ラベル 中国分裂、筋書き、壊れた中国、革命、地方、官民癒着 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 中国分裂、筋書き、壊れた中国、革命、地方、官民癒着 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2008年4月5日土曜日

中国分裂の筋書き-(2)革命でもなければ現代中国は変わらない!!


上は、中華人民共和国の国旗である。この国旗が見られなくなる日もそう遠くない将来やってくるかもしれません。

以下は『壊れた中国』というビジネスウィークに掲載された記事の日本語版要約である。余裕のある方は、是非原文を見ていただきたいと思います。

壊れた中国

無秩序国家の惨憺たる状況は10年後も変わらない

  • 2007年8月6日 月曜日
Pete Engardio (BusinessWeek誌、国際シニアライター)
Dexter Roberts (BusinessWeek誌、北京支局長)
Frederik Balfour (BusinessWeek誌、香港駐在アジア特派員)
Bruce Einhorn (BusinessWeek誌、香港支局特派員)

米国時間2007年7月12日更新 「Broken China
中国監査機関である審計署の報告によると、年金や医療保障、失業手当への割 り当て分も含めた中央政府からの監査済み資金の10%は、企業への不正融資や豪華な庁舎の建築、怪しげな投資に流用されている。「中国の競争力を強化して いるように見えるものすべてが、実は競争力を削いでいるのだ」と、ローゼン氏は言う。

北京政府は汚職官僚を排除すべく最大限の努力を払っ ている。7月10日、中国国家食品薬品監督管理局(SFDA)の鄭篠萸(ゼン・シャオユイ)元局長は、製薬会社8社から約85万ドルを収賄、その見返りと して製品の不正認可を行っていたとして死刑に処せられた。最悪だったのは、元局長の在任中にSFDAは多くの欠陥薬品に認可を与えていたことだ。ある抗生 物質は10人以上の死者を出した。また、上海市の陳良宇(チェン・リアンユイ)前党書記は、年金基金から4億ドルを不正流用し都市開発計画や有料道路建設 につぎ込んだとして告訴され、昨年免職された。さらには昨年9月、国営保険会社の上級幹部2人が、400万ドル相当の保険料を友人や家族の銀行口座に預け 入れていたことが発覚している。中国中央政府は、こうした不正に対して場合によっては死刑を含む厳しい処罰を実行している。

こうした厳しい処罰が見せしめとなって法治の現場は改善しつつある。しかし、中央政府は全国の地方官僚への意思徹底にいまだ苦心している。

中央政府と地方官僚を隔てる厚い壁
中国の国家環境保護総局(SEPA)の北京本部には約300人の職員しかいないが、全国の環境保護局では6万人が働いている。米国環境保護庁の1万 7500人と比べるとかなり多い。ところが、この6万人は直接的には省や地方政府の配下にあり、環境への配慮よりも経済発展を優先することが求められてい る。2006年にOECDが行った調査によると、公害に関わる罰金は以前よりは引き上げられているものの、公害削減のための設備を導入する費用よりもはる かに安い。しかも監視当局が罰金の引き下げ交渉に応じる始末だ。「政治的な点数稼ぎのために、一部の地方官僚は棚ぼた式の利益を求める企業と癒着してい る」と、SEPA副局長の潘岳(パン・ユエ)氏は、7月3日付の英字紙チャイナ・デイリーに語っている。

官僚や企業経営者がいかに SEPAの規則を軽視しているかを理解するには、無錫(ウーシー)の住民230万人の水瓶となっている太湖(タイフ)に行ってみるといい。1990年代、 湖畔に次々と工場が建設されて太湖の汚染が進んだため、当局は地元工場に工業廃水の浄化を命じた。99年には工場で処理施設を設置したのでもう大丈夫だと 地元の官僚は述べた。ところが、会社側が運転費用の負担を拒否したため実際には浄化施設は稼働していないことが多く、工場は未処理の廃水を湖に垂れ流し続 けた。状況は悪化の一途をたどり、この春ついに湖水は不気味な虹色に輝く緑色に変わった。

「公害問題を解決できない政府に怒りを覚える」と話すのは、無錫の外資系メーカーで秘書として働くリディア・リー氏だ。5月には、硫黄臭のする黄色っぽい水が蛇口から出てくるようになったため、ボトル入り飲料水を190リットル近く買い込むはめになった。

