まとめ
- 中国による台湾への圧力が高まっている
- 台湾有事は日本有事に直結する可能性がある
- 自衛隊の巻き込み、台湾軍の避難、尖閣諸島への侵攻の恐れ
- 日本は防衛力強化を図っているが、米国の対応は不透明
- 法整備と自衛隊の体制強化が急務である
中国と台湾が衝突した場合、日本も〝戦場〟になる恐れがある。元陸上自衛隊中部方面総監の山下氏は、台湾有事が日本に波及するシナリオを分析している。自衛隊の後方支援への巻き込み、台湾軍の日本への避難、中国軍の尖閣諸島侵攻などの可能性があるという。
日本は防衛費増額で南西地域の防衛力強化を図っているが、米国の対応が不明な点が課題。トランプ元大統領の発言も介入姿勢が明確でないことを示唆している。専門家は自衛隊の体制強化や、米軍との協力体制構築などにより対応能力を高める必要性を訴えている。
台湾有事への対応は日本の安全保障上の最重要課題の一つであり、法整備や自衛隊の防衛態勢の強化などを急ぐ必要がある。切迫した状況下、日本の台湾有事への備えは待ったなしの状況にある。
まとめ
- かつて中国共産党軍が金門島上陸作戦を敢行したが、失敗に終わり、台湾国軍が勝利をおさめた。
- ただ、金門島周辺の海域は潜水艦の行動に不向きであり、台湾の東側の海域が中台両方の潜水艦の行動に向いているため、金門島周辺の海域は海戦の主戦場とはなり得ず、東側がそうなるだろう。
- 台湾は中国海軍の潜水艦に対抗するために対策を講じており、日本も潜水艦22隻体制を整え、世界屈指のASW(対潜水艦戦)能力を有しているが、憲法の制限がある。
- 台湾有事において、潜水艦は奇襲攻撃や海上封鎖などで効果的な役割を果たす可能性があり、日本も台湾有事に本気で向き合う必要がある。
- 日本のASWの高さを開示しない、潜水艦の行動に関する縛りについても、話題にならないうちは、日本はまだ台湾有事に本気で向き合っているいるとはいえない
金門島の監視にあたる台湾軍兵士 |
上の記事、この手の記事によくあるように日本の潜水艦や対潜戦に関する記述や、直接ではないにしても、それについて想起させる内容は全くなく、そのため軍事的にはあまり意味のない内容になっています。
中国共産党軍は10月24日午前4時頃、金門島の料羅湾に上陸を開始しました。上陸部隊は約1万人で、戦車、砲兵、航空機などの支援を受けました。しかし、中華民国軍の激しい抵抗により、上陸部隊は大きな損害を受け、午後には撤退を余儀なくされました。
中国共産党軍が金門島上陸作戦を敢行した目的は、門島駐留部隊を撃滅し、金門島を占領すること、台湾国民の士気を低下させ、台湾侵攻を有利に進めることの2つと考えられます。
中国共産党軍が金門島上陸作戦を敢行した目的は、門島駐留部隊を撃滅し、金門島を占領すること、台湾国民の士気を低下させ、台湾侵攻を有利に進めることの2つと考えられます。
しかし、作戦は失敗に終わり、目的を達成することはできませんでした。台湾国軍が数少ない勝利を収めた戦いであること、台湾国民の士気を高める効果があったこと、冷戦の激化に拍車をかけることになった金門島上陸作戦は、国共内戦における重要な戦役の一つであり、歴史的な意義を持った戦いでした。
ただ、金門島付近の海域は浅いため、現代海戦の主役といもいえる潜水艦が行動にはには適しておらず、現代海戦においては、その価値は相対的に下がったといえます。
水深が浅く、海底地形が複雑な海域は、対潜哨戒機や哨戒艦にとって潜水艦を探知しやすい環境と言えます。金門島周辺は、台湾と中国大陸の間に位置し、両国から対潜哨戒が強化されています。
金門島周辺は、台湾と中国大陸間の海上交通の要衝であり、民間船舶の往来が非常に多い海域です。潜水艦は、民間船舶との衝突を避けるために、常に注意を払う必要があり、行動が制限されます。
以上の理由から、金門島周辺の海域は潜水艦の行動海域としては不向きです。
台湾付近の水深 |
一方台湾の東側の海域は、平均水深が約2,500メートル、最大水深が約5,000メートルです。これは、潜水艦が潜航するのに十分な深さです。またこの海域は、大陸棚が狭く、急激に深くなっています。これは、潜水艦が隠れるのに有利な地形です。
さらに、黒潮の影響を受け、強い海流が流れています。これは、潜水艦が敵艦船に接近するのに有利な条件です。一方台湾側からすると、台湾の東側には、花蓮港や蘇澳港などの軍事拠点があります。これらの拠点から、潜水艦の活動を支援することができます。
以上の理由から、台湾の東側の海域は中台両方の潜水艦の行動に向いていると言えます。
中国海軍は、近年、潜水艦の戦力を増強しています。台湾の東側の海域は、中国海軍の潜水艦にとって重要な活動海域となる可能性があります。
