2020年5月31日日曜日

習近平いよいよ「台湾潰し」へ…迎え撃つ蔡英文総統の「外交戦略」―【私の論評】中国が台湾武力奪取に動けば、急襲部隊は崩潰し、習近平の中国内での評判は地に堕ちる(゚д゚)!

習近平いよいよ「台湾潰し」へ…迎え撃つ蔡英文総統の「外交戦略」

台湾は日米との関係を強化

習近平

 4年に一度のその日、台北はいつもと違う朝を迎える。5月20日は、日本で人気の高い李登輝の頃はもとより蒋介石の時代から、総統就任の日となることが多かった。1月11日の総統選挙で再選を決めた蔡英文総統もこの日、台湾人だけでなく海外からの多くの賓客に祝福されて、政権2期目を正式にスタートさせる――はずだった。


 だが新型コロナウィルス(台湾では民間だけでなく政府も「武漢肺炎」という呼称を用いている)の影響で、大規模な式典での国威発揚は困難となった。一変したのは総統就任式というセレモニーだけではない。台湾を取り巻く国際政治は、いま大きなうねりの中にある。筆者は台湾外交部(外務省に相当)の招聘を受けてTaiwan Fellowshipに参加し、1月から4月まで台湾大学で在外研究にあたったが、その成果にも触れながら本稿を認めたい。

  蔡英文は台北賓館で就任演説に臨んだ。台北賓館は日本統治時代に台湾総督の公邸としてネオ・ルネッサンス様式で建設され、摂政宮として台湾を行啓した昭和天皇も大正12(1923)年に宿泊された。現在は外交部が管理する迎賓館となっており、筆者も3月に訪れたが、意匠の凝らされた内装からは当時の日本が台湾統治にどれほど意を用いていたのかがよく伝わってくる。

蔡英文総統

  演説の中で蔡英文が、中国以外で具体名を挙げてバイ(二者間)の関係について言及したのは、「米国、日本、欧州との貿易あるいは投資保護協定の締結、これは我々が継続して努力する目標だ」、「これからの4年間、我々は米国、日本、欧州等の価値観を共有する国家とパートナーシップを深化させていく」という2か所だった。

  これは外交の基軸が引き続き米国、日本との協力関係であることを明確に示したといえよう。同様のメッセージは、蔡英文が当選を決めてから面会した外国使節の顔ぶれからも読み取れる。総統選挙の投開票日の翌1月12日午前にまず面会したのが、クリステンセンAIT台北事務所所長だった。

  国交が存在しない米国と台湾の関係において米国側の窓口機関となっているのがAIT(在台米国協会)であり、クリステンセンは事実上の駐台大使に相当する。筆者は国務省からAITに派遣されている米外交官との意見交換のため、台北市東部の内湖区に新築された事務所を訪問した。事務所という語感からはかけ離れた丘の上の巨大な要塞のような事実上の大使館の構えは、米国の台湾重視がトランプ政権下での一過性のものではないことを端的に表しているといえよう。

  そして同日午後に面会したのが岸信夫衆議院議員であり、台湾にとってもう一つの重要な大国である日本との関係を改めてスタートさせた。蔡英文が岸を迎えたのが永和寓所だったことにも意味がある。「仕事場」である総統府ではなく「住まい」である寓所において安倍晋三総理の実弟を遇することで、日本との関係に個人的な親密さという彩りを添えたといえよう。

欧州も台湾を重視

 日米に続いたのが、英国のネトルトン代表(1月17日)、EUのGrzegorzewski所長(1月22日)、ドイツのプリンツ所長(2月25日)だった。日米からはいくらか時間が経ってからだったが、欧州からの使節と面会する機会を他の国々に先んじて設けたのは、価値観を共有する欧州との関係を前進させたいという蔡英文の意思の表れといえよう。

  欧州の側にも台湾重視の動きがある。台湾のWHO総会へのオブザーバー参加を支持する声が、日米に歩調を合わせ英仏独からも上がったのだ。日米と同様に欧州主要国も、対中関係が緊張するリスクを覚悟の上で台湾を後押しした。また軍事面では、仏海軍が昨年4月にニューカレドニアを母港とするフリゲート艦「ヴァンデミエール」に、英海軍が昨年12月に測量船「エンタープライズ」に台湾海峡を航行させた。 

 加えて持ち上がっているのが、かつて仏から台湾への武器売却だ。台湾への武器の供給源は基本的には米国だが、仏は1991年にラファイエット級フリゲート艦6隻を、翌92年にミラージュ戦闘機60機を台湾に売却している。台湾は艦船の装備をアップデートするため、仏からの購入が検討さているのだ。

TPP加入への意欲


 就任演説に話を戻すと、分野としては経済外交に注力しようという姿勢が見て取れる。現時点で台湾が自由貿易に関する協定を結んでいる主だった国は、中国を除けばニュージーランドとシンガポールに過ぎない。昨年の貿易総額に13.2%を占める米国や10.9%を占める日本との貿易協定がもし実現すれば、台湾経済へのプラス効果は計り知れないといえよう。

  経済外交におけるもう一つの大きな目標がTPP加入だ。台北滞在中に筆者は経済閣僚とも会談し、蔡英文政権がTPPへの加入そしてTPPを主導する日本からの後押しをいかに切望しているかを改めて実感した。日米との貿易協定やTPPは、昨年の貿易総額に24.3%を占める中国への依存度を低減させるという観点からも重要といえよう。

  蔡英文演説の翌々日5月22日、予定よりも約2か月半遅れて北京で開催された全国人民代表大会で、中国の李克強首相が政府活動について報告し、台湾については台湾独立への反対や統一の促進に言及した。蔡英文は就任演説で対話を呼び掛けていたが、中国はゼロ回答で応じたといえよう。

  中国側は、台湾内部での蔡英文圧勝という政治情勢や対中感情悪化という世論動向について取り合うつもりは全くないということだろうが、事態は北京が考えるよりも深刻だ。昨年1月、習近平国家主席は台湾政策について演説し、一国二制度による統一を目指し武力統一を放棄しないという方針を改めて示したが、原則論に固執し強硬姿勢を崩さない習近平の頑なな態度によって台湾世論は硬化し、蔡英文の総統選挙での勝利の一因となった。 

 今年に入り情勢は中国にとってより不利に傾いている。総統選挙と同時に実施された立法院選挙では与党民進党が再び過半数を獲得し、総統府と立法院をどちらも制して政権基盤を固めた。一方で民進党と比較すれば中国との協調に軸足があった野党国民党でも、中国との関係見直しに言及する江啓臣立法委員が新しい主席に選出され、台湾政界における脱中国がますます進んでいる。

コロナ禍の巨大な影響

 そしてコロナによって台湾世論の中国との心理的距離はさらに広がった。公衆衛生という人命に直結する問題において、台湾海峡の両岸では医療体制というハード面だけでなく、国民のマインドというソフト面でもかけ離れていることが明らかになったからだ。

  国民党に近いとみられる中国問題が専門の大学教授ですら、もしコロナが発生してから選挙が行われていれば、蔡英文は1000万票(実際には817万票)の大台を獲得していたかもしれないと筆者に耳打ちしたが、あながちオーバーな数字ではない。生死に関わる問題で加速した世論の脱中国トレンドは、短期ではおよそ変わりようがなかろう。

  にもかかわらず中国は、台湾を後押ししようとする国々に対して注文を付けることに躍起になっている。日台には国交がないこともあり、安倍と蔡英文が膝を突き合わせて首脳会談を開催することは困難だ。だが両者はtwitterを通じて交流しており、ネット上では肯定的に捉える向きも多い。

  これに対して中国は、筆者が外交官補としてかつて所属していた北京の日本大使館に対して抗議したという。中国外交部も最近では自らtwitterを活用していることから、SNSの威力には一目置いているものとみられ、ヴァーチャルな日台首脳交流がネット上でさらに影響力を持つことを恐れ、横槍を入れてきたのだろう。 

 ニュージーランドに対しても中国は警告を発した。台湾のWHO総会への招待を求めるテドロス事務局長への共同書簡に、NZは日本、米国、英国、フランス、ドイツ、カナダ、オーストラリアとともに加わったが、中国はこれに噛みついたのだ。中国は自らへの包囲網を破ろうとする時に、最も脆い箇所を叩くことを定石としている。テドロスへの共同書簡に加わった8か国の中で国力が一番小さいのはNZだ。

  NZは既述の通り台湾と貿易協定を結んでいる数少ない国であり、台湾と良好な関係にある。一方で中国は、自らに友好的だった国民党の馬英九政権に得点を挙げさせるため、台NZ協定を妨害せず黙認していた。NZの台湾政策に対して時には目をつぶり時には異を唱えるのは、自らが許容する範囲の中でのみ台湾との関係構築を認めるという態度なのだろうが、こうした露骨なやり方は果たして持続可能だろうか。

  蔡英文は就任演説で台湾のコロナ対策を自賛したように、コロナをきっかけとして台湾の国際的地位は向上し、台湾を巡る各国の連携も強まった。米国とともに台湾の後ろ盾の役割を演じている日本にとっては、望ましい方向に事態が動いているといえよう。だが中国はこうした現実を直視しないどころか、強硬策一辺倒の姿勢をますます強めている。一国の外交から柔軟性が失われた時にどういった結末が待っているのか。未来は誰にもわからない。

村上 政俊(同志社大学ロースクール嘱託講師)

【私の論評】中国が台湾武力奪取に動けば、急襲部隊は崩潰し、習近平の中国内での評判は地に堕ちる(゚д゚)!

