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2014年11月28日金曜日

【産経新聞前ソウル支局長公判】米政府が「懸念」を韓国に伝達 「批判者に罰、取材を抑制」―【私の論評】恥の上塗りですまない朴槿恵の無能ぶりがますます露呈される茶番劇には、さすがに米国も黙ってはおられぬ、このままでは韓国に明日はないものと認識せよ(゚д゚)!


韓国ソウルの中央地裁で、産経新聞の加藤達也全ソウル支局長を乗せた車の行く手を遮る男性

韓国検察当局による産経新聞の加藤達也前ソウル支局長の在宅起訴と前後し、米政府が韓国政府に、「言論・報道の自由」を阻害するという観点から懸念を伝達していたことが、27日までに明らかになった。

米側は外交ルートを通じ、(1)米政府は言論・表現の自由を支持している(2)韓国の法制度には、政治指導者を批判した者が罰せられ、取材活動を抑制する恐れがあるという懸念がある-などを伝えた。

こうした問題点を米政府はかねてより、国務省の「国別人権報告書」で指摘してきた。加藤前支局長のケースは米政府の憂慮の核心をなす事例といえる。伝達した内容は、言論・報道の自由に対する基本的な立場を示すものだが、実質的には韓国側に抑制的な対応を求めたものだといえる。

背景には、この事案が日本と韓国の外交問題に発展したことから、両国関係がさらに悪化することを抑止するという思惑もあった。

米政府は公判と判決の行方を注視している。加藤前支局長に対する出国禁止措置が長期化していることについても、人道上の観点から憂慮している。

【私の論評】恥の上塗りですまない朴槿恵の無能ぶりがますます露呈される茶番劇には、さすがに米国も黙ってはおられぬ、このままでは韓国に明日はないものと認識せよ(゚д゚)!

さて、昨日は韓国の朴槿恵大統領の名誉を傷つけたとしてソウル中央地検に在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が初出廷し、問題とされたコラムは公益性にかなった内容だったと主張しました。

加藤前支局長は8月、高校生ら約300人が犠牲になった旅客船セウォル号沈没事故当日の朴大統領の所在に関し、韓国メディアや証券会社の間でささやかれていた、男性と密会していたとのうわさをコラムで紹介。名誉毀損(きそん)で10月に在宅起訴され、韓国からの出国を禁じられていまする。有罪なら禁錮7年の刑に相当します。

韓国大統領府は、うわさの内容を否定しています。

公判開始を前にソウル中央地裁で27日に開かれた予審で、加藤前支局長は「セウォル号沈没事故に関連して、韓国国民の間に存在する朴槿恵大統領への認識をありのままに日本の読者に伝えようとした」「大統領個人を誹謗する意図は全くない」と主張しました。

一方、検察側は、加藤前支局長が密会を事実であるかのように示唆し、朴大統領を侮辱したと主張しました。

韓国の名誉棄損法では、問題とされる発言や記事に公益性があるか否かが焦点となります。国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団は、加藤前支局長のコラムは「明らかに」公益性のあるものだとして、産経側を支持する見解を示しています。

このような事態にさすがに、米政府もブログ冒頭記事のような懸念を表明セざるを得なくなったと見えます。

ここで、ここで、産経新聞前ソウル支局長をめぐる動きを振り返っておきます。


私は、加藤前支局長は「セウォル号沈没事故に関連して、韓国国民の間に存在する朴槿恵大統領への認識をありのままに日本の読者に伝えようとした」「大統領個人を誹謗する意図は全くない」と主張は、正しいものと確信しています。支局長は、韓国内のメディアで噂されている内容を、韓国メディアで公表したのではなく、日本国内のメディアで公表しただけです。

もし仮に韓国政府が言っていることが全く正しかったとしても、韓国メディアは訴訟しないで、全くお咎め無し、日本のメディアのみ、それも産経新聞前支局長のみを訴訟するというのでは全く筋が通りません。朴大統領はこれだけでも、恥の上塗りをしているようなものです。

懸念を表明するくらいなら理解できますが、訴訟ということになれば、これはもう全く異常といわざるをえません。日本では、加藤達也前ソウル支局長の起訴ばかりが報道されますが、韓国政府は直近でいくつものメディアへの告訴・訴訟をしています。


これは、酷いです。メディアに対する規制が、甘いというか、放任状態のような日本などと比較するのは、筋が通らないかもしれませんが、日本政府はこんなに頻繁にメディアに対して、告訴・訴訟などしません。

