2012年9月25日火曜日

【日本の解き方】日銀のみすぼらしい金融緩和…欧米より周回遅れ―【私の論評】白川大貧乏・デフレ・円高大明神10兆円のご託宣とはこれいかに?

【日本の解き方】日銀のみすぼらしい金融緩和…欧米より周回遅れ:



 日銀は19日、10兆円の資産買い入れ基金の増額を柱とする追加金融緩和を決めた。直前に市場関係者と話す機会があったが、ECB(欧州中央銀行)とFRB(連邦準備制度理事会)が6日、13日と相次いで大胆な金融緩和を発表していたことから意外感はなかったようだ。

 ECBは南欧1~3年国債を無制限で買い入れ、FRBは労働市場が改善するまで量的緩和を続ける(QE3=量的緩和第3弾)というもので、ともに、期限や量の制限を付けていないものだ。

 ドラギECB総裁の「ユーロ防衛へあらゆる措置」を行うとの決意は、危険な状態にあったスペイン国債などをとりあえず沈静化させた。

 FRBの決定に対しても、プリンストン大学教授を務めるブラインダー元FRB副議長は「素晴らしい」と語った。コロンビア大学のウッドフォード教授はプリンストン大時代にはバーナンキFRB議長と同僚で、辛口の理論家として有名で私も彼の講義を聴いたが、QE3に具体的な時期を設けなかったことを評価し、過去の量的緩和より効果があるという見解を示した。

 こうした中で、日銀のとる手は「追随」しか残されていなかった。市場関係者も19日の金融緩和を織り込んでおり、「もし緩和がなかったら猛烈な円高になってしまう」といっていた。

 ただし、いかにも日銀臭く「シャビー(みすぼらしい)」な緩和だ。まず、ECBやFRBは、時期や量などの条件をつけずに政策目標達成のためには「無制限」に金融緩和をするというもの。だが、相変わらず小出しの日銀は10兆円という量の制限をつけてしまった。

全国にいくつかある貧乏神の像 心なしか白川総裁に似ている
本コラムで、為替は両国のマネタリーベースで決まると言ってきた。実証分析の時には過去のマネタリーベースのデータを用いるが、実際の現場なら、将来のマネタリーベースの見通しで為替の動きを見るだろう。

この記事の詳細は、こちらから!!

【私の論評】白川大貧乏・デフレ・円高大明神10兆円のご託宣とはこれいかに?

上の記事全くその通りで、まさに我が意を得たりというおももちがします。最近テレビをみていたら、ある金融問題が専門の有名な方が、「日銀は十分やっている」という発言をしていました。私としては、本当にびっくり唖然としました。(本日は、貧乏神と、アニメ『貧乏神が!』の画像とともに掲載させていただきます)

これが、まだ、アメリカのEQ3(大規模緩和措置)が発動されることが決まる前であれば、多少とも納得がいくのですが、この後の発言だったので、唖然です。アメリカやヨーロッパなどが、大金融緩措置をした後では、たった10兆円くらいじゃ話にも何もなりません。一体こういうことを言う人は、アメリカのEQ3の実体をわかって言っているのかと思ってしまいます。


EQ3が発動されれば、アメリカでは、毎月3兆円が、市場に供給されるようになります。そうして、雇用があらかじめ設定された目標まで達成しなければ、次の月もまた次の月も供給され、とにかく、目標が達成されるまでは、制限なしで供給されます。1年間継続されれば、36兆円です。2年間なら、72兆円です。3年間なら、108兆円です。


それにしても、日本は不思議の国です。アメリカが、これだけの緩和措置をするというのに、日本では、日銀がたった10兆円の金融緩和しかしないというのに、国民はもとよりマスコミも、政治家も、官僚もほとんど誰も、日銀を非難しません。そうして、上記の有名な金融専門家と目される人まで、上のような発言をしています。おそらく、日銀は、この10兆円の金融緩和ですらまともにやらないかもしれません。少しでも、物価があがり、インフレ傾向になれば、追加緩和措置を打ち切り、デフレ・円高守護神の地位を守り続けることでしょう。

特に、国民は大人しいです。リーマンショックのときだって、本来日本は、何ら影響を受けるような立場でもなかったのに、他国が大増刷を含む大金融緩和措置を行ったというのに、日本はほとんど緩和しませんでした。そのため、震源地であるアメリカは素早く立ち直ったのに、日本の回復は、先進国中で最も遅れてしまい、日本は一人負けという状況に陥ってしまいました。私は、日本とリーマンショックとは、全く関係ないと思っていましたが、日銀が他国が金融緩和をしても、日銀は全くしないなどということは、計算外だったので、予測が全く外れてしまいました。しかし、これは、私が予想をたがえたというより、その責任は、日銀にあるはずです。しかし、日本には、これを追求する人はほとんどいません。


こんな先例があるにも関わらず、日本では、ほとんど日銀が非難されません。そうして、今回もまた、リーマンショックの二の舞を舞いそうだというのに、本当におかしなことだと思います。こんな実体を見るにつけ、私は、日本では、日銀白川総裁はもとより、政治家、官僚、一般国民まで貧乏神にとりつかれているのではないかと疑ってしまいます。



このブログにも掲載してきたように、平成10年に日銀法が改悪されてから、日銀は、なぜか日銀の独立性を盾にとって、ことあるごとに、十分な金融緩和をせずに、このデフレの最中に何か、緩和措置を行って、少しでも物価が上がりそうになれば、追加金融緩和を打ち切るということを繰り返してきました。だから、いつまでたっても、円高・デフレは解消されませんでした。


現在のデフレ、無論歴代の政府がずっと、緊縮財政をしてきたことにも原因があります。しかし、マンデルフレミング効果によれば、小国で、変動相場制の国であれば、財政政策は、ほとんど効果がなく、金融政策のほうが効果があるといわています。日本の場合は、大国(日本は紛れもなく大国です。経済は大きいし、人口だってかなりです。ロシアだって人口は、1億4千万です。中国や、インドなどは例外中の例外です。だから、金融政策があまり効果を奏さない場合もあります。それにしても、ずっと金融引き締めばかりやっていれば、デフレ・円高になるのは、当たり前です。


特に円高は、リーマンショックのときや、今回のように他国が大規模な金融緩和をやるときに、変動相場制の日本が何もせずに、そのまま放置すれば、円高傾向になるのは、当たり前の真ん中です。今回のQE3が初どうされても、日銀が、総額10兆円の金融緩和措置だけしかしないというのなら、さらに、円高になるのは、間違いありません。おそらく、年末にかけて、円高が進行し、とんでもないことになるのは必定です。


それに、日本では、全く不思議なことなのですが、雇用というと、すぐに個々人の問題であるとか、企業の問題であるとか、厚生労働省の管轄であるかのような扱いがされます。しかし、これは、全くの間違いです。厚生労働省は、決まった雇用枠の中で、雇用のミスマッチを是正することはできますが、それ以上のことはできません。厚生労働省は、日本国全体の雇用枠の調整はできません。それができるのは、日本では、日銀だけです。このことが、全く理解されていません。


このことは、少なくてもアメリカでは理解されています。それは、上の記事を見ていてもわかることです。アメリカのQE3の目的や、目標は何でしたか?そうです。 上の記事に「FRBは労働市場が改善するまで量的緩和を続ける」とあるように、労働市場の改善です。すなわち、雇用枠を広げるということです。

マクロ経済学では、どこの国でも、その国の中央銀行が、何らかの手段で、2〜3%物価をあげることに成功したら、要するに、2〜3%のインフレにすることに成功したら、それだけで、他には何をせずとも、一夜にして、大量の雇用が発生することが理論的にも、実証的にも確かめられた事実とされています。

アメリカや、日本なら、一夜にして、数百万の新たな雇用が生まれます。だからこそ、FRBは、新たな雇用を生み出すために、金融緩和素をするのです。これが、第一の目的なのです。日本では、こうした中央銀行である日銀の役割があまり理解されていないので、雇用状況が悪化しても、日銀を責める人はほとんどいません。

今後他国が大規模な金融緩和をしているにもかかわらず、日銀だけが、しないというのなら、円高傾向となり、ますます、多くの企業が国際競争力が低下するのをおそれ、海外移転を推進することになるでしょう。こうした背景のなか、デフレ傾向も払拭されず、日本国内の雇用はますます、悪化することでしょう。

まさに、日本は、本来豊であるはずなのに、日銀という貧乏神に取り憑かれていると言わざるを得ません。この貧乏神を退治するためには、まずは、白川総裁を任期が終了する前に、退任させることと、日銀法を改正して、中央銀行の独立性の意味を本来のものに戻す以外にありません。

中央銀行の独立性とは、現状では、日銀が「政府から全く独立性して、日銀が、日本の金融政策を決定する権限」があると考えているのをあらため、世界の常識でもある、「日銀は、日本政府の金融政策に従い、それを実施するときに、専門家的な立場から、方法を選択できる」というように、変えることです。

このようにしなければ、私たちは、いつまでたっても、貧乏神に取り憑かれている現状を改善することができず、しなくても良い苦労をしなければならなくなります。今のままであれば、本来関係のない、アメリカの不況や、EUの不況の影響を受けて、日本もさらに不況にいたり、円高・デフレスパイラルの泥沼に落ち込み、また、リーマンショックの二の舞になりかねません。それだけは、回避すべきと思うのは、私だけでしょうか?


