2023年12月10日日曜日

高木、西村、萩生田氏も更迭へ パー券収入裏金疑惑で首相―【私の論評】裏金疑惑が思わぬ方向に?高市自民総裁が誕生する可能性高まる!

高木、西村、萩生田氏も更迭へ パー券収入裏金疑惑で首相


 岸田文雄首相は、自民党の清和政策研究会(安倍派)が政治資金パーティーの収入の一部を裏金化していた疑惑を巡り、松野博一官房長官に加え、高木毅・党国対委員長、西村康稔経済産業相、萩生田光一・党政調会長ら新たに3人を交代させる方針を固めた。事実上の更迭となる。

 安倍派では松野、高木、西村、萩生田の各氏のほか世耕弘成・党参院幹事長、同派座長の塩谷立元文部科学相らにも同様の疑惑が浮上。こちらも進退が問われる可能性がある。

 関係者によると、清和研ではノルマ超過分を議員側に還流することが長年行われ、2018~22年に1億円超の収入と議員側への還流が政治資金収支報告書に記載されず、裏金化した疑いが持たれている。

【私の論評】裏金疑惑が思わぬ方向に?高市自民総裁が誕生する可能性高まる!

まとめ
  • 裏金疑惑が複数派閥に及んでおり、捜査が行われている。
  • 派閥交代と政治資金規制法の問題が注目され、派閥政治改革の動きが出ており、それは次期の総裁選にも影響を及ぼしそうだ
  • 総裁選候補として、無派閥の菅、小泉、高市氏が注目されているが、高市氏は派閥改革を掲げ、女性初の総裁候補として注目されている。
  • 派閥政治の腐敗や疑惑により、自民党内で党のイメージと派閥政治の議論が高まっている。
  • 現状の派閥政治に対する不満や変化への期待が、総裁選や党内改革に影響を与えている。

裏金疑惑で、清和政策研究会の松野官房長官の事実状の更迭に続き、高木毅・党国対委員長、西村康稔経済産業相、萩生田光一・党政調会長の交代というのですから、これは完璧に派閥潰しが始まったといえます。

今回の裏金疑惑に関しては、最大で一千万円超であり、しかも直近5年間のものですから、一年に換算すると、200万程度であり、政策担当秘書も雇えないような金額です。

昨日も述べたように、政治資金規制法は、ザル法ですから、政治資金報告書を書き直せば、東京地検特捜本部は、この件で誰かを逮捕するのは難しいでしょう。今後、矛盾なく書き換えができるか、できないかが焦点となりそうです。

ただし、はっきりとした矛盾があったとして、それが悪質でかつ違法なものであることが確かめられれば、起訴される可能性はあります。

東京地検特捜部が他の地域の応援も借りた上で、捜査をしているのには賄賂がある可能性も視野に入れてのことでしょう。このあたりはどうなるかは、地検の捜査次第と見て良いでしょう。今のところ、これに関する情報はありません。 賄賂があれば、これは大きな問題となる可能性はあります。

東京地検

朝日新聞などのマスコミは清和政策研究会に焦点を当てていますが、捜査対象となっている派閥は、このほかに、麻生派、茂木派、二階派、岸田派の5派閥です。これらの派閥は、2018年から2021年までの5年間で、合計約4000万円のパーティー収入を政治資金収支報告書に記載していなかったとする告発を受けて、捜査対象となりました。

捜査の対象となっている派閥の幹部や役員らから事情聴取が行われており、地検は、裏金疑惑の全容解明に向けて、捜査を進めていくとみられています。

ただ、この問題の本質は、昨日も述べたように、裏金の有無ではなく、その使用目的と課税の有無です。それと、忘れてはならない本筋は、政治資金規正法がザル法であることです。

現状の野党の不甲斐なさをみると、本質や本筋をつくようなことはできないと思われますので、野党が政権交代に結びつけるなどのことはありえず、これは結局のところ、自民党内の派閥力学の均衡の再編成に終わる可能性が高いです。これによって、自民党内では、最大派閥の清和政策研究会の地位が相対的にかなり下がることになり、麻生、竹下、二階、岸田派等は相対にかなり有利な状況となります。

