、被害にあった直後でも、インターネットに通じるパソコンだけあれば、以前と何のかわりもなく、すぐに、情報の出し入れができます。

そうして、現在は、従来に比較すれば、クラウドはかなり使いやすい状況になっています。クラウド用のいろいろなアプリが開発されていて、しかも、以前と比較すれば、低廉で使い勝手もかなり良くなっています。その典型は、GoogleのAPPです。Google Calendarによる、ビデオチャット、スケジュールの共有、メール、その他、文書、スプレッドシート、写真、動画その他の共有がいとも簡単にできてしまいます。

実際、多くのクリエーターなどが、クラウドを用いて、場所を選ばずに仕事をしています。スターバックスにいけば、そのような人が良く見受けられます。特に、企画をたてるような仕事であれば、現在では場所は選びません。この傾向はますます強まるでしょう。

このような諸条件が揃っているため、今回の震災を期に、分散型オフィスが普及する率がかなりたかまったと思います。

さて、今回は、分散型オフィスの記事がたまたまあったため、この話をしましたが、これは震災による変化の一事例にすぎません。他にも、まだまだ、変わるものがあります。こうした、社会の変化に目をつけることによって、様々なイノベーションが可能になります。現在は、この変化をただ黙って見過ごすことなく、新たなビジネスチャンスが到来したのであり、特に社会的イノベーションを起こしやすい時期と捉えるべきだと思います。

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