2020年3月31日火曜日

豊田真由子さん「コメンテーター転身」をネット民歓迎の理由―【私の論評】コミュニケーションの本質を知らなければ、豊田氏の失敗の本質や現在の姿を理解できない(゚д゚)!


『バイキング!』にコメンテーターとして復活した豊田真由子氏

新型コロナウイルスが日本中の関心事となって1か月以上が経つ。テレビの情報番組もコロナウルス情報を連日、取り上げている。そのときに欠かせないのが適切な解説やコメントをしてくれる「有識者」の存在だ。東京歯科大学教授で呼吸器内科部長の寺島毅さんや、元国立感染症研究所ウイルス第三部研究員で白鴎大学教授の岡田晴恵さんなど、様々な立場や経歴の専門家が登場しているが、最近、やさしく分かりやすい語り口で評判が高まっているのが元衆議院議員の豊田真由子さんだ。

【別写真】柔和な笑顔には“まゆゆ”のニックネームが

 豊田さんといえば、2017年に報じられた秘書への暴言「このハゲーーー!」で日本中の人に激しい怒りで叫んでいる印象がついていた。しかし『バイキング!』(フジテレビ系)に初めてゲストコメンテーターとして登場した姿はそれと大きく異なり、おろした前髪に肩までのふんわりヘア、淑やかなメイクで穏やかに語っていた。ネットでも「イメチェン!」「キレイだし、やさしそう」「雰囲気かわっていい感じ」と歓迎され、その後、出演するたびに「豊田真由子」や新たに呼ばれるようになった愛称「まゆゆ」がTwitterのトレンドワード入りするほどの注目ぶりだ。

 2017年の騒動当時、ネット、とくにSNSでは豊田さんの話題には罵詈雑言がつきまとっていた。だが、今回の大歓迎ぶりはどうしたことか。たった3年で、これほど評価が変わるものなのか。ネットニュース編集者で豊田さんを当時から追い続けていた中川淳一郎氏によれば「まゆちゃんはもともと、そんなに嫌われていなかったんですよ」と断言する。3年前からそのかわいらしさに注目していたネット民にとって彼女は「まゆちゃん」と呼ばれる存在だったという。

 「騒動時から『まゆちゃんをいじめるな』と主張しているネット民は少なくなかった。確かに暴言でしたが、そこまで追い詰めるような内容かということです。それに、あの騒動のあと、政党の応援もないなか必死に選挙活動する姿が報じられていましたよね。そして落選したから、地獄をみて苦労したんだろうなということを皆が知っている。女性の国会議員はこうあるべきという型にはめられていたのが、今回のテレビ出演で本来の頭の良さやおだやかで優しそうな感じが分かりやすく伝わったのだと思います。そして、司会の坂上忍さんがひな壇に座る髪が薄いことをネタにしているそのまんま東さんなどを差して『ハゲ用意しておきました』と言い、ハゲをネタにしてもらえたことで許された雰囲気になった影響も大きいです」

 さらに、意外なイメージチェンジととられている豊田さんの見た目や言葉づかいの変化は、変わったのではなく、あれこそ本来の姿だ、と元同級生が語る。

 「学生時代はいつも淡いピンクや白などの可愛らしい服装でした。逆に、国会議員になったときのシャープなスーツ姿や髪型、メイクのほうに違和感がありました。穏やかな口調も、同じ教室で勉強していた頃のまま。大声で怒鳴ったり、叫んだりするところなんて見たことがなかった。公衆衛生の専門家として落ち着いて語る様子も、勉強熱心だった豊田さんのままです」

 東京大学法学部を卒業後、厚生省(現・厚生労働省)へ入省した豊田さんはハーバード大学へ留学、公衆衛生学で修士号を得ている。さらに2009年の新型インフルエンザ流行時には、厚生労働省の調整実務担当者だったので、未知の感染症に社会はどのように向き合っていくのか、という難題への取り組みを紹介できるのも納得だ。

 とはいえ、専門領域に詳しくても人に説明するのが上手とは限らない。どのテレビ局も、人に伝える技術も持ち合わせた専門家探しに苦労している。そんななか豊田さんが"発見"されたのは、友人宛のアドバイスが偶然、番組関係者の目に触れたためだった。

 「新型コロナウイルスについて不安を抱える友人に送った、見解とアドバイスのメールが『バイキング!』(フジテレビ系)の番組プロデューサーの目に留まったことがきっかけでした。医療に詳しくない、つまり一般の人に向けて分かりやすく解説されていて、不安を与えないように配慮が行き届いたアドバイスだったんです。テレビで話してもらうのにぴったりだとお願いしました」(番組関係者)

 出演を依頼した番組は生放送だということもあり、それを理由に及び腰になる人も少なくない。だが豊田さんは「役に立てることがあるのならやらせていただきたい、と快諾いただきました」(前述の番組関係者)という。

 その後、豊田さんは複数回、番組に出演しているが、そのたびにネットでは評価が高まっている。内容をみると、冒頭で記した見た目や語り口だけでなく「持ち込み資料すごい」「ものすごい分量の資料」と、机の上に分厚いファイルを置く姿も強く印象づけられているようだ。この「分厚い資料」には、出演者として豊田さんを迎えた番組関係者も驚いている。

「毎回、間違いないように、分かりやすく伝わるように、徹夜で準備してくださっているそうです。スタジオにまで持ち込む大量の資料には赤ペンでびっしり書き込みがある。過去の資料もたくさん用意してくださって、生放送だと間際にお願いすることも多いのですが、どうやったら一番簡潔に説明できるかを直前まで練っていただいています。想定外の質問にも備えるべく、電話帳くらいの資料をいつもそのときの状況に合わせて新しく揃えて、読み込んでいる。本当にありがたいことです」

 2017年10月の衆議院議員選挙落選後、豊田さんは公の場から一切、姿を消していた。それから今回の番組出演で再び登場するまで、どのような生活を送っていたのか。「少し前には家族で笑顔で出かける様子も見られたので、元気になってよかったと思っていたんです」と地元の支援者が語る。

「あの事件のあとは、人前から隠れるように暮らしていました。体調を崩して入院していましたが、退院後は福祉法人に勤めていました。家族にも悲しい思いをさせてしまった、と必死で向き合ってきたそうです」

 家族も落ち着き、テレビ出演によって好感度も上がる一方だ。となれば政治の世界へ復帰することやタレント転身への誘いもありそうだが、本人にはそんなつもりはまったくないそうだ。

「役に立てることがあるのならやらせていただきたいとだけ言っているそうです。この3年間、本当に笑ったことがなかったけれど、こうやって人前に出たことで笑っている自分に気づけた。出演のきっかけをつくってくれた人たちに感謝しているとも話しているそうです」

 ネット、とくにTwitterで大評判の豊田さんだが、2017年の騒動以来、Twitterは怖くてまったく見ていないという。まゆゆへのエールを直接、届けられないのは寂しいかもしれないが、少しはにかんだ笑顔が似合う今の彼女にとって、Twitterを見ないぐらいが応援してくれる人とのちょうどよい距離感なのかもしれない。

【私の論評】コミュニケーションの本質を知らなければ、豊田氏の失敗の本質や現在の姿を理解できない(゚д゚)!

本日豊田真由子氏について掲載したのは、上の記事をはじめ世の中には実に安っぽい論評が多いからです。いずれの報道をみても、コミュニケーションの原則にまで踏み込んだ話をしているものはありません。

私自身は、豊田真由子氏が失敗してしまったのは、コミュニケーションの原則を知らなかったからだと思っています。

これについては、あの事件が起きてから少したってから、(2017年9月18日)このブログに掲載したことがあります。
豊田真由子議員が会見「生きているのが恥ずかしい、死んだ方がましではないかと思ったこともありました」―【私の論評】私達の中の1人から私達の中のもう1人に伝わるものとは?
詳細は、この記事をごらんいただくものとして、この記事ではコミュニケーションの原則をとりあげました。これは、ドラッカリアン (ドラッカー・ファン)なら誰でもご存知と思われるドラッカー氏のあげている原則です。

ドラッカー氏

1. コミュニケーションは知覚である
2. コミュニケーションは期待である
3. コミュニケーションは要求である
4. コミュニケーションは情報ではない

この原則の詳細は、この記事をご覧いただくものとして、なぜ豊田真由子氏が、あの時に失敗し、現在では成功しつつあるのか、各項目ごとに従って分析したものを以下に掲載します。

