まとめ
- ウクライナ軍は、水上ドローンを用いてコルベット艦「イワノベツ」を撃沈、これらによりウクライナ南部の港へのロシア軍接近を阻止
- ウクライナ軍の攻撃が世界各国海軍に警鐘、米海軍はレーザーやマイクロ波など対ドローン技術を開発
- 中国による台湾侵攻抑止にも活用検討、ドローン攻撃への対策強化と攻撃型ドローン開発の両面強化
- 現代ではドローンが海戦において重要な役割を果たし、各国海軍はドローン対策と攻撃型ドローン開発に力を入れつつある
- 米海軍のドローン認識を高め、対策加速し、ドローン攻撃への対策強化と攻撃型ドローン開発加速
ウクライナ軍の水上ドローン |
攻撃には最大6隻の水上ドローンが使用されたと推定されており、イワノベツは移動不能となるほどの損害を受けた。ロシアは約89億~100億円の損害を被ったと見られる。
この攻撃は、米海軍を含む世界各国海軍にとって、ドローンによる攻撃の脅威と、対ドローン防衛の重要性を浮き彫りにした。
米海軍は、レーザーや高出力マイクロ波など、ドローンに対抗する様々な技術を開発・運用している。しかし、ウクライナ軍の攻撃は、これらの技術が十分ではないことを示している。
一方、米海軍は攻撃型無人艇の開発も進めており、中国による台湾侵攻の抑止にも活用することを検討している。
ウクライナ軍による水上ドローンの使用は、米海軍のドローンに対する認識を高め、ドローン攻撃への対策を加速させる可能性がある。
現代の海戦において、ドローンは重要な役割を果たすようになってきている。今後、各国海軍はドローン攻撃への対策を強化すると同時に、攻撃型ドローンの開発にも力を入れていくことが予想される。
この記事は元記事の要約です、詳細は元記事をご覧になって下さい。
【私の論評】潜水艦とドローン:日本の海洋戦略と未来の海軍力
まとめ
- 飛行するドローンや水上ドローンは既存の哨戒システムでは発見しにくく、防御も難しい。
- 現代海戦の主役は海上艦艇ではなく、潜水艦であり、潜水艦の発見や破壊は非常に難しい。
- 日本の潜水艦は静寂性が高く、攻撃後の速やかな離脱により発見が難しい。
- 日本は静寂性の優れた潜航型ドローンの開発により海軍力をさらに強化できる可能性がある。
- 米国と日本が潜水艦をトレードすることで、両国は世界最高水準の海軍力を維持できるだろう。
ロシア海軍のコルベット艦「イワノベツ」 |
また、仮に発見できた場合でも、多数の水上ドローンの攻撃を受けた場合、これを防御するのは難しくなります。
一方水中を航行する、水中ドローンはレーダー波が減衰するため、水中を航行するドローンを検知することは困難です。
上の記事では、潜水艦に関しては述べられていません。このブログでも何度か指摘してきたとおり、現代海戦の主役は海上艦艇ではなく、潜水艦です。海上艦艇は、空母を含めて、ミサイルの標的でしかなく、ミサイルによって撃沈されてしまいます。
ウクライナ軍によるコルベット艦攻撃は、今日では、水上艦はミサイルと安価なドローンによる標的になってしまったことを象徴しています。飛行するドローンと水上ドローンの飽和攻撃を受ければ、仮に強力な防空システムや哨戒システムがあっても撃沈される可能性は高いです。特に安価なドローンは、高価なミサイルとは異なり、一度の攻撃にかなりの数を用いることができます。
現在では、ますます、水上艦艇はミサイルやドローンの標的にすぎなくなったのです。
ロシアのヤーセン型原潜 |
しかし、潜水艦はこの限りではありません。潜水艦を発見できれば、ドローンでもこれを破壊することは可能だと思いますが、特に潜水艦が駆動装置を止めた状態で潮流にのって移動してい場合これを発見するのは、ほとんど不可能です。
ただ、対戦哨戒能力が高い日米であれば、これを発見できる可能性はあります。特に原潜であれば、発見できる可能性もあります。
原子炉は、熱エネルギーを動力に変換するために冷却水を循環させています。この冷却水ポンプが大きな騒音を発生します。これには、様々な対策を講じていますが、いまのところは完璧ではありません。
しかし、通常型の潜水艦の場合は、原子炉を冷やす冷却水ポンプなどはないので、かなり騒音をセーブできます。この場合、発見するのはかなり難しいです。それでも、魚雷やミサイルを発射した場合には、騒音を発するので、発見されやすくなります。その後は静寂性が勝負になります。
ミサイルなどを発射した後には、敵の攻撃を避けるため、そこからすぐに離脱しますが、静寂性が低いと、発見されやすくなります。
日本の潜水艦は、潜航中ですら無音に近いとされていますから、潮流にのらなくても、発見さするのは難しいです。そのような静寂性に優れた潜水艦であっても、魚雷やミサイルを発射したときには、騒音が発生するため、発見される可能性は高いです。
ただ、発射後にすぐにその場から離脱しますから、離脱後にはかなり発見が難しくなります。特に、対潜哨戒能力が未だ日米にはるかに及ばない中国とロシアはこれを発見することは難しいです。
大砲・ミサイル・魚雷であろうと、ドローン、レールガン、レーザーガンであろうと、今後開発されるであろう想像もつかないような兵器であろうと、発見できない敵に対しては無効なのです。これは、プロパガンダや時代や倫理問題等や政治理念や超えた、単純明快な真理だと思います。
以上のことを考えると、日本の場合少なくとも、海上自衛隊に関しては、ドローン対策はすである程度できているといえます。現状では海軍としては、自国を守るという意味では、最も有利な地位にあると言っても過言ではないと思います。
日本の最新型潜水艦「たいげい」 |
日本としては、静寂性の優れた潜水艦が建造できるわけですから、静寂性の優れた水中ドローンを開発して、多数・多種類を実用化すれば、さらに海軍力を強化できるでしょう。
米国が製造する潜水艦は核を搭載する戦略原潜も、核を搭載しない攻撃型原潜もすべて原潜です。そのため、米国は最早最新型の通常型潜水艦を製造することはできません。無論これから、開発する能力は十分ありますが、もう数十年も製造していないのですから、これから開発するとなるとかなりの時間と労力を必要とします。運用にも時間がかかるでしょう。日本は、これを製造・運用できるわけですから、米国もこれを欲しがるかもしれません。
日本には、原潜はありません。日本にはこれを製造する技術はありますが、それでも実際に製造、さらには原潜の運用ということになれば、多くの年月を要するでしょう。
米軍と、日本とが互いに潜水艦をトレードするようになれば、日米ともに世界最高水準の海軍の座を維持し続けることになるでしょう。
日本としては、いずれトレードした米原潜に核兵器を搭載することも検討すべきでしょう。これを、中露北が最も恐れていることでしょう。たとえ、実際には搭載しなかったにしても、中露北にとっては、その潜在的な脅威があるので、かなりの牽制になるのは間違いないです。
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