中国は、今後台湾を武力で奪取する可能性は十分にあります。それについては、このブログでも以前掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
米軍コロナ禍、その隙に台湾を恫喝する中国の卑劣さ―【私の論評】東アジアで失敗続きの中国は、今後軍事的挑発をエスカレートし、台湾武力奪取の可能性大(゚д゚)!
台湾海峡を通過中の米海軍イージス駆逐艦「バリー」(写真:米海軍)
以下に、この記事から一部を引用します。
中国としては、台湾が中国ウイルス封じ込めに失敗していれば、中国がイタリアなどのEU諸国に対して実施している、マスクや医療機器の提供や、医療チームの派遣などで微笑外交を台湾に対しても実行したことでしょう。 
これにより、中国は今年1月の台湾総統選での蔡英文氏の再選により、失った台湾での失地回復を行うことができたかもしれません。 
そうして、中国ウイルスが終息した後には、甚大な被害を受けた台湾に対して、莫大な経済的援助をすることになったと思います。 
そうなると、台湾独立派が台頭した台湾を馬英九政権時代のように、親中派を増やすことができたかもしれません。
考えてみると、中国は昨年11月には、香港区議会議員選挙で親中派が敗北しています。今年1月には、台湾選挙で蔡英文総統が再選されています。いわば連敗続きでした。 
中国ウイルスに関しては、韓国は当初は対策に失敗しましたが、最近では収束に向かっています。日本も、感染者が増えつつはありますが、それでも死者は相対的に少なく、中国や米国、EU諸国に比較すれば、中国ウイルス封じ込めには成功しています。 
香港の対応も素早いものでこれも封じ込めに成功しています。中国国内で武漢における感染発生がまだ隠され、警鐘を鳴らした医者が警察に処分されていた1月1日前後、一国二制度のおかげで報道の自由がある香港メディアは問題を大きく報道し、市民に注意を呼び掛けました。 
中国官僚のごまかしをよく知っている香港人が、2003 年のSARS(重症急性呼吸器症候群)の教訓をしっかりと心に刻み、徹底的な対策をしたことも効果的でした。 
中国は、中国ウイルスで、台湾、香港、日本がかなり痛めつけられていれば、得意の微笑外交で、台湾、香港、日本に対して存在感を高めることができたかもしれません。 
しかし、台湾は世界的にみても、最高水準で中国ウイルスの封じ込めに独力で成功し、独立国としての意地をみせました。 
今の中国が、台湾統一のためにできることといえば、軍事的な脅威をみせつけて、存在感を強調することです。
 ・・・・・・・一部略・・・・・・・・・ 
本年2020年は、中国の二つの100年計画の一つ「小康社会の全面的実現」目標の期限である建党100周年の2021年より一年前であり、もしこの時点で台湾統一が実現できれば、習近平政権にとっては長期独裁を全党および人民に納得させるだけの効果を持つ歴史的偉業となるからです。

ウイルスの封じ込めと、台湾統一に成功すれば、これは、習近平が成し遂げた大偉業ということになります。今まで、際立った業績のが一切なかった習近平にとって大きな手柄となり、習近平体制が定着することになります。
香港を中国の1都市にし、一国二制度を葬り去った中国は、次の段階で台湾を標的にする可能性も高まってきました。

中国側の理論からすれば、台湾は自国の領土なので、何をしようが自分の自由であり、それに対して外国が批判するのは内政干渉であると考えることでしょう。

これに関しては、蔡英文台湾総統は無論大反対ですが、一つ気がかりなことがあります。それは、軍事的には米中であれば、米国が圧倒的に強いです。しかし、台中ということになれば、台湾は中国どころか、日本の自衛隊よりも劣勢です。

だから、もし中国が本気で台湾を武力で奪取しようと考えた場合、台湾は武力では中国に負けしまうことになります。

しかも、米国は台湾と未だ正式には国交を結んでいません。米国は台湾に武器を提供するようなことをしていますが、それでも未だ韓国に対するように、軍隊を駐留させてまで、本格的に台湾を防衛しているわけではありません。

この隙をついて、中国が武力で台湾に攻撃をしかけて、奪取し、米国をはじめとするこれを批判する勢力に対して、「台湾は中国の領土であり、たとえ中国が武力で台湾を強制的に中国に併合したとしても、これは中国の問題であり、これを批判するのは内政干渉である」と教鞭する可能性は十分にあります。

中国の最近の「戦狼外交」ぶりをみれば、十分にありそうなシナリオです。これに対して米国は手も足もでないのでしょうか。

私としては、これに米国が対応する方法はあると思います。以下は、私が思いついた方法ですが、これは、中国の台湾武力奪取を粉砕するだけではなく、習近平の面子を丸つぶしにし、習近平政権の崩潰につながるかもしれません。

まずは、米国の対応の方法を述べる前に、2017年に日本で起こった不思議な事実を掲載します。

トランプ米大統領は2017年13日までに、マティス国防長官(当時)が2月に東京を訪問した際、35機の最新鋭ステルス戦闘機F35がレーダーに探知されずに日本上空を飛行していたとの認識を示していました。ホワイトハウスで行われた米タイム誌とのインタビューで述べました。

アメリカ空軍のF-35A

トランプ氏はこの中で、「彼らは35機のF35を日本上空に飛行させた。レーダーに探知されなかった。上空を飛行し、誰もが『一体どこから飛来したのか』と言っていた。あれがステルス機能だ。本当に格好良い」と言及。この35機について、「高速で低空を飛行しており、探知されなかった」「飛来してきているとは誰も知らなかった」などとも述べました。

ただ、F35の海外初配備で日本に到着したと伝えられている海兵隊仕様機は、配備予定16機のうち10機のみで、マティス氏訪日の数週間前でした。海兵隊は事前に配備を発表していたため、岩国基地に飛来してきたことに驚く人もいなかったようです。

このとき他にもF35が日本に展開していた可能性はあるのでしょうか。F35の他の海外配備としては少数の空軍仕様機が4月に欧州に派遣されただけでした。仮に日本に来ていたのが事実なら、それは最高機密に相当するものだったと考えられます。

これは、無論日本の航空自衛隊がF35を導入する前です。日本では2018年2月24日(土)航空自衛隊三沢基地の118格納庫において、最新鋭のF-35Aステルス戦闘機の配備記念式典が開催されました。

その日本で、2017年にF35が35機が、レーダーで発見されることなく、飛行していたというのですから、驚きです。

日本で可能というのなら、台湾上空や近海でも、中国や台湾に気づかれずに飛行することも可能でしょう。実際、F35のステルス性を破るような技術は中国も台湾も持っていないと考えられます。

であれば、中国が台湾を武力で奪取しようとして、航空機や艦船などを台湾に派遣した場合、米国は台湾にも中国にも感知されずに、F35を大量に台湾方面に派遣する事が可能とななります。

これで中国軍を攻撃し破壊し、無言で台湾から去った場合には、中国も台湾もこれを探知することができず、中国の航空機や艦艇が破壊されるということになります。

ただし、F35に対して正確に中国軍を攻撃・破壊するためには、無論早期警戒機などが必要になります。そうなると、早期警戒機は中国や台湾に発見されてしまうかもしれません。

しかし、それには逃げ道もあります。早期警戒機などは台湾上空や近海を飛ばなくでも、遠方からでも警戒行動ばできます。それでも、情報が足りなければ、潜水艦がその役割を担えばよいのです。

たとえば、米海軍のバージニア級原子力攻撃潜水艦「サウスダコタ」(SSN-790)が2019年2日、就役し、試運転の様子や最新設備の一端がYouTube動画などを通じて披露されていました。このような潜水艦を、偵察ならびに中国の艦艇攻撃に使えば、ステルス性も備えているので、中国や台湾などに感知されずに、中国艦艇を攻撃することができます。

一方中国の潜水艦は、米軍は容易に探知することができます。これでは、ほとんど勝負にならないかもしれません。中国の虎の子の空母や、強襲揚陸艦も撃沈されてしまうかもしれません。

「サウスダコタ」は、「ブロックIII」(3世代目)」に属する17隻目のバージニア級で、敵に発見されにくいステルス性能および偵察能力、攻撃力の強化やコスト削減が図られました。同艦の配備は、潜水艦隊能力で追い上げてきている中国、ロシアへの強力な対抗策となるとされました。

「サウスダコタ」は、9つの能力を持つ「マルチミッション潜水艦」とされています。その9つの能力とは、「対潜水艦戦闘」「対水上艦戦闘」「特殊部隊の輸送」「対地攻撃戦闘」「特殊戦闘」「情報収集」「救助活動」「偵察」「機雷戦闘」の各能力です。

米源泉サウスダコタ

米国防総省は今年2月4日、低出力で「使える核兵器」と称される小型核を搭載した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を、海軍が実戦配備したと発表しました。米メディアによると小型核の潜水艦配備は初めてです。トランプ政権は中国、ロシアへの軍事的優位を確保するため、早期の製造、配備を目指していました。

このようなことから、中国としては、台湾奪取の目的のため、核兵器を使うことは、できないでしょう。

台湾近海に、これらステルス性に優れた、「サウスダコタ」のような潜水艦を数席配置しておけば、偵察はもとより、攻撃も十分にできます。

中国の台湾急襲舞台は、当然のことながら航空機ならびに艦艇により派遣されると思います。それには、米国のステル性の高い航空機ならびに、潜水艦で隠密理に攻撃すれば、中国の台湾急襲部隊のほとんどが、崩潰することになります。

崩潰した後の中国台湾急襲部隊への追撃戦は、米国が行うことなく、台湾が実施すれば良いです。そうして、軍事力も強化しつつある昨今の台湾はこの追撃戦を首尾良くやり遂げるでしょう。中国にとっては屈辱的かもしれませんが、捕虜になる人民解放軍もかなりの数に登ることになるでしょう。

その後米国は、この軍事行動に関して、何も公表しなければ、台湾が独力で中国軍を粉砕したということになります。そうなると、台湾に軍事でも負けた習近平ということになり、国内でも習近平の評判は地に堕ちることにります。

中国が米国によるものだと批判しても、中国流に突っぱねれば良いのです。そもそも、中国は米軍攻撃の証拠を見つけることができないでしょう。

ちなみに、日本海上自衛隊の潜水艦も、ステルス性に優れていることはこのブログでも何度か掲載しました。日本の海自は、中国の艦艇を攻撃することはできないかもしれませんが、中国や台湾に探知されずに、哨戒行動なとで協力することもできるかもしれません。

軍事には素人の私でも、これくらいのことは考えられるので、米軍であれば、もっと優れた中国の封じ込め戦略を構築することができるでしょうし、実際構築していることでしょう。

これでは、中国もなかなか台湾の武力による奪取には踏み込めないでしょう。人民解放軍は自殺攻撃を覚悟しなければならなくなります。人命を多数失ってもなお、台湾を奪取できない可能性のほうが高いです。

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2020年5月30日土曜日

トランプ氏、香港の優遇措置見直し WHOと「断絶」も―【私の論評】日欧は香港問題で八方美人外交を続ければ、英米加豪に相手にされなくなる(゚д゚)!


