2009年12月22日火曜日

核密約文書、佐藤元首相邸に…初の存在確認―密約は、密約、それが理解できないのか・・・・・・・・?!

核密約文書、佐藤元首相邸に…初の存在確認(この内容、すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

ニクソン大統領と、佐藤総理大臣の会談

 沖縄返還交渉を巡り、当時の佐藤栄作首相とニクソン米大統領の間で交わされたとされる有事の際の核持ち込みに関する「密約」文書を佐藤氏の遺族が保管していたことが22日、明らかになった。

 密約の存在を裏付ける決定的な証拠が発見されたことになる。

 外務省はこれまで文書の存在を否定してきた。日米間の密約の存否の検証を行っている外務省の有識者委員会の判断にも大きな影響を与えるのは必至だ。

 佐藤家で発見されたのは、ワシントンで行われた日米首脳会談で極秘に交わされた「合意議事録」の実物。読売新聞社が入手した「合意議事録」の写し(英文2枚)は、1969年11月19日付で、上下に「トップ・シークレット(極秘)」とある。文末には佐藤、ニクソン両首脳の署名がある。

 文書では、米側が「日本を含む極東諸国防衛のため、重大な緊急事態が生じた際は、日本と事前協議を行ったうえで、核兵器を沖縄に再び持ち込むこと、及び沖縄を通過する権利が認められることを必要とする。米国政府は好意的回答を期待する」とし、有事の際の沖縄への核持ち込みを両首脳が合意したことが記録されている。日本側は「そうした事前協議があれば、遅滞なくその要求に応える」と明記されている。また、「米国政府は重大な緊急事態に備え、沖縄に現存する核兵器の貯蔵地、すなわち嘉手納、那覇、辺野古、及びナイキ・ハーキュリーズ基地をいつでも使用できる状態に維持しておく必要がある」と記している。

 文書は2通作成され、1通は日本の首相官邸、もう1通は米国のホワイトハウスで保管するとしてある。佐藤氏は首相退陣後、自宅の書斎に私蔵していた。

 佐藤氏が75年に死去した際、東京・代沢の自宅にあった遺品を遺族が整理していたところ、書斎机の引き出しから見つかった。

 机は首相在任時、首相公邸に置かれ、退任後は、自宅に持ち運ばれた。関係者によると、元首相は生前、文書の存在について寛子夫人(故人)も含めて家族に漏らしたことはなかった。佐藤元首相の二男の佐藤信二元通産相は「(元首相は)外遊の際はアタッシェケースに書類を入れて持ち歩いていた。69年の訪米の際も、帰国してその文書をアタッシェケースから書斎机に移したのだと思う」と証言する。

 密約の存在は、返還交渉で密使を務めたとされる若泉敬・京都産業大教授(故人)が1994年に著書「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」(文芸春秋刊)で暴露した。

密約は、密約、それが理解できないのか・・・・・・・・?!
密約とは、good辞書によれば、「ひそかに約束を結ぶこと。また、その約束」ということになっています。密約があったことを公表すれば、もう、それは密約ではなくなってしまいます。先々日は、鳩山首相、民主党ともに支持率が続落していることを掲載し、その中で、鳩山政権はいわゆる二大政党制にみられるような、政治の継続性・連続性の原則を破っているということを述べました。密約を公にするということ、しかも、この時期に公にするということも、厳密にいえば、継続性・連続性の破棄の一つでもあります。

岡田外務大臣は、本日、このことにコメントした内容が、本日のNHK のニュースで流されていました。その中で、岡田大臣は、「やっぱりあったとか、旧自民党を糾弾する」とかのことをすると思いきや、「有識者委員会に任せてあるので、このことに関しては直接コメントしませんとし」発見された事実を淡々と述べていました。

岡田外務大臣は、おそらく、事の重大性に気がついたのだと思います。最近の普天間基地の問題といい、この密約の問題といい、軽々しく、前政権のやり方を変えるべきではありませんでした。日本国内のことであれば、それこそ、民主党が政権をとってしまったわけですから、何もかも民主党の通りにしても一切構わないと思います。それこそ、選挙によって国民の信託を得たわけですから。もし、民主党のやり方が良くなければ、それを選挙で選んだ国民が悪いということになってしまいます。

しかし、外国の場合は、そういうわけにはいきません。特に普天間基地に関する問題に関しては、前政権が約束したことですから、政治の継続性・連続性の観点からは、そのまま実施すれば良かったのです。そうして、それを国民に直裁に説明し、理解を得れば、何の問題もなかったことでしょう。反対する人がいたとしても、それは、民主党に向けられるのではなく、自民党に向けられたことでしょう。

それに、密約に関しては、余程のことがない限り、相手国のことを考え、公にすべき筋のものではありません。ただし、公にしても良い場合があります。それは、相手国との国交を断つとか、同盟関係を破棄するというのであれば、それはまた別です。しかし、民主党や岡田大臣に米国と国交を断つとか、同盟関係を破棄するまでの覚悟はなかったのではないかと思います。

仮に、同盟関係をいずれ破棄するにしても、いますぐにしてはまずいでしょう。なぜなら、現在、日本は、アメリカの核の傘にあるわけで、同盟関係を破棄してまえば、国防などすぐに、自分たちでやらなければならなくなります。しかし、今すぐ、そんなことは不可能です。やはり、少なくとも3年くらいは、準備期間が必要です。だから、鳩山さんや、小沢さんの腹の中に仮に、いずれアメリカとの同盟関係を解消するという考えがあったとしても、密約を今の時点で公にすることは非所にまずいことです。無論、アメリカとの同盟関係を解消する気持ちがないのであれば、なおさらのことです。

民主党のやり方をみていて、思うのは、順番が違うことと、政治の継続性・連続性を完全に無視しているということです。それに、拙速を通り越して、乱暴です。これだと、対外的にかなり信用を失ってしまいます。困ったものです。

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5 件のコメント:

777 さんのコメント...