加藤元ソウル支局長など、なぜ告訴されるのか見当もつきません。

日本でも、外国のメディアがいろいろ報道していますが、日本政府や官庁などが告訴するなどということはありません。そのような事例をこのブログでも掲載したことがあるので、その記事を以下に掲載します。
クルーグマン氏が決定的役割-安倍首相の増税延期の決断で―【私の論評】ブルームバーグ日本語版記事から抜け落ちた部分の意味を理解せよ!今回の安倍総理の増税見送り、解散・総選挙は、財務省に挑戦状を叩きつけたのだ(゚д゚)!
ポール・クルーグマン氏
詳細はこの記事をご覧いただくものとして、この記事の元記事ではアメリカの通信社であるブルームバーグの報道を掲載しました。この報道で、ブルームバーグは、ノーベル経済学賞を受賞したクルークマン氏が、来日し安倍総理と面談し、その真偽はともかくとして、これが安部首相の増税延期の決断に決定的役割を果たしたと報道していました。

そうして、この報道は、アメリカ版でも同じように報道されました。しかし、日本版には掲載されてはいなくて、アメリカ版には掲載されていた部分がありました。

それは、財務省が本田ほか安倍のリフレ派頭脳集団(浜田宏一,山本幸三ら)の前に財務省の官僚たちが立ちはだかり、是が非でも増税推進をしようとしていたことです。

この部分が同じ記事の、アメリカ版には掲載されているのに、日本版には掲載されていないかったということです。

このようなことは、良くあることです。やはり、ブルームバーグとしては、日本の報道機関ではなく、外国の報道機関であることから、日本内部の日本国政府の下部機関である財務省を批判するような記事を日本国内で報道すれば、増税推進派の政府内の政治家も大勢いることから、内政干渉にもなりかねないということで、日本国内での日本語による報道は避けたのだと思います。

しかし、アメリカ国内では、報道しています。だから、アメリカの日系の市民ではこの報道に触れた人も大勢いますし、それに、英語版ブルームパーグは日本からでも見ることができますから、大勢の人が見たと思います。

それでも、政府はおろか、財務省も何もこれに対して、批判したりましてや告訴などしません。

あたり前といえば、あたり前のことです。

しかし、今回の産経新聞元支局長の起訴は、日本政府がこのような記事内容に関して、ブルームバーグの東京支社の社員を告訴しているようなものです。それに、産経では支局長の書いた記事を日本国内でのみ報道していて、韓国では報道していないわけですから、さらに異常ぶりが際立ちます。

こうして他の事例と比較するとその異常ぶりが良く理解出来ます。

それにしても、朴槿恵大統領は、反日しか頭にないようです。こんなことで、貴重な時間を費やすくらいなら、他のことに頭を使うべきです。そうです。経済対策です。


韓国内の経済は、日本銀行が金融緩和に転じて以来、ウォン高・円安でガタガタです。さらに、日本銀行が追加金融緩和を決めたことで、ますますう窮地に追い込まれています。超円高、超ウォン安のときには、日本で部品を生産し、韓国で組み立てて、日本に輸入したほうが、日本で組み立てるよりも、はるに安上がりというとんでない状況になっていました。

しかし、そのようなまるでぬるま湯のような経済環境は、日本銀行の異次元の包括的金融緩和と、それに続く追加金融緩和によって、完璧に終了しました。

にもかかかわらず、韓国政府からは、何の抜本的手立ても報道されません。朴槿恵は中国に接近したり、反日をさらにエスカレートさせるのみで、何ら具体策を国民に示していません。

こんな事で良いはずはありません。本来ならば、韓国も大胆な金融緩和すべきですが、インフレなのでそれもできません。

本来実行すべきは、サムソンなどのグローバル企業を育てるだけではなく、韓国内の内需を拡大する政策を行うべきなのですが、そんなことはする気配も見えません。このままで、サムソンなどの最早韓国企業ではないようなグロバール企業だけが残り、韓国は実質的に消滅することになるかもしれません。

このままだと、韓国経済は崩壊します。崩壊した後には、現体制が残っているとは思えません。少なくとも、今のまま中国接近、反日だけというのであれば、朴大統領は任期を全うすることすらかなわないと思います。私は、そう思います。

皆さんは、どう思われますか?

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2014年11月20日木曜日

【衆院選】首相はなぜ解散を決断したのか 幻となった4月総選挙 決断を早めたのは…―【私の論評】産経新聞ですらのってしまった昨年の総理増税決断の虚偽報道!今年は破壊的革命集団財務省が、安倍総理の解散時期をはやめた、その意味するところは?