   

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2012年9月24日月曜日

【TED】 Coursera創業者による「オンライン教育が教えてくれること」―【私の論評】coursera授業受けています!!

【TED】 Coursera創業者による「オンライン教育が教えてくれること」:



Stanford大学の教授陣が立ち上げたCourseraが人気、とは知っていたのですが、こちらのTEDトークでその目指すところなどがよくわかりました。教育系サービスに興味がある方は是非。

Courseraは開講期間が決まっていて、受講したい時にすぐ受講できるわけではないので未体験だったのですが、この映像をみてその内情がよくわかりました。授業の質はもとより、仕組みとしてかなりレベルが高いですね・・・。

映像の途中でクイズが出てきたり、プログラミングの授業ではリアルタイムに結果をシミュレートしたり、自動&相互添削の仕組みが実装されていたりと「え、そんな機能もあったの・・・」という驚きの連続でした。

Courseraを観た当初は「Stanfordからスピンオフした人が実験ぽくやっているのかなー」程度に思ったのですが、これは・・・次世代の大学の正しい姿かもしれませんね。

ちなみに個人的にはこうしたオンライン授業では得ることのできない「オフラインでの人とのつながり」みたいなものが「Courseraの受講生が自発的に実施しているローカルStudy Group」で補完されていると知って唸ってしまいましたよ・・・。これはよい仕組みだ。

■ Courseraのビジネスモデル(の可能性)

なお、CourseraはKhan Academyと違って営利組織なのですが、ビジネスモデルとして以下のような方向性を模索しているようですね。こちらも参考になるのでメモしておきます(Wikipediaより)。
  • 修了証書
  • 授業は無料だけど、優秀なひとには有料で修了証書を販売する、というものですね。これで就職が有利になったりしたらいいですよね。
  • 資格試験
  • オフラインのテストです。上記の修了証書の各分野版ですね。
  • 成績情報の販売
  • 生徒の許可をとって、企業の採用部門などにデータを販売するサービスですね。ありそう。
  • Courseraによるテスト
  • 企業や既存の学校による試験部分をCourseraがアウトソースして受ける、というモデルですね。
  • チューターサービス
  • 生徒向けに有料でチューター(家庭教師)サービス。ありそうですね。
  • ライセンス販売
  • 他教育機関への授業コンテンツのライセンス販売ですね。
  • スポンサー(冠講座)
  • 企業がある講座をスポンサーする、みたいなやつですね。日本の大学でもよくされますね。
  • 授業料
  • これは直球で。より高度な授業は有料で、というモデルですな。
教育系はアツいですね・・・これからもウォッチしていきたいところです。

 


【私の論評】coursera授業受けています!!
 このブログにも以前掲載したように、私は、今月から、Gamificationのコースを受けています。また、本日からは、待望の"An Introduction of Operational Management"がはじまります。おっと、これは違います。アメリカ時間では、24日からでずが、日本では、25日からです。なんといってもチェーンオペレーションを旨とする企業にいる私としては、これは、以前から興味津々でした。


本日は、実際にCourseraで授業を受けている女の子たちの写真とともに、掲載させていただきます。

 Gamificationのコースに関しては、実は、先月の末あたりからはじまっており、それを知らずに今月に入ってからギリギリで登録しました。そのため、勝手が良くわからず、最初は大変でした。 授業に関しては、まずは、ビデオレクチャーがあります。

ビデオレクチャーのプレイヤーが優れもので、英語が聞き取りにくくても、字幕を出すことができます。それから、音声の速度も遅くしたり、速くしたりもできます。それから、ビデオの途中で、五択のクイズが出てきたりします。

全部のビデオレクチャーについているわけではありませんが、とにかく、結構多くのビデオレクチャーについてきます。これに答えて、次に進むよう形式になっています。その他サジェッションなどが出てくる場合もあり、 ただし、クイズに正解しなければ、次に進めないということはなく、どんどん先に進むことができますが、私の場合、クイズに正解しなければ、ビデオレクチャーを良く理解していないとみなして、もう一度最初から見るようにしました。



こんなことをいうとかなり時間がかかるように受け取られるかもしれませんが、ビデオの長さは、最高に長いものでも、15分くらいで、10分以内のものがほとんどで、時間的には、それほどでもありません。 ちなみ、一週間分のビデオレクチャーとしては、たとえば、一番新しい内容ですと、以下のようになります。


ビデオの時間は、短いといいながら、盛りだくさんです。私の場合、勝手がわからないものですから、いきなにこのビデオレクチャーをみて、すぐに、宿題などやってしまいました。しかし、このビデオレクチャーに関するwikiというものがあり、これもなかなか充実していて、関係記事、関係サイト、関係書籍などが紹介されています。

 それに、ビデオレクチャーが放映された後に、Note(簡単な講義メモのようなもの)や、抗議内容のマインドマップも掲載されます。このNoteなど見て、何のことかわからない場合は、再度ビデオレクチャーをみるようにすれば、かなり効果があります。 最近では、このNoteをコピペしておき、それを見ながら、メモなどとるようにしています。

このときは、ビデオレクチャーは、パソコンで、メモは、iPadでとるようにしています。板書のように、教授が書いたものは、iPadで撮影します。そうして、後で、ワードなどで、整理しますす。こうすると、なかなか効率が良いですし、ビデオだけでなく、テキスト様のものも残りますし後でかなり便利になると思います。

 宿題は、週ごとにだされます。五択の問題が、10問ほど、あります。これを提出します。また、小論文もあります。これは、最初の週のものは、200文字でしたが、次は500文字、最新のものは、1000字です。これを月末まで提出しなければならないので、頭が痛いです。


 これも、提出しますが、何と、この評価は、このコースに参加した学生が行うようになっています。私自身は、全く余裕がないので、他者の小論文を評価しようと思えばできるようになっていますが、まだやったことはありません。いずれ、余裕があれば、チャレンジしてみたいです。

それから、SNSのようなものもありますが、これを見ていると、日本人も結構受講していることがわかります。 それと、無論この記事に掲載したような、女の子たちと、メッセージを交換することもできます。facebookなんかで、直接メッセージを出してもなかなか返してくれないですが、Courseraの場合だと、同じ目的に向かって、活動しているせいでしょうか、結構戻ってくる率が高いです。それに、このコースでは、最後に期末試験もあります。宿題、小論文、期末試験も含めて、教授による最終評価もあります。どういう評価なのか、評価基準も示されています。私自身は、準備不足なところもあって、いまのとこは、日本風でいえば、「可」がとれれば、最高だと思います。



それにしても、せつかく始めたのですから、最後までやり遂げたいと思います。ちなみに、このコースは、開催期間は、6週間です。他のコースもこれと同じくらいの期間のものが多いです。

さて、Gamificationのコースの様子など掲載しましたが、私がこのコースを受けた動機といえば、何とといっても、英語力のアップです。実際、このような英語のコースをとれば、他のことをやるより、はるかに実務的な英語力がつくと思います。

少し残念なのは、コースの中には、ビデオチャットのようなものが踏まれていないので、話すことに関する練習にはならないかもしれませんが、いずれにしても、単に英語をお勉強するというよりは、はるかに実利的と思います。それに、次のコースあたりでは、他の学生を誘って、Google+ ハングアウトなどもしてみようと思っています。



そうすれば完璧きですね。それに、Courseraのコースは、学問というより、かなり実務的です。 それに、新しい話題が多いです。特にGamificationは、ネットの世界でも、その重要性がいわてきたのは、ごく最近のことですから、最新のトピックスを実務的に学べるのですから、本当素晴らしいことだと思います。それに、この記事にも掲載したような女の子たちとも、知り合いになれます。海外に多数知り合いができるということは、何かと便利で良いと思います。

このような講義、受講するには、大量の英文を読み、大量のビデオを見て、英文も書く必要があります。それも、最新の事柄についてのものがほとんどです。1年〜2年ほど受け続ければ、英語力、それもかなり実務的な英語力がつくと思います。私はそれを狙っています。

 このコース本当に無料です。英語力を高めたいとか、最新トピックスを知りたいと思われるがた、是非チャレンジしてみてください!!特に英語力のあ方など、片手間でも十分できると思います。これは、企業につとめている人もそうですが、学生など、馬に食わせるほど時間が余っていると思います。是非チャレンジしてみてください。


何かcourseraについて質問のあるかた、私は、実際に講義を受けていますから、受けていない人よりは、的確にお答えできると思います。是非お寄せください!!

