2009年4月11日土曜日

北朝鮮最高人民会議 奇策路線に未来はない―ますます孤立する北!?

北朝鮮最高人民会議 奇策路線に未来はない(この内容、すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

              北朝鮮の最高人民会議代議員選挙が実施され、金日成政治大学の投票所で
投票用紙を受け取る金正日総書記。8日夕の朝鮮中央テレビが放映した

              病気の国家元首を北朝鮮のメディアがとりあげたことはない。しかし、最近は報道
するようになた。これが意味するものは、相当切羽詰っていということだ。

北朝鮮の国会にあたる最高人民会議で、金正日(キムジョンイル)総書記が「国家の最高ポスト」と位置付けられる国防委員長に再選された。相当やつれた様子だが、現時点で職務代行が必要な病状とは見えない。
異常なのは「憲法の修正・補充」が行われたというのに内容が公表されなかったことだ。一方、金総書記の妹婿など5人が国防委の新委員に選出され、メンバー増強となった。これら2点については金総書記の後継体制作りに向けた動きではないかという見方がある。

その当否はともかく、金総書記が最高権力を手放すことは当面あるまい。すると、これまで同様、核やミサイルを体制存続の切り札とし、奇策を用いる瀬戸際外交で米国や日本を悩ますことになるのか。「人工衛星」を隠れみのにした先日のミサイル発射とその後の異様な展開を見れば、そう懸念せざるをえない。

北朝鮮は発射当日、人工衛星「光明星2号」が地球を周回し「金日成(キムイルソン)将軍の歌」などを電波で送信中だと発表した。だが該当する衛星を米国もロシアも発見できず、電波も感知されていない。人工衛星を軌道に乗せようとした可能性は消えていないが、成功はしなかったと見るのが、ごく常識的な判断と言えよう。

ところが北朝鮮では、金総書記が「打ち上げ成功に大満足を表明」したと報じられ、祝賀大会に平壌市民10万人が参加した。「成功」のニュースが日米中露など世界100カ国以上で大々的に報じられているという虚偽報道もあった。そして労働党機関紙は金総書記を「百戦百勝の鋼鉄の霊将」などと絶賛しつつ、「正義の衛星、自主の衛星、勝利の衛星!」と歓喜する記事を掲載した。

もしも北朝鮮の一般国民が「架空の物語」を信じて、心の底から拍手しているなら、それはあまりに悲惨な光景ではないか。

虚言や脅迫を辞さない北朝鮮外交は、少なくとも一部が成功したように見える。年間50万トンもの重油支援などを獲得したかつての米朝合意や、米国のテロ支援国リストから北朝鮮を外させた件などである。

しかし、これは一時的な成功に過ぎない。相手を引きずり回すような交渉術で利益を得ても、信頼され、協力をあてにされる国になるわけではない。むしろ警戒心や嫌悪感、そして軽蔑(けいべつ)を招き、長期的には深刻な損失を招いていると言えよう。

北朝鮮は米国や日本との関係改善を通じて体制の安全を確保し、経済を再生させようとしてきた。その実現に不可欠なのは、奇策に頼らないまともな交渉への路線転換である。周辺国を脅したり、架空の成功物語を演出したりすることではない。

ますます孤立する北!?
テポドン2号 北朝鮮ミサイル発射映像

北のミサイル発射は完全に失敗しています。皆さんは、ミサイル点火直後の2段目と3段目の継ぎ目あたりを良くみたでしょうか。私は、特に目を凝らさなくても初めて見たときから、黄色の液状のものが飛散し雲状になっている状況をはっきり確認できました。皆さんももう一度是非確認してください。私は、このようなものを見たのははじめてです。液体窒素を使うようなロケットで、点火と同時に小数の氷などが剥がれ落ちていくのは良く目にはしましたが、これは初めてでした。

これは、ほとんど報道はされていませんが、某情報筋によれば、やはり燃料漏れだそうです。でも、この動画をみれば、別に某情報筋ではなくても、何か異常なことが起こっていたのは素人でもわかることです。こうした燃料漏れにより、推力が足りなくなり、人工衛星なるものを軌道に乗せることに失敗したと思われます。

さて、これから言えることは、やはり、今回のミサイルの打ち上げは失敗したということです。それでも、前回よりは飛距離を伸ばしています。少なくとも、今回の飛翔距離からすると、韓国・日本はもとより、中国の場合は、北京・上海は完全に到達権に入っています。

イラクに関しては、今年2月に人工衛星打ち上げに成功しています。今回の打ち上げの失敗により、北朝鮮のミサイルは完全にイラクのものより劣っていることがはっきりしました。せっかく、色を白に塗って、北朝鮮としては珍しく、事前告知までして打ち上げたのに失敗しました。イラクの弾道ミサイル技術は、北朝鮮との共同開発だといわれきましたが、今回の失敗をみるとそうでもなさそうです。イラクが独自で開発している部分もあるのだと思います。

