上の動画は、今年7月に中国で発生した大規模炭鉱事故のものである。どちらも、閉鎖されたはずの炭鉱で発生したものだ。閉鎖された炭鉱での採掘ともなれば危険極まりない。こんな、仕事をさせるほうも、する側も問題ありだ。
チリの鉱山落盤事故で、地下に閉じ込められた作業員33人全員が、日本時間2010年10月14日午前までに救出された。このことについて中国では、インターネット上で自国の炭鉱事故における安全管理上の問題を批判する書き込みが行われているという。複数のメディアが伝えている。
シンガポールの有力紙「ストレイト・タイムズ」によると、中国の有力ポータルサイトには、救出された作業員に向けて「君たちはチリに生まれてよかったな。我々だったら間違いなく生き埋めになって死んでたよ」などといった書き込みが見られたという。
米CNNが中国の英字紙「チャイナ・デイリー」を引用したところによると、中国では2009年に2631人の炭鉱労働者が命を落とした。また、2008年に中国北部で起きた事故では、地すべりにより作業員254人が犠牲になったということだ。
■本当に炭鉱で落盤事故が!?
今度は中国の炭鉱で落盤事故! 地下186メートルに9人が閉じ込められた。
中国国営の新華社通信によると、10月14日に中国・江西省鉛山県の炭鉱で落盤事故が発生し、鉱夫9人が地下186メートルに閉じ込められているという。くしくも、チリの鉱山に閉じ込められた鉱夫33人が10月13日に救出されたばかりである。
このニュースは中国のみならず世界中に報じられ、「中国政府はチリ政府と同じように鉱夫を助けるのかな?」や「そのまま放置するのでは?」などの声が上がっている。この落盤事故に関して、日本のインターネットユーザーたちは以下のように意見をコメントしている(不謹慎なコメントもあるが、インターネット上のありのままの声をお伝えする)。
・インターネットユーザーの声
「すごいタイミングだな」
「今度はチリの真似か」
「事故に見せかけた便乗」
「どうせ助けに行った技術者が拘束されて、人質にされちゃうんだろ? 」
「中国でもチリの件は喜んで報道してたらしいしイメージアップのためやりかねないな」
「国の好感度上げるためにワザとやったんじゃねーだろうな」
「炭鉱などの事故は中国では毎日起こっているからわざとではない」
「これは中国の自作自演で救出劇を演じ世界に注目してもらおうとしてるな」
「毎日起こる事故だから自演ではない。だが、普通は発表されないからそこは意図的だろう」
「宇宙に有人飛行する技術で屁の河童でしょ」
「ノーベル賞から目をそらして欲しいんだろ」
「ニュースで見たけど中国の炭鉱は毎年3000人以上の死者を出しているんだってな」
「感動の救出劇で尖閣やらノーベル賞で受けた非難をかわそうってハラ」
「千羽鶴送ろうぜ!」
日本人の中国に対する印象が悪いのか、チリの事故に便乗していると本気で思っているのか、「中国だと激しくどうでもいいという気持ちが湧いてくる」や「故意に落盤させるとはさすが中国やることが違う」など、皮肉に満ちた厳しいコメントが多数書き込みされているのが現状だ。
しかし、中国政府が注目を集めるために便乗やヤラセで9人の尊い命を地下深くに閉じ込めるとは思いにくい。現地の情報を伝えている産経ニュースによると「関係当局が現場で救出作業にあたっている」とのこと。早急に炭鉱内部の調査を始め、1秒でも早く9人の救出にあたってほしいものである。
【私の論評】中国の人命軽視は今にはじまったことではない!!