今日Courseraの宿題やります。ビデオレクチャーも見ます!!

このコースが世の中に定着したら、今度は、大学院のコースも用意されるようになった良いと思います。

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2012年9月23日日曜日

【新聞に喝!】これは反日「デモ」なのか?―【私の論評】新聞は、物事の背景を見ることができないばかりか、言葉遣いまでおかしくなっている!!

【新聞に喝!】これは反日「デモ」なのか?(京大大学院教育学研究科准教授・佐藤卓己)


日本政府による尖閣諸島の国有化に反発する中国の「反日デモ」が激化した。

16日付産経1面(大阪本社発行版)は、「パナ工場など襲撃」の見出しで中国各地の日系工場が襲撃された様子を報じた。そこには、「山東省青島で炎上するトヨタ自動車の販売店」とのネット掲載写真が添えられていた。

中国の「反日デモ」については、中国国内の格差問題に起因する鬱憤晴らしがその背景にあると解説されることも多い。同記事も次のように結ばれていた。

「言論や集会の自由を制限されている民衆の不満が政府に向かう恐れもある。中国当局の出方が大きな焦点になってきた」


その通りには違いがないのだが、各紙の「反日デモ」関連記事を読んで不思議に思うことがある。

一つは、中国民衆の不満が反政府運動に発展することを日本のメディアがなぜかくも心配する必要があるのかという疑問である。特に共産党一党独裁を批判してきたはずの保守系メディアが、中国の民主化よりも現指導部の安定化を願うのは矛盾ではないだろうか。経済重視の事なかれ主義ということであれば、さんざんに批判した丹羽宇一郎前駐中国大使(元伊藤忠商事会長)と同じことだろう。

一方で、逆に首相官邸前で繰り返される脱原発の金曜デモに関して、「デモをする社会の到来」と礼賛した市民運動家にもぜひ聞いておきたい。あなた方は中国の「反政府デモ」をどう評価するのか。あの混乱を見ても、こううそぶくのだろうか。

「市民が主権者であるような社会は、代議士の選挙によってではなく、デモによってもたらされる」、と。

であるならば、「反日デモ」が「反独裁デモ」に転化することは、民主主義にとって最大の僥倖(ぎょうこう)ではないのか。もちろん、逃げ口上は用意しているのだろう。普通の市民が主体となる自分たちのデモは、「独裁と暴力」から限りなく離れている、と。


もしそうならば、いま日本で「デモ」の必要性を訴える者は、中国の反日暴動は「デモ」ではなく「テロル」だと声を上げるべきだろう。投石も放火も略奪も「暴力」である。これを正確に表現すれば、「反日テロル」ではあるまいか。しかし、新聞各紙は「暴力」シーンの写真を掲載しながら、「反日デモ」と表記している。

新聞紙面のよく似た事例は、「いじめ」という表記である。「テロル」を「デモ」とくくる言語感覚は、学校内の暴行や恐喝など「犯罪」を「いじめ」と表現する教育委員会的な心性と変わらないではないか。                                     


【プロフィル】佐藤卓己

さとう・たくみ 昭和35年広島県出身。京都大大学院修了、文学博士。専門はメディア史。

(非常に重要な論考だと思いますので、特に新聞サイトは時がたつと、削除されてしまうので、敢えて全文掲載させていただきました)

【私の論評】新聞は、物事の背景を見ることができないばかりか、言葉遣いまでおかしくなっている!!

上の佐藤氏の意見もっともだと思います。


反日デモの背景は、はっきりしています。これは、完璧な官製デモであり、派閥のある中国政府のかなり高いレベルで実施されたものであり、派閥内の権力闘争があることははっきりしています。特に、習近平が、しばらく消息不明だったことも考え合わせると、かなり熾烈な権力闘争があることははっきりしています。

今回の反日デモにそのような背景があることは、はっきりしています。特に、最近では、中国版ツイッター微博で、デモの呼びかけがことごとく削除されていることも考え合わせると、はっきりしています。このデモは、中国政府が総意で、やめさせようとすれば、やめさせることができたということです。中国政府のコントロール下にあったということです。尖閣問題にも、そのような側面があります。もちろん、あわよくば、領土にできたらしたいという下心はありますが、当面の権力闘争の材料にされたということです。


私自身は、どこのデモがどこの派閥によって実行されたのか、あるいは尖閣に対する傍若無人なふるまいは、どこの派閥によるものなかのかまではわかりませんが、内実はそういうことです。尖閣に関しては、主流派閥が行ったことであれば、反主流派につけいる隙を与えないように、示威行動をとったということであり、反主流派が行ったのであれば、主流派閥に対してつけいる隙を得るために、過激な行動をとったということです。それに、中国は、一枚岩ではなく、様々派閥がありますから、実体はもっと複雑だと思います。

私は、最近中国の反日デモに関して、その背景など上記のようにこのブログに掲載してきましたが、書いていてどうも、すっきりしない部分がありました。それは、やはり、「反日デモ」という言葉です。新聞各社は、「デモ」という言葉の意味をわかっているのでしょうか、以下にデモの定義の一部をwikipediaから、コピペしておきます。
デモ活動(デモかつどう)は、ある特定の意思・主張をもった人々が集まり、集団でそれら意思や主張を他に示す行為である。デモとはデモンストレーションの略であり、示威行為、示威行進、デモ行進、デモ集会、あるいは単にデモとも呼ばれる。 
デモ活動は、公の場で集団で自らの意思や主張を示す行為である。事実上の責任者や決定者がいる施設の前にいながらプラカードなどを掲げる場合もある。「デモ行進」のように徒歩で一定区間を移動しながら行われるものもみられる。大きなものでは数万人から百万人の規模が参加する一種の集会のようなものもあれば、その一方で参加人数はともかくとして、非常に遠距離(都市間など)を移動しながら主張を掲げ続ける場合もある。主張されるテーマは、政治や経済・社会に対するものなど多岐に渡り、それらは個人的な主張から、社会問題を示して世間にアピールすることを目的とするものまで、さまざまである。
デモとは、何も乱暴狼藉を働くものというわけではありません。ごく最近盛んに行われるようになった、日本のデモなど、乱暴狼藉を働くものはほとんどありません。それは、下の動画などご覧いたたければよくわかると思います。

 

上の動画のような行動が、デモ(デモンストレーション:demonstration)というものです。ただし、日本以外の国、あるいは、日本でもここ数年の最近のデモでは、いわゆる暴動がつきものです。しかし、「デモ=暴動」ではありません。そうして、この暴力は、テロリズム(上の記事の作者はテロルとしていますが、同意)です。以外テロリズムに関する定義をこれも、wikipediaから掲載しておきます。
テロリズム(英語: terrorism)とは、恐怖心を引き起こすことにより特定の政治的目的を達成しようとする組織的暴力の行使、およびそれを容認する主義のことである。テロリズムに則った行為・手段、およびそれらによって敵対者を威嚇することをテロル(ドイツ語: Terror)と呼ぶ。日本では一般にテロリズムとテロルの双方を指してテロと略す。またテロリズムを標榜しテロルを行う者をテロリストと呼ぶ。
これが定義であれば、確かに上の記事の佐藤氏が言うように、反日デモも、尖閣問題も、中国によるテロリズム以外の何ものでもありません。こうして考えると、反日テロも、尖閣問題も同じく日本に対するテロリズムであるということです。テロリズムととらえると、中国内のテロも、尖閣に対するテロも、同じ穴のムジナのようなものであることが良く理解できます。


それに日本政府は、自国の都合によって、反日テロを許容する中国には、断固たる態度で臨むべきだと思います。今回も、中国政国内の反日テロに対する謝罪と、弁済をもとめるべきです。相手がどのような態度にでたとしても、そんなことはお構いなしにまずは、意図をはっきり伝えるべきです。

