- 米国とアンゴラの関係が改善し、アンゴラは鉄道プロジェクトを米国主導のコンソーシアムに発注
- 米国は資源確保、雇用創出、気候変動対策、経済発展のメリットが期待できる
- アンゴラは隣国コンゴの紛争解決に協力的で、ロシアにも厳しい態度
- 米国がアフリカの重要性を認識し、経済支援で関係強化を図る姿勢が見える
- 日本も経済協力を通じた外交関係の強化が必要
グローバルサウスを巡っての米国と中国、ロシアの経済支援の駆け引き |
この鉄道プロジェクトにより、米国はレアメタルなど重要資源の確保先を多様化できる。アンゴラ国内の雇用創出や両国の気候変動対策への貢献、沿線地域の経済発展も期待され、米国にとっては「一石四鳥」の効果がある。さらにアンゴラは、隣国コンゴでの紛争解決に真剣に取り組むなど、これまで最大の支援国であったロシアに対しても厳しい態度を示している。
これらの動きは、米国がアフリカの戦略的重要性を再認識し、経済支援を通じて双方にメリットのある関係構築を目指す姿勢の表れだ。米国は、制裁を中心とした外交から、協調と経済協力を柱とする外交へ舵を切る必要に迫られている。日本もまた、経済支援を通じた外交関係の強化に注力すべき時期に来ている。アフリカ諸国との関係再構築は、日米が連携して取り組むべき重要課題といえる。
- 日米がかつて中国に対して経済支援を行ったが、中国は軍事力を拡大
- 日本はODAなどで中国の経済発展を助け、技術移転も許した
- 米国はWTO加盟を認めたが、中国は公正なルールを守らず技術を盗用
- トランプ政権以降、米国は中国に厳しい姿勢に転じている
- 全体主義国家への経済支援は慎重であるべきだが、一切支援しないのは現実的でないものの、日米欧は、過去の失敗を活かし、明日の中国を育てるようなことはすべきでない。
日本をうまく利用した中国、台湾と尖閣も必ず狙ってくる 関係を見直す時期ではないか―【私の論評】ODA と超円高と中国の日本浸透を許すことで、中国を怪物に育てあげてきた日本(゚д゚)!この記事は、2022年10月6日のものです。詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事から結論部分を引用します。
日本は、ODAで中国を助け、中国の軍事を含むインフラを発展させ経済の基礎を築き、日銀の金融引締による円高で、今度は中国の経済を伸ばし、その後は「統一戦線工作」を封じなかったため技術移転などを促進させてきました。そのため、産業技術において、中国に自立するきっかけを与えることになりました。これによって、日本は結果的に中国を怪物に育て上げてしまったのです。
現在、 中国へのODAはなくなり、日本は円安です。この状態は中国にとってはかなり苦しいでしょう。特に、日本が円安ということは、中国にとっては大きな打撃です。
この2つは維持して、最後の「統一戦線工作」を日本が封じれば、中国にとっては大打撃です。
にもかかわず、愚かなことに我が国は、非常に多くの安全保障上の制約やタブーを自ら設けています。安倍元総理はこれを変えようとしたのですが、志半ばで暗殺されてしまいました。
日本人は、もっと危機感を持たなければいけないです。新たな危機と冷徹な国際社会の現実を踏まえ、未来を見据えた安全保障のあり方を議論すべきであり、根本的に日中関係を見直す時期にきているといえます。
米国も大失敗しています。特に中国をWTOに参加させたことは、大失敗でした。これについても、この ブログに掲載したことがあります。
日米蘭3国で「対中包囲網」強化 WTO提訴も単なるパフォーマンスに 中国の野心に大打撃与える先端半導体装置の輸出規制―【私の論評】中国が「半導体技術の対禁輸」措置を日米蘭から喰らうのは致し方ないことであり、自業自得(゚д゚)!
「半導体は産業のコメ」といわれます。しかし今やコメよりも重要度は高いです。中国が、半導体で外国から「兵糧攻め」に遭えば死活問題です。これから、中国の産業の冬の時代が続きそうです。米国は、トランプ政権時に中国からの輸入品に関税を上乗せするなどの厳しい措置をとるようになりました。続くバイデン政権も、中国に対しては厳しい措置をとっています。
このようなことは、中国に対してかなりきついのではないかと思う人もいるかもしれません。しかし、過去を振り返れば、先進国の「経済的に豊かになれば共産主義中国も『普通の国』として仲間入りができる」という誤った妄想が、中国の肥大化を招き傲慢な「人類の敵」にしてしまったという現実があります。
その代表例が、2001年の中国のWTO加盟です。1978年の改革・解放以来、鄧小平の活躍によって、1997年の香港再譲渡・返還にこぎつけた共産主義中国が、「繁栄への切符」を手に入れたのです。
この時にも、共産主義中国は「WTOの公正なルール」に合致するような状態ではありませんでした。 ところがが、米国を始めとする先進国は「今は基準を満たしていないが、貿易によって豊かになれば『公正なルール』を守るようになるだろう」と考え、共産主義中国も「将来はルールを守る」という「約束」をしたことで加盟が認められたのです。
ところが、加盟後20年以上経っても、共産主義中国は自国の(国営)企業を優遇し、外資系いじめを連発するだけではなく、貿易の基本的ルールさえまともに守る気があるのかどうか不明です。しかも、先進国の技術を平気で剽窃してきました。
中国がWTO提訴に駆け込むなど、片腹痛いとはこのことです。
これを考えれば、現在中国が「半導体技術の対中国禁輸」措置を日米蘭から喰らうのは、致し方ないことであり、自業自得ということができます。
ビーチで寛ぐ中国人富裕層の女性 AI生成画像 |
これを考えれば、米国がアンゴラへの経済支援で成功したからといって、すべてのグローバルサウスに対して、「善行の引き出し」という対応をし続けるわけにはいきません。
現在、グローバルサウスといわれる国であったとしても、経済支援で軍備を拡張して、地域の安全保証を脅かす国がてでくるかもしれません。
だからといって、グローバルサウスに一切経済支援するなと言っているわけではありません。
一番簡単なやりかたは、そもそも全体主義国家、独裁国家には最初から支援しないことです。そうではない国や、いずれ全体主義国家や独裁国家体制を変えると約束した国には経済支援をしても良いでしょう。
たた、経済支援しても、3年くらいしてもかつての中国のように体制等を変えない、特に約束を一切守らない国に対しては、支援継続を検討すべきです。最長5年で、そのような国に対する大規模な支援は打ち切るべきです。人道支援等は継続すべきでしょうが、それも支援対象に支援がいきわたっているかどうかを確認した上で行うべきでしょう。そうでなけば、支援は打ち切るべきてす。
中国への支援の失敗をいかすべきです。日米やEUも明日の新たな危機を生み出すかもしれない経済支援は慎重にすべきです。