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2022年7月18日月曜日

日本の左派やリベラルが、安倍元首相に完全に敗北したワケ―【私の論評】しっかりと実体験できた、安倍総理の功績、雇用の劇的改善(゚д゚)!

日本の左派やリベラルが、安倍元首相に完全に敗北したワケ

安倍元総理

左派を震撼させたその実績を検証すると

 7月14日、岸田首相は、暗殺された安倍元首相について今年秋に国葬を行う方針を明らかにした。これに対し、公明はコメントせず、共産、れいわ、社民は反対した。

 安倍元首相の功績については世界的には称賛されているが、国内の左派やリベラルを中心に「アベ政治を許さない」と露骨に嫌う人も目立った。安倍氏に反発するメディアも少なくなかったが、安倍氏はそうした人たちのどこを刺激したのだろうか。

 本コラムで何度も紹介したが、安倍元首相は、経済政策で雇用の確保の実績はピカイチだった。安全保障では、西側政治家の中で誰よりも早く専制国家中国の脅威に気づき、民主主義のクワッド(日米豪印)に動き、同盟(集団的自衛権)の重要性から安保法制を作った。

 これらの経済政策や外交安全保障政策は、世界標準の政策であり、世界からの評価を得るのも当然だった。経済政策は、複数のノーベル賞受賞者や世界的に著名な経済学者から評価されたし、外交安全保障も各国首脳からも支持を受けている。

 だが、それらの実績は左派を震撼させた。雇用の確保は左派の根幹思想であるが、保守の安倍元首相はその「お株」を奪った。雇用確保ができたのは左派政権ではなかったことで、左派を圧倒した。

 実際、雇用の確保について、民主党政権と安倍政権をみると、比較にならないほどに安倍政権の方が優れた業績を示している。

 外交安全保障でも、安倍元首相は第1次政権の2000年中頃、西側民主主義国のリーダーがまだ気付かない時期に、中国の野望を分かりやすく世界に暴いていた。

 その頃から、対中包囲網であるTPP(環太平洋パートナーシップ)や今でのクワッド(日米豪印)の構想に向けて動いていた。中国は左派の「心の拠りどころ」ともいえるから、左派は必死になって安倍元首相を攻撃した。

 さらに、安倍元首相は、左派の「お花畑論」も安保法制で崩し、今回のウクライナ危機ではその「お花畑論」の欺瞞が皆に知れてしまった。

 要するに、安倍元首相は、左派が信じて築き上げた戦後の虚像を、実績により見事に打ち砕いたのだ。

 左派は安倍元首相に、経済でも安全保障でも完膚なきまで打ちのめされた。左派がいくら言い訳しても、安倍政権下での左派の国政選挙6連敗は否定できない。国民は左派より安倍元首相を選んだ。雇用を守るのも国を守るのも左派でなく、安倍元首相だったのだ。

国葬は「弔問外交」の舞台になる

 雇用と外交安全保障という政策で完敗した左派は、「モリカケサクラ」というスキャンダルで安倍元首相を攻めるしかなかった。しかし、その結果は左派にとって無残だ。

 モリカケでは安倍元首相への嫌疑はまったく出なかった。財務省による公文書改竄があったが、元財務官僚の佐川氏が自らの国会答弁ミスを糊塗する保身によって生じたものであり、安倍元首相には無関係だ。

 サクラでは、安倍元首相の秘書に対する政治資金規正法不記載のみで安倍元首相は不起訴に終わった。これらがモリカケサクラの司法による結果のすべてである。

 安倍元首相については、国内では、左派メディアの影響でモリカケサクラのマイナスイメージが強かったが、海外では経済・外交安全保障での成果により高い評価を得ている。今回、この好対照が露わになった。

 これは、安倍元首相を嫌った人がどういう方々であったのかも、明らかにしてしまった。これまで、ネットを中心としたいわゆる「ネトウヨ」が安倍元首相を支持しているとされてきたが、銃殺事件の後の事件現場や増上寺、自民党への献花の状況を見ると、国内でも安倍元首相を慕う人は多い。一部左派メディアの報道に影響を受けなかった人が少なくなかったことは明白だ。

 その上、海外からの弔問も凄い。エリザベス女王、ローマ法王をはじめ、トランプ前大統領、バイデン大統領、そしてプーチン大統領と世界各国の要人から追悼の言葉が寄せられた。さらにブリンケン国務長官や台湾の頼清徳副総統が来日し、弔問に訪れた。弔意の数は、259ヵ国・地域や機関などから計1700以上にのぼっている。オーストラリアでは各都市の建物をライトアップし、インドは全土で喪に服した。米上院では安倍元首相の功績をたたえる決議案が提出された。

 これだけ内外から慕われたのだから、安倍元首相の国葬は当然だろう。

 国葬では費用を全額国が負担するので、これが問題とも言われる。2020年の中曽根康弘元首相の内閣・自民党合同葬では約2億円かかったといわれる。今回の国葬ではその倍としても4億円。官房・外務機密費の1割程度なので、大きな支出とは言えない。

 国葬となれば、各国要人の出席にもなるだろうから、日本が「弔問外交」の舞台になることもあり得る。葬儀は故人を偲ぶものであるが、安倍元首相なら世界平和のきっかけになると許してくれるだろう。日本が外交舞台になる恰好の機会と考えれば、国葬は決して意味のないことではない。むしろ、国際的に名が知れた安倍元首相の葬儀としてふさわしいものになるだろう。

 なお、石平氏が「安倍元首相の国葬に一番困っているのは中国の習近平」という興味深いツイートをしていた。これに対して、筆者は「習氏の困ることを反対するのは当然のことか。わかりやすい」とツイートした。

 石平氏の見立ては、国葬に反対している国内勢力の立ち位置をわかりやすく解説している。

髙橋 洋一(経済学者)

【私の論評】しっかりと実体験できた、安倍総理の功績、雇用の劇的改善(゚д゚)!

安倍元首相は、経済政策で雇用の確保の実績はピカイチだったこと、これは数字でも確かめられますし、私には実体験もあります。

数字といえば、以下のグラフをご覧いただくと一目瞭然です。これは、高橋洋一氏の作成したグラブなのですが、これを民主党の議員にみせたところ「グラフが違う」と言われたそうです。しかし、労働力調査をみれば、このグラフが正しいことを確認できます。


民主党政権の頃には、私は人事を担当していました。採用の仕事もしていましたが、まずは民主党政権のときには、採用がかなりやりやすくなったことを覚えています。企業によっては、採用を手控えるところも結構あり、あまり苦労することもなく、思い通りに新卒を採用できたのを覚えています。

そうして、衝撃的だったのは、このブログも過去に掲載したように、当時の新人たちの悲惨な学生生活でした。自分たちの頃とは随分異なると思いました。

まずは、大学も大学院も一流の国立大学を卒業した新卒の女性ですが、なんと教育ローン(名前は、奨学金だが実体はローン)の返済を100万円以上も抱えているというのです。大学でも院でも、バイトはしていたそうなのですが、理系で時間の都合がつかず、十分にバイトができず、結局教育ローンに頼らざるを得なかったそうです。

国立大学といえば、学費が比較的安いというイメージが多いようですが、最近では国立大学もかなり学費があがっています。私立程ではないのですが、それにしても驚くほど高いです。国立大学でも、学部でも大学院でも年間で50万以上というのが普通です。もっと高いところもあります。