それから、尖閣テロ問題についても、はっきりした態度を示すべきです。中国は、1970年代にも、尖閣テロリズム問題を起こしたことがあります。その当時は、鄧小平が、一時棚上げにするとして、事態は収束しました。しかし、もともと、日本の領土であることがはっきりしている問題に関して、棚上げなどという理屈が成り立つはずがありません。これは、本来、その時に棚上げなどする必要性などないことをはっきり、日本政府が相手方に伝えるべきことを怠ったのだと思います。


だからこそ、現在でも、尖閣テロリズム問題が、起こってしまうのです。これから、このようなことが起こらないようにするためにも、中国側に、はっきり尖閣テロはやめるように伝えるべきです。それをしない限り、このテロ問題はいつまでも尾を引きます。

これからは、このブログでも、反日デモなどとは表記せず、正しく反日テロリズムなどと表記します。それから、尖閣問題も改め、尖閣テロリズム問題などと表記することにします。

それにしても、今の日本の新聞は、反日テロや、尖閣テロリズム問題などの背景も、良くわかっていないし、そもそも、言葉遣いも間違っているということで、本当に情けない限りです。


それから、上の記事では、一番最後に、「新聞紙面のよく似た事例は、「いじめ」という表記である。「テロル」を「デモ」とくくる言語感覚は、学校内の暴行や恐喝など「犯罪」を「いじめ」と表現する教育委員会的な心性と変わらないではないか」として、締めくくっていますが、まさにその通りです。

このことに関しては、私もこのブログに掲載したことがあります。


いじめ 警察に被害訴える動き相次ぐ―【私の論評】「いじめ」という言葉は間違いではないか!!

詳細は、上記のURLをご覧いただくものとして、この記事では、最後に以下のように締めくくりました。
今後、私たちは「いじめ」の問題を語るのではなく、「学校犯罪」という行為をどうするかという視点でものごとをみていくべきです。そうして、自らも犯罪者にならないように、絶対に見過ごさないようにすべきです。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか? 
全く佐藤氏のいう通りです。まさに、我が意を得たりという心持ちがします。私は、「いじめ」という言葉遣いは完全に間違いだと思います。やはり「学校犯罪」という言葉を遣うべきと思います。最初は、「校内犯罪」という言葉でも良いとは思いましたが、「校内」というくくりがあれば、学校の生徒間で発生した犯罪であっても、学校以外であれば、対象外ということになりますので、「学校」というものが関わっている「犯罪」ということで、「学校犯罪」という言葉がもっとも実体を表していると思います。

大津の学校犯罪事件では、学校や、教育委員会の連中が、「学校犯罪」があったことを知りつつ、「いじめ」という言葉遣いで、犯罪などなかったように糊塗しているだけの話だと思いますが。だからこそ、警察も異例の家宅捜索に入ったのです。もう、マスコミも、この種の出来事に関しては、「いじめ」などという言葉遣いはせずに、「学校犯罪」という言葉遣いをすべきです。

カッパじゃ「教育委員」は無理?(笑)

「デモ」といい、「いじめ」といい、言葉遣い一つの間違いでも、本当に大事な背景を見逃してしまうことになりかねないという良い事例だと思います。このようなこと、探せば他にもいくらでもあります。これは、新聞に限らず、テレビや、ラジオなどのマスメディアをはじめとして、あらゆる組織で、あることかもしれません。私たちは、言葉の本来の意味を意識して、意図して意識して、コミュニケーションを図っていく必要がありそうです。そう思うのは私だけでしょうか?皆さんは、どうお考えになりますか?



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2012年9月22日土曜日

中国人民銀、日銀の追加緩和にいら立ち 過度の資本流入懸念−【私の論評】中国の経済破綻が始まる?!日銀を何とかしなければ、日本は草刈場になる!!

中国人民銀、日銀の追加緩和にいら立ち 過度の資本流入懸念

中国人民銀行
【北京=大越匡洋】中国人民銀行(中央銀行)が日銀が19日に決めた追加金融緩和にいら立ちをみせている。人民銀は19日夜、5カ月前の周小川総裁の講演内容を突然、ホームページに掲載。大規模な金融緩和策について「将来のインフレ、新興市場への過度の資本流入などの問題を招く」と指摘する内容だ。中国経済が減速するなか、人民元高などにつながりかねない先進国の金融緩和拡大を暗に批判した形だ。

掲載したのは、4月28日の講演。周総裁は「中央銀行は水路を通じて特定の干上がった田畑に水を流そうと考えるが、実際には単に大量の水を放出し、一部が必要な田畑に届くと信じるだけだ」と指摘。中国ではインフレ懸念がなおくすぶり、簡単には追加緩和に動けない。先進国であふれたマネーが流入し、国内経済が一段と不安定になる恐れがある。「5カ月前の講演」を使った遠回しな先進国批判には、難しい政策運営を迫られる人民銀の悩みが透ける。

【私の論評】中国の経済破綻が始まる?!日銀を何とかしなければ、日本は草刈場になる!!
さて、上の記事での中国のいらだち、良く分かります。これに関する理解を深めるには、以下の動画を是非御覧になってください。

以下の動画では、アメリカのQE3(量的緩和)が半端ではないことが良く分かります。しかも、期限すらありません。とにかく、雇用が回復するまで、やり続けるということです。


下の動画は、もう中国は、経済的に魅力のない国になったので、日本企業は、他の国にシフトすべきことを説いています。


この両方とも、妥当な解説であり、日本側からみれば、当然のことを掲載しています。このような見方が一般的になりつつありますから、そんなことをされれば、中国にとっては全く良いことはないので、上の苛立ちが理解できるというものです。

中国では、特に国家的にも、中国に対するあきらめが、みられます。それは、近年とみに盛んになっている中国による対外投資をみていると良くわかります。もう、中国にはしばらく見込みがないことがはっきりしているので、中国国内ではなく、海外に投資する動きが活発化しています。中国の経済が落ち込むことがわかりきっており、それを回避する手立ても、最早昔のように簡単にはできないことがわかっているので、リスクを分散しようという試みです。


一昔前だと、景気が落ち込めば、政府が大規模な財政出動をして、人民銀行は、これに呼応して元の大量増刷をする、これを続けていて、景気が過熱して、インフレ傾向になれば、政府は、緊縮財政をして、人民銀行は、金融引き締めを行う。これを続けていて、景気が落ち込んでくれば、再び、財政出動と、金融緩和でまた景気を回復するなどで、伸ばしてきました。

しかし、最近はバブルは崩壊しましたし、にもかかわず、あいかわらずのインフレで、いわゆるスタグフレーションの様相を呈してきています。今の状況で中国が財政出動や、金融緩和をすすめれば、ハイパーインフレになってしまいます。非常に難しいことになっています。

一方日本は、この超円高が続けば、企業の海外移転はますます増え、中国などを利するだけです。ただし、中国へ移転する企業は最近へりつつありますが、それにしても、中国政府は、固定相場制という金融環境の中で元を増刷しやすい環境にあり、日銀は、増刷拒否の姿勢を崩さず結果として中国を利するような行動をしてきました。これに関しては後で詳細を掲載しします。

個人の動きもこの流れに沿っています。特に最近は、裸官の暗躍が目立ちます。裸官とは、「裸体官員」の略で、配偶者や子女が仕事以外の理由で海外で暮らす、あるいは外国国籍や永住権を取得している中国政府の公務員のことをいいます。汚職の温床とされています。

今回の反日運動でも見られた、「裸官下台」。「裸官は去れ」という意味。
そうして、裸官のほとんどが、資産の大部分を子女が暮らしている外国などに、移しています。もう、中国には見込みがないことがわかっているので、儲けられるだけ儲けて、資産を蓄えてドルなどにかえて、ほとんどを海外に移しています。こうすることにより、中国が駄目になれば、海外に移住してしまおうと考えていわけです。裸官のなかには、国の資産をかってに持ち出し、自分の子女がいる海外に逃亡してしまうものも多数に上っています。

国単位でも、個人単位でも、もう中国にはしばらくは、見込みがないこと理解しているので、このような動きが活発化しているのです。


それにしても、周総裁の「先進国であふれたマネーが流入し、国内経済が一段と不安定になる恐れがある」という発言は、真実を覆い隠していると思います。いつまでも、中国にいままでどおりに、マネーが流入し続けるなら、それはそれで良いことだと思います。

