2023年11月12日日曜日

ポスト岸田有力は高市早苗、萩生田光一、茂木敏充各氏 政治評論家らが徹底分析―【私の論評】岸田首相、総裁選で再選ならず?さらにリベラル色強い政権誕生し、政府は財務省の言いなりに(゚д゚)!

ポスト岸田有力は高市早苗、萩生田光一、茂木敏充各氏 政治評論家らが徹底分析

まとめ
  • 岸田首相、年内の衆院解散見送り
  • 岸田首相の支持率、歴代首相ワースト
  • 岸田首相の求心力低下、政局に影響
  • 次期総裁選、高市早苗・萩生田光一・茂木敏充の争いか
  • 次期総裁選の争点、選挙の強さ・安倍イズムの継承・岩盤保守層の動向
岸田首相

 岸田首相の年内の衆院解散見送りは、求心力低下の象徴的な出来事となった。岸田首相は、解散時期を探りながら、政権浮揚策を打ち出すことで支持率の回復を図ろうとしていた。しかし、解散を見送ったことで、国民や自民党内から「決断できないリーダー」というイメージが定着し、支持率はさらに低下した。

 岸田首相の支持率低下は、政権浮揚策の不発も一因となっている。岸田首相は、物価高騰や円安などの経済問題、ウクライナ情勢などの外交問題、そして、社会保障や教育改革などの国内問題など、多岐にわたる課題に直面している。しかし、これらの課題に対して、明確な解決策を示すことができていない。

 岸田首相の求心力低下は、政局の混乱を招く可能性もある。岸田首相が次期総裁選に出馬しない場合、自民党内の次期総裁を巡る争いが激化する可能性がある。また、岸田首相が次期総裁選に出馬する場合でも、求心力低下によって、総裁選で苦戦する可能性もある。

 次期総裁選では、高市早苗経済安保相、河野太郎デジタル相、石破茂元幹事長の3氏が争う構図が予想されている。高市氏は、安倍晋三元首相の外交路線を継承する強硬な保守派である。河野氏は、デジタル化や少子化対策などの政策に強い。石破氏は、自民党内の中道派を代表する存在である。

 次期総裁選では、安倍イズムの継承が争点となる。安倍元首相は、憲法改正や防衛力強化、経済成長などの政策を推進した。これらの政策を継承できる人物が次期総裁に選出されれば、政局の安定につながる可能性がある。

 しかし、安倍イズムを継承できる人物が次期総裁に選出されなかった場合、政局は混乱する可能性がある。岸田首相が退陣した場合、自民党内では、保守派と中道派の間で対立が激化する可能性がある。また、野党は、政権の不安定さを利用し、政権交代を狙う可能性もある。

 岸田首相の求心力低下は、日本の政治に大きな影響を与える可能性がある。今後の政局の動向を注視していく必要がある。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事を御覧ください。

【私の論評】岸田首相、総裁選で再選ならず?さらにリベラル色強い政権誕生し、政府は財務省の言いなりに(゚д゚)!

まとめ
  • 岸田首相を来年の総裁選までの間に、辞任させることは本人以外にはできない。首相には、来年の秋までには、起死回生の手を打つ時間は残されている。
  • 来年の総裁選の候補者茂木氏、上川氏、河野氏は、いずれも来年の総裁選の有力候補である。
  • この三氏は、いずれもリベラル的な政治信条を持っており、いずれも財務省出身であり、財務省寄りの政策を支持する姿勢を見せている。
  • 岸田政権は、保守岩盤層の支持が低く、これを早急に立て直す必要がある。
  • 岸田政権が継続できなければ、よりリベラル派と財務省に傾いた政権が誕生する可能性が高い。

自民党総裁選で岸田首相が総裁選に出馬しないか、出馬して落ちるか、それ以前に自ら辞任することでもなければ、総理大臣を辞めさせることは、何をもってもすることはできません。こればかりは、さすがに事実上大きな政治グループとも呼べるような存在になってしまった財務省も何もできないです。岸田首相が自ら辞めない限りは。

そのため、先日このブログでも指摘したように、岸田首相には来年の秋までには、起死回生の手を打つ時間は残されているといえます。

私が最も懸念するのは、来年の総裁選で、岸田首相よりもリベラル(まともなリベラル派の方に申し訳ないので似非リベラルとでもしておきます(笑))寄り、財務省寄りの総裁が誕生することです。誤解なきように、ことわっておきますが、以下は、自らの希望や理想などをすべて廃して、現実的な立場から論じたものです。

