トランプ大統領 |
本年11月に行われる米国大統領選挙はメデイアの影響を強烈に受けます。
米国において、ワシントンポスト紙やニューヨークタイムズ紙などの新聞や、CNN、NBC、ABC、CBSなどのテレビを中心とするメインストリート・メディアは、全て反トランプ派のメディアです。
トランプ大統領に好意的なメディアはオーストラリアのメディア王・ルパート・マードックが設立したFOXテレビくらいです。
日本を含めた海外のメディアは米国のメインストリーム・メディアの翻訳バージョンのニュースばかりを配信していますから、かなり反トランプの色彩が濃い、偏見に満ち溢れた情報が日本では大量に流れていると言って良いでしょう。
その辺に関しては私が過去に配信したYouTube動画をご視聴頂ければ理解が深まると思います。
因みに、監視機関「メディア・リサーチ・センター(Media Research Center)」のプロジェクトである「ニュースバスターズ(NewsBusters)」は6月1日~7月31日までのABC、CBS、NBCによる夕方のニュースを分析しました。その結果、トランプ大統領に関する報道時間は512分で、バイデン候補の58分の9倍でした。
同センターの分析によりますと、大統領に対する評価的陳述の668件のうち634件つまり95%が否定的で、これに対してバイデン候補は12件のうち4件が否定的でした。
これはトランプ大統領のネガテイブな報道はバイデンの158倍以上という事実をあらわしていますが、流石にやり過ぎ感満載と言うべきでしょう。
トランプ大統領が6/22にオクラホマ州で開催した集会では、トランプ大統領から槍玉にあげられているtiktokのユーザーが、この集会に欠席する前提で、大量のチケットをオンラインで予約し、実際の参加者を減らしていたことがわかっています。
因みに、この集会には100万件以上もの参加申し込みがありましたが、上述のような意図的なキャンセルがあったおかげで、実際には19,000人しか参加しなかったのです。
それ故に、SNSが今年の大統領選における大切な武器の1つであるのは間違いないと言えるのです。
蛇足ですが、日本で皆さんがもし総理大臣だとして、一つのテレビ局以外の全てのメデイアが皆さんの足を引っ張る報道しかしないとしたら、それはフェアなメディアのあり方だと思われますか?
トランプ大統領は億万長者です。どちらかと言えば、米国の中産階級よりも、グローバリストに遥かに近い立場にあるにもかかわらず、何故グローバリストを敵にまわして大統領になり続けるのでしょうか?
トランプ大統領がそんなことをしなくても裕福に暮らしていける身分にあるにも関わらず、人生最期の時間を、本来自分とはあまり関係ない中産階級の人たちの生活を良くするために使おうという意味はどこにあるのでしょうか?
なぜ「初期の認知症」のバイデン氏が民主党の大統領候補になったのか
バイデン候補は77歳。米国のZogbyの調査によれば、米国の有権者の実に55%が「バイデンは初期の認知症である」と感じているようで、若者になるとその比率は60%を超えています。
若くて有能な人材で豊富なはずの米国で1973年から47年間も議員生活をして別段実績を出して来なかった老人政治家が、何故このタイミングで米国大統領候補になったのでしょう?
