2020年3月15日日曜日

コロナ患者の入院先が特定、病院名が流出しざわつく事態に―【私の論評】自己完結型組織である自衛隊病院だからこそ、他の病院に先駆けて患者を受け入れられた(゚д゚)!

コロナ患者の入院先が特定、病院名が流出しざわつく事態に

自衛隊中央病院
日に日に新型コロナウィルスの患者が増え、日本全体に不安が広まり自粛ムードとなっています。自分の住んでいる地域ではどのくらいの患者がいるのかと、ニュースを見て気にする人も多いのではないでしょうか。新型コロナウィルス患者を受け入れている入院先の病院名や受け入れ人数などはテレビなどでは報道されていませんが、河野太郎防衛大臣が自衛隊病院の新型コロナウィルス患者の受け入れ状況をツイッターで報告したのです。

自衛隊病院で感染者受け入れ陸・海・空3自衛隊の共同機関として防衛省が設立・運営する病院である自衛隊病院では、新型コロナウィルスに感染した患者を受け入れており、河野太郎防衛大臣が受け入れ状況のほか、退院や転院状況についても詳細に報告するツイートを発信しました。

テレビではあまり報道されていない退院数についても報告してあることに対し、次のような意見がTwitter上に寄せられています。
「自衛隊の医療チームは素晴らしい」「感染者の大半が普通に退院されていることを知り、安心します。」「目に見える情報を発信してくださるのは、非常に心強いです。」と、ネット上にコメントが寄せられていました。

また、河野太郎防衛大臣は自衛隊病院の新型コロナウィルス患者受け入れ状況だけでなく、日本の新型コロナウィルス患者の状況について日々ツイートをしています。
目に見える情報をツイートしていることに感謝し、安心している方も多い事が伺えます。

新型コロナウィルスの影響で、浜松市のアノ銘菓が生産中止に追い込まれる事態になったことも話題となりました。

【私の論評】自己完結型組織でもある自衛隊病院だからこそ、他の病院に先駆けて患者を受け入れられた(゚д゚)!

新型コロナ肺炎の患者さんたちは、どのような病院で受け付けているのかと、思っていましたが、かなりの部分は自衛隊病院で受け付けていたということです。

自衛隊病院の行動は、以下の点で称賛に値します。

1 初期の大量患者発生(PCR陽性の軽傷者含む)の病院収容(受け入れ時に感染対策は必要)という難しいミッションを淡々と行ったこと

2 多くの病床、医療者の人力の運用を迅速におこなったこと(普通の病院では難しい)

3 受け入れ前に訓練を行い、病院医療従事者に院内感染を起こしていないこと(訓練の賜物)

4 死亡者を出していないこと

5 ほとんどの人をしっかり退院させていること

6 結果初期に起きる医療崩壊を防いだこと

(7 地域?の感染症担当医に今回の患者診療のノウハウを講義してさらに崩壊を防ごうとしたこと)

以上は、自衛隊の仕事ですから、大々的に褒めてくれとは言わないですが、かなり努力していることは報道に値すると思います。ダイヤモンド・プリンセスの時の自衛隊の活動もも掲載したのは自衛隊の新聞である、朝雲だけでした。

ただ今の日本のコロナウイルス対策に自衛隊衛生の力があったこと、そして医療崩壊を結果的に防いだことを日本の国民に知っていただければ幸いです。

この自衛隊病院とはどのような病院なのでしょうか。

自衛隊病院(じえいたいびょういん)とは、防衛省が設置・運営する陸・海・空自衛隊の共同機関であり、自衛隊中央病院や陸海空幕僚長を通じて指揮監督を受ける自衛隊地区病院の総称です。共同機関以外に防衛省が設置する病院として防衛医科大学校病院があります。

共同機関の自衛隊病院には自衛隊中央病院と陸・海・空それぞれの幕僚長を通じて指揮監督を受ける自衛隊地区病院(15病院)があります。

基本的に利用対象者を防衛省職員とその家族、つまり防衛省共済組合の被保険者に限定していました。中央、札幌、福岡の3自衛隊病院では、2006年10月から、前述の防衛省職員・家族以外の一般外来受診を開始し、防衛医科大学校病院、自衛隊横須賀・富士・阪神・福岡病院も一般外来受診を行っています。

2009年、防衛省は全国に16カ所ある自衛隊病院を10カ所に集約した上で、現在は一部に限定している自衛隊関係者以外の一般国民の利用をすべての病院で認めることを決めた。具体的な時期は今後検討するとしています。