上の記事では高市、萩生田、茂木の他に、石破、上川、小泉、河野、西村、林等(敬称略以下同じ)があげられています。

石破茂は、地方への訪問や地域での活動に積極的な方として知られています。政治家として地域の声を聞くために頻繁に地方を訪れ、地域の問題や要望を把握しようと努力しています。彼の地方訪問の頻度は他の議員と比べて高いと言えるでしょう。したがって、地方の自民党員の信頼は厚いです。

ただ、石破はしばしば自民党内で異論を唱えたり、党の方針に対して批判的な意見を述べたことが頻繁にあり、自民党内のほとんどの議員が石破を蛇蝎の如く嫌っています。そのため、石破は候補者とはなりえないし、候補者になっても当選する可能性はありません。総裁選は、自民党議員と党員が選ぶものであり、マスコミや国民が決めるものではありません。

それに、石破の場合は、自民党議員の信頼が著しく低く、自民党総裁選に出るためには、自民党所属国会議員20人の推薦が必要ですが、石破氏がこれを集められる可能性はかなり低いです。

小泉に関しては、過去に奇抜な発言や行動を繰り返したため、能力そのものが疑われおり、ほとんど見込みはないでしょう。

林に関しては、岸田政権で外務大臣でしたが、直近の内閣改造では、外されています。林は、岸田首相と同派閥であり、総理大臣候補ともみられおり、岸田首相は、林が派閥内で権力を増すことを恐れ、閣僚というポストにつけ自身に逆らわせないようにしたのと同時に位打ちを狙ったとみられますが、それが功を奏したとみられ、外務大臣から外したとみられます。

林氏には、総裁への目はなくなり、宏池会(岸田派)内での権力闘争にも負けたとみるべきでしょう。

高市早苗氏

高市は、保守層の信頼は厚いですし、総裁選に出馬したことがありますが、それは安倍元首相の支援があったからであり、今後はそれは期待できませんし、無派閥です。自民党内の有力派閥の争いが大きくなり、派閥争いの無風期間を意図的につくりだすために、派閥争いに関係のない候補者を推すような場合、そうしてその時に高市に白羽の矢があたるということでもない限り見込みはほとんどないでしょう。私自身、高市氏が自民党総裁になれば良いと思いますが、現実にはその見込は限りなく低いです。

以上を除外すると萩生田、茂木、上川、河野、西村が残ります。

この中で、髙橋洋一氏は萩生田氏のことを、「政治家には珍しく自ら前にでることがない人物」と評しています。

髙橋洋一氏は萩生田氏のことを、「政治家には珍しく自ら前にでることがない人物」と評していました。これは、髙橋氏が萩生田氏と共著で出版した『萩生田光一 経済安全保障戦略』(2022年)の中で述べられたものです。

髙橋氏は、萩生田氏について、「派閥の重鎮でありながら、自らの主張を前面に押し出すことは少ない。むしろ、聞き役に徹し、相手の意見に耳を傾けることが多い」と評しています。また、「萩生田氏は、政治家としては珍しく、経済理論を深く理解している。しかし、その一方で、政治家としてはあまり華やかな印象がない」とも述べています。

髙橋氏以外にも、萩生田氏のことを「自ら前に出ない人物」と評する人は少なくありません。例えば、萩生田氏の秘書を務めたこともある、政治評論家の田中宏氏は、「萩生田氏は、自分の主張を押し通すタイプではない。むしろ、周囲の意見を取り入れながら、合意形成を図っていくタイプだ」と述べています。

また、萩生田氏の同期である衆議院議員の河野太郎氏も、「萩生田氏は、自分の考えを人に押し付けるタイプではない。むしろ、相手の意見に耳を傾け、共通の認識を形成していくタイプだ」と述べています。

このように、萩生田氏は、政治家としては珍しく、自ら前に出ることが少ない人物であるとの評価が多いようです。おそらく、萩生田氏が、総裁選に出馬するのは、旧安安倍派の多数が、推した場合に限られるでしょう。そうなると、そもそも総裁選に出馬することはないかもしれません。

安倍元総理(左)と萩生田光一(右)

西村も萩生氏と同じく前に出ないという評価があります。例えば、2023年9月20日付の読売新聞の記事では、西村氏の秘書官が「西村大臣は、メディアに出るとか、自分の主張を前に出すとか、そういうことにはあまり興味がない」と語っています。