1. コミュニケーションは知覚である
大工には大工の言葉で話せと、ソクラテスは言っています。コミュニケーションとは、相手に知覚されなければ伝わらず、全く無意味になってしまいます。「2.のコミュニケーションは期待である」の項でも述べますが、彼女自身が相当な努力家で優秀な人であり、こうした優秀な人間にありがちな欠点は、他者が自分と同様に優秀であり、自分にとっては疑問の余地がな言葉なので、相手にも通じるのが当然という錯覚を抱いてしまう点にあります。
言葉も、相手に合わせた言葉でいうのでなく、自身の理解できる範囲で語ることが多く、相手の範囲を超えていることもしばしばあります。 あるいは、同じ事を言っても、コミュニケーションが互いに成り立っている相手なら、理解ができても、そうでない人に対しては、理解ができないということもよくあることです。豊田氏は、このあたりの配慮が欠けていたものと思います。
2. コミュニケーションは期待である
彼女自身は、非常に優秀な人物で、ミスを仕出かす人々の気持ちが本当に理解できないのできなかったのではないでしょうか。彼女の経歴をみると、東大法学部卒業、厚生労働省入省、ハーバード大大学院修了、そして衆議院議員に当選しています。 
およそ非の打ち所のないほど華麗な経歴で、彼女自身が相当な努力家で優秀な人だったのです。こうした優秀な人間にありがちな欠点は、他者が自分と同様に優秀であるという錯覚を抱いてしまう点にあります。
本来であればできるはずなのに、意図的に努力を怠っているから、仕事ができないという風に思い込んでしまうのです。自身が優秀であればあるほど陥りがちな欠点といってよいでしょう。この罵声を浴びせられた秘書のミスを許すことができなかったのでしょう。 
ところが、人間は皆、豊田代議士ほど努力家でも優秀でもありません。多くの人が豊田代議士ほど優秀ではないというのが、世の中の常です。確かに豊田氏は優秀な官僚ではあったかもしれないですが、個々の人々の心をおもんばかることができなかったという意味においては、政治家には絶対に不適格な人物であったといえるでしょう。 
これをドラッカー流にいえば、「コミュニケーションは期待」であるということです。豊田氏は、叱責した秘書に対して過度の期待をしすぎたのです、「このハゲー」という罵声は、豊田氏の秘書に対する期待を表していたのです。
それを秘書が受け止められなかったので、あのような事件になってしまったのです。 
3. コミュニケーションは要求である
相手に何かを要求するときに、それは相手の期待の範囲をこえる場合もあります。その場合には、これからおこることは相手の期待の範囲を超えていることを伝えなければなりません、そのためには覚醒のためのショックを与える必要があります。
覚醒のためのショックというと、仰々しいですが、平たくいうと、企業活動の日常でよくあるのは叱ることです。
この覚醒のショックを与えるには、相手の期待を良く知っていないければ無理です。豊田氏の「このハゲー」発言、はまさに秘書に対する要求で、何とかしろという叫びだったのでしょう。
しかし、秘書からすれば、自分は普通に仕事をこなしていると思い、豊田氏にとってそこそこ役に立っていると思っていて、豊田氏の期待には、ほぼほぼ応えていると思っていたのでしょう。
ところが、豊田氏の期待の水準は、それよりもはるかに高く、完璧に秘書の想定の範囲を超えていたのでしょう。 豊田氏は秘書の期待がどの程度のものだったかなど、全く考慮していなかったのでしょう。
4. コミュニケーションは情報ではない
コミュニケーションは情報ではありません。しかし、両者は相互依存関係にあります。情報は人間的要素を必要とせず、むしろ感情や感想、気持ちなどを排除したものの方が信頼される傾向にあります。そして、情報が存在するためにはコミュニケーションが不可欠です。 
しかし、コミュニケーションには必ずしも情報は必要ありません。必要なのは知覚です。相手と自分との間に共通するものがあれば、それでコミュニケーションは成り立つのです。このことも豊田氏は理解していなかっのでしょう。
5年ぶりくらいに、親友に会っても、話は十分に通じます。それはコミュニケーションが成り立っているからです。しかし、初めて会った人とは、相手にあわせるとか、平易で誰にでもわかる言葉を使いをするなどの配慮しないと、なかなかコミュニケーションは成り立ちません。
ドラッカーの「コミュニケーション」の原則には、最後にもう一つ重要なものがあります。それは、コミュニケーションとは「私達の中の一人から、私達の中のもう一人に伝わるもの」であるということです。

コミュニケーションを交わすには、そもそも「私達」といえる関係になっていなければ、伝わらないのてす。

豊田氏と「このハゲー」といわれた秘書の間には、「私達」といえるまでの関係はなかったのでしょう。

コミュニケーションの成り立っていない間柄の人間同士では、表面的な付き合いしかできないということです。そうして、コミュニケーションが成り立っていない場合は、最悪の結果を招くことになります。

この元秘書は、年齢ははっきりしませんが、豊田氏よりは一回り上だったようです。であれば、経歴や学歴などでは、豊田氏には及ばないかもしれないですが、コミュニケーションにかけては一日の長があるはずで、未熟気味の豊田氏に対して何らかの対処ができたはずとも思います。

恐らく、何度も信じられないほどの暴言を浴びせられ、嫌気が差したことは理解できます。しかし、本来、彼がなすべきだったのは、ミスをした点に関しては、豊田代議士に対する心からの謝罪であり、その後になすべきは、豊田氏の異常な言動に対する「諫言」ではなかっでしょうか。

失敗した点は謝罪すべきですが、本来、非難されるべき点ではない身体的特徴を揶揄(やゆ)され、人格を否定されるような発言がなされた点に対しては、いさめるべき立場にあったと考えられます。いさめて聞き入れないというのならば、断固として、その点は認めがたいと面を冒してでも堂々と主張すべきだった思います。

これは、豊田氏に対する覚醒へのショックとなり、豊田氏も変容して、それこそ秘書と「私達」といえる関係となり、コミュニケーションが成り立つきっかけになったかもしれません。どちらか一方の期待や、要求が他方の想定よりもはるかに大きい場合、このようなことになりがちです。

昔は、本当の親友とは喧嘩をしないとなかなかなれないといわれたものですが、これは本当にコミュニケーションを成り立たせるためには、覚醒のショックが必要だということを指していたのだと思います。しかし、最近では、単なる知人を友だちなどと読んでいる人も大勢いて、こういうことが理解されていないのではないか思うことがしばしばあります。

現在の豊田氏が、現在ネット民に歓迎されているのは、やはり、このコミュニケーション能力を体得しつつあることが、ネット民にも伝わったからではないでしょうか。

見た目や語り口だけでなく、毎回、間違いないように、分かりやすく伝わるように、徹夜で準備するなど、とにかく相手を中心にものを考えるようになっていることが、評価されているのでしょう。とにかく、スタジオの共演者や視聴者の人々と、「私達」といえる関係を構築すべく努力している姿が評価されたのだと思います。

それにしても、この豊田氏の過ちを単に批判するだけの人もいましたが、現在の日本には、残念ながら、豊田氏同じよう間違いをし続ける人も多いのではないでしょうか。実際、河村建夫元官房長官は豊田氏に対して「ちょっとかわいそうだ。あんな男の代議士はいっぱいいる」と述べていました。

さらに、最近特に中間管理層には、部下を怒ったり、褒めることはできても、叱ることができない人も大勢いるようです。これでは、コミュニケーションが成り立っていないと思います。

私自身も、以前ドラッカーの「マネジメント【エッセンシャル版】」を題材として、40歳前後の有志と集い、読書会を開いたことがあります。その時、「コミュニケーションの原則」に関わる読書会の時に感じたのは、多くの人が字面を追っているだけで、ドラッカーのいうところの「コミュニケーション原則」を良く理解していないと感じたことでした。

多くの人感想は「当たり前」というものでした。では、その当たり前の事実の例証をあげてみよと指摘すると、満足な事例があがってこないのです。普段からあまりコミュニケーションに関心がないことの現れだと思いました。

他にも、事例があります。私は以前人事の仕事をしていたこともあるので、当時は企業説明会にも何度も足を運んだことがあります。そこで、他の企業の採用担当と親しく話をしたことがあります。

当時は、不況の真っ只中で、どこの企業も積極採用はしておらず、そうして多くの企業が「コミュニケーション能力重視」を採用のポイントだとしていました。


そこで、「コミュニケーション」を重視しているという企業の採用担当者の何人かに、担当直入に「御社でいうところのコミュニケーションとは何か」と質問してみました。

そうすると、多くの担当者が答えに窮していました。「コミュニケーション」とは当然のことであり、それまでまともに考えたこともないようでした。すぐに反応する人もいましたが、それにしても、技法などに限られていて、深みのあるものはほとんどありませんでした。

無論、私としてはドラッカーのいうところの「コミュニケーションの原則」のような答えを期待していたわけではないのですが、それにしてもわざわざ「コミュニケーション重視」というのですから、当然何かあるだろうという私の思いは見事裏切られました。

結局当時は、かなりの不況であり、多くの企業は、人の採用は控えていたのですが、それにしても採用を全くしなければ、将来管理者や幹部を選ぶときに候補者がいなくなり、大変なことになるので、当たり障りのない調整型の人を採用するというのが、本音だったようです。

特定の方向に能力かありあまるような人を採用すれば、不況のさなかで何か新しいことにチャレンジしようとするでしょうし、そのようなことはできないわけですから、かえって企業が混乱してしまうことになります。であれは、調整型人間を採用しておけば、当たり障りないということです。要するに「調整型」では格好が悪いので「コミュニケーション型」という曖昧な言葉を用いただけのようです。

「コミュニケーション能力=調整型能力」というわけです。これは、コミュニケーションの一側面を表しているだけで、コミュニケーションの本質ではありません。私は、以前にもカタカナ用語の弊害を主張してきましたが、この日本ではおそらく「コミュニケーション」ほど曖昧につかわれている言葉はないと思います。それが、様々な混乱を生んでいると思います。

私は、随分前から日本人はいつの間にか、コミュニケーション能力が衰えてきているような気がしていました。何しろ、豊田氏の例の事件が起こってしまったのですから、代議士もひどければ、秘書も著しくコミュニケーション能力が欠如していたと言わざるを得ません。日本の政治は一体どうなってしまうのかと思わざるを得ない低俗な事件でした。

もともとの日本人はわざわざ「コミュニケーション」という言葉を持ち出すまでもなく、そのようなことは、ある程度の年齢になれば、自然と体得していたと思うのですが、現在そうではないようです。