     自衛隊札幌病院(病院長・大鹿陸将)は、2018年11月12日から16日の間、
    「世界糖尿病デー」のイベントを開催した。
2018年現在、15病院(陸:7院、海:5院、空:3院)が設置されています。

陸上幕僚長を通じて指揮監督を受ける病院
自衛隊札幌病院 - 真駒内駐屯地北海道札幌市札幌市
自衛隊仙台病院 - 仙台駐屯地宮城県仙台市宮城野区
自衛隊富士病院 - 富士駐屯地静岡県駿東郡小山町
自衛隊阪神病院 - 川西駐屯地兵庫県川西市
自衛隊福岡病院 - 春日駐屯地福岡県春日市
自衛隊熊本病院 - 熊本駐屯地熊本県熊本市東区
自衛隊別府病院 - 南別府駐屯地大分県別府市) 
海上幕僚長を通じて指揮監督を受ける病院

海上自衛隊員の集中する主要な基地は、地方総監部の所在地となっているので、各地方総監部所在地に1つずつ、海上幕僚長を通じて指揮監督を受ける自衛隊地区病院が置かれています。
自衛隊大湊病院 - 大湊基地青森県むつ市
自衛隊横須賀病院 - 横須賀基地神奈川県横須賀市
自衛隊舞鶴病院 - 舞鶴基地京都府舞鶴市
自衛隊呉病院 - 呉基地広島県呉市
自衛隊佐世保病院 - 佐世保基地長崎県佐世保市
航空幕僚長を通じて指揮監督を受ける病院
自衛隊三沢病院 - 三沢基地青森県三沢市
自衛隊入間病院(仮称)-入間基地埼玉県入間市)(2021年度開設予定)
自衛隊岐阜病院 - 岐阜基地岐阜県各務原市
自衛隊那覇病院 - 那覇基地沖縄県那覇市
後の防衛大臣のツイートにある、3月10日時点でこれまで感染者122名を受け入れ、114名退院、2名転院、6名が現在、入院中というのは、無論これらの病院の全体で受け入れたものの合計なのでしょう。

地震があった日の札幌自衛隊病院 耐震設備があるので無傷であった

こちらは、札幌なので、札幌自衛隊病院について、特に地域貢献について掲載します。
●月に2回、札幌市の救急輪番を担任し、地震(ブログ管理人注:北海道胆振東部地震

)

が発生した9月5日(水)夕~ 6日(木)朝も救急態勢を維持
●災害発生時の受入病院として被災者診療を行い、発災以降、地震関連患者のべ71名の診療及び11件の手術を行い、26名が入院(9月13日2400現在)
●入院患者26名のうち6名は、人工呼吸器等を装着して療養中の患者や頻回に吸痰を要する患者を道内の停電に伴い受入れたもの
●厚真町総合ケアセンター「ゆくり」に救護班等を派遣(9月18日に活動終了)
●北千歳駐屯地及び南恵庭駐屯地の医務室に医官を派遣(同日に活動終了)
 地域の自衛隊病院は、地域の災害の時には現地に救護班も派遣しているのです。以下に一昨年の北海道胆振東部地震のときの札幌自衛隊病院救護班の派遣に関連する写真を掲載します。


自衛隊は縁の下の力持ちで頑張っています。特にコロナウイルス患者受け入れに関しては、全感染者が数百人という規模ですから、おそらく自衛隊病院が最大なのではないでしょうか。

このように一つの系列の病院で、これだけの患者を受け入れ、治療し多くを回復させた経験やノウハウは、自衛隊病院という組織に蓄積され、貴重な資産となるでしょう。さらに、これらが他の医療機関に伝えられることにより、その経験やノウハウが日本全国で共有されることになるでしょう。

そうして、報道では「自衛隊や軍隊は『自己完結型の組織』だから」災害に強い、と紹介されています。「自己完結型の組織」とは、何を指しているのでしょうか。

自衛隊や軍隊は、武力攻撃に対して武力を行使することで対抗し、戦闘を通して敵対勢力を排除する……という任務を帯びています。戦闘中は、基本的に外部組織からの支援を受けることはできません。お腹がすいたからといって、戦場まで出前してくれるお店とかはありませんからね。できる限り、自分達でなんとかしないといけません。

