2024年7月15日月曜日

都知事選予測が的中 石丸氏の浮動票は驚くようなことではない 前例に東国原氏 高橋洋一―【私の論評】高橋洋一氏の驚異的な選挙予測と石丸伸二氏の政治家適性:為替アナリストの経歴が政治にもたらす影響

都知事選予測が的中 石丸氏の浮動票は驚くようなことではない 前例に東国原氏 高橋洋一

日本の解き方

まとめ
  • 小池百合子氏が3選を果たし、SNSで知名度を上げた石丸伸二氏が2位、蓮舫氏が3位となった。高橋洋一氏は、小池氏の浮動票が石丸氏に流れたと分析し、選挙結果をほぼ正確に予測した。
  • 高橋氏の予測方法は、投票率の推計と候補者ごとの票の性質(基礎票・浮動票)分析に基づいていた。
  • SNSを活用した若者層への浸透戦略は効果的だが、それだけでは都知事選勝利には不十分。
  • 若者層の支持が自民党から離れている中、石丸氏はその層をうまく取り込んだが、選挙後の対応で支持を失う可能性がある。

 小池百合子氏は3選を果たし、62のすべての自治体で他の候補を上回る票を獲得した。NHKの出口調査によると、小池氏の都政運営に対する評価は肯定的で、67%が「大いに評価する」または「ある程度評価する」と回答している。小池氏は自民党、公明党、都民ファーストの会の支持層を固めつつ、無党派層の30%以上からも支持を得た。特に40代以上の年齢層で強い支持を集めた。

 石丸伸二氏は2位となり、特に世田谷区、渋谷区、中央区などで27%以上の得票率を記録した。朝日新聞の出口調査によると、石丸氏は無党派層から36%の支持を得て、候補者中最多だった。また、維新支持層の41%、国民民主支持層の約4割からも支持を集めた。

 蓮舫氏は3位に終わったが、128万3262票(得票率18.81%)を獲得し、前回2020年の都知事選と比較して得票数で1.52倍、得票率で5.05ポイント増加した。蓮舫氏は武蔵野市、国立市、多摩市などで20%を超える得票率を記録した。

 選挙戦では、小池氏の2期8年の都政運営の評価が主な争点の一つとなった。石丸氏は「既存の政党に属さない人間が東京の知事になれば世界が一変する」と訴え、若者層を中心に支持を集めた。蓮舫氏は市民と野党の共同候補として戦い、共産党を含む多くの支援を得たことを「財産」と評価している。

 この選挙結果を受けて、立憲民主党と連合の幹部が会談し、蓮舫氏が3位に終わったことについて敗因分析を行うことになった。今回の都知事選は、既存政党や今後の国政選挙にも影響を与える可能性があり、特にSNSを活用した選挙戦略や無党派層の動向が注目されている。

 この記事は、元記事の要約です。詳細を知りたい方は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】高橋洋一氏の驚異的な選挙予測と石丸伸二氏の政治家適性:為替アナリストの経歴が政治にもたらす影響

まとめ
  • 高橋洋一氏の東京都知事選予測は、投票率の正確な推計と候補者ごとの票の性質分析に基づき、驚くべき正確さを示した。
  • 石丸伸二氏は三菱UFJ銀行の為替アナリストとしての経歴を持つが、為替アナリストの短期的予測業務は博打的性質を持つと高橋氏は指摘している。
  • 政治家が博打的な思考や行動をとることは、国民の利益を損なう危険性があり、政治家としての信頼性や責任に反する。
  • 石丸氏の発言や行動には、為替アナリスト時代の博打的な考えが影響している可能性があり、政治家としてふさわしくない面がある。
  • 政治家には長期的視野、公正さ、信頼性、法令遵守の精神が求められ、博打的要素はこれらを損なう可能性が高いため、石丸氏の政治家としての適性に疑問が残る。
高橋洋一氏

高橋洋一氏の東京都知事選の結果予測は驚くべき正確さを示しました。その予測方法の核心は、まず投票率を正確に推計することにありました。高橋氏は期日前投票が有権者の約20%であることを踏まえつつ、投票日当日の天候などの要因も考慮して、全体の投票率を61%と予測しました。実際の投票率が60.62%だったことを考えると、この予測はかなり的確だったと言えます。