「報告・連絡・相談」いわゆる「ホウレンソウ」がコミュニケーションと信じて疑わない人もいます。いくら「ホウレンソウ」をしていても、コミュニケーションが希薄な場合もあります。あるいは、コミュニケーション=ノミュニケーションであり、「一緒に飲めばわかると」、中東のテロリストにツイートして、「私達はあなたを殺します」と答えられた学生がいたりします。この学生は、中東は原則禁酒であることを知らないのでしょう。
 

コミュニケーションの本質を知らない人たちが、「コミュ障」などの言葉を使っています。これでは、日本には「コミュ障」がはびこるわけです。現在では、「惻隠の情」という言葉ですら、死語になってしまったようで、わからない人が多いです。

田中角栄は「人たらし」といわれていましたが、田中氏は本当にコミュニケーション能力が優れていたのだと思います。そのような逸話は、いまでもサイトを検索するとたくさんでできます。

豊田真由子氏は、相当のストレスを抱えていたようですが、コミュニケーションに問題があれば、そうなります。

現在はストレス社会ともいわれていますが、ストレスを抱えている人の中にもコミュニケーションに問題がある人が大勢いるのではないでしょうか。

現在では、コミュニケーションという言葉を使い、ドラッカーの「コミュニケーション原則」をあげて、厳密に話をしないとわからない人が増えてきました。残念なことです。
 
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2020年3月30日月曜日

遅すぎ、ショボすぎ…安倍政権のコロナ対策は、まるで話にならない―【私の論評】コロナ復興税すら徴収しかなねいゴロツキ財務官僚の思い通りにさせるな(゚д゚)!

遅すぎ、ショボすぎ…安倍政権のコロナ対策は、まるで話にならない
はっきり言おう。このままでは危ない



もう1ヵ月以上遅れている

安倍首相は28日に記者会見し、「緊急経済対策の策定と、その実行のための補正予算案の編成を、このあと指示する。今まさにスピードが求められており、10日程度のうちに取りまとめて速やかに国会に提出したい」と述べ、今後10日程度でリーマンショックのときを上回る規模の緊急経済対策を策定し、新年度の補正予算案を編成する考えを示した。

筆者の結論を言おう。これまでの本コラムを読んでもらえればわかると思うが、「あまりに遅すぎで、シャビー(みすぼらしい)」だ。

まず「遅すぎ」からいこう。28日に記者会見が行われたのは、27日に2020年度予算が成立したからだ。この段階で、財務省の手順に従ってしまっており、「遅すぎる」のだ。

筆者はこれまでの本コラムでも、3月中の2020年度予算の「修正」を主張してきた。2020年度予算を成立させてから「補正」で対応すると、1ヵ月以上も遅れるのだ。

また、中身に関わる話でもあるが、安倍首相は、現金給付の規模や対象について「リーマンショックの時の経験や効果などを考えれば、ターゲットをある程度おいて、思い切った給付を行っていくべきだと考えている」と述べ、すべての国民に一律の現金給付には慎重な考えを示した。


これは、所得制限したうえで現金給付をするつもりなのだろう。今回のような大きな経済危機の時には、何よりスピードが優先される。なので先進国では、まず現金給付をする。具体的には、筆者が本コラムで書いてきたような政府振出小切手を国民に配るというやり方だ。

所得制限とは、通常は配布前に所得制限をかけて行うものだ。具体的には、所得に応じて給付金を配布するという方法になる。しかし、実際に行うにはかなりの時間を要する。そこで、政府振出小切手を一律に配布するという方法がとられる。この方式は、アメリカなら2週間程度で実施可能だ。

やっぱり財務省が障害か

「高額所得者に対しても一律に給付金を出せば批判される」と、財務省は国会議員を脅す。実際に、今回もそのようなことがあったようだ。しかし、その脅しは簡単に切り返すことができる。

というのは、アメリカでも同じであるが、税法の非課税措置を手当しなければ(つまり何もしなければ)、給付金は税法上「一時所得」に該当するため、高額所得者は限界税率が高く、それなりの調整がなされるのだ。

こうした危機に所得制限を示唆するとは、日本の国会議員はコロっと財務省に騙されてしまったようだ。

ついでに言っておくが、日本の現金給付は政府振出小切手を使っていないので、とても2週間ではできない。

リーマンショック時に給付された定額給付金は、いわゆる地方事務である。地方自治体から国民に、定額給付金の「申請書」が送られる。国民はそれに銀行口座などを記載し、本人確認書類などとともに地方自治体に「申請」する。受け取った地方自治体は、本人確認をして、銀行口座に振り込む。この間、1、2ヵ月を要する。

一方、政府振出小切手では、本人のところに小切手が届く。本人はそれに署名して、銀行に持ち込む。銀行が本人確認して現金が付与される。この方式のほうが簡便なので、2週間くらいで実施できる。

官邸が財務省にやられている

次に、対策そのものの規模も情けないほどシャビーだ。一応、「リーマンショックの際を上回る規模」というが、これは事業規模の話だ。リーマンショック時に政府が56兆円の事業規模で対策したのは事実だが、真水ベースだと15兆円程度だった。

経済対策には、大別すれば(1)公共事業、(2)減税・給付金、(3)融資・保証がある。「真水」とは、(1)のうち用地取得費(事業費の2割程度)を除いた部分、(2)は全額、(3)は含めないで、(1)(2)を合算したものを指すことが多い。

実際の政策としては、(2)でも消費に回らないと短期的にはGDP創出につながらないし、(3)がないと企業倒産に繋がり、雇用の喪失を通じてGDPへの悪影響が出る。

その意味では、全ての政策が相まって重要なのだが、「真水」の考え方は、「マクロ経済政策による有効需要増のGDPに対する比率」で表すことができる。そのため、経済ショックで需給ギャップがGDPの一定割合に生じた際、どの程度まで穴埋めできるかが簡単にわかるので、景気の先行きを占う上で有効である。

実は、筆者は、2010年1月5日から本コラムを書いている。最初の原稿「なぜ日本経済だけが一人負けなのか」(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/60)では、リーマンショックのGDPギャップとその埋め方を、日米英独で国際比較している。その中で、「日本は財政政策も金融政策も酷い」と論じている。

安倍政権になって、少しは民主党政権より経済運営がまともになったが、ここにきて、メッキがはげている。自民党内の一部はまともであるが、今の安倍政権は官邸が機能していない。このため、財務省にやられている。さすがの安倍首相も、パワーが失われているようだ。

「真水」でないと意味がない理由

その結果、今回の経済対策も事業費ベースでは50兆円を超えるが、真水ベースではシャビーな案になっている。GDPに影響を与える真水ベースだと、せいぜい20兆円ともいわれる。これではGDPのわずか4%である。アメリカでは2兆ドルベースの経済対策で与野党が一致しており、これがGDPの10%に達することと比べると、日本はシャビーと言わざるを得ない。

なぜ「真水」が重要なのかと言えば、先に紹介した本コラムの第1回にも書いたように、今回のような経済ショックがあると、有効需要が失われGDPが低下するが、それはGDPと失業率の関係を示すオークンの法則からわかるように、「雇用の喪失」を意味するからだ。

どこの先進国でも、雇用の確保はマクロ経済政策のイロハである。経済ショックが各国のGDPに与える悪影響も均一ではなく、またそれが失業に与える悪影響も同じではない。しかし、雇用の確保という観点からみれば、経済ショックに対する各国のマクロ政策には自ずと相場観が出てくる。そうした議論のためには、「真水」の考え方で経済対策を見たほうが適切だ。

「真水」をシャビーにするのは、財務省の意向だ。彼らがその言い訳に使うのが、財政事情である。本コラムでは、日本の財政事情は悪くないと何度も繰り返してきた。

特に、今回のような経済危機においては、先進国では同時に金融緩和も行われる。それは、財政問題を起こさないためでもある。

実は、「経済対策を国債発行で賄い、それと同時に金融緩和する」というのは、発行した国債を中央銀行が購入することを意味する。そうなると、国債の利払いは中央銀行になされるが、それは納付金として政府の収入になるので、実質的な利払い負担がなくなるのだ。

このことは、前回のコラムにも書いた。しかし、実際の政治の現場では、政治家は財務省のいいなりになってしまう。どうしてなのか。

「ポスト安倍」との絡み

それには、自民党の党内力学が働いているようだ。ポスト安倍で、財務省に近い岸田文雄氏が図抜けているということだ。

岸田氏の派閥は宏池会だ。宏池会は、大蔵官僚から首相まで登りつめた池田勇人氏を創設者とする自民党内の伝統派閥で、官僚出身議員が多く、財務省の影響を強く受けている。

麻生太郎財務大臣は、宏池会ではないが、宏池会に近いとされている。もちろん財務大臣なので、財務省の伝統的な手法をそのまま実施しようとしている。

消費減税や小切手案は、財務省が最も嫌う政策であり、岸田氏や麻生財務相も否定的なので、現段階で実施は政治的に無理なのだ。

筆者もある宏池会系の議員や記者から、「あなたの言う消費減税や政府小切手などの政策は経済的には正しいが、財務省が否定するので政治的には採用されない」と言われたこともある。

それにしても、28日の記者会見で、消費減税について質問した記者はたった1人。新聞社が軽減税率の恩恵を受けていて、消費減税に反対しているから質問できないのではないだろうかと思ったくらい、残念だ。

このままで自民党は大丈夫なのだろうか。先週末に行われた共同通信の世論調査では、「望ましい景気対策」として、現金給付32.6%、商品券給付17.8%、消費減税43.4%となっている。意外と世論はよく見ているのかもしれず、ポスト安倍は国民と財務省の板挟みで苦しむかもしれない。

