調査結果:ロケーション系サービスの可能性について:
リサーチ会社Forresterが、2011年8月、37,000人のアメリカ在住者を対象に、「ロケーション系サービスの利用状況」を調査しています。アメリカにおける調査ということで、日本とは異なる点もいくつかあると思いますが、おおまかなトレンドやマーケティングにおいて意識すべき状況などは共通していると感じたので、紹介していきます。
まず、最も大きなトレンドとしては、ロケーション系サービスはいくつも生まれてきたものの、急成長している、と言えるほど一般のユーザーに普及してきているわけではない、という点が指摘されています
インターネットユーザーの成人である回答者のうち、「30%が、ロケーション系サービスについて知っている」ものの、「実際に使っているユーザーは、6%以下」であり、「週一回以上の頻度でロケーション系サービスを使っているユーザーは2%にとどまる」という状況です。
1年前の調査結果と比較すると、ロケーション系サービスに関する認知は14%増加したものの、実際に使っているユーザーは2%しか増加していないようです。 多くのサービス・アプリが登場し、ロケーション系のサービスについて知っている人は増えてきているものの、実際に使用してみよう、という人はそれほど多くないことが分かります
このデータだけを見ると、ロケーション系サービスはキャンペーンやプロモーションで使うにはハードルが高すぎるのか、と思われるかもしれません。
しかし、現在ロケーション系アプリを使用しているユーザー属性をみてみると、面白いことが分かってきます。
ロケーション系サービスのユーザーは、男性の若者で、情報に敏感なアーリーアダプター層が多いというデータが出ており、こうしたユーザーは、購入を検討していたり、実際に購入した商品にかんする情報を、平均的な成人ユーザーよりも2倍、シェアしやすい傾向にあるようです。
女性ユーザーの割合は、2010年調査時における22%から2011年には37%へと増加してきてはいますが、まだ男性のほうがユーザーの割合としては多いようです
まだキャズムを超えているとは言い難い結果ですが、Forresterは、ロケーション機能がほとんどのアプリにデフォルトで組み込まれているような状況に応じて、「ロケーション」がマーケティングにおいて重要になってくる時代はくるであろう、と結論付けています。
例えば、最近実施されたMINI COUPEハンティング大作戦も、ロケーション機能を活用し、主に男性若者をターゲットにしていると思われるキャンペーン内容ですね。このような事例は今後増えていくであろうと予測されます。
マスにリーチする手段としては、まだ難しい印象はありますが、影響力が高く、また情報感度の高い若者にアプローチする方法として、ロケーション機能の可能性は大きいと感じました。
[via VentureBeat]
Social Media Account Planners
大出卓史 (INFOBHANより)
【私の論評】ローケーション機能は、ガラパゴスで培われた日本のほうがアメリカよりはるかに受入れられている!?
ロケーション機能に関する日本の一番新しい動きに関して以下に掲載しておきます。
2011年12月15日に開催された「スマートフォン&タブレット2011 冬」の「広告&マーケティング」セッションでは、ライブドア メディア事業部 執行役員 CPO(最高プロダクト責任者)の佐々木大輔氏が登壇。「位置情報サービスのトレンドと、ロケタッチの裏側」と題した講演を行った。
「ロケタッチ」は2010年7月にスタートした、GPSによる位置情報を利用したソーシャルアプリだ。訪れた場所で「チェックイン」することで、自分や友だちが訪れた場所を地図に表示しながら「版図を広げる」ような感覚を楽しめる。地図上に多数のアイコンが表示されることで「空間の広がり」を感じられるだけでなく、いつどこにどれだけ訪れたのかを記録する「ライフログ」として、時間の広がりをも実感できることが人気を得ている理由だと佐々木氏は解説する。
佐々木氏は、位置情報アプリのトレンドとして「チェックインを継続させるためのインセンティブのアイデア」に注目していると語る。
例えば米国では、ベストバイなどの小売店でアプリを立ち上げてゲートをくぐるだけで、お店で使えるクーポンを取得できる「Shopkick」が人気となっているという。ゲートなどは店舗側がコストを負担しているため日本でそのまま展開することは難しいが、興味深い事例として注目していると佐々木氏は述べる。
そのほか、価格情報からリアル店舗に誘導する「O2O(Online To Offline)」とは逆に、量販店の店頭でバーコードスキャンするとアマゾンの価格が分かる「Price Check」なども興味深い事例として挙げていた。