バイデン候補以外の候補者は社会主義派のバーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレン、億万長者のマイケル・ブルムバーグ、LGBTのピート・ブティジェッジ、中道・穏健派ですが無名のエイミー・クロプシャーでした。
しかし、2016年のヒラリークリントンの時のように、別格な候補者は居ませんでした。従いまして、結果的には、消去法で候補者を選ぶことになったようです。
黒人とのハーフであるオバマ元大統領や初の女性大統領候補のヒラリークリントンの様に民主党はこれまで話題性のある候補者を選出していることから、LGBT代表のピート・ブティジェッジを当初は押していました。
ところがまだLGBTの大統領を選出するには時代が早かったようで、ブティジェッジ氏は票を伸ばせず撃沈しました。続くバーニー・サンダースとエリザベス・ウォーレンは社会主義思想が強すぎてやはり同様に無理と判断しました。ウォール街出身のマイケル・ブルムバーグは知名度もあり、個人資産が全米トップ11にランクする富豪ですので、資産を使って大統領になることが期待されましたが、出馬表明が遅すぎたため撤退しました。
結果、残ったのがバイデンなのです。
メディアは当初、バイデン候補をけなしていましたが、急遽、持ち上げまくるようになり、現在に至っています。
日本のメディアが絶対に書かないバイデン候補の正体
バイデン候補は、いわゆる「叩けば埃が出る」ような人だと言われています。
バイデン候補だけでなく、息子のハンター・バイデンも灰色の人物であり、要するにバイデン一家は問題一家だとも言えるのです。
それではどのような灰色の事案がバイデン候補の周りに見られるのかをここで紹介します。
1) バイデン候補の息子ハンターが、国防総省の定める「戦略的競争相手」である中国の企業に、積極的に投資していることが注目されていました。
バイデン候補は、息子ハンターが上海の未公開株投資会社BHRパートナーズの取締役を辞任したと発表しましたが、専門家の分析によれば、ハンターはまだ420万ドルの資産を保有しています。
2) バイデン候補が副大統領時代に、ハンターがウクライナエネルギー企業プリスマ社の取締役として2014-2019年に毎月5万ドルの給与を受けていました。
3) 倫理を監視するNPO団体・国家法律政策センター(National Legal and Policy Center、NLPC)は5月21日、教育省へ文書を提出したと発表しました。
NLPCは、バイデン・センターが過去3年間で「中国から受け取っている7000万ドル以上の資金のうち、2200万ドルは匿名」であり、情報の開示と全面的な調査を要求しています。
バイデン・センターとは、ペンシルベニア大学にバイデン氏が創設した公共政策提言組織です。公的記録によりますと、バイデン・センターは開設以来、中国から多額の寄付を受けていて、2018年の1件の寄付は「匿名」からで、総額1450万ドルでした。
ハンター・バイデン氏 |
などなどです。
「スキャンダルのデパート」バイデン候補がなぜ大統領候補になるのか?
バイデン候補が大統領選挙で勝利した場合、彼は米中貿易摩擦縮小、TPP導入、学生ローン負担減少、オバマケア継続、再生可能エネルギー需要増加、国境廃止による米国への移民増加、中国の通信機器大手・ファーウェイへの制裁解除、イラン制裁解除、公共投資減少などを推進すると表明しています。
まさに、トランプ大統領が強力に進めた政策の多くが反転することになります。
また、議会の反対もありますから可能かどうかはわかりませんが、バイデン候補は中国への経済制裁を解除する意向も口にしています。
つまり、彼が大統領になれば、グローバリスト(無国籍企業の宝庫であるシリコンバレーや国際金融資本家のるつぼであるウォール街やその他大企業群)は皆、恩恵を受けることができるのです。
ですから、バイデン候補はこうした利益受益者たちから凄まじい金額の選挙資金を受けていると言われています。
その証拠にバイデン候補はテレビCMに2億2000万ドル、デジタル広告に6000万ドルの予算をあてていると表明しています。
一方、トランプは現職の大統領にも拘らず、僅か1億4700万ドルに過ぎません。その額はバイデン候補の半分程度に過ぎないのです。
11月の米国大統領選はグローバリストとナショナリストとの戦争
11月の米国大統領選はバイデン候補の後ろ盾となって国境を無くそうとしているグローバリストVS豊かになれない米国中産階級の支持を得たトランプ大統領をはじめとするナショナリストの戦いです。
そして、万が一、バイデン候補が勝利した暁には、米国はグローバリストの餌食となり米国衰退のスピードが急速になると言われています。
それでもトランプ大統領が勝利する?
バイデン候補はほぼ1年近くのあいだ、全国的な世論調査でトランプ大統領に対してずっとリードしつづけてきました。
ここ最近ではバイデン候補の支持率は50%前後で、トランプ大統領に10ポイントもの差をつけることもありました。
しかし、これはメディアによってかなり歪められた結果であるとも考えられます。
投票日までまだ1カ月以上ありますが、メディアが正しい情報を報道していない中、果たして米国民に正しい決断が出来るのかが問題です。
これに関しては、以前私はYoutubeの動画を配信しましたので是非、ご視聴ください。
そうでなければ、グローバリストの餌食となった米国民の未来は間違いなく暗黒化するからです。
たとえ多くのメディアに大多数の米国民が騙されているとしても、彼らは本能的にバイデン候補を大統領にしてはいけないと分かっている、と私は信じています。
日本のメディアによって情報統制されている皆さんには嘘のように聴こえるかも知れませんが、トランプ大統領は米国民にとって一筋の希望の光なのです。
立沢賢一(たつざわ・けんいち)
元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資家サロンで優秀な投資家を多数育成している。
Youtube https://www.youtube.com/channel/UCgflC7hIggSJnEZH4FMTxGQ/
投資家サロン https://www.kenichi-tatsuzawa.com/neic
米国のテレビ局は、バイデン派とトランプ派にはっきりと分かれて報道し、中立という立場はないようです。
日本のテレビ局のすべてはリベラル派で、新聞は産経新聞だけが保守派であとはすべてがリベラル派です。そのためもあってか、日本のメディアを観ていると、トランプ大統領がいかにも悪辣な人物に思えてくる偏向報道ぶりです。
米国のテレビ局のように露骨ではないですが、バイデンに好意的です。
さて、問題の対中政策ですが、多くの識者が、たとえバイデンが勝ち民主党政権になっても、対中強硬策は変わらないと予想しています。
確かに、中国はアメリカの覇権に挑戦しているわけなので、それを跳ね返すのは超党派の方針のはずです。しかし、本当にそうでしょうか?