食品製造の監視でも問題が絶えない。SFDAには職員が1700人いるが、中国の食品製造者の80%(約35万社)は従業員数10人未満の小企業で、安全 基準をよく理解していないことが少なくない。そしてこの場合も、違反業者を厳しく取り締まろうという意欲が地方政府にはほとんど見られない。「地方政府が 食品安全規則に違反する業者をすべて業務停止処分にしたら、膨大な数の労働者が失業することになる」と、北京にある中国農業大学の食品科学・栄養科学院院 長、羅雲波(ルオ・ユンボ)氏は言う。

貧相極まる社会福祉制度
誤った経済至上主義が、社会福祉の悲惨な状況 をもたらした。1980年代に巨大国有企業の解体に着手し、“鉄飯椀”と呼ばれた手厚い生涯福祉制度を廃止してから、党の最高幹部たちは基本的な国民医療 保障と退職金制度を作ると言い続けてきた。ところが、その責任は複数の省庁に分散され、社会保障制度の財源は地方政府に委ねられた。経済成長が連呼される 一方で、社会保障は見向きもされなかった。

英国のような初期診療制度を確立するためには400億ドル前後が必要だが、これは中国政府に とってさほどの金額でもない。「だが、私は悲観的だ」と、米シートン・ホール大学の世界保健研究プログラム責任者、フアン・ヤンチョン氏は言う。北京では 対立する省庁間で責任が細分され、地方では党幹部がいまだにGDP成長率に基づいて評価を受けている。「政治制度の抜本的な改革を避けて、ただ政策を唱え るだけでこの問題に取り組んでも、中国国民にとって利用しやすく負担の軽い医療保障制度はできないだろう」(ヤンチョン氏)。

結果、国民 の多くが医療難民となる。政府調査によれば、中国国民の半数近くが病気になっても医者にかかれず、70%が健康保険に未加入であり、30%が経済的理由か ら入院を自ら拒否せざるを得ない。医療システムも腐敗している。病院は収益の大半を薬の販売で上げ、製薬会社からリベートを受け取るという構造が、過剰処 方を招いている。哈爾浜(ハルビン)に住む75歳のガン患者は輸入薬を処方され50万ドル以上を請求されたが、その多くが治療に必要ないものだった。中国 ではこのような話が日々報じられている。

株式市場でも、党の役人の干渉が足かせになっている。活況を呈している上海証券取引所は1990 年に国有企業の資金調達のため設立された。最高の施設を誇り、上場株式は2005年から3倍近くに増えた。今年1〜5月に企業が調達した資金は170億ド ルに上り、さらに数百億ドル規模の株式発行が予定されている。

だが、監視は多少強化されたものの、取引は乱高下が続き、ルールは甘く、投 機がはびこる場になっている。その大きな原因は、ここが相変わらず国有企業の資金調達の場所に過ぎないからだ。市場の役割は優良企業に効率良く資本を配分 することだが、中国では「国有企業に資金を送り込むこと」が最優先される機能なのだと、北京のJPモルガン・チェース・アンド・カンパニー(JPM)のマ ネージング・ディレクター、カール・E・ウォルター氏は言う。

ここでもやはり官民の癒着という問題に帰着する。上海証券取引所の上場銘柄 の95%は国有企業である。昨年について見れば、民間企業は1社も上場を許可されなかったのに国有企業は14社も上場している。国有企業は自社株の 10〜30%を売り出すことで支配権を譲ることなく銀行融資への依存を軽減でき、内部関係者は株式公開によって棚ぼた式に利益を得ることができる。たまに 重要情報を公開しない企業に対して規制当局が罰金を科すこともあるが、上場廃止やコーポレートガバナンス遵守違反による起訴は滅多にない。

革命でもなければ今の中国はずっと変わらない
中国の経済モデ ルの短所を並べると長いリストになる。しかし、今の中国と違う中国を期待する方がおかしいのではないか。多くの親中派は、わずか30年でここまで発展して きたのは素晴らしいと胸を張る。確かに、その成長スピードは史上類を見ない速さだったが、それだけに金融制度や食品の安全確保、年金支給、環境保護の近代 的システムを作る前に“欧米の世紀”に取って代わろうとしているのだ。「中国は現在の標準を遵守すべきだと米国人は考えるが、それほど遠くない過去に同じ ような問題を自分たちも抱えていたくせにね」と、米ユナイテッド・テクノロジーズ(UTX)のジョージ・デイビッドCEO(最高経営責任者)は言う。

