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2019年10月16日水曜日

対中を意識した日EUのパートナーシップ強化―【私の論表】現在日本が世界の自由貿易をリードしている(゚д゚)!

対中を意識した日EUのパートナーシップ強化

岡崎研究所

 安倍総理大臣は9月27日、ユンケル欧州委員会委員長の招きに応じ、ブリュッセルで開催された「欧州連結性フォーラム」に出席、基調講演を行ったほか、両首脳は『持続可能な連結性及び質の高いインフラに関する日EUパートナーシップ』と題する文書に署名した。まず、同文書の総論に当たる、第2パラグラフと第3パラグラフを以下の通り紹介する。


 日本とEUは,デジタル,運輸,エネルギー及び人的交流を含むあらゆる次元における連結性に,二国間及び多国間で共に取り組む意図を有する。パートナーのニーズと需要を十分に考慮し,かつその財政能力及び債務持続可能性に最大限留意して,日本とEUは,特に西バルカン,東欧,中央アジア,インド太平洋及びアフリカ地域において,第三国パートナーとの連結性及び質の高いインフラに関するそれぞれの協力の相乗効果と補完性を確保し,活動を協調させるよう努める。
 日本とEUは,開放性,透明性,包摂性,連結性に関する投資家及び産業を含む関係者のために対等な競争条件を促進するために共働することを構想する。双方はまた,自由で,開放的で,ルールに基づく,公正で,無差別かつ予測可能な,地域的及び国際的な貿易・投資,透明性のある調達慣行,債務持続可能性と高い水準の経済,財政及び金融,社会及び環境上の持続可能性の確保を促進する意図を有する。この文脈に関連して,日本とEUは,質の高いインフラ投資に関するG20原則の支持を歓迎し,これらの原則を適用し促進する。双方は,2019年4月の首脳宣言で合意されたパリ協定の完全かつ効果的な実施に対するコミットメントを想起する。
出典:外務省HP 安倍総理の「欧州連結性フォーラム」出席
 上記文書は、2018年10月18-19日のアジア欧州会合(ASEM)、2019年4月25日の日EU定期首脳協議、2019年6月28-29日のG20大阪サミットにおける文書を踏まえたもので、日EU間の戦略的パートナーシップ強化の文脈の中に位置付けられる。
 一読して明らかな通り、対中国を念頭に置いたものであることは確実であろう。文書で挙げられている具体的な地名のうち、西バルカン、東欧は、欧州において中国が一帯一路を通じて影響力を強化している地域であり、アフリカでも中国が経済援助により影響力増大を図っており、インド太平洋地域は言うまでもなく対中戦略において最重点の地域である。また、自由、開放的、ルールに基づく、公正、無差別かつ予測可能、透明性、債務持続可能性、といった語は、既存の国際秩序からの中国の逸脱を牽制する常套的キーワードである。
 EUでは、欧州委員会メンバーが11月から新メンバーに代わり、フォン・デア・ライエン前ドイツ国防相がユンケル委員長の後継の新委員長となる。フォン・デア・ライエン氏は、次期欧州委員会を「持続可能な政策にコミットする地政学的な委員会」と位置づけ、自己主張を強める中国との関係を定義することを目指している。彼女が掲げる「地政学的委員会」の旗がどれだけ本物か、注目されるところである。
フォンデアライエン(左)と10月末に退任するユンケル

 日本と欧州のインド太平洋における戦略的協力は日EUの枠組みだけでなく、二国間や様々な多国間の取り組みがあり得る。その例として、EUの最主要国の一つであるフランスとの「日仏包括的海洋対話」を紹介しておきたい。9月20日に同対話の第1回会合が仏領ニューカレドニアで開催された。外務省の発表によれば、本年6月の日仏首脳会談の際に作成された『日仏ロードマップ(2019~2023)』に基づき、インド太平洋地域における日仏パートナーシップ及び(1)航行の自由・海洋安全保障、(2)気候変動・環境・生物多様性、(3)質の高いインフラの3つの柱に係る協力を進める、という。海上保安庁と仏海洋総局間での海洋情報の共有・交換、日仏の艦船が共同活動を行う際の協力、日仏を含む共同演習(本年5月には日仏米豪共同訓練「ラ・ペルーズ」が行われるなどしている)の機会の追求、インド太平洋地域沿岸国における能力構築に係る日仏協力の検討、などが具体的課題として挙がっている由である。なお、ニューカレドニアは南太平洋にあるフランスの海外領土である。開催時期は、偶然とはいえ、ソロモン諸島とキリバスが国交を台湾から中国に切り替え、中国の太平洋島嶼国への浸透を見せつけたタイミングに一致する。日仏協力の必要性をより強く想起させたことと推測される。
【私の論表】現在日本が世界の自由貿易をリードしている(゚д゚)!
「持続可能な連結性及び質の高いインフラに関する日EUパートナーシップ」について、以下にプレスリリースされた内容を掲載します。

日EUパートナーシップの文書に調印する安倍総理大臣(左)とユンケル欧州委員会委員長(右)