特に陸上自衛隊や陸軍、そして海兵隊は、飛行場という基地を基準に活動する航空自衛隊や空軍、船という「移動する基地」が基準となる海上自衛隊や海軍と違い、戦場のいたる所で拠点を作って活動する必要があります。自分達で寝泊まりする「宿営地」を作らなくてはいけませんし、それにともなって建設機械など、様々な装備を保有することになります。これがそのまま被災地における復旧作業に転用できるんですね。また、戦場で行方不明になった隊員や兵士を捜索したり、けが人や病人を治療する装備や技術も保有しているので、これも被災地での活動に役立ちます。

このような自己完結型の組織の一員でもある、自衛隊病院が多くの地域にあることが力強いです。防疫体制に関しても、戦地や被災地では、感染症が発生する率は高いので、普段から訓練したり、設備、装備的、ノウハウ的に備えができているのでしょう。そうした自己完型の組織である、自衛隊病院であるからこそ、新型コロナウィルスの患者を他の病院に先駆けて受け入れる事ができたのでしょう。

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2020年3月14日土曜日

中国の情報隠蔽裏付け、香港紙「最初の患者は11月」―【私の論評】中国の武漢ウイルス感染者数の統計は「政治的メッセージ」である(゚д゚)!



香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP、電子版)は13日、現段階で確認されている新型コロナウイルスの最初の感染者は、湖北省で昨年11月17日に発症したと伝えた。中国政府の非公表資料に基づくとしている。中国政府は最初の感染者が12月8日に発症したと説明しており、報道が事実であれば、当局側の初動の遅れや情報公開の不透明さを裏付けるデータといえそうだ。

 中国当局は12月31日、「原因不明のウイルス性肺炎」を27人が発症していると初公表。専門家が「人から人」への感染を認めたのは1月20日だった。

 一方、SCMPによると、最初の感染者とみられるのは湖北省の55歳で、11月には少なくとも39~79歳の男女9人が感染。感染者は12月31日に266人、1月1日には381人に達したという。感染者数には後からさかのぼって確認した人も含まれるもようだ。ただ、昨年末には「人から人」感染を裏付ける爆発的な増加が起きていたことを示すデータといえる。

 実際に武漢では当時、多くの医師が強力な感染力を持つウイルスへの警戒を呼びかけていた。中国誌・人物(電子版)が11日に公表した記事によると、武漢中心病院の艾芬医師は12月30日、肺炎の原因を「重症急性呼吸器症候群(SARS)コロナウイルス」と判断した検査報告書をみて危機感を抱き、その写真を知人の医師に送信。医師8人がグループチャットに転送し、情報が拡散した。このうちの一人が2月7日に死去した同病院の眼科医、李文亮氏(33)だった。

 警察当局は「デマを流した」として李氏ら8人を処分。艾氏も病院幹部から強い叱責を受け、肺炎については自分の夫にすら何も話すなと口止めされた。「まるで武漢市の発展を私一人が破壊しているように」指弾されたという。

 この記事は公表直後に削除された。同様に削除された財新(電子版)の記事によると、武漢中心病院に送られた報告書は北京の民間機関が遺伝子情報を分析したものだった。検査の一部に誤りがあり、新型コロナウイルスに似た遺伝子構造を持つSARSと判断されたという。

【私の論評】中国の武漢ウイルス感染者数の統計は「政治的メッセージ」である(゚д゚)!

中国の感染者数の公表は、上の記事にもあるように、当初から信頼できないものでした。そうして、最近では終息しつつあるような公表がされていますが、これも信用できません。

なぜなら、中国の統計データは先月に3度も統計変更があったのですが、通常は変更後と変更前の複数時系列が発表されるべきところ、そうした措置は見当たらず、信用ができないです。習近平主席の発言にあわせて統計数字が作られているふしもあります。

中国の統計は元々信用のできるものではありません。たとえば、GDPに関しても、出鱈目であることは、このブログに何度か掲載してきました。中国各省のGDP合計が、中国共産党中央政府が公表した、全体のGDPよりも小さいということは何度もありました。

最近では、このようなことはさすがに見られなくなりました、ただし、これは中国の統計が正しくなったのではなく、中央政府と各省の統計をすり合わせて、矛盾が出ないように調整した結果であると私は思っています。

高橋洋一氏などは、輸出入などの推移から、GDPを推計値を出していますが、やはり乖離があるそうです。GDPはごまかせても、輸出入の数値は、相手があることですから、ごまかせません。