対中国の制裁措置を発表するトランプ米大統領=29日

 トランプ米大統領は29日、ホワイトハウスで記者会見し、中国が香港に国家安全法の導入を決めたことに関し「香港の高度な自治は保証されなくなった」と述べ、米国が香港に対し認めている優遇措置を見直す手続きに着手すると表明した。トランプ氏はまた、世界保健機関(WHO)について、新型コロナウイルスをめぐって中国寄りの対応をとったとして「関係を断絶する」と述べ、脱退を表明した。

 新型コロナ危機に乗じて香港などに対する強権姿勢や南シナ海などで覇権的行動を打ち出す中国に、米国が正面から対決していく立場を鮮明にしたもので、米中の対立が一層激化していくのは確実だ。

 トランプ氏は、中国の全国人民代表大会(全人代)が香港に国家安全法を導入する「決定」を採択したことに関し、「中国は香港に約束していた『一国二制度』を『一国一制度』に変えた」と非難した。優遇措置の見直しの対象は、関税や査証(ビザ)発給など「ごく一部を除き全面的なものになる」としている。

5月27日、香港立法会の本会議に出席した民主派の陳淑荘議員

 トランプ氏はまた、「香港の自由の圧殺」に関与した中国や香港の当局者に制裁を科すと表明した。

 米国務省の香港に対する渡航勧告も中国と同等とし、滞在中に「監視を受ける危険が増大する」との文言を明記するとした。

 新型コロナへの中国の対応に関しても、中国が忌避する「武漢ウイルス」の用語をあえて使用し、「中国がウイルスを隠蔽(いんぺい)したせいで感染が世界に拡大し、米国でも10万人以上が死亡した」と訴えた。

 WHOに関しては「中国に牛耳られている」「米国の組織改革の要求に応えていない」などと批判。年間4億5千万ドル(約480億円)規模とされるWHOに対する米国の拠出金については「他の保健衛生関連の国際組織に振り向ける」とした。トランプ氏は今月18日、WHO事務局長に「30日以内に組織を改革しなければ米国は資金拠出を恒久停止する」と警告していた。

 またトランプ氏は会見で、米株式市場に上場している中国企業の透明性向上に向け「特異な行為」をしていないか作業部会で検証すると語った。

 さらに、中国人の学生らが米国内の大学や研究機関で技術窃取を繰り返してきたと非難。記者会見後は、中国人民解放軍に連なる研究機関に所属する大学院生の米国への入国を禁じる大統領布告に署名した。

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一国二制度の破壊で香港は中国の一地方都市となったのですから、特別優遇の廃止は当然のことです。しかし、それでは中国は、国際金融と貿易における香港の特別地位を失って経済が沈没するのは必至です。中国は、資金調達と対外貿易の重要な窓口を失うことになります。いつものことだが、習近平の愚挙は、結局自分たちの首を絞めることになるだけです。

トランプ米大統領が29日の、声明要旨は次の通りです。

■新型コロナの情報隠蔽

米国は中国との開かれた、建設的な関係を望んでいるが、その関係を実現するには米国の国益を精力的に守る必要がある。中国政府は米国や他の多くの国々への約束を破り続けてきた。中国による「武漢ウイルス」の隠蔽により、疾病は世界中に拡散した。世界的な大流行を引き起こし、10万人以上の米国民、世界中で100万人以上の命が失われた。

■WHOとの関係断絶へ

中国は世界保健機関(WHO)を完全に支配している。彼らは我々が要請した必要な改革を実施しなかったため、本日、WHOとの関係を断絶する。資金の拠出先は世界的でふさわしい、他の差し迫った公衆衛生ニーズに振り替える。

■産業機密保護へ入国制限

中国政府は長年にわたり、米国の産業機密を盗む違法なスパイ活動を行ってきた。本日、私は米国の極めて重要な大学の研究成果を保護するため、潜在的な安全リスクとみなす者の中国からの入国を停止する布告を出す。

■中国上場企業の慣行調査

さらに米国の金融システムの健全性を守る措置を取る。金融市場に関するワーキンググループに対し、米国の市場に上場している中国企業の慣行を調査するよう指示する。

今週、中国は香港の安全に一方的な統制をかけた。これは、1984年の宣言で英国と結んだ条約に対する、中国政府による明確な義務違反だ。

■香港の自治侵害は条約違反

中国による最近の侵害と、香港の自由を悪化させたその他の出来事をみれば、中国への返還以来、米国が香港に与えてきた優遇措置を続けるための正当な根拠となる自治がないのは明らかだ。

中国は、約束した「1国2制度」方式を「1国1制度」に置き換えた。このため私は米政権に、香港を特別扱いしてきた政策をやめるプロセスを始めるよう指示する。本日の私の発表は、犯罪人引き渡し条約から軍民両用技術の輸出規制まで全ての範囲の合意に影響する。

香港への渡航勧告についても、中国治安当局による刑罰や監視の危険の増加を反映して見直す。

■関税など優遇措置を撤廃

関税や渡航の地域としての優遇措置も取り消す。香港の自治侵害と、自由の抑圧に直接的または間接的に関与した中国と香港の当局者に制裁を科すのに必要な措置を取る。

香港の人々は、中国が活動的で輝く香港の街のようになることを望んでいた。世界は、香港が中国の未来像の一端であるとの楽観的な思いに打たれたのであり、香港が中国の過去の姿を映すことを期待したのではなかった。

以上

国連安全保障理事会は29日、中国政府が香港に「国家安全法」を導入する方針を決めたことを受け、米英両国の提起で香港情勢について非公式に協議しました。米国は中国に方針転換を求め、全ての国連加盟国に米国に同調するよう要請。猛反発した中国が内政干渉の即時中止を米英に要求し、議論は平行線に終わりました。

米英中の各国連代表部は協議後、それぞれ声明を発表。それによると、クラフト米国連大使は、安保理理事国に「中国共産党が国際法に違反し、香港の人々に考えを押し付けることを許すのか」と問い掛けました。

アレン英国連臨時代理大使は、「中国が立ち止まり、香港や世界が抱いている深刻かつ正当な懸念について省察するよう期待する」と求めました。

これに対し中国の張軍国連大使は、「香港問題は純粋な中国の内政問題であり、外国の干渉は認められない」と強調。29日の討議に関しても安保理として「正式」に協議を行ったわけではないとくぎを刺し、「香港を使って中国に内政干渉しようとするいかなる試みも失敗する運命にある」と主張しました。

中国の張軍国連大使

新型コロナウイルスの世界的流行をめぐり深まっていた米中対立は、香港問題を受け一段と悪化しました。ともに常任理事国である米中間の亀裂により、安保理が具体的行動を取るのは困難な情勢です。

このような情勢はなぜか日本では、あまり深刻に受け止められていないようです。

日本には「中国に制裁をほのめかして、この立法を阻止しなければならない」と主張するような政治家はいないのでしょうか。今回の一連の出来事は、米中新冷戦が熱戦(直接的な武力行使)の入り口に近づくくらいのインパクトがあるものと受け止めるべきです。

中国に帰属する自由都市・香港は、長らく西側の自由主義社会と中華全体主義社会をつなぐ回廊の役割を果たしてきました。多くの金と人が香港を通じて行き来していました。
その香港を潰すということは、中国は西側社会との決別を決心したということです。日本やEU諸国の出方はまだ不明ですが、本当に香港に対するビザや関税の優遇が取り消され、中国への経済制裁が行われることになれば、次に起こりうるのは冷戦ではなく熱戦の可能性もあります。
中国党内には、最近、トランプが中国に戦争を仕掛けてくる、という危機論があるようです。日本に真珠湾攻撃をさせたように、巧妙な情報戦で中国を追い詰め、戦争を仕掛けさせるつもりだ、といった意見を語る人間もいる程です。

台湾への米国の急接近もその文脈で説明する人がいます。だから挑発に乗らないようにしよう、という話にはならず、そうなら米国から先に手を出させてやる、と言わんばかりの「戦狼外交」(挑発的、恫喝的、攻撃的な敵対外交を指す)で対抗するのが今の習近平政権です。

こういう局面で、今や世界は一寸先は霧の中に入ったといっても過言ではありません。

香港国安法が制定されば香港はどうなるでしょうか。「香港暴動」が仕立て上げられて、軍出動となるかもしれないし、そうならないかもしれないです。ただし、中国唯一の国際金融市場が消滅するのは確かです。多くの香港知識人や社会運動家やメディア人や宗教家が政治犯として逮捕の危機にさらされ、政治難民が大量に出るでしょう。

香港の旺角地区で、民主派デモ隊による道路封鎖を阻止する警官隊(2020年5月27日)
米英が香港国安法を批判するのは、中国の国家安全部が、これから、徹底的に香港民主派市民を人権も無視して弾圧することを知っているからです。中国は、香港問題は中国の内政問題と主張しています。

しかし国際法では、人権問題に絡む干渉などは内政干渉ではないとされています。ただし、国際法をこれまでも無視してきた中国にとっては、トランプの今回の声明は、内政干渉以外のなにものでもないようです。

台湾蔡英文政権は、それを見越して、政治難民の受け入れも想定した「可能な人道的援助」に言及しています。今年1月に再選を果たしてから、新型コロナ感染対応を経て、自信をつけた、蔡英文は見違えるほど頼もしくなりました。言うべきときに言うべきメッセージを国際社会に発しています。

つい先日もこのブログで主張したように、日米をはじめとする先進国は、台湾が香港を吸収する形で香港の国際金融都市としての役割を肩代わりできるようにすべきです。また、全体主義国家が常任理事国として名をつなれているような、国際連合(連合国)などは、捨て去り、新たな国際組織を設置すべきです。

従来は主に米中の戦いとみられていた米中冷戦ですが、香港情勢等を巡って徐々に対立軸がはっきりして来ています。今まで英国は、はっきり態度を表明していませんでしたが、さすがに香港の事になると、英国も銭より価値観を選ばざるを得なくなったようです。

英米加豪は対中国でまとまったので、後はEUと日本はどうするかという状況になってきました。日本とEUは、八方美人外交を続ければ、英米加豪に相手にされなくなる覚悟を決める時がやってきたようです。

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2020年5月29日金曜日

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尖閣周辺で中国船が挑発行為、海上民兵による上陸作戦なら海自は手出しできず
デイリー新潮


尖閣諸島で最大の島、魚釣島「国土画像情報(カラー空中写真) 国土交通省」

ヘリコプターによる上陸作戦

 中国海警局所属の公船「海警」2隻が5月上旬に尖閣諸島の魚釣島領海に侵入し、付近の海域で操業中の日本漁船に接近した。以降、尖閣諸島周辺で日本領海へ接近・侵入する中国公船は、40日以上にわたって目撃された。 【写真】1日に何十人もの米兵と……【歴史の闇に葬られた「日本人慰安婦」たち】  そもそも、尖閣諸島を中国はどのように占領するつもりなのか? 以下に(問題点は多々あるにせよ、)考えられるシナリオを挙げることにする。

 尖閣諸島のどの島も周囲が岩場で囲まれているため、砂浜への上陸を想定しているエア・クッション艇(ホバークラフト)を用いての上陸は困難だろう。同様に陸自が保有するAAV7のような水陸両用強襲輸送車による上陸も難しい。このため、後述する漁船などの小型船の次に現実的な上陸手段は、ヘリコプターということになる。 