Brussels, 27/09/2019 - 09:50, UNIQUE ID: 190927_2
Press releases

<日本外務省仮訳>
1. 2018年10月18-19日のアジア欧州会合(ASEM)、2019年4月25日の日 EU 定期首脳協議及び2019年6月28-29日のG20 大阪サミットにおける文書を想起し、日本とEUとは、共有する価値としての持続可能性、質の高いインフラ及び対等な競争条件がもたらす利益に対する確信に基づく連結性パートナーシップを確立するとのコミットメントを確認する。 
2. 日本とEUは、デジタル、運輸、エネルギー及び人的交流を含むあらゆる次元における連結性に、二国間及び多国間で共に取り組む意図を有する。パートナーのニーズと需要を十分に考慮し、かつその財政能力及び債務持続可能性に最大限留意して、日本とEUは、特に西バルカン、東欧、中央アジア、インド太平洋及びアフリカ(注)地域において、第三国パートナーとの連結性及び質の高いインフラに関するそれぞれの協力の相乗効果と補完性を確保し、活動を協調させるよう努める。 
3. 日本とEUは、開放性、透明性、包摂性、連結性に関する投資家及び産業を含む関係者のために対等な競争条件を促進するために共働することを構想する。双方はまた、自由で、開放的で、ルールに基づく、公正で、無差別かつ予測可能な、地域的及び国際的な貿易・投資、透明性のある調達慣行、債務持続可能性と高い水準の経済、財政及び金融、社会及び環境上の持続可能性の確保を促進する意図を有する。この文脈に関連して、日本とEUは、質の高いインフラ投資に関するG20 原則の支持を歓迎し、これらの原則を適用し促進する。双方は、2019年4月の首脳宣言で合意されたパリ協定の完全かつ効果的な実施に対するコミットメントを想起する。 
4. ルールに基づく連結性を世界的に促進するとのコミットメントに鑑み、双方は、G7、G20、経済協力開発機構(OECD)、世界銀行、国際通貨基金(IMF)、欧州復興開発銀行、アジア開発銀行(ADB)といった国際的な場を含む国際及び地域機関と協力する意図を有する。双方はまた、21 世紀における自由で、開かれた、ルールに基づく公正な貿易及び投資のための高い水準のルールのモデルである日・EU 経済連携協定の達成の観点から、規制に関する協力を、また、革新的な技術を高めるための政策協調を推進する。双方は、持続可能な開発のための2030アジェンダの実施に対する持続可能な連結性の積極的な貢献を強調し、投資を刺激する環境作りのためにパートナー国を支援する用意があることを想起する。 
5. 日本とEUは、民間投資を活発化させるために手段やツールを動員する重要性を認識し、あり得べき共同事業等を通じて、民間部門の関与も得て、持続可能な連結性のための資金供給を促進するために協力する意図を有する。この関連で、双方は、国際協力機構(JICA)と欧州投資銀行(EIB)との了解覚書を歓迎する。同覚書は、両機関間の緊密な協力を強化し、開発途上国における民間部門資金の需要に応える投資を促進することが期待される。双方は、この目的のために、国際協力銀行(JBIC)とEIBとの間、日本貿易保険(NEXI)とEIB との間を含む既存の協力取決め及び覚書の下での協力を促進していく意図を有する。適当な場合には日欧産業協力センターが関与する。 
6. 日本とEUは、開発途上国において、デジタル及びデータ・インフラ、政策及び規制枠組み等を通じて、包摂的な成長及び持続可能な開発の力強い実現手段として、デジタル連結性の強化に協力する。日本とEUは、デジタル経済の発展は、開かれ、自由で、安定した、利用しやすい、相互運用性のある、信頼性の高い、安全なサイバー空間と、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT:大阪でG20首脳が宣言したもの)に依拠することを強調する。2019年1月に採択された双方の十分性認定といったこれまでの協力に支えられ、日本とEUは、互いの規制枠組みを尊重しつつ、データ・セキュリティ及びプライバシーに関する信頼を強化する目的を含め、DFFTの概念を更に精査し、促進し、運用化するために共に取り組む意図を有する。日本とEUはまた、「大阪トラック」の下、デジタル経済に関する大阪宣言に定められたとおり、国際的な政策討議、特に電子商取引の貿易関連の側面に関するWTOにおける国際的なルール作りを進めるために共に取り組む意図を有する。日本とEUは、人工知能(AI)、クラウド、量子コンピュータ及びブロックチェーンを含むイノベーションを加速する政策を引き続き促進する意図を再確認する。 
7. 日本とEUは、規制枠組み同士のより深化した協力及び相乗効果、運輸回廊の相互接続及び運輸の安全性とセキュリティの強化を通じて、持続可能な運輸の連結性を強化するために引き続き共に取り組む。既存の日・EU運輸ハイレベル協議は、あらゆる輸送手段及び横断的な課題に関与し協力する枠組みを提供する。 
8. 双方は、水素及び燃料電池、電力市場の規制並びに液化天然ガスの世界市場といった分野において引き続き協力し、既存の日・EUエネルギー対話に基づく持続可能なエネルギー連結性を引き続き支持する。双方は、低炭素エネルギーシステムへの転換を促進するため、地域的及びグローバルなエネルギー市場及びエネルギー・イノベーションを強化する観点から、持続可能なエネルギー・インフラへの投資について議論する意図を有する。 
9. 日本とEUは、高等教育及び研究分野における機関間の国際的な人的交流を拡大するため共に取り組む。この文脈で、双方は、第 1 回日 EU 教育・文化・スポーツ政策対話での共同声明に基づく日・EU共同修士課程プログラムの立ち上げ及び科学技術協力合同委員会を通じた取組を歓迎する。 
10. 連結性パートナーシップの枠組みにおける協力は、可能な場合には、既存の対話及び協力枠組みを通じて、とりわけ日・EU間の戦略的パートナーシップ協定及び経済連携協定の文脈において行われる。定期的に行う進捗状況のレビューは、日・EU戦略的パートナーシップ協定の下に設置された合同委員会によって行われる。さらに、日・EUハイレベル産業・貿易・経済対話は、連結性パートナーシップの下での戦略的議論の場として機能し得る。連結性パートナーシップは、日・EUのいずれに対しても国際法又は国内法上の法的拘束力のある権利又は義務を創設すること意図するものではない。 
(注:TICAD 並びに持続可能な投資及び雇用に関するアフリカ

同文書は、EUが締結する初めての連結性(コネクティビティ)に関する文書となります。それは、二者間だけでなく第三国や多国間の場において、連結性の全ての分野で実務的な協力を推進するという意思の政治的な表明です。

重点テーマは、デジタル、輸送、エネルギー、人的交流で、また両者が恩恵を享受できるように優先的に展開する地域(西バルカン、東欧、中央アジア、アジア太平洋、アフリカ)のバランスにも配慮しています。

日本とEUは持続可能な連結性と質の高いインフラへのコミットメントとして、投資家と企業のために連携して、公開性、透明性、公平な競争環境を担保します。双方は債務の持続可能性や経済・財政・金融・社会・環境の持続可能性を担保するために協力します。 また、パリ協定の全面的かつ実効的な実施に向けて取り組みます(2019年4月の首脳会合の合意事項)。

今回の、日欧パートナーシップの基礎となったのは、やはり今年2月1日に発効した日欧EPAです

これは、日本とEUヨーロッパ連合による経済連携協定のことです。これにより世界の貿易のおよそ4割、人口では6億人を超える巨大な自由貿易圏が誕生しました。工業製品からチーズ、ワインといった食品まで、大半の貿易品目の関税が撤廃。例えば毛皮にかかっている最大20%の関税も最終的に0%になり、安く輸入できるようになる。

わずか5年ぐらい前までは、日欧EPAは締結は不可能と考えられていました。世界の自由貿易の歴史を振り返ると1996年にWTPO(世界貿易機関)ができました。これは、加盟国により、自由貿易に関するルールを皆で作りましょうという趣旨で設置されました。

ところが、2000年に入ってから中国をWTPO入れてしまったのが間違いの元でした。ほとんどの場合中国が悪いのですが、中国には中国のロジックがあり、そうすると加盟国全体で自由貿易のコンセンサスできなくなってしまったのです。これには、さらにロシアが2012年に加入し追い打ちをかけました。

本来自由貿易は、参加国の全員一致、満場一致をしてルールを決めるべきものです。米国に都合の良いルール、中国に都合の良いルール、ロシアに都合の良いルールなどがあってはなりません。

世界の常識からかけ離れた、ロジックで動く、中国とロシアがWTPOに加入したため、世界共通のルールが簡単にはできなくなってしまったのです。

そうなると自由貿易を旨とする国々は、中国やロシアを覗いて個別国同士ののEPAを作るしかなくなってしまったのです。そのなかでいちばん大きな協定の一つが、日EUのEPAだったわけです。

ところがEU側は、以前はあまりその気がはなかったのです。ところが、最近、これが急速に動き出したのです。

もともとヨーロッパは日欧EPAの他にも、優先順位の高いものががあったのですが、米国のトランプ大統領が「アメリカファースト」等と主張し、自由貿易のことを重視しなくなったように見えたため、米国とEUの単独のEPA協定だけでは、危機を感じるようになったのです。無論、その根底には、ルールを守らない中国やロシアの問題があったのも事実です。