これは、大変だと思いました。さらに、バイトの実体も聞いたのですが、一流大学の学生でも、飲食店でバイトしたという人も多く、なぜそのように割の良くないバイトをするのだと聞いてみたところ、割の良いバイトはすぐに埋まってなかなか回って来ないのが実情だったようです。

自分が大学生だった頃には、家庭教師や塾講師などいくつか掛け持ちして、さらにシンクタンクで、ブログラミングなどすると、月の収入が多い時には、三十万を超えることもありました。自分の少し前の世代だと、大手熟で夏期講習をすると、夏期講習終了時には、熟全員で「ハワイ旅行」などという景気の良い話を聞いたことがあるくらいです。そのため、遊びに金がなくて不自由することはありませんでした。

そのようなこともあり、自分の若い頃とは明らかに当時の若者が置かれている状況は異なることが認識できました。

ちょうどこの頃でしょうか、早稲田大学出身の老人が、「自分は学生だった頃は、学費など全部自分で稼いだ、大学なんてなんとでもなるはずだ。今の学生は根性がない」等という話を新聞でしていて、かなり批判を浴びいたことを思い出しました。このような老人は、残念ながら、その当時日本がデフレスパイラルのどん底に沈んでいたことを理解しておらず、自分の若い頃と環境は変わっていないと考えていたのでしょう。

さらに、私学出身の私立大学の男性の新卒ですが、何と大学時代には、一度も外で飲んだことはないというのです。飲む時は全部うち飲みだというのです。この学生札幌出身ですが、一度もすすき野に行ったことがないと語っていました。

その新人は学生時代にはバイトもしていたのですが、何とそれで遊ぶということもなく、車は持たず、贅沢もせず、卒業まで数百万円貯金したと語っていました。彼の家は比較的裕福なので、学費には困らなかったようでずが、比較的裕福な家の子息がこの有様です。

ある大学の先生は、このような状況を懸念しておられて「優秀な学生に対しても、大学院に進学しろなどと、安易にすすめることができなくなった」と嘆いておられました。

このような話は他の新卒でも多く聴かれました。明らかに、世の中はデフレであり、特に若者は悲惨で、希望の持てない世の中になったのだと認識することができました。

そうして、このブログに過去にも掲載したことがあるのですが、デフレで不景気なると、企業の採用基準で「コミュニケーション能力」が重視される傾向にあるようです。それは以下のグラフをみてもわかります。


採用基準としてのコミュニケーション能力は2001年には、チャレンジ精神より低かったものが、2011年には、断トツの80%台になりました。これについて、どうしてなのかと思い、当時面接会場において、他者の採用担当者と話をする機会もあったので、いくつかの会社の採用担当者に「御社は採用において、コミュニケーション能力を重視するとされていますが、具体的にはどういうことなのですか」と質問してみたことがあります。

私としては、このブログも時々掲載するドラッカーの「コミュニケーションの原則」などことや、あるいは各社独自の何かがあるのかと期待したのですが、そのような答えはありませんでした。各社とも「コミュニケーション」という言葉の意味を深くは考えてはいないようで、いわゆる「コミュ障」でない人くらいの感じでした。

結局デフレ不況で、チャレンジ精神に溢れた人に入社されても困るというのが実情だったのでしょう。どうも話を聴いていると、調整能力に長けていることと、和を重視する人ということに思えました。

私は、これは世の中をみるときの目印にもなるように思います。多くの企業が採用基準で「コミュニケーション能力重視」ということを言い出すと、世の中かなり不況であるか、企業が先行きに不安を感じるているという目印になるのではないかと思います。そうして、現在でも「コミュニケーション能力重視」としている、企業がまだ結構多いのが気になります。

そうして、その頃から高橋洋一氏や他のまともなエコノミストらの、財政・金融政策の記事を読み、雇用=金融政策であることを知っていた私は、若者の惨状から救うためにも、財政・金融政策の本質を理解する政治家がでてきて活躍してもらいたいと願うようになりました。

そこに颯爽と登場してきたのが安倍総理であり、その安倍総理が上の髙橋洋一氏の記事にもあるように、優れた雇用政策を実行して、雇用が劇的に良くなりました。

その頃には、私はすでに人事を担当していませんでしたが、それでも劇的に変わったことを感じました。まずは、採用が従来よりは難しくなったことです。

そうして、人事を仕事を引き継ぐときに、新たな人事担当者と一緒に、大学や高校をまわったときに、大きな変化に気づきました。

無論、大卒も高卒もかなり就職率が劇的に高くなりました。それは、各学校の就職担当の先生方が口を揃えて語っておられました。

ただ、ある先生は「確かに良くなっている。卒業生の98%が就職している。ただ、学生にはこの状況はいつまで続くかわからないので、選り好みをせず、年内中に決めてしまいなさい」と指導していると語っていました。やはり、ひどい時代のことが脳裏に焼き付いているのでしょう。

若者自身を含め、就職に企業側であれ、学校側であれ、関わった人ならば、この劇的変化は誰もが認めるところだと思います。

そうして、最後に安保について述べますが、上の記事の通り安保でも安倍総理はかなり大きな貢献をしました。

これは、上の記事と同じことを書いてもつまらないので、別のことを書きます。

海上自衛隊の新型潜水艦「たいげい」が今年3月9日、就役しました。中国の海洋進出を念頭にした防衛力強化のため、政府が目標として掲げてきた潜水艦を16隻から22隻に増強する計画が完了しました。これは計画よりもはやく達成されています。

海自によると、たいげいは基準排水量3千トンで全長84メートル、全幅9.1メートル。乗員は約70人。建造費は約800億円。「大きな鯨」が名称の由来となっています。

この22隻体制の意味をあまりマスコミは報道しませんが、これによって日本の専守防衛は完成の域にたっしたといえます。

この体制だと、日本の近海を交代制で24時間日本近海を監視することができ、中国やロシアあるいは、北朝鮮などの艦艇や潜水艦などが日本に侵攻しようとした場合、これを防ぐことができます。

中露北よりは、日本は対潜哨戒能力が凌駕している上に、日本の潜水艦の静寂性(ステルス性)に優れており、中露北にはこれを発見することはかなり難しいです。

いずれの国の潜水艦も動力源をとめて、海に潜っていれば、発見するのは難しいのですが、魚雷やミサイルを発射すると、それはすぐに発見され、そこから離脱しようとして、動力源を入れて動けば、その音で敵に発見されてしまうのですが、日本の潜水艦はステル性に優れているため、動いていても発見するのは難しいです。

この22隻の潜水艦隊により、日本の専守防衛の体制はかなりの水準まて達成されたといえるでしよう。日本を侵略しようとして、艦艇や吸収揚陸艦を派遣したとしても、そのほとんどが日本に辿り着く前に撃沈されることになります。とても恐ろしくて、日本を武力で直接侵略する国などないと思います。そうして、それは無論憲法9条があるからではなく、日本は無音の潜水艦隊があるからです。

この計画も安倍総理在任中にたてられたものであり、この功績も大きいです。これによって日本の独立は保たれることになります。ただ、日本の通常型潜水艦による防衛では、専守防衛には十分ですが、それだけでは敵にミサイルを打ち込まれたりすれば、国民の生命財産を守ることはできません。それが今後の課題となりますが、それにしても専守防衛に一区切りつけた安倍総理の功績は大きいです。

安保に関しては、実体験ではないですが、雇用面においては実体験ではっきりと、安倍総理の功績を捉えることができました。このようにはっきりと実体験できた、総理大臣は安倍総理以外にいません。

私も実体験できているわけですが、他にもそのような人は大勢いると思います。そういう人にとって、野党やマスコミの垂れ流す「安倍批判」は、全く何も意味を持たないと思います。


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2017年3月2日木曜日

【阿比留瑠比の極言御免】民進党が旧民主党時代から投げ続けてやまない「ブーメラン現象」の研究―【私の論評】脱力感炸裂の今の民進党の救世主は馬淵氏だけ(゚д゚)!