 尖閣諸島が海保、海自の艦船で包囲されていたとしても、「防衛出動」下令前であれば撃墜される危険がないため、最も現実的と思われるのは、ヘリコプターを用いたヘリボーンとなるだろう(ヘリボーンとは、ヘリコプターを用いて敵地などへ部隊を派兵する戦術)。

  ヘリボーンによる占拠の目的は、ヘリコプターで特殊部隊などの先遣隊を派遣し、後続部隊の大規模な上陸作戦を支援するための海岸堡の構築である。しかし、実際には後続部隊もヘリボーンということになるため、大規模な兵員の輸送は難しい。

  ヘリコプターにより、まとまった兵員が輸送され、自衛隊の上陸を阻止するための海岸堡を構築できたとしても、大量の武器、弾薬等の補給を自衛隊の上陸作戦が実行される前に終えておく必要がある。その術を考えるとなると、あまり現実的ではない。

  そもそも前提として、こうした作戦を実行するためには、尖閣諸島周辺の制海権と制空権を確保しておく必要がある。実行する揚陸艦および機動部隊が、海自艦艇や空自戦闘機による対艦ミサイルによる攻撃を受けることになるためだ。

  ただし、中国海軍艦艇にも対空・対艦ミサイルが搭載されているため、日本にしてみても、機動部隊を構成する艦艇全てを壊滅状態にすることは難しい。また、海自や空自にも損害が発生する。

  中国軍が制海権と制空権を確保するためには、海・空自衛隊を大きく上回る戦力を尖閣諸島周辺に投入する必要がある。中国軍が制空権を確保するためには、F-15戦闘機(201機)、F-2戦闘機(92機)のうち本土防空の任にあたる戦闘機を除いた、大半の戦闘機を戦闘不能にしなければならない。

  中国軍は空自のF-15に相当する第4世代の戦闘機であるのSu-27を75機、Su-30を73機、J-11を200機、J-10を270機保有している。このため、質だけでなく量でも中国が圧倒的に有利なように思える。

  だが、大量の戦闘機を一度に飛ばすことはできない。中国本土のレーダー基地では航空機が捕捉できない遠洋において作戦を行うためには、数機(後述するように、東シナ海以外でも戦闘が行われるため)の早期警戒管制機(AWACS)による支援が必要となる。作戦の内容によっては空中給油機も必要となるだろう。中国はこれを可能とするAWACS(KJ-2000)を5機程度保有している。

  中国軍は空対空戦闘および艦対空戦闘により空自の戦闘機を撃墜してゆくわけだが、空自の戦闘機だけが一方的に撃墜されるわけではない。中国の戦闘機も撃墜されることになる。海自のイージス艦により撃墜される戦闘機も多いだろう。

ゲリラ攻撃

「中国軍」としてではなく、漁民を装った海上民兵による上陸作戦が行われる可能性もある。これが最も現実的なシナリオかもしれない。
  民兵とは、退役軍人などで構成される準軍事組織で、正規軍の支援が任務。中国の海上民兵は約30万人とされ、常万全国防相は2016年7月末に浙江省海上民兵部隊を視察、「海の人民戦争の威力を発揮せよ」と訓示した。中国の建国初期に創設された海上民兵は、世界最大の漁船団で編制されている。近年は海上民兵の重要性が増し、建築資材の運搬から情報収集まで幅広い任務を果たすようになってきた。最精鋭部隊は、必要があれば機雷や対空ミサイルを使い、「海上人民戦争」と呼ばれるゲリラ攻撃を外国船に仕掛けるよう訓練されている。 

 漁船1隻に海上民兵20~30人が乗船していると仮定する。200隻だと4000~6000人となる。海保の巡視船のみでこれに対応することが困難なのは、2014年に小笠原諸島周辺に集結した、200隻以上の赤サンゴ密漁中国漁船への対応を見ても明らかである。この時、海保は10人の中国人船長を逮捕したものの、あとの漁船は摘発することなく、領海から追い出すことしかできなかった。

グレーゾーンを突いた作戦

 あくまで「漁民」である以上、この作戦には軍事組織である中国海軍は直接的には参加しない。よって「有事」ではなく、「平時」における事態(日本政府の言うところのグレーゾーン事態)であるため、海自は手出しができないのだ。 

 このため、尖閣諸島に上陸した漁民を装った海上民兵を排除するには、日本の警察官と海上保安官を大量に派遣することになる。では、どのように海上民兵を排除するのか、その方法が問題となるだろう。  仮に武装した海上民兵が攻撃をしかけてきて、海保の対応能力を上回る事態とみなされた場合は、自衛隊は「海上警備行動」として武器を使用することが認められている。ただし、相手方と同等の武器しか使用できない(例えば、素手の相手に拳銃は使用できない)「警察比例の原則」が適用されるため、自衛隊が武力行使できない状態で尖閣諸島が占拠される可能性があるのだ。

  しかし、海上民兵にも弱点がある。長期間にわたり占拠するには、食糧や水の補給が必要となる。特殊部隊なみに訓練された海上民兵なら、蛇などを捕獲して食いつなぐことができるが、それにも限界があろう。長期にわたり「兵糧攻め」を行えば、海上民兵も投降せざるを得なくなるだろう。

もし占領されたら
 仮に、中国軍が尖閣諸島の占領に成功した場合、自衛隊は奪還作戦を実施することになる。しかし、防衛省が島嶼奪還作戦の目玉として導入したLCAC(エア・クッション艇)とAAV7(水陸両用強襲輸送車)は、尖閣諸島のような岩場で囲まれた島嶼への作戦には使用できない。この点は、中国軍が尖閣諸島へ上陸する際の問題点と全く同じである。

  ゴムボート等の小型船、あるいはヘリコプターを用いての上陸となるわけだが、海岸近くの海中には機雷が敷設され、海岸は地雷原となっている可能性がある。また、ヘリコプターによる降下を試みた場合、携帯式の地対空ミサイルで攻撃される可能性がある。機関銃や対戦車ロケット等による攻撃に晒され、組織的に上陸すら出来ないまま撤収することになる可能性も高い。

  このように、占領することよりも、奪還することのほうが大きな困難を伴う。  となれば、少人数の特殊部隊を夜間に上陸させ、ゲリラ戦を展開して中国軍を掃討するしかない。

日本海や西太平洋も戦場になる

 中国が尖閣諸島を狙うとなれば、戦闘海域および空域は、尖閣周辺だけでなく東シナ海全体、西太平洋、日本海にも広がることになる。東シナ海だけでなく、日本海や西太平洋(日本沿岸)も「戦場」とすることで、尖閣諸島周辺へ自衛隊の戦力が集中することを避けることになるからだ。また、米軍の戦力を分散するためにも、西太平洋と南シナ海での活動を活発化させるだろう。

  今回は尖閣諸島について述べたが、南西諸島などの離島を占領する場合も、同じように他の海域や空域で同時に戦闘が展開されることになり、自衛隊は戦力を集中させることが難しくなる。 

 例えば、中国東北部に配備されている空軍機が北朝鮮上空を通過して日本海へ進出してきた場合、空自の戦力の何割かは、日本海での作戦に投入されることになり、九州や沖縄へ投入することが出来なくなる。

  このように、中国が尖閣諸島をはじめとする日本の島嶼を占領するためには、広範囲かつ大掛かりな作戦を実施する必要がある。西太平洋や日本海へ艦艇や航空機を進出させ、訓練や情報収集を行う近年の中国軍の動きからは、こうした事態を想定していることが分かる。

  尖閣諸島周辺における中国公船の動向は、中国の軍事戦略の一端を示しているのだ。

宮田敦司/北朝鮮・中国問題研究家 週刊新潮WEB取材班編集 2020年5月29日 掲載

新潮社

【私の論評】国賓来日をキャンセルし、尖閣の守備を固め習近平の野望を打ち砕け(゚д゚)!

最近は、国内ではコロナ禍が話題となり、世界的には香港や台湾が大きな話題になっていますが、我が国固有の領土である、尖閣諸島への中国艦艇の侵入については、ますます深刻になっているにもかかわらず、あまり話題にもなりません。

沖縄県・尖閣諸島周辺で今月初め、中国海警局の公船が領海侵犯して、日本漁船を追い回すという異常事態が起きた。日本領海で他国が警察権を行使するなど、絶対に許してはならない。元海上保安官の一色正春氏は、中国公船による主権侵害や日本漁船が危険な目に遭った映像を、日本政府は国際社会に公開すべきだと訴えています。

一色正春氏

尖閣諸島については、多くの日本国民が、過去に何度も中国艦艇の侵入などがあったため、それになれてしまったようで、上記の危機的状況にあっても、あまり問題にする人はいなくなりました。マスコミも同じで、侵入の事実は報道するものの、それだけです。

確かに、現在の日本国民の最大関心事はコロナであり、現状ではコロナ禍による経済の落ち込みから、V字回復できるかが、最大関心事であることは当然といえば、当然です。

しかし、尖閣問題に関しては、本当に危険な状況になりつつあるのは、間違いないようです。

習近平は、2018年に憲法を改正(改悪?)してまで、終生主席の道を拓いたのですが、過去の主席と比較すると実績らしい実績がありません。習近平としては、自分の派閥は無論ですが、反対派閥の人間も認める大実績をつくりあげたいと考えています。

しかも、本年2020年は、中国の二つの100年計画の一つ「小康社会の全面的実現」目標の期限である建党100周年の2021年より一年前であり、もしこの時点で台湾統一等の大事業が実現できれば、習近平政権にとっては長期独裁を全党および人民に納得させるだけの効果を持つ歴史的偉業となるからです。

習近平は、武漢肺炎の終息を世界で一番先に実施したことを、無理やり大偉業の一つにしました。しかし、これは元々武漢でのウイルス感染の事実がありながら、それを隠蔽したことが、中国全土への感染、ならびにパンデミックにつながったことは厳然たる事実です。

習近平としては、これを中国内ではあらゆる手段を用いて無理やり終息させたのですが、それは、多くの人民も知るところとなり、これだけでは、習近平の大きな手柄にはなりえません。

しかし、台湾統一自体は、米国の関与もあってかなり難しいものになりました。そうなると、尖閣諸島は台湾よりは与し易いです。であれは、今年中に習近平が何らかの手段で尖閣奪取に走る可能性は否定できません。

尖閣諸島を完璧に実効支配し、そこに南シナ海のように、中国の軍事基地を設置して、日本の沖縄侵攻や台湾侵攻への拠点とすれば、これは習近平の手柄となり、中国内での武漢ウイルスと合わせて、全党ならびに全人民を納得させるだけの効果となる歴史的偉業にできる可能性が大です。

これにさらに、日本が習近平の国賓としての入国を認め、天皇陛下と謁見できれば、完璧に習近平は終身主席としての地位を固めることができます。中国では、日本の天皇陛下に謁見したということは、かなりの権威付けになります。習近平は無論、これを狙っているでしょう。