その他の対策もおかしい

いずれにしても、今の安倍政権はちょっとおかしい。筆者が強くそう思うのは、経済対策だけではない。

ひとつは新型インフルエンザ対策特別措置法の運用だ。これは民主党政権時代の法律を改正したもので、3月13日公布、14日施行だった。

筆者が驚いたのは、14日施行なのに、この法律にもとづいてすぐに政府対策本部を立ち上げなかったことだ。すでに首相官邸には新型コロナウイルス感染症対策本部があったので、それをそっくり移行させればよかったはずだ。政府対策本部が発足したのは、なんと27日だった。

緊急事態宣言がまだ出されていないのも奇妙だ。

特措法改正時の3月10日、筆者はあるネット番組で「ヒゲの隊長」こと佐藤正久参院議員と対談したが、一刻も早く緊急事態宣言を出すべきとの意見で一致した。

その時はまだ、今日の事態を必ずしも正しく予測していたわけでないが、各都道府県知事が強制措置をとるべき時になれば法的根拠を確保できるし、とるべきでなければやらなければいいだけだからだ。他国では軒並み緊急事態宣言やそれに準ずる状況であり、いまさら日本が緊急事態宣言を出しても特に問題にはならないので、やらない選択肢はなかった。

しかしながら、いまだに宣言はなされていない。政府は「ギリギリの状況だ」と言う。特措法は医療崩壊を防ぐためのものなので、それほど「ギリギリ」なら緊急事態宣言を政府が行い、各都道府県知事に、対策の法的根拠と実施権限を与えておくべきだ。

小池百合子東京都知事が「ロックダウン」などと言っているが、法的根拠なしで行うのは危うい。

その他の対策もおかしい

いずれにしても、今の安倍政権はちょっとおかしい。筆者が強くそう思うのは、経済対策だけではない。

ひとつは新型インフルエンザ対策特別措置法の運用だ。これは民主党政権時代の法律を改正したもので、3月13日公布、14日施行だった。

筆者が驚いたのは、14日施行なのに、この法律にもとづいてすぐに政府対策本部を立ち上げなかったことだ。すでに首相官邸には新型コロナウイルス感染症対策本部があったので、それをそっくり移行させればよかったはずだ。政府対策本部が発足したのは、なんと27日だった。

緊急事態宣言がまだ出されていないのも奇妙だ。

特措法改正時の3月10日、筆者はあるネット番組で「ヒゲの隊長」こと佐藤正久参院議員と対談したが、一刻も早く緊急事態宣言を出すべきとの意見で一致した。

その時はまだ、今日の事態を必ずしも正しく予測していたわけでないが、各都道府県知事が強制措置をとるべき時になれば法的根拠を確保できるし、とるべきでなければやらなければいいだけだからだ。他国では軒並み緊急事態宣言やそれに準ずる状況であり、いまさら日本が緊急事態宣言を出しても特に問題にはならないので、やらない選択肢はなかった。

しかしながら、いまだに宣言はなされていない。政府は「ギリギリの状況だ」と言う。特措法は医療崩壊を防ぐためのものなので、それほど「ギリギリ」なら緊急事態宣言を政府が行い、各都道府県知事に、対策の法的根拠と実施権限を与えておくべきだ。

小池百合子東京都知事が「ロックダウン」などと言っているが、法的根拠なしで行うのは危うい。

もはや終息のメドは立たない

その小池都知事も、もっと前に都民へ強く注意喚起をしておくべきだった。これは、3月19日の政府専門家会合で示されたデータだ。

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「感染源が未知の患者数の推移」であるが、これを見ると、東京と大阪で急激に増加しており、危ないと読める。実際、吉村洋文大阪府知事は、3月20〜22日の3連休前に兵庫・大阪間の往来自粛を呼びかけている。

そのときの根拠として、吉村知事はTwitterで厚労省から説明を受けたことを明かしている(https://twitter.com/hiroyoshimura/status/1240892069507256320)。


厚労省から受けたこの提案を重視し、方針を決定した。単なる有識者やコメンテーターが作成したものじゃない。国がこの書類を持って大阪府と兵庫県にわざわざ説明に来て提案された。重要な事実と判断して外に出した。多くのコメンテーターはこんな数字なる訳ないと思うだろうが、僕は無視できない。



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大阪府が厚労省から説明を受けているのであれば、東京都も同じであるはずだ。しかし小池都知事は、3月20〜22日の3連休前には何もしなかった。いくら東京五輪の延期に手間を取られていたとしても、これは重大なミスである。

因果関係はわからないが、結果として、感染者数は急激に増加している。下図は、これまで筆者が示してきた患者数推移予測の図を更新したものだ。従来の政策が有効であるとの前提で立てた先週までの予測は範囲内におさまっていたものの、今では大きく外れており、終息のメドは立たなくなっている。まったく違うフェーズに入っていると言わざるを得ない。

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筆者はいろいろな場で「いつまでにこの騒ぎは収まるか」と聞かれて、「東京と大阪が大丈夫なら○○までに」などと答えてきたが、その前提が崩れたいま、当面確たることは言いにくくなった。

【私の論評】コロナ復興税すら徴収しかなねいゴロツキ財務官僚の思い通りにさせるな(゚д゚)!

財務省は過去にも、嘘をつきつづけてきました。その最大のものは、復興税です。今東西、大地震・津波のような大震災の復興において、増税で対処したなどという話は聞いたことがありません。

国債を大量に発行して、復興事業を行うというのが普通です。復興税で実行した国など、古今東西いずれにもありません。疑問を感じられる方は、実際に調べてみてください。これは、経済学の常識中の常識なのですが、国債世代間の不公平を是正することができるのですが、税金ということになると、被災した世代にだけ負担が重くなり、世代間の不公平がおきるからです。

このブログでも主張してきたように、そもそも、自国通貨建て国債の債務不履行はあり得ないのです。つまりは、日本の財政破綻の可能性はゼロなのです。

しかし、財務省は復興税キャンペーンを行い、政治家、マスコミ、エコノミストを巻き込み、このとんでない復興税法を成立させ、国民に負担を強いました。国民といえば、震災を被った国民にも負担を強いたのですから、とんでもないの一言につきます。

財務省は、8%増税、10%の増税への露払いとして、復興税増税を実行したとされています。私自身、これ以前から私は財務省や、財務省の走狗となりはてた、日本の主流派の経済学者など、全く信用していないし、復興税を実現させたことで、それを確信し、奴らは、ただの馬鹿者共と断じています。

財務省は、消費税増税の根拠として、財政難や消費税を税と社会保証の一体改革の一環であるとしました。しかし、これも全部ウソです。このブログを読んでいる方なら、そもそもこの日本が財政難ではないことを知っているはずです。

財務省は、負債ばかり協調しますが、資産も含めて全体を考えると、負債はさほど大きくはありません。さらに、大企業が連列決算をしているように、日本国政府と日銀を連結した統合政府ベースでみると、さらに負債はへるどころか、2018年あたりからは、資産が負債を上回り、日本国政府の財政再建は終了したと言っても良い状況です。

にもかかわらず、財務省は日本は借金まみれで、赤ちゃんまで含めた、一人あたりの国の借金は1000万円にものぼるという途方も無いキャンペーンを繰り返しています。

財務省のおはこ「国の借金」の大嘘

そうして、その目的は、国民生活など全く無視して、ありとあらゆる方式で、金を溜め込み、天下り先を確保し、財務省を退官した後の、リッチで優雅な生活をすることです。それ以外にありません、全く浅ましいクズです。

こんなことが、いつまでまかり通るのでしょうか。私自身は、今回のコロナからの復興等にも、財務省はコロナ税などを考えて、被災者からも復興税を徴収したように、コロナウイルスで親しい人や愛する人をなくした人や、実害を被った人々から徴税するのではないかと思ったくらいですが、さすがにそれは今のところはありません。

現状でそのようなことをすれば、コロナウイルスで実害を被った人々や、企業などから袋叩きにされることでしょう。しかし、復興税を実現した財務省ですから、コロナ禍がある程度収まり、復興に向けて、人々が動き出したときに、コロナ復興税を実現してもおかしくないです。

「高額所得者に対しても一律に給付金を出せば批判される」とか、あたかも財政が逼迫しているように装い、消費税減税と、給付金の二者択一を迫るとか、財務省は今回も暗躍しています。

さらに上の文書では高橋洋一氏は、「緊急事態宣言がまだ出されていないのも奇妙だ」としていますが、これは昨日もこのブログに掲載したように、非常事態宣言による経済の悪化に対処するための経済対策に財務省の抵抗があり、政府がなかなか非常事態宣言に踏み切れないとことがあったとすれば、本当にもうとんでないことです。財務省=殺人省と言っても良いくらいです。これについては、次第に明らかになっていくことでしょう。

消費税減税をせず、不十分な給付金にも、多くの政治家や国民が甘んじて、我慢するようなこがあれば、ますます財務省は、つけあがり、それこそコロナ復興税やさらなる消費税アップを目論むかもしれません。

そんなことになれば、日本は国民も政治家も、財務省の奴隷になるようなものです。これは、会社でいえば、財務部や経理部の人間が、取締役や代表取締役社長などを差し置いて自分たちが、会社を実質上運営するようなものです。絶対にこのようなことがあってはならないです。

財務省がこうした傲慢不遜な振る舞いをやめないなら、いずれ財務省は完全解体して、解体した部分、部分を他省庁の下に組み込むくらいの厳しい措置が必要です。そうしないと、奴らは、時間をかけて他省庁を植民し、自らの配下においてしまうことになります。そうなると、財務省という怪物は退治できなくなります。そうして、もうすでになりかけています。

安倍政権としては、まずは、財務省が反対しようがなんであろうが、緊急事態宣言を実施して、はやめに終息させた後の次の選挙で、まともな経済政策を公約として大勝利して、財務省の動きを封じてほしいものです。

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2020年3月29日日曜日

中国 陽性でも無症状は感染者に加えず 感染拡大に懸念の声―【私の論評】中国共産党も、日本の財務省も、その本質は「死神」であることが顕になりつつある(゚д゚)!