参院予算委員会で民進党の小川敏夫氏(右)の質問に答弁する安倍晋三首相
=2月28日午後、参院第1委員会質
住んでいる自治体の運動公園の行事で、子供と一緒にブーメラン競技の体験教室に参加したことがある。かなたへと投じたブーメランが、きれいな弧を描いて自分の元に返ってくるのは確かに気持ちがよいものだった。民進党は、まるでこの快感のとりことなっているかのようである。

 2月27日の衆院予算委員会では大西健介氏が、28日の参院予算委では小川敏夫氏がそれぞれ、独特な保守色が注目されている学校法人「森友学園」をめぐり、安倍晋三政権との密接な関係を印象付けようと追及した。ところが、ともに民主党(現民進党)時代にも同様の関わりがあったことを指摘されて自爆した。

 これらは、本紙既報のため詳述は避けるが、いずれもお手本にしたいような正確なブーメランだった。相手への攻撃が寸分違わず自分に跳ね返る姿には、一種の様式美すら感じた。

 今や民進党といえば、ブーメラン現象を思い浮かべる人も少なくないことだろう。それにしても、事前に少しでも調べていれば誰でも分かることなのに、どうしてわざわざブーメランを投げようとするのか。何かやむにやまれぬ動機や理由はあるのだろうか-。

日本維新の会の足立康史衆院議員 写真はブログ管理人挿入以下同じ
 この点について、日本維新の会の足立康史衆院議員が以前、自身のブログで整理していたので紹介したい。足立氏によると、民進党議員のブーメランには、(1)反射型(2)指令型(3)信念型-の3つの類型がある。

 (1)は当人が深く考えずにその場の都合で反射的に口にするもので、(2)は当人の意向にかかわらず上からの指令でやっているもの、(3)は当人の思想・信条、強固な思い込みや勘違いなどによるものだろう。足立氏は、ほとんど無意味な(1)や(2)に比べ(3)は「反面教師くらいにはなりそう」と皮肉っている。

 また、ジャーナリストの山村明義氏は新著『日本をダメにするリベラルの正体』の中で、足立氏の言う「反射型ブーメラン」についてこう分析している。

 「リベラルな議員特有のもので、その特徴は、『過去をいつの間にか忘れる』というもの」

 「リベラル主義者は、その理念として常に『進歩主義』でなければならず、自分の歴史や過去を振り返ってはいけない、という先入観があるよう」

 確かに、民進党議員の国会質問を見ていると、3年3カ月にわたる民主党政権の失政への反省はほとんどみられない。国会では、政府側が「その政策判断は民主党政権時代のものだ」と指摘すると、堂々と「(今は)民進党だ」と反論する議員も見受けるほどだ。

 こういう議員らには、相手は「悪」「邪」だが、自分たちは「正義」「善」だという根拠のない決め付けがあるように思える。正義はわれにあるのだから、何を言っても許されるとばかりに相手のすべてを否定しようとするから、自分自身の過去の言動と矛盾してしまうのではないか。

 筆者が初めて署名記事で民主党に関しブーメランという言葉を用いたのは平成22年5月、当時の鳩山由紀夫首相に対してだった。

 「何か本質的な間違いというか、本質的な考え方がどうも違う。それが結果として表面的な失言につながっているのではないか」

 鳩山氏が20年11月に、麻生太郎首相(当時)に浴びせたこんな言葉を引いて、「見事なブーメランとなって跳ね返っている」と書いたのだった。あの時からもう7年近くたつが、この党は変わらない。

(論説委員兼政治部編集委員)

【私の論評】脱力感炸裂の今の民進党の救世主は馬淵氏だけ(゚д゚)!

何やら、最近の民進党はさらにグタグタぶりが、さらに加速したようです。これについては、前から一度このブログにも掲載しようとも思ったのですが、あまりのグタグタぶりに、なんというかゲンナリして、疲れてしまい、掲載しませんでした。

本日のブログ冒頭の記事、かなりよくまとまっていて、グタグタぶりがわかりやすく整理されていたので、本日はやっと掲載するつもりになることができました。

上の阿比留瑠比氏の指摘以外にも、最近の酷い民進党のグタグタぶりの事例があります。以下三つほどその事例をあげておきましょう。

まず第一は、大阪府が私学設置基準を緩和したときは、安倍政権の時ではなく、民主党の野田政権のときです。だから、民進党は、本当に基本的な事実の確認もできないで、とりあえず安倍政権を批判したいのです。


さて、上の写真はある方のブログから転用したものです。おそらく、最近の新聞のものだと思われますが、この記事には"しかし、12年4月、松井知事は突然「借り入れありの幼稚園」にも小学校参入の目とを開く・・・・"という下りがあります。

12年4月というと、確かに民主党野田政権時です。このまま追求を続けていくと、民進党は当時総理だった野田幹事長を追求しなければならなくなるかもしれません。まさに、大ブーメランです。

最初からこのようなことは分かつていますから、だから森友学園問題は、民進党議員が問題にしても、マスコミが問題にしても、いっこうにつまらなく、聞いていると、脱力感を感じるだけです。

次に、二つ目。衆院予算委員会の野党筆頭理事を務める民進党の長妻昭元厚生労働相が、ツイッターで「国会で追及してほしいことをお寄せください」と呼びかけました。ところが、ネットユーザーからは、民進党のあんな疑惑やこんな不祥事の“追及”を求める声が相次いで寄せられたのです。

衆院予算委員会で質問する民進党の長妻昭理事
1日のツイッターでの呼びかけに対しては、蓮舫代表の「二重国籍」問題や、“ガソリーヌ”こと山尾志桜里前政調会長の政治資金問題、後藤祐一衆院議員の防衛省職員への暴言問題など民進党議員の疑惑や不祥事を追及のテーマに据えるよう求める意見がまたたく間に集まりました。

女性をラブホテルに強引に連れ込もうとしたと「週刊新潮」に報じられ党青年局長を辞任した初鹿明博衆院議員や、旧民主党時代、国会の審議時間中に自民党の女性議員を投げ飛ばした津田弥太郎参院議員(すでに政界引退)の名も挙がりました。

当然のことながら、ツイッターなどのSNSは、不特定多数の人々が見ているものです。こういう結果になることを長妻氏は予測できなかったのでしょうか。できなかったとすれば、あまりにお粗末です。

蓮舫氏
最後は、連邦代表の動向です。参院予算委員会は2日、平成29年度予算案に関する3日間の基本的質疑を終える。野党第一党・民進党の質問時間は1日で全て終わったのですが、参院きっての論客であるはずの蓮舫代表がバッターとして立つことはありませんでした。

