2013年1月25日金曜日

「円安で近隣窮乏化」という誤解 デフレ対策の緩和、堂々主張を―【私の論評】まともな国にとっては、まずは国民経済をきちんと運営することが、世界経済もうまく運営していく前提となる!!


浜田宏一エール大名誉教授


 アベノミクスに対して、海外から批判が出ている。国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が「競争的な通貨切り下げには反対」、米自動車大手3社(ビッグ3)は「日本が円安を通じた近隣困窮政策を取ろうとしている」、ドイツのショイブレ財務相は「日本の新政権の政策は心配」、ロシア中央銀行幹部は「日本は円を下落させており、他国も追随しかねない」など、それぞれ通貨安競争を懸念する発言が相次いだ。

 20日のNHK番組で、浜田宏一エール大名誉教授は、ラガルド氏の発言を引用して「変動相場制の論理を理解しない議論。(経済学者の)ジェフリー・サックス、アイケングリーンが(懸念する必要のないことを)証明している。どうしてIMFのトップが基本的な国際金融の原理を理解しないのか」と疑問を呈した。

 どこかの国が通貨切り下げをすると、短期的に外国はマイナスの影響を受けるが、外国も金融緩和をする。両国ともにインフレ率が高くなるが、それぞれ許容できるインフレ率に限界があるので、金融緩和競争はいつまでも続かない。と浜田教授は言いたかったのだろう。

 現在、先進国ではインフレ目標を設定しているので、この話はよりわかりやすい。2%程度のインフレ目標を持つ先進国では、4、5%のインフレにはならないような金融政策の運営が行われる。要するに、各国ともに、自国経済を一定のインフレ率と失業率に抑えようと経済運営すれば、おのずと為替切り下げ競争にはならないのだ。

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私の論評まともな国にとっては、まずは国民経済きちんと運営することが、世界経済うまく運営してい前提となる!!


周小川中国人民銀行総裁  
昨日も日本の新たな金融政策について、中国がよこやりをいれてきたことについて、このブログで批判したばかりです。中国の経済は異常でかなりインフレ気味ですらか、上の浜田先生が語っていたことは当てはまらないと思います。もともと、駄目な社会構造で経済もよくなるはずのないところを、無理やり人為的に良くしてきたというのか、過去20年の中国のやりかたですから、これは、社会構造を変えない限り、日本などが金融緩和に走れば、中国経済はズタボロになります。というより、もうすでにそうなっています。だからこそ、裸官などが暗躍するのです。


しかし、そうではない、変動相場制にあるまともな国ならば、日本がいくら金融緩和に走ったとしても、インフレ率を無限大に高めて円安誘導をどこまでもやるということはあり得ないので、ある一定水準で、円安もとまるわけですから、さほど心配するにはあたらないわけです。しかも、日本は、2%ととしているわけですから、おそらく、この目標をせい一杯やったとしても、円安もある一定限度内に収まるのははっきりしています。

中国元
  だから、中国のような特異な国は、例外として、国家主権を持っている国は、日本が金融緩和に走ったからといって、何もあわてる必要はなく、日本や他国などが金融緩和に走ったため、自国通貨の希少性が増して通貨高傾向になれば、自国も増刷などをして金融緩和をして自国通貨の希少性を減らすようにして、それもインフレ傾向になればやめれば良いだけです。これは、どこの国でもあてはまることです。自国のみ都合で金融緩和をしたとしても、他国も金融緩和をするし、金融緩和をするにしても、インフレ率はある程度までしか許容できないので、おのずと通貨競争などおこらないわけです。

通過競争を主張する愚かなIMFラガルド専務理事


しかし、特にIMFのラガルド氏やドイツの ショイブレ財務相 が懸念を表明するのはわかります。なぜなら、ラガルド氏は、もとフランスの財務相の経験もあるし、ドイツのショイブレ財務相は無論のこととして、EUを念頭にして日本の金融緩和に異議を唱えているのだと思います。EUの場合は、EU域内に経済など本来全く別の国々が、無理に一つにまとまってEU域内の金融政策、財政政策をとっています。本来EUなど全くなく、それぞれの国が独立して、金融政策や財政政策をできるというのなら、先と同じ理由で、そんなに悪影響をこうむるはずもありません。

