消費増税素案、年内策定を確認=一体改革で―民主税調など
藤井裕久元財務相 |
細川律夫前厚生労働相 |
藤井会長は12日、首相官邸を訪れ、野田佳彦首相と会談。民主党の合同総会で、年内に素案をまとめることで合意を得たと報告した。
合同総会では消費税議論のスケジュールを決定。週内に一体改革のうち社会保障部分について取りまとめた後、消費税率引き上げの議論に入る。具体的な論点として、税率引き上げ時期や幅、増税が実施できる経済条件、低所得者ほど負担感が大きくなる逆進性への対策などについて議論することも確認した。
【私の論評】増税を叫ぶ、政治家はゆで蛙であり、その本当の怖さを知らない!!
本日は、他のことを掲載するつもりだったのですが、また、消費税関連の動きがありましたので、これを掲載することとしました。
このブログでは、再三にわたって、日本は財政破綻の淵にはないこと、さらに、デフレの現状では、まずは、経済を立て直すため、景気対策をすみやかに行わなければならないことなどを掲載してきました。
しかし、野田政権は、増税まっしぐらです。なぜ、このようになってしまうのか。本日は、それについて考えてみたいと思います。
結局、その原因は、政治家たちが「ゆで蛙」になっているからだと思います。
いわゆる、『ゆで蛙理論とは、いかのようなものです。
『2匹のカエルを用意し、一方は熱湯に入れ、もう一方は緩やかに昇温する冷水に入れる。すると、前者は直ちに飛び跳ね脱出・生存するのに対し、後者は水温の上昇を知覚できずに死亡する』
およそ人間は環境適応能力を持つがゆえに、暫時的な変化は万一それが致命的なものであっても、受け入れてしまう傾向が見られます。例えば業績悪化が危機的レベルに迫りつつあるにもかかわらず、低すぎる営業目標達成を祝す経営幹部や、敗色濃厚にもかかわらず、なお好戦的な軍上層部などです。
このブログにも掲載してきたように、デフレは、経済の癌です。通常の国なら、何が何でも真っ先に直そうとします。しかし、日本では、なぜか、ここ20年間全くその危険性が顧みられてきませんでした。
ご存知のように、日本は、バブル崩壊後から、デフレが続いているわけです。デフレの前は、インフレでした。その頃は、毎年のようにさまざまな物資や、家賃や、土地などが値上がりしていくのが普通でした。とはいいながら、それにスライドして給料があがっていました。しかし、それが加熱して、土地や、株価などがどんどん値上がりして、それが、一挙に崩壊しました。
お立ち台の上で扇子を片手に踊り続ける超ミニスカートの 女性客=東京・芝浦のジュリアナ東京で93年4月28日撮影 |
とくにかく、一度バブル崩壊したものですから、これが怖くて、官僚も政治家もとにかく、インフレにさえならなければ、良いという考えで政策運営をしてきたというのが実態です。
デフレとインフレを比較すると、インフレの場合は際限なく物価があがることがありえます。酷い場合はには、海外で年間で1万パーセント上昇したなどということもありました。本日の200万円が、明日は、紙切れになるなどということもあります。日本ではそこまでいったことはありませんが、外国では、パン一切れ購入するのに、自転車の荷台にびっしりとお札を入れて買いに行くなどということもありました。
ハイパーインフレに見舞われたジンバブエ |
しかし、デフレが長い間続けば、その弊害ははかりしれないものになります。まずは、企業活動が、停滞して、雇用は完璧に悪化します。税収もかなり減ります。企業も、よほど業績の良い黒字体質の会社でないかぎり、将来のための先行投資や、人材育成の投資などしなくなります。これをかなり続けていれば、その弊害ははかりしることはできません。しかし、この傾向は、インフレのように、物価が、いきなり、10%や20%跳ね上がって、誰の目にもあきらかになるということはありません。すこしずつやってきます。インフレが急性の盲腸炎のようなものであるとすれば、デフレは高齢の人がわずらった癌のようなものであり、急に悪くはなりませんが、じょじょに悪くなっていきます。だから、癌になったからといってすぐには、亡くなるということはありませんが、ある程度以上悪くなれば、とりかえしがつかなくなります。
