2022年2月16日水曜日

ロシア、一部部隊が基地帰還開始と発表-NATO事務総長は慎重―【私の論評】ロシアがウクライナに侵攻すれば、米国による末恐ろしい制裁が待っている(゚д゚)!

ロシア、一部部隊が基地帰還開始と発表-NATO事務総長は慎重

「慎重ながら楽観的になる根拠」だが撤退の証拠待ちたい-事務総長
ベラルーシと黒海での軍事演習は20日終了の予定

ロシアとベラルーシの軍事演習

 ロシアはウクライナ国境付近での軍事演習が終了し、一部の部隊が所属基地に帰還し始めたと15日に発表した。米国と欧州諸国は、ロシア軍がウクライナに侵攻する可能性を警戒してきた。

  市場はロシア側による今回の動きを危機緩和の兆しと受け止めて好感した。ここへきて外交的解決を追求する動きが活発化しており、ロシアのプーチン大統領も西側との協議継続を支持した。ロシア側は一貫して侵攻の意図を否定している。

 米国と北大西洋条約機構(NATO)はロシアが約13万人の兵士をウクライナ国境付近に集結させたとし、侵攻の可能性を指摘し撤退を要求していた。ロシア側は自国内の軍の移動は内政問題だと主張した。

 ロシアは隣国ベラルーシで数年ぶりの大規模演習を実施しているほか、黒海で海軍演習を行っている。これらは20日に終了する予定だ。

 プーチン大統領は米国およびその同盟国に対し、一段のNATO拡大禁止を含む安全保障についての包括的な保証を求めていたが、米国側はこれを拒否。他の安全保障問題について協議を提案した。ロシアのラブロフ外相は14日、米国側の提案について「建設的」だとしてプーチン大統領に対話継続を提言した。

 NATOのストルテンベルグ事務総長は15日、ブリュッセルで記者団に対し、ロシア軍の一部部隊撤退の発表について「慎重ながら楽観的になる根拠」を与えるものだと発言。その上で「今のところ緊張緩和に向けた兆しは見えない」とし、ロシア部隊撤退の証拠を待ちたいとの考えを示した。

原題:Russia Says Some Troops Are Returning to Base After Drills (1)(抜粋)、NATO Awaits Evidence of Pullback Russia Flagged: Ukraine Update(抜粋)

【私の論評】ロシアがウクライナに侵攻すれば、米国による末恐ろしい制裁が待っている(゚д゚)!

ロシア国防省は一部の部隊がウクライナとの国境付近での軍事演習を終え、基地に帰還しつつあると明らかにした。インタファクス通信が15日報じました。ロシアと米欧の緊張が緩和する可能性があります。

 報道によると、大規模な演習は続いていますが、南部と西部管区の一部部隊は訓練を終え、基地に向かっているといいます。 英国のトラス外相は、ロシア軍がウクライナとの国境から全面的に撤収するのを確認するまでウクライナ侵攻の意思がないと信じることはできないと述べました。

   ロシア南部での訓練終了後、鉄道の輸送貨車に積載される
   ロシア軍の戦車。2月15日にロシア国防省が提供した

 国営ロシア通信(RIA)が公開した国防省提供のビデオ映像には、戦車などの装甲車が貨車に積み込まれる様子が映っています。 国防省は一部装備品の輸送にはトラックを使用し、一部の部隊は徒歩で基地に戻るとしました。 ロシア軍は10万人以上の部隊をウクライナ国境周辺に配置。10日から20日までベラルーシと合同演習を行っています。 国防省の発表を受けてルーブルは1.5%高となりました。

今後どうなるかは、ウクライナ次第であり、どうなるかは現時点ではまだわかりません。以下の動画をみていただけると、ロシアがウクライナに侵攻するしないはウクライナ次第であることと、もしロシアがウクライナに侵攻した場合、ロシアにとっては天地がひっくりかえるようなとてつもない制裁が待っていることがわかります。


詳細は、この動画をご覧いただくものとして、この動画では、ウクライナ問題の本質は、NATOにウクライナが入るか入らないかであり、これを巡って米国・NATOとロシアが争っているということです。

