2011年12月16日金曜日

Facebook売上前年同期比の2倍へ―【私の論評】Facebookの売上って一体何?

Facebook売上前年同期比の2倍へ

Facebooが最近提供しはじめた、timelineを作成するアプリに関する説明動画

世界最大のSNSフェースブック(FB)の今年1~9月の売上高は25億ドル、営業利益は12億ドルを計上する見込み、だと米CNBCが伝えた。

FBは現在、決算非公表で、CNBCは今年は年間で売上目標38億ドルを達成する見通しだとしている。上場の主幹事社になると思われるゴールドマン・サックスが顧客のみに開示した文書では、2010年の1~9月期の売上高は12億ドルだったという。前年同期比で2倍以上になったと見られる。

今年上半期の売上高でも、昨年の約2倍にあたる16億ドルになったとも報道されている。

新規上場は来年春とも言われるが、バリュエーションは1000億ドルともされている。

【私の論評】Facebookの売上って一体何?
Facebookは、2011年9月に『F8』で発表した新しいプロフィール機能『タイムライン』を12月15日(米国時間)に全世界ユーザー向けに提供を開始しました。ウェイティングリストに登録していたユーザーから順次利用できるようになり、日本でも『タイムライン』をさっそく使い始める人が増えています。また、モバイル環境でも、Androidアプリおよび『m.facebook.com』において同機能をリリースしました。次々と変革をとげていく、Facebook。来年は、Buffyを無料で配布するなど、さらに、ユーザーを獲得し業容を拡大しようとしています。

こうしたサービスで、私達を魅了してやまないFacebook。しかし、裏側では、しっかりと売上をあげているからこそ、このようなことができるのだと思います。Facebookの売上といえば、実際にFacebookをみれば、広告があるので、広告料くらいは誰でも類推できると思います。しかし、広告もどのようなものがあり、そのほかは、どのような売上があるのか、意外と知られていないかもしれないので、本日はFacebookの収益構造など掲載します。

Facebookの評価額の推移(クリックすると拡大します)
Facebookの収益構造は,広告系売上とアプリ系売上のふたつで成り立っていて、広告系はさらに3つのタイプに分類されています。以下に、それを掲載します。

Ⅰ.広告系売上
(1)セルフ広告 
AdwordsやOvertureと同様、広告主は広告代理店を経由することなく、直接ウェブ上から広告出稿できる仕組みで、Facebook Adsとネーミングされています。実際に入力してみると驚くほど簡単で、入力には5分もあれば十分、ステップとしては次の3つのプロセスから成り立っています。(画像はクリックで拡大できます) 
・ 広告原稿の作成
 ・ 広告ターゲットの設定
・ 予算,スケジュール,入札金額の設定
入力形式はAdwordsなどのリスティング広告と類似していますが、以下の点が相違点としてあげられます。 
地域ターゲット属性をきめ細かく設定できるため,エリア・マーケティングが可能 
個人ターゲット属性をきめ細かく設定できる。例えば,性年齢,学歴,勤務先,言語,交際状況の他,誕生日の人だけを対象とすることも可能 ソーシャルグラフを指定できる。例えば,ファンページ,イベント,グループ,アプリケーションつながりを指定できる他,友人つながりも設定可能CPM(表示回数あたり),CPC(クリックあたり)を選択し,それに対する入札金額を指定できます
非常に洗練されたユーザーインターフェースとなっており、属性や入札額を指定すると、推定ユーザー数や推定クリック数などが表示されるのが素晴らしいです。この例では、ターゲットした「東京から50マイル以内で日本語の話せる18才以上の会員」はFacebook上に178960人いることがリアルタイムに表示されています。
(2)ブランド広告 
これは日本でいうタイアップ広告で、Facebookに直接問い合わせて統合的なキャンペーン広告を作成するものです。機能としては,ファンページを機軸に,FacebookアプリとFacebook広告を組み合わせたものになるのが一般的で、予算はページ上では100万円からとなっています。
(3)マイクロソフト提携広告
文字通り,マイクロソフトと提携し、彼等の提供するバナー広告やスポンサードリンクを表示するものです。なお契約は2006年に締結されたものですが、背景にグーグルとマイスペース(当時は圧倒的にNo1のSNSだった)の独占契約があり、対抗策としてマイクロソフトが動いたものです。

Ⅱ.アプリ系売上

アプリ系売上は、SNS本体ではなく、FacebookのコマースショップであるGiftShop、およびサードパーティによるアプリによってもたらされる収益で、Facebook会員からの直接売上、つまりB2Cモデルとなっています。
【Facebook内のコマースショップ GiftShopの取り扱い商品】
ここで注目されるのは、友人へプレゼントするバーチャルグッズ(Virtual Gifts,E-Cards,Charity)だけでなく、音楽MP3ダウンロード販売(Music and MP3s)や物販(Real Gifts)まで商材を広げ始めている点です。またSports系バーチャルグッズなどでブランド・タイアップ系ギフトが増えている点も見逃せません。

さて、以下には、Facebookと、日本の他のSNSなどとの収益構造の違いなど掲載しておきます。

mixiは広告系が全SNSで最も強い一方、会員課金に大きく出遅れています。オープン化の収益貢献に期待がかかっています。

GREE最大の強みは会員フィーです。高品質の内製ソーシャルゲームにより会員課金で他を圧倒しています。

モバゲーはバランス型ですが、デベロッパー向けサービス(課金決済,アバター提供,投稿監視)が新しいです。

Facebookは、会員フィーを除く全ドライバーに着手しはじめています。これからの収益急拡大が予想されます。

上記の記事のように、Facebookの収益拡大のキーとなるのは次の5点だと考えられます。

広告ターゲティングの精度向上と広告主獲得のための宣伝活動
仮想グッズに加え,物販・音楽ダウンロードまで手を広げたコマースショップの拡大
本格的に利用されはじめた独自課金サービス Pay for Facebook の拡大(課金率30%と極めて高収益)
オプトインによる外部コマース・アクティビティのユーザー共有(Beaconはオプトアウトのため失敗)
プレミアム会員,特にブランド広告ニーズのある企業向け有料会員サービス

さて、Facebookの収益構造は、以上のようなものですが、本年もこのように収益をあげ、来年には、このブログでも以前掲載したように、独自のスマホ"Buffy"を開発し、ユーザーに配布するとしています。これによって、Facebookは、さらなる、ユーザーの拡大を狙っていると思いますが、本当に、無料で配布するのか、無料で配布するとすれば、何か条件はあるのかなど、興味はつきません。今後また、新しい動きがあれば、また掲載させていただきます。

【関連記事】

『facebook』というキーワードを含んだこのブログの過去の記事はこちらから!!

コメントを投稿

若者は保守化しているのか 雇用改善で政権支持の実態、左翼色強い報道にも縁遠く―【私の論評】まもなく実質賃金も上昇しはじめ、吠え面をかく反安倍派?

若者は保守化しているのか 雇用改善で政権支持の実態、左翼色強い報道にも縁遠く  毎日新聞の記事で、20代以下と30代の若者に内閣や自民党の支持者が多かったという調査結果が紹介されている。「政治的な知識不足」「現状維持を望む」といった解釈のほか、「雇用の売り手市場」なども要因と...