→ソレイマニ司令官は革命防衛隊のコッズ部隊を率いていた有力者
→イランは反撃を迫る「強い圧力」にさらされる-元CIAのピラー氏
トランプ米大統領が命じた米軍によるイラクでの空爆でイランの精鋭部隊、革命防衛隊の司令官1人が死亡した。米国とイランとの対立が深まる恐れがある。
米国防総省は2日夜、トランプ大統領の指示を受けたバグダッド国際空港付近での空爆により、革命防衛隊の有力者ソレイマニ司令官が死亡したと発表。ソレイマニ司令官は「米国の外交官やイラクや中東に駐留する米軍を攻撃する計画を積極的に策定していた」と説明した。
ソレイマニ司令官殺害を受け、米国とイランの緊張の高まりが他国も巻き込みかねない武力衝突につながるとの懸念が強まった。米株価指数先物と3日のアジア株はこのニュースを受けて反落。原油相場は急伸した。安全資産需要が強まり米国債先物と円がいずれも上昇している。
イランの最高指導者ハメネイ師は、ソレイマニ司令官を殺害した者に対する「手厳しい報復」を表明。国営タスニム通信によれば、同国政府は3日間の服喪を宣言した。
イランのザリフ外相はツイッターで、米軍による同司令官殺害を「国際的なテロ行為」と非難。「米国は不正な冒険主義の結果について全責任を負うことになる」とし、「極めて危険で愚かなエスカレーション」だと批判した。
トランプ大統領は現時点でコメントを出していないが、米国の星条旗の画像をツイートしている。
革命防衛隊コッズ部隊を率いていたソレイマニ氏 |
革命防衛隊コッズ部隊を率いていたソレイマニ氏は、イラン・イラク戦争の兵役経験者で、イラクとシリアにおける過激派組織「イスラム国(IS)」打倒に尽力し、米国の影響力に対抗する人物としてイランで称賛される著名人。ジョージタウン大学のシニアフェローで、米中央情報局(CIA)元職員のポール・ピラー氏は、イランは反撃を迫る「強い圧力」にさらされるだろうと述べ、対立がエスカレートする可能性はにわかに高まったと指摘した。
原題:Top Iranian Commander Killed in U.S. Airstrike on Trump Orders (抜粋)
【私の論評】半年前に米軍の大型無人機が革命防衛隊によって撃墜された大事件の報復か?事態は急展開(゚д゚)!
何らかの報復は必至で、米国は戦争をも覚悟した強い意志を持って作戦を決行したのでしょう。半年前にホルムズ海峡でアメリカ軍の大型無人機が革命防衛隊によって撃墜される大事件がありましたが、その報復を結果的に達成したことになります。
昨年撃墜されたとみられる米軍の無人偵察機「RQ─4Aグローバルホーク」の同型機 |
イランは無人機撃墜だけでなくコッズ部隊の支援を与えたシーア派民兵組織「カタイブ・ヒズボラ」によるイラクのキルクーク近くの基地襲撃などアメリカ軍への攻撃を繰り返しており、報復の連鎖が続いています。
今回の攻撃ではイランのソレイマニ司令官と一緒に「カタイブ・ヒズボラ」の指導者も殺害されています。ソレイマニがイラクに居たのは大規模な対米テロ作戦の指揮を執る為だったと思われます。
わずか数ヶ月間にイスラム国指導者バグダディに次ぎ世界最大のテロ支援国家イランのスレイマニ司令官を殺害したのですから、トランプ政権にとっては大成果です。これは、いずれトランプ大統領の支持率が、パグダディ殺害のときに上がった時のように上がるでしょう。
ソレイマニがこれまでシリアとイラクでどれほど多くの人々を虐殺してきて、これからも虐殺していったであろうことを知れば、ソレイマニ排除こそ人道的な措置とも言えます。
イラン最高指導者ハメネイ師、ローハーニー大統領らはスレイマーニー司令官の報復を宣言、現在報復作戦を検討中と伝えられています。イラクのアブドゥルマフディ首相も暗殺を実行したアメリカを非難する声明を発表しました。米国当局は在イラクの米国人に即時出国を要請しました。事態は急展開しています。
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わずか数ヶ月間にイスラム国指導者バグダディに次ぎ世界最大のテロ支援国家イランのスレイマニ司令官を殺害したのですから、トランプ政権にとっては大成果です。これは、いずれトランプ大統領の支持率が、パグダディ殺害のときに上がった時のように上がるでしょう。
このブログでも掲載したように、イスラム国指導者バグダディを「厳格な宗教学者」と記したワシントンポスト紙は、世界的テロリストの筆頭格であったイラン革命防衛隊クドゥス部隊のスレイマーニー司令官を「最も尊敬された軍事指導者」と描写。左派メディアにとって反米テロリストは英雄だということのようです。
日本のメディアもおかしげな、報道をしているところもあります。代表的なのは、時事です。
時事通信はスレイマーニー暗殺について「関係各国・組織から3日、米国を非難する声が相次いだ」とあたかも国際世論が反米であるかのような記事を出し印象操作をしています。非難しているのはイラン影響下にあるシリア、ヒズボラ、ハマスとロシアのみです。
一方では、トップが死んでもイスラム過激派テロのイデオロギーもメカニズムも残存するのが実態です。それでもテロと戦い続けるしかないのです。
時事通信はスレイマーニー暗殺について「関係各国・組織から3日、米国を非難する声が相次いだ」とあたかも国際世論が反米であるかのような記事を出し印象操作をしています。非難しているのはイラン影響下にあるシリア、ヒズボラ、ハマスとロシアのみです。
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