予算委で論戦が交わされた1日午後、蓮舫氏の姿は国会近くの民進党本部にありました。

「官では届かないサポートが必要な方々がいる」

NPO法人関係者と意見交換し、共生社会実現への意気込みを語った蓮舫氏ですが、国会論戦の主要テーマへの言及はありませんでした。

1月末の参院予算委で行われた28年度第3次補正予算案に関する質疑では、蓮舫氏は民進党のトップバッターを務め、稲田朋美防衛相らに舌鋒鋭く厳しい質問を浴びせて存在感をアピールしました。にもかかわらず、本予算案の論戦に姿を見せないことは非常に不自然です。

この1カ月間で蓮舫氏は党内での求心力を低下させました。次期衆院選公約の目玉にしようとした「2030年原発ゼロ」方針に支持団体の連合が猛反発。連合傘下の電力総連からは、党公認候補の推薦見送りまでちらつかされ、3月12日の党大会で表明する構想は断念に追い込まれました。


調整力不足が白日の下にさらされ、持ち味であるはずの「発信力」も空回りするばかりでした。原発政策に関する議論が行われた2月22日の党会合では、党側が報道陣に「蓮舫氏の写真撮影“NG”」を言い渡す場面もありました。表舞台で華やかに舌鋒鋭く対外発信を続けるより、まず地道に党内や支持団体の基盤固めをすべきでした。

私は、現在の民進党は大嫌いですが、それでも野党第一党としての本来の役割を果たすべきと思っています。

今の民進党は、まともな経済論議も、安全保障論議も、技術に関する論議もできません。さらには、党内や支持団体とまともにコミュニケーションをとることすらできません。

こんなことでは、野党第一党としての本来の役割を果たすことはできません。それでは、与党である自公に奢りや高ぶりがでてくるようになるかもしれません。

現在驕り高ぶっているのは、他ならぬ民進党です。自分たちは「正義」「善」だという根拠のない決め付けをして、与党は「不義」「悪」と決めつけ、上から目線でものいい、自らを一切反省しないから、グタクタになってしまうのだと思います。

この民進党をまともにするには、まずは民進党自体の日本経済に関する見方を根本的に変える必要があります。なぜなら、やはり多くの国民にとっての最大の政治課題は日本経済が良くなることです。

安倍政権がまがりなりにも、支持率が高いのは、8%増税によってGDPの伸びは低くとどまったものの、金融緩和策によって雇用情勢が劇的に回復したためです。安全保障などの問題も重要なのですが、やはり景気が良くなることが一番です。

そうなると、まともに経済論議のできない今の民進党では、どうにもならないわけです。民進党で経済に関してまともな感覚を持ち合わせているのは、現在では馬淵澄夫議員だけです。金子洋一氏もまともなのですが、残念ながら、昨年の参院選で落ちています。

民進党は、蓮舫氏に代表を退かせて馬淵澄夫議員が同党代表にならないかぎり、政策的な面で自公政権との対抗軸は打ち出せません。

馬淵澄夫議員
馬渕氏は過去には、金融引締め一辺倒の日銀相手にしっかりとしたインフレターゲット論を主張するなど、かなり勉強しているようです。国会会議録検索システムで、発言者=馬淵澄夫、会議指定=財務金融委員会で検索して、平成16年3月23日の議事録を見ると、馬淵議員と福井日銀総裁のやりとりを読むことが出来ます。

馬渕氏が代表になれば、国会でまともな経済論議ができるようになるかもしれません。今の民進党は破茶目茶な経済論議しかできません。代表選の時の候補者の三人の全員が増税すべきという持論を展開していました。全く話にも何にもなりません。彼らは、まとに経済統計を見ているのでしょうか。いや、目が悪いのではないでしょうか。

とにかく、今の民進党の救世主は蓮舫でもなく、山尾志桜里でもなく、その他有象無象のどうでも良い議員などではありません。馬渕氏です。

私は、無論民進党支持者ではなく安倍政権を微温支持しています。他に、支持できる政党や、政治家がいないので、支持しているのです。安倍総理がいなくなれば、自民党を支持しないかもしれません。しかし、そうなっても、今のままの民進党なら支持できません。

自民党から民主党への政権交代のときも、「一度はやらせてみせるべき」などとは思いませんでした。最初から経済がさらに落ち込み大変なことになると思いました。そうしてそれは的中しました。

それにしても今の民進党は以前にも増して酷すぎます。国会での民進党議員の著しくレベルの低い国会論戦などもう見たくも聴きたくもありません。あれを見ていると、最近は本当に脱力感ほ感じるようになったので、もっとまともになってほしいです。

そうして、本来のや第一党の役割を果たすべきです。今のままの民進党なら、はやく消えたほうが良いです。

いっそ、ガラガラポンをして、民進党を消滅させ、馬渕氏を党首とした新党をたちあげるべきなのかもしれないと思ってしまいます。

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2022年5月21日土曜日

企業物価が大幅上昇しても川下まで価格転嫁は難しい 有効需要作る対策は減税だ!―【私の論評】実は、私達は岸田政権により経済的に末恐ろしい局面に立たされている(゚д゚)!

日本の解き方

ブログ管理人グラフを挿入

 4月の企業物価指数が前年同月比10%上昇の上げ幅となった。企業物価指数は、日銀が公表している企業の間で取引されるモノの価格を示す指数で、企業の仕入れ価格や卸売価格が対象だ。

 1960年以降のデータがあり、前年同月比をみると、2度のオイルショックがあった1973年3月から74年12月までと、79年11月から80年12月までの期間は10%超の上昇率だったが、今年4月はそれ以来の上げ幅となった。

 本コラムでは、30兆円程度以上のGDPギャップ(総供給と総需要の差)があるので、エネルギー・原材料価格の上昇があっても、なかなか消費者物価に転嫁できないということを書いてきた。

 18日に公表された1~3月の実質国内総生産(GDP)速報でも、年率換算で1・0%のマイナス成長なので、まだGDPギャップはある。さらに、企業物価の中身をみても、消費者物価への転嫁ができないとの主張は変わらない。

 企業物価統計には「需要段階別・用途別指数」がある。これをみると、「素原材料」は前年同月比65・5%増、「中間財」が同18・0%増、「最終財」が同4・9%増だった。要するに、物価を「川上」と「川下」に分けると、消費者物価指数が最も「川下」で、企業物価指数は「川上」だ。その企業物価指数の中でも、素原材料が最も川上、その次に中間財、その下が最終財となるが、一番川上のエネルギー・原材料価格が上がっても、川下に行くほど、価格転嫁ができないことを如実に物語っている。

 3月の素原材料は同51・0%増、中間財は同16・4%増、最終財は同4・1%増だった。そして同月の消費者物価指数総合は同1・2%増と、川下ほど転嫁できない状況が明らかだ。

 4月の消費者物価指数総合は、携帯電話料金の値下げ効果がなくなったことで、大きく上昇した。しかし、GDPギャップが相当程度あるので、今後も4%にはなかなか届かないとみられる。そしてインフレ率の基調となるエネルギーと生鮮食品を除く指数は当分の間、2%にもならないだろう。

 1973年と79年には、消費者物価は企業物価に追随したので、今回も追随してインフレになるという意見もある。

 しかし、現状のGDPギャップを見るかぎり、需要不足は広範な業種にあると考えられる。そうした業種では、エネルギー・原材料価格の上昇があっても消費者価格への転嫁ができずにコストアップの影響をモロに受ける。

 転嫁がうまくできるような環境作りが必要だが、まずは最終需要が増えるような有効需要を作らなければいけない。その際、エネルギー・原材料価格の上昇が原因なので、それを緩和するために、ガソリン税減税と個別消費税の減税(軽減税率適用)が適切な対応策になるが、岸田文雄政権では補正予算がショボすぎて、そうした対策ができていないのが残念だ。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】実は、私達は岸田政権により経済的に末恐ろしい局面に立たされている(゚д゚)!