この状況を私は、このブログで中国の統計は、統計ではなく「政治的メッセージ」であるとし、揶揄したことがあります。中国の武漢ウイルス感染者の統計は、その程度のものであると解釈すべきです。


中国では、これだけではなく、もっと疑念のわくようなことが行われています。

Twitterでは3月4日「日本肺炎」がトレンド入りしました。情報を総合すると、中国大使館が2月27日、公式サイトで日本に暮らす中国人に宛てたメッセージがもとになっていました。

そのメッセージは漢字でこう書かれていました。「目前、日本新型冠状病毒肺炎疫情不断変化、我在日同胞対此高度関注」(日本語の漢字に直しています)。

この冒頭部分の「日本新型冠状病毒肺炎」から、「日本肺炎」という名称が生み出されたとみられます。

ところが、これは初歩的な誤訳です。文中の「日本」は「疫情(感染の状況)」にかかっているため、正しくは「日本での新型コロナウイルスの感染の状況が常に変化しているため、我々の日本に住む同胞から高く注目されている」と訳すべきです。

この「日本肺炎」という言葉が一人歩きし、「中国がやりそうなことだ」などと日本国内で反感が広がっています。こうした投稿に対し、中国大使館がリプライで誤訳を指摘する事態にまでなっています。

この誤訳について、筆者は複数の中国人にも確認した。彼らはいずれも「日本肺炎とは読めない」と指摘しました。Twitterでは、誤解を招きかねない表現だとする意見もありますが「中国人なら読み間違えるはずがありません」「その指摘には無理があります。そう思う人はいないでしょう」とのことでした。

また誤読からデマが広がっていることに関しては「大丈夫です、デマはいつかデマだと分かりますから」と話していました。

武漢ウイルス感染症については、COVID-19という名称がつけられました。WHO(世界保健機関)は、2015年に制定されたガイドラインに沿って「地理的な場所や動物、特定の個人や集団を指していないこと」が重要視されたと説明しています。

中国外務省の趙立堅副報道局長は13日、世界中で感染が拡大している新型コロナウイルスの発生源が米軍の研究施設だと推測する記事をツイッターで紹介し、拡散するよう呼び掛けました。趙氏は12日夜には「(湖北省)武漢市にウイルスを持ち込んだのは米軍かもしれない」と主張しました。

中国外務省の趙立堅副報道局長

新型コロナウイルスは、野生動物から人間に感染したとみられており、武漢市から世界中に広がったとされています。しかし、趙氏が紹介した国際ニュースを扱うサイトの記事は、昨夏に閉鎖された米メリーランド州の米軍施設にあったウイルスに感染した米軍人がスポーツ大会に参加するため昨年10月に武漢市を訪れ、「数千人の市民に感染させた可能性」があるとしています。

趙氏はツイッターで「米国はデータを公開せよ!」と訴えました。しかし、この記事は米軍施設のウイルスが発生源だと断定する具体的な根拠を示していません。筆者は、上海在住で復旦大学の客員教授を務めるラリー・ロマノフ氏とされています。

趙氏のツイッターに対しては「デマ」「共産党の宣伝」などと批判的なコメントが多いです。中国外務省の耿爽副報道局長は13日の記者会見で、趙氏の主張が中国政府の見解かどうかについて言及を避け、「ウイルスの発生源(がどこか)は科学的な問題としています。
この非現実的な主張は、恐らく、イラン、イタリア始めヨーロッパで大拡散している隙を見て、得意の情報操作を始めたということの証左かもしれません。
このような状況でも、日本の親中派は、のほほんとしています。自民党の二階幹事長も「この騒ぎが収まったら中国にお礼に行く」と愚かなことを語っています。
2月の下旬習近平は、「コロナウイルスの発生源を全面的に明らかにせよ」と科学者らに指示したことされています。

感染研究所を訪問した習近平(中央で指を差している人物)

これは各専門家に何か手を打てと命令を出したものです。専門家らは、これらを指示を忠実に実行しはじめたということでしょう。

日本軍による「南京大虐殺」もこのような情報操作により創作されました。日米とも、注意しないと危険です。中国は、執拗に世界中に情報操作をして、50年後ぐらいには「武漢肺炎」が「美国(中国語で米国のこと)肺炎」や「日本肺炎」になってるかもしれません。

ただし、世界中に情報ネットワークが張り巡らされた今日ではそのようなことはなかなかできないかもしれません。ただ、時間の経過で世界の人々から記憶が薄れたときに、WHOは無論の事、世界中の報道機関を金で抱き込み操作して、「美国肺炎」か「日本肺炎」になっているかもしれません。

そのようなことになる前に、日米は、中国共産党を崩壊させるか、経済的に追い込み、現在のロシアのように韓国なみの経済になるまで弱体化させ、経済的に無価値な国にしたほうが良いでしょう。50年後にも、中国共産党が情報操作できるようであれば、この世は、暗黒世界になっているでしょう。

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2020年3月13日金曜日

トランプは見事に「コロナウイルス検査」に合格:グッドウィン―【私の論評】トランプ大統領は「狂ったピエロ」ではない(゚д゚)!