トランプ米大統領

EUと日本の大きな関心事は、農業です。この農業の問題がネックになってなかなか日欧EPA議論は困難だったのですが、背に腹は代えらなくなったのです。トランプ大統領が存在する以上、米欧EPAの他に、日欧でもEPA協定を結び、それで自由貿易のシステムを維持しなくてはならないと考えるようになったのです。

日本もEUも、国内の農業を保護していかないと、将来、不測の事態が起こったときに大きなダメージになることがありえます。日本は守るべきところは守っています。

そのため、日欧EPAでは、米についてはまだ対象には入っていません。麦や乳製品については、セーフガードを確保していますから、完全に自由化しているわけではありません。ソフト系のチーズは関税割り当てにしているし、数量はある程度国内と両立するような形にしています。いろいろ工夫はしているわけです。

EUとしては本来は、全面開放を狙っていたのですが、EUにとっては米国とのEPAだけでは不安なため、まずは日本とEPA締結すること方が優先したということです。そのため、この交渉がうまくまとまったのです。

このように、日本とヨーロッパの思惑がやっと一致して、協定に向かって動くことができたのです。これが2017年です。そうして、今年の2月に発効したのです。

日本は自由貿易で最も伸びる国のひとつですから、こういう形で貿易のルール作りの主導権を握っていくということは大事です。

そうして、こうした日欧の貿易協定の脅威ともなり得る、中国に対して日欧は貿易以外でもパートナーシップ強化して、対抗していこうとしているのです。

さらに、日本は米国が抜けたTPPも、発効にこぎつけました。現在日本が世界の自由貿易をリードしていると言っても良い状況になりました。この面で日本はこれからも引き続き努力していくべきです。

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2019年2月8日金曜日

いよいよ本格的に走り出したTPP11―【私の論評】いつの間にか、日本は世界の自由貿易をリードする絶好のポジションに(゚д゚)!

いよいよ本格的に走り出したTPP11

岡崎研究所

CPTPP(TPP11)は、昨年12月30日に発効したばかりであるが、時を置かず、1月19日、TPPの参加国11か国は、閣僚級の「TPP委員会」を東京で開催、閣僚声明を発表した。声明の抜粋は以下の通り。


 閣僚は、自由貿易を支持する強いシグナルを発し、21世紀にふさわしい高い水準でバランスの取れたルールを整備し、経済成長を促進し、我々の国の企業、消費者、家族、農業事業者及び労働者に対し利益をもたらす本協定を完全に履行することに対する確固たるコミットメントを表明した。閣僚は、委員会によってなされた決定が、協定の円滑な実施を確実にすることに寄与すること及び長期的な拡大を促進することを確信した。

 閣僚は、アジア太平洋地域において、そしてそれを越えて、自由貿易及び経済統合を力強く推進するにあたり、我々の強固な結束を維持する重要性を再確認した。この文脈で、閣僚は、7の署名国による早期の締結及び実施を歓迎し、本協定が可能な限り早期に全ての署名国について発効することにつき希望を表明した。

 閣僚は、最近の保護主義的傾向への懸念の高まりの中で、効果的で、開かれた、包摂的な、ルールに基づく通商システムという原則を維持し、更に強化していくことが最重要であるということで一致した。

 閣僚は、第1回委員会会合が成功裏に終了したことを祝福し、それが我々の地域のため、及びそれを越えて、高い水準のルールの強固なプラットフォームの創出に向けた重要な出発点となると認識した。

出典:首相官邸ホームページ

 上記声明は、自由貿易を是とし、保護主義に反対し、地域を越えた高い水準のルール作りを目指す、といったTPPの目標を端的に示した内容となっている。安倍総理は、あいさつで「様々な不安や不満があるからこそ、それに正面から向き合い、公正なルールを打ち立てることで、自由貿易を更に進化させていく。TPPは、その先駆けとも呼ぶべきものであります。」と述べている。第1回TPP委員会が日本で開催されたことは、TPP11を日本が主導したこと、日本の自由貿易への強固なコミットメントを国際社会に改めて印象付けるであろう。

 今回のTPP委員会では、TPP11の運用に関する次の4つの文書が採択され、TPP11は、いよいよ本格的に走り出したと言える。

(1)協定の運営:議長のローテーションや、2019年をTPP11全ての参加国の発効に向けた移行期間とすることなど、協定の円滑な運用のために必要な事項についての決定。

(2)新規加入手続:加入希望国・地域との協議の段取り、加入作業部会の立上げ等、実際に加入を調整していくにあたり必要な手続。

(3)国対国の紛争解決(SSDS)手続規則:紛争解決パネルでの審理手続に関する細則及びパネリストが審理を行うに当たって従うべきルール。

(4)投資家対国家の紛争解決(ISDS)仲裁人行動規範:仲裁人が仲裁を行うに当たって従うべきルール。

 新規加入に関しては、インドネシアやタイが関心を示しているほか、英国も加入を希望している。参加国が増えるほど、自由貿易のプラットフォーム、保護主義への反対、通商に関するハイレベルのルール作りといったTPPの価値が高まることになる。さらに、すぐにではないにせよ、米国の復帰を促す誘因にもなるであろう。

 新規加入希望国の中で、特に注目すべきは、昨年11月に参加希望を伝えてきた台湾であろう。台湾がTPPに参加できれば、中国による国際的孤立化の圧力を受けている台湾にとり、大きな助けとなる。地域にとっても経済的にも戦略的にもプラスとなろう。1月17日には、自民党の河井克行総裁特別補佐が訪台し、蔡英文総統と会談、蔡総統は台湾のTPP参加への支援を求めたという。台湾による東日本5県産食品の禁輸という大きなハードルがあるが、台湾のTPP参加は現実味を帯びた話になってきているように思われる。

【私の論評】いつの間にか、日本は世界の自由貿易をリードする絶好のポジションに(゚д゚)!

このブログではすでに過去に何度が説明していますが、TPPとは何なのか、その目的やメリット・デメリットなどについて簡単に以下に解説します。

まずは、現在のTPP11の参加国は、米国を除く、オーストラリア、ブルネイ、カナダ、チリ、日本、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、 ペルー、シンガポール、ベトナムです。

TPPの目的は、概略的にいうと、各国間のモノの受け渡しについて関税をなくしまおうということです。ただし、厳密にいうと他の知的財産とかビジネスのルールに関しても詳細に定めています。

各国間の物品の受け渡しである、貿易には自由貿易と保護貿易という大きく2種類があります。

自由貿易は、関税をなくして自由に物品の行き来きができるようにしましょうという貿易です。

保護貿易というのは、他国からの輸入品には関税を高くして自国の産業を保護しましょうという貿易です。

米国がTPPを抜けたのは、トランプ大統領は元々その思想が保護貿易主義的だったからです。そのため、米国は現在様々な分野で関税を高くするという施策をとっています。

では、米国が抜けたにもかかわらず、日本がTPPに参加するメリットは何なのかを以下簡単に解説します。

まず、TPP発効後の日本においては、TPP参加国の国に輸出した場合、関税が撤廃されているので、安く輸出することが出来ます。

これによって、様々なものが海外で売りやすくなります。日本だと、たとえば自動車はその筆頭格です。従来よりも多く自動車などの物品が多く売れれば、国内にその分のお金が入ってきます。そうすると、景気が良くなるというメリットがあります。

