Facebooが最近提供しはじめた、timelineを作成するアプリに関する説明動画
世界最大のSNSフェースブック(FB)の今年1~9月の売上高は25億ドル、営業利益は12億ドルを計上する見込み、だと米CNBCが伝えた。
FBは現在、決算非公表で、CNBCは今年は年間で売上目標38億ドルを達成する見通しだとしている。上場の主幹事社になると思われるゴールドマン・サックスが顧客のみに開示した文書では、2010年の1~9月期の売上高は12億ドルだったという。前年同期比で2倍以上になったと見られる。
今年上半期の売上高でも、昨年の約2倍にあたる16億ドルになったとも報道されている。
新規上場は来年春とも言われるが、バリュエーションは1000億ドルともされている。
【私の論評】Facebookの売上って一体何?
Facebookは、2011年9月に『F8』で発表した新しいプロフィール機能『タイムライン』を12月15日(米国時間)に全世界ユーザー向けに提供を開始しました。ウェイティングリストに登録していたユーザーから順次利用できるようになり、日本でも『タイムライン』をさっそく使い始める人が増えています。また、モバイル環境でも、Androidアプリおよび『m.facebook.com』において同機能をリリースしました。次々と変革をとげていく、Facebook。来年は、Buffyを無料で配布するなど、さらに、ユーザーを獲得し業容を拡大しようとしています。
こうしたサービスで、私達を魅了してやまないFacebook。しかし、裏側では、しっかりと売上をあげているからこそ、このようなことができるのだと思います。Facebookの売上といえば、実際にFacebookをみれば、広告があるので、広告料くらいは誰でも類推できると思います。しかし、広告もどのようなものがあり、そのほかは、どのような売上があるのか、意外と知られていないかもしれないので、本日はFacebookの収益構造など掲載します。
Facebookの評価額の推移(クリックすると拡大します) |
Ⅰ.広告系売上
(1)セルフ広告
AdwordsやOvertureと同様、広告主は広告代理店を経由することなく、直接ウェブ上から広告出稿できる仕組みで、Facebook Adsとネーミングされています。実際に入力してみると驚くほど簡単で、入力には5分もあれば十分、ステップとしては次の3つのプロセスから成り立っています。(画像はクリックで拡大できます)
・ 広告原稿の作成
・ 広告ターゲットの設定
・ 予算,スケジュール,入札金額の設定
入力形式はAdwordsなどのリスティング広告と類似していますが、以下の点が相違点としてあげられます。
地域ターゲット属性をきめ細かく設定できるため,エリア・マーケティングが可能
個人ターゲット属性をきめ細かく設定できる。例えば,性年齢,学歴,勤務先,言語,交際状況の他,誕生日の人だけを対象とすることも可能 ソーシャルグラフを指定できる。例えば,ファンページ,イベント,グループ,アプリケーションつながりを指定できる他,友人つながりも設定可能CPM(表示回数あたり),CPC(クリックあたり)を選択し,それに対する入札金額を指定できます
非常に洗練されたユーザーインターフェースとなっており、属性や入札額を指定すると、推定ユーザー数や推定クリック数などが表示されるのが素晴らしいです。この例では、ターゲットした「東京から50マイル以内で日本語の話せる18才以上の会員」はFacebook上に178960人いることがリアルタイムに表示されています。
(2)ブランド広告
これは日本でいうタイアップ広告で、Facebookに直接問い合わせて統合的なキャンペーン広告を作成するものです。機能としては,ファンページを機軸に,FacebookアプリとFacebook広告を組み合わせたものになるのが一般的で、予算はページ上では100万円からとなっています。
(3)マイクロソフト提携広告
文字通り,マイクロソフトと提携し、彼等の提供するバナー広告やスポンサードリンクを表示するものです。なお契約は2006年に締結されたものですが、背景にグーグルとマイスペース(当時は圧倒的にNo1のSNSだった)の独占契約があり、対抗策としてマイクロソフトが動いたものです。
Ⅱ.アプリ系売上
アプリ系売上は、SNS本体ではなく、FacebookのコマースショップであるGiftShop、およびサードパーティによるアプリによってもたらされる収益で、Facebook会員からの直接売上、つまりB2Cモデルとなっています。
【Facebook内のコマースショップ GiftShopの取り扱い商品】 |
ここで注目されるのは、友人へプレゼントするバーチャルグッズ(Virtual Gifts,E-Cards,Charity)だけでなく、音楽MP3ダウンロード販売(Music and MP3s)や物販(Real Gifts)まで商材を広げ始めている点です。またSports系バーチャルグッズなどでブランド・タイアップ系ギフトが増えている点も見逃せません。
さて、以下には、Facebookと、日本の他のSNSなどとの収益構造の違いなど掲載しておきます。
mixiは広告系が全SNSで最も強い一方、会員課金に大きく出遅れています。オープン化の収益貢献に期待がかかっています。
GREE最大の強みは会員フィーです。高品質の内製ソーシャルゲームにより会員課金で他を圧倒しています。
モバゲーはバランス型ですが、デベロッパー向けサービス(課金決済,アバター提供,投稿監視)が新しいです。
Facebookは、会員フィーを除く全ドライバーに着手しはじめています。これからの収益急拡大が予想されます。
上記の記事のように、Facebookの収益拡大のキーとなるのは次の5点だと考えられます。
広告ターゲティングの精度向上と広告主獲得のための宣伝活動
仮想グッズに加え,物販・音楽ダウンロードまで手を広げたコマースショップの拡大
本格的に利用されはじめた独自課金サービス Pay for Facebook の拡大(課金率30%と極めて高収益)
オプトインによる外部コマース・アクティビティのユーザー共有(Beaconはオプトアウトのため失敗)
プレミアム会員,特にブランド広告ニーズのある企業向け有料会員サービス
さて、Facebookの収益構造は、以上のようなものですが、本年もこのように収益をあげ、来年には、このブログでも以前掲載したように、独自のスマホ"Buffy"を開発し、ユーザーに配布するとしています。これによって、Facebookは、さらなる、ユーザーの拡大を狙っていると思いますが、本当に、無料で配布するのか、無料で配布するとすれば、何か条件はあるのかなど、興味はつきません。今後また、新しい動きがあれば、また掲載させていただきます。
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