トランプは見事に「コロナウイルス検査」に合格:グッドウィン

<引用元:ニューヨーク・ポスト 2020.3.12>マイケル・グッドウィン氏による寄稿

大きくて大胆、楽観的で心がこもっていた。トランプ大統領の大統領執務室からの演説はまさに米国が聞く必要のあるものだった。



これは大統領が危機に真っ向から立ち向かおうと奮起する姿だ。

全国に不安とパニックが広がり景気後退の恐れがある中で、トランプは大統領となって最大の試練に直面している。民主党、偏向メディア、そして敵対国との荒々しい戦いでは百戦錬磨であっても、トランプはコロナウイルスによって違った重大性を持つ問題を提示されている。

それは米国に戦争を宣言した世界的な厄介者だ。正直に言うとここ数週間の中で、大統領がやる気のないの最高司令官に見えたこともあった。

ありがたいことに、11日の夜の時点でそのやる気のなさは過去のものとなり、疑う余地なくこの命にかかわる災難との戦いに全面的に取り組んでいる大統領となっている。

流れを変えてこの勝負にさらに力を入れようという意欲は、これが国にとっても自身の大統領としての立場にとっても、重大な瞬間であることの理解を映し出している。「歴史が何度も繰り返して証明しているように、米国人は常に困難にうまく対処して逆境を乗り越えている」とトランプはある時点で述べた。自身が目前に迫る危機の深刻さを認めていると強調するためであるかのように。

嫌う人は認めないだろうが、トランプの今の瞬間に対応する能力は、彼が選挙で選ばれて、偉大な米国の雇用の仕組みを前例のない極みに導くことに成功した理由について思い起こさせるものだ。唯一のなぞは、なぜ左派の知性があるとされる人たちが、何百万人もの同胞が4年前より暮らし向きが向上している事実から目を背けるのかということだ。

その問題は11月に決着がつけられるだろうが、今のところ全国はこの無言の敵に対抗する活動に団結するべきだ。その目的を達成するためには、演説は成功だった。というのもコロナウイルスの拡大を止めるのに役立つ具体的行動と、被害を受けた個人と企業に対する援助の約束があったからだ。

欧州からの30日間の渡航禁止は確かに最も強力な対策だが、そこでの、特にイタリアでの病気の広がりは、ここで起こり得ることに関する教訓である。いちかばちかの賭けは無責任であるため、門戸を閉ざすのは賢明だ。

イタリア感染地図

思い出してほしいのだが、1月にトランプがほとんどの中国人の入国を止めたのは正しかった。実のところトランプ批判者の多くはまだ認めることができないでいる。それでも彼らは間違っている。

大統領は最高司令官の役割も果たさなければならず、中小企業ローンや他の措置の概要を説明することでそれを行った。その中には曖昧で今後まとめる必要のあるものもあった。また実際的に役立つ詳細を省略せずに、人々に手を洗うよう促した。それは大統領執務室では初めてのことかもしれない。

しかし、最も重要な課題は、自身の指導の下で米国民に信頼感を与え、国を反対側に導こうという決意を示すことだった。トランプが団結と党派を超えた姿勢を求めたのはその約束の一環だが、現実を受け止めればそれが起こる見込みはほとんどない。

ワシントンには非常に大きな反目があり、民主党幹部、ナンシー・ペロシ下院議長とチャック・シューマー上院少数党院内総務は、トランプのコロナウイルスに対する初期対応を容赦なく非難することでさらに「井戸に毒」を入れた。全くしょっぱなから、彼らは解決策を見つけるのに協力するのではなく再び大統領を弾劾したいかのように思われた。

そのため彼らもまた幹部に対する批判を受けている。彼らはこの命にかかわる病気との戦いに協力して国を落ち着かせようとするだろうか?それとも管理責任を放棄し続けて、国の健康と安心よりも自分たちの党派的利益を先立たせるのだろうか?

