2024年2月5日月曜日

米英軍がフーシ派の標的36カ所を攻撃 米、親イラン勢力へ攻撃の手を緩めず―【私の論評】バイデン政権はイランの核開発と過激派支援に強硬対処すべき

米英軍がフーシ派の標的36カ所を攻撃 米、親イラン勢力へ攻撃の手を緩めず

まとめ
  • 米英軍は、ヨルダンでの米兵殺害事件への報復として、イエメンのフーシ派標的を攻撃。
  • 攻撃対象は武器貯蔵施設など36カ所。
  • フーシ派は死傷者数を発表していないが、抗議デモを実施。
  • イランは関与を否定しているが、情勢悪化の恐れ。
  • 米英軍とフーシ派の衝突継続、中東の緊張高まる可能性。
サリバン米大統領補佐官

米英軍は2月3日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派の標的36カ所に対し攻撃を実施した。これは、前日にヨルダンで米兵3人が死亡した攻撃への報復措置とみられる。国家安全保障問題担当のサリバン米大統領補佐官は4日、米NBCに対しさらなる攻撃を示唆しており、中東の緊張が高まる恐れが出ている。

攻撃対象となったのは、フーシ派の武器貯蔵施設やミサイルシステム、発射装置など。フーシ派は紅海で船舶を攻撃したり、イスラエルへの攻撃を行ったりするなど、近年活動を活発化させている。

フーシ派は今回の攻撃による死傷者数を発表していないが、支持者らは4日、首都サヌアで軍事パレードを実施し、ガザ地区への連帯を示すとともに、米英の空爆に対する抗議を行った。

イランはこれまで、フーシ派のようなグループを支援する一方、紛争に直接関与することは避けてきた。米国防総省は「イランとの戦争を望んでいないし、イランもまたそのような考えはないと思う」とコメントしている。

しかし、今回の米英軍の攻撃を受けて、イランがフーシ派への支援を強化する可能性もあり、中東の情勢はさらに悪化する可能性が出ている。

フーシ派の広報担当者は、「米英のさらなる攻撃は、ガザへの支持を示すイエメンの決断に影響を与えない」と述べている。

今後、米英軍とフーシ派の衝突がさらに激化する可能性もあり、中東の緊張が高まることが懸念される。

この記事は元記事の要約です、詳細を知りたいかたは元記事をご覧になって下さい。

【私の論評】バイデン政権はイランの核開発と過激派支援に強硬対処すべき

まとめ
  • バイデン政権は、アフガン撤退やウクライナ問題で弱腰な対応をしており、イラン問題でも同様の誤りを犯す可能性がある。
  • イランは過激派支援を続けており、その影響力排除には長期的な取り組みが必要。
  • 米国はイランに対し、制裁強化、軍事攻撃、核開発阻止などの強硬策を取るべきだが、バイデン政権がそれを行うか疑問。
  • イラン問題は長期化する可能性が高く、流れを変えるには米国の強い決意と行動が必要だが、バイデン政権にそれがあるか不明。
  • バイデン政権はイランの核・過激派問題に対し、制裁強化、同盟強化、体制転覆支援などで強硬姿勢を取るべき。

バイデン大統領

バイデン政権は、「抵抗の枢軸」(中東各地でイランが支援する武装組織のネットワークを指す言葉)に対して厳しい措置をすべきと以前このブログで述べました。その記事のリンクを以下に掲載します。
バイデン大統領に高まる圧力、米兵死亡でイランとの対決求める動き―【私の論評】イランの脅威に立ち向かうため、岸田首相は4月の訪米時にバイデン大統領に強硬策を訴えよ

米軍基地への無人機攻撃で亡くなった3人の米兵

この記事では、バイデン政権に対する危惧の念をのべました。これに関して、以下にこの記事から引用した内容を要約したものを以下に掲載します。
バイデン政権は、アフガンからの撤退を大きく誤った上、ウクライナ侵攻前にロシアへの軍事介入を事前表明しないという弱腰な姿勢を見せた。これはロシアに対する事実上の「侵攻許可」となってしまった。これらの対応は、過去の米国の伝統的な政策と大きく異なるものである。

こうした経緯から、バイデン政権がイランの脅威に対しても誤った判断を下す可能性がある。イランは過激派組織への支援を続けており、その影響力を排除するには長期的な取り組みが必要だ。

米国はイランの軍事施設への精密空爆、経済制裁の強化、同盟国の支持獲得、イランの核開発阻止のための作戦実行など、強硬な姿勢で対応すべきだ。しかし、バイデン政権がそうした厳しい措置を取るとは考えにくい。

イランとの対立は長期化する可能性が高い。イランの過激派体制が続き、侵略的姿勢を維持する限り、米国と同盟国は断固とした態度で対抗していく必要がある。流れを変えるには、強力な決意と行動が求められるが、バイデン政権にそれがあるか疑問である。

バイデン政権は、イランの核開発阻止と過激派支援の封じ込めを目指し、以下の点で強硬策を取るべきです。


第一に、イランの核関連施設やミサイル基地に対する精密空爆に踏み切る。第二に、制裁強化と資金源遮断でイラン経済を窒息させる。第三に、サウジアラビアなど同盟国の軍事力強化を支援し、イラン包囲網を固める。第四に、イラン体制転覆を狙う反体制組織に援助を行う。

また、イラン革命防衛隊のテロ指定や、より厳しい新核合意の再交渉も重要政策です。

これらの強硬手段により、イランの核兵器保有と過激派支援を防ぎ、中東におけるアメリカの指導力を取り戻すべきだ。イランとの妥協はもはや許されないです。

バイデン政権がイランに対して強硬な姿勢を示さない場合、この紛争は数年にわたって長期化する可能性が非常に高いと言えます。

その 最大の理由は、イランの過激派指導部が弱みを見せる平国を利用して、核開発と対外行動のエスカレーションを図るためです。過去の経緯から、イランは圧力に屈することはほとんどない国家です。制裁緩和などの融和策は、むしろイランの自信を高め、より侵攻的な行動の後押しとなりかねません。

イランの最高指導者アリー・ハーメネイー

もしイランの行動が放置されれば、彼らは過激派組織の支援を拡大し、中東における影響力を強めるでしょう。そうなれば、後になってイランを封じ込めようとしても、はるかに困難となります。過激派の蔓延をこの時点で防がないと、将来の代償は大きくつきます。

加えて、米国の弱腰ぶりが顕著になれば、サウジアラビアなどの同盟国もイランに対抗するため、核保有に動きかねません。それが核拡散を招き、中東の緊張を一層高めることは避けられないでしょう。

米国が対話重視の姿勢に出れば、逆に米国の交渉力と地域における威信が低下する結果を招くことも否定できません。イランはそれを米国の弱さの証と捉え、米国に譲歩する動機を失うかもしれません。

このように、強硬策を取らないことのリスクは計り知れません。バイデン政権はイランの核問題を放置すべきではありません。過去の過ちを繰り返さないためにも、米国は対イラン強硬姿勢への回帰が必要不可欠です。慎重かつ断固たる措置を講じることが、この紛争を収束へ導く最善の道だと言えるでしょう。

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