増税見送り、解散総選挙を表明する安倍総理
「民主党はそんなに解散したいのか?」

10月下旬、安倍晋三首相はこうつぶやいた。

当初、無風と思われていた秋の臨時国会は荒れに荒れた。9月に民主党幹事長に就任した枝野幸男氏が「私が首相だったら年内解散だ」と吹聴し、解散封じに向け、スキャンダル国会を仕掛けてきたからだ。

国会は空転し、10月20日には小渕優子経済産業相、松島みどり法相がダブル辞任に追い込まれた。それでも閣僚の追及は止まらない。「撃ち方やめ」を模索していた首相だが、ついに反撃に出た。

10月30日の衆院予算委員会。首相は、質問に立った枝野氏とJR総連、革マル派の関係を逆に追及した。腹の中は半ば年内解散に傾いていた。

そして外遊を目前に控えた11月7日。野党側の出席拒否により衆院厚生労働委で90分間も「待ちぼうけ」を食らった首相は一気に動いた。自民党の谷垣禎一幹事長、公明党の山口那津男代表と相次いで官邸で会い、年内解散を念頭に置いていることを伝えた。

そもそも首相は年内解散など想定していなかった。平成24年12月の就任当初は「300近い自民党の議席は大切にしないといけない」と周囲に語り、28年夏の衆参ダブル選挙を軸に政権構想を練っていた。

考えが変わったのは、昨年秋、臨時国会で特定秘密保護法の審議を通じ、野党と一部メディアの激しい批判にさらされてからだ。さらに今年の通常国会では、集団的自衛権行使の政府解釈変更で再び批判を受けた。

首相は、解釈変更に伴う安保関連法案を秋の臨時国会に提出するのを見送り、27年の通常国会への提出を決めた。

首相は周囲にこう漏らした。「やはり政権の求心力が持つのは長くて3年かな…」

ここで首相が模索したのは27年度予算案成立直後の解散、来年4月の衆院選だった。統一地方選と同時に衆院選を打つことで国と地方の両方で自民、公明両党に勝利をもたらそうと考えたのだ。

この構想を漏らしたのは菅義偉官房長官らごく少数の側近だけ。中には「秋の臨時国会には懸案がないから」と年内解散への前倒しを促す声もあったが、「任期2年で解散はできないよ」と一向に興味を示さなかった。

もう一つ、年内解散に向け、首相の背中を押した組織がある。財務省だ。首相が消費税再増税の先送りに傾きつつあるとの情報を得た財務省は組織を挙げて説得工作に乗り出し、自民党議員は次々に切り崩されていった。首相は苦々しげに周囲にこう漏らした。

「財務省はおれに政局を仕掛けているのか?」

解散風が吹き始めると財務省はさらに工作活動を活発化させ、ついに首相の後見人である森喜朗元首相にも先送りを思いとどまらせるよう泣きついた。森氏は「なんで俺のところに来るんだ。麻生太郎副総理に言えばいいじゃないか」といなしたが、外遊先でこれを聞いた首相は怒りを爆発させた。

「ぐずぐずしてたら政局になってしまう。もはや一刻の猶予もない…」(副編集長 石橋文登)

【私の論評】産経新聞ですらのってしまった昨年の総理増税決断の虚偽報道!今年は破壊的革命集団財務省が、安倍総理の解散時期をはやめた、その意味するところは?

上の記事、あまり長くもないものなので全文掲載させていただきました。この記事は、憶測記事にすぎないです。無論これから、私が掲載する内容も憶測にすぎないのですが、それでも産経新聞の憶測よりは、はるかにましです。

なぜ、そのようなことを言うかといえば、昨年の安倍総理の増税決断の公表の前に、日本のほぼすべてのメディアが、「安倍総理増税決断」という報道をしており、産経新聞もそのような報道をしていたからです。

さて、昨年の、9月を振り返ってみましよう。

主要各紙は昨年9月21日までに、安倍晋三首相が来春の消費増税を「決断」したことを1面トップで相次いで報じました。しかし、安倍首相はこの時点では、まだ一言も「増税を決断した」とは語っていなかったことが明らかになっています。安倍総理が、増税決断の表明をしたのは、昨年10月1日のことであり、それまでは、一言も「増税を決断した」などとは語っていません。

この間、菅義偉官房長官は少なくとも3度の公式会見で「安倍首相はまだ決断していない」と指摘していました。これは、このブログにも記事として掲載しました。その記事のURLを以下に掲載します。
消費税増税決定と報道したマスコミの梯子を華麗に外す菅官房長官―【私の論評】外国勢に嫌われようと、増税派に嫌われようと、安倍総理はまた優雅に梯子を外せ(゚д゚)!
昨年は、財務省とマスコミの梯子を華麗に外せなかった安倍総理だが今年は?