中国 陽性でも無症状は感染者に加えず 感染拡大に懸念の声


中国では新型コロナウイルスに感染して陽性反応が出ても症状がないことを理由に感染者の統計に加えず、公表もされていませんが、「無症状」の感染者から感染した可能性があるケースが出ていて、感染が広がることに懸念の声が上がっています。

中国 河南省の保健当局は28日、国内で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者45人のうち、省内の女性1人について、陽性反応が出ても症状がない人と濃厚接触していたと発表し、「無症状」の感染者から感染した可能性があることを明らかにしました。

中国政府は無症状の感染者について、隔離して2週間の経過観察の対象となるものの、せきなどの症状がないため感染させる確率は比較的低く、公表する必要がないとして感染者の統計に加えていませんが、香港メディアは非公開の記録として、先月末の時点で無症状の感染者が4万3000人以上に上っていたと伝えています。

国民からは公表されていない「無症状」の感染者から感染が広がることに懸念の声が上がっていて、李克強首相は今月26日に開いた会議で情報公開や対策を強化する方針を示しました。

【私の論評】中国共産党も、日本の財務省も、その本質は「死神」であることが顕になりつつある(゚д゚)!

中国は感染の初期段階でも、感染の事実を隠蔽したため、多くの国々の人々が感染しました。これは、すでに多くの人が知っている事実です。

中国の統計データは2月に3度も統計変更がありました。通常は変更後と変更前の複数時系列が発表されるべきですが、公表もそうした措置は見当たらず、全く信用ができません。

陽性反応が出ても症状がないことを理由に感染者の統計に加えなかったとしても、感染者として追跡をしたり、囲い込みをしたり、自宅療養させるなどの隔離の措置をとっていれば、防疫体制にはあまり問題がないかもしれませんが、もしこれを通常の感染していない人と同じ扱いをしていたとしたら、とんでもないです。

しかし、とにかく習近平政権としては、武漢ウイルスの感染が中国では終息したことをアピールしたいようですから、感染していない人と同じ扱いをしている可能性は高いです。

そうなるとさらに、かなりの人に感染がこれからも広がる可能性が高いです。これでは、日本としても、中国からの入国制限を当面緩めることはできません。

非常時には人の本質が顕になると昔から言われていますが、今回の非常時において、習近平や中国共産党の本質が顕になったのが、この統計の操作です。

とにかく自らの落ち度にならないように、自ら無謬でありたいがため、統計のとり方まで兵器変えてしまうのが、中共なのです。統計の操作といえば、もともと中国のGDPの値もほとんど信じられていません。まずは、地下経済を完璧に無視したものになっています。

さらには、伸び率などほとんど出鱈目です。これらは、貿易相手国の正確な数字を用いて、実際輸出入の数字とGDPに相当乖離があることや、人工衛星からの中国の夜間の灯りの推移を観察した結果などからも、かなり出鱈目であることが実証されています。

中国の統計数値は、正確なデータではなく、「政治的メッセージ」であるとみなすのが正しいです。要するに「武漢ウイルスを根絶せよ」「GDPをこのくらい伸ばせ」という号令のようなものとみなすべきなのです。

このようなことを、平気でするのが中共です。非常時には人の本質が顕になるというのは、無論中共だけではなく、日本の中でも見られることです。

たとえば、最近では広島県の県立広島大は29日、新型コロナウイルスへの感染が確認された今春卒業の女子学生(20歳代)について、欧州を旅行後、症状があったにもかかわらず、卒業式に出席していたと発表しました。大学側は1月以降、全学生に海外旅行を自粛するよう求めていました。

大学によると、学生は今月5~13日、英国などを旅行。帰国後、のどの痛みや鼻水などの症状が出たにもかかわらず、23日に学科別に開かれた卒業式にマスクをして出席しました。学生は福岡県在住で、同県が28日にこの学生の感染を発表しました。


少し古いもので記憶に残るものとしては、2月18日午後8時頃の福岡市営地下鉄内で、同じ車両の席でマスクをせずに咳をしている人がいるというので、非常通報ボタンを押し、電車を止めた男がいました。

テレビでも放映されたが、優先席に座っているので高齢者のようです。車内はガラガラでした。それほど嫌なら席を変えるかいったん下車すればよいです。“迷惑爺”としか言いようがないです。

しかも、この男は偉そうに足を組んで座っているのです。マナーも知らないようです。この現場に居合わせた青年によると、車内では「頭おかしいんじゃない」という声が上がっていたそうです。

2月28日には、山手線でもマスクした女性が咳をしたところ、女性に対して「コロナウイルスの可能性があるから、隣の車両に移れ」と怒鳴る男がいて、それを注意した男性と怒鳴り合いになる場面がテレビで放映されていました。傑作だったのは、この場面を撮影した高校生の「大人気ないなあ」というコメントでした。この男も恥ずかしい姿をさらしてしまいました。




トイレットペーパーをめぐっても恥ずかしい行動が相次ぎました。あるスーパーでは、デマ情報に踊らされた相当高齢だと思われる男性が12ロール入りのトイレットペーパーを4つもカートに乗せていました。この恥ずかしい映像は全国に放映されました。今の時代、どこで誰に撮られているか分かったものではありません。

先月末から今月にかけてトイレットペーパーがスーパーの棚から消えてしまいました。原因はSNS上で「トイレットペーパーなどの製造元である中国が、生産をしていないので品薄になる前に購入したほうがいい」というデマ情報が拡散したためです。

このデマ情報を拡散させた1人が米子医療生活協同組合の職員だったことが判明し、同生協が謝罪会見を行いました。この職員は、「伝え聞いた情報を確認せず投稿してしまった。転売目的ではない」などと釈明しているようですが、無責任きわまりない行為です。

愛知県・蒲郡市では、陽性だと判明した50代の男性が「コロナウイルスをまき散らしてやる」と言って、飲食店やパブに行っていたことが判明しました。正気の沙汰ではないです。当人は、すでに亡くなったそうですが、言語道断の行為です。

静岡県・焼津市から選出されている諸田洋之県議が大量のマスクをインターネットオークションに出品していたことが判明した。3月9日に本人が行った記者会見によれば、888万円の売り上げがあったそうである。もともと会社で持っていたものなので転売ではないから、悪いことをしたとは思っていないと開き直ったそうです。

1枚せいぜい数十円のものを何倍、何十倍もの値段で販売するというのは、マスク不足につけ込んで金儲けをしたということです。こういう他人の危機につけ込んでやる金儲けをするというのは、卑しいやり方です。県議以前に、人間として批判されるべきです。

以上のように、日本国内でも非常時には人の本質が顕になるという例がかなりみられました。これからも、怒るかもしれません。人の振り見て我が振り直せという格言もあります。私も、このような愚かなことをしないように気をつけたいです。

しかし、この現象は財務省にまで及んでいます。このブログでも、以前指摘したように、今回のような非常時には、経済の大停滞と未曾有の危機であり、かつ、消費税増税で景気が低迷しているわけですから、低所得層や子育て世帯の生活底上げを目指す給付金の支給と景気の底上げを目指す、消費税減税の両方を実行すべきです。

すぐに、効果がでるように、給付金を支給し、その後消費税減税を行い、その後も何度も様々な政策を実行すべきです。そうして、それを実行するには国債を発行すればよいです。国債発行により、金利が上昇することがあれば、日銀が金融緩和をすれば良いのです。今の日本ではやりようはいくらでもあります。

しかし、財務省は減税は頑としてやりたくないようで、政府に足して減税か給付金かの二者択一を迫っているようです。これは、はっきりいって財務省の越権行為です。減税と給付金を実行するしないかあくまで政府が決めるべきものです。

経済危機や不況の時の不十分な経済政策は、死者を生み出すことがスタックラー&バス『経済政策で人は死ぬか?』草思社で説得的に解説されています。これについては、このブログでも解説しました。その意味では長期停滞の主犯である財務省と旧日銀は人殺し組織といっても過言でないです。失業率と自殺者数の負の相関(オークンの法則)は明瞭なその証拠です。


仮に非常事態宣言を出せば経済への損失はさらに拡大するのは間違いないでが、それは経済対策をうまく実行すれば乗り越え可能です。国民一人当たり現金給付、消費減税などを行えば十分可能です。

これは、杞憂であってほしいのですが、といいつつ、その可能性は十分あると思うのですが、非常事態宣言による経済の悪化に対処するための経済対策に財務省の抵抗があり、政府がなかなか非常事態宣言に踏み切れないとすれば、財務省は本当に誰がみても人殺し組織ということになります。

このようなことを述べると、「政治家が悪い」「安倍政権が悪い」とかいいだす人も多いのではないかと思います。確かにその側面はないとはいえませんが、この種の愚劣な意見こそが、政権をまたいでずっと30年超も財政再建を無意味に唱える財務省を放任してきたともいえます。

中国共産党も、日本の財務省も、その本質は「死神」であることが顕になりつつあります。無論中国共産党と比較すれば、日本の財務省の官僚など、はるかにスケールが小さく「プチ死神」とでも呼ぶべきなのかもしませんが・・・・・・・。死神は死神です。

これからも、国でも、組織でも、個人でも、非常時にはその本質が顕になることが多いものです。顕になれば、顕ではなかったときよりは、その本質を見極め、良いことなら、それを応援し、悪いことなら、糾弾すべきです。糾弾されなければ、組織でも個人でも、ますます腐り、さらに悪さをするようになります。

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2020年3月28日土曜日

東京五輪延期の裏で官邸内部に異変…消えた“菅総理”の目、7月に“減税総選挙”か―【私の論評】国民生活のことなど全く考えず省益だけを追求する歪んだ怪物のような財務省(゚д゚)!