一方で、デメリットとしては、海外から輸入したものに対しても関税が撤廃されるので、国内の農家の人達が、海外の安い農作物と価格競争を強いられることになります。すると、国内の農作物が売れず、国内の農業が衰退してしまうのではというデメリットもあります。

日本としては、このメリットとデメリットによる影響を天秤にかけて、メリットの方が大きいと判断し、参加したのです。

以上、簡単にTPP11の参加国や、日本のメリット、デメリットを解説してみましたが、これから私たちの暮らしにどのように影響していくのか注意深く見ていく必要があります。

たとえば、スーパーには海外産の安い食品が並ぶことになるかもしれませんし、海外に行ったら日本の車が今まで以上に多く走っているかもしれません。


TPP11は、保護貿易に走ろうとする、米国ならびに、知的財産権を軽んじ、覇権主義的な中国に対して大きな牽制となってもいます。

さて、台湾のTPP参加のハードルとなっている東日本5県産食品の禁輸について解説します。

昨年台湾の国民投票で福島など日本5県産食品の禁輸継続が可決されたことを受け、河野太郎外相が昨年12月7日、台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)参加に悪影響が出る可能性を指摘しました。

これについて行政院(内閣)のKolas Yotaka(グラス・ユタカ)報道官は同8日、日本の反応は「理解できる」とした上で、台湾はTPP加盟を目指して法改正などの準備を進めてきたと述べ、引き続き日本と意思疎通を図り、理解を求める姿勢を示しましーた。

謝長廷駐日代表(大使に相当)は同7日夜、日本側の発言について「非常に遺憾だ」と述べました。日本が具体的な報復措置に及ぶ可能性については、日本国内でも他国への影響を懸念する声や台湾に理解を示す声などさまざまな意見があるため「予測はできない」とし、相手に刺激を与えるような言動は慎むべきだと提言しました。

また、このことが日台の友好関係に影響を及ぼさないことを願うと述べ、力を尽くして日本側への説明を続けるとしました。

2011年の福島原発事故以来、台湾は福島など5県、中国は新潟、宮城、福島など10都県で生産・製造された食品の輸入を停止しましたが、中国は先月28日付で新潟産コメの輸入解禁を発表しました。

謝代表は、中国の規制緩和は日本に友好を示すものであるとした上で、台湾のTPP加盟に最も反対するのは中国であると指摘。台湾の国民投票の結果が反対勢力に格好の口実を与えてしまったとの見方を示しました。

日本での、福島などの産地での、検査体制はかなり他国よりも厳しいもので、これをバスした農産物など放射能による危険など考えられません。私自身も福島産の農産物など危険だとは全く思いません。

そのことを日本側はもっと台湾の人々に訴求していくべきでしょう。

一方日本と欧州連合(EU)間の画期的な2つの新協定が2月1日に発効しました。日本・EU経済連携協定(EPA)と戦略的パートナーシップ協定です。EPAはEUにとって市場規模の点で最大の二国間貿易協定であり、これにより世界でも史上最大の自由貿易圏が誕生することになりました。

この協定で日本とEU間の関税は劇的に減り、両者間の貿易をよりシンプルでスピーディーなものにする体制が整う。それに応じて貿易量も増加するだろう。戦略的パートナーシップ協定は、核拡散防止、地域安全保障、国際テロと組織犯罪、サイバーセキュリティ対策、エネルギーと気候の安全保障といった問題で日本とEUの協力体制を確実なものにします。



この2つの協定は、国際貿易とグローバル・ガバナンスの発展において非常に重要なタイミングで発効しました。ブレグジット(イギリスのEU離脱)でイギリスはEUとの関係を見直し、世界の他の国々と独自の貿易政策を構築しようとしているからです。

より重要なのは、日本とEUのこの新たな協定が、ドナルド・トランプ米大統領の「アメリカ第一主義」の貿易政策と正反対の動きを示していることです。2016年にアメリカ大統領に選ばれて以来、トランプは二国間協定を重視し、貿易障壁を保護主義に活用しWTO(世界貿易機関)のような国際機関を弱体化させてきました。

EUと日本の二つの協定に関する交渉が締結に向けた推進力を得たのは、トランプの政策、特に環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱が予想されたからです。大規模な貿易協定の交渉には延々と時間がかかるのが常で、EUと日本の交渉は2013年に開始していました。

日本とEU、そして特にドイツは輸出主導型の経済であり、いずれも開かれた貿易政策を支持する立場にあります。トランプの保護主義的な立ち位置は、こうした国々を不安にさせています。そのためこの新協定は、ルールに基づく国際貿易システムの重要性を強く再確認するものと受け止められています。

日本が農産物に関してEUに譲歩したことは、この封印された市場の開拓を長い間望んでいた米国の農家には打撃でした。日・EU協定は、自由貿易を擁護する日本の姿勢を強調し、アメリカの離脱で頓挫したTPPの残骸から復活した新たな多国間貿易協定「包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)」に、はずみをつけるものになるでしょう。

EUと日本の経済をあわせると世界のGDPの約3分の1を占めます。したがって、この新しい貿易協定は世界経済を活性化するとともに、世界有数の2つの経済大国(米国・中国)による多国間協調主義に対する強い決意を示すうえで重要なものになるはずです。

米国とEUの貿易交渉が近く始まります。この交渉は、昨年7月、欧州からの自動車の輸入に追加的な関税を課すと脅迫するトランプに欧州委員会委員長のユンケルが訪米して直談判に及び、その結果決まったものです。
その見返りに、交渉が継続する間は双方とも追加的な関税を課すことはしない(米国が欧州の自動車に追加的な関税を課すこともしない)ことで折り合ったものです。
欧州委員会委員長のユンケル氏(左)とトランプ米大統領(右)

1月11日に米通商代表部(USTR)は、米国の交渉目標に関する17ページの文書を公表しています。この文書は共同声明に記された交渉の範囲にはおよそ無頓着で、工業品と農産品の貿易、通信・金融を含むサービスの貿易、衛生と植物防疫の措置、デジタル貿易と越境データ通信、投資、知的財産、政府調達など、果ては為替操作まで、目一杯の要求項目を並べたものです。これらの項目は日本との貿易交渉の目標としてUSTRが掲げるものとほぼ共通です。

マルムストローム貿易担当欧州委員とライトハイザー通商代表との間で事前に交渉したようですが、要するに交渉の範囲についてすら合意に至っていないらしいです。EUは交渉の範囲を絞り込んでおり、マルムストロームは「我々は米国との広範な自由貿易協定交渉を提案しているのではないことを明確にしておきたい」と述べています。

紛糾の種は幾らもあります。例えば農産品を含まない協定を米国議会が承認するかという問題があります。しかし、農産品は共同声明で交渉の対象から除外することに成功したとEUは思っているに違いないです。