このように菅官房長官が「安倍総理増税決断」という報道を再三にわたって、否定したにもかかわらず、各紙は、すでに増税を既定路線とみなしていました。私自身も、この記事を掲載した時点では、まだ「増税見送り」もあり得ると考えていました。

安倍首相は最終的には、増税の決断をしそれを公表したのではありますが、この間の増税「決断」報道の経緯の異常ぶりは、歴史に残すためにも記録にとどめておく必要があります。以下に、その記録を掲載します。

まず、主要メディアの報道をざっと振り返っておきます。実際には、これ以外も、多くの報道がありましたが、代表的なもののみにとどめます。報道に間違いがなければ、安倍首相は11日から20日にかけて、少なくとも4度(11日、12日、18日、20日)にわたり「決断」を繰り返したことになります。
安倍首相は11日、消費税率を来年4月に現行の5%から8%に予定通り引き上げる意向を固めた。出典:読売新聞9月12日付朝刊1面「消費税 来年4月8% 首相、意向固める 経済対策に5兆円」
安倍晋三首相が、来年4月に消費税率を5%から8%へ予定通り引き上げる方針を固めたことが12日分かった。出典:共同通信9月12日「消費増税 来年4月8%に 首相、10月1日表明へ」
安倍晋三首相は12日、現行5%の消費税率を、消費増税関連法に沿って2014年4月に8%に引き上げる意向を固めた。出典:時事通信9月12日「消費税、来年4月に8%=経済対策5兆円で下支え=安倍首相、来月1日にも表明」
安倍晋三首相は、現行5%の消費税率を、来年4月に8%へ予定通り引き上げる方針を固めた。出典:毎日新聞9月12日付夕刊1面「消費増税 来年4月8% 安倍首相『環境整う』判断 経済対策、5兆円規模検討」
安倍晋三首相は18日、現在5%の消費税率について、来年4月に8%に引き上げることを決断した。出典:産経新聞9月19日付朝刊1面「消費税来春8%、首相決断 法人減税の具体策検討指示」
安倍晋三首相は来年4月に消費税率を8%に引き上げる方針を固めた。(…)複数の政府関係者が19日、明らかにした。出典:日本経済新聞9月19日付夕刊1面「消費税来春8% 首相決断 法人減税が決着、復興税廃止前倒し 来月1日表明」
安倍晋三首相は20日、来年4月に消費税率を現在の5%から8%に予定通り引き上げることを決断した。出典:朝日新聞9月21日付朝刊1面「首相、消費税引き上げを決断 来年4月から8%に」
安倍首相は10月1日の発表の前までは、自らの肉声で「決断」の意思を表示したわけではありません。仮に会見等の場で表明していれば「~を表明した」と報じられるし、一部の関係者に伝達していれば「決断したことを~に伝えた」と報じられるのが普通です。しかし、昨年はどのメディアも「表明」「伝達」いずれの事実も報じておらず、「意向を固めた」「決断した」といった表現で報じていました。

「意向」とか「決断」とかいう内面的事実を、メディアは一体どのように確認したというのでしょうか。さまざまな周辺情報(増税に備えた経済政策の検討を指示した等)から「決断している可能性が高い」と推測できるからといって、「決断した」と断定していいはずはなかったはずです。

もし、「決断」の裏付けを取れたなら、その根拠となる事実関係や、ソース(情報源)を読者に示してしかるべきでした。ところが、各紙の「決断」報道は、日経新聞だけが「複数の政府関係者によると」と書いたほかは、全くソースについて触れていませんでした。

単に「安倍首相は…決断した」とだけ書いて、根拠やソースは何も書かなかったのです。ソース情報は、読者に報道内容の信ぴょう性や情報源の意図を知る重要な手がかりとなるものです。それを全く示さない記事は、「メディアが書いたものだから信じなさい」と一方的に事実認識を押しつけているとみられても仕方がないです。

こうした「出所不明記事」は英字紙では記事として扱ってもらえず「ゴミ箱行き」となるそうです(『官報複合体』講談社)。仮に「政府関係者によると」と表記したとしても、あまりに漠然としすぎていてソースを示したとはいえないです。

そうして、安倍総理が「増税を決断」した後の新聞報道といえば、増税推進の印象操作の記事などが目立ちました。

日経の巧妙な「世論調査という名の世論操作」
日本経済新聞2013年8月26日付朝刊1面
日本経済新聞が、昨年9月24日付朝刊1面トップで、同紙が実施した「社長100人アンケート」の結果で、2014年4月からの消費増税を前提に1年後の国内景気を聞いたところ、現在より上向くという回答が41・4%に達したと報じました。記事は、大見出しで「景気『増税後も改善』4割」と掲げ、リード(記事冒頭の要約)で「設備投資が増え個人消費も底堅いとみており、増税前の駆け込み需要の反動による影響は限定的との見方が多い。経営者が景気先行きに気であることが浮き彫りになった」と分析していました。