以下にウクライナ周辺の地図を掲載します。これをみれば、ウクライナがNATOに入ることは、ロシアにとってNATOとの大きな緩衝地帯をなくすことになります。


NATOの加盟国は現在以下30カ国です。アイスランド、アメリカ合衆国、イタリア、英国、オランダ、カナダ、デンマーク、ノルウェー、フランス、ベルギー、ポルトガル、ルクセンブルク(以上原加盟国)、ギリシャ、トルコ(以上1952年2月)、ドイツ(1955年5月当時「西ドイツ」)、スペイン(1982年5月)、チェコ、ハンガリー、ポーランド(以上1999年3月)、エストニア、スロバキア、スロベニア、ブルガリア、ラトビア、リトアニア、ルーマニア(以上2004年3月)、アルバニア、クロアチア(以上2009年4月)、モンテネグロ(2017年6月)北マケドニア(2020年3月)

ウクライナがNAOTに加盟すると、グルジアも入る可能性もあります。そうなるとロシアの安全保障は大きく脅かされることになります。

だからこそ、ロシアとしてはウクライナには是が非でも、NATOに入ってもらいたくないのです。そのため、ロシアがウクライナに侵攻した場合は、

そうして、上の髙橋洋一氏の動画にありますが、米国はロシアがウクライナに侵攻した場合は、ルーブルと基軸通貨(ドル、ユーロ、ポンド、円)の交換禁止を発動するつもりのようです。

そうなった場合、ロシアは貿易があまりできなくなります。そうなると、経済がかなり悪くなります。交換禁止の期間がどのくらいになるかにもよりますが、20年も継続された場合、現在韓国並のGDPが北朝鮮なみになるかもしれません。本当に恐ろしい制裁です。

米中の争いは関税によるものが多いですが、これも元と基軸通貨の交換を禁止してしまえば、中国はあまり貿易がてきなくなり、最も効果があると考えられますが、そうなると米国、EU、イギリス、日本なども中国と経済的な結びつきが多いため、こちらがわも結構被害を被ってしまうため、実施しないのでしょう。

ただ、米国と中国の経済のデカップリングが進めば、米国の被害は少なくなるのて、実施する可能性があります。

ロシアの場合は、元々ロシアの経済が現在では、GDPが韓国並ということと、一人あたりのGDPでは韓国を大幅に下回る状況ですから、通貨交換を停止しても、米国にはさほど大きな影響はありません。

ドイツ北東部を走る、ロシアからの天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」

ただ、EUはロシアの天然ガスに依存しているところがあるので、厳しいでしょう。そのため、米国はまずはドルとルーブルの交換停止しつつ、EUのエネルギー問題を解消し、解消でき次第ユーロとの交換停止ということに踏み切るでしょう。ポンドや円も続くことになるでしょう。

これを実行されると、ロシアはウクライナどころでなくなります。国民から大きな反発をくらい、プーチン政権は崩壊するかもしれません。

そもそも、先日もこのブログで示したように、現在でもロシア経済は決して良いとはいえませんし、天然ガスや原油の生産も原産傾向です、人口も減少も日本よりも酷い状況にあります。

そこにこのような過酷な制裁が課されれば、ロシアはとてつもないことになります。長期間この制裁が続けば、先程述べたように、ロシアの経済は北朝鮮なみになるかもしれません。その時にはロシアは国防すらおぼつかなくなります。北朝鮮のように定期的に核ミサイルを発射するようになるかもしれません。それにしても、国土を守り切るのは相当難しくなるでしょう。

私には、そこまでの覚悟がプーチンにあるとは思えません。だから、いずれ引くのではないかと思います。ただ、プーチンとしては、NATOがさらに東に拡大すれば、かなり面倒なことになることをNATO加盟諸国やウクライナに思い知らせたかったのでしょう。

その目的は達成できたと思います。あとはウクライナがどのように動くか次第のところありますが、プーチンが今後ゴネつづけても良いことはないと思います。

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