癌細胞 |
これを許容するにしても、2~3年、長くても、5年くらいだったらさほど問題にはなりませんでした。しかし、日本の場合は、5年間をはるかに超えて、この20年間デフレでした。そうして、皆さんも、おわかりのように、日本経済は、疲弊しています。特に、地方での疲弊はかなりのものです。
しかし、それが、じわりわりとくるものですから、多くの人がきづかないことが多いのです。日本でも、インフレがあっという間に酷いことになってバブルが崩壊したように、20年前から、いっそくとびに1~2年くらいの間に現在の水準になれば、どんな人でも気付くでしょうし、政治家や官僚などなおのこと気付くと思います。
しかし、そんなことはなく、毎日ほんの少しずつ経済がおかされていくので、その深刻さに多くの人がきづかず、これを放置することが多かったのです。ですから、昔からデフレは、経済の癌といわれているのです。
では、デフレの時に、増税すればどのようなことになるのでしょうか。結論からいえば、デフレは、ますます加速されることになります。税金とは、一体何でしょうか。その源泉は、GDPです。GDPの一部が、税金として徴収されるわけです。現在、財源がないからといって、増税したとして、それは、結局GDPから徴収しているだけで、それでは、政府にお金が集まるだけで、現実には、GDPは何ら変わりません。それこそ、税を徴収する分だけ手間が増えたり、役所による硬直的な配分による不公平感が増すだけのことです。そうして、税金を徴収された分だけ、企業は利益が減り、個人は賃金が減ります。そうなれば、ますます、設備投資や消費を控えるようになります。
デフレを克服するには、GDPを増やす以外には方法はありません。増税しても、結局は、何のかわりもなく、さらに企業活動が停滞して、雇用が落ち込み、賃金も目減りし、物価が落ち込み、さらに、経済を落ち込ませるだけになります。そうなると、また、税収が落ち込み、それで、増税ということにでもなれば、さらに、デフレ傾向は強まります。このようなことを繰り返すことを、デフレの底に落ち込んでいくことを意味する「デフレスパイラル」といいます。
日本の場合は、もう20年もデフレですから、すでにデフレスパイラルに落ち込んでいるということです。しかし、多くの政治家や、アナリストなどせいぜい、現状と5年前くらいしか比較しないので、その深刻さが見えていないのです。これを根本的に直すには、GDPを大きくすることであり、最も普通に行われているのが、政府による大規模な財政出動と、日銀による大幅な金融緩和の両方を一時に集中して行うことです。この20年間、日本では、どちらか一方が行われたことはありますが、両方を一時に実施したことはありません。増税か減税かといえば、減税です。デフレの時期に増税をというのは、全く愚かで古今東西にに例をみません。
今の政治家や、官僚など、完璧に過去のデフレ状況(ゆで蛙の例でいえば、お湯かじょじょに熱くなっている)にもかかわらず、その弊害がじじょにやってきているので、今やお湯がかなり熱くなっているにもかかわらず、「ゆで蛙」状況になっています。本当に困ったものです。もう全くデフレに鈍感になっています。
国民の中にも、「ゆで蛙」現象が蔓延しているのではないかと思います。今の状況で、増税もやむなしなんて考えること事態がおかしいです。同一職種で、同職位の場合は、20年間も、賃金があがらないとか、公共工事をやらないためにあと数年もすれば、橋や、道路が、耐用年数が過ぎて、使えなくなるとか、スーパーや、飲食店でのべつまくなく、ディスカウントをやるとか、高校を卒業しても、職がないだとか、大学を卒業しても、正規雇用されないとか、これって、絶対に異常事態ですから!!そうして、これらの問題は、デフレを克服しただけで、ほとんど解消されます。しかし、デフレを放置しておけば何をかを解消すれば、何かが問題になるということで、結局モグラ叩きに終始し永久に解消されることはなくなります。
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