渉の見通しは暗いです。しかし、もともとこの交渉は自由貿易の利益を共に享受しようという積極的意図によるものではないのですから、必ずしも交渉が成功裏に終わらなくても貿易戦争を避ける道具になってくれれば十分なのかもしれません。ただ、そういうことで何時までトランプを封じ込め得るかという問題はあります。

ただし、日本を軸として、TPP11・日欧EPAが発効し、米国と中国だけがこの趨勢から出遅れていること、中国は社会構造が遅れているため、自由貿易などそもそもできないのに、米国は可能であることを理解すれば、トランプ氏も考えを変えるかもしれません。トランプ氏は無理かもしれませんが、次の大統領は考えを変えるでしょう。

いつの間にやら、日本は世界の自由貿易をリードする立場になったようです。これは、民主党政権の時代には全く考えられず、やはり安倍政権になってから芽生え、それが今頃成果となって現れているのです。

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2019年1月5日土曜日

中国は「月の裏側」の着陸探査で世界をリードする―【私の論評】中国が、ジオン公国妄想を夢見て月面の裏の探査活動を続けるなら日米にとって歓迎すべきこと(゚д゚)!


地球の前を横切るの「裏の顔」を、NASAの宇宙
天気観測衛星「DSCOVR(ディスカヴァー)」が捉えた様子

世界で初めての裏側への着陸を目指していた中国の無人月探査機「嫦娥4号」が、着陸に成功したと発表された。これから探査ミッションが本格化することになるが、中国の最終的な目標は、将来の有人宇宙探査に利用する月面基地の建設にある。まだ知られざる月の裏側の探索において、中国が世界をリードし始めた。

月の裏側は、実は「ダークサイド」ではない。それがわかっているのは月面車だけでなく、月を周回するアポロのカプセルに搭乗した人間たちも多くの写真を撮ってきたからだ。しかし、間もなくわれわれは、これまで地球から詳しく観測することができなかった月の裏面を見られるようになるだろう。

それは、12月8日に打ち上げられた中国の月探査機「嫦娥4号」のおかげだ。嫦娥4号は、四川省にある西昌衛星発射センターから、「長征3号B」ロケットによって打ち上げられた[編註:記事初出は2018年12月だが、「嫦娥4号」は1月3日夜に月の裏側に到着したことが発表された]。

ランダー(着陸船)と月面車を搭載したこの月探査機は、地球に最も近く忠実に寄り添ってくれる仲間である月の、まだ誰も足を(あるいはタイヤを)踏み入れたことのない裏側に着陸する初めての探査機となる。月面車が周囲を巡回し、月の表面や、表面に近い層を調査することになるのだ。

嫦娥4号は、27日間にわたって探検に挑戦する予定だ。月面に着陸する宇宙船としては、13年の「嫦娥3号」に続いて中国で2機目となる。嫦娥3号の月面着陸は、1976年に月面に着陸してサンプルリターンのミッションを果たしたソ連の「ルナ24号」以来だった。

最終目標は月面基地の建設

今回のミッションの目的は各種の実験を行うことだが、中国の最終的な計画は、将来の有人宇宙探査に利用するための月面基地の建設だ。ただし中国国家航天局(CNSA)は、今回のミッションがその実現に向けた計画を先導するものであるかどうかについては明らかにしていない。

一方でこのミッションは、国際的な月探査科学界で複雑な感情をあおる可能性がある。12年にパリ地球物理研究所のマルク・ウィチョレックは欧州宇宙機関(ESA)に対して、月の裏側を探査する「Farside Explorer」計画を主張したが却下された。

セントルイス・ワシントン大学のブラッド・ジョリフも、17年に「MoonRise」と呼ばれるミッションを米航空宇宙局(NASA)向けに提案したが、残念ながら採用されなかった。

「NASAとESAが選択しなかったミッションを中国の研究者たちが実現することについては、嬉しさ半分悔しさ半分という思い、あるいはもっと強い感情があるかもしれません」と語るのは、テネシー大学地球惑星科学科のブラッド・トムソンだ。

月面の巨大クレーターに着陸

軌道上を回る人工衛星からの遠距離観測によると、月の裏側の表面は表側よりもはるかに古いもので、衝突クレーターの数も多く、地殻も厚い。表側と裏側で状況が異なる理由は謎だ。嫦娥4号の月面車によって、何らかの手がかりが見つかる可能性がある。

ブラウン大学の地質科学教授ジェームズ・ヘッドは、「ランダーによるミッションが行われるたびに、多くの新しい驚きが生まれます。月のどの部分を訪れても、何らかの新しい、根本的なことを学ぶことができます」と話す。

前回のミッション(嫦娥3号)で13年12月に月面に軟着陸した「玉兔号」は、予定されていた3カ月よりもはるかに長い31カ月間にわたってデータを送り続けた。16年7月31日に稼働を停止したが、月の表側に永遠に留まることになっている。

嫦娥4号は、直径180kmのクレーター「フォン・カルマン」の内側に着陸する予定とされていた。ESAの月探査用技術試験衛星「スマート1」のミッションを率いた科学者バーナード・フォーイングによると、このクレーターは、直径2,500km、深さ12kmという巨大クレーター「南極エイトケン盆地」にあるという。

この巨大クレーターは月面上で最も古い地形で、太陽系全体でこれまでに知られている最も大きな衝突クレーターのひとつだ。南極エイトケン盆地をつくった衝撃によって「月の地殻が剥ぎ取られ上部マントル物質がむき出しになった可能性があります。岩や土といった鉱物的特徴と共にです」とフォーイングは説明する。

月面車は、可視光と近赤外光の画像分光計を使って、月表面の鉱物組成の測定を試みる計画だ。

ジャガイモなどの栽培実験も実施

多分野にわたる航空宇宙科学のコンサルティング会社であるスペース・エクスプロレーション・エンジニアリングの最高経営責任者(CEO)マイク・ロウクスによると、南極エイトケン盆地には、クレーター内に永久に影になる部分があるとする説もあるという。「そうした地域には氷が堆積している可能性があり、そうだとすれば月面基地には非常に便利です。そのような氷の堆積する場所が特定されたら、その近くに月面基地が置かれる可能性は高くなります」

作業はそれだけではない。ミッションの目的の詳細を説明する論文によると、ほかにも月面の地図の作成や、地中探知レーダーを使った表面に近い層の厚さや形状の測定などで、小さな月面車は大忙しだ。月の形成から間もないころのプロセスを理解するために、月面から100mほど内部の画像化も試みることになっている。

嫦娥4号には、ジャガイモとシロイヌナズナの種も積み込まれた。地球の6分の1とされる月面の低重力下で、温度と湿度が調節された密閉環境で育つことができるかどうかを調べるためだ。有効であることがわかれば、人類による宇宙探査の出発点として、月に基地を建設することにつながるかもしれない。

低周波での電波天文学の実験も行われる予定だ。地球では、電離層や人工的な無線周波数、オーロラからの放射ノイズといった干渉があるが、月の裏面ではこうしたものは遮断されている。