次に、高橋氏は候補者ごとに票の性質を分析しました。小池氏については基礎票と浮動票の両方を持つと考え、石丸氏は主に浮動票を、蓮舫氏は基礎票を中心に獲得すると予測しました。この分類に基づいてモデルを構築し、計算を行ったのです。

公選法の規定を考慮し、高橋氏は直接的な予測公表を避ける工夫をしました。投票前にX(旧Twitter)で「珍しい4つの素数」として11、13、17、29を投稿したのですが、これらの数字は実際には予想得票数(単位:10万人)を示していました。この暗号的な手法は、法的問題を回避しつつ予測を公表する巧妙な方法でした。

結果として、高橋氏の予測は実際の投票結果と非常に近いものとなりました。小池氏については予測290万票に対し実際291万票、石丸氏は予測170万票に対し実際165万票、蓮舫氏は予測130万票に対し実際128万票、その他は予測100万票に対し実際102万票となり、いずれも誤差は小さいものでした。

高橋氏の予測方法の特徴は、投票率の正確な推計、候補者ごとの票の性質(基礎票か浮動票か)の綿密な分析、そして過去の選挙データや現在の政治状況の詳細な検討にあると考えられます。特に小池氏と蓮舫氏の得票数予測が非常に正確であり、全体としても高い精度を示しています。この予測手法は、選挙分析や世論調査の分野で注目に値する成果であり、今後の選挙予測にも大きな影響を与える可能性があります。

石丸伸二氏は三菱UFJ銀行で為替アナリストとして働いていました。彼は2014年に初代ニューヨーク駐在員として赴任し、アメリカ大陸の主要9か国25都市で活動していました。その後、広島県安芸高田市長に選出され、政治家としても活躍しました。

石丸伸二氏

ただ、私自身は石丸氏の過去の経歴からみても政治家にはふさわしくないと思います。

長期的な為替レートは「世界に流通している円全体の価額 ÷ 世界に流通しているドル全体の価額」(円/ドル)という式で決まるとされています。しかし、中・短期的には様々な要因が絡み合うため、為替レートの予測は非常に困難です。

高橋氏は為替レートの短期的な予測を「競馬と同じ」と表現しており、予測の不確実性を強調しています。この見解に従えば、為替アナリストが行う短期的な為替予測は、実質的に博打と同様の性質を持つと言えます。アナリストは様々なデータや情報を分析しますが、予測不可能な要素が多いため、その予測は確実性に欠けます。

結果として、為替アナリストの短期的な予測は、情報に基づいた推測にすぎず、博打打ちの行為と本質的に変わらない可能性があります。したがって、高橋氏の見解に基づけば、為替アナリストの短期的な予測業務は、高度な分析を行っているように見えても、実質的には博打と同様の不確実性を持つ活動だと解釈できます。

ただし、長期的なトレンド分析や経済指標の解説など、より確実性の高い情報提供については、依然として意義があると考えられます。

しかし、中短期的な為替の予測をなりわいとする為替アナリストは、博打打ちといってもよく、政治家が博打的な思考や行動をとれば、国民の財産や生活に直結する政策決定において、不確実性の高い選択をしてしまう危険性があります。石丸氏にもこうした為替アナリスト時代の習慣や感覚が身についている可能性は高いです。

安芸高田市や選挙中や選挙後の石丸氏の発言は、とうてい常人の考えも及ばないところがあます。それは、博打打ち的な考えに石丸氏が支配されている可能性を示していると思います。


また、博打的な考え方をすることにより、政治家個人の金銭的な問題や倫理的な問題を引き起こす可能性もあります。これらは政治家としての信頼性を大きく損なう要因となります。さらに、政治家には長期的な視野で国や地域の発展を考える責任があります。

博打的な思考は短期的な利益を追求しがちで、この責任と相反します。また、政治家は法律を作る立場にあるため、博打的な考え方をすることは、法治国家の理念にも反します。したがって、博打打ちの性質や行動は、政治家に求められる公正さ、信頼性、長期的視野、法令遵守の精神と相容れません。政治家には冷静な判断力と高い倫理観が求められ、博打的な要素はそれらを損なう可能性が高いため、ふさわしくないと言えます。

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