マスクをした習近平

そのためか、日本を刺激しないようにする配慮もしています。実際、中国政府は国営メディアなどに対し、安倍首相への批判を控えるよう指示していたことがFNNの取材でわかりました。

中国外務省は、26日の会見で、25日に安倍首相が新型コロナウイルスが「中国から世界に広がったのは事実だ」と述べたことに反発していました。

しかし、この会見の数時間後、中国共産党系の「環球時報」は、「安倍首相は同盟国であるアメリカに配慮しつつ、中国を刺激することを避けた」などとする社説を掲載していました。

関係者によると、これは、中国政府が習近平国家主席の意向をふまえて、国営メディアなどに批判を控えるよう非公式に指示を出していたもので、米国と対立を深める中、日本との関係を悪化させたくないとの判断があったとみられます。

中国というか中共は、習近平に限らず、自国内部の都合で動きます、外交など二の次です。だから、外務大臣の地位も、日本などの先進国から比較すると相対的に低いです。

尖閣や、香港や台湾等に対する対応や、武漢肺炎ですら、自国内の都合で動くので、日米などの先進国からみると、対応が遅れたり、とてつもない火事場泥棒的なことでも平気で実施します。

普通の国の人間の感覚であれば、習近平が日本を国賓待遇で訪問して、天皇陛下に謁見したいというのなら、しばらくの間は尖閣への侵入をやめるなどのことをするのが当たり前ですが、中共は違います。

そもそも、米中冷戦だって、米国の知的財産を剽窃し、南シナ海を自分勝手に埋め立てて軍事基地化したり、武漢ウイルスも隠蔽した挙げ句に、全世界にパンデミックをもたらしました。

このような中国共産党は、まったく信用に値しません。日本としては、習近平を国賓として迎えるなどのバカ真似はやめるのは当然であり、尖閣諸島についても、忖度の土地も中国に奪取させるべきではありません。

尖閣防衛に関しては、米国のルトワック氏が数年前に日本に対して分析・提言しており、これは、現在でも十分に有効だと思います。それに関しては、このブログでも掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。
中国不法漁船を爆破 インドネシアが拿捕して海上で 「弱腰」から「見せしめ」に対応―【私の論評】ルトワックが示す尖閣有事の迅速対応の重要性(゚д゚)!
エドワード・ルトワック氏
この記事より、ルトワック氏が提唱する尖閣防衛の要諦を引用します。
どうなるか分からない不安定さを持つ中国に対応するために、無理に大局をみるより現実的な個々の事象に対応するべく準備せよというものです。 
日本側が、独自かつ迅速な対応を予め用意しおくように進言しています。しかも、各機関相互間の調整を重視するよりも、各機関が独自のマニュアル通りに自律的に行えるようにしておくべきとしています。 
たちば、海上保安庁は即座に中国側の上陸者を退去させ警戒活動にあたり、外務省は諸外国に働き掛けて、中国の原油タンカーやコンテナ船などの税関手続きを遅らせるという具合です。とにかく、「対応の迅速さを優先させる」ことを強調しています。
各機関が、このようなマニュアルを用意しておき、即座に動くことが肝要であることをルトワックは主張しているのだと思います。各機関が綿密に共同して行動していては、迅速さに欠けて、あれよあれよという間に、南シナ海で中国が実施したように、いずれ軍事基地化され、既成事実をつくられてしまってからは、これを取り消すことは至難の業になるからでしょう。
とにかく、ルトワック氏は、政府としては、政府の各機関が協調して動くようなことはせず、各機関が迅速に動くべきとしています。

政府としては、憲法解釈を変えるか、変えられないなら、「尖閣防衛臨時措置法」などを制定し、防衛省や他の官庁など、いざ中国が尖閣奪取に踏み切った途端に、互いに連絡をとりあい意思決定をするなどのことをしなくても、各部署が予め決めてあったとおり、独自に動き迅速に事を収めるのです。

これは、なぜなのでしょうか。ぐずぐずしていたら、「手遅れ」になるからです。ここで肝に銘じておくべきなのは、
「ああ、危機が発生してしまった。まずアメリカや国連に相談しよう」
などと言っていたら、島はもう戻ってこないということだ。ウクライナがそのようにしてクリミア半島を失ったことは記憶に新しい。(『中国4.0』p152)
安倍総理は、「人民解放軍が尖閣に上陸した」と報告を受けたとします。「どうしよう…」と悩んだ総理は、いつもの癖で、アメリカに相談することにしました。そして、「国連安保理で話し合ってもらおう」と決めました。そうこうしているうちに3日過ぎてしまいました。尖閣周辺は中国の軍艦で埋め尽くされ、誰も手出しできません。

米軍は、「ソーリー、トゥーレイトゥ」といって、動きません。国連は、常任理事国中国が拒否権を使うので、制裁もできません。かくして日本は、尖閣を失いました。習近平の人気は頂点に達し、「次は日本が不法占拠している沖縄を取り戻す!」と宣言するなどという悪夢のようなことにもなりかねません。こんなことにならないよう、政府はしっかり準備しておくべきです。

安倍政権は、現在はコロナ制圧に大成功し、コロナ対策の第二次補正予算では、真水の対策を大幅に増やしました。コロナで大失敗し、本当はかなりの犠牲者を出し、経済がガタガタの中国とは根本的に違います。

ここで、気を緩めることなく、追撃戦に入り、習近平の国賓待遇での日本訪問を中止し、実践的な尖閣防衛計画を立案し、中国が尖閣奪取に走った場合は、緒戦でこれを叩き、習近平の野望を打ち砕くべきです。

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2020年5月28日木曜日

コロナで分かった中国より優れたパートナー台湾―【私の論評】国際金融センターは不安定な香港から台湾に移せ(゚д゚)! 

コロナで分かった中国より優れたパートナー台湾

岡崎研究所

 国際社会は、今回の新型コロナウイルスによるパンデミックへの対処ぶりを見て、中国共産党独裁体制の隠蔽、脅迫の体質を改めて認識させられた。それとは対照的に、台湾に根付いた民主主義下での透明性と説明責任のある統治は、中国と異なる台湾の存在を明確に印象付ける結果をもたらした。


 中国大陸との間で貿易、投資、旅行者、留学生交換など多くの面で近い関係にある台湾において感染者数、死者数が極めて低いレベルに抑制されていることは、台湾での対応が見事なまでに的確かつ効率的であったことを示している。

 台湾当局の対処ぶりについては、いくつかの特徴のなかでも、きわめて初期の段階において中国との人的交流を遮断したことが特筆されよう。中国から台湾への入国者を全面的に禁止し、同時に、中国滞在の個々の台湾人の帰国を制限し、台湾指定の飛行機を派遣し、受け入れた。また人的隔離政策を徹底させ違反者には罰金を科した。陳時中保健大臣は頻繁に記者会見し、きわめて懇切丁寧に感染状況などを市民に説明した。これら台湾における対処ぶりは、武漢において初期段階での隠蔽工作などに警鐘を鳴らした中国人医師たちを摘発した中国共産党政権とは全く異なったアプローチであったといえる。

 台湾はWHOに対し、すでに昨年12月31日の段階で、武漢において感染者が出ているという情報を通報し、関連情報の共有を希望するとの連絡をおこなったが、WHOはこれを無視し、「習近平体制下の中国はよく感染拡大を防ぐため尽力している」と述べた。

 中国は、感染の世界的拡大は中国から始まったにもかかわらず、ウィルス抑制の成果を誇示している。とりわけ初期の情報開示に問題があったことは歴然としているにもかかわらず、自らを被害者であるとの姿勢を貫き、反省の色を一切見せないばかりか、情報戦を行う構えを見せ、「マスク外交」を展開しつつある。中国に新型コロナウイルスの発生源についての透明性などを求める国に対しては、経済的不利益を示唆するなど恫喝的言辞を投げかけたりもしている。

 新型コロナ、SARSなどの対処に当たって、優れた知識と経験を有する台湾がWHOのメンバーになる資格を有することは今更強調する必要もないだろう。日本としては、従来一貫して、台湾のWHO加盟を支持しているが、具体的にこれを進めるための支援が期待されている。今回のパンデミックの拡大のなかで、WHOがいかに偏向しているかが明白になった。WHOの組織の在り方を見直すことに絡めて、台湾のメンバー加入の問題を見直すことが喫緊の課題となってきたといえよう。5月18日から開かれたテレビ会議方式でのWHO総会にも、各国からの台湾のオブザーバー参加の要請にもかかわらず、結局、台湾は招待されなかった。なお、馬英九・国民党政権時代には、WHOはあらかじめ中国の了承を得た上であろうが、WHO総会へのオブザーバーとして台湾の参加を認めたことがあるが、蔡英文・民進党政権になってこの方式もとりやめた。当時のWHO事務局長は、香港出身のマーガレット・チャンである。

 さらに、WHO加盟に加え、自由・民主主義体制下にある台湾を環太平洋経済連携協定(TPP)の一員として参加させるということは、日本をはじめTPPメンバー国が直面する次なる課題であろう。台湾がアジア・太平洋において占める地政学上の位置、台湾経済のもつ重要性、そしてなりよりも自由で民主的な政治体制からみて、台湾はTPPの一員になるにふさわしい条件をすべて整えている。日本とTPPのこれまでの関与ぶりから見て、日本としては台湾の加盟を支持するうえで主導的役割を果たすことが期待される。

 ワシントンポスト紙コラムニストのロウギンは、5月7日付けの論説‘The pandemic shows why Taiwan is a far better partner than the People’s Republic’において、「今回のパンデミックは中国が全く信用できないパートナーであることを強く示した。われわれは、代わりとなる『中国モデル』(つまり、台湾)があることを認める時期だ」と指摘している。このロウギンの指摘は、決して言い過ぎではない。

【私の論評】国際金融センターは不安定な香港から台湾に移せ(゚д゚)! 