地球との通信は中継衛星経由

嫦娥4号には、低周波受信機が搭載されている。18年5月に中国によって打ち上げられ、現在は月の周囲を回っている通信中継衛星「鵲橋」にも受信機が1台搭載されている。さらに、鵲橋から月の軌道上に発射された超小型衛星にも、3台目の受信機が搭載されている(4台目を搭載していたもうひとつの超小型衛星は、地球との連絡がとれなくなっている)。

太陽の電波バーストや、ほかの惑星のオーロラ、最初の星の形成につながる原始の水素ガスなどから発生する信号を検出することが目的だ。

月の裏側が地球のほうを向くことは決してないため、月面車と直接通信することは不可能だ。月面車は、鵲橋を中継局として使う必要があるが、これがミッションの重大な部分だとブラウン大学のヘッドは述べる。

「アポロ計画の最中に、わたしたちは裏側での着陸について話し合いました」とヘッドは述べる(有力候補に挙がったのは「ツィオルコフスキー」クレーターだった)。「しかし、当時は通信を中継できるものがなかったうえ、コミュニケーションのチェーンがどうしても複雑になり、それはあまりにも安全性が低いと考えられました」
「中国のリードは明らか」

中国が月の調査を行うのは最近のことではない。中国の月の女神にちなんで名付けられた「嫦娥計画」は、2000年代初期に始まった。CNSAが「嫦娥1号」と「嫦娥2号」を打ち上げたのは、それぞれ07年と10年だ。

「月の裏側の探査について中国がリードしているのは明らかです」とヘッドは話す。「わたしたちは中国が今後、裏側からのサンプルリターンのミッション、特に南極エイトケン盆地からのサンプルリターンによって、調査をさらに進めてくれることを期待しています」

【私の論評】中国が、ジオン公国妄想を夢見て月面の裏の探査活動を続けるなら日米にとって歓迎すべきこと(゚д゚)!

宇宙空間で制御不能となり、世界の少なからぬ人たちを心配させた中国の軌道上実験モジュール「天宮1号」は、昨年4月2日午前9時すぎ(日本時間)、南太平洋上で大気圏に再突入し、すべて燃えつきたと発表されました。大惨事は回避され、ほっとしている方もいらっしゃたと思います。

「天宮1号」は、昨年南太平洋上で大気圏に再突入し、すべて燃えつきた

しかし、本当に懸念すべきなのはこれからかもしれません。「天宮1号」は宇宙空間での宇宙船とのドッキングをテストするための、いわば"宇宙実験室"でした。いったいなぜそんな実験をする必要があるでしょうか。

そこを掘り下げていくと、中国の戦慄すべき宇宙開発への野望が見えてきます。そうして、今回は月の裏側の探査をはじめました。地球からは絶対に見えない前人未到の領域で、中国は何を狙っているのでしょうか。

まずは、なぜ月の裏側が地球から見えないのかを簡単に説明します。月が地球の周りをくるりと1回、公転する間に、月自身もちょうど1回、自転します。そのため、月はいつも同じ面(表側)を地球に向けることになります。これは偶然ではありません。

裏側より少し重い表側がつねに地球の重力に引っぱられているので、「起き上がり小法師」が自然に立ち上がるように、表側が自然と地球を向くのです。木星の4つのガリレオ衛星や、火星の2つの衛星(フォボスとダイモス)も、同じ面を惑星に向けています。

さて、この地球からは見えない、月の裏側ですが、過去にも観測された事例はあります。最初に月の裏側を観測したのは旧ソ連のルナ3号で1959年のことでした。そのため月の裏側は、ロシアの偉人にちなんだ地名がたくさんついています。

その後も、月の周回軌道に入った探査機の多くが月の裏側を観測しています。日本の大型月周回衛星「かぐや」も、月の裏側を含んだ全球(つまり月の地表すべて)を観測して、詳細な地形図や重力異常図をつくりました。

月の表側にはおなじみの、ウサギが餅をついているような黒い模様があります。これは月の火山活動で溶岩が流れた跡で、「海」と呼ばれています。しかし裏側には、この海がほとんどありません。つまり表のほうが裏よりも火山活動が激しかったのです。

また、表に比べて裏のほうが、地殻が厚いらしいこともわかっていますが、なぜ表と裏で地下構造が異なっているのかは、よくわかっていません。地球もできたての時期は場所によって地下構造が異なっていたかもしれませんが、地球は初期の地殻がプレートテクトニクスによって失われているので、月の研究が、地球の初期地殻を知る手がかりとなるかもしれません。

次に、月裏側への着陸の難易度などについ説明します。月の裏側には、地球の電波が直接届きません。しかし現代の無人探査機は基本的に自動操縦なので、着陸そのものは月の裏側でもさほど難しいことではありません。

ただし、少し難しいのは、観測したデータを地球に送るときです。普通は月周回衛星を同時に打ち上げて、中継させます。月の裏側で探査機から衛星にデータを転送して、さらに衛星が表側から地球に転送するのです。

しかし、中国はさらに高度な技術を使っています。月の裏側の上空に、中継局を飛ばしています。地球と月の周辺にはラグランジュポイントといって、重力がつりあうため一定の場所で止まっていられるポイントが5つ存在します。そのうち、月の裏側にある「L2」に中継局を飛ばして、途切らせることなくつねに電波を中継しようというわけです。

ラグランジュポイント。中心の黄色い円が地球、
右の青く小さい円が月、地球から見て月の裏側に「L2」がある


では、中国はなぜ、このように裏面着陸に力を入れているかを説明します。月の裏側以外にも、科学的に興味のある場所はたくさんあります。しかし中国は、単なる科学探査としてだけでなく、L2に電波中継システムをつくるという技術開発を重要視しているのです。

1回の探査だけなら、周回衛星に中継させたほうがローコストでできますが、中国は長い年月での月開発を視野に入れて、インフラ技術の整備を着々と進めているのです。

いずれは、L2に有人宇宙ステーションをつくるはずです。4月2日に落下した「天宮1号」によるドッキング実験も、宇宙ステーション建設のためだったのです。世界で最もまじめに月に取り組んでいる国、それがいまの中国です。

話は少し飛びますが、L2とは、アニメ作品「機動戦士ガンダム」で、ジオン公国がつくられたスペースコロニー群「サイド3」のある場所です。

アニメ作品「機動戦士ガンダム」で、ジオン公国がつくられたスペースコロニー群「サイド3」のある場所

そうして、中国はこれを実現するつもりかもしれません。近い将来、中国の宇宙ステーションに1億人以上が移り住んでコロニーとなり、中国がL2にジオン公国をつくるということもありえるかもしれません。

L2は月の裏側との通信のためにはどの国も使いたい場所ですから、中国一国が独占するということはないでしょう。でも巨大なコロニーができたら、それが国家のようなものになることはあるかもしれません。

中国が今回月裏側の着陸に成功したことにより、学術面、軍事面、資源の面などの観点から様々な収穫がありました。

中国はこれまで月について、科学的な成果では一歩遅れをとっていました。欧米や日本は月の石や隕石を使った宇宙物質研究の蓄積があるので、探査データを科学的成果に結びつけるアイデアが豊富なのに対し、中国は探査ができても、データをうまく科学成果に結びつけられませんでした。