消費者物価指数はどうなっているのかということについては、昨日このブログに掲載したばかりです。


コアコアで0.8%に過ぎず、総合で2%を超えているのは、エネルギー価格や生鮮食品価格が上がっているためです。その原因は、ロシアのウクライナ侵攻に対する制裁などによるエネルギー価格の高騰が原因です。

昨日の記事では、この状況であれば、経済対策としては、エネルギー価格を下げたり、消費税減税をしつつ、金融緩和策を継続するべきという結論でしたが、上の高橋洋一氏の記事も概ね同じようなことを指摘しています。

ただ、昨日は企業物価が上がっていることは指摘しませんでした。企業物価が上がっているということは、本来ならば日本にとっては、チャンスでもあります。

00年以降をみても、企業物価が上昇したのは、08年のリーマン・ショック直前と、14年の消費増税時があるが、前者では世界経済の急落、後者では消費増税による景気ショックがあり、消費者物価に反映する余裕もなく、その直後に企業物価は急落しました。

今回は、世界での新型コロナ後の景気拡大への方向もあり、日本にとってはまたとないチャンスである。ここで、日本は財政政策と金融政策をフル稼働すれば、GDPギャップ(完全雇用を達成するGDPとの乖離)も縮小し、景気の腰折れもなく、賃金と物価がともに上昇する好循環にも入れるはずなのです。

5月12日には、日銀政策会合が行われています。その要旨をみると、日銀では極めてまともな論議が行われています。一部を以下に引用します。
  • わが国経済は、依然として感染症からの回復途上にあるうえ、 資源輸入国であるわが国では、資源価格の上昇は、海外への所 得流出に繋がるため、経済に下押しに作用する。こうした経済・ 物価情勢を踏まえると、現在の強力な金融緩和を続けることで、 わが国経済をしっかりと下支えする必要がある。
これは現下の日本経済を考えると、当然の結論であり、日銀がこの姿勢を崩さなければ、今後日本が金融政策で大きな間違いをすることはなさそうです。

上の記事で、高橋洋一氏は結論で、以下のように述べています。
転嫁がうまくできるような環境作りが必要だが、まずは最終需要が増えるような有効需要を作らなければいけない。その際、エネルギー・原材料価格の上昇が原因なので、それを緩和するために、ガソリン税減税と個別消費税の減税(軽減税率適用)が適切な対応策になるが、岸田文雄政権では補正予算がショボすぎて、そうした対策ができていないのが残念だ。

 実際、岸田政権の補正予算はあまりにショボすぎます。

政府は、先月まとめた物価高騰の緊急対策を実行するため、一般会計の総額で2兆7009億円の今年度の補正予算案を閣議決定しました。財源は、全額を追加で発行する赤字国債で賄うことにしています。

政府が17日、持ち回り閣議で決定した今年度の補正予算案は、一般会計の総額で2兆7009億円で、原油価格の高騰対策として来月分以降の石油元売り会社への補助金などとして1兆1739億円、予備費を積み増すための1兆5200億円などを計上しています。

2兆7009億円では、あまりに少なすぎます。桁を間違えているのではないかと思えるほどです。ちなみに、これは内閣府が算出した需給ギャップ17兆円よりもはるかに少ないです。これは、高橋洋一氏の算出した30兆円よりは少ないです。

ただ、内閣府という政府の機関が算出しているわけですから、本来は少なくと17兆円の補正予算を組むべきでした。17兆円の補正予算ならば、来春まだ需給ギャップがあれば、さらに補正予算を組めばなんとかなります。しかし、3兆円未満の対策であれば、最初から効果がないことはわかりきっています。

このままの状況だと、最初に価格転嫁ができない中小企業の事業の継続ができなくなるでしょう。たとえば、老舗の飲食店などで長く良心的な商売を続けてきた店が、営業できなくなって店じまいをするようになります。その後は、そのような店だけではなく中小企業で廃業するところが増えてくるでしょう。

株価は最近低迷気味です。これは典型的な先行指標ですから、市場は半年後くらいには間違いなく景気が悪くなるとみているのです。そうして、景気は落ち込み、その後に失業率が11月頃から上がり始めるでしょう。なぜそうなるかといえば、失業率は典型的な遅行指標ですから、景気が落ち込んだからといってすぐに失業率は上がらず半年後くらいから上がりはじるからです。

就活生には、今年は就職浪人などしないことをおすすめします。来年になって、岸田政権の姿勢が変わらない限り、今より良い就職先がみつかる見込みはありません。まともに就職活動がてぎるのは、今年の10月あたりまででしょう。内定が決まっても、来年になって取り消しということもあるかもしれません。こんなことはいいたくないのですが、特に女性には、厳しくなります。油断せずに、10月までの間に内定先を複数決めるべきと思います。

それから、このような状況が続くと、採用の条件として「コミュニケーション能力重視」という会社が増えるかもしれません。これは、以前このブログで指摘したように、いわゆる調整型の社員を採用したいいということなのですが、それではありまに体裁が悪いので「コミュニケーション重視」と言い換えているだけです。それも致し方ないです、企業の責任ではありません。モノが売れないのですから、創造性に富んだ人やチャレンジ精神にあふれる人が、多数社員になられても困るのです。


もし、岸田政権が崩壊したり、岸田政権の方針が変わって、まともな経済対策をやり始めるということもまかり間違ってあるかもしれませんが、今はとにかく最悪の状況を考えて、リスク回避をすべきときです。状況が変われば、来年になってからいろいろ決めても遅くはありません。

続けて脅すようなことをいいますが、日銀の黒田総裁の任期は来年3月までです。4月からの新しい日銀総裁になれば、先にも示したような日銀会合のようなことはなくなり、金融引締論が大勢を締めて金融引締に走るかもしれません。そうして日銀の人事を決めるのは岸田総理です。そうして、この状況が長く続けば、日本はまた「失われた30年」を繰り返すことになります。その間賃金は上がりません。韓国や台湾より、名目でも賃金が低くなるかもしれません。

岸田総理

岸田政権によって、本当に末恐ろしい局面にわたしたちは直面しているのです。昨日もこのブログで解説したように、私達ができるのは、参院選でまともな人を選ぶか、自民党の議員で多数派に属している人で、マクロ経済などに明るい議員などに陳情を続けるしかありません。

間違っても、「悪い物価」「悪い円安」などを煽る人たちに、煽られて、増税すべきとか、金融引締すべきなどと思い込むようなことはすべきではありません。

そんなことをすれば、自分の子供や孫の、就職氷河期で悩まされることに加担することになりかねません。それどころが、自らが数年後に家族離散して、年越し派遣村の炊き出しの行列に並ぶことになるかもしれません。そうなってからでは遅いのです。

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2015年2月4日水曜日

実はモチベーションと生産性が低い日本人――理由はこれだ―【私の論評】過去の日本が、デフレ・スパイラルのどん底に沈んでいたことを無視して、日本企業の生産性や社員のモチベーションを語っても百害あって一利なしと心得よ(゚д゚)!