米国では、中共(武漢)肺炎拡散の責任を問う裁判での賠償金の支払いを担保する方法として、中国が保有する米国債の凍結が議論されています。

幸か不幸か、日本国債の保有者の大部分が日本国内の機関投資家等ですが、日本の土地を中国勢が買いあさっていることは周知の事実です。特に、北海道は静岡県を超える程度の土地が中国資本によって買い漁られているという始末です。


共産主義中国では、土地は国有ですから日本人は中国の土地を所有できないです。50年などの長期で借りているだけなのです。これは、中国国民も同じです。中国人は、中国では土地を購入できないのですが、日本では購入できるのです。

これはあまりに不平等です。日本人が中国の不動産を保有できるようになるまでは「対等条件」を主張すべきです。日本において「土地が国有の中国などの国の外国人」が購入した場合は、50年後にその土地を国有化できるようにすべきです。

もし、これに中国人民の不満があれば中国人民は中国共産党に外国人の土地の私有化という「平等な条件」を認めさせるべきです。

実際、大陸中国で混乱が発生した場合は、建物などを含む日本企業資産の没収が行われる可能性が高いですから、日本もこれに対抗措置ができるように法整備を行うべきです。

日中間の歴史問題に対して欧米では関心が薄く、その間隙をぬって、中国人による日本人大虐殺=「通州事件」を無視して、ほとんど証拠がないいわゆる「南京大虐殺」などを騒ぎ立てるプロパガンダが行われました。あろうことか、これに米国も加担しました。

    南京大虐殺だとされた写真の元写真 拡散中の写真は上部文章を故意にカットさ
    れました。-『土匪之為メ虐殺サレタル鮮人ノ幼兒』とあり万宝山事件周辺の
    満州人と朝鮮人の抗争被害者と思われます。
しかし、今回の武漢肺炎によって、共産党発表の欺瞞が世界中の人々に明らかになりました。事情が分からずに、中国共産党の言い分をうのみにして日本を非難していた人々も目を覚ましたはずです。
特に米国は、「コロナウイルス米国発」の中国のプロパガンダや、火事場泥棒が消防士のように振る舞う、中国のマスク外交などには、嫌気がさしたようです。米国も、中国の執拗なプロパガンダの嫌らしさに気づいたようです。

世界中の人々が、中国共産党の実像を理解した今こそ、日本は中国に対して「断交」も含めた「厳しい態度」で臨むべきです。今回は、第二次世界大戦後とはうってかわって、世界中の先進国が日本の後押しをしてくれるはずです。

ナチス・ドイツと手を組んだ戦前の過ちを繰り返しすべきではありません。日本は、第2次世界大戦で組む相手を間違えて、戦後75年間も苦しみました。

現在の中国共産党は、少なくとも米国ではナチス・ドイツ同様「人類の敵」として扱われています。また、武漢肺炎で苦しんだ国々でも反発が高まっています。

そうして共産主義中国は「1つの中国」を強調しますが、中国が1つしかないのであれば、ポツダム宣言に参加したことなどの歴史的正当性から、「中華民国=台湾=民主主義中国」がそれに該当します。

今米国が目指しているのは、明確に中華民国(台湾)が1つの中国であった「米中国交正常化」の前の世界です。1つの中国である中華民国(台湾)と国交を結べば、中華民国を暴力で追い出して成立した共産主義中国とは断交することになります。

また、日本にとって本当に大事なのは、台湾と華僑である。共産主義中国の奇跡の成長の原動力は実は彼らなのです。共産党幹部を中心とした中国大陸の人々は、その果実を奪っただけなのです。

そもそも、台湾や華僑の人々は主に共産主義者による「暴力革命」の魔の手から逃亡してきた人々の集団です。どちらをとるべきかは明らかです。

日本はそれほど遠くない将来に「決断」を迫られるはずです。

東西冷戦は、資本主義と共産主義の対立とされましたが、今始まったばかりの第2次冷戦は「民主主義」対「反民主主義」の対決といえます。

最終的には米国・英国を中心とした「ファイブアイズ」(重要軍事情報を共有するUKUSA協定を締結している米国・英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの5か国)が勝利するはずですから、日本も安倍首相が上手にまとめたTPP11を土台にこれらの国々と親密な関係を保つべきです。

逆に、巨大な「反民主主義国家」である共産主義中国とは早急に断交すべきです。中共武漢肺炎対策で、中国からの入国が規制されている今が最大のチャンスかもしれないです。

このような中、台湾総統蔡英文氏は27日午後に台北市内で記者団の取材に答えました。「自由と民主を追求する香港人の決意を支持する」「台湾での居住や労働などで必要な支援を行う」と表明した。蔡氏は行政院(内閣)に具体的な施策の策定を指示したと明かしました。

香港人が台湾で一般の居留許可を得るには「台湾で600万台湾ドル(約2200万円)以上の投資を行う」などの条件をクリアする必要があります。こうした条件を再考し、受け入れをしやすくする可能性があります。

香港では2019年6月から政府への抗議活動が激化し、台湾など海外への移住希望者が増えました。台湾では19年に、香港人への居留許可の件数が前年比41%増の5858件となりました。20年1~4月は2383件と前年同期の2.5倍となりました。

「香港国家安全法」の制定方針が示されたことで、台湾では中国への警戒感が一段と強まっています。蔡総統が主席を務める対中強硬路線の与党・民主進歩党(民進党)は香港民主派と交流があり、中国側は両者の連帯に神経をとがらせています。

もし国際金融都市で自由都市である香港が消滅するのであれば、台湾が香港を吸収する形で香港の役割を肩代わりできるようにすべきです。

台北国際金融センター「台北101」 クリックすると拡大します

米国や英国、日本、EU、オーストラリアあたりが本気で協力すれば、台湾を正式メンバーとして組み入れた国際社会の枠組みを再構築することもできます。

そうすれば、中国は香港という金融の拠点を失い、世界は台湾という新たな金融の拠点を得ることになります。それは、これからのアジアや世界の発展に寄与することになるでしょう。

大陸中国がいつまでも、共産党一党独裁の今の形で継続するとは考えられません。いずれは体制を改めるか、中国が分裂し、分裂した国々のいくつかは、民主的な道を歩もうとするかもしれません。

その時こそ、台湾が国際金融センターとして本領を発揮すれば良いのです。本来であれば、香港が国際金融センターとして機能するはずでしたが、大陸中国はそれを放棄しようとしています。台湾が国際金融センターになることは、十分に可能であると考えます。民主化する新民主中国にも多いに寄与することになるでしょう。

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2020年5月27日水曜日

2カ月半遅れの中国全人代 経済ガタガタ、外交は…トランプ氏「中国は無能」 コロナ第2波なら共産党のメンツ丸つぶれ? ―【私の論評】日本をはじめ先進国が中国に対しては、厳しい対処をするのが当然(゚д゚)!

2カ月半遅れの中国全人代 経済ガタガタ、外交は…トランプ氏「中国は無能」 コロナ第2波なら共産党のメンツ丸つぶれ? 

高橋洋一 日本の解き方

中国全人代の開幕式にマスクを着けずに臨む習近平国家主席(下)=22日、北京の人民大会堂

中国の全国人民代表大会(全人代)は22日、新型コロナウイルスの感染拡大により、2カ月半遅れで北京で始まった。

 中国経済はガタガタだ。1~3月期の実質国内総生産(GDP)成長率は前年同期比6・8%減と発表された。それだけに、全人代は低迷からの脱却をアピールする絶好のチャンスといえる。

 これまで全人代ではその年の経済成長目標を数字で掲げてきた。今回は数字を提示できるかどうかがポイントだったが、明記できなかった。中国の統計数字は信用できないが、全人代の数字は中国政府の目標なので、政治的な意味は十分にある。

 中国経済は厳しい。1~3月期の数字は公表され、4月から経済活動は戻りつつあるとしている。中国経済は外需依存が高いにもかかわらず、世界経済は相変わらず低迷したままだ。しかも、対外部門の統計はごまかしにくい。ここで目標数字を公表すると、かえってやぶ蛇になりかねなかった。

 国内経済対策では、新型コロナウイルス対策のための特別国債1兆人民元(約15兆円)発行など、20年の財政赤字率を前年より0・8ポイント高い3・6%以上に設定した。これは、典型的なマクロ経済対策である。

 対外関係では、特に米国との対立が激化する中で、経済で強調する材料がない。ただし、国防予算は前年比6・6%増で、コロナ騒動の中でも過去最高額だ。また、国内引き締めの意味を込め、香港の反政府活動を摘発するための治安法制「国家安全法」が審議される予定だ。

 ただ、香港をめぐっては、昨年11月に米国で「香港人権・民主主義法」が成立した経緯もあり、予断を許さない。その後、新型コロナウイルスを巡り米中対立は激化した。

 トランプ米大統領は20日、「この『世界規模の大量殺人』をもたらしたのはほかでもない、『中国の無能さ』だ」とツイートした。

 今や、米中は貿易戦争どころか「準戦争」状態のようだ。新型コロナウイルスについて、初期段階で情報を隠蔽した中国に対し、米国を含む世界で損害賠償請求が続出しているくらいなので、トランプ大統領も少なくとも11月の大統領選までは強気の姿勢を崩せない。

 そうした中で、一国二制度を完全に骨抜きにする「国家安全法」が全人代で取り上げられることは、米中対立の火に油を注ぐことになるだろう。

 それにしても、2カ月半遅れたとはいえ、中国は全人代の開催を急ぎすぎている感が否めない。会期を例年の半分の1週間に短縮し、全人代代表や報道陣のPCR検査など感染対策は万全だと強調しているが、中国全土から3000人近い代表が北京に集まる。それらのスタッフを含めれば、数万人が地方から北京に来るわけで、それが感染第2波の引き金となればシャレにならず、中国共産党のメンツ丸つぶれだ。

 それでも開催したということは、コロナ封じ込めに自信があるのか、それとも、仮にそのような事態が起きても報道されないということなのだろうか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】日本をはじめ先進国が中国に対しては、厳しい対処をするのが当然(゚д゚)!

