2024年2月6日火曜日

令和5年実質賃金、2年連続減 物価高、2・5%マイナス 給与増も追い付かず―【私の論評】岸田首相は、官僚機構と闘う政治家に変貌し続投すべき

令和5年実質賃金、2年連続減 物価高、2・5%マイナス 給与増も追い付かず

まとめ
  • 実質賃金は2年連続でマイナスとなり、消費税率8%への引き上げ時以来の大幅な減少
  • 名目賃金は増加したものの、物価上昇に追いついておらず実質的購買力は低下
  • 所定内給与は増加したが、所定外給与の伸びは鈍く、物価上昇に対応できず
厚生労働省

 厚生労働省の発表によると、2024年の実質賃金は前年比2.5%減で2年連続のマイナスとなった。名目賃金は1.2%増だったものの、物価高騰の影響で実質的な購買力は低下した。
 
所定内給与は春闘の効果で27年ぶりに増加した一方、残業代や賞与を含む所定外給与の伸びは鈍く、物価上昇に追いついていない。

 一般労働者とパート労働者の給与総額ともに増加したが、実質的な所得水準は低下している。

この記事は、元記事の要約です。詳細は、元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】岸田首相は、官僚機構と闘う政治家に変貌し続投すべき

まとめ
  • 消費税率8%引き上げ時賃金低下したこと踏まえ、消費税率10%から5%への引き下げるべき
  • 財源は国債発行と日銀による引き受けでもできる、これはコロナ対策で成功した先例がある
  • 経済成長により中長期的な減税の財源確保は可能
  • 財務省の抵抗が消費税減税の障害となっている
  • 岸田政権には財務省と対峙する政治姿勢を貫き、できれば続投すべき
実質賃金と購買力低下で苦しむ人々 AI生成画像

実質賃金と購買力低下への対応として、即効性のある消費税減税が最も有効と考えられます。

消費税10%を5%に引き下げ、生活必需品の税率を更に引き下げることが考えられます。これにより、低中所得者の負担を直ちに軽減できます。

消費税率を8%に引き上げ時に、実質賃金の低下が生じた経験があることから、消費税税率を8%よりも下げるべきです。

財源に関しては、いわゆる特別会計の埋蔵金をもちいるとか、政府が国債を発行して、日銀がそれを引き受ける等の方法があります。現在の日本なら、十分に可能であり、何の心配もありません。

政府が国債を発行して、日銀がそれを引き受けるという方式は、安倍元総理がいう「日銀政府連合軍」という方式です。これによって、安倍・菅両政権合計で100兆円の補正予算を組み、コロナ対策を実施しました。

そのため、日本は他の先進国等が、一時的に失業率がかなり上昇したにもかかわらず、日本ではそのようなことはありませんでした。また、この時に対策を行ったことにより、岸田政権初期には、経済的にはかなり良いスタートを切ることができました。この方式は現在でも適用できます。

そうして、注目すべきは、100兆円の国債発行による副作用などなかったことです。もし、それがあれば、財務省はこれを盛んに喧伝したはずですが、そのようなことはありませんてした。財務省の立場にたてば、喧伝すれば良いようにもみえますが、これをすれば、様々な矛盾が露呈することを財務省は恐れているいるのかもしれません。

菅氏(左)と安倍氏(右)

そうして、中長期的には、経済成長により財源を確保し、消費税率引き上げを回避できます。これは、財務省には全くない視点です。本当に困ったものです。

ただし、経済が加熱して、物価上昇率が4%を超えるような状態になれは、消費税率を再びあげることも検討すべきです。問題の本質は、消費税が実体経済を無視して、税率が一方的にあがつてきたことです。

本来は、その時々の実体経済にあわせて、上げたり下げたりすべき筋のものです。上がりっぱなし、下がりっぱなしということは、マクロ経済政策的にあり得ないことです。財務省は上げることだけに執着しているようです。

以上は、経済政策の王道です。しかし、なぜかこのようなことは、実現されそうにもありません。それは、いわずとしれた経済政策の理論などとはかけ離れた緊縮命、増税命の、財務省の抵抗があるからです。