しかし、国単位でも、個人単位でも、海外に投資したり、海外に資産を移しているわけですから、中国には、もはや美味しい投資先はないと考えて良いと思います。

であれば、本当に嫌がっているのは、そんなことではなく、他国が金融緩和して最も怖いのは、他国が通貨安になることです。元に比較して、ドルなどが、安くなることです。機軸通貨であるドルが元に比較して安くなればどういうことになるかといえば、中国から海外に向けての輸出が不振になるということです。では、中国も金融緩和を行い、元など刷り増しすれば、すぐにも元安になり、輸出も好調になるではないかとという考えもありますが、でもこの手は、現在中国がインフレということもあり、なかなかできません。


中国の場合輸出が全GDPに占める割合は、40%を超えています。これは、日本は、16%前後、アメリカなど数%に過ぎません。しかも、欧州危機で、ただでさえ、中国の最大の輸出先である国々の輸入は滞っています。まさに、中国国内は、八方塞という状況です。だから、国単位では、海外投資を活発化させ、個人単位では、資産を海外に移しているのです。

さて、頼みの綱である日本はどうかといえば、日銀も金融緩和の姿勢を見せる可能性が高いです。日銀といえば、このブログでも再三にわたって、まるで、中国人民銀行東京支店のような行動をとてきていることを掲載してきました。

どいうことか、過去のブログから下にコピペしておきます。
この超円高が続けば、企業の海外移転はますます増え、中国などを利するだけです。ただし、中国へ移転する企業は最近へりつつありますが、それにしても、中国政府は、固定相場制という金融環境の中で、日銀が増刷拒否の姿勢を崩さない限り、あたかもそれを担保として、元を刷りたいだけ刷ることができます。そうなれば、日本はさらにデフレスパイルの深みにはまっていくだけです。
詳細は、以下のURLから御覧ください。

【日本の解き方】白川日銀総裁は“デフレ・円高大魔王” - 経済・マネー - ZAKZAK―【私の論評】財政ばかりでなく、金融政策にも目を向けよ!!

どういうことか、さらに解説すると、日本銀行がどんなことがあっても、金融緩和をせず、金融引き締めに固執しており、特に増刷はかたくなに拒否しています。だから、中国は、過去には、国内が不況になりかけても、元を大量に刷っても、元安傾向になるため、日本に対して大量に輸出ができ、インフレ傾向となっても、あまり被害をこうむることはありませんでした。これは、まるで、打ち出の小槌を持っているようなもので、いままでは、一種の担保、安全弁のようなものであり、中国経済の発展に寄与してきました。

しかし、このような打ち出の小槌もそろそろ効き目がなくなってきたということです。なぜなら、今までだと、日本銀行の安全弁をあてにして、固定相場制の中で、元をかなり大量に刷り増したとしても、さほど危険はなかったのですが、今や、大量に刷り増しすると、ハイパーインフレになってしまいます。かといって、緊縮財政、金融引き締めをすれば、ただでさえ、景気が悪いのにさらに落ち込みます。このようなことは、なかなかできません。

中国はごく最近まで日本銀行という打ち出の小槌

現状では、すぐに打って効果のある対策はありません。あるとすれば、中国の産業構造を変えるしかありません。今までのように、世界の工場を自認にして、安い労働力により、世界の製品の部品を組み立てそれを輸出して儲けるなどということはもう成り立ちません。産業構造を変化させて、自前でいろいろな製品を開発して、それを国内で消費したり、海外に輸出するなどのことをしなければなりません。

この産業構造の転換は、すぐにできものではありません。10年くらいはかかるでしょう。その間は、中国の経済はなかなか成長しないでしょう。だかこそ、国レベルでは、海外への投資活動が活発化していますし、個人レベルでは、資産の海外移転が進んでいるのです。中国自体がわるくなっても、リスクを回避できるよう準備しているというわけです。


それにしても、上の動画でも、アメリカが大々的な無期限の金融緩和をすることを伝えているのに、このままだと、年末にかけて確実に円高になることを言っていますが、日銀の金融政策に対して批判するようなことは、言っていません。これは、どうしたことでしょうか。もう、日銀の円高・デフレ政策の守護神のような態度に慣れ切ってしまい、それが当たり前になっていて、批判する気にもなれないのかもしれません。

しかし、中国の打ち出の小槌の役割を担っている中国人民銀行東京支店のような日銀、このまま放置しておけば、ここしばらくは、中国の打ち出の小槌の役割は担えませんが、他国の打ち出の小槌になるかもしれません。それこそ、アメリカなど、大々的に金融緩和をする国々の草刈り場になるかもしれません。

この暴走に関してもう誰も止めようがないのでしょうか?今の民主党は、もし、金融政策の重要性を理解していれば、もっとやりようがあったかもしれません。自民党に関しては、金融政策の重要性を理解していれば、ずっと政権の座についておられたかもしれません。それほど、金融政策は、重要なものです。しかし、その重要性は、ほとんどの人に理解されてきませんでした。

 しかし、最近では、だんだんと認識されるようになってきました。それは、たとえば、自民党の総裁選候補である、安倍晋三氏です。先日、安倍晋三氏に対する、SakurasoTVの社長の水島氏のインタビューを見ましたが、インタビューの内容に入って、すぐに、安倍氏の口から、「金融政策」という言葉がでてきました。過去の、自民党の総裁や、総裁候補者さらに、民主党の代表や、代表候補者であれば、「金融政策」を開口一番に語るような人はいませんでした。

 

結局過去20年においては、いっとき金融緩和がされても、すぐにもどってしまい、結局どの総理大臣も十分に金融緩和ができなかったというのが、実体です。わかりきっていることなのに、結局誰も実現できませんでした。しかし、安倍氏の言葉には、勇気づけられました。安倍氏なら、本当に金融緩和を推進するかもしれません。20年の長きにわたって、結局金融緩和できずに、日本は、円高・デフレのスパイラルの中から、脱出できなかったわけですから、これは、最重要課題だと思います。どんなに素晴らしい公約を掲げようが、どんなに人気ものであろうが、この一点を解決できないような総理大臣は、他のことはできません。もう、20年近くも騙されっぱなしというのでは、あまりに情けないです。

私たちは、とにかく、日銀の大暴走を一日でもはやくやめさせる政党や、政治家に一票を投じるべきです。そう思うのは、私だけでしょうか?



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2012年9月21日金曜日

ちょっとイイ話! 愛から生まれた世界的ヒット商品の開発秘話−【私の論評】愛は社会を変革する!!

ちょっとイイ話! 愛から生まれた世界的ヒット商品の開発秘話:


世の中にはたったひとりの愛する女性のために作ったもの大ヒット商品となることがあります。

そこにはピュアな愛と思いやりで溢れ、商売根性な計算はありません。
そんな世界的ヒット商品のエピソードをまとめてみました。
■マスカラ
ある薬剤師トーマスが妹メイベルのためにワセリンと石炭粉をブレンドし、世界初のマスカラを開発。目が小さいことが悩みだった妹は、兄が考案したマスカラ... 続きを読む

■著者データ

マイスピ

ウェブサイト: http://www.myspiritual.jp/news/



【私の論評】愛は社会を変革する!!

メイベルへの愛がなければ、メイベリンは生まれなかった?!
上の記事、ちょっとイイ話としていますが、これは「かなり良い」話だと思います。「マスカラ、医療用ゴム手袋、原動機付自転車、バンドエイド」これらの製品が、すべて身の回りの本当に親しい人のために生まれたというのは、全く偶然でありません。これは、どれも起こるべくして起こった、イノベーションだと思います。(本日は、インパクトのあるマスカラ美人の写真とともに、掲載させて頂きます【笑い】!!)