この記事の著者ロッシェル・カップ

日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?』という私が最近出した本のタイトルを見て、日本のビジネスパーソンの多くが「本当にそうなの?」と思うことだろう。実際、この本を書いている最中にも同様のことを聞かれた。「日本人はバリバリ働いて、とても頑張っているのに」という意見が多かった。しかし私は、「勤労意欲が高い」「仕事の生産性が高い」という日本人が自分たちについて思うイメージに、本書の中で多くの疑問を呈している。

社員が自分の仕事についてどう思っているかを測定する手段として、最近アメリカで注目を集めているのが、社員のエンゲージメントというコンセプトである。また、社員のアウトプットを測定する直接的尺度となるのが、経済学者の言う生産性である。これらを通して、日本人の働き方と昨今の経済不振の間にどのような関係があるのかを探ってみよう。

社員のエンゲージメントとは、社員の企業に対する関与の度合いと、仕事に対する感情的なつながりを表現するものである。 これは「活力、献身、没頭などに特徴付けられる、仕事に関連するポジティブで充実した精神状態」と表現することができ、エンゲージメントの高い社員は「仕事にエネルギッシュで効果的なつながり」を持っている。つまり、仕事に対して社員が感じている包括的な情熱というレベルにまで焦点をあてているのが、エンゲージメントである。

社員のエンゲージメントが最近アメリカで注目を浴びている一番の理由は、高いエンゲージメントによって数多くの恩恵がもたらされるためだ。エンゲージメントの高い社員は企業に留まる傾向が高く、さらに企業とその製品・サービスの支持者として、より熱心な営業と優れた顧客サービスを提供する。ここで最も重要なのは、そのような社員は、仕事に対するやる気が非常に高いことである。このような社員が、顧客との関係を深め、企業が提供する製品やサービスを刷新し向上する原動力となる。

逆に、エンゲージメントの低い社員は、やる気がなく、仕事にも関心がなく、必要最低限のことしかしない。このような社員は欠勤が多く、安全に関する事故を起こしたり、品質問題を発生させたり、顧客を遠ざけたりする原因となる。また、ネガティブな態度で自分の周囲のモラルを低下させる原因にもなる。多くのアメリカ企業は、エンゲージメントの高い社員を増やし、低い社員を減らすことが、ダイナミックで成功した企業となる秘訣であることを認識し始めた。

社員にやる気を起こさせるためにエンゲージメントが重要であるとしたとき、日本企業の社員のエンゲージメントのレベルは一体どの程度であろうか? 例えば、エンゲージメントの国際比較研究の先駆者、タワーズワトソンの「2014年グローバル労働力調査」によると、日本でエンゲージメントレベルが高い社員は21%(持続可能なエンゲージメントの3要素すべてが高得点)、ある程度高い社員は11%(従来のエンゲージメントは高いがイネーブルメントとエネルギーが低い)、低い社員は23%(イネーブルメントとエネルギーは高いが従来のエンゲージメントが低い)、非常に低い社員は45%(持続可能なエンゲージメントの3要素すべてが低得点)であった。これに比較して、世界平均は同順に40%、19%、19%、24%、アメリカは39%、27%、14%、20%であった。 タワーズワトソンのコンサルティングディレクター、クリス・ピンツによると、少なくとも過去8年間、日本はこの調査の対象国中最低スコアを記録し続けているという。その他エンゲージメントの調査を行っている会社も、似たような結果を示している。

次に生産性を比較してみよう。生産性は一定のインプットでどれだけのアウトプットを作り出すことが可能かの測定である。 OECDが提供する2013年の数値によると、実労1時間あたりの国民総生産GDP(米ドル、時価、現在の購買力平価)は、日本が41.1、OECD平均が47.4、G7平均が56.8、アメリカが66.6となっている。つまり、2013年の日本の生産性はアメリカの61.7%、G7の72.3%、OECD全体の86.7%しかないことを意味する。この数値は、 日本企業の社員は他国企業の社員と比較して、時間を生産的または効果的に使うことをしていないことを示唆している 。

他国と比較して日本企業のエンゲージメントと生産性が低い原因は何だろうか? 幾つもの要素が複雑に絡んでいるため 、どこから始めてよいかわからないくらいだが、大きく分けて、雇用の構造、人事管理の慣行、 人材育成の方法、企業文化の4つのエリアに問題があると私は考える。(これらの問題点については、本書で詳しく解説している)

雇用の構造
  • 「仕事とは何か」に対する柔軟性に欠けるアプローチ
  • 柔軟性に欠ける労働力の区分
  • 「非標準的」労働者の女性、外国人、高齢者などの活用に消極的
  • 社員が自分の仕事内容を選べないシステム
人事管理の慣行
  • 報酬と業績評価の関連性の低さ
  • リスクに立ち向かうことへのサポートの欠如
  • 仕事内容の明確な定義の欠如
  • 社員を解雇する効率的プロセスの欠如
  • 社員のやる気育成への取り組みの欠如
人材育成の方法
  • ソフトスキルに価値が置かれない
  • マネジメントスキルの不足
  • 人事異動の計画性の欠如
企業文化
  • 過度の緊急性の風潮を作り出すヒエラルキー構造
  • お役所仕事的な柔軟性に欠けるプロセス
  • 長時間労働によるワークライフバランスの難しさ
  • 権限付与と自主性の欠如
これらの問題は、今日の日本企業のあり方に内在しているため、取り組むためには著しい構造的変化が必要とされるだろう。しかし今のままでは、日本はこれから他の先進国にどんどん取り残されていってしまう。日本のビジネスは今、将来を左右する重要な分岐点に立たされているといっても過言ではないだろう。

注)上記記事で、太文字はブログ管理者が施しました

【私の論評】過去の日本が、デフレ・スパイラルのどん底に沈んでいたことを無視して、日本企業の生産性や社員のモチベーションを語っても百害あって一利なしと心得よ(゚д゚)!

日本企業の社員は、なぜこんなにもモチベーションが低いのか?
上の記事の元となっている書籍


上の記事、一見新しい『日本ダメ論』なのかもしれないと思い、全文掲載しました。私は、この書籍を読んでいないので、論評して良いかどうか迷いましたが、上の記事の内容だけでも、十分に論評できると判断したので、以下に論評させていただきます。

最初に結論を言いますが、過去の日本がデフレスパイラルのどん底に沈んていたことを無視して、日本企業の社員のモチベーションの低さを論評しても無意味ということです。

日本がデフレに突入した直後の1998年より、それまで自殺者が2万人台だったものが、一挙に3万人台にはねあがりました。これについては、以前のこのブログにも掲載したことがあります。その記事のURLを以下に掲載します。
【田中秀臣氏TW】財務省は「人殺し」の機関の別称だといって差し支えない―【私の論評】政治主導を実現するため、財務省殺人マシーンは分割して破壊せよ!日銀殺人マシーンの亡霊を蘇らせないために、日銀法を改正せよ(゚д゚)!
 