ただし、今回の裏金疑惑により、 派閥政治自体が批判を浴びているのも事実です。今後自民党内で、岸田おろしが始まることが予想されます。しかし、総裁選は毎回、派閥間の激しい駆け引きが繰り広げられるのですが、今回の疑惑を受け、国民は「政治とカネ」の問題とともに、「派閥政治」にも厳しい視線を向ける状況になっています。

派閥政治は、自民党の党内政治において、議員の集団を形成し、政策や人事などを巡って影響力を行使する政治活動です。派閥は、議員の政治活動を支援する資金や人材を提供する役割を担っています。

宏池会のパーティー

今回の裏金疑惑は、派閥が政治資金を私的に流用していたのではないかという疑惑であり、派閥政治の腐敗を象徴するものとして、世間から批判を浴びています。

これらの批判を受け、自民党は、派閥政治の改革を検討する動きをみせています。しかし、派閥政治は、自民党の党内政治において長年根付いた制度であり、簡単に改革できるものではありません。

今後、今回の裏金疑惑の捜査結果や、自民党の派閥政治改革の取り組み次第で、派閥政治に対する世間の評価はさらに変化していくと考えられます。いまのところは、厳しくなっていく可能性が高いです。

そうなると、次の自民党の総裁選では、派閥に所属している政治家より、無派閥の政治家が総裁候補注目を浴びる可能性が高まってきたといえます。

自民党内の無派閥の議員で次の総裁選候補になる可能性のある人物は、以下のとおりです。

  • 菅義偉前首相
  • 高市早苗経済安全保障担当相
  • 小泉進次郎衆議院議員

ただ、菅前首相は、前回の総裁選においては、出馬できなかったという経緯もあります。そうした経緯から、菅氏自身は、自ら総裁選に出るというよりは、誰かを総裁候補として担ぐという可能性が高いとみられます。

小泉進次郎議員に関しては、残念ながらかなり能力が低いということがいわれてます。

例えば、2020年の衆議院予算委員会で、経済政策に関する質問に対して、的外れな答弁をしたことが話題となりました。

さらに、小泉氏は、政治経験が浅いだけでなく、社会経験も不足しているとの評価もあります。例えば、2021年の衆議院議員選挙で、選挙区の有権者に挨拶をする際に、誤った地名を言ってしまったことが話題となりました。

これは、小泉氏の能力の低さを示すほんの一例に過ぎません。そうなると、総裁選に出たとしても、総裁になれる可能性は低いとみられます。今は研鑽を積んで、次の機会をうかがうべきと多くの自民党議員が考えるでしょう。

そうなると、高市早苗氏が総裁になる可能性が高まったといえます。


高市早苗氏が次期自民党総裁になった場合、自民党にとってのメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

高市氏は、派閥政治の改革を公約に掲げており、自民党総裁になった場合、派閥政治の透明性を高め、政治の民主主義を守るための改革を推進すると考えられます。

具体的には、政治資金パーティーの収支報告書の提出を義務付ける、派閥の政治資金を公開する、派閥の活動を規制するなどの取り組みを進めていく可能性があります。

こうした改革は、国民の信頼回復につながり、自民党政権の支持率の向上につながる可能性があります。

高市氏は、保守的な政策を主張する議員として知られており、保守層からの支持が厚いです。高市氏が次期自民党総裁になった場合、岸田政権によって失われた自民党の保守岩盤層の支持を取り戻すことになり、次の選挙で自民党の勝利につながる可能性があります。

高市氏が総裁になれば、女性初の自民党総裁になります。これは、他のどの候補よりも、自民党の刷新を象徴することになります。

女性のリーダーシップを示すことで、自民党の党内外における女性の活躍を促し、女性の支持を獲得することにつながる可能性があります。

現状の派閥政治をそのまま継続すれば、自民党の党勢は衰えていくばかりで、選挙で勝つことはできないと多くの自民党議員や、自民党議員が考えれば、高市氏が総裁になる可能性が高まることになります。

朝日新聞などをはじめとする、安倍派に対する裏金疑惑が思わぬ方向に進む可能性が高まってきました。

私は、松野氏の更迭のみならず、高木、西村、萩生田氏まで更迭の可能性がでてきたことで、安倍派の怒りは頂点に達し、これが安倍派の結束を固め、次の総裁選では、安倍派が高市氏を担ぐ可能性も高まったと思います。かつて安倍氏が高市氏の後ろ盾になっていたことを考えると、不思議なめぐり合わせだと思います。

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