2011年12月21日水曜日

クオリティーの高い仕事をしたいなら、ズバリ「休憩」をとるべし!−【私の論評】他の見方からいえばどういうことが言えるだろう?

燃え尽き防止や眼精疲労の軽減、モチベーション維持の観点から、定期的な休憩は必要といわれます。しかし、より短い時間でクオリティの高い仕事をする上でも、休憩が有効のようです。

Photo by Blend Images.

【私の論評】他の見方からいえばどういうことが言えるだろう?

上の記事は、ライフハッカーのものです。ライフハッカーでは、心理学の研究の最新の、成果に、もとずく内容のものが掲載されることが多いです。上記の内容もその例外ではありません。詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、ここでは、この事実を他の側面から見てみることにします。

これには、色々な見方ができると思いますが、ここでは、マネジメントの側面からみてみます。

マネジメントの側面から、すれば、クオリティーの高い仕事とは、一体何を意味するのでしょうか?ここでは、金が儲かる仕事などと卑近なことをいうつもりは、ありません。こういう見方は、かえって真実を見えにくくしてしまいます。

私は、成果のあがる仕事が、マネジメント上では、クオリティーの高い仕事と言えると思います。マネジメン上で、成果と対比される言葉として、効率と言う言葉かあります。

経営学の大家ドラッカー氏は、これらについて以下のように語っています。

「効率とは仕事の仕方であり、成果とは仕事の適切さである。」
マネジメント上P52

あるミッションがあったとして、それに対して、適切な仕事をするためには、一体何をしなければならないのかを十分に考えなくては、なりません。その結果、既存の知識だけですむものに関しては、段取りを考えれば良いわけです。

既存の知識だけで済まないようなものに関しては、新たな、枠組みや、新たな段取り方法を考える必要があります。こんな時に、効率のあがる方法を適用しても無駄です。


まずは、頭の中で、シミレーションや、思考実験をして、大まかな、方向性を決める必要があります。この過程がクリアされずに、なし崩し的に、本格的に、仕事に入ってしまえば、成果のあがる仕事はできなくなってしまいます。

この過程では、かなり頭を使うのだと思います。まさにこの時に、頭が疲れていればまともな思考ができず、安直な方法か、頭を使わないですむ、過去の延長線上の、仕組みや段取りで済ましてしまおうとし、その枠組みの中で効率をあげようとするのだと思います。だから、成果のあがる、クオリティーの高い仕事ができなくなるのだと思います。

だから、こそ休憩をとる必要があるのだと思います。

業務を効率化するツールは山ほどあり日々進化しています。ところが成果を出すということは、人間的な要因であるために画期的なツールがあるわけではありません。

もちろんITは日進月歩で進化していますが、成果をあげるツールでは
ありません。

ドラッカー氏は、以下のようにも語っています。

「今日のところ、ITは、トップ経営陣に対し、情報ではなくデータを供給するにすぎない。新しい問題意識や新しい経営戦略を与えるにはいたっていない。」
明日を支配するものP112

ということは、成果とは、ツールで劇的に改善するものではないだけに、多くの人は、比較的簡単に効果が出る効率化を考える方に流されやすいということになります。

その結果はドラッカーも語っているように、
「無駄な仕事を見事に設計するという結果になりかねない。」(マネジメント上
P255)ということになります。

しかも、効率とは仕事の仕方であるということは、仕事の仕方を担当する
のはスタッフ部門ということになります。

トップマネジメントが必要以上に効率化に没頭するとマネジメントの地位にある者がスタッフの仕事をしていることになります。つまりマネジメントの不在ということになってしまいます。

そうなってしまうと最悪の結果になってしまいます。ドラッカー氏も以下のようにかたっています。

「新たに設立される企業一〇〇社のうちほぼ七五社が、マネジメントの失敗を主たる原因として五年以内に倒産している。」

創造する経営者P155

考えてみれば、効率化の失敗で倒産したという話は聞いたことがありません。企業は、効率化の失敗ではなく成果をあげるべきマネジメントが、成果をあげられないで倒産するということです。

さて、あなたが取り組んでいる経営課題は、成果をあげるものになっているでしょうか?それとも、業務の効率化だけですか?


成果を上げるためには、上記のように、休憩が必要ということです。日本の会社では、残業が当たり前のようになっている会社がまだたくさんあります。私自身は、先のように、考え方が決まってしまえば、一気呵成に、やってしまいたいたちなので、残業の全てを否定するつもりは、ありません。

しかし、クオリティーの高い仕事を妨げる事があってはならないと思います。

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