彼らが何を決めても、米国は今勝利に向けて尽力する大統領がいることを知っている。それが最も重要なことだ。

【私の論評】トランプ大統領は「狂ったピエロ」ではない(゚д゚)!

このブログでは、以前から人口の異なる国々の感染の度合いを、感染者数で測るのは間違いであることを指摘してきました。米国の人口は3.272億人です。日本は、1.268億人です。中国は13.86億人です。韓国は、5147万人です。これだけ人口が違うのに、日本の新聞やテレビは、感染者数を出すことにより、視聴者に大きな誤解を与えています。

米国も例外ではないようで、上の記事では、感染者が1000万人を超えたことを一つの区切りにしているようです。

10万人あたり、感染者数については、昨日もこのブログにも掲載しました。その記事のリンクを以下に掲載します。

イタリア 感染者が1万人超える 新型コロナウイルス―【私の論評】日本は感染国ではない!見通しを示さず客観性に欠けたマスコミ報道が日本の悪いイメージをつくった(゚д゚)!
衆衛生学では、感染者数を人口10万人あたりでみるのが普通(感染者数➗人口✖10万人)です。そうすると、韓国11・0人▽中国本土5・6人▽イタリア5・1人▽イラン3・6人▽シンガポール1・9人▽香港1・4人▽スペイン0・5人▽フランス0・4人▽ドイツ0・3人▽日本0・3人▽米国0・1人です。 
どちらのデータを見ても、日本が感染国とはいえないです。乱暴ですが、あえてクルーズ船の感染者数を日本に含めたとしても0・8人であり、感染国とはいえないという結論に変わりはないです。はっきりいえば、政府が手をこまねいているうちに、マスコミ報道で日本の悪いイメージができあがったというだけなのです。以下にグラフを掲載します。(以下のグラフの日本には、クルーズ船の感染者は含まれていません)

上で示した数値は、5日現在、グラフは8日現在のものです。さて、米国における、感染者数1000人とは、感染者数を人口10万人あたりでみる見方ではどうなるのでしょうか。

1000人➗3.272億人✖10万人=0.3ですから、10万人あたりでは、0.3人です。これは、かなり少ないです。米国は現時点では、感染国とはいえないです。感染国といえるには、少なくともこの数値が1人でないと言えなです。

それにしても、5日現在では、0.1人だったものが、0.3人を超えたわけですから、やはり軽快を強める必要はあると思います。

だからこそ、トランプ大統領が、大統領執務室からの演説をすることを決めたのでしょう。そうして、このトランプ大統領の演説は、ニューヨクポストのマイケル・グッドウィン氏によれば、素晴らしいものであったようです。

本日は、今朝ワイドショーをみていると、パックンなどか登場して、トランプ大統領が東京オリンピックは延期した方が良いかもしれないという発言に関して、さんざんトランプ大統領をこき下ろしていました。



トランプは「専門家の言うことを絶対に聞かない」「その自信が危機を招く」「バイデンのほうがまとも」など様々な批判が飛び交い、なにやら、この話だけを聴いていると、トランプ大統領はさながら、「狂ったピエロ」のような印象でした。

しかし、これには以前からこのブロクで主張していたように、米国のメディアのほとんどがリベラルで占められていて、大手新聞は全部リベラル、大手テレビ局はフォックスTVだけが、保守系であり、残りの大手放送局はすべてリベラルであることが影響しているようです。

パックンは米国人ですが、彼の普段の発言を聴いていると彼は、生粋のリベラルのようです。だから、ある意味トランプ氏をこき下ろすのは当然なのです。そうして、日本のメディアはトランプ氏に関しては、米国のリベラルメディアの受け売りをしているだけです。

そのため、日本ではトランプ大統領が誕生することをいずれのメディアも予測できませんでた。最後の最後まで、ヒラリー大統領誕生の姿勢を崩しませんでした。

今回の武漢ウイルスへの対応も、日本のメデイアだけを見ていると、トランプ氏のやりかたは「狂ったピエロ」としか思えないでしょう。

やはり、複数のメディアにあたることと、客観的データを見ながら判断すべきです。そうでないと、何も見えなくなります。

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2020年3月12日木曜日

「特措法」改正で野党の微妙な立場 緊急事態宣言に「改憲」への懸念も 民主党時代の法律否定もできず ―【私の論評】安倍総理が主張するように、いますぐ「緊急事態宣言」を出す必要はない(゚д゚)!

