2009年4月19日日曜日

【20世紀のきょう】円が史上最高値(1995・4・19)-1995~1996を思い出してみよう!!そこに現在を考えるためのヒントがある!!

【20世紀のきょう】円が史上最高値(1995・4・19)(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)
2009.4.19 03:34(産経ニュース)
1995年4月19日東京・日本橋室町のトウキョウ フォレックスで、
ディーラーたちが天井知らずの相場と格闘する光景


  米景気の減速や、日本の貿易黒字などを背景に東京外国為替市場で、急激な円高が進行。3カ月前には1ドル100円前後だった相場が、世界市場で初めて80 円を突破。一時79円75銭となり、史上最高値を記録した。バブル崩壊で内需が停滞、輸出頼みの日本経済には痛手となった。東京・日本橋室町のトウキョウ フォレックスでは、ディーラーたちが天井知らずの相場と格闘する光景が見られた。

1995~1996を思い出してみよう!!そこに現在を考えるためのヒントがある!!
私は、このブログには「今日は何の日」的な事柄は、今まで一度も掲載したことはないのですが。これだけは掲載したいと思いました。なぜなら、今日の経済を考える上で非常に参考になるからです。

まず、この時期は、村山内閣でした(1994年6月30日- 1996年1月11日)。1990年代半ばにかけての国は積極財政を実施ししまた。この時代、アメリカからの要求で、10年間で630兆円という公共投 資を行うことになり、国も地方自治体もどんどん実施しました。

1996年頃には、かなり景気が良くなったのは、こうした財政による下支えがあったからです。もし、これがなければ、日本経済は奈落の底に落ちていたことでしょう。実際、財政出動をやめた、1997年には奈落の底が待ち受けていたわけです。

ただし、1995年~96年当時、財政出動の効果があまりなかったように見えました。というのは、超円高により、経常収支の黒字が大幅に小さくなったからです。しかし、財政出動がなければ、 さらに景気が落ち込んでいたでしょう。具体的には、1990年に6兆4,736億円だった経常収支が1993年には14兆6,690億円になったが、 1994年から1995年の円高により、1996年には7兆1532億円まで押し込まれたのです。

そこで「財政では景気がよくならない」という 間違った神話が生まれ、1996年に発足した橋本龍太郎政府は「財政出動は効果がない」と呼号し、財政出動はとりやめ、逆に消費税増税、医療費負担増を強行しました。その結 果、1997年秋から、山一證券、北海道拓殖銀行などが次々倒産する金融恐慌が発生、橋本政府は1998年の参院選で、有権者の怒りにより打倒されました。

もし橋本龍太郎政権が、経常収支などあまり気にせずに、もっと高度な財政出動などを実施していたら、おそらく今日の日本は相当かわっていたかもしれません。まずは、財政出動をするにしても、単なる公共投資ではなく社会変革をもたらすようなものを助長するような投資の仕方などしていたら、失われた10年はなかったかもしれません。

歴史に「もし」という言葉はないということがよく言われていますが、橋本政権の失敗はもう変えようがないわけです。

しかし、過去を教訓にして今と将来を考えることはできます。まずは、つい最近まで完全な円高基調でした。現在は円安基調ですが、また、円高にぶれる可能性は大です。円高基調で、不況だったということでは、今の日本はある意味で1995年当時に似ています。

現在麻生さんの財政出動は始まっており、さらに強力になります。これによって、1996年当時のように、今の日本では来年(2010年)には、景気が回復するという程度ではなく、景気が良くなっている可能性が高いと思います。それに、日本では、いまだかつて、急激な円高があった次の段階で景気がよくならなかったことがないという事実に照らし合わせても間違いないと思います。そうして、麻生さんは2010年も財政出動を続けるとい言っていますから、おそらくは、橋本さん失敗の教訓を学んでいるのだと思います。さて、橋本さんは、1997年当時消費税増税、医療費負担増などしています。そうして、金融機関の破綻をまねき、1998年の参院選では大敗北です。

おそらく、2010年あたりに財政を緩めるとまた、落ち込んで、2011年あたりから金融機関の破綻まではいかないでしょうが、かなり厳しい状況になることが考えられます。だから、麻生さんの言うとおり、2010年も財政出動はおこなうべきです。さらに、消費税などの増税などは慎重に論議すべきと思います。

2010年も大きな財政出動をするということになれば、その財源を心配する人たちが増えると思います。しかし、私は、多少大きな財政出動をしたとても、そのためにいわゆる赤字国債を発行したとても、だからといってすぐ財政破綻することはありえないと思っています。それに関して、以前にもこのブログに掲載しました。

ただ1つの懸念は、橋本政権時代の経常収支の問題のように国の債務のことが問題視されて、せっかく良い方向に向いていたものが、財政破綻を名目にして、追加の財政政策を継続できなくなることです。こうなると、橋本政権の繰り返しです。失われた10年をもう一度繰り返すことにもなりかねません。だから、私は、マスコミや野党の人に声を大にして「赤字国債は国に財政の破綻をもたらす。それよりも何よりも私たちの子孫の多大な債務をもたらす」などという、一見正しく見えるようなアジテーションは慎むべきであり、正しい認識を持つべきだと言いたいです。

ここで、いたずらに社会不安を煽るような行動は絶対にさけるべきです。正しい説明をして、国民の大多数に理解していただくべきです。橋本政権での失敗をさけるためにこそ、麻生政権では「安心社会実現会議」を設置したのだと思います。2010年あたりには、この会議から、はっきりしたビジョンがうちだされ、仮に消費税の増税がいずれ行われようとも、それにみあった社会保障などがあり、それが多数の国民の納得するものであれば、2010年以降も景気の良い状態が続くものと考えられます。

いずれにせよ、20世紀からはすっかり変わってしまった21世紀の社会に正しいく対応すること、そうして、将来もっと高度な社会を構築するする確かなビジョンを打ち出し、それに向かって、政府も国民も努力していけるような素地をつくることができたら、しばらく景気の良い時期を保つことができるし、もし、そうした社会変革に成功すれば、日本は全く新しい次元の社会に入り、そこで実施されるイノベーションは売り物になるわけで、それを国内に広めることにより、内需は拡大し、より豊な実体経済を享受できるようになると思います。

そうした、イノベーションは世界の他の国、特に先行き不安のある先進国にも通用するものとなり、その場合は、様々なシステムが構築されそれに関する輸出も栄えることになると思います。そうなると、「内需+外需」で日本は黄金期を迎える可能性が大だと思います。そうなると、出生率も増えるようになるかもしれません。さらに、内需が長期的にも見込まれることになるわけです。こうなれば、日本が世界の経済を牽引する機関車となることでしょう。

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