東京五輪延期の裏で官邸内部に異変…消えた“菅総理”の目、7月に“減税総選挙”か
文=渡邉哲也/経済評論家

東京五輪の延期を発表する安倍晋三首相

 東京オリンピック・パラリンピックが1年程度延期されることになった。これは、アメリカなど国際社会の要請を受ける形での決定であり、日本にとってはベストな選択といえるだろう。そして、史上初の五輪延期という決定を通して、安倍政権の内部で起きている変化が見えてくる。

 新型コロナウイルスの感染拡大が取り沙汰されていた2月下旬、永田町周辺では飯島勲内閣官房参与の姿が見え隠れし始め、安倍晋三首相と麻生太郎副総理の動きが変化した。2月29日に安倍首相は記者会見を行い、感染拡大防止策をはじめ、学校の一斉休校要請、緊急の経済財政対策、立法措置などについて発表し、自ら指揮を執る形での危機対応に転換した。

 また、3月5日に行われた未来投資会議では、産業界の中国依存の是正や生産拠点の日本回帰などについて述べている。これらの動きは、大規模な政策転換であり、内部政治の大きな変化を意味するものだ。

“菅首相”の可能性が消滅した理由

 安倍首相は2019年9月の内閣改造の際、派閥均衡人事を行い、次のリーダー候補を競わせる形をとった。加藤勝信厚生労働大臣、茂木敏充外務大臣、岸田文雄自民党政務調査会長、河野太郎防衛大臣らが、そうである。

 一方で、二階俊博自民党幹事長をあえて据え置き、菅義偉官房長官も留任させた。菅官房長官は自派閥の創設に有利になる幹事長を希望していたが、そのポストには二階氏を続投させたわけだ。菅氏は官房長官という要職に就いている限り、自派閥を立ち上げることはできない。この人事には、安倍首相の菅官房長官に対する本質的な懸念があったとも言われている。

 代わりに、菅官房長官に近い人物に3つの大臣ポストが与えられた。菅原一秀経済産業大臣、河井克行法務大臣、小泉進次郎環境大臣だ。しかし、菅原・河井の両大臣はスキャンダルで辞任し、初入閣を果たした小泉環境相も株が急落している。これらの現状を見る限り、一時は「ポスト安倍の最有力候補」とも言われた菅氏に次期首相の目はなくなったと言ってもいいだろう。

 また、IR(統合型リゾート)の問題をめぐっても、事実上の旗振り役を務めていた菅官房長官と二階幹事長についてさまざまな噂が飛び交い、実質的に暗礁に乗り上げていることで、カジノ利権による利益は期待できなくなった。さらに、新型コロナウイルスの対応で自民党内からも反発が生まれ、安倍首相がどのような判断を下すかが注目されていたわけだ。

 党内政治は「派閥の論理」と「数合わせ」で決まる。現政権は安倍・麻生の二派閥と二階派による数合わせでできており、それにより党内の圧倒的過半数を維持し、党内運営を潤滑にしてきた。ただし、一方では、二階幹事長の中国寄りの姿勢などが保守層の反発を招いていたわけだ。

首相官邸の内部で起きていた“異変”

 そうした空気を一変させたのが、安倍首相の2月末の会見であった。菅・二階切り――これには党内的なリスクはあるが、そのままでは時間切れになるだけであったため、自派閥に応援を求め、官邸内部にも手を入れた。そして、経済産業省出身の今井尚哉氏首相補佐官、警察庁出身の北村滋国家安全保障局長が主導する体制に切り替えたわけだ。

 同時に、安倍・麻生に東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長を加えた3人体制で、国際社会との連携を強めていった。それは、新型コロナウイルスの対応に関しても、東京五輪の延期においても同様だ。いずれも非常に舵取りが非常に難しい問題であるが、現時点ではベストな方法を選択できている。

 東京五輪の延期に伴い問題は山積しているが、今後はもちろん新型コロナウイルス感染症への対策も加速すべきだ。治療薬の確定と治療ガイドラインの早期確立が実現すれば、季節性インフルエンザの水準までリスクを軽減できるだろう。

 そうなれば、その後は現金給付などの消費喚起策を実施するとともに、消費税減税と憲法改正を争点にして、7月頃に解散総選挙というシナリオを描くこともできる。その場合は、安倍首相の自民党総裁4選とセットで悲願の憲法改正も現実味を帯びてくるだろう。

(文=渡邉哲也/経済評論家)

【私の論評】国民生活のことなど全く考えず省益だけを追求する歪んだ怪物のような財務省(゚д゚)!

政府の経済対策は、消費減税なしで所得制限現金給付ということに落ち着きそうです。事業費でリーマン超えでも、真水は15兆円程度でしょう。真水で20兆円程度までお終いになる可能性が台大です。これは、せいぜいGDPの4%なので、米国のGDP10%などと比較するとかなりお粗末な対策です。


経済対策には大別すれば(1)公共事業(2)減税・給付金(3)融資・保証-があります。真水としては、(1)のうち用地取得費(事業費の2割程度)を除いた部分と(2)の全額、(3)は含まないことが多いです。

実際の政策としては、(2)でも消費に回らないと短期的にはGDP創出につながらないし、(3)がないと企業倒産につながり雇用の喪失を通じてGDPへ悪影響が出ます。その意味では、全ての政策が相まって重要なのですが、真水の考え方はマクロ経済政策としての有効需要増をGDPに対する比率で表すことができます。

今回のような経済ショックがあると、GDPの一定割合の有効需要が失われ、GDPが低下します。それは、GDPが減少すると失業率が上昇する「オークンの法則」から分かるように、雇用の喪失を意味します。雇用を確保するために、どの程度の経済対策が必要かを検討する際、真水の考え方は好都合です。

「オークンの法則」とは、、一国の産出量と失業の間に経験的に観測される安定的な負の相関関係のことです。いずれの国でも成り立っている法則です。

たとえば、米国では、おおよその傾向はGDPの2%減少が失業率の1%上昇になっています。日本の場合、雇用は比較的安定しているので、さらに大きなGDP減少でないと失業率は1%上昇しません。例えば、最近ではおおむねGDPの8%減少が失業率の1%上昇になっています。

オークンの法則

どの先進国でも、雇用の確保はマクロ経済政策の基本中の基本です。経済ショックが各国のGDPに与える悪影響も均一ではなく、またそれが失業に与える悪影響も同じではありません。しかし、雇用の確保という観点からみれば、経済ショックに対する各国のマクロ政策はおのずと「相場観」が出てきます。そうした議論のためにも真水の考え方で経済対策を見た方が適切だといえます。

日本では、事業費の数字を出し、経済対策を大きく見せる傾向があります。しかし、真水の数字を使ってGDPに対する割合で見たほうが、より適切に日本の世界の中での位置付けが分かりやすくなるはずです。それでみると、日本の経済対策は欧米諸国より一桁違っており、コロナ・ショックを甘く見ていると言わざるを得ないです。

そうして、なぜそうなっているかといえば、省益しか頭にない、愚鈍な財務省が盲目的に増税と緊縮財政をすることのみに固執し、多くの政治家やマスコミがこれに惑わされ、コロナ・ショックや増税10%の悪影響があってもお粗末極まりない経済対策でも、何とかなると思い込まされているからです。

増税の悪影響は凄まじく、このブログでも掲載したように、実質GDP成長率は前期比年率▲7.1%に第1次速報値同▲6.3%から下方修正となっています。

これは、消費税増税への対策としてポイント還元を実施したのですが、これが完璧に失敗したことを示しています。

これに関しては、もしコロナウイルスの問題がなければ、かなり大きな話題になっていた可能性がありますが、現状はコロナウイルスの問題が大きく、その影に隠れてあまり大きな話題にはなっていません。財務省としては、胸をなでおろしていることでしょう。

しかし、この大失敗と、今回のコロナショックで日本経済が未曾有の大ショックに見舞われるのは明らかです。

今回の、減税なしのお粗末な給付金対策等では、景気の悪化を食い止めることはできないでしょう。

安倍総理としても、これについては遅かれ早かれ気づいていると思います。多くの無能ではない政治家達も気づいているか、気づきつつあるものと思います。

これが、今後4月、5月となるにつれて明らかになるでしょう。それでも、愚鈍な財務官僚が考えを変えず、省益に拘泥していれば、それを断ち切るしかありません。

愚鈍で利省的な財務官僚の思い通りさせないため、安倍総理は消費税減税と、他の積極財政を公約に掲げ7月に解散総選挙を実行すべきです。

入省したての頃は善良だったはずの彼らがなぜ歪んだ怪物になるのか?

