2023年11月21日火曜日

支持率低下は「不思議」 岸田政権の政策を評価―十倉経団連会長―【私の論評】岸田政権の支持率低下を打開し、長期政権を維持するために必要な施策とは?

支持率低下は「不思議」 岸田政権の政策を評価―十倉経団連会長

経団連 戸倉会長

 経団連の十倉雅和会長は20日の記者会見で、岸田政権の支持率低下に歯止めがかからないことについて、「一つ一つの政策は正しい方向で、それぞれ評価している。なぜこれで支持率が上向かないのか私も不思議だ」と述べ、現政権が掲げる政策について前向きに評価した。

【私の論評】岸田政権の支持率低下を打開し、長期政権を維持するために必要な施策保守回帰?

まとめ
  • 岸田政権が崩壊した場合、次の政権は岸田政権とあまり変わらないか、よりリベラル寄りでかつ財務省よりになるかのいずれかになる可能性が高い。
  • 岸田政権が崩壊した場合、安倍政権からの懸案である憲法改正などの議論が遅れたり、首相交代で日本の国際的地位の低下などが考えられなどの混乱は必至であり、であれば現状では政権は維持したほうが良い。
  • 岸田政権の支持率は低下しており、政権運営能力の向上が求められている。
  • 具体的な施策としては、内閣と党内からリベラルでいわゆる進歩的な人物を一掃し、消費税減税を実施、中国と北朝鮮に対して強硬路線をとる、LGBT理解増進法などリベラルな社会政策を縮小すべき。
  • 安倍政権から懸案になっている憲法改正を強力に推進する、権力を強化し、改革を積極的に推進すべき

岸田首相

私は、以前このブログで、岸田政権が現在崩壊することは、国益の損失につながる可能性があることを指摘しました。

自己の希望や観測などを廃して冷静に分析すると、岸田政権が崩壊すれば、次の政権は現在の岸田政権とあまり変わりないか、よりリベラル寄りでかつ財務省よりになるかのいずれかになる可能性が高いです。

岸田政権が崩壊した場合、安倍政権からの懸案である憲法改正などの議論が遅れたり、首相交代ということで日本の国際的地位の低下などが考えられ政治的大混乱は必至なので、であれば現状では政権は維持したほうが良いとい結論になるというものです。

安倍首相


自民内党保守派もこのことを理解しているので、いまのところ大きな派手な動きはしないのでしょう。そうして、最近の池田大作氏の大往生も、この傾向に拍車をかけるでしょう。

そうして、来年の総裁選までの間に岸田政権には、政権運営能力をつけるべきであり、そうでなければ、来年の総裁選で敗北か、そもそも菅氏のように総裁選に出馬しないということもやむ無しだと思います。ただ、政権運営能力がつけば、当面は継続したほうが良いと思います。

支持率の低下をみれば、とても戸倉氏のように手放しで、称賛する気にはなれません。岸田政権が崩壊した場合、公明党との連立が破棄されるとか、高市氏が次期総裁になるということが確約されているというのであれば、岸田政権はすぐにも崩壊したほうが良いと思います。ただ、現実はそのようなものではないです。だから、気軽に岸田政権崩壊などという事などできないのです。

私は、財務省が倒閣運動に走っているとか、自民党内で岸田おろしが始まっているなどの声もありますが、崩壊後の自民党内の大混乱を考えると、岸田政権崩壊はすぐにおこることはないと考えています。各派閥とも、現在は状況を見極めている段階で、すぐに何かをするという状況にはないと思います。無論何か状況が変わるということもあり得ますが、支持率が落ちても岸田政権はしばらくは存続すると思います。

財務省

岸田首相はこのような状況をただ、甘受することなく、政権運営能力に向上につとめていただきたいです。

政権運営能力とは、政府の政権運営能力とは、政府が国政を円滑に運営する能力のことです。具体的には、以下の要素が挙げられます。

政策形成能力

政策形成能力とは、国民の要望を踏まえて、効果的な政策を立案・実行する能力です。具体的には、以下の能力が求められます。

  • 国民のニーズを的確に把握する能力
  • 政策の目的や効果を明確に定める能力
  • 政策の実現可能性を検討する能力
  • 政策を実行するための計画を立てる能力