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、 この記事では、デフレと年間自殺者数との間には、相関関係があるということを前提として、経済学者の田中秀臣氏のツイートなどを掲載しました。

過去の日本においては、15年以上もデフレが続いたという異常事態に見舞われていました。それが、社会に悪影響を及ぼしてきたことも事実です。経済対策は場合によっては人を殺す場合もあると田中秀臣氏もそう思っているようですが、私もそのよう思います。自殺まではいかなくても、モチベーションが下がる人々が多くなることも十分あり得ると思います。

そもそも、デフレでは企業が物がサービスを売りだそうとしても、なかなか売れません。そのような中で企業は、新しく製品やサービスを創造するよりは、既存の製品やサービスを品質を落とさずにいかに低価格で提供するかに知恵を絞るしかありませんでした。さらに、デフレに起因する、超円高で輸出産業にとっても、まるで手枷・足枷をされながら、グローバル市場での戦いを余儀なくされました。

こういう環境下では、企業も当然のことながら、採用を控えます。ただし、ある一定年齢層を全く雇用しないとか、極端に少なくしか採用しないということにでもなれば、将来特定の期間に管理職不足に悩まされることにもなりかねません。だから、消極的ではあるものの採用は続けてきました。

しかし、デフレ下においては、創造性・能力・才能があっても、それを十分に活用することもできませんでした。だから、企業としては、結果として「コミュニケーショ能力のある人」などして、あたりさわりのない採用を行ってきたというのが実情です。

無論、コミュニケーション能力が必要ないなどというつもりはありません。しかし、「コミュニケーション能力」など当たり前であり、これが欠如する人はそもそも、社会生活を営むことができません。企業側としては、この先もデフレが継続するものと想定して、あたりさわりのない採用をして、将来の特定年代の管理職の候補として、調整型の「コミュニケーション能力」をもっとも重視してきたのだと思います。

上の記事の筆者は、このようなデフレの影響は、無視して、日本人の働き方と昨今の経済不振の間にどのような関係があるかを探ろうしています。そもそも、経済不信は日本人の働き方に問題があると考えているようです。また、生産性の低さもそれが原因であると考えているようです。

しかし、これは、原因と結果をはき違えています。私は、長期デフレによる経済不信が日本人の働き方に問題をもたらしたのです。さらに、生産性の低さもそもそも、デフレ下においては、低価格にせざるをえず、低価格にすれば、必然的に生産性が低くなるのも当然の帰結です。

さらに、この筆者は、他国と比較して日本企業のエンゲージメントと生産性が低い原因は大きく分けて、雇用の構造、人事管理の慣行、 人材育成の方法、企業文化の4つのエリアに問題と考えているとしています。

本当に日本人だけがモチベーションが低いといえるか・・・

しかし、デフレであたりさわりのない採用をしている企業が、これらの改革に熱心に取り組むでしょうか。そんなことよりも、ありとあらゆる方面で、コストを下げて、企業の存続をはかることが精一杯だったと思います。

かといって、私は企業などを責めるつもりはありません。企業がデフレ下で、企業を存続させるために、防衛的な行動をすることは、やむを得ないことです。それは、個々人の努力や、企業努力も超えたものであり、その責任は日本銀行の金融政策の失敗によるものです。それを助長した日銀官僚や、政治家、マスコミによるものです。

このような最中に、過去のデフレを無視して、日本人のモチベーションが低いとか、その理由は、今日の日本企業のあり方に内在しているなどとするのは間違いです。

無論、個々人や、日本企業に問題がないなどとはいいません。しかし、欧米でも、欧米企業でも、問題がない企業はありません。

しかし、現状ではどうなるかわかりませんが、日本が長期のデフレ・スパイラルのどん底に沈んでいるときは、欧米は景気が悪いことはあっても、少なくともデフレではありませんてでした。

長期デフレであった日本の過去を無視して、日本人の生産性やモチベーションが低いなどと論ずるのは、百害あって一利なしであると思います。

この記事は日本人の現状のエンゲージメントや、生産性の低さを一方的に日本人のモチベーションの低さに結びつけているという点で、既存の「日本ダメ論」の域を全く超えておらず、全く無意味な論評だと思います。

デフレから完璧に脱出したとき真の日本がみえてくる・・・・・・・

最近の日本は、もはやデフレではありませんが、過去15年以上にもわたって、続いたデフレの悪影響はまだまだ続いています。デフレではないとはいっても、物価目標2%にはまだまだほど遠い上記ょうです。しかし、物価目標が達成され、デフレが完璧に過去のものとなり、緩やかなインフレが続く時代となれば、そのときこそ、日本人の真の姿や、日本企業の真の姿が見られるようになると思います。それだけ、過去のデフレは酷かったということです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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若年者死因トップは自殺 先進7か国で日本のみ―【私の論評】若者の死因の第一位が自殺になったのは、デフレ退治をしなかったことによる大きな罪ということを理解しない人が多いためますます、悲劇が続く?

「子どもが生まれたら10人に1人、離婚したら半分以上が貧困になる時代を生きる」―【私の論評】ちょっと待ってくれ、貧困の大きな原因の一つとして、個々人の努力や社会制度の問題の前にデフレがあるのでは(゚д゚)!


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2020年8月24日月曜日

河野防衛相が「女系天皇容認」 「ポスト安倍」問題ありか―【私の論評】安易に「女系天皇」を容認し、経済的には緊縮派の河野氏には、ポスト安倍の資格なし(゚д゚)!

河野防衛相が「女系天皇容認」 「ポスト安倍」問題ありか

河野太郎防衛相

河野太郎防衛相は23日、動画投稿サイト「ユーチューブ」などに番組を配信し、皇位継承のあり方について「1000年以上続く男系が続くなら男系がいい」と断ったうえで、女系天皇の容認も検討すべきだとの考えを示した。河野氏は「ポスト安倍」候補として、外交・安全保障では得点を重ねてきたが、「国体」に関する認識に問題がありそうだ。

 注目の番組で、河野氏は「皇室のメンバーである(天皇、皇后両陛下の長女の敬宮)愛子さまをはじめ内親王のお子さまを素直に次の天皇として受け入れることもあるのではないか」と述べた。

 皇位は、初代の神武天皇から第126代の天皇陛下まで、一度の例外もなく父方を遡(さかのぼ)れば天皇にたどり着く「男系継承」である。

 これを維持するため、「旧宮家の皇室復帰」などが検討されているが、河野氏は番組で慎重論を唱えた。

 明治天皇の玄孫(やしゃご)である作家の竹田恒泰氏は以前、夕刊フジのインタビューで、「『女系天皇』を認めれば、その瞬間、王朝が変わる。男系継承は1ミリも譲ってはダメだ。仮に、男系の血筋を引かない人が天皇になれば、『天皇の血統原理』が失われる」と語っている。

【私の論評】安易に「女系天皇」を容認し、経済的には緊縮派の河野氏には、ポスト安倍の資格なし(゚д゚)!