省益しか頭にない、しかも省益を考えるにしても最悪の悪手しか打とうとしない愚鈍財務省には、最近ではさすがに東大生も就職先としてあまり重視していないようです。さもありなんです。現状の財務省に入省してしまえば、馬鹿になるだけです。正しい判断です。

今のままでは、財務官僚というだけで、マクロ経済を理解しない愚鈍で常識なしであるとか、国民生活のことなど全く考えず省益だけを追求する歪んだ怪物であるとみなされるようになるかもしれません。いや、すでにもうそうなりかけています。

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2020年3月27日金曜日

今も新たな感染者、武漢封鎖を解除する中国の無謀―【私の論評】微笑外交でEUを取り込もうとする中国(゚д゚)!

今も新たな感染者、武漢封鎖を解除する中国の無謀
JBpress



武漢駅で消毒作業の準備をするために集まった消防士たち
(福島 香織:ジャーナリスト)

 4月8日午前零時から、いよいよ武漢の都市封鎖、湖北省の省封鎖が完全解除される。武漢は1月23日から事実上陸の孤島となっていたが,外界への扉が再び開かれ、人や物の往来が本格化する。

 中国としては、新型コロナウイルスに対する勝利宣言を行い、各地で公務員たちが率先してレストランなどに行って大衆の消費心理を刺激し、企業、工場が再稼働して感染勃発前の経済活動が行われ、いやそれ以上の消費、生産が進み経済はV字回復、世界がパンデミックに苦しみ英米欧州の主要都市が(あるいは東京も)“ロックダウン”しているのを傍目に中国市場だけが回復して、中国が世界経済の希望の星、救世主となる、というシナリオを思い描いている(? )かもしれない。だが、そんなにうまくいくわけがない、という感触も、当然、現場の医療関係者、メディアは持っている。

■ 習近平の武漢入りで始まった都市封鎖解除の準備

 中国共産党は、最近はもっぱら「ウイルスとの戦いにいち早く勝利した中国」が、パンデミックと戦う世界各国の模範となり、救世主となる、という大プロパガンダを展開中だ。今や世界で一番安全なのは中国国内で、感染源になっているのは欧米だ、というわけだ。

 中国人民も長期の都市封鎖で鬱屈しており、一刻も早い新型コロナ終息宣言を待っている。気の早い一部の市民の中には、失った春節休みを取り返そうと早くも国内旅行の計画を立てている人も。4月、5月の新疆ウイグル自治区や四川省など景勝地へのチケットの予約が「Ctrip(携程)」などのネット旅行サイトで始まっている。中国旅行社はすでにタイなどへの海外旅行ツアーの受付も始めており、タイの衛生局と観光客は4月中頃には中国観光客を迎えられるとフランス紙にコメントしている。

 だが、疾病予防コントロールセンターや医療現場で働く人間、現場を取材しているメディアからすれば、不安で一杯のようだ。

 中国誌「財新」がこのあたりのことを、かなり突っ込んで書いていた。

 武漢市衛生健康委員会は3月24日に、武漢市で新たな感染者1人が出たこと、その患者は湖北省人民医院の医者だったことを公表した。その医者は、新型コロナウイルスの無症状感染者を診療したことが感染の原因であったとみられている。

 この医者は3月18日に新型コロナ肺炎の無症状患者を診察していた。実は、武漢では今なお日々、数人から十数人のペースで無症状感染者が報告されている。だが、中国がこれまで発表してきた感染者数に無症状感染者は含まれていない。中国での先月末まででの無症状感染者の数は4万3000人以上と香港紙サウスチャイナ・モーニングポストが報じていたが、とすると感染者のおよそ3分の1は無症状感染ということになる。

 だが3月20日には、中国湖北省新型コロナ肺炎感染予防コントロール指揮部が「湖北省封鎖の段階的緩和についての通知」を出している。習近平国家主席が3月10日に武漢を訪れ、“武漢の安全”を身をもってアピールしたのを契機として、中国各省は都市封鎖解除の準備に入っていた。中国各省は武漢に派遣していた医療チームの撤退を3月17日から開始し、3月20日までに1万2000人の医療応援チームが武漢から撤退している。

 「財新」は、こうした習近平の武漢安全アピールや、医療応援チームの撤退が、武漢封鎖の段階的緩和通知につながり、まだ緊張を緩めていい状態ではなかったにもかかわらず、大衆の緊張が一気に緩んでいることに懸念を示している。

■ 全容を把握できない無症状感染者

 中国疾病コントロールセンターの事情通が「財新」に漏らしたところによると、疾病予防コントロール部門のチームが暫定的に武漢から撤退しているが、武漢と湖北省の状況に安心していない、という。「現在、毎日数例から十数例の無症状陽性が出ている。武漢の感染源が完全に遮断できているかどうか判断できない」という。

 無症状感染者は、発熱、咳、喉の痛み、呼吸器症状を示さないが、呼吸気道などからのサンプルでウイルス病原学あるいはIgM抗体の検査によって陽性反応が出た例と定義される。中国では無症状感染者を感染者にカウントしていないが、もし臨床症状がでれば、その時に感染確認例としてカウントしてきたという。無症状感染者は14日間、隔離措置がとられ、2度にわたりPCR検査を受けて陰性が確認されてから隔離解除、ということになっている。

 だが武漢政府が3月22日に発表した前述の声明では、新たに感染者となった医者が診療していた無症状感染者が14日間の隔離監察を受けていたかどうかについては言及されていない。現場では、無症状感染者の措置が徹底されていない可能性もありそうだ。

 無症状感染は、感染確認者と濃厚接触をした者が経過観察されて最終的に検査で発覚するわけだが、無症状だけに、実際の数は把握されていない。3月20日に「ネイチャー」誌で発表された論文では、普通の風邪程度の軽症者や無症状感染者は新型コロナウイルス感染者人数の60%を占める、という。中国の累計感染者数を8万人とすると、中国だけでも少なくともその3倍の感染者がいる、という計算になる。世界ではすでに30万人を超えているので、90万人が実は感染しているということにもなる。

 新たな感染者の中には、感染確認者との濃厚接触の記録がないケースが増えており、無症状感染者、軽症感染者から感染が拡大している現実がある。4月8日に武漢市封鎖が解除されば、人の動きが活発化する。再びアウトブレイクが起きるのではないか、という不安はぬぐえないのだ。

 無症状感染者の感染力については、広東省の疾病予防コントロールセンターが3月19日に米国の医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」(NEJM)上で、新型コロナ肺炎患者は発病後間もなく大量のウイルスを放出するようになるが、ある無症状感染者のウイルス放出量は発病者とほとんど変わりがなかった、と報告している。一部の科学者は無症状感染者のスーパースプレッダーもありうる、と疑っている。

 上海児童医学センターが全国700人の感染児童を調査して分かったのは、児童の56%は無症状、あるいは軽症であるということだ。これが「子供は感染しても発症しにくい」という言説の根拠になっているが、同時に、子供は比較的感染しやすく、学校で集団感染し、無症状のまま各家庭にウイルスを持ち帰り、乳幼児、高齢者や体力のない人間が発症する、という仮説も出てきた。この仮説が学級閉鎖措置の理由となっている。

■ 習近平政権の大プロパガンダとの戦い

 中国の世論誘導を担う「環球時報」は、復旦大学付属華山医院感染科主任の張文宏のコメントを引用する形で、無症状感染者の比率は非常に低い、ウイルスの量も少ない、感染源としてのリスクは比較的小さい、「スーパースプレッダー」にはなりえない、という主張を喧伝しており、武漢封鎖解除と感染症鎮圧勝利宣言へのムードに水を差す懸念を押し込めようとしている。

 医療関係者を中心に武漢封鎖解除に対する不安が広がっている中、武漢衛生健康委員会は23日に、「無症状感染者は一定の感染リスクを持っている。しかし、WHOは、現在あるデータからみれば、発症患者の感染が主流であり、無症状感染者は主要な感染源ではない、としている」と説明。だが、WHO自体が中国に忖度(そんたく)して、適時に適切な発言をしてこなかったことは中国でも知れわたっているので、これは安心材料になっていない。

 武漢の医師が共同通信社に告発したところによれば、習近平の3月10日の武漢視察前に、地元官僚は感染確認者数を操作しただけでなく、大量の症状を伴う隔離監察対象者を解放して、中央に対しては「感染者が出ていない」と報告していたという。また、医療現場に対し血液検査をやらないように指示して、感染者数が増えないようにする工作もあったとのことだ。その医師は「政府の公表データは信用できない。再びアウトブレイクがおきることを心配している」と話している。また武漢の他の医師はツイッター上で、「習近平が武漢視察に来る前に、医師らに14日間の休暇が与えられ、診療が行われていない」と告発していた。

 武漢では、一家全員が新型コロナ肺炎で死亡したケースや、家族を看取ることも満足な葬式も出すこともできなかったケース、絶望して遺族が自殺するケースなど、悲惨な出来事がSNS上で毎日のように流れ、医師たちは再アウトブレイクの危機と隣り合わせで戦々恐々としている。

 そういった現実を、中国政府は「習近平の指導によりウイルスに完全勝利」というプロパガンダで覆い隠そうとしている。それが単なる習近平政権の政治的メンツのためだけであるなら、もはや国家指導者として一分の正統性もなかろう。もし封鎖解除と勝利宣言後に再び中国で感染の猛威が再発したら、さすがに恐怖政治で従順にさせてきた人民も、もう黙ってはいないのではないか。いや、その時は、「この感染症は海を越えて外国からやってきた」と米国やイタリアや日本に責任を擦り付けるつもりなのか。

 ならば今、中国の人民や世界の人々が直面しているのは「ウイルスとの戦い」ではなく、「中国習近平政権の隠蔽や大プロパガンダとの戦い」ではないだろうか。

福島 香織

【私の論評】微笑外交でEUを取り込もうとする中国(゚д゚)!