高橋洋一 日本の解き方

左から立憲民主党・枝野幸男代表、福山哲郎幹事長
新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正案は最速で13日にも成立する見通しとなっている。今回の新型コロナウイルスを対象に加える法改正によって、何ができるのか。「緊急事態宣言」について懸念する声もあるが、どのような問題があるのだろうか。

 新型インフル特措法は、民主党政権下の2012年に制定された。同法32条により、内閣総理大臣は「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」を行うものとしている。

 今回の場合でも、安倍晋三首相は「新型コロナウイルス緊急事態宣言」を行うことができるようになる。また、現在、事実上政府より行われている外出自粛要請や興行場、催物等の制限等の要請・指示についても法的根拠となる。生活関連物資等の価格の安定(国民生活安定緊急措置法等の的確な運用)も規定されており、マスクに関する政府措置の法的根拠にもなる。

 さらに、政府関係金融機関等による融資が規定され、国や都道府県による費用の負担のほか、損失補償や損害補償等の財政負担についても規定されている。これらは今回の新型コロナウイルスの場合にも適用される。

 ただし、財政措置については、現行法は医療関係に限定されているので、改正法案では学校休校などに伴う補償措置なども盛り込まれるだろう。

 新型インフル特措法は民主党政権で成立したものだが、個人の自由や権利の制限につながる恐れもあることから、日本弁護士連合会や日本ペンクラブは反対していた。当時、野党だった自民党ですら、恣意的な緊急事態宣言への懸念を表していた。

 ところが、今回は攻守所を変えて、与党の自民党が攻めている。興味深いのが、自民党は憲法改正において緊急事態条項を掲げていることだ。緊急事態宣言と緊急事態条項は名称は似ているが、前者は法律事項、後者は憲法事項という違いがある。

 ほとんどの国の憲法には、緊急事態条項がある。ワイマール憲法での緊急事態条項がナチス政権の暴走を招いたとされるドイツでも、戦後ナチス再来を防ぐために、緊急命令権をなしとするなど工夫して緊急事態条項をドイツ連邦共和国基本法(憲法)中に規定した。しかし、今の日本国憲法にはそもそも緊急事態条項がないため、自民党では憲法改正によって盛り込もうとしている。

 もっとも、憲法の範囲内で国民の権利制限が可能となる例として、災害対策基本法、国民生活安定緊急措置法、新型インフルエンザ等対策特別措置法などがある。

 そこで自民党は、憲法の範囲内で緊急事態宣言を行おうとして、新型インフルエンザ等対策特別措置法の改正という「変化球」を投げ込んできた。

 しかし、これは、野党にとっては憲法改正への一里塚に見える。野党としては、憲法改正への機運が盛り上がると困る。かといって、民主党時代の法律を否定もできないという微妙な立場になる。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】安倍総理が主張するように、いますぐ「緊急事態宣言」を出す必要はない(゚д゚)!

新型コロナウイルスの感染拡大に備え「緊急事態宣言」を可能にする新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案は12日、衆院本会議で賛成多数で可決され、衆院を通過しました。自民、公明の与党に加え、立憲民主党、国民民主党などの野党も賛成した。13日の参院本会議で成立する見通しです。

緊急事態宣言といえば、すでに北海道ではだされています。しかし、留意すべきは、北海道の緊急事態宣言には法的根拠がないことです。あくまでも自主的な呼びかけに過ぎず、国民(北海道民)や企業に対する強制力はありません。

一方、法整備が検討されている新型インフルエンザ対策特別措置法の改正案に基づく緊急事態宣言には、強制力があり、その前提の違いを正しく認識する必要があります。すなわち、法律に基づく「緊急事態宣言」では、自粛ではなく強制的な企業活動の縮小・停止、外出の禁止といった事象が発生する可能性があるということになります。

緊急事態宣言の流れを以下に掲載します。


立憲民主党の山尾志桜里衆院議員は12日、同党などでつくる野党統一会派の会合で、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、首相による「緊急事態宣言」を可能とする改正案の採決で反対することを表明しました。同日の衆院本会議で同党は賛成する方針で、山尾氏が造反を宣言した形です。

「緊急事態宣言」をめぐって、野党は、権限行使に一定のハードルを設ける必要があるとして、改正案に「国会による事前承認」(緊急時は事後承認)を明記する修正を求めていました。