さて、この炭鉱の落盤どういう状況で発生したかわからないので、論評などできませんが、中国は、他国と比較すると著しく人命を軽視していることは事実です。
最近の事例でも、とても信じられない事件が発生しています。
3年ほど前に、広東省佛山のレストランで人間の乳児や胎児をダシに使ったスープが販売されていたことが明るみに出ました。ダシに使われているのはほとんどが女児であることから、これは「一人っ子政策」の弊害であると考えられています。この弊害をもたらした「一人っ子政策」、そしてこのようなスープを販売するレストランの経営者や、それとわかってスープを食べに来る客たちに人命軽視という人間性の堕落をもたらした中国共産党の思想教育に非難の声が挙がっています。
乳児に対する人間性の欠如は、これだけに留まりません。中国の女児は商品として扱われている。中国国営の孤児院が乳児を販売し、暴利を貪っていた事件がこのほど暴露されまた。アメリカの多くの夫婦が最近養子にした子どもは中国の犯罪グループが誘拐して売った乳児の可能性があると米紙ワシントンポストが報道しました。女児取引は、随分前から行われており、今でも継続されています。そのため、中国では女児の行方不明が毎年おびただしい数に登っています。
中共政権の犠牲者は子供だけではありません。大人も、「臓器の強奪」という犯罪に巻き込まれる危険があります。
今年3月初旬、中国の瀋陽市蘇家屯で、生存中の法輪功学習者数千人から臓器を摘出し、手術後の遺体は焼却するという事件が暴露されました。犠牲者の身体から摘出された臓器は中国各地の病院へ高値で販売されています。このおぞましい臓器ビジネスは、蘇家屯一箇所ではなく、中国各地の強制労働収容所でも行われているといわれています。
それに、中国は建国以来人命軽視の伝統があり、中国共産党によるおびただしい数の犠牲者がでていたことも事実です。
一九九七年にフランスで出版された『共産主義黒書』では、世界の様々な国々で、膨大な数の人々が共産主義の犠牲になったことを暴露しました。
中国の章の初めで著者は、ほぼ信頼できる数値として、内戦期を除いた犠牲者の数を、次のように総括的に提示しています。
体制によって暴力的に死に至らしめられた人の数は、700万人~1,000万人(うち数10万人はチベット人)
「反革命派」として収容所に収容され、そこで死亡した人の数、 約2,000万人
1959~61年の「大躍進期」に餓死した人、2,000万人~4,300万人上記の大躍進政策(だいやくしんせいさく)は、社会主義改造済みの中華人民共和国にて、マルクス主義の原則でありながら、数年間で経済的に米英を追い越すことを目的に、毛沢東が1958年から1960年まで施行した農工業の大増産政策です。しかし、農村の現状を無視した強引なノルマを課した上、三年自然災害も重なった結果、上記のような餓死者を出し大失敗に終わりました。ただし、失敗の原因はマルクス主義そのものとは無関係なものであり、具体的な経済の発展方法にあるとして、のち中共側は国民に謝罪を行い、毛沢東は自己批判を行って国家主席を辞任しました。
大躍進の前でも、毛沢東の命令により、おびただしい人が犠牲になっており、現在でもその影響は深刻であり、高齢の中国人といえば、親、兄弟、親戚などだれかしかが、毛沢東の犠牲になっている人は珍しくありません。そのため、現代中国では、毛沢東は、共産中国建国の父であるにもかかわらず、毛沢東を国民統合の象徴として公に英雄にまつりあげることもできません。
中国の人命軽視の伝統、毛沢東からその後の指導者から現代の指導者にまで引き継がれています。現在の指導層も、他国に比較すれば、はるかに人命など軽視していることは否めません。
上のインターネットユーザーの声、確かに無責任ともとれるものもありますが、最近の尖閣問題での中国の対応などの影響もあるでしょうし、それに、ネットユーザーであれば、中国の実体をネットで調べて熟知している人も多いと思います。
少数の財界人が、こうした中国の実体を無視して、中国で事業を展開したり、中国向けに輸出しようと考えています。さらには、国も、中国には及び腰で、厳しい態度をとることはしません。
私としては、これほど人命を軽視するような指導者はその資格がないと思います。だから、はやく中国は民主化するべきであり、それまでは、必要最低限のつきあいにとどめるべきと思っています。尖閣列島問題で、多くの人達は、中国出方に疑問を持ったようでしたが、私は、そうは思いません。多くの人は、これだけおびただしい数の人命をなきものにしてきた連中が相手ということを忘れています。
こうした野蛮人が相手なのですから、尖閣列島に上陸したら生きては返さないくらいの覚悟を持って交渉にあたらなければ、尖閣はもとより、沖縄まで取られてしまうことになりかねません。
このような事実を無視して、中国幻想に酔う、財界人や、政治家などの気がしれません。しかも、経済も完全に停滞期に突入した中国にいつまでも幻想を抱き続けるのはいかがなものかと思います。
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