ただし、欧米各国は動乱を経て、国民の手で新政府を樹立し、社会改革を実現した。韓国と台湾は、縁故資本主義を排除し、さんざん苦労して民主主義へ転換を 果たした。中国共産党は対照的で、政治改革を断固推進しようという意志は微塵も感じられない。それどころか、反対勢力に弾圧をかける始末である。
                                        
                                                  以上要約終わり

この記事を見ても判るとおり、毒餃子事件などは起こるべくして起こったのだということがわかります。さらに、中国政府が何らこの問題を解決できないのは、日本で言われているように傍若無人だからではなく、中央政府の驚くべきほどの能力の低さにあるということです。さらに、現状は故鄧小平氏がかつて語った「富めるものから先に富めば良い」をそのまま、推進されてきており、それ以上になるには、革命でも起こらない限りないことがわかります。この記事は、官僚や、官民の癒着などを主に書いています。しかし、中国には、昨今のチベット問題などが象徴する異民族の問題が山積しています。

さて、こうした中国の体制が10年経っても変わらないというのであれば、いつ変わるのでしょうか?20年後でしょうか?30年後でしょうか?大多数の国民がそんなに待っていられるのでしょうか?この状況が払拭されるのは、やはり革命が起こると思います。

ただし、革命が一挙に起こるのではなく、しばらくは分裂状態が続き混沌とした中で、また新しい秩序が生まれ、それを体現する英雄が出現してくるのでないでしょうか。私は、この記事を読んでますます、中国は今後分裂すると確信を持つことができました。

日本としては、現中国中央政府はいずれなくなることから、あまり入れ込むようなことをなくして、適度な距離を持って接していくべきだと思います。それから、ころあいを見て、新秩序を作り出しそうな次世代の指導層を支援していくことが肝要だと思います。今そして近未来の中国に必要なのは、経済で富むことよりも、1960年だから1980年代まで続いた日本の規制が網の目のように巡らされた共産主義のような平等社会だと思います。経済は2番目です。これは、現代中国の在りようを見れば明らかです。これを導入して、まずは社会を成熟させることに力を貸すようにしていくべきです。

この記事の関連記事を以下に掲載します。反転文字列をクリックしていただければ、当該記事に飛ぶことができます。まだ、ご覧になっていない方は是非ご覧になってください。


■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?

■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?

■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?

■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄

■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?

■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択

■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権

■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々

■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?

■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩

■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実

■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない

■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史

■中国"義歯"から鉛「安全に問題」

■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名

■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?

■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情


ADs by yutakarlson

ピザテンフォー4月のキャンペーンは何とあの「あつエコプレートプレゼントです!!」(このキャンペーンは08年4月24日までです)

テンフォーのピザは楽天デリバリーからも購入できます!!

ピザテンフォー昨年の楽天デリバリーの「ファミリーへのおすすめ」部門で、堂々の2位となりました。ますます、便利になったテンフォーを是非ご利用ください。

YUTAKARLSON、USA 市長からのお願い

ランキングは、ありきたりのは面白くないので、私の街に是非投票してください。この私の街は、サイバー上のアメリカ国内に設置してあります。街の名前は、YUTAKARLSONと いいます。この街は、皆さんからのアクセスがあれば、アクセス数が街の住民数となり発展していきます。先月からはじめているので、まだ住民数が少ないで す。最近は、人口も増えましたが、それに伴い失業者も若干ながら発生しています。みなさんの力で、YUTAKARLSONには工場ができました。今度は交 通網を整備する必要があります。交通網を整備するには、下の反転文字列をぜひポチッチとお願いいた します。
→→YUTAKARLSONの交通網整備←←


特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣―【私の論評】岩屋外務大臣の賄賂疑惑が日本に与える影響と重要性が増した企業の自立したリスク管理

特報 米国司法省 IR疑惑で500ドットコムと前CEOを起訴 どうなる岩屋外務大臣 渡邉哲也(作家・経済評論家) まとめ 米国司法省は500ドットコムと元CEOを起訴し、両者が有罪答弁を行い司法取引を結んだ。 日本側では5名が資金を受け取ったが、立件されたのは秋本司被告のみで、他...