http://journal.mycom.co.jp/news/2010/10/22/034/index.html
ITはユビキタスそうして、非営利になる?
いまをときめく、iPadそれにiPhoneなどのアプリの開発がこれだけコストがかかるとは、驚きです。これらの、アプリ無料のものもかなり多いですし、それに、高いものでも1000円ちょっという状況です。しかし、この動きはもうとめようがないのだと思います。これらの、開発は、確か、アップルの会員になって、年間5000円を支払うと誰もが会員になれて、従来だと特定のソフトウェア会社の中にだけあり、門外不出であったような開発のためのリソースが手に入れられるということをきいていました。開発環境もかなり進んで、何も知識のない人が、研修などに参加すると、数週間でアプリの開発ができるとか・・・・。そうして、Appstoreに掲載できるとか・・・・・・。そうすると誰にでも開発でき、販売できるというわけです。
しかし、現実はそんなに甘くはないんですね。特に、企業として、アプリを開発してそれで収益をあげようとすれば、あまり魅力的ではないかもしれません。確かに、iPhoneなどがまだ普及していなかったときには、個人の開発者がいて、それを公開などしていました。こちらは、函館ですが、実際にiPhone用のユーザー同士のメールアドレス交換アプリなど開発して、公開している人などいました。そのような事例が、テレビでもつい最近まで報道されていたのを覚えています。
しかし、このように開発への参入がしやすくなれば、多くの企業が参入してきて、とてつもない大競争になるだと思います。
さて、iPhoneや、iPadのアプリなどがこれほど低廉にっなったり、無料になったりすれば、個人で開発するのは、ほとんど趣味のようなものであり、とても、それで儲けるというわけにはいきませんね。
この低廉化、無料化がいきつくさきについては、まだiPhoneなど存在しないし、インターネットすらあまり普及していなかった昔考えたことがあります。そのとき考えたのは、ITのいきつくさきはユビキタスであり、いずれ電気や水道、ガスのようなものになっていくということです。
現在、若い人などが奮起して、電気や水道、ガス会社を創業して、大儲けするなどという図式は成り立ちません。もう、先進国では、これらは、すでに、既存の企業がどこもてがけており、完全に社会のインフラとしてできあがっています。
たとえ、今まで全く電気・ガス・水道が通っていなかったような場所を開発して、そこに新たな土地ができあがつたとしても、もうすでに、そのような土地はその近隣のいずれかの業者が実施する仕組みが完全に出来上がっています。
いずれ、IT業界もそのようになるのではないかと思います。無論、エンタメイントの高機能なゲームなどは生き残るかもしれません。しかし、それも、そのゲームで儲けるという図式ではなくなると思います。その他の基幹的なシステムで、それがないと社会がなりたたないとか、非常に不便になるようなものについては、半分公共のような、水道会社、電気会社、ガス会社のようなものができあがつて、そこが供給するのか当たり前になる時代がやってくるような気がしてなりません。
以前、Googleが社会のインフラ扱いをされることを極度に嫌っていることが、報道されていた記憶があります。Googleも社会のインフラになってしまい、民間営利企業として利益をあげられなくなることを懸念していたに違いありません。しかし、最近のGoogleの次のターゲットは交通問題ということで、このブログにも掲載したことがあります。そういわれてみれば、交通システムにもJRもあれば、各種の私鉄もありますね。GoogleはIT業界の私鉄のような存在を目指しているのでしょうか?
Googleの検索エンジンなどは、完全に最早社会のインフラの様相を呈していますが、Google自体の主な収益源はいまでも広告です。交通システムをつくったとしても、何かこうして別の収益源を用意するに違いありません。
アップルなども、iAdで広告に参入しようとしています。やはり、アップルにしても、グーグルにしても、人を集めるプラットフォームを用意して、無料、無料に近いようなものを多く提供してそこからは収益あげず、別口から利益をあげようとしているのだと思います。
それにしても、従来のソフト開発会社のようなところは、なかなか厳しいです。それこそ、利益があげにくくなり、とはいいつつ、世の中のインフラのようになって、営利企業としては事業が存続できなくなり、非営利企業になるかもしれません。とにかく、IT業界も変容を迫られているという事だと思います。この動き、このブログでも追跡して、新しい動きがあれば、また掲載します。
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4 件のコメント:
IT経験者なので、これ、よく分かりますよ。
というか読んでいくうちに、社会人になったばかりに年配の方のお話を思い出しました。20年前くらいのことですが。
彼の話によれば、元々、ユーザ(顧客)に大型の汎用機を導入するのが当時のコンピュータ会社(IBM,日立,NECなど)の役割で、アプリはサービスみたいなものだったそうです。
大型の汎用機は相当高値でしたから、一台でも売れれば(リースなどでも)、相当な収益になったとか。
彼は、その後、アプリ作りがメインになっていく現状を、時代が変わったと慨嘆していました。
しかし、結局、アプリ作りはサブ、というか、それだけでは儲けることが全く出来なくなったのが現状ですね。
長い目で見れば元に戻ったとも言えますが。
おかげでわたしも失業寸前、というか、アプリ開発から足を洗わなければいけなくなり、人生の転機を迎えています。
グスタフ@mixi様 いつもコメント有難うございます。
そうですね。昔、会社でパソコンで通信するための、ネットウェアというソフトを導入したのを覚えています。それも、40~50ヶ所も結んだので結構なコストがかかっていました。
それから、しばらくしたら、ウインドウズにネットワークが標準で添付されていることに驚きました。
しかし、どの商売でも同じことです。やはり、この変化に対応していくことが重要なのですね。
お互い頑張りましょう!!
ITビジネスの基本原理の一つ「複製に原価がかからない」という点を指摘した日経の記事について考察したものです。手前味噌、ご容赦。
複製の対価・その1
http://kyo-yota-blog.seesaa.net/category/6233829-1.html
#本当は続きを書くはずだったのにほったらかし(汗)
実物ある商品の値段は生産・流通・販売という「複製」に掛かる費用が乗っかっているはずなんですが、ソフトウェアではこれらの費用ががほとんどゼロになってしまうんですね。
で、昔はそのことを隠せていたから値段を吹っかけられたけど、それが皆にばれちゃって、吹っかけてた値段を引かざるを得なくなった。だからソフトウェアって値付けを高くできないんだと思います。
ところがソフトウェアを実物ある商品のように売るビジネスモデルでやっている(やってきた)会社は、今のようなソフトウェアの値段の下落についていけなくなってくるでしょう。つまりソフトを作っても儲からん、と。
なので、ソフトウェアを実物商品のように売り切る商売じゃなくて、もっと別の方法で金を落としてもらう算段を考えないとダメでしょうね。
かせっち様 コメント有難うございます。私たちの商売は、ピザという実物商品を売っています。価格をもともと低くしてあるので、現在の世相にあっているのでしょうか、ここ数年既存店対比が伸びつつあります。本当にありがたいことだと思っています。
しかし、ここいらで、何か新しいビジネスモデルを構築しなければ、将来はないのではないかと思っています。いま、いろいろと考えをめぐらせているところです。そうした意味でも、かせっち様のブログは参考になります。
これからもよろしくお願いします!!
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