「財務省のポチ」とも揶揄される岸田総理ですが、彼の本心はどうなのでしょうか?財務省と対峙する政治家としての真価が問われる時が来たようです。

国会で、経済対策で「税収増還元」を訴えた岸田総理に対し、鈴木財務大臣は「国債償還」を理由にあっさり却下しました。トリガー条項発動にも難色を示し、国民の苦境を無視する姿勢を露呈しました。これは、あるまじきことです。

財務省を中心とする官僚機構は、日本の権力中枢に君臨し、増税を是とするマスコミや学者は官僚と結託し、国民不在の政治が行われています。

近代化や高度経済成長を支えた官僚制は、バブル崩壊後(本当は日銀の誤謬による金融引き締めが原因)の経済停滞に無策でした。政治主導への転換がなされず、過去30年給料は上がらず、国民の可処分所得は減少しつづけました。財務省は予算の見直しをせず、国民から税を搾り取るだけです。

財務省こそ本当の国民の敵です。岸田総理は「減税」を主張するも、鈴木大臣は「財源がない」と抵抗。本来、総理の指示に従うべき大臣が財務省に逆らえない構造になっています。

岸田総理は人事権を行使し、鈴木大臣や財務省幹部を更迭できます。しかし、麻生太郎氏ら財務省と繋がる政治家への圧力は、総理の座を脅かしつつあります。最近の政治資金不記載問題も、財務省が裏で糸を引いているという可能性が大です。

しかし、財務省は国家の財布を握り、情報力も圧倒的です。財務省に逆らうと、税務調査や不祥事の暴露など報復を受ける可能性があります。

ただ、SNSや動画配信の普及により、多くの国民は情報に敏感になり、財務省批判が強まっています。マスコミも財務省への疑問を呈し始め、世論は変化しつつあります。

財務省

岸田総理は見当違いのところもありますが、異次元の少子化対策、所得税減税、トリガー条項発動検討など、国民のために本気で改革しようとしているのかもしれないです。無論、一方で、LGBT法案を成立させたり、移民を推進しようとしている姿勢は許しがたいです。

安倍元総理は、官僚人事への積極的な介入で知られていますが、財務省には手出しできませんでした。在任中に2度延期したものの、結局2度の消費税増税をせざるを得なくなり、アベノミクスは、積極財政という面では成果をあげられませんでした。

岸田首相は、財務省に反旗を翻し、国民のために戦う時が来たといえます。真に戦う姿勢をみせて、財務省に一矢を報いることができれば、続投も可能になるかもしれません。退陣となっても、歴史に名は残ります。岸田総理は、今こそ真のリーダーシップを発揮すべきです。

ここで、財務省に屈服せず、国民のために戦う岸田総理となって、安倍元総理と並ぶ政治家として歴史に名を残していただきたいものです。

私は、個人的には岸田文雄氏は、好きなタイプではありません。繰り返しいいますが、特にLGBT法案の拙速な成立、移民に対し寛容的なことなどは、断じて許すことはできません。しかし、現状では、政治や経済の安定を考えれば、続投できるなら、続投したほうが良いと思います。

安定した体制のもとで、次の展開を考えられる状況を作り出し、変革に結びつけていくべきと思うのです。経済的に安定した状況を作り出し、その上で改革を模索すべきです。そうして、その改革には無論、政権交代もありえます。ザル法の政治資金規正法の改正、LGBT理解促進法案の廃案などもすべきと思います。私は、その際には自民党が下野し保守政党が政権の座についても良いと思っています。

しかし、経済が未だ安定しない現在、政権が変われば変わるほど混乱することになりかねないと思います。それは、村山政権以降や麻生政権以降の政治等をみていれば、明らかです。私は、仮に菅政権が現在も続いていれば、今よりは安定していた可能性が高いと思います。今後次に総理が誰になろうとも、政治は混乱するでしょう。そうして、短期で交代を繰り返せば、繰り返すほどどんどん混乱の極みに至ると思います。


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