私も同感です。
支持率挽回の為に、過去の約束事を平気で破るどこぞの近隣国の様な有様。
この密約暴露を米国はどのような気持ちで見ているのか。

山田 豊 さんのコメント...

777様 コメント有難うございます。まあ、密約を平気で破るような政権は信用できませんね。民主党は、モタモタしているうちに、アメリカから相当の圧力がかかり、国民やマスコミからも突き上げを喰らい、せっかく取った政権を手放さざるを得なくなるかもしれませんね。
彼らの頭の中には、日本国内のことしかなく、アメリカを始めとする海外のことをすっかり忘れていたのかもしれません。情けないですね。

HULABOY さんのコメント...

Yutakaさん、こんにちは。
Yutakaさんのブログ読者の方にお話をさせてください。
核密約(佐藤、ニクソン合意)を最初に暴露したのは、佐藤総理の密使だった若泉敬氏です。若泉氏のカウンターパートのアメリカの密使はキッシンジャー氏でした。若泉氏は自責の念に苛まされついに「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」という著作を発表しました。(1994年5月15日第一刷)
このときから核密約は与党も野党も公然の秘密として受け止めていたはずです。
私は若泉氏を尊敬しています。私のブログにも氏のことに触れていますので興味ある方はご覧になってください。(blog.greenhill-do.com)

現政権が核密約や他に移転費用などの密約の存在を問題としているのはアメリカ側が既に密約を認めている事実を公表しているため日本側からこの密約を暴露しても同盟の裏切りにならないと判断したためだと思います。
外務事務次官を経験された外務省のOBや小泉政権時に更迭された東郷和彦氏等が一番心配していることは機密文書を現外務官僚がシュレッダーにかけているといううわさでした。
「嘘をつく国家は滅ぶ」という心配から外務省OBの方や東郷和彦氏等から密約はあったという証言がでてきました。この密約に関しては外務官僚の姿勢を正すということでは意味のある追求だと思いますが、密約はあったが、日米同盟を継続するうえでやむを得なかったというくらいのことにして欲しいですね。

山田 豊 さんのコメント...

HULBOY様 コメント有難うございます。若泉さんの事は、知っていますし。それい前からも、識者の間では公然の秘密となっていたと思います。

しかしながら、それを含めても、現民主党政権のやり方は、軽薄で、短絡的で、粗暴だと思います。政権交代をしたとたん、3ヶ月もたたないうちに、密約に関して騒ぎ立てるというのは、思慮に欠けると思います。



現在でも、外務省など莫大な機密費など計上しています。今でも、機密はあるということです。会社の経営でも、機密は、つきものです。会社を運営していても、機密はつきものです。その機密に関して軽々に表沙汰にすれば、どうなることか。無論、その会社の組織をはみ出ることしかないわけです。

いずれにせよ、機密の取り扱いは軽々にすべきものではないと思います。また、官僚などが表沙汰にするということと、国家が正式にそれを認めるということは、本質的に異なると思います。

その意味では、民主党のやり方は、いかがなものかと思います。

山田 豊 さんのコメント...

追記

先程のコメントに関して、書いたあとで、思い出したことがあるので、ここに追記させていただきます。

ガリレオ・ガリレイに関しては、ご存知でしようが、地動説を唱えて、当時の宗教裁判で、有罪とされました。

その、名誉回復がバチカンによって行われたのは、なんとガリレイの死後367年後の今年の2月です。

詳細は、以下のURLを参照してください。

http://sankei.jp.msn.com/world/europe/090215/erp0902152350004-n1.htm

これは、逆の側面からみると、バチカンの権威を傷つけることなく、名誉回復するためには、なんと、300年以上の時間がかかってしまったということです。

権威を守るということは、こういうことです。

密約を軽々に表にだすということは、権威を損なうことです。この件に関しても、軽々に動くことは、権威も何も考えていないという事だと思います。

今の日本人、権威ということを考えなくなりました。日本国の権威を貶めても何も気にしないという人が増えていると思います。

経済力が豊かであろうと、軍事力が強大であろうと、権威のない国は、三等国といわざるをえません。

この密約に関しても、それを公表しなければ、日本国や、アメリカなどが非常に不利益になるというのでなければ、軽々に表ざたにすべきではないと思います。

この密約を表にだすと言うことは、現時点では、誰にも益をもたらすものではないと思います。あるとすれば、日本の権威を貶めるものであり、さらには、もともとあまりない、民主党政権の権威を下げるだけと思います。

まあ、民主党の面々には、最早、国の権威といっても通用しないのかもしれません。ただし、日本国内では、通用しなくても、国際的は通用することを上記の例でバチカンが立派に証明していると思います。バチカンほど権威を重んじることは、必要はないと思いますが、国という組織には、権威が必要なのはいうまでもありません。

個人においても、ある程度権威は重要だと思います、あまり権威ばかりを強調すれば、権威主義的になってしまいますが、全くないというのも困りものです。まあ、今は、親の権威もなくなってきていますから、これを理解するのは現代人には難しいのかもしれません。

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