このように、西村氏は政治家としては珍しく、自ら前に出ることが少ない人物であるという評価が、広く共有されています。西村氏も自ら積極的に総裁選に立候補する可能性は少ないと考えられます。

そうして現在、自民党最大派閥の安倍派は、会長不在の状態が続いています。安倍晋三元首相の銃撃事件を受けて、派閥の結束を保つために、塩谷立元文部科学相と下村博文元文部科学相を会長代理に据えましたが、結局は後継会長を決めることができず、集団指導体制を維持しています。

これでは、派閥内で結束して、総裁選に挑む事ができないかもしれません。そうなると、安倍派が総裁選に出ても、萩生田、西村が総裁になれる目は低くなると考えられます。

そうなると、茂木、上川、河野のうちの誰かが、総裁になる可能性が高まります。

茂木、上川、河野の3名は、いずれもリベラル的な政治信条を持っているといえます。

茂木氏は、憲法改正や集団的自衛権の行使容認など、保守的な政策を支持する姿勢を見せることもありますが、一方で、同性婚や選択的夫婦別姓など、リベラルな政策にも理解を示しています。また、新型コロナウイルス感染症の対応では、政府の感染拡大防止策を批判するなど、保守的な姿勢から離れた行動も見られました。

上川氏は、法務大臣として、人権擁護や司法改革を推進してきました。また、同性婚や選択的夫婦別姓など、リベラルな政策にも理解を示しています。

河野氏は、行政改革担当大臣として、官僚機構の改革を推進してきました。また、憲法改正や集団的自衛権の行使容認など、保守的な政策にも理解を示しています。しかし、同性婚や選択的夫婦別姓など、リベラルな政策にも理解を示しており、総裁選では、保守とリベラルをバランスさせた政策を掲げていました。

茂木、上川、河野の3名は、いずれも財務省出身の政治家です。そのため、財務省の考え方や政策に理解を示し、協力する姿勢を見せることが多いといえます。岸田首相自身は財務省出身ではありません。

具体的には、以下の政策において、財務省寄りの姿勢が見られます。
  • 財政健全化の推進
  • 歳出抑制
  • 金融規制の強化
これらの政策は、財務省が長年推進してきた政策であり、自民党の保守的な主流派も支持している政策です。そのため、茂木氏、上川氏、河野氏も、これらの政策を支持する姿勢を見せることは自然なことといえます。

左から茂木氏、上川氏、河野氏

そうなると、この中の誰が、総理大臣になろうと、岸田政権よりもさらにリベラル派に傾くこと、財務省寄りの政権が出来上がることになる可能性が高まることになります。

私自身は、岸田政権を積極的に支持するものではありませんが、保守派として現実的にみれば、以上のことを考えると、次の総裁選も期待できず、岸田政権がのほうマシという判断二ならざるを得ません。

岸田首相が自らの政権基盤を安定させるために、リベラル派に傾いた政権を保守に回帰させ、財務省と決別するなどのことをした上で、継続したほうが良いという結論に落ち着くことになります。

それが、これ以上日本の経済や保守的価値観をこれ以上毀損させないための唯一の道であると思います。岸田政権が続いている間に、保守派が準備をして、次の段階に移行するというシナリオが最適と思われます。その際には、日本保守党や国民民主党などの動きも役に立つと思います。

まだ、様子を見てみないと判断できませんが、ただ岸田首相にその覚悟があるのか、これも不透明であり、これにも期待できないということになれば、ここ数年かなり昏迷して、経済的にも政治信条的にもとてつもない状況を受け入れるしか仕方なくなるかもしれません。

また、あの昏迷した民主党政権時代のようなことになることを覚悟しなければならないかもしれません。しかし、直近の毀損を恐れて、日本が将来的大きく毀損されること防ぐには、その覚悟も必要になるかもしれません。岸田首相の動向いかんで、それもやむ無しということになるかもしれません。その時にも、日本保守党や国民民主党の動きは、保守派にとって望まいしいものになるでしょう。

しかし、できればソフトランディングしたほうが良いでしょう。自民党の保守派、積極財政派の議員は以上のことを理解した上で、冷静な判断をして行動していただきたいものです。外から、客観的、現実的に見るとそのように見えます。財務省やマスコミ、野党などに煽られて、軽挙妄動に走ることは慎むべきです。十分情勢を見極め、よく考えた上で行動すべきです。そうして、それは保守派の国民にとっても同じことだと思います。

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