台湾海軍は、中国海軍の潜水艦に対抗するために、様々な対策を講じています。例えば、潜水艦探知機や対潜哨戒機を配備しています。また、最近独自で潜水艦を建造したばかりです。
中国が台湾に侵攻しようとする場合には、台湾の東側の海域が中台両軍の海戦の主戦場になることでしょう。
この海域は、日本にも近いです。この観点から、日本は台湾有事に対処することになるでしょう。
麻生氏は年初のワシントン訪問に先立ち、福岡県での国政報告会で、「潜水艦などを使って台湾海峡で戦う」可能性について語り、「台湾に戦っておいてもらわなければ、邦人を無事に救出することは難しい」とも述べています。
台湾有事においても、潜水艦は隠密行動を行うことで、以下の効果が期待できます。敵の艦艇や航空機が潜水艦を発見する前に攻撃することで、奇襲攻撃を阻止することができます。敵の艦艇や補給船を攻撃し、海上封鎖をして台湾への侵攻を阻止することができます。敵軍の動向を偵察し、情報優位性を確保することができます。
日本は軍事的にはすでに潜水艦22隻体制を整え、ASW(対潜水艦戦)に関しては、米国と並び世界トップクラスの水準にあることから、これに関する軍事面での準備はできているといえます。
日本国憲法の専守防衛政策に基づき、日本の潜水艦は以下のように制限されます。
敵基地攻撃: 敵国領土にある軍事施設などを先制攻撃することはできない。台湾有事における日本の対応は、状況に応じて柔軟に判断される必要があります。状況によっては、潜水艦の隠密行動が有効な場合もあれば、あえて公開行動を行うことで敵を牽制する効果が期待できる場合もあります。
領海侵犯: 敵国領海への侵入は、自衛の場合を除いて認められない。
攻撃目的の航行: 攻撃を目的とした公海上の航行は、自衛の場合を除いて認められない。
潜水艦の行動は、国民の安全保障に直結する重要な問題です。そのため、政府は、潜水艦の行動に関する情報をできる限り公開する必要があります。しかし、国家安全保障上の理由から、公開できない情報もあります。
政府は、国民の理解を得られるよう、情報公開と国家安全保障のバランスを慎重に取る必要があります。
日本のそうりゅう型潜水艦 |
しかし、もうすでに日本は米軍と並ぶ世界でトップクラスのASW(対潜水艦戦)能力を有し、海戦においては中国海軍に十分に対応できる能力を有していることなどについては日本国民に開示すべきでしょう。これに関しては、海自の元海将の方も同じようなことを語っていますが、「このようなことを語るが故に、私はテレビに出してもらえない」と嘆いています。
無論ある程度は開示されているのですが、マスコミで報じられることは滅多になく、多くの人が認識氏ていない状況にあります。
現在の日本の、軍事力はすでにその域に達しているものの、日本の潜水艦の行動には日本特有の縛りがあるのも事実です。ただし、台湾有事ということになれば、日本は海戦では有利であるのは、間違いないですが、日本国内も中国のミサイル攻撃を受けるなどの可能性はあります。ただ、台湾有事においても、日本は独立を維持できるだけの海軍力は有していますし、台湾の独立をサポートできるだけの海軍力もあるといえます。
以上のような情報開示がない、潜水艦の行動に関する縛りについても、話題にならないうちは、日本はまだ台湾有事に本気で向き合っているいるとはいえないです。
その意味では、国内ではあまり評価されていませんが、先にあげた麻生氏の発言は、重大なものです。ただし、長い間の平和ボケで、軍事知識に疎いマスコミなどは、この発言の重大性を受け止めることができないようです。
現在の日本の、軍事力はすでにその域に達しているものの、日本の潜水艦の行動には日本特有の縛りがあるのも事実です。ただし、台湾有事ということになれば、日本は海戦では有利であるのは、間違いないですが、日本国内も中国のミサイル攻撃を受けるなどの可能性はあります。ただ、台湾有事においても、日本は独立を維持できるだけの海軍力は有していますし、台湾の独立をサポートできるだけの海軍力もあるといえます。
以上のような情報開示がない、潜水艦の行動に関する縛りについても、話題にならないうちは、日本はまだ台湾有事に本気で向き合っているいるとはいえないです。
その意味では、国内ではあまり評価されていませんが、先にあげた麻生氏の発言は、重大なものです。ただし、長い間の平和ボケで、軍事知識に疎いマスコミなどは、この発言の重大性を受け止めることができないようです。
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