さて、イノベーションとはなんでしょう。ドラッカーは以下のように言っています。
イノベーションは企業家の道具−イノベーションに成功するには3つの心得がある 
「企業家はイノベーションを行う。イノベーションは企業家に特有の道具である。イノベーションは、富を創造する能力を資源に与える。それどころか、イノベーションが資源を創造する」(ドラッカー名著集(5)『イノベーションと企業家精神』) 
 ドラッカーは、イノベーションに成功するには、3つの心得が必要だという。いずれも当たり前のことでありながら、しばしば無視される。 
 第一に、集中しなければならない。複数の異なる分野でイノベーションに成功することはほとんどない。あのトーマス・エジソンさえ、発明を発明したといわれるほど発明の方法論に通暁しながら、電気の分野でしかイノベーションを行なわなかった。 
 イノベーションには、勤勉、持続、献身を必要とする。集中することなくして、これらのものを手にすることはできない。知識は多分野のものを必要とするであろう。だが、目指すものについては、集中がなければならない。 
 第二に、強みを基盤としなければならない。あらゆる人、あらゆる組織に、得意と不得意がある。イノベーションに利用できるのは、得意とする能力である。あらゆる機会を検討し、自らの能力を最も生かしてくれる機会を探す。 
 相性も必要である。狙いとするものの価値を心底信じていなければならない。さもなければ、忍耐を必要とするイノベーションの仕事はできない。 
 ありがたいことに、多くの場合、強みと価値観は一致する。 
 第三に、世の中を大きく変えるものでなければならない。イノベーションとは、あくまでも市場志向たるべきものである。誰かが買って、使ってくれなければ、イノベーションとはならない。イノベーションとは、市場に発し、市場で花開き、市場で実を結ぶべきものである。 
 イノベーションのためのイノベーションは、珍奇なものは生んでも、イノベーションとはならない。 
「企業家として成功する者は、その目的が金であれ、力であれ、あるいは好奇心であれ名声であれ、価値を創造し社会に貢献しようとする。その目指すものは大きい。すでに存在するものの修正や改善では満足しない」(『イノベーションと企業家精神』)
クリックすると拡大します。拡大するとマスカラの凄さがわかります!!
さて、上の記事の、身近な愛する人への贈り物としてのイノベーションは、まさに、この三つを満たしています。第一の集中というこでは、これらを実施した人たちは、まずは、身近な人の嫌がること、大変なことに、集中しています。集中しなければ、これらのことはなし得なかったことでしょう。

第二の強みを基盤とすることでも、これらの偉業を成し遂げた人たちは、すべて自分の強みを基盤としてこれらをなしとげています。メーベリンは、薬剤師という能力を最大限に活かしています。その他の事例もまさにそうです。

第三の、世の中を大きく変えるものということでも、確かに、すべての事例が、大きく変えています。メーベリンも、世の中、社会をずいぶん変えたと思います。無論世の中を大きく変えようと思って、着手したわけではないのですが、どの試みも、自分の身近な愛しい人のために、努力したのですが、結局世の中には、自分の身近な人だけではなく、同じことで悩んでいる人がたくさんいたので、結局社会を大きく変えることにつながっていました。

「ドラッカーは、企業家として成功するものは、価値を創造し社会に貢献しようとする」としています。まさに、これこそが、企業家がイノベーティブになる最短の近道だと思います。ただし、社会とはいっても、広範囲ですから、まずは身近な人に着目するということが、大きな社会貢献につながる可能性が高いです。まずは、身近な人のことに、関心を持たない人は、多くの人たちで構成されている社会にだって関心を持てるはずがありません。

まずは、身近な人に焦点をあてて、その人が困っていること、あるいはもっと便利にしてあれげることなどを考え、さらに、それが、本当に社会に貢献するかまで見通すことによって、はじめて、イノベーションが可能になります。



ドラかーは、さらに同じ『イノベーションと起業家精神で』イノベーションでやってはいいなことを述べています。
イノベーションの三つのタブー 
「企業家たる者は、体系的にイノベーションを行わなければならない」(ドラッカー名著集(5)『イノベーションと企業家精神』) 
 イノベーションは思いつきではない。地道な作業である。 
 しかもドラッカーは、イノベーションに成功するには避けるべきタブーが3つあるという。それはちょうど、イノベーションに成功するための心得を反対側から見た注意事項でもある。 
 第一に、凝り過ぎてはならない。凝り過ぎは失敗の元であり、生産者側の自己満足にすぎない。懲り過ぎた財・サービスに大事な時間とおカネを使う者はいない。博物館で見せてもらえばよい。 
 大きな事業にしたいのであれば、時間もおカネもさほど余裕のない人たちが、気軽に買って気軽に使えるものでなければならない。ドラッカーは、組み立て方や使い方の凝ったイノベーションは、ほとんど例外なく失敗してきたという。 
 第二に、多角化してはならない。これは、イノベーションに成功するには集中しなければならないとの心得と同義である。核のないイノベーションは、雲散してアイディアにとどまり、イノベーションには至らない。 
 イノベーションの成功には大勢の人たちの参画が必要である。共通の核がなければ、参画に必要な理解も不可能となる。 
 第三に、明日のためにイノベーションを行なってはならない。イノベーションはすべて、今日のために行なわなければならない。 
 イノベーションが完成するには日にちを要するかもしれない。しかし、「20年後には大勢の高齢者がこれを必要とする」といえるだけでは十分ではない。「これを必要とする高齢者はすでに大勢いる。20年後にはもっと大勢いる」といえなければならない。
医薬品の開発では、10年を要することが珍しくない。しかし今日、医療上のニーズがない開発に取りかかる製薬会社はない。 
「成功したイノベーションのほとんどが平凡である。単に変化を利用したものにすぎない。したがって、イノベーションの体系とは、具体的、処方的な体系である。すなわちそれは、変化に関わる方法論、企業家的な機会を提供してくれる典型的な変化を体系的に調べるための方法論である」(『イノベーションと企業家精神』)

身近な人たちに対する愛によって、イノベーションを行った人たちも、見事にこのタブーは破っていません。第一の凝り過ぎてということは、ありませんでした。一番最初のメーベリンだって、今のマスカラと基本的には変わりません。もし、凝ってつくっていたら、一部のお金持ちしか使わず、結局珍奇な発明として、博物館入りしていたかもしれません。そうして、他の人が開発した現在あるようなマスカラが、主流になっていたことは間違いありません。

第二の多角化もしていません。すべて自分達の持てる力を最大限に活かして、新しいことに挑戦しています。またったく新しい技術や、考え方を投入して行っていることは一つもありません。

中国の女の子のメイク前と、メイク後、落差が激しいですな!!これも偉大な社会変革?

第三の明日のためのイノベーションも誰も行っていません。メーベリンは、妹の現在のニーズにあっていたものでしたが、将来数多く女性たちが使うことは十分予想することができました。他のイノベーションも同じことがいえました。だからこそ、大成功したのです。

それにしても、身近な愛しい人に着目した人たちがイノベーションに大成功しているということです。以上で、私が最初に掲載した、これらのイノベーションは起こるべくして起こったという意味がお分かりいただけたち思います。このような事上記の記事に経済されているのは、ほんのわずかであり、探せばまだまだあります。

では、私たちは、このような事実からどのような教訓を読み取るべきでしょうか?

私は、企業家のやることは、確かに、社会に貢献することなのですが、結果としてそうなることは良くわかります。しかし、社会というとあまりに広く茫漠としています。社会に対して、感受性が高い人などは、最初から社会に着目して、社会貢献できるのでしょうが、普通の人は、なかなかそういうわけにはいきません。


であれば、まずは、自分の本当大切な人から、その人たちのニーズや困っていること、シーズなどを注目するということからはじめては、いかがでしょうか。そうしつつ、広げていくのです。会社の同僚とか、町内会の人などから始めるのです。であれば、やりやすいし、かなり具体的にイメージできます。こうしたことを日常的に行えるようになれば、いずれ、新聞や、テレビでみたような社会の大きな動きも、さらに、具体的に見えるようになるはずです。

そうして、その根底にあるのは、「愛」です。「愛」という言葉が、重すぎるとか、気恥ずかしいと思う方などは、無理に「愛」という言葉を遣わなくても良いと思います。「思いやり」、「良い意味での関心を持つ」とか、そんな言い方でもかまわないと思います。

そうして、それが、本当に当人たちにとってイノベーションになるようなことが発見できたとすれば、それが、本当に社会に大きく影響を与えて、社会貢献になるかどうかを考えて、市場に投入することを決めればよいのです。

私は、そう思います。皆さんは、どうお考えになりますか?

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2012年9月20日木曜日

中国人記者に「民主主義の国なのにおかしい」と指摘される日本のマスコミ―【私の論評】日本の大手マスメディアの中国報道は劣化している!!必ず裏取りをせよ!!