実は、日経新聞はこの記事の前にも、消費増税に関する世論調査でミスリードの疑いが極めて強い記事を載せていました。

8月26日付朝刊で、自社の世論調査の結果について「消費増税 7割超が容認」との見出しをつけて1面で報道。リードも「消費増税の税率引き上げを容認する声が7割を超えた」と伝えていました。来春の消費増税が予定通り行われるかどうかが焦点となる中、この見出しやリードは「来春の消費増税」に「7割超」が容認する結果が出たとの印象を与えるものでした。

ところが、共同通信が25日発表した世論調査によると、予定通りの消費増税に賛成は22%でした。改めて日経の世論調査を確認したところ、日経が「容認」として報じた「7割超」は「引き上げるべきだが、時期や引き上げ幅は柔軟に考えるべきだ」の55%を足し合わせた数字でした。そもそも質問は「予定どおり引き上げるべきか?」であり、それに対して「引き上げるべき」の回答は17%にすぎなかったのです。記事本文をきちんと読めば書いてあるが、見出しとリードだけ読んでは分からないようになっていました。

日経は7月にも同様の世論調査を行っていましたが、このときも「予定通り引き上げるべきだ」が11%、「引き上げるべきだが、時期や引き上げ幅は柔軟に考えるべきだ」は58%。日経がいう「増税容認」は69%、ほぼ7割でした。つまり、7月の調査と8月の調査は、増税自体を容認しているかどうかいう点ではほぼ同じ結果で、それ自体既報であってニュースですらなかったのです。ニュースでないことを見出しとリードにとる代わりに、回答者の意見(7月の58%、8月の55%)は、見出しでもリードでも伝えなかったです。

この世論調査報道に対しては、元日本経済新聞編集委員の田村秀男氏(現・産経新聞編集委員兼論説委員)も、「世論調査という名の世論操作」「増税に世論を導くための典型的な印象操作」「データをねじ曲げてまで世論誘導を図る今の日経の報道姿勢」「官報以下」と古巣をこき下ろしていました。

それにしても、今年は昨年と比較すれば、総理が決断する前から、「総理増税決断」などという報道はありませんでした。

これは、どうしてなのでしょうか。私としては、やはり今年は昨年と同じ轍を踏むことを避けるため、安倍総理や、官邸サイドがかなり神経を尖らせ、財務省側を牽制していたのだと思います。

それに関しては、産経新聞の内容を読んでいても、それを感じさせる記載が見られます。

上の記事でいえば、
「財務省はおれに政局を仕掛けているのか?」 
 解散風が吹き始めると財務省はさらに工作活動を活発化させ、ついに首相の後見人である森喜朗元首相にも先送りを思いとどまらせるよう泣きついた。森氏は「なんで俺のところに来るんだ。麻生太郎副総理に言えばいいじゃないか」といなしたが、外遊先でこれを聞いた首相は怒りを爆発させた。 
 「ぐずぐずしてたら政局になってしまう。もはや一刻の猶予もない…」
という件です。
また、他の記事でもそうしたことがうかがえるものがあります。それは、先日このブログにも掲載しました。その記事のURLを以下に掲載します。
景気後退局面か GDP速報値大幅減が示唆 消費増税で深刻な経済悪化を招いた財務省の罪―【私の論評】日本人が、アルゼンチンタンゴを踊るようになる前に、破壊的革命集団財務省分割消滅こそが、日本の安定成長をもたらす(゚д゚)!
田中秀臣氏
詳細はこの記事をご覧いただくものとして。この記事には、以下の産経新聞の記事を引用しました。
消費税率再引き上げ 財務省「予定通り」に固執し、官邸激怒
この記事から一部のみ以下に引用させていただきます。
 消費税率10%への再引き上げをめぐり、財務省が来年10月から予定通りに実施するよう固執し、自民党議員に「ご説明」に回った。これに対し官邸サイドは、「増税容認」で固めてしまおうとする動きだとして激怒、安倍晋三首相が衆院解散・総選挙を決意した遠因とされている。
この産経新聞記事では、財務省が「増税容認」で固めてしまおうという動きに官邸サイドが激怒し安倍晋三首相が衆院解散・総選挙を決意した遠因としていますが、私自身は、そうではなくて、これ自体が主因であるとみています。

10月20日には小渕優子経済産業相、松島みどり法相がダブル辞任に追い込まれたことが年末解散総選挙に大きく影響したとされてはいますが、これ自体は、自民党サイドのコントロールが良かったせいか、直後には支持率はおちたものの、その後は50%近くの支持率を保っていました。