中国の隠蔽体質からいって、中国全土から3000人近い代表が北京の全人代に集まり、それらのスタッフを含めれば、数万人が地方から北京に来るわけで、それが感染第2波の引き金となるでしょうが、中国はこれを隠蔽することでしょう。油断すると、第二派、第三派の感染拡大が中国を起点として世界中に広がるかもしれません。

そもそも、中国では、中国ウイルスもしくは、武漢ウイルス感染者数や死者の統計を何度も変更しています、最終的にはコロナに感染したとしても、症状が出ない場合は、感染者に含めないということまでしています。

これから、中国では武漢ウイルスの感染者も死者も出ないでしょう。ただし、現実には出るでしょうから、それらは強制隔離して、隔離された人たちが死亡しても、武漢ウイルス以外で亡くなったと、して虚偽の死亡診断書が作成されることでしょう。

中国の保健当局、国家衛生健康委員会は23日、新型コロナウイルスの感染者について、「きのうは新たな感染者は確認されなかった」と発表しました。


中国の保健当局が中国本土で新たな感染者が確認されなかったと発表したのは、中国政府が対策を本格化させた、ことし1月20日以降、初めてです。

一方で、保健当局は感染しながらも症状がないことを理由に、統計に加えていない「無症状」の感染者について、22日に新たに28人確認されたと発表しています。

実際中国の習近平指導部は28日閉幕の全国人民代表大会(全人代=国会)で、新型コロナウイルス感染症対策の評価を巡り共産党や軍の内部で意見の不一致が生じないよう思想統一を図ったようです。これは、はやい話が、今後武漢ウイルスの感染者が出たとしても、出なかったことにして隠蔽することを暗に徹底したものとみられます。

出席者は競うように習国家主席に忠誠を誓い、1週間にわたる会議は事実上、感染症対応への批判を封じ込めるための場となりました。

「全軍が思想と行動を共産党中央の政策決定と一致させなければならない」。習氏は26日、全人代の軍関連の会議に出席。新型コロナ対策で党の指導に従うよう命じました。新華社電が伝えました。

22日開幕の全人代は新型コロナが最大の議題で、習氏の指導力を礼賛する声が相次いだとされています。

国内では、このような徹底もできるでしょうか、国外はそうはいきません。トランプ大統領をはじめ、中国への批判はすさまじく、とどまるところを知りません。

そんな中で、中国外務省が異常な反発をしてきました。安倍晋三首相が25日の記者会見で、「新型コロナウイルスが中国から世界に広がった」と語ったところ、激しく噛みついてきたのです。

中国は、世界全体で34万人以上の死者を出している「死のウイルス」について、発生国として、初動対応の失敗が指摘されていることなどに、問題意識を感じていないのでしょうか。これでは、日本国民は、習近平国家主席の「国賓」来日を歓迎できません。

「ウイルス起源の問題を政治化し、(中国に)汚名を着せることに断固として反対する!」

中国外務省の趙立堅報道官は26日の記者会見で、安倍首相の発言にこう反発しました。ウイルスの起源については「厳粛な科学の問題だ」と言い放ちました。

趙氏といえば今年3月、自身のツイッターで「米軍が武漢に感染症を持ち込んだのかもしれない」と投稿し、ドナルド・トランプ米政権の猛反発を受けた、いわくつきの人物です。ただ、中国外務省高官の正式発信だけに放置できるものではありません。

そもそも、安倍首相は中国に汚名を着せていません。

25日の記者会見で安倍首相は、対中姿勢も明確にした

米ウォールストリート・ジャーナルの記者に、「今、米国と中国がウイルスなどをめぐり激しく対立している。日本はどっち側につくでしょうか?」と突然聞かれ、冒頭の前置きをしたうえで、次のように続けました。

「日本の外交・安全保障の基本的立場としては、米国は日本にとって唯一の同盟国である。基本的価値を共有している。日本は米国と協力しながら、さまざまな国際的な課題に取り組んでいきたい」

「中国も、世界において経済的にも重要な国であり、プレーヤーだ。国際社会は『日本と中国がそれぞれ、地域や世界の平和や安定、繁栄に責任ある対応を取っていくこと』が期待されている」

外交的に極めてバランスのいい発言といえます。

新型コロナウイルスの世界的大流行をめぐっては、米国や英国、ドイツ、フランス、オーストラリアなどで、中国政府の責任を追及し、損害賠償を求める動きが高まっています。

日本は現時点で、こうした動きと一線を画していますが、中国外務省の異常な反発は看過できるものではありません。

この方にはお越しいただかなくてもよろしいのでは・・・・・

中国が、世界保健機関(WHO)をスポークスマンのように手なずけ、当初からウイルスについて正しい発信をせず、世界全体に被害を広めたことは事実です。米国では与野党を超えて『中国発』との認識を持っています。

安倍首相が記者会見で、同様の認識を発信したことは日米連携のためにも重要です。日本の経済界には『習主席の機嫌を損ないたくない』という思惑があるようです。

国会議員からも中国を強く批判する声はあまり聞こえてきません。しかし、人権問題や尖閣諸島での身勝手な行動を考えれば、国民がもっと強い姿勢を示さなければならないです。習主席の『国賓』来日を歓迎すべきではないのです。

ここで、日本としては、習近平の意向で国内では、どうにもでもなることから、海外でもそれが通用すると思わせてはならないのです。

中国は、元々対外関係など重視せず、自国の内部の都合だけで動く習性がありました。かつての世界は、中国市場の大きさに目を奪われ、中国が経済的に発展して豊かになれば、いずれ先進国等と同じ様になり、まともになるだろうと、それを許容してきました。

しかし、それが中国を勘違いさせてきたようです。中国は比較的豊かになっても、先進国のようになることはありませんでした。それどころか、最近の中国は世界秩序を中国にとって都合の良いように作り変えることを公言しました。これは、このブログでも何度か述べたことです。

今の中国にそのようなことをされれば、世界は闇に覆われることになります。だからこそ、日本をはじめ先進国が中国に対しては、厳しい対処をするのが当然なのです。今後、中国が世界で自分勝手、わがまま勝手をすれば、世界中から厳しい仕打ちを受けることを身をもって体験させるべきなのです。



2020年5月26日火曜日

香港は米中通貨戦争の主戦場 習政権、強権支配は経済自爆への引き金 ―【私の論評】国際金融市場をカジノにたとえると、中国は1プレイヤーに過ぎないが、米国は胴元(゚д゚)!

ビジネスアイコラム
香港は米中通貨戦争の主戦場 習政権、強権支配は経済自爆への引き金 



   米中対立はコロナを挟んで冷戦を通り越して熱戦に転じかねない。1月に米中貿易第1段階合意で米中貿易戦争が休止となったのもつかの間、新型コロナウイルス発生時の情報を隠蔽(いんぺい)した中国の習近平政権に対するトランプ米政権の怒りが爆発している。対する北京の方は激しく反発すると同時に、香港に対して国家安全法制定を強要して、「一国二制度」を骨抜きにする挙に出ている。ワシントンはこれに対し、対中制裁を辞さない構えだ。

 こうした一連の米中激突の表層は政治劇だが、根底は米中通貨戦争である。トランプ政権は2018年に米中貿易戦争を仕掛けて以来、中国にハイテクと並んでドルを渡さない決意を日々刻々強めている。ドル依存こそは北京の最大の弱みであり、習政権はだからこそドル流入の玄関である香港を強権支配しようとする。それが「香港国家安全法」の真の意味である。

 だが、トランプ政権には切り札がある。ワシントンが昨秋制定した「香港人権民主法」である。トランプ氏は同法によりいつでも習氏の喉元に刃を突き付けられる。

 同法は、香港が中国政府から十分に独立した立場にあり、優遇措置適用に値するかを国務長官が毎年評価するよう義務付けている。米国は、香港で人権侵害を行った個人に対する制裁や渡航制限を課すことができる、というのが一般的に報じられている概要だ。

 同法の条文に目をこらすと、メガトン級破壊兵器の起爆装置が仕込まれていることに気付く。起爆装置とは「1992年香港政策法」修正条項である。香港政策法とは97年7月の英国による香港返還に合わせて92年に成立した米国法で、香港の高度な自治の維持を条件に、香港に対する貿易や金融の特別優遇措置を対中国政策とは切り離して適用することになっている。

 優遇措置は通常の国・地域向けの場合、貿易、投資、人的交流が柱になり、香港も例外ではないのだが、ただ一つ、香港特有の項目がある。それは「香港ドルと米ドルの自由な交換を認める」となっていることだ。香港人権民主法に関連付けた「92年香港政策法」の修正条項によって、米政府は香港の自治、人権・民主主義の状況によっては「通貨交換を含む米国と香港間の公的取り決め」も見直し対象にできるようになった。

米ドルに対するカレンシーボード制を採用している香港ドル

 香港の通貨金融制度は「カレンシーボード」で、香港金融管理局が香港ドルの対米ドル・レートを固定し、英国系の香港上海銀行、スタンダードチャータード銀行と中国国有商業銀行の中国銀行の3行が手持ちの米ドル資産に見合う香港ドルを発行する。つまり、香港ドルを米ドルに自由に交換できることが前提となっている。

 中国本土への海外からの対中直接投資や本土からの対外直接投資の6割以上は香港経由である。香港ドルが米ドルとのリンクを失えば、香港は国際金融センターではなくなる。香港に拠点を置く日米欧の企業、銀行にとっても打撃になるが、同時にそれは習政権にとっては、中国経済自爆の引き金になりかねない。

 習政権が香港国家安全法を強行するかどうかは米中通貨戦争ばかりでなく、自国経済、さらに習近平体制の命運に関わるだろう。(産経新聞特別記者 田村秀男)

【私の論評】国際金融市場をカジノにたとえると、中国は1プレイヤーに過ぎないが、米国は胴元(゚д゚)!

中国は単純な理屈を理解していないようです。国際金融市場をカジノにたとえると、米国はカジノのハウス側であり、中国は単なるプレイヤーに過ぎないです。いくら金を持っていたとしても、ハウスのルールは変えられません。ハウス側である米国は、中国を出禁にできます。

カジノでいえば、中国は壱プレイヤーにすぎないのだが、米国は胴元である

無論ハウス側も、自分だけが儲かるようなことをしていれば、お客は集まりまりません。お客にとって、信頼できる、まともな規則や規制や管理手法でカジノを運営しなければならくなります。

現在の国際金融市場には、多くの国々が参加しているわけですから、カジノでいえば、たくさんの客が集まる優良カジノということができると思います。

だから、米国が中国に注文をつけるのも、米国のみの利益を代表しているのではなく、世界中の多くの国々を代表して言っているわけです。無論、イランや北朝鮮などの国々はその中には入らないでしょうが、多くのまともな国々の考えは代表しています。そこを中国は勘違いしていると思います。

かといって、中国が今更新たなカジノ(国際金融市場を作ろうとしても)を作ろうとしても、そのようなノウハウもないし信用もないわけです。もし、中国が独自の国際金融市場をつくったとしても、加入するのは中国、北朝鮮、イラン、その他アフリカや経済的には無価値な国々しかないでしょう。

ただし、中国の国際金融市場に入った国々でさえ、米国の国際金融市場も利用するでしょう。使い勝手の悪い、カジノからお客が抜け出すように、いずれ他の国も抜け出し、中国だけが残るかもしれません。

米国側は、場合によっては、香港ドルを紙くずにする可能性も出てきて、そうなれば、中国は破滅への一歩を踏み出すことになるわけです。

オブライエン米大統領補佐官(国家安全保障担当)は24日、NBCテレビに出演し、香港の統制強化を定めた「国家安全法」が成立すれば、中国に制裁を科す可能性を示唆しました。

オブライエン米大統領補佐官

その上で「香港がアジアの金融センターとしてとどまると考えるのは難しい」と警告したました。

先程のカジノのたとえでいえば、香港はカジノで特別なお客として、自由に香港ドルをドルというチップに交換できたのですが、その特別待遇を剥奪されることもあり得る事態となったのです。

香港問題が米中対立の新たな火種に浮上しています。オブライエン氏は、昨年11月に成立した「香港人権・民主主義法」に基づく制裁を示唆した格好です。

同法は「一国二制度」に基づく香港の「高度な自治」が機能しているかどうか検証する年次報告書の提出を国務省に義務付けています。米国が香港に認めてきた関税などの優遇措置の是非を判断するほか、人権侵害に関わった中国当局者への制裁も可能にしました。

ドルと香港ドルが換金できなくなれば、人民元の価値もかなり落ちます。人民元は香港ドルに換金しないと他国から、輸入ができなくなります。

それでも中国は、香港に対して国家安全法制定を強要して、米国の怒りを買い、国際金融市場から放逐されたいのでしょうか。そうなれば、このブログでも何度か主張しているように、中国は石器時代に戻りかねないです。

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2020年5月25日月曜日

【JAPAN Forward 日本を発信】希望の光を世界に―【私の論評】マスク外交は、中国ではなく日本が強力に展開すべき(゚д゚)!