中国人記者に「民主主義の国なのにおかしい」と指摘される日本のマスコミ:


毎週金曜日の午後に行われている石原都知事の定例会見は、都政の発表・説明だけにとどまらず、石原都知事が延々と知見を語ったり愚痴ったり、時には記者を攻撃しはじめたりすることもあるなど、政治よりもむしろエンタメという意味でちょっとした見ものだったりする。そんな石原都知事の定例会見で、尖閣問題に触れた日の動画が、『YouTube』や『ニコニコ動画』で話題を呼んでいる。

会見で、「なぜ日本のマスコミは“尖閣問題は中国の内政干渉”と書かないのか」と不満を述べた石原都知事に対し、ある記者が質問を投げかけた。

「今回の尖閣問題もそうだが、日本のマスメディアの中国に関する報道は、上辺のこと、一部分しか報道しない。例えば蟻族(※1)とか上訴(※2)とか臓器狩り(※3)とかの問題は取り上げず、中国政府の都合のいいように報道する。それは1960年代に“日中記者交換協定”があって、日本のマスメディアはそれに縛られているんじゃないかと思うが、知事はどう思うか」

訛りのある発音と石原都知事の対応から、中国人とみられるこの女性記者の口から日中記者交換協定の名称が出たことに、ネット住民は驚いた。

『Wikipedia』によると、日中記者交換協定とは
1.日本政府は中国を敵視してはならないこと。
2.米国に追随して「二つの中国」をつくる陰謀を弄しないこと。
3.中日両国関係が正常化の方向に発展するのを妨げないこと。
を3原則とする、いわば中国共産党から“踏み絵”として日本のマスメディアに突きつけられた覚え書き。もともとメモレベルの取り決めであったことと、その内容があまりにも共産党政府に都合のいいものだったことから、これまではなかば都市伝説や根拠のないネットミームのように思われていたのだが、中国人記者の口から公の場で指摘があったために、「『2ちゃんねる』でよく見かけたコピペが本当だったとは……」と驚いているのだ。

中国人記者は、「法輪功は“邪教”、ウイグル族のデモは“暴動”と報道するというようなことが結構ある。日本はアジアで一番歴史が長い民主主義国家で経済大国でもあるのに、どうして独裁国家に対してこんな態度を取るのか、不思議です」と述べて質問を終えた。

自身いわく「独裁国家」出身の記者が勇気を出して母国の実情を伝えているのに、報道の自由があるはずの日本のマスメディアは中国政府の顔色をうかがった報道しかできないとは、なんともおかしく情けない話だ。

※1.蟻族:大学を卒業したのに職がなく、同じような境遇の者同士、寄り集まって安アパートなどで生活する若者たちのこと。

※2.上訪:農村地帯の住人が、地元役人の腐敗や生活苦を中央政府に直訴するために北京へやって来ること。共産党大会前には数千人が集まることも。

※3.臓器狩り:刑務所で(共産党政府にとっての)犯罪者から臓器を抜き取り、闇市場へ横流しすること。臓器目当ての人さらいや子どもの人身売買も横行している。中国には世界最大の臓器売買の闇マーケットがあると言われている。


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■著者データ
ガジェ通ウェブライター
ウェブサイト: http://anews.jp/
TwitterID: anewsjp


【私の論評】日本の大手マスメディアの中国報道は劣化している!!必ず裏取りをせよ!!


このブログでも、日本の大手マスメディアによる、中国報道の異様さは再三にわたって掲載してきました。たとえば、以下の動画のような内容もほとんど報道されません。(この動画かなりグロなので、食事の直前後には、見るのは、避けて下さい)





これは、やはり、上の記事による「日中記者交換協定」による圧力が未だにあるのだと思います。中国中央政府としては、上記の協定に反するようなことを日本のマスメディアが報道すれば、情報提供しないことを徹底しているのだと思います。

これを恐れて、日本メディアは、中国中央政府が都合が悪いと思もうようなことは、自主規制して流さないのだと思います。しかし、こういうことを長い間続けてきた結果、思考力もなくなり、中国中央政府の背後の意図など読み取れなくなっているのです。また、中国が決して一枚岩ではないことを意識してないのだと思います。

結果として、今のマスコミ大手の中国報道は、私達のようなブロガーの掲載する内容よりも、はるかに劣化してきたのだと思います。私達ブロガーは、無論、直接中国の高官や、報道官の話など直接聞ける機会などありません。



しかし、中国の情報など、今のような時代いくらでもあります。日本国内のネットはもとより、中国のネットもありますし、それも、日本語で書かれてあったり、英語のものも多数あります。また、アメリカや、他の国でも、中国報道は多いです。こういったものを調べていくと、かなりのことがわかります。そうしたほうが、少なくとも、思考力は停止しないですみます。

日本の大手マスコミなども、このような協定など完全無視して、独自の取材方針を貫くべきです。中国の正式なチャネルからのニュースソースが遮断されたとしても、頭を使えばいくらでもやりようがあります。



まずは、最近インターネットが発達してきたことから、中国内のニュースなど結構取得するのが簡単になっています。特に、中国では、金盾が情報統制をしますが、その統制もいつも完璧にできるものではありません。だから、削除するのが遅くなったりする場合もあります。そういう記事などストックしておき、時系列での変化を見極め、それらは、なぜ削除されなければならなかったのかを良く考えればおのずと真実に近づくことができます。

それに、中国内のなるべく政府に近い官僚などの複数人と親しくなって(親しくなる方法は書きませんが、こんなの当たり前の真ん中で、いくらでも方法はあります)おき、その人間の立場を理解しておき、複数からの情報を得て、真実に迫っていくという方法もあります。



こんなことを長く続けてきたせいでしょうか、日本の大手マスコミは、政治・経済その他多くの分野にわたってかなり劣化しています。今や、新聞や、テレビで報道されること、それも、重要な事柄に関しては、ほとんど鵜呑みできない状況になっています。

私達は、鵜呑みは慎みましょう。必ず裏を取るくせをつけるべきです。裏取りは、一昔前なら、難しいことで、一部の人しかできませんでしたが、今なら誰もがインターネットで簡単にできます。それに、インターネットの歴史も長くなってきましたので、私をはじめ、多くの人達が、様々な解説したり、キュレーションもあまたあります。この時代に裏取りをしない人は、時代から取り残されるだけです。



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【中国】大規模デモがあっても日本大使館は中国版Twitterで平常運行の書き込み「味噌カツとは味噌香るトンカツのこと。味噌が好きなみんなは逃しちゃダメだぞ!」―【私の論評】異質中国の反日デモは、反日とは全く関係ない?!!

【中国】大規模デモがあっても日本大使館は中国版Twitterで平常運行の書き込み「味噌カツとは味噌香るトンカツのこと。味噌が好きなみんなは逃しちゃダメだぞ!」



【中国】大規模デモがあっても日本大使館は中国版Twitterで平常運行の書き込み「味噌カツとは味噌香るトンカツのこと。味噌が好きなみんなは逃しちゃダメだぞ!」―【私の論評】中国の反日デモは、反日とは全く関係ない!!

2012年9月18日に「中国で未曾有の大規模反日デモ」が発生するとの情報が流れ、日本でも大きく報じられた。このデモのようすを取材するべく北京へと向かったロケットニュース24記者によると、確かに北京市内の日本大使館の周囲はデモが行われ騒然としていたという。

日本大使館は、中国人に理解を深めてもらうため、中国版Twitterで日本の文化、習慣、料理などの紹介を書き込みしている。デモに備えて日本大使館の書き込みも非常に緊迫しているだろう……と思いきや、いつもどおりにユルい書き込みが続いていたようなのだ。デモがあった当日にも平常と変わらないつぶやきをしていたのである。

日本大使館
日本大使館のつぶやきが確認できるのは、中国でTwitterのようなサービスを展開しているWeiboの日本大使館公式アカウント。中国人向けなのでつぶやきはすべて中国語。9月17日~19日までのつぶやきは以下の通り。

9月17日15:04
【日本情報】「マリモ」:淡水性の緑藻です。見た目は緑の毛糸玉のようです。(中略)北海道の阿寒湖のマリモは人の頭ほどの大きさにもなり、その形の美しさはまさに無双。そのため阿寒湖も貴重な湖となりました。絶滅に瀕した「特別天然記念物」を守るため、毎年盛大に「まりも祭り」が行われます。

9月18日13:59
【日本情報】「シルバーマーク」:日本にはたくさんの高齢者ドライバーがいます。身体機能の衰えにより運転に支障をきたす場合があります。歩行者や他のドライバーに注意を促すために日本の交通管理部門では70才以上のドライバー(タクシー運転手も含む)にはシルバーマークをつけるよう呼びかけています。強制力はありません。

9月18日16:53
【日本旅行】「五色沼」:福島県磐梯山の北側に位置、1888年の磐梯山噴火でできた火山湖です。(中略)秋には湖畔咲く草花の影が映り美しいことこの上ありません。

9月19日12:16
【日本グルメ】味噌カツ:味噌カツとは味噌香るトンカツのこと。三重県津市発祥の料理です。三重、愛知、岐阜で広く親しまれています。(中略)味噌味が好きなみんなは逃しちゃダメだぞ!