この程度のことであれば、ブログ冒頭の記事のように解散・総選挙までしなくても4月の総選挙で十分対処出来たものと思います。

しかしながら、財務省の横槍は、さすがに安倍総理も腹にすえかねたし、それに4月まで放置しておけば、またぞろ、昨年のような財務省の大増税キャンペーンによって、「増勢容認」にマスコミも、自民党内の政治家も固められて、身動きがとれなくなると判断した安倍総理がもともと、解散総選挙のシナリオもあったのですが、それを今の時期に決断する大きな判断材料になったものと推察します。

とにかく、昨年の財務省のキャンペーンは凄まじいものがありました。キャンペーンどころか、昨年も今年も、「増税しないと大変なことになるぞ」という恐喝でした。

この恐喝の首謀者は、このブログでも過去に何度か指摘してきたように、木下康司元財務次官てす。この木下康司を中心とした、!財務省「花の54年組」4人衆です。

これについては、このブログでも掲載したことがありますので、その記事のURLを以下に掲載します。
この国は俺たちのためにある そこどけ!財務省「花の54年組」4人衆のお通りだ 加藤勝信・木下康司・香川俊介・田中一穂―【私の論評】アベノミクスを完遂するために、安部総理が財務省対策の深謀遠慮を巡らしてそれを実行できなければ、この国は終わるかもしれない(゚д゚)!
財務省「花の54年組」4人衆 加藤勝信(左上) 木下康司(右上)
香川俊介(下右) 田中一穂(右下)
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では以下のように締めくくりました。
しかし、現実には、官僚、大多数の政治家、マスコミが束になって、安部総理の行方を幾重にも阻み増税路線を貫こうとしています。しかし、これらに対抗する世論が盛り上がれば、これらを阻止することも可能です。
結局のところ、財務省は昨年通り必死の増税恐喝を各方面に徹底したのですが、さすがに、国民も馬鹿ではないので、だんだんとこの財務省の恐喝に関して、マスコミはスルーしたものの、サイトなどでじんわりとではありますが、確実に広がっていったのだと思います。

そうして、いわゆる識者以外の人々も、増税は見送りするのが当然のという認識が深まっていったのだと思います。

それは、昨年の異常なまでの、増税包囲網と、今年の差をみれば良く理解できます。昨年と何も変わらなければ、今年も同じような流れになったはずです。

これを意図して、意識して広めた人々も大勢います。私も、その一人です。10%増税は何が何でも、見送りすべきとの記事は、昨年の8%増税が決まった直後から、頻繁に掲載をはじめていました。こうした努力が、少しずつ浸透し、安倍総理の財務省の意図を砕く、増税阻止のための解散・総選挙へと踏み切らせたのだと思います。

今から、思えば、安倍総理は8%増税も本当はやりたくなかったということが良くわかります。それは、今年の動きを見れば、はっきりしています。そうして、本当は、去年の9月でも増税は阻止できたはずです。法律の条文など、一日もあればかえられます。

しかし、昨年は財務省の木下康司を筆頭にする、増税推進派の恐喝により、特に自民党の幹部をはじめとする、政治家が徹底的に「増税容認」を固めてしまいました。身動きがとれなくなってしまった安倍総理は、長期政権や、まだまだやり残したことを成就するためにも、「増税の決断」をセざるを得なかったのです。

その木下氏は、実は強大な権力を持つ、財務省の権化のような存在であり、これについては、上念司氏が、わかりやすく解説していますので、その動画を以下に掲載します。



木下氏は、財務次官だったときには、繰越予算など、憲法解釈上認められないはずなのに、つるの一声でそれを実現してしまいました。この動画でも、上念氏が述べているように、このようなことは、総理大臣でも出来ないことです。日本には、このような国民の選挙で選ばれた議員による国会や、政府の他に、財務省の一部の人間や、一部のOBなどによる大きな影の強力な権力集団があるということです。

その影の権力集団が、昨年に続き、今年も増税恐喝を続け、他省庁の官僚はもとより、政治家やマスコミを「増税容認」で固めてしまおうとしたのですが、さすがに、そうはいかなかったというのが、今年の流れです。

そもそも、世論が7割がた、増税に反対なのに、無理に増税に踏切るという事自体が、異常です。昨年は、安倍総理としては、解散総選挙というわけにもいかず、増税に踏み切らざるを得ませんでした。ゆくゆくは、20%増税も視野に入れている財務省は最早、政府の一下部機関とはいえません。破壊的革命集団とでも呼ぶのが相応しいと思います。