しかし裏側の岩石の詳細なデータがとれれば、間違いなく新しい科学的発見につながるでしょう。

軍事面では、いますぐ直接に私たちの脅威になる要素はないです。ただ、L2に有人宇宙ステーションがつくられれば、国際宇宙ステーションに代わる新しい国際宇宙秩序の中核施設となる可能性はありますね。

資源の面では、現在のところ、裏にしかない物質というのはとくに見つかっていませんが、裏側に関して優位に立てば、資源採掘でも中国が有利になるでしょう。また「場所」も資源と考えれば、地球の反射光や電波にさらされない月の裏側は、深宇宙の天体観測に最適な場所となります。
今回の月の裏側着陸の成功によって、しばらくは、月の裏側と常時通信ができるのは中国だけ、という状態になるでしょう。他国が月の裏側を探査・開発するときは、中国の通信設備に依存するようになるかもしれません。

機動戦士ガンダムに登場するシャア・アズナブル

しかし、L2に宇宙ステーションを設置する構想はアメリカやロシアなどにもあり、いつまでも中国に独占させることにはならないでしょう。ただし、現在のロシアのGDPは東京都を若干下回る程度なので、一国だけではむりかもしません。

宇宙開発においては、中国が重力天体への着陸やローバー(天体探査用の探査車)の運用も成功させているのに対して、日本はいま計画中の「SLIM」が成功してやっと重力天体への着陸技術を得ることになります。現時点では、大きく遅れていると言わざるをえません。

また、中国は30年間使用可能な原子力電池を探査車に搭載しているので、2週間も続く極寒の夜の間も、機器が低温で壊れないよう温めることができます。昨年10月には嫦娥3号から発進した月探査車「玉兎号」が684日稼働し、月面の稼働日数最長記録を更新しました。

ところが日本は放射性物質に対して厳しい国なので、原子力電池を使うという選択肢が最初からないのです。これは宇宙探査において非常に不利な条件となっています。

さらに気になるのは、宇宙探査についての日本の考え方です。日本はどうしても、低予算で最大の成果をあげようとして、特色のある探査をしようとします。自動車産業にたとえると、フェラーリやランボルギーニのようなスーパーカーで勝負しようとするメーカーのようです。しかし自動車大国になったのは、地味でもきちんと役に立つ大衆車をつくるメーカーがある国です。

科学探査だけなら日本の戦略もアリなのですが、本当に宇宙で活躍できる国になるためには、宇宙開発の基盤技術を着実に育てていく戦略が重要です。そういう意味で、重力天体の着陸実証をするSLIM計画や、H-IIIロケットの開発は大変重要で、ぜひ成功させなくてはなりません。
世界の宇宙開発トップを走っていた中国が、さらに前進しています。アメリカは月上空の宇宙ステーション「深宇宙ゲートウェイ」の構築を検討していますが、実現するのは早くても2025年になりそうです。

日本は中国に大きく遅れをとっていましたが、アメリカの「深宇宙ゲートウェイ」への参加を表明し、SLIM計画やインドと共同の月極域探査計画が現実味を帯びてくるなど、ようやく国内に「月への風」が吹きはじめています。「かぐや」で得た優位を保てるか、ここが踏ん張りどころです。

ここまでは、宇宙開発に関してのみ掲載してきましたが、ご存知のように現在は、米国による対中冷戦が激化しています。

これにより、中国は経済的にも窮地に追い込まれつつあります。これについては、このブログでも過去に何度も掲載してきていますし、他のメディアでもかなり報道されています。

昨日のブログでは、以下のような内容を掲載しました。
中国の習近平国家主席は昨年12月14日に開かれた政治局会議で、反腐敗との戦いに「圧勝を収めた」と宣言しました。2012年の共産党大会後に同運動が始まって以来の「勝利宣言」となりました。 
同発言について、貿易問題に端を発した米中対立が先鋭化するなか、中国共産党政権は執政の危機にさらされ、「内部の団結」を優先させた、と専門家は分析しています。
要するに、米国の制裁に対抗するため、「内部の団結」を優先し、反腐敗の戦いは二の次にするということです。

私自身は、今すぐに利益を産まず、ここしばらくは長期にわたって資金を要する、宇宙開発は「腐敗撲滅」と同様に二の次にされる可能性があると思っています。

もし、そうしなかったとすれば、米国は喜ぶべきです。なぜなら、金食い虫の宇宙開発は、中国の経済をさらに疲弊させるだけであって、何の益も中国にもたらさないからです。

かつてのソ連の崩壊の大きな要因として、通常の軍拡、通常の宇宙開発、先の2つにまたがる戦略ミサイル防衛構想(スターウォーズ計画)への対抗がありました。

これらの実施にはいずれも途方もないほどの天文学的な資金を要しました。これらへの投資でソ連経済は疲弊し崩壊しました。

ジオン公国の国旗

中国が、ジオン公国を夢見て月面の裏の探査活動を続けるなら、さらに経済的に疲弊し、中共の崩壊が早まることになります。これは、日米にとって歓迎すべきことです。

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2013年8月11日日曜日

ワシントン駐在客員特派員・古森義久 「アジア諸国が反発」の虚構―【私の論評】アジアは変わった、日本が右傾化というよりまともな独立国になって、アジアをリードすることを求めている!!ところが、マスコミは旧態依然としたまま虚構のアジアをみている!!

ワシントン駐在客員特派員・古森義久 「アジア諸国が反発」の虚構

アジア
日本の安全保障や歴史問題を考えるときのアジアという概念を根本から変える時期がきたようだ。

日本の首相が憲法改正を唱える。政治家が靖国神社を参拝する。慰安婦問題の虚構を指摘する。と、反対派からは「アジア諸国が反発する」とされるのが年来のパターンだった。「日本はアジアで孤立する」という断定も多かった。

だが実際にはその種の言動に文句をぶつけてくる国は中国と韓国だけなのである。無法の北朝鮮は近代国家の要件に欠けるからこの際、除外しよう。その他のアジアのどの国も地域も、政府レベルで日本の防衛増強や歴史認識を非難する事例は皆無なのである。

この現実は安倍晋三首相の7月下旬の3度目の東南アジア訪問でも立証された。わが日本がアジアではほぼすべての諸国に好かれ、頼りにされているという現実だった。日本が改憲を求めても、閣僚が靖国神社に参拝しても、なにも文句をつけず、むしろ、より強い日本との協力を深めようというアジア諸国が大多数なのだ。

安倍首相は今回、マレーシア、シンガポール、フィリピンを歴訪した。フィリピンとシンガポールには日本の改憲や集団的自衛権の解禁の意図を伝え、理解を得た。マレーシアとも防衛協力で合意した。中国の脅威への連帯と日本への信頼が明確にされたのだ。

この対日友好の姿勢は東南アジアだけではない。北東アジアとされる地域でもモンゴルや台湾は日本への協調を明示する。台湾では元総統が率先して靖国神社に参拝するほどなのだ。

・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・・・

米国側でもこのアジアの現実をリベラル派日本研究学者たちは認めたがらない。だが最近では健全な変化も起きてきた。米中央情報局(CIA)元専門官たちが組織する国際安全保障の研究機関「リグネット」は8月冒頭の「いかに日本は東南アジアで優位を得たか」という報告で、「日本は東南アジアでは戦争行動からの歴史の重荷を克服することに成功した」という調査結論を発表していた。

この記事の詳細はこちらから!!