……などと書き込みされている。コメント欄には中国人と思われるユーザーたちからコメントが寄せられており、たとえば以下のようなコメントが書き込みされていた。

「五色沼に行ったことあるよ! いつかまた行けるようになるといいなぁ」
「キレイな景色だなぁ」
「シルバーマークとは! 思いやりのある制度だ」
「味噌カツうまそ~」
「白ご飯おかわり!」
「日本料理からは味噌は外せないよね」

……など、つぶやきに対する感想もみられるが、時期が時期だけに反日的なコメントもかなり多い。しかし、一方で、大使館周辺を取材していた本誌記者によると、現地時間15:30ごろは大使館の周辺は騒がしかったが、街の様子は平常とあまり変わらないように感じられたという。

なかにはデモが行われているのを知らない人さえいたそうだ。ネットと現実には温度差があるのだろうか。なお、デモ当日は日本大使館の窓口業務は臨時休業しているが、大使館内部のスタッフがパソコンやケータイでWeiboの更新をしていたと思われる。

インターネット上では、中国人への情報発信用のアカウントととはいえ、この「平常すぎるつぶやき」の時期と内容について適切だったのか、疑問の声も上がっている。

尖閣諸島について日本政府は「尖閣諸島は日本固有の領土であり いかなる国・地域とも領土問題はない」という見解を示している。日本大使館は「中国人を刺激したくない。かと言って変に意識している態度を見せたくない」という微妙なラインで苦悩しているのかもしれない!?

【私の論評】異質中国の反日デモは、反日とは全く関係ない?!!

上の記事の、一番最後の文章「日本大使館は「中国人を刺激したくない。かと言って変に意識している態度を見せたくない」という微妙なラインで苦悩しているのかもしれない!?」は、日本のマスコミが真実をほとんど報道していないことの証であると思います。

まずは、中国の場合日本「世論」に相当するようなものは、ほとんどありません。大方の日本人は、中国にも日本と同じようにいわゆる日本国内でいうところの、日本人による「世論」に相当する中国人民による「世論」というものがあり、その「世論」により、中国人民が、日本に対して激高して、反日デモを行っていると思います。

そんなことはありません。厳密にいえば、中国にはまともな「世論」などありません。形成しようもありません。そもそも、中国に言論の自由などありません。言論の自由のないところに、「世論」は形成されません。

「世論」など形成する動きがあれば、すぐに政府によって、弾圧され、挫かれてしまいます。インターネットがあるから、最近では、中国でも世論が形成されつつあるという人もいますが、確かにその面を否定できないところもありますが、中国には、悪名高い金盾という情報封鎖システムがあります。

これで、中国版ツイッターの微博のツイートも都合の悪いものは片っ端から消去します。中国のサイトなどみていても、そりゃ反日デモについて書いてあるものもありますが、そうではないものも多く、下のような女の子の自分撮り撮影写真などが掲載されいたりして、特に普段ともあまり変わりないようです。

小姐美人性感自拍1
本日は、反日デモは随分と少なかったようですし、それに、微博も"反日"というキーワードを入れてみても、ほとんど何もでてきません。金盾により、削除されたものと思います。

中国のデモは人民の世論の高まりによって、実施されるものではなく、すべてが官製デモといって良いものであり、日本のそれと比較対象とするなどそもそも、最初から成り立ちません。微博には、反日デモ隊のメンバーが、デモのあと、人民解放軍の制服に着替えていたのを目撃したというツイートも掲載されています。

このブログでも、先日最近の中国の反日デモの背後には何かあるということを掲載しました。詳細は、以下のURLをご覧になってください。

反日運動激化 「愛国無罪」中国当局野放し―【私の論評】マスコミはまた思考停止か、反日運動激化の裏にあるのは何か?


この中から、一部を下にコピペしておきます。
中国の新聞が「反日デモ」報道を連日一面で報じるのは「習近平隠し」である可能性が高いです。それが事実だとしても、「習近平隠し」は、すでに発生した出来事によるか、発生して今も継続しているか、いずれの動きにしても、これは、氷山の一角にすぎず90%の水面下の出来事はまだ見えていません。 
これが、単なる中国内共産党内容の権力抗争の激化なのか、その結果として、習近平は、失脚するどころか、今は存命しているのかいないのかもはっきりしません。 
それとも、背後には、最も大きな、後からみれば、歴史的な大変動の予兆だったといわれるような、大きな動きがあるのかもしれません。ひょっとすると、従来からこのブログで掲載してきたように、中国分裂の予兆なのかもしれません。これに関しては、様々な動きを注視し、今後何か新しい動きがあれば、このブログに掲載していきます。
この予測は、やはり当たっていたようです。本日、YouTubeを見ていたら、中国通の宮崎正弘さんの動画で、現在の中国の反日デモは、反日デモではなく、結局中国内部の権力闘争であることを解説していました。



習近平の上海派閥と、団派の権力闘争の一環であるというのです。これにプラスして、まったくの負け組である旧毛沢東派も、この機会に乗じて、デモに参加したようです。この負け組は、毛沢東の写真など掲載しながら、でも活動をしていたので、それと知れたということです。ただし、だからといって、負け組であることに変わりはなく、このような機会に乗じて不満を発散させているだけのことです。
武漢の反日デモに登場した毛沢東?
宮崎氏は、権力闘争の一環てあると主張していましたが、あれだけ、強固な基盤を築いたかに見えた、習近平ですが、そうではなかったということです。党大会直前にして、この有り様ですから、この権力闘争かなり根が深いと思います。

それにしても、上の記事の日本大使館ですが、このようなこと知り抜いているのだと思います。だからこそ、デモがあったにしても、所詮官製デモにすぎないことが最初から分つていたので、いつもどおりで、いくらデモが過激化しようとも、一定の線以上は超えないことを知っているので、微博でのツイートもいつもとかわりなく実施していたのだと思います。当然といえば、当然です。

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日本で報道されるのは、当然反日デモそのものを報道します。たとえば、北京で反日デモが開催しれたとしても、その開催された場所付近では、暴動に近いようなことが行われたにしても、世論の高まりによって行われるものではないので、少し離れてしまえば、何の影響もないのだと思います。

尖閣の問題も基本的にそうです。これも、基本的には権力闘争の一環です。もちろん、あわよくば領土に出来れば良いという下心があることには間違いないです。これも、基本的には、上海派閥、団派などの権力闘争です。詳細は、どうなのかはわかりませんが、団派が日本に対する厳しい態度を見せつけて、上海派閥を牽制したり、あるいは、上海派閥が、団派を牽制するために、厳しい態度をみせつけているということです。



それにこれは、以前このブログにも掲載したように、中国は決して一枚岩ではないことから、もっと複雑な様相を呈している可能性もあります。いずれにしても、尖閣で様々なデモンストレーションをする根源は、反日ということではなく、権力闘争の一環です。いずれにしても、自国というより自分たちの派閥の都合で、他国に干渉するというのは良くないことです。これを理解しないと、中国の意図がよめなくなります。これを日本が完璧に牽制しようとするなら、旧帝国海軍を復活するしかないでしょう。連合艦隊復活をするのが一番と思います。

尖閣問題は、1970年台にも似たようなことがあり、それは、中国側から棚上げをしました。日本の外交筋には、これをもって、棚上げするのが一番良い解決方法とする者もいますが、それは、根本的な解決でないことははっきりしています。ここは、日本の領土である旨をはっきり主張し、中国の派閥争いを激化させ、あわよくば、派閥争いから、内乱になり、内乱から中国分裂をさせるほうにもって行くほうが、日本にとっても、中国にとってもずっと良いと思います。中国今のまま無理に一枚岩でまとまっていれば、いつまでも異質な中国がまともになることはありません。

最近かなり低俗化している中国大衆文化。これも、中国共産党中央政府の仕業か?
そのためには、反日など無視して、場合によっては、中国からすべての日本企業撤退ということも許容する姿勢が重要です。実際、徹底しようとしている企業も多数あります。日本では、中国に対する輸出は、GDPの4%に過ぎません。日本の多くの人達は、勘違いしていますが、日本はもともと、貿易大国ではありません。内需大国であり、輸出がGDPに占める割合は、16%に過ぎません。中国に対する輸出などやめたとしても、その影響は微々たるものです。

そんなことより、中国人民銀行東京支店のような行動を撮り続ける、日本銀行をまともにさせれば、中国との関係をしばらく断ったとしても、本当に影響は微々たるものです。異質中国によるバーチャル反日運動に惑わされることなく、日本は、まずは、日本の国内問題を解消して、中国共産党中央政府の衰退を促すべきです。

それにしても、今回は、結構大規模な反日デモになりました。上の宮崎氏の動画では、権力闘争であるといいきっていますが、私は、これからこのようなことが結構繰り返されるようになり、そうして、それが、歴史上の転換点になる可能性も十分にありますので、何か新しい動きがあれば、またブログに掲載します。



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