20%増税などしてしまえば、日本経済も国民も疲弊してどうしようもなくなることははっきりしています。しかし、そんなことはお構いなしに、財務省はいずれそれを実現しようとしています。これでは、破壊的革命集団と呼ぶ以外に適切な名称などありません。

これは、見方を変えてみれば、単なる日本経済や財政、デフレに関することだけではなく、安倍総理の第二の権力への挑戦とみてとるべきです。

そうして、この挑戦は、すぐに結果がでるものではありません。長きにわたって、展開されることになると思います。

さて、あなたは、どちらに与しますか。正当な手続きを踏んだ、安倍総理の側ですか、それとも影の権力ですか。

私としては、無論のこととして、正当な手続きを踏んだ、安倍総理の側にたちます。

それにしても、安倍総理の増税見送り、解散・総選挙宣言!ようやっと、日本でも正当ではない権力に立ち向かう総理大臣がでてきたということで、この部分では財務省に一矢報いたということで、勝利と見て良いのではないでしょうか。

ただし、これからも戦いは長く続きます。影の権力が日本よりなくならない限りこの戦いは終わりません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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2013年2月25日月曜日

若者の新聞、TV離れで「LINEニュース」 好調の理由―【私の論評】若者離れの理由は、それだけではない? 今は新聞記事の落差が誰にでも簡単に知ることができる時代!!メディアは心せよ!!

若者の新聞、TV離れで「LINEニュース」 好調の理由

http://news.mynavi.jp/news/2013/02/25/178/index.html

【私の論評】若者離れの理由は、それだけではない? 今は新聞記事の落差が誰にでも簡単に知ることができる時代!!メディアは心せよ!!

マイナビニュース(旧マイナビジャーナリル)の記事は、以前は良くとりあげ、ブログにもHTMLコードをはりつけて、転載させていただいたものですが、最近はずっとご無沙汰でした。本日は、気になる記事があったので、掲載させていただきました。

スマホは今や肌身離さず身に付けるもの!!
詳細は記事そのものをご覧いただくものとして、上の記事では、若者の新聞、TV離れで「LINEニュース」が好調な理由を以下のように解説していました。
スマートフォンは常に身につけているものであり、電車の中など、“なんとなく”手持ち無沙汰なときにスマートフォンって触りがちですよね。いまの若い世代はニュースも“なんとなく”目に入ってくるものが受け入れられる傾向があると思います。パソコンのニュースサイトだと、『よし、読むぞ』とちょっと気持ちを入れないといけない。でも、メールのような形で“今日こんなニュースがあったよ”というお知らせレベルであれば、興味がなかったらそのままでいいし、興味がわいたらURLをクリックすればいい。そのときにも、『ざっくり読むと』で、詳細の前に“なんとなくニュースを理解させる”ことで、より手軽に情報を得られるスタイルをとっています。
しかし、若者の特に大手メディア離れは、これだけが理由ではないと思います。まあ、はっきりいえば、このブログでも、過去に何回か、今の日本の大手メディアの惨状について取り上げてきましたが、はっきりいえば、日本の大手メディアのほとんどが、反日的であるとか、事実誤認が甚だしいということです。


それが、従来は、多くの人や家庭では、新聞は普通一紙、多くても二紙しか購読しなかったため、それだを読んで、何も疑問を感じず受け入れるいたというのが実情だったと思います。

しかし、現在では違います。今では、多くの人が、スマホでニュースを手軽に見ることができます。特に、苦労せずとも、経費を遣わなくても、主要新聞の記事の内容を読むことができます。

たとえば、同一内容の記事でもあるにもかかわらず、対照的な二つの新聞の論調を掲載します。以下では、産経新聞と北海道新聞が、安倍首相訪米の成果について掲載しています。

最初は、産経新聞のものです。

攻めた首相「期待以上の成果」

詳細は、上の記事そのものを読んでいただくものとして、その内容は、安倍首相の訪米は、「期待以上の成果」であったことを掲載しています。

そうして、最後は以下のように締めくくっています。
 首相は野党時代から一貫してTPPに関して「民主党政権には交渉能力がない」と批判してきた。今回の会談で何も進展がなかった場合には、この言葉がそっくり跳ね返ってきかねなかったが、首相はきっちりと結果を残してみせた。
 次に、北海道新聞のものです。

日米首脳会談 追従外交に逆戻りした(2月24日)