ところが、与野党の断続的な協議を経て、立憲や国民民主党は改正案の付帯決議に「国会に事前に報告する」という文言を盛り込むことで妥協。党としては、賛成に回ることを決めました。

 立憲執行部の内実を暴露する山尾議員。指摘された安住国対委員長は背後からニラミつけた。
 =12日12時45分頃、衆院第4控室
この、「緊急事態宣言」を可能にする新型インフルエンザ等対策特別措置法改正案は明日にも成立しそうですが、成立したからといってすぐに「緊急事態宣言」が出されることはないでしょう。

なぜなら、このブログでも昨日示したように、日本はどう考えてみても現時点で深刻な感染国とはいえないからです。

その記事のリンクを以下に掲載します。
イタリア 感染者が1万人超える 新型コロナウイルス―【私の論評】日本は感染国ではない!見通しを示さず客観性に欠けたマスコミ報道が日本の悪いイメージをつくった(゚д゚)!
この記事から一部と、グラフを引用します。
各国の感染者数は、5日現在で、中国本土8万272人▽韓国5621人▽イタリア3089人▽イラン2922人▽その他(クルーズ船)706人▽日本331人▽フランス285人▽ドイツ262人▽スペイン222人▽米国153人▽シンガポール110人▽香港105人なです。 
ワイドショーなどでは、感染者数だけ報道し、結局脅威を煽るようなことになっていますが、これは以前のこのブログの記事でも示したように、もっと客観的に見るべきです。人口の多い国が、感染者が多くなるのは当然のことで、人口の多い国も少ない国も、感染者数だけでみたり、比較するのはあまり意味がありません。 
公衆衛生学では、感染者数を人口10万人あたりでみるのが普通(感染者数➗人口✖10万人)です。そうすると、韓国11・0人▽中国本土5・6人▽イタリア5・1人▽イラン3・6人▽シンガポール1・9人▽香港1・4人▽スペイン0・5人▽フランス0・4人▽ドイツ0・3人▽日本0・3人▽米国0・1人です。 
どちらのデータを見ても、日本が感染国とはいえないです。乱暴ですが、あえてクルーズ船の感染者数を日本に含めたとしても0・8人であり、感染国とはいえないという結論に変わりはないです。はっきりいえば、政府が手をこまねいているうちに、マスコミ報道で日本の悪いイメージができあがったというだけなのです。以下にグラフを掲載します。(以下のグラフの日本には、クルーズ船の感染者は含まれていません)


上で示した数値は、5日現在、グラフは8日現在のものです。少し古いので、日本だけ本日の最新の数値で計算してみます。本日は、日本の感染者数は649人ですから、10万人あたりでは、0.6人です。これでは、どう考えてみても現状で「緊急事態宣言」を出すような状況ではありません。これが、1人、2人と増えた場合、もしくはそこまでいかなくても、急速に増えた場合には「緊急事態宣言」を出すべきでしょう。

実際、国会で、新型コロナウイルスをめぐる現状について、安倍首相は、自治体による外出自粛の指示などが可能となる「緊急事態宣言」を出すような状況ではない、との見解を示していました。

政府は今後、新型コロナウイルスの感染が急速に拡大し、重大な影響が出そうになった場合、「緊急事態宣言」を出して政府や自治体が、外出自粛の指示などの強い措置をとれるようにするため、『新型インフルエンザ等特別措置法』の改正を目指しているのです。

こうした中、参議院予算委員会で野党議員は「すでに緊急事態ではないか」と安倍首相を追及しました。

日本維新の会・松沢成文議員「世界的な蔓延、つまり、パンデミック宣言、もうせざるをえないっていうところまで来てるんですよ。緊急事態だということを、なぜ言えないんですか」

安倍首相「(現状は)緊急にさまざまな対応をしなければいけない事態ではありますが、法的に『緊急事態』であるかどうかということについては、感染のスピードが急速に拡大しているということではまだないわけでございまして」と説明していました。

10万人あたり感染者数から判断すると、まさに安倍総理の考えは正しく、野党の追求は頓珍漢です。野党は、追求しようとするなら、明確なエビデンスにもとづき追求すべきです。過去の「もりかけ桜」も、明確なエビデンスではないもので、追求していましたが、野党はこのようなことばかりを繰り返してきたので、国会でまともに追求することもできないようです。

日本のマスコミも頓珍漢なのですが、政府のほうも10万人あたりの感染者数を開示するなどして、国民に対して客観的な正しい情報を伝えていくべきと思います。

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