ドイツの ショイブレ財務相
  しかし、EUの場合、原則として一国の金融政策や財政政策などできないわけで、そうなると、世界的な金融の変動などがあった場合、なかなかすぐに対応できないし。対応するにしても、域内の平均的・標準的な金融政策しかとれないので、国によっては、かなり甚大な影響を蒙ってしまう場合もありえます。だから、ラガルド氏のような発言になるのです。


このブログでは、もともと、EUなど成り立たないことを昔から主張してきました。たとえば、ドイツや、スペイン、ポルトガルましてやギリシャなどの経済はあまりにも違いすぎます。これらが、同じ経済圏で一つの通貨で財政政策や、金融政策を実行するなど、もともと無理な話です。

EUには最初から無理がある?
  ギリシャだって、もし、EUに加盟していないで、独自の金融政策、財政政策をとることができれば、あそこまで深刻な状況に陥らないですんだ可能性が大です。

EUなどのいわば、経済のグローバル化などは、そもそも問題がありすぎるのです。だから、EUの問題も、特殊事情ととらえるべきと思います。EUは、今後特に金融・財政政策に関しては、緩い統合として、各国がある程度自由に金融政策などとれるようにしていくべきと思います。そうして、100年、200年かけて、各国の経済を平準化して統一していくことが望ましいと思います。そうはいっても、100年、200年かけても、地域間格差は残って、真の経済統合は難しいかもしれません。


EUは例外として、日本、アメリカ、他国のいわゆる国民経済という立場をとっている国々で、変動相場制をとっているまともな国は、日本が多少金融緩和に走ったからといって、特に通貨戦争などという状況になるなどということはありません。

国民経済のお金の流れ。日本の国民経済は、無借金どころか貸付大幅超過!!


それに、上の記事にも掲載されているように、1930年代の大恐慌は各国の通貨切り下げ競争で激化したという「神話」はなど全くの間違いです。大恐慌の原因は、1990年代の研究で明らかになったように、デフレが原因です。そうして、デフレが深化したのは、通貨切り下げ競争によるものでなく、本来デフレならデフレ対策を実施すればよいものを、さらなる財政緊縮策や、金融引き締めなどを行ったのが原因です。

日本での恐慌は、昭和恐慌といわれますが、この昭和恐慌に当時の高橋是清内閣は、すぐにリフレ政策をとって、世界で一番はやくデフレから脱却しました。その他の国はアメリカなども含めて、リフレ政策をとることはなく、結局戦争に突入し、戦争を遂行するために、積極財政や金融緩和をやらざるをえなくなって、実施したところデフレから脱却できたという経緯があります。

昭和恐慌時代の日本の典型的な家庭の食事風景
  戦争目的遂行のために、積極財政や金融緩和をせざるを得なかったということが、未だに真実を覆い隠しているようです。それに、リフレ政策をとって世界でもっともはやくデフレから脱却できた日本ですら、その真相があまり理解されていません。最近ようやっと一部の人々が理解しはじめたという状況です。

デフレのときは、まずは、変動相場制をとっているなら、他国のことなどあまり気にせずに、各々の国が自分の国のことを考えて、金融緩和、財政出動を行えば良いのです。そうして、なるべく早くデフレが脱却すれば良いのです。そうすれば、他国は、自国の通貨を調整しますが、それらにもおのずから限度があり、けっして通貨戦争になどなりません。

恐慌時代の各国のGDP、日本がいち早く回復している
  EUはその限りではないと述べましたが、それも、EUの都合にすぎません。もともと、無理な体制なのですから、EU域内で、デフレなどに陥った場合単一国で、ある程度自由な金融政策をとることがてきるように制度を組みなおせばよいだけです。それをしないというのなら、いつまでたっても、他国の金融政策などの変化におびやかされるだけです。EUがいまのまま金融政策や、財政政策を継続して、域内のどこかの国の経済が酷く停滞したとしても、それは、そもそもEUのシステムの問題です。他の国民国家が、それにあわせる必要はもうとうありません。無論日本も例外ではありません。

私たちは、そういう次元でものごとをみて、まずは日本国内のことを最優先すべきものと思います。だから、他国のいう通貨下げ競争などの意見に耳を貸す必要はありません。それに、日本は、過去20年間も実質上金融を引き締めっぱなしだったのですから、どうどうと金融緩和、円安を主張すべきです。

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