バイデンは中国が知的財産を盗んでいることは認めていますが、現在の対中関税は撤廃し、WHOにも復帰すると言っています。それでいて、どうやって中国の攻勢を止めるのか具体策は述べません。この点では、トランプ氏とは対照的です。
「中国は態度を改めなければならない」等とは言うのですが、一体どうやって改めさせるのか、よくわかりません。本人も自分で何を言っているのか、本当にわかっているのか定かでない印象は、SNSの動画を見ても十分わかります。
これではトランプ嫌いやバイデン推しの人たちも心配になるわけです。確かに米国においては中国の脅威については、超党派で理解されているようではあります。
しかし、ここで問題なのは、その脅威にどう対処するかです。ひとつの考え方が、中国に関与しながらも望ましい方向へ誘導することです。
一方、トランプ政権が推進しているのが、デカップリグです。つまり、中国と関わらないようにするという政策です。
最近、ポンペイオ国務長官が『クリーンネットワーク』という構想を発表しました。通信ネットワークから中国企業を徹底的に排除するという政策です。
ファーウェイなど中国企業による情報の抜き取りリスクを考えれば当然の措置ですが、まさにデカップリング政策です。
バイデンは、中国のリスクを理解していると言いながら、中国に関与しながらも望ましい方向へ誘導する立場(エンゲージメント派)のようです。
このブログにも掲載したように、2018年に習近平が「米国を頂点とする現在の世国際秩序を中国が塗り替えていく」と公表して以来、米国では天安門事件以降のエンゲージメント政策が完全に失敗したという前提に立って、現在の対中強硬策があるのですが、どうもバイデンは、時計の針を2年前に戻してしまおうと考えているようです。
エンゲージメント派というと体裁は良いですが、一言で言ってしまえば、中国市場で散々金儲けに励みながら、中国が豊かになって行けば自分たちと同じような自由主義的な資本主義に移行し、自分たちに脅威を与えることはないだろうと勝手に楽観視していただけです。それが完璧に間違いであったことは、すでに白日の下に晒されたと言って良いです。
サイレント・インベージョンの著者であるクライブ・ハミルトン教授は、マレイキ・オールバーグ氏との共著『Hidden Hand (隠れた手)』で、バイデンについて以下のように記述しています。
クライブ・ハミルトン教授 |
バイデンセンターについては、冒頭の記事にも掲載されています。これがバイデンとその息子のチャイナ・エンゲージメントです。バイデンはこれらを失いたくないのかもしれません。そうであれば、バイデンこそ自由主義諸国にとって最大のリスクになり得ます。
●2019年5月、ジョー・バイデンは、中国がアメリカにとって戦略的脅威であるという考えを嘲笑することで、民主党の大統領候補の他の全ての候補者とは一線を画した。
●バイデンは長年、中国に対してソフトなアプローチを採用していた。
●2013年12月にバイデン副大統領が中国を公式訪問した際には、息子のハンターがエアフォース2に搭乗していた。
●バイデンが中国の指導者とソフトな外交をしている間、息子のハンターは別の種類の会議をしていた。
●そして、渡航から 2 週間も経たないうちに、2013年6月にジョン・ケリーの継嗣子を含む他の2人の実業家と一緒に設立したハンターの会社は、プライベート・エクイティの経験が乏しいにもかかわらず、中国政府が運営する中国銀行を筆頭株主とするファンドBHRパートナーズを開設するための契約を最終決定した。
では今後、日本はどうしたら良いのでしょうか。仮に最悪バイデンが大統領になったとしても、米国議会や司法当局は、ほとんどが反エンゲージメント派です。日本は、相対的自立度を高めながらも、米国議会との連携を強め、さらに豪印との連携を強めていくべきです。
安倍総理(当時)とトランプ大統領 |