日本のコロナ対策は驚くべき成功だ、と伝えるJFの画面

Japanese Approach to COVID-19 is An Amazing Success-There, I Said It

 (やっと言ったぞ!日本のコロナ対策は驚くべき成功だ)


 中国・武漢に端を発した新型コロナウイルスとの戦いは、日本各地で次々と緊急事態宣言が解除されたことで、希望の光が少し見えてきた。

 英語ニュース・オピニオンサイト「JAPAN Forward」(JF)には先週、そんな希望を感じさせる記事がいくつか掲載されたので紹介したい。

 たとえば、上の英文(日本語訳)は5月20日に掲載された記事の見出しだ。記事は、千葉県浦安市で高齢者の介護事業所を経営するスウェーデン人、グスタフ・ストランデル氏が寄稿した。母国スウェーデンと比較し、いかに日本のコロナ対策が成功を収めているかを、自らの実体験をもとに記している。

 「『日本の成功』についてニュース記事を探していますが、どこにも見かけないので投稿させていただきます。当記事の執筆時点で、この恐ろしいパンデミックへの日本人の取り組みは、驚くべき成功を収めています」

 そう始まる寄稿でグスタフさんは、コロナによる日本の死亡者数が他国と比較して少なく、死亡率は「奇跡的に低い数字と思われるが実は奇跡などではない」と断言した。世界最低水準に抑えられた日本の死亡率は「世界トップクラスの医療ヘルスケア専門家による科学的なアドバイスに基づいた日本の政策と対応にある」と語った。

 しかし、日本では「テレビやソーシャル・メディアを見ると、惨事に向かっていると思いこんでしまいます。しかし、これは真実ではない」と強調した。

 そのうえで、介護施設で面会者に制限を課さないなど、日本とは異なる対応をしたスウェーデンでは、死亡率が日本の63倍にもかかわらず、「政府やメディア、市民が賢明な関係を保っている」と指摘。「日本はこれまでの成果を誇りに思うべきなのです。(中略)日本のコロナへの合理的かつ責任あるアプローチに関しても、しかるべき時が来たら、それが驚くべき成功であることを皆で認めましょう」と力説した。

マスクをする人々
 海外の高齢者介護についても明るいグスタフさんの言葉は、説得力がある。引き続き、日本の対応を現場から発信していただこうと思っている。

 このほかにも、言論プラットフォーム、アゴラ研究所所長の池田信夫氏が「なぜ、日本のコロナ死亡率は低いのか」(21日掲載)を配信した。英国出身の投資家、ピーター・タスカ氏は「日本のパンデミックの逆説」(同)で、1世紀前の「スペイン風邪」への対応にさかのぼり、政府の厳しい制限がなくとも死亡率が海外より低い日本の“不思議”の秘密に迫った。

 ジャーナリストの櫻井よしこさんは、19日掲載の「感染爆発を回避した日本人の力」で、安倍首相が国民にお願いするだけの緊急事態宣言に至ったエピソードを紹介。首相が「日本人には必ずできるから、頼もう」と西村康稔新型コロナ担当相に話し、宣言を発出した経緯を明らかにした。

 櫻井さんは「命令権の発動なしにここまで達成したのは、日本でなければできない立派なことだ」とし、さらなる国難に備えて緊急事態条項を含む憲法改正の必要性を訴えた。

 JFではこれらの記事を日本語でもさらに詳しく読むことができる。JFは、コロナの闇が覆う世界に希望の光を少しでも届けていきたい。(JAPAN Forward編集部)=次回掲載は6月22日の予定


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【私の論評】マスク外交は、中国ではなく日本が強力に展開すべき(゚д゚)!

日本のコロナ対策は、1億人以上の人口を擁する国としては、トツプであり、これだけ感染者、とりわけ死者が少なかったことに、日本人は誇りを持つべきです。

これに関しては、感染が広まって少ししてからの時点でも、すでにその予兆は感じられました。たとえば、以下の記事でもすでに予兆はありました。
景気大打撃は確実だが…新型コロナからの「日本復活の秘策」はこれだ―【私の論評】日本は的確な経済・金融政策を実行し、年間自殺者2万以下の現状を維持せよ(゚д゚)!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、以下にこの記事より10万人あたりの感染者数のグラフを掲載します。



 このような図でみると日本の感染者数は少なく、この時点で高橋洋一氏は「日本は感染国とも呼べない」と語っています。にもかかわらず、マスコミは感染者数の実数比較等で、日本はかなり危険であるかのように煽りまくりました。このあたりでは、米国はまだ感染がほとんどなく、数週間後に感染者数が指数関数的に増えていきました。

その時点では、ニューヨーク在住の日本人らが、日本に対して今の東京は2週間前ほどのニューヨークのようだ、その頃にはニューヨークでもこれだけの感染者が出るとは誰ももおよよばなかったという話をテレビで何度も流し、日本人に恐怖を煽っていました。

しかし、現実にはそうはなりませんでた。また、台湾の対策はかなりうまくいったのは事実ですが、マスコミはこの台湾の事例を日本のコロナ対策と対比して、日本がお粗末すぎると煽るために、活用しました。

このブログでも掲載したように、中国政府が昨年8月1日に中国大陸から台湾への個人旅行を停止しました。確かに台湾の対策は素晴らしかったのですが、こがあったため、今年の1月24からの春節の時期にも、中国人は台湾を訪れていないでしょう。

もし、中国が中国人の台湾訪問を禁じていなかったとすれば、武漢などからも大勢が台湾を訪ね、台湾でも中国ウイルス禍はもつと深刻になっていた可能性があります。とはいいながら、台湾はその後の対策も良かったので、あれだけ感染者も、死者も少なかったのです。

ただし、台湾の対策に比較して、日本の対策が格段に劣ったかのようなマスコミ報道は間違いです。
クルーズ船ダイヤモンド・ブリンセスの対応でも、日本はかなりうまく実施し、特に英国政府からはかなり感謝されたにもかかわらず、マスコミはグリンゾーンとレッドゾーンがどうのとさんざんこき下ろしました。

ダイアモンド・プリンセス号の中で防疫作業にあたり自衛隊員

この感染対策では、自衛隊も大活躍したのですが、マスコミはこれもほとんど無視しました。そうして、自衛隊員が数多くのコロナ対策で活動し、未だに誰一人感染した人がいないことも報道しませんでした。

PCR検査に関しては、各マスコミは日本はやらなすぎなどとわめきたて、隠れ感染者はおろか、隠れ死者が大勢いるなどとわめきたてました。これも嘘であることは、はっきりしました。

さらに、この記事でも掲載しましたが、日本のCTの普及率は世界一であることも、日本がコロナ対策で大成功したことを後押ししたこともこのブログに掲載しました。

これについては、なぜか医療関係者ですら、これについてはっきり述べませんが、私は明らかだと思います。

CTで肺の内部を検査すれば、その原因がコロナウイルスであるかどうかは、判定はできないものの、深刻な肺炎であるか、否かはすぐに判定できます。深刻な肺炎であれば、すぐに病院に入院させ、必要な措置をとることができます。

その原因がコロナウイルスであるかどうかは、後で判定しても良いことです。とにかく、肺炎の症状があるかないか、あったとして、どの程度のものかすぐにわかります。

一方PCR検査は、コロナ感染てあるか否かは7割り程度の精度で確定はできるものの、判定までには時間がかかります。

CTも、PCRもいくら検査をしたからといって、それだけで病気が治るわけではありません。病気を治すのは人工呼吸器や薬等による治療です。それと患者本人の免疫力です。残念ながら、いまところ、ワクチンもないし、コロナ感染症向けとして認められた薬もないのです。

日本では、肺炎であることは詳細に判定できるので、現場ではこれを活用するのは当然のことです。これによって、患者を早期に振り分けできることは日本の強みです。

マスコミとにかくこのような日本の強みは無視して、日本は駄目だ、遅れているなどと、マスコミが連日連夜徹底的に視聴者に刷り込みました。

その結果日本では、多くの人が、日本政府や日本国民のコロナ対策について、大成功したという認識をしている人は少ないです。

日本の人口は1億4千万です。1億を超えている国といえば、中国(約14億人)、インド(約13億人)、米国(3億人)、ロシア(1億4千万人)、その他インドネシア、ブラジル、パキスタン、バングラデシュ、ナイジェリアです。

この中で、ナイジェリアは、公式の感染者数や死者数は、比較的少ないですが、医療体制が遅れているため、死因不明の死者が増えており、コロナの可能性もあるとのことです。

この中で、一番コロナ対策で成功したのは日本です。これは、大いに誇るべきことです。そうして、誇っているだけではなく、なぜ成功したのか、その理由を明らかにして、その成功事例を他国にも導入していくようにすべきです。

ミャンマーのヤンゴン国際空港に到着した中国の医療チーム=8日

中国はマスク外交等で、多くの国を苛立たせたり、反感を買っています。それは、当然といえば、当然です。当初の対応のまずさが、これだけのパンデミックを引き起こしたのですから、それを反省することなく、他国にマスク外交をすれば、反感を買われるのは当然です。

このようなマスク外交、いずれの国が実行すべきでしょうか、それは明らかだと思います。それは、日本です。コロナ感染封じ込めに大成功した日本がマスク外交をすれば、反感を買うことはないでしょう。

まずは、最初に日本が中国に対してマスク外交をして、感染症に対する、情報開示や情報共有のあり方、防疫体制、公衆衛生のあり方などを伝授すべきと思います。コロナのようなウイルス感染は、医療だけでは封じ込めることはできません。様々なノウハウが必要です。

大国意識で自意識過剰な現在の中国がこれをすぐに受け入れることはないでしょうが、それを謙虚に受け入れるとき、中国の体制は替わり、世界は大繁栄の時を迎えることになるでしょう。

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