さて、これは、あまりに酷いので、以下に魚拓のように全部をコピペさせていただきます。
 安倍晋三首相が訪米し、オバマ大統領と初めての日米首脳会談を行った。

 米国が交渉参加を求めている環太平洋連携協定(TPP)については近く参加表明する意向を示した。日本国内の議論は不十分なままである。拙速な判断と言わざるを得ない。

 民主党政権が模索した「対等な日米関係」から、歴代自民党政権の対米追従外交に逆戻りした感が強い。

 米国に対しては、沖縄の米軍基地問題などで、日本の立場を正しく理解してもらう必要がある。それを形にして示すことこそ重要だ。

 両首脳は、TPP交渉参加に際して全ての関税撤廃の約束を求められないことを確認した共同声明を発表した。首相はこれを理由に「聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」と説明した。

 TPPの基本原則は全品目の関税撤廃である。米国の姿勢も同じで、譲る気配は全くない。交渉が米国主導で進み、日本の要求が通らなくなる懸念が強く残る。首相は国益を守る戦略を示していない。

 自民党はTPPに慎重だった。ところが高市早苗政調会長は日米首脳会談直後、参加の判断を首相に一任すると言い出した。慎重姿勢に期待して先の衆院選で自民党に投票した有権者は裏切られた思いだろう。

 TPPに絡んで農業対策の必要性は民主党政権当時から指摘されてきたが、進展はない。影響は農業に限らない。国民的な議論が必要だ。性急な参加表明は納得できない。

 北朝鮮に対して両首脳は日米独自の金融制裁を行う方向を確認した。米国は北朝鮮への関与が濃厚な中国の銀行への制裁も検討している。日本が同調する場合は日中関係への影響も見極める必要があろう。

 尖閣諸島問題では首相が「冷静な対処」を強調し、日中間の過度な緊張を好まない米国に配慮した。日中の外交関係を活性化して解決を模索する必要性を再認識すべきだ。

 沖縄の米軍普天間飛行場の移設を早期に進めることでも一致した。名護市辺野古に移設する両政府の基本的立場は変わらぬままだ。

 地元負担の軽減を考えれば、県外、国外移設が不可欠だ。米兵の犯罪が起きるたびに求められる日米地位協定の改定についても首脳会談で成果はなかった。首相の姿勢は踏み込み不足である。

 首相は「日米同盟の信頼と強い絆は完全に復活した」と胸を張った。だが、見えてくるのは米国の威を借り、追従する日本の姿である。

 オバマ政権は日米関係への関心の低さも指摘される。日本の立場をしっかり主張しない限り、具体的な成果を望めるはずはない。
とにかく、両方の記事を読み比べてみて下さい。産経のほうでは、民主党のことなど一言も書いていませんが、北海道新聞で、安倍首相の訪問成果と、民主党政権の対米政策などを比較対照しています。

あれだけ大失敗して、総選挙で国民の審判を受け、少数野党に転落し、現在でも離党者がでて、風前の灯火ある政党と比較しても、なんにもならないどころか、かなりのミスリードになると思います。ネット上でも、かなり酷評している人がいました。


同じことを報道しているのに、産経新聞と北海道新聞とでは、あまりにスタンスが異なります。

これが、昔のように、スマホはおろか、ネットにつながったパソコンもなかったような時代には、多くの人が産経新聞のみとか、特に北海道の地元民は、ほとんどの人が北海道新聞しか読んていなかったわけですから、読んだ新聞をそのまま信じるしかなかったわけです。疑問を持っても、他の新聞の論調など調べようもなく、北海道新聞ばかり読んでいると、かなり偏向した思考の持ち主になったものと推察します。

これは、何も北海道新聞に限りません。他の大手新聞でも似たようなことがありました。テレビにも似たようなとこがあります。テレビの場合は、昔は、保存することもできませでしたから、一度報道されれば、それは消えてしまいますから、そのまま刷り込まれてしまい、疑問も何も感じないということもあったと思います。しかし、今日では、YouTubeなど動画もあり、さらには、疑問に思えば、すぐに他のメディアの記事も読めますから、新聞でも、テレビでも、論調に偏りがあれば、多くの人が気づいてしまいます。



そうして、特に、ネットやSNSを多様する若者であれば、そんなことはは造作もなく、それこそ、朝テレビで見たニューースの内容がおかしいと思えば、通学や、通勤の途中でも、すぐに調べられるわけです。そんな世の中なのに、北海道新聞あたりは全く旧態依然としています。

このような記事を掲載し続けるメディアであれば、特に若者は疑問に感じ、内容に疑問を感じる新聞をわざわざお金を出して購読しなくなるのは当たり前のことだと思います。



北海道新聞に限らず、他の大手メディアも、今はそのような時代であることを認識していただきたいものです。そうでなければ、若者から購読者が離れ、時がたつうちに、いずれ誰も購読しなくなります。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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