まとめ
- 自民党の安倍派議員が最近5年間で1000万円以上のキックバックを受け、裏金化していた疑惑が浮上。東京地検特捜部が議員らの聴取に乗り出す方針。
- 安倍派の政治資金問題で、安倍元首相が派閥領袖になる前からの問題であり、彼は問題解決の対応を指示していたと報じられる。
- 安倍派の議員らがパーティー券の売り上げ超過分をキックバックとして受け取った疑い。安倍氏は問題に気づき、改善を指示するも亡くなった後には実行されず。
- 自民党は過去の「政治とカネ」問題を経験し、信頼を失った教訓がありながら、今回の問題で同じ轍を踏みかねない状況。
- 岸田首相は安倍派疑惑に対しての認識が薄く、問題解決の姿勢が不十分とされ、彼の政策熱意の欠如や次期首相候補の不在が指摘される。
安倍派では安倍氏が領袖になる前からこの悪習があったとされ、安倍元首相が21年11月に初めて派閥会長となった後、翌年2月にその状況を知り、「このような方法は問題だ。ただちに直せ」と会計責任者を叱責、2カ月後に改めて事務総長らにクギを刺したという。
22年5月のパーティーではその方針が反映されたものの、2カ月後、安倍氏は凶弾に倒れ、改善されないまま現在に至ったようだ。この問題は岸田内閣の要である松野博一官房長官らも巻き込まれ、安倍派の「政務三役」の更迭が避けられない状況になっている。自民党はかつて「政治とカネ」で失敗し、今回の問題でその教訓を忘れていることが示されている
特に深刻なのは最大派閥である安倍派の問題で、幹部らがパーティー券の売り上げ超過分をキックバックとして受け取っていたと報じられている。安倍氏は問題に気づき、対応を指示したが改善されないままだったようです。この問題で派閥内からは疑問の声が上がっていたが、明確な指示は示されなかった。
この疑惑が報じられたのは昨年だったが、政府内の対応は遅々として進まず、岸田首相も問題についての認識が乏しい。彼の発言は自民党内の派閥に忠実なもので、問題を根本から解決しようとする姿勢に欠けている。
この問題は一部からは内閣総辞職レベルの問題とされているが、岸田首相自身は留任の意向を示している。彼の政策に対する熱意が乏しいことや、次期首相候補が不在なことが、日本の政治に低迷をもたらす原因になっている。岸田首相は政治の信頼を回復するために行動を起こさなければならず、言葉だけではなく現実の行動が求められる。
特に深刻なのは最大派閥である安倍派の問題で、幹部らがパーティー券の売り上げ超過分をキックバックとして受け取っていたと報じられている。安倍氏は問題に気づき、対応を指示したが改善されないままだったようです。この問題で派閥内からは疑問の声が上がっていたが、明確な指示は示されなかった。
この疑惑が報じられたのは昨年だったが、政府内の対応は遅々として進まず、岸田首相も問題についての認識が乏しい。彼の発言は自民党内の派閥に忠実なもので、問題を根本から解決しようとする姿勢に欠けている。
この問題は一部からは内閣総辞職レベルの問題とされているが、岸田首相自身は留任の意向を示している。彼の政策に対する熱意が乏しいことや、次期首相候補が不在なことが、日本の政治に低迷をもたらす原因になっている。岸田首相は政治の信頼を回復するために行動を起こさなければならず、言葉だけではなく現実の行動が求められる。
■岩田明子
【私の論評】安倍晋三氏のガバナンス:派閥問題と政治資金の大局的アプローチ
まとめ
- 安倍晋三氏は派閥の領袖から離れ、大局的な視点で政策を展開。
- アベノミクスを含む経済政策や安全保障政策、外交政策など、国家全体の視点を重視。
- 安倍氏は政治の大義を重んじ、政治資金問題も単なる法令違反ではなく、政府の統治に対する国民の信頼の問題の観点から捉えていた。
- 裏金問題は派閥の統治や政府の統治における透明性や説明責任の不足を浮き彫りにした。
- 政治資金規正法の見直しや透明性の向上など、ガバナンスの改善が必要であり、対処には大局的な視点が必要。
このブログでも述べたように、安倍晋三氏は、チマチマしたことが大嫌いで、大きなくくりで物事を考えることが好きだったと、指摘する人がいます。これについては、以前このブログにも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
