株価低迷とか、輸出産業が全滅とか、いろいろと不景気な話ばかりですが、その中でもいろいろ景気回の兆候が見られています。リーマン・ブラザース破綻のと きは、日本への影響は軽微といわれたものですが、あれだけ大きな影響があったことは周知の事実です。やはり百年に一度の金融危機といわれた危機です。今ま での経験は役にたちませんでした。次の景気回復においても、おそらくどこかの時点で堰を切ったかのようにいきなり激しく起こるということも考えられます。
そのときにチャンスを逃さないように、景況には普段から注意しておきたいものです。こうしたことには、やはり自ら情報を丹念に集めるしかないと思います。 マスコミは悪くなることは率先して報道しますが、良くなることに関してはほとんど報道しないか、ごく一部しか対応しないというのが普通ですから、神経を研 ぎ澄ましておく必要があります。
◆業績回復の兆し
BCNが3月9日に発表した2月のデジタル家電販売動向調査によると、薄型テレビ、レコーダー(DVDレコーダー、Blu-ray Discレコーダーなど)、デジタルカメラ、PCそれぞれで販売台数が前年同月を上回り、低迷していた消費に復活の兆しが見えてきた。価格下落も落ち着いてきた。
「デジタル家電消費、復活の兆し 薄型テレビ販売3割増」
PCの販売台数は昨夏以降前年同月比20~35%増の水準が続いており、2月も同22.5%増。平均単価の下落で販売金額は前年割れが続き、2月は同11.1%減だった。ノートPCに占めるミニノートの割合は30%と、存在感を増している。
テレビ東京のWBSでは、昨日いろいろな景気回復の兆候を放映しました。
http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/2009/03/n1-78.html
手前みそですが、ピザ宅配のテンフォーも、昨年対比を大幅に上回っています。
また、九州の方では、各メーカーの業績回復の兆しが見られています。
世界的な金融危機の影響を受けて激しく業績が落ち込んでいる半導体業界各社。大手総合電機メーカーの東芝グループもその例外ではない。同社は昨今の状況を受けて、半導体事業の見直しを図り、東芝北九州工場の事業規模縮小計画を発表していた。
そのようななかで、工場閉鎖や移転が懸念されている子会社の豊前東芝エレクトロニクス(株)(本社:福岡県豊前市)は、市況悪化を理由として14日間の一時帰休を予定していた。
しかし、ここにきて状況が変わった。スポットではあるが、増産となったのだ。さらに、トヨタ自動車九州が生産調整にメドがついたことで、5月から増産体 制へ移行することになった。自動車用のストップランプなどに使用される発光ダイオードを製造している同社にとっては待ち焦がれた吉報である。昨年11月頃 より、東芝本体からの受注が激減していた同社。今回の増産が業績回復への足がかりになれば、と期待は膨らむ。(2月20日)
さらには、金属・化学など素材各社が在庫調整の進展に伴い減産を緩和する方針です。
対中輸出や自動車、電機向け需要で復調の兆しが出ているため、日鉱金属は工場稼働率を引き上げ、三菱化学も中国で増産に転じました。素材業界は昨秋以降、需要急減に対応し大幅減産を実施してきましたが、先行き不透明な要素も多いとはいえ、減産一辺倒の流れが素材産業から変わる可能性が出てきました。
また、トヨタ自動車も5月の国内生産台数を、2―4月の月平均台数に比べ約3割多い20万台規模に引き上げる方針を固めました。トヨタは世界販売の縮小幅を大きく上回る減産を続けており、4月までに在庫を適正水準に圧縮できるとみています。大幅減産を継続すると、5月以降は販売が上向かなくても車種によって品薄な状態になる可能性があると判断、ほかの国内メーカーに先駆けて生産水準を上げるもので、本格的な回復とはいえないものの、景気悪化のけん引役であった自動車産業でも在庫調整が進展しつつあります。
◆日本のブランドの強さ
景気が悪かろうが、株価が低迷しようが、日本のブランドは相変わらず、強く、この最中にあってブランド価値を5%も上昇させている企業もあります。
国際的なブランドコンサルティング会社であるインターブランドは、日本発のブランドを対象に、日本で初めての“世界基準”によるブランド価値評価 ランキング“Japan’s Best Global Brands 2009”を発表します。本ランキングはグローバルな事業展開を行う日本発のグローバル・ブランドを対象に、そのブランドが持つ価値を金額に換算してラン ク付けするもので、1999年より毎年公表しております“Best Global Brands”と比較可能なものとなります。
※ランキング結果はhttp://interbrand.com/jpよりご覧頂けます。
<Japan’s Best Global Brands 2009ハイライト>
「TOP30には、自動車・エレクトロニクス関連業界のブランドが多く名を連ねる」
“Best Global Brands 2008”(2008年9月発表)でグローバル・ランキングのTOP100にランクインしております7ブランドは、本ランキングにおいても、同様に上位に ランキングされました。また、それに続くポジションには、2007年まで“Best Global Brands”TOP100入りしていたNissanが8位。続いて9位Toshiba,10位Sharpとエレクトロニクス業界の2ブランドが TOP10に入りました。今回のTOP30全体を見ても、日本の基幹産業とも言える自動車・エレクトロニクス関連業界のブランドが多くを占め、日本の産業 構造の特徴がランキングにも反映されたものとなっております。