政治調整能力

政治調整能力とは、与党内、また与野党間において政策や人事を調整する能力です。具体的には、以下の能力が求められます。

  • 相手の立場や意見を理解する能力
  • 妥協点を探る能力
  • 合意形成のためのリーダーシップを発揮する能力

危機管理能力

危機管理能力とは、自然災害や経済危機などの危機に迅速かつ適切に対応する能力です。具体的には、以下の能力が求められます。

  • 危機の兆候をいち早く察知する能力
  • 危機の状況を正確に把握する能力
  • 危機に対処するための計画を迅速に策定する能力
  • 危機対応を統括する能力

国民とのコミュニケーション能力

国民とのコミュニケーション能力とは、国民の理解と支持を得るために、政策や施策をわかりやすく説明する能力です。具体的には、以下の能力が求められます。

  • 国民の視点に立って、政策や施策を説明する能力
  • わかりやすい言葉で、簡潔に説明する能力
  • 国民との信頼関係を構築する能力

政府の政権運営能力は、国政の成否を左右する重要な要素です。政府は、これらの要素を向上させ、国民の期待に応える政権運営を行うことが求められます。

岸田首相が政権運営能力を改善するためは、 内閣と党内からリベラルでいわゆる進歩的な人物を一掃すべきです。一掃が無理なら、要所要所に保守派を配置し、牽制すべきです。自由市場経済、伝統的価値観、強力な軍事力を支持する堅実な保守派と入れ替えるべきです。岸田首相には、弱腰の穏健派ではなく、忠実な保守派が必要だと思われます。これを実施することにより、自民党の岩盤支持層が戻ってくるでしょう。

自民党本部

消費税減税を実施すべきです。現在の国民の不満は、物価上昇に賃金の上昇が追いついていないことです。これを解消するには現時点で最も有効なのは、消費税減税です。これによって、多くの国民の支持を回復することとができます。

海外からのエネルギー、資源価格は、来年は下がるとみられ、物価の急激な上昇は来年は収まるものとみられます。小麦の値下げなど、その兆候はすでに現れつつあります。

物価が落ち着けば、消費税減税は、今年あたりは、物価上昇分を補うという性格が強かったものが、消費者の購買意欲を加速し、経済に良い影響を与えることでしょう。これは、ビジネスリーダーや市場関係者からも歓迎されるでしょう。そうすることで経済成長を刺激し、多くの国民からの支持が回復するでしょう。

特に減税措置は、補助金よりも実施が簡単で、迅速に実行できます。これでいわゆるお役所仕事はかなり削減できます。そうして、有効需要の考え方からすれば、減税も同じ効果があります。しかも、はやく実現できるので、国民の納得感は他の施策をはるかに上回ります。

そうして、こうした政策の根底には、時給ギャップ16兆円を埋めることが第一義であることを忘れるべきではありません。マクロ経済を知らない愚かな政治家や官僚、マスコミが「バラマキ」と批判しますが、需給ギャップを埋めるだけの対策を行わなければ意味がありません。経済対策はまずは何よりも「量」であることを認識すべきです。

中国と北朝鮮に対して強硬路線をとるべきです。防衛増税は廃止し、国債で資金を調達し防衛費増をすることを高らかに宣言すべきです。米国との同盟を強化し、中国の領土的野心に立ち向かい、国家安全保障の強さを示し、「タフリーダー」としての信任を高めるべきです。

岸田首相は保守主義に回帰し、真の保守主義者を目指すべき AI生成画像

LGBT理解増進法などリベラルな社会政策を縮小し、警察や国境警備の予算を増やし、伝統的価値観を教える教育改革を進めるべきです。さらに、安倍政権から懸案になっている憲法改正を強力に推進すべきです。これにより保守層を取り込むことができます。

権力を強化し、改革を積極的に推進すべきです。党内や官僚機構からの抵抗に打ち勝つため、臆することなく政治的権限を行使すべきです。大胆な改革は、たとえ物議を醸すとしても、多くの国民は岸田首相を変革的リーダーとみなすことになるでしょう。

自民党の結党の精神は「保守主義」です。岸田首相は真の保守主義者としての役割を果たし、お役所仕事を削減し、経済を浮揚させ、ビジネスを支援し、軍備を増強し、伝統的な価値観を推進し、大きな政治的反対勢力が形成される前に迅速に動くことで、機先を制するべきです。

以上は、私の願望なのですが、岸田首相がこの願望をいくつかでも果たしていただいて、岸田政権が長期政権になり、真の国民目線の保守政権ができるまでの揺りかごとしての役割を果たしていいただきたいものです。無論、上で述べたことをすべて実現していただけるなら、安倍政権を超える長期政権を目指すべきです。

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