推古天皇像

皇室は一人の例外もなく、男系で継承されてきました。その男系とは男女差別であるとの誤謬がまかり通っているが、それを言うなら、むしろ男性排除の論理であると何人がわかっているのでしょうか。    

皇室に関して迷った時の根本基準は一つ。先例です。そして、どの先例に従うべきかどうかを考えるために、吉例を探すということになるでしょう。  

確かに、女帝には先例があります。伝説の時代の神功皇后(神功天皇)は数えないので、有史以来、十回あります。推古天皇、皇極天皇(斉明天皇)、持統天皇、元明天皇、元正天皇、孝謙天皇(称徳天皇)、明正天皇、後桜町天皇です。

皇極天皇と孝謙天皇は重祚(ちょうそ)といって返り咲いて天皇に二度おつきになられたので、八方十代です。八方十代。つまり女性皇族が即位された人数は八人であるが、そのうち二人が二度即位されているということです。

これを重祚(ちょうそ)といい、女帝は「中天皇(なかつのすめらみこと)」と呼ばれ、明らかに中継ぎの為に即位されていたことを示します。

しかし三種の神器と共に皇位を継承する事は、大変重いことであり、民を想う祈りの存在であることに変わりありません。女帝は飛鳥時代から奈良時代にかけて集中し、明正・後桜町の二代だけは江戸時代です。   
さて、この八方には共通点がありますす。未亡人か、生涯独身です。  

八方十代
推古、皇極、持統、元明の四方は即位の際に未亡人であり、その後も再婚されませんでした。元正、孝謙、明正、後桜町の四方は、生涯独身を通されました。  

なぜこのようなことになったのでしょうか。それは、女帝の配偶者に権力を握らせないためです。  

推古天皇は、敏達天皇の未亡人です。聖徳太子と蘇我馬子との三人で、飛鳥時代を指導しました。崇峻天皇暗殺という動揺に際して、擁立されました。  

皇極天皇は、舒明天皇の未亡人です。中大兄皇子(天智天皇)の実母でもあります。大化の改新前後の動揺期に、二度も擁立されました。  

持統天皇は、天武天皇の未亡人であす。壬申の乱に勝利した天武天皇の威厳は偉大でした。それだけに後継をめぐる争いは激しく、天皇の候補者が多すぎたので擁立されました。  

元明天皇は、草壁皇子の未亡人です。草壁皇子は、天武天皇と持統天皇の実子です。草壁皇子も、その子・文武天皇も早逝しました。しかし、草壁皇子の系統に皇位を継がせようとの執念が、元明天皇擁立をもたらしたのです。  

以上の四方五代の天皇は、激しすぎる古代の政争のゆえに、擁立されました。繰り返すが、全員が未亡人で再婚していません。  

元正天皇の時代は、皇族どうしの結婚が普通でしたが、それでも遠慮されました。配偶者の皇族が権力を持つのが警戒されたからです。  

称徳天皇は、愛人と噂された道鏡が皇位につこうとし、国を挙げての大騒動になりました。我が国の歴史において、明確に天皇になろうとの意思を示した民間人は、道鏡ただ一人です。ここに、女帝は生涯独身か未亡人の不文法が確立しました。そもそも、江戸時代まで850年間、女帝が絶えます。  

道鏡

明正天皇は、父・後水尾天皇の政治的意思で即位させられました。明正天皇の母は徳川和子、二代将軍・秀忠の娘である。後水尾帝と秀忠は激しく対立し、帝は抗議の意味で明正天皇に譲位されました。

それがなぜ、抗議になるのか。明正天皇は、皇室の先例(不文法)により、生涯独身を余儀なくされるからです。結果、秀忠の曾孫が天皇になることはできなくなります。明正天皇は、わずか五歳で即位し、十九歳で譲位されました。その間、後水尾上皇の院政が敷かれ、女帝にはなんの実権もありませんでした。そして最後は尼となり、七十四歳の生涯を閉じます。政治に翻弄された人生でした。  

後桜町天皇は、宝暦事件などで緊迫していました、朝廷と幕府が絡んだ複雑な政治対立を緩和するためだけに擁立されました。そして後桃園天皇の若すぎる崩御も乗り切り、光格天皇を支え続けました。

なお、光格天皇は現在の皇室の直系の祖先です。そして七十四歳まで静かに暮らされました。後桜町院は、皇室と日本国の繁栄のために女の幸せを自ら捨て、その私心のない姿が国母として尊敬されました。

上で述べてきたことも知らずに、「愛子様が天皇になってほしい」と願うのは勝手です。では、どの先例を、吉例とするのでしょうか。愛子内親王殿下にふさわしい先例とは、ドいずれでしょうか。

過去の女帝は、八方とも苛酷な人生を歩まれたことを知ったうえでも、まだ言うのでしょうか。皇室の先例、不文法に従えば、愛子内親王殿下が御即位されるとあらば、生涯、独身を通さねばならないのです。

 皇室は男系絶対であり、男性排除の論理で成立しているからです。仮に愛子内親王殿下が民間人の男性とご結婚されたとしよう。その民間人が皇族、そして天皇になれば道鏡そのものです。我が国の歴史で一度も存在しなかった事態です。

またその民間人の男性との間に生まれた子供が皇族、そして天皇になっても未曽有の事態です。そんなものが許されるなら、「天皇に娘を嫁がせて、その子供を天皇にする」などというメンドクサイ摂関政治は不要だったはずです。

徳川秀忠だって同じことをしようとしたのですが、皇室の不文法の前に敗れたのです。  男系絶対とは、皇室の血をひかない民間人を排除する原理なのです。ちなみに女性は必ずしも排除されません。今の皇后陛下は正田、皇太子妃殿下は小和田の苗字の民間人でしたたが、いまでは皇族となられています。

古くは、藤原光明子が光明皇后となられた先例に遡ります。だから、女性差別どころか、男性排除なのです。 女系は先例がないので、論外です。絶対に不可です。

 女帝は先例があるので、絶対に反対とまでは言わないですが、無理やり推進する話でもありません。 愛子内親王殿下は過去八方と同じく、男系女子であり、資格はあります。

現在の典範が女帝を禁止しているなら、典範そのものを改正すればよいです。明治につくられたたかが百数十年の歴史しかない典範よりも、皇室の不文法である古代よりの先例が優先するのは当たり前です。 

では、生涯独身で通していただくのでしょうか。 実は、一つだけ方法があります。皇族の男性と結婚されることです。現時点では悠仁親王殿下だけが有資格者です。いとこ婚は生物学的には問題ないですが、無理やり推進する話ではありません。

あるいはダグラス・マッカーサーに無理やり皇族の資格をはく奪された旧宮家の子孫である旧皇族の方々から適切な方を探し出してくるか。 皇族のご結婚は国家の大事なので、非礼不敬を承知で申し上げました。 

しかし、「女帝に賛成か反対か」と問うならば、これは絶対に避けて通れない問題である。 何よりも大事なのは、現在の皇統は、幼き悠仁親王殿下お一人にかかっています。  何よりも肝要なのは、殿下が御即位される際に、帝を支える男性の皇族がどれほどおられるかでしょう。女帝に賛成か反対かなどと、お遊びに興じている暇などないのです。

河野太郎は、以上のことを承知したうえで、女系天皇容認論を述べているのでしょうか。はなはだ疑問です。民間人が天皇になる危険をはらんでいる「女系天皇」と、過去にも存在した、未亡人か一生結婚なされなかった「女性天皇」とは、全く意味が異なります。

安易に「女系天皇」を肯定する人は、物事をあまりに安易に考えすぎていると思われます。

以前このブログにも掲載しましたが、河野氏はカチコチの緊縮派であり、財務省のいいなりの人物です。これと「女系天皇」容認派ということで、石破氏とならび河野太郎氏は時期総理大臣としては、最も不適格であると断言します。

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