上の記事にもあるように、まだ武漢ウイルスが終息仕切っているとは思えない中国ですが、その中国が、EUの諸国に対して数百万枚のマスクや低金利融資の提供、医療チームの派遣しています。

中国政府は新型コロナウイルス流行の初期対応に不手際があったとする批判をかわし、「良き中国」「頼りになる中国」を演出しようとしています。

中国は苦境にあえぐ欧州各国に対し、「ほほ笑み外交」の一環として大規模な支援を提供。ここ数週間はフィリピンやパキスタンに大量のマスクや検査キットを寄付し、イランやイラクに医療チームを派遣、スリランカには新型ウイルス対策費として5億ドル(約550億円)を融資しました。

中国国営新華社通信が報じたところによると、習近平国家主席は、新型ウイルスによる打撃が最も深刻なイタリアとスペインの両首相と相次いで電話会談し、支援を表明。特にイタリアには二つの医療チームを派遣し、習氏が進める経済圏構想「一帯一路」への参加を欧州連合(EU)の中でいち早く表明した同国との連帯感を演出しました。

中国、イタリア支援の医療チーム第3陣を派遣

さらに先週はセルビアへの支援を表明し、医療用品を送付。同国のアレクサンダル・ブチッチ大統領は、中国から送られたウイルス検査キットが到着すると、中国大使に対し「あなた方がいなければ、欧州は自分たちで身を守ることは難しいと分かった」と話し、セルビアは「中国の兄弟」を待っていたとも伝えました。

EUは15日、医療用品の輸出を禁じると発表。EUに加盟していないセルビアのブチッチ大統領は、こうした動きを非難しています。新華社によると、中国から送られたさらなる支援物資と医師団は、近日中にセルビアに到着する予定だといいます。

中国政府は近年、厳しい経済状況にあるバルカン半島諸国への影響力をめぐり、特に相手国に多額の債務を負わせるインフラ投資を行うなどしてEUへの対抗姿勢を示しています。

19日付の中国共産党機関紙・人民日報の第1面には、他国に進んで協力する「責任ある大国」としての中国の役割を強調する論説が掲載されました。

こうしたことの背景には、米中両政府が公の場で繰り広げている言葉の応酬があります。中国は最近、多数の米国人ジャーナリストを国外退去処分にしました。一方のドナルド・トランプ米大統領は、新型ウイルスに言及する際、「中国ウイルス」という言葉を使い続けています。

新型ウイルスとの闘いが米国にまで及ぶ中、中国は米国に取って代わって世界のリーダーになろうと急いでいると専門家らは指摘します。

独ハイデルベルク大学で中国の対外援助について研究するマリナ・ルディアック氏は、「トランプ政権下の米国が、国際社会に対し意味のある対応策の提示に失敗し、欧州諸国が国内対応で手いっぱいとなっている今、中国政府には空席をものにするまたとない機会が訪れている」と指摘します。

ルディアック氏は、そうすることで中国は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行初期にそれを隠蔽(いんぺい)しようとしたという批判をかわし、「対応を遅らせた国々や備えが中国ほど万全でなかった国々」の救世主として振る舞い、新型ウイルスの流行をめぐるストーリーを書き換えようとしているとも述べました。

一部の欧州諸国では、こうした戦略が功を奏しているようです。在中国の欧州連合商工会議所(EUCC) のイエルク・ブトケ(Joerg Wuttke)会長は、「欧州では、矛盾する筋書きが展開しつつある。大半の人々は、世界的危機を引き起こした責任は中国にあると考えている」「だが、中国からの寛大な人道支援は、欧州の世論をより中国に友好的な方向に導く可能性がある」と述べました。

EUは、新型コロナウイルスへの対応を協議するため、テレビ電話による緊急の首脳会議を開きましたが、イタリアなどが求めたEUの基金を活用した新たな財政支援策は見送られました。

会議では感染拡大が著しいイタリアやスペインなどが、大規模な対策に迫られているとして、財政状況の厳しい加盟国を支援するための基金も活用することや、ユーロ圏の各国が共同で発行し資金を調達する「ユーロ共同債」の発行を求めましたが、ドイツやオランダの反対で見送られました。

イタリアとしては、EUの政策の枠組みの中で、緊縮財政を強いられ、その結果医療体制を縮小したことが今回のコロナウイルスの惨劇につながっています。当然のことながら、EUのこうした態度には憤りを感じているでしょう。

今後イタリアのようEUに対する不満が表面化してくる国が増える可能性は大きいです。最近では、英国のEU脱退などのこともありました。これは、中国から見ればチャンスです。もし、EUが瓦解することがあれば、先行きに不安な国々が、中国との関係を強めるかもしれません。それが、将来的にEUの瓦解につながる可能性もあります。

このような中国にとっての絶好の機会を逃さないためには、習近平としては、中国国内の感染はすぐに終息させる必要があったのでしょう。そうして、EUの国々などに対して積極外交に出て、まずはこれらの国々に対して、中国の存在感を増すことが課題なのでしょう。

中国共産党は、コロナ以前から米国を頂点とする世界秩序に挑戦し、これを変更しようとしていました。そうして、それを公言していました。

それについては、以前このブログでも解説したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国がこれまでの国際秩序を塗り替えると表明―【私の論評】中華思想に突き動かされる中国に先進国は振り回されるべきではない(゚д゚)!
ドナルド・トランプ米大統領(左)と中国の習近平国家主席
この記事は、2018年7月6日のものです。このあたりから、中国は米国を頂点とする国際秩序を塗り替え、その頂点に立つとはっきりと公言していたのです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下に一部を引用します。
 中国の習近平国家主席が、グローバルな統治体制を主導して、中国中心の新たな国際秩序を構築していくことを宣言した。この宣言は、米国のトランプ政権の「中国の野望阻止」の政策と正面衝突することになる。米中両国の理念の対立がついにグローバルな規模にまで高まり、明確な衝突の形をとってきたといえる。 
 習近平氏のこの宣言は、中国共産党機関紙の人民日報(6月24日付)で報道された。同報道によると、習近平氏は6月22日、23日の両日、北京で開かれた外交政策に関する重要会議「中央外事工作会議」で演説して、この構想を発表したという。
 この会議の目的は、中国の新たな対外戦略や外交政策の目標を打ち出すことにあり、これまで2006年と2014年の2回しか開かれていない。 
 今回の会議には、中国共産党政治局常務委員7人の全員のほか、王岐山国家副主席や人民解放軍、党中央宣伝部、商務省の最高幹部らも出席した。出席者には中国の米国駐在大使も含まれており、超大国の米国を強く意識した会議であることをうかがわせる。
このように、中国が国債秩序を塗り替えると、はっきりと公言したのですから、米国としてもこれを見過ごすわけにはいかず、18年から19年にかけて、米国は超党派で、対中国冷戦を実行する体制を整えたのです。

ただし、つい最近までは、 米国は、中国はインド・太平洋地域で米国に取って代わることを意図して、自国の国家主導型経済モデルを国際的に拡大し、地域全体の秩序を中国の好む形に変革しようとしていると考えていました。

それは、米国海兵隊の新戦略にも反映されています。米軍の海兵隊の新戦略は中国の南シナ海、東シナ海での海洋攻勢の抑止に新たな重点をおき、中国軍の島々への軍事攻撃を防ぐ目的を重視することが明らかとなりました。

この新戦略では従来の中東などでの地上戦闘やテロ攻撃への同海兵隊の対処が減り、アジア地域の海洋戦闘能力の増強が図られるという。日本の尖閣諸島の防衛にも前向きな影響が期待できる動きだと言えます。これについては、詳細は、以下の記事を参照にしてください。
尖閣諸島防衛に新たな比重を置く米海兵隊の新戦略
沖縄に駐留する米海兵隊の訓練の様子(2020年3月23日、出所:米海兵隊)

確かに、これらの地域はこれから、経済がかなり伸びるこどか予想されます。しかし、中国がインド・太平洋地域で米国に取って代わることは、かなりの困難を伴うことが予想されます。戦略化のルトワック氏は、南シナ海の中国の基地などは、象徴的な意味しかなく、米軍がやる気になれば、5分で吹き飛ばせるとしています。

であれば、現在の世界秩序の基礎をつくった、ヨーロッパを中国の支配下に置くことのほうが、やりやすいかもしれません。習近平は、八方塞がりの現状を打開するために、EUを利用することを思いついたのかもしれません。

しかし、そのようなことが簡単に成就できるでしょうか。現状では、確かにイタリアなど武漢ウイルスにより社会経済が沈んでおり、中国の助力を請おうとする姿勢もみられますが、コロナであれほどの惨禍に見舞われたイタリアです。そうして、そうなったのは、中国の隠蔽による初動対応のまずさにあります。

ある程度武漢ウイルスが終息すれば、多くの国民から中国への批判は相当高まることになるでしょう。

さらに、中国で再び中国で武漢ウイルスの第二次の爆発的感染がはじまるかもしれません。

中国がEUを中国の傘下に取り込むことに執着すれば、インド太平洋との2正面作戦になってしまいます。無論EUに対しては、軍事的な行動はとらないでしょうが、それにしても、経済支援などはし続けなければならず、現在の中国にそれができるのかは疑問です。

いずれにせよ、コロナ後の中国の動きに関しては、日米ともに協調し、注意深く見守りつつ、EUへの中国の動きも牽制しなければならない時が来るかもしれません。

日米ともにまずは、国内の武漢ウイルス感染を一日も早く終息に向かわせるべきです。

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