森永卓郎氏 岸田首相が小学生に説いた権力論をチクリ「見栄っ張り」「プライド捨てボケろ」―【私の論評】政治家はなぜ卑小みえるのか?民間企業にはみられるガバナンスの欠如がその真の原因
どなたかは、忘れてしまったのですが、安倍晋三氏は細かいチマチマしたことが大嫌いで、大きく物事を考えることを好んだという人がいます。私は、これは本当だと思います。
安倍晋三氏は、政治家としてのキャリアを通じて、大きなビジョンや国家戦略を重視する姿勢を示してきました。彼がリーダーシップを取った際に焦点を当てたのは、経済政策の改革や安全保障政策の強化、外交戦略の構築など、国家全体を俯瞰した大きな枠組みでした。
例えば、安倍氏は「アベノミクス」として知られる経済政策を推進しました。これは、日本の経済を活性化するための包括的な政策であり、金融緩和、財政出動、構造改革などを含んでいました。彼の焦点は国家全体の経済の活性化であり、それによって国際競争力を高め、日本経済を持続可能なものにすることにありました。
また、安全保障政策においても、日本の国家安全保障の強化に力を注ぎました。中国や北朝鮮などの地域情勢を鑑みつつ、アメリカとの同盟関係強化や安全保障法制の整備など、大きな視点から国家の安全を図る政策を進めました。
さらに、外交政策においても、アジア太平洋地域や国際社会での日本の役割強化に重点を置きました。経済外交や国際貢献、他国との協力関係構築など、大局的な視点で日本の地位向上を目指す政策を展開していました。
これらの事実は、安倍氏が大きな枠組みや国家全体の視点で政策を展開し、細かい点よりも大局的な視野を重視していたことを裏付けるものです。
このように物事を大きな枠で考える安倍晋三氏は、派閥の領袖としても無論大きな枠組みで物事を考えていたと思います。
このブログでは、安倍晋三氏がそういう考えたをするので、安倍政権は他の政権よりは、ガバナンスに注力できたため、他政権に比較すると多くのことを成し遂げることができのだと論じました。
そうして、ガバナンスの定義については、ドラッカー氏のいうそれをあげました。この言葉は、コミュニケーションという言葉と並んで日本ではあまりにも曖昧に用いられているので、それを以下に再掲します。
"政府の役割は、社会のために意味ある決定と方向付けを行うことである。社会のエネルギーを結集することである。問題を浮かびあがらせることである。選択を提示することである。(ドラッカー名著集(7)『断絶の時代』) "
この政府の役割をドラッカーは統治と名づけ、実行とは両立しないとしました。
"統治と実行を両立させようとすれば、統治の能力が麻痺する。しかも、決定のための機関に実行させても、貧弱な実行しかできない。それらの機関は、実行に焦点を合わせていない。体制がそうなっていない。そもそも関心が薄い。 "
マネジメントの大家 ドラッカー氏 |
いわゆる裏金問題に関しても、安倍晋三氏は、 単に政治資金規正法に反するとか、政治家のモラルに反する程度のチマチマした考えではなく、もっと大きな枠組みでこの問題を捕らえていたのだと思います。
特に、自派閥や自民党がどうのこうのという観点などだけではなく、政府の統治に対する国民の信頼を損なう可能性を視野に入れていたのでしょう。
派閥の統治の観点からは、派閥の統治が不透明で、透明性・説明責任に欠けていることが問題となります。また、派閥の幹部が私利私欲のために権力を濫用している可能性も指摘されています。
政府の統治の観点からは、政府の統治に対する国民の信頼を損なう可能性があることが問題となります。また、政治とカネの問題が繰り返されることで、政治の腐敗を助長する可能性もあります。
自民党と政府は、今回の問題を契機に、政治資金規正を徹底し、ガバナンスの向上に取り組む必要があります。そのためには、ザル法ともいわれる政治資金規正法の見直しを行うべきでしょう。それに、選挙運動にかなりの費用と労力がかかるという問題も解消すべきです。
具体的には、政治資金収支報告書の不記載・虚偽記載の取り締まりの強化や、政治資金の透明性の向上が求められています。
これらの問題もこの具体策にだけ注目していては、また同じことが繰り返されることになるでしょう。政府は、卑近な観点からだけではなく、ガバナンスの観点からこの問題を真正面からら向き合い、対処すべきです。そうしなければ、何も解決しません。
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