2024年2月29日木曜日

政倫審全面公開、奇策の岸田首相に「救世主」と称賛や困惑 自民党幹部「安倍派」―【私の論評】予算成立 vs 政治資金問題:どっちが国民のため!? 国民不在の茶番劇に終止符を打て!

政倫審全面公開、奇策の岸田首相に「救世主」と称賛や困惑 自民党幹部「安倍派」

まとめ
  • 岸田首相が自民党総裁として政倫審に全面公開で出席する決断をした。
  • 安倍派と二階派の5人も出席せざるを得ない状況になり、与野党の膠着状態が打開された。
  • 高木前国対委員長も首相の決断に驚きつつ、説明責任を果たすためにはオープンな姿勢が良いと語った。
  • 出席者の方針が固まり、内閣支持率の上昇が期待される。
  • 首相の全面公開には賛否があり、一部では戸惑いの声もある。

岸田首相

 岸田文雄首相は、自由民主党の総裁として、派閥の政治資金パーティー収入不記載事件に対する説明を、政治倫理審査会(政倫審)に全面公開で行うことを決断した。この決断は、政界に大きな影響を与え、特に安倍晋三派と二階俊博派の5人の議員に対して、彼らもまた全面公開で政倫審に出席せざるを得ない状況を生み出した。

 その結果、自民党内の与野党間の膠着状態が打開される可能性が出てきた。これは、政治的な議論や対立が進展しない状況、つまり「膠着状態」が解消され、新たな動きが見込めるという意味だ。

 安倍派の高木毅前国対委員長も首相の決断に驚きつつも、説明責任を果たすためにはオープンな姿勢が良いと判断したと述べた。高木前委員長のコメントは、岸田首相の決断が自民党内部にも一定の影響を及ぼしていることを示している。

 5人の出席方針が固まりつつあり、その結果として内閣支持率が上がるとの楽観的な見方もある一方で、首相の全面公開に対する戸惑いや疑問を持つ者もいる。政倫審の規定に基づき、本人の許可があれば審議内容を全面公開できることになっている。

 岸田首相の行動に対する意見は賛否両論で、一部からはその決断を評価する声もあれば、反対する声も存在する。これは、岸田首相の行動が政界に与える影響の大きさを示しており、今後の展開が注目される。

 この記事は、元記事の要約です。詳細は、元記事をご覧になってください。

【私の論評】予算成立 vs 政治資金問題:どっちが国民のため!? 国民不在の茶番劇に終止符を打て!

まとめ
  • 政治資金規正法で政治家の腐敗を防ぐのは難しい。政倫審は出席に強制力がなく、虚偽の証言に罰則がなく、原則非公開で時間も限られているため、議員にとってはみそぎやガス抜きに過ぎない。
  • 検察の追及の限界があり、今回の事件では政治資金規正法で国会議員3人の立件にとどまっている。
  • 予算成立を妨げている与野党の政倫審を巡る交渉は無意味。国民が被害を受けている。
  • 政治資金にかかる税務調査で議員の税金感覚を明らかにできる。マスコミはこれを報道し、国民に情報を提供するべき。
  • 過去10年くらいまで遡って与野党に限らず全数調査を行い、公表すべき。有権者は次の選挙で票をいれない選択肢が得られる。マスコミがこれをしないなら、岸田首相が行うべき。



「政治とカネ」の問題は、政治家の腐敗を防ぐために重要ですが、現在のザル法ともいわれる政治資金規正法では限界があります。野党は政治倫理審査会(政倫審)の開催を要求しそれに岸田首相が応えた形になっていますが、元々政倫審は出席に強制力がなく、虚偽の証言に罰則がないため、疑惑は晴れません。また、原則非公開で時間も限られているため、議員にとっては単なるみそぎやガス抜きに過ぎません。

これまでの政治事件を振り返ると、検察の追及が最も強力でしたが、今回の事件では政治資金規正法で国会議員3人の立件にとどまっています。政倫審における野党議員の追及で、検察の成果を超えることはありません。

それでも、国会は政倫審を動かそうとしています。新年度予算案の年度内成立を確実にするため、衆院では2月いっぱいで通過させようとしています。野党側の協力を得るために、政倫審が交渉材料になっているのです。これこそ、国民不在の与野党の無意味な交渉といえます。

本来与党としては、新年度予算成立こそが今もっとも重要なことなので、それが終了してから、政倫審を開催すると主張すべきと思います。野党としては、それでは意味がないのでしょうが、とはいっても予算成立を遅らせたからといって、何の意味もありません。

予算成立の遅延で、しわ寄せを被るのは国民です。与野党議員たちには、関係ありません。予算成立が遅延しても、歳費と呼ばれる国会議員の給料は、確実に支払われます。

歳費は、法律で決められています。2023年12月現在、役職に付いていない一般の国会議員の歳費月額は130万1000円です。

これにボーナスにあたる「期末手当」が年2回支給され、年収は約2000万円以上になります。

さらに、月額100万円の「文書通信交通滞在費」、月額65万円の「立法事務費」、JRや航空券の無料クーポン券など、様々な手当が支給されます。

これらの手当を含めると、国会議員一人当たりの年間の費用は約7500万円になると見積もられています。

これだの歳費を受け取りながら、まともな活動もせず、国民不在の国会ごっこをしている議員たちには、大声を出して言いたいです「ふざけるな」と。

豪遊する日本の国会議員たち AI生成画

予算の審議に関しても、野党が予算の内容について岸田政権の政策の間違いを本格的に追求するというのならまだしも、ただただ、予算成立を人質にとり、最初から疑惑が晴れず、単なるみそぎやガス抜きに過ぎない政倫審を開催し、岸田政権にマイナスイメージをつけることに奔走している姿は、異様です。何のために議員をしているか、存在意義が疑われます。

しかし、政治とカネを巡る疑惑を晴らすために残された手段は存在します。政治資金にかかる税務です。政治家個人として、キックバックは雑所得であることについて、国税庁通達もあり疑問の余地がありません。雑所得に当然税金を課すことができます。

先日公表された政治資金収支報告書未記載の82人を含む全国会議員について、確定申告期において過年度分を含め申告をしたか、するつもりがあるかを、全数調査(対象となるものをすべて調べること)することで、誰が税金についてまともな感覚があるのかを明らかにできるでしょう。

マスコミは、政治家個人ベースでこれを報道すれば、国民にとって貴重な情報となることでしょう。


私としては、これにとどまらず、与野党にかかわらず、過去10年くらいまで遡って全数調査を行い、公表すべきと思います。

そうして、税金に関してまともな感覚のない議員については、有権者は次の選挙で票をいれないという選択肢が得られることになります。

マスコミがここまでやらないというのなら、岸田首相ご自身にそれをお願いしたいものです。


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