こうなると、今までは、弾道ミサイルの闇市場に関して、北朝鮮が独壇場と思われてきたのが、今度はイラクが技術力を上回ったことにより、その地位が完全に脅かされることになります。これは、北朝鮮にとって多量の外貨を得る唯一の道だったので、これによる打撃は大きいです。

それに、今回の日本の態度も北朝鮮を相当脅かしたと思います。まずは、麻生総理による迎撃宣言。発射後は、国会による抗議の決議。これらは、過去にはなかったことです。さらに、それに続く制裁強化などです。北朝鮮のミサイルは、もともと、旧ソ連の技術のつぎはぎと、日本の精密機器によって成り立っています。もし、日本の精密機器などを北朝鮮が手に入れていなければ、ミサイルも、核兵器もつくることができません。制裁を強化されれば、ますます日本から精密機器を入手しにくくなります。

さらに、今回の打ち上げ失敗で、アメリカも中国も胸を撫でおろしていることと思います。もし、成功していたら、アメリカと中国のほとんど全土が北朝鮮のミサイルの飛翔距離内に入ってしまうからです。

しかし、今回は失敗したものの、時間をかければいずれ、北朝鮮は核を搭載した弾道ミサイルの開発に成功すると思われます。

そうなれば、中国・アメリカにとって脅威です。ソビエトもかなりの領土のかなりの部分が飛翔距離圏内に含まれこととなり、これも脅威です。

北朝鮮は、共産主義圏内として、中国や旧ソビエトとも友好関係にあったと思われがちですが、実はそれは、最初の4~5年です。前国家元首金日成が、世襲制を決めたことから、北朝鮮は独自路線を歩むことになったため、決して友好国と呼べるような関係ではありませんでした。互いに、敵(自由主義陣営)の敵という関係であったにすぎません。

最近では、中国のいうことは全くきかず、独自路線を歩む北朝鮮は、すでに友好国ではなく、敵国に近い存在になっています。現在のロシアも北朝鮮とはもはや友好国という関係ではありません。ロシアは、特に日本との関係を重視してます。特に最近では、金融危機後の信用崩壊から、ロシアから外資がひきあげられたため、ロシア資金不足になっています。そこで、日本との関係を重視しています。サハリン2からの天然ガスの輸入が始まったことは、その象徴的な出来事です。

中国、ロシア、日本、それに無論韓国も、北朝鮮は脅威です。今回の打ち上げ失敗により胸を撫でおろすことができた、これらの国々ですが、もはや、すべての国が北朝鮮の友好国ではないことは明らかです。どちらかというと敵対国です。さらに、打ち上げ失敗により、イランは、自国の技術のほうが優秀なので、完全に北朝鮮は見限ることでしょう。さらに、弾道ミサイルなどの闇市場も北朝鮮を相手にすることはなくなるでしょう。北朝鮮が今の路線を続けていくなら、孤立するしか道はなくなります。

現在国連で、日本が北のミサイルに関して、反対の国連決議を出そうとしていることに対して中国は反対の立場をとっています。国連安全保障理事会は11日、北朝鮮のミサイル発射問題への対応を非 公開で協議しました。日本と常任理事国の計6カ国が提示、北朝鮮のミサイル発射が2006年の核実験を受けて採択された安保理決議1718の「違反」に当た り、発射を「非難」するとした議長声明案に基本合意しました。

実は、これは、いままでの経緯からそうしているだけであって、実は中国もとっくに北朝鮮は見限っています。次に、同じようなことがあった場合、今度は、中国にとっても脅威であるこてとから、二度と北朝鮮を擁護するようなことはしないでしょう。ロシアも同じことです。現在北朝鮮と友好国になったとしても、どの国にもメリットはありません、あるのはデメリットだけです。ロシアも、中国も何とか厄介払いしたいというのが本音です。

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2 件のコメント:

シルス さんのコメント...

yutaさん コメントありがとうございましたm(_ _)m 

燃料漏れの件はアンカーで青山繫晴さんも指摘なさっていました。

露・中ともにすでに北を見放しているとのことですね。そうであってほしいものですが、程度の差はあれ彼らも信用できる国ではない。日本はやはり防衛にしろ、制裁にしろ独自路線を考えないといけないでしょうね。

山田 豊 さんのコメント...

シルス様 コメント有り難うございます。アメリカも今では、オバマ大統領が財務省関連のポストを1つも埋めることができず、外交どころではないという雰囲気です。やはり、日本の防衛に関しても、日本独自で進めなければならない時代に突入しつつあると思います。

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