【私の論評】アジアは変わった、日本が右傾化というよりまともな独立国になって、アジアをリードすることを求めている!!ところが、反日マスコミは旧態依然としたまま虚構のアジアをみている!!

アジアは、中国・韓国・北朝鮮だけではない!!
昨日は、南京虐殺の捏造、中国の歴史教科者の捏造などについて掲載ましたが、本日は、特亜三国と呼ばれる、中国・韓国・北朝鮮以外の国々は反日的ではなく、むしろ日本が右傾化して改憲することを希っていることを掲載します。上の記事まさに、その内容の典型的なものです。

特に上の記事では、以下のような下りがあります。
 安倍晋三首相の7月下旬の3度目の東南アジア訪問でも立証された。わが日本がアジアではほぼすべての諸国に好かれ、頼りにされているという現実だった。
安部外交は素晴らしいのですが、7月の東南アジア訪問は、さらに群を抜いてすばらしく、諸外国では高い評価を受け、中国共産党機関紙ですら、これを認めないわけにはいがず、記事としてとりあげています。これに関しては、以前のこのブログにも紹介していますので、その記事のURLを以下に掲載します。
安倍首相を東南アジアの各メディアが“援護”、「太陽が再び日本から昇る」「中国の挑発を受けて立とうとしている」―中国紙―【私の論評】中国の共産党機関紙ですら伝える安倍首相の快挙を伝えないどころか、麻生発言偽装までするニッポンマスコミの反日ぶり!ただ大醜態を国民に見破られただけか(゚д゚)!
詳細はこの記事を御覧いただくものとして、各国の安部外交に対する賞賛の声のみピックアップして以下に掲載します。

マレーシアの現地紙
米国が制定した平和憲法により、日本は戦後長い間、まるで米国の北東アジアにおける巨大空母のようだった。だが、昨今の中国の台頭により、日本は別の選択をしようとしている。
日本は、米国の抑圧から解放され、核武装を含む本格的な軍事力を持つ道を選んだようだ。これは、永久にこうべを垂れ、贖罪の態度を取り、第二次大戦の敵におとなしく従うことを放棄することを意味する。
インドメディア
太陽が再び日本からのぼる」とうたい、投資家たちに日本の「強含み」を紹介、日本との関係強化を呼びかけた。
フィリピン紙
日本との「戦略的パートナー関係」を強調し、「タカ派の安倍政権は憲法を改正し、中国の挑発を受けて立とうとしている。安倍首相の参院選での大勝は日本国民の平和憲法改正に対する承認だ」と援護した。
中国共産党機関紙『環球時報』

そうして、これらのニュースをまとめた記事を報道したのが、中国共産党機関紙『環球時報』ということです。

そうして、環球時報がこのニュースを掲載した日の日本のトップ記事は何であったかとといえば、あの麻生財務大臣の「ナチス」発言です。

インドの女性

実に中国・韓国・北朝鮮以外のほとんどのアジアのメディアなどが賞賛し、米中央情報局(CIA)元専門官たちが組織する国際安全保障の研究機関「リグネット」ですら、8月冒頭の「いかに日本は東南アジアで優位を得たか」という報告で、「日本は東南アジアでは戦争行動からの歴史の重荷を克服することに成功した」という事実を報告しているのです。

 にもかかわらず、安部総理の外交成果を全く伝えなかったのが、日本のメディアです。日本のメディアは、確かに何日にどこの国に行きどのような話しをしたかなどという事実に関する報道はしましたが、それが、地元でどのように受け止められたかという 『環球時報』ですら、報道した内容を全く公表しません。

さて、以下の動画では戦後の日本の各国の人々の評価が掲載されています。



安倍総理の最近の目覚ましい外交の努力は、この動画のような下敷きが以前からあったからでもあります。世界の中には、なぜ日本が大東亜戦争をしなければならなかったのか、それを理解する人々も大勢いるのです。そうして、アジアでは、中国・韓国・北朝鮮以外の国々がそれを理解し、評価しているということです。

それから、日本の歴史を理解する上で、いわゆる大東亜戦争は最初から負ける無謀な戦いであったとの一般の認識がありますが、それは間違いです。当時の歴史を知っている人なら、あの戦争は、当初の予定通、日本側が戦線を拡大しなければ十分に勝てた可能性のある戦でした。

おそらく、日露戦争のように講和に持込めた可能性がかなり高いです。このへんの事情は、以前のブログにも掲載したことがあり、それには、理解しやすい動画を掲載しました。その動画を以下に掲載します。




この動画では、大東亜戦争において日本が勝利し得た可能性を、米国人歴史家のジェームズ・B・ウッド­が検証した著作を翻訳し、『「太平洋戦争」は無謀な戦争だったのか­』を翻訳者の方に御紹介いただきながら、翻訳者が同書を世に問われた経緯や意義などについて説明をされています。是非ご覧になってください。

それに、そもそも、多くの人々が負けた姿ばかりが印象に強いので、日本帝国陸海軍が、1930年代に、いかに強かったのかを忘れています。当時の関東軍は、強くでそれこそ、当時のソ連も手がだせなかったほどの軍隊でした。海軍も相当なもので、軍事通であれば、日本が世界最強ということは常識でした。ノモンハン事件では、国内では日本が一方的に負けたかのような扱いですが、その後ソ連側の資料も世の中にでて、ソ連も相当の被害を受けて、実質上負けていたことが明らかになっています。

上の動画では、世界最強の軍隊がなぜ負けたのかを合理的に説明しています。是非ご覧になってください。

湘南ビーチの日本人の女の子
マスコミは、上記のような事実は全く報道しません。アジアが日本に対して大部分が、好意的であることは報道せず、大東亜戦争は無謀な戦争であったとしていて、その意味や意義を問うことはありません。

なぜそんなことになるかといえば、マスコミの大部分は、その元をたどれば、戦後のGHQの意向にそって、報道することにより、様々な利得を得ることができたという経験を持っています。そうして、その後のそのような傾向があり、日本国民のために報道したというより、アメリカのために報道してきたという長い歴史があります。要するに、マスコミの大部分は、戦後利得者であり、安倍首相や私たちのように、「戦後体制からの脱却」を目指しているのではなく、「戦後体制温存派」なのです。そうして、最近では、アメリカだけてばなく、中国の意向にも左右されるようになったいたのです。

16毎の写真を合成して現実に見せかけた写真。日本のメディアの示す世界はこのようなものか?

だから、マスコミは、日本国民に対して、アメリカや中国にとって都合の良い報道をするということが伝統になってしまったのです。

だからこそ、私たちは、日本国内のメディアだけでは、本当の世界を知ることができません。だからこそ、客観的な資料を集めたり、自分でモノを考え、虚構と現実を見分けないと、政治も、経済もとんでもないことになってしまうことを意識して、国内メディアに接する必要があります。私は、そう親もいます。皆さんは、どう思われますか?

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