「海外で“Japan Quality”を通じてブランド価値育成を図ったShiseido、Asics、Kikkomanがランクイン」
自 動車・エレクトロニクス関連業界以外では、海外でプレステージイメージの構築に成功したShiseido(11位)、ランニングシューズでの高い評判をも つAsics(26位)、早くから海外進出し、醤油を世界中に浸透させたKikkoman(30位)といったブランドがランクインしています。これらのブ ランドは、早くからグローバル展開し、“Japan Quality”に通ずる独自の価値を提供し、ブランド価値を高めてきたという共通項があります。
「BtoBビジネスにおいて、海外でブランド価値を高めたKomatsu」
ブ ランドは、一般消費者への単なる認知度の高さではなく、購入の意思決定に影響を与え、企業に利益をもたらすことで価値が生まれます。BtoBビジネスの領 域においても、多くの場合、ブランドは購買に明確に影響を与えており、企業の重要な資産となっています。現に、Komatsu(12位)は、世界第2位の 重機・建機ブランドとして、新興国を中心に技術力や信頼性が顧客に高く評価されており、高いブランド価値につながっています。
「株価の下落に比べ、“ブランド価値”の毀損は極めて小さい」
“Best Global Brands 2008”(2008年9月発表)においてグローバル・ランキングのTOP100にランクインしている日本の7ブランドは、世界的な金融危機の影響を受 け、多くのブランドが価値を落す結果となっております。しかし、その下落率は、株価の下落率ほど急激なものとなっておらず、不況下においても、ブランドは 企業の有益な資産としての価値を有することを示しています。
特にNintendo(5位)は、不況下においても最高益を見込むなど、ブラ ンド価値が半年で5%上昇しており、不況下でもブランド価値を高めうることを示しています。また、Panasonic(6位)は日本で長年使用してきたブ ランド名「松下電器」ならびに「National」を廃止し、全世界でブランドを統一した効果を評価に織り込んだ結果、ブランド価値は昨年9月発表時の金 額がほぼ維持されています。
http://interbrand.com/jp
5月くらいからは景気回復は本格化するか?
もともと、アメリカやヨーロッパなどとは違って、日本の消費者はサブ・プライムローンなどとは無関係であり、GMの金融子会社に象徴されるように、個人消 費が煽るにいいだけ煽らせれて、収入の数倍もの資産を持ったりしている人など珍しいくらいであり、健全な状態です。ただ、現状の年金、医療などの社会保障に対する不安などで 消費マインドがかなり萎んでいるだけです。
日本は、マスコミが喧伝するように過去も現在においてはも輸出大国であったことは一度もなく、この消費マインドの冷え込みが緩和されれば、景気は間違いなく回復します。
確かに、社会保障に対する不安は未だ解消されておらず、株価低迷などマイナス要因はありますが、日本には旺盛な消費力があることは確かであり、さらには、 輸出産業などで打撃をこうむっている企業などは、その打撃はかなり深刻ですが、その実数はごく少数(日本の輸出産業はGDPの16%程度あり、アメリカを除くとのその比率は他国より低い)です。その状況が深刻だからといって、それに無関係の人たちが いつまでも消費を控えるということは考えられません。それに、株価は機関投資家などの心理を反映するものであって、決して実体経済を反映するものではありません。
今回の不景気になる前は、「実感なき経済成長」と言われていました。輸出産業などの伸張で経済が伸びていたのは事実で、経済統計・指標も確かに上向きでした。経済成長によって潤っていた企業、個人もいたはずですが、これはやはり実数が少なかったのだと思います。だからこそ、「実感なき」と言われていたのだと思います。今回は不況といわていますが、特に以前と比較して何も変わりないし、先行き不安などこの不況に入るまえからずっと続いていると思っているのだが、テレビなどで一生懸命言っているから不況なのだろうと、思ったり感じたりしたりする人も多いのではないかと思います。こうした場合、マスコミは、「実感無き不況」として報道する必要があると思います。全くバランスを欠いていると思います。
現在、表に出てきている統計数値などはすでに終了したもののみです。この景況の悪さが長続きするとは考えられません。もうすでに景気回復の兆しは見えかけ ているのだと思います。5月くらいからは、景気回復の兆候が明確に現れてくると思います。年末には、完全に回復基調になっているものと思います。ただし、アメリカやヨーロッパはそのようなことにはならないと思います。そのため、輸出産業はしばらく不振が続くでしょう。
ただし、景気回復をしたとしても、たとえばある業界の業績が回復したとしても、業界全体がすべて良くなるということはなく、駄目なところは淘汰されていく のだと思います。これは、時代の移り変わりであって仕方のないことなのだと思います。そうならないためには、企業であれ、個人であれ努力を続け、変革し続 けるしかないのだと思います。
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