ロケタッチはユーザーの傾向としてはITリテラシーの高いユーザーから裾野が広がりつつある状況だという。チェックインする場所の傾向として駅など交通系やレストランなどのグルメ系が多いほか、ATMやトイレなども多いという。「ここにいる」と友だちに伝えるのではなく、ライフログとして活用されていることが見受けられると佐々木氏は話していた。
さて、上のINFOBHANの記事では、ロケーション系サービスに関しては、アメリカでは認知度がかなり低いことを掲載しています。このようなアンケートなど日本国内でとられているものは、見たことがないので、正確なことはわかりませんが、私自身は、この数字日本では、アメリカよりは相当高いのではないかとみています。
なぜ、そのようなことを言うかといえば、今年の夏あたりでしょうか、スマホを見ながら会社で、Facebookの付近の情報をみて、コンビニでクーポンがもらえるとか、マクドナルドが位置情報サービスをはじめたというので、付近のマクドナルドで、割引があるなどと話をしていたら、スマホではなく、ガラケーを持っている人から、そんなの何年も前からやっていますよ・・・・、といわれて、「あれっ」と思ってしまいしまいました。そうして、そのときは何を言っているのか良くわかりませんでしたが、あとで、はたと気づきました。
スマホとガラケー |
確かに既存のガラケーなどの携帯電話には、GPSはついていないので位置情報はサービスされていませんが、地図は各種掲載されており、自分でその地図を見て、その近辺には何があるかとだとか、その店のサイトをみれば、クーポンなど配布されているということがありました。
要するに、日本の場合は、ガラケーで、自分でどのあたりにいるか、手動で地図情報をみていたわけです、スマホによって、手動ではなく自動でこれができるようになったということです。
日本のガラケーは、お財布になるものもありましたし、比較的昔から高度な機能がありました。それに比較すると、日本以外の国の人は最近、スマホを持ってから初めて、地図や、地図に掲載している店の情報を見始めたというのが実情なのだと思います。それに、ガラケーでも、GPS機能がついているものがありました。
私は、iPhoneの前の携帯電話を購入するときに、GPS機能がついたガラケーを購入しようと思いましだか、お店の人に通信料がかさむ旨を伝えられて、断念して、iTuneの音楽をダウンロードできるものを購入しました。おそらく、当時は、スマホもあまりなく、GPS機能がついた携帯など、海外ではなかったのではないかと思います。そういわれてみれば、この時代にパソコン用のGPSは売られていて、1万円前後で購入できるようになっていたと思います。ちなみに、私のiPhoneは、3GSです。新しいiOSが使えなくなった時点で買い換えようと思っています。
日本では、地図機能にかかわらず、様々な機能がついていたので、全部ではなくても、ある程度便利な機能は使っていたと思います。だから、ロケーション系サービスには、特に構えなくても、自然に入っていけるのではないでしょうか?実際、Facebookの友人で、スマホを持っている人は、かなりの頻度で使っています。ローソンではじめて、位置情報による特典の配布などがあったときは、結構な人が駆けつけていたようです。
それに、日本ではFacebookをアリバイ作りに活用している女性もいますす。しかも、アリバイ作りをする時間帯には、他の女性といっしょにチェックインしていることにし、あらかじめその他の女性と彼氏とは意図的に会う機会をつくつておくとか、かなり手がこんでいます。 それに、ボットでツイートし、それに写真など掲載して、アリバイづくりをする女性もいるそうです。 本当にずるがしこくロケーション系サービス使っているという感じです。
ただし、スマホの場合は、はじめてのところに行っても、地図上でその場所の位置がすぐにわかり、その近辺のお店などの情報が手に取るようわかります。これは、本当に便利ですし、さまざまな可能性が考えられます。
アメリカなどでは、スマホではじめて、地図情報や、位置情報を使い始めるという人も多いため、上記のようにローケーション系サービスの認知度が低いのだと思います。これに関しては、日本のほうが先行していると思います。実際には、使っていないくても、認知している人はアメリカなどと比較すれば、かなり多いと思います。だから、ロケーション系サービスなどまず日本で実験するようなことをすれば、良いのではないかと思います。
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