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2018年7月13日金曜日

コラム:貿易戦争でも世界経済が失速しない「3つの理由」=村上尚己氏―【私の論評】米国から勝ち目のない貿易戦争を挑まれても、自業自得としかいいようがない中国(゚д゚)!

コラム:貿易戦争でも世界経済が失速しない「3つの理由」=村上尚己氏
村上尚己 アライアンス・バーンスタイン(AB) マーケット・ストラテジスト

習近平(左)とトランプ大統領(右) 写真はブログ管理人挿入 以下同じ

6月19日付の前回コラムで「市場心理はやや楽観方向に傾斜気味」と筆者は指摘したが、その後、中国などに対するトランプ米政権の関税引き上げ政策をきっかけに、世界経済の風向きが変わるとの懸念が高まっている。

政治・経済情勢への不確実性の高まりは、リスク資産の上値を抑え、米国債などへの投資を強める一因になっていると言えよう。実際、6月半ば以降、米国の長期金利は3%付近で頭打ちとなり、緩やかながらも低下。米国株市場も他国に比べれば底堅いとはいえ軟調に推移しており、ほぼ年初の水準にとどまっている。

確かに、米国などによる関税引き上げや投資制限措置は、グローバルで事業を展開する多くの企業の活動を抑制するため、個々のビジネスには大きな影響を与える可能性がある。一方で、保護主義的な通商政策の応酬が米国を中心に経済全体にどの程度ネガティブな影響をもたらすかについて見方はさまざまである。

率直に言って、トランプ政権がここまで強硬な関税引き上げ政策をとることは筆者にとって予想外であり、数カ月にわたり市場心理を圧迫する展開については、もっと慎重に見積もっておくべきだったことは認める。

7月10日には、追加で2000億ドル規模の中国からの輸入に関する関税リストが発表された。米国政府の強硬な姿勢に変化が現われるまでには、まだ時間を要するため、リスク資産は上下にぶれやすい状況が続く可能性がある。足元までの景気指標はサーベイ指標を含めて総じて堅調だが、関税引き上げへの備えで事業計画が滞るなど、製造業などのマインドが悪化するリスクもある。

<負のインパクトを相殺する要因>

経済指標の下ぶれは、当社にとってあくまでリスクシナリオだが、「貿易戦争」によって世界経済がソフトパッチ(景気の一時的足踏み)にとどまらず、米国を含めて景気後退に至るとの懸念が金融市場でさらに高まる可能性はある。

株式市場が調整した2016年前半にも米国経済の後退懸念が高まった局面があったが、今回も同様の市場心理の悪化があるかもしれない。

もっとも、現在想定されているように中国などへの関税引き上げの対象が広がり、世界経済の後退懸念が高まっても、米国経済の状況を踏まえると、実際には世界経済全体が景気失速に至るほどのショックは起きないと筆者は考えている。以下、3つの理由をあげる。

第1に、米国では減税政策などによる景気押し上げ効果が、関税引き上げによるネガティブインパクトをかなり相殺することが見込まれる。米議会予算局(CBO)の試算によれば、家計に対する減税政策だけで2019年までの2年間に年平均800億ドル、国内総生産(GDP)比0.5%相当の所得押し上げ効果がある。

すでにリストが発表された対中輸入2000億ドル規模まで関税引き上げが広がった場合は、累積的な関税負担は約435億ドルである。もちろん、これら以外にも、関税引き上げが製造業の活動を停滞させ、それが景気を押し下げる負の影響もある。ただ、米国経済全体でみれば、減税効果で家計部門の総需要が増え続けるため、潜在成長率を上回る経済成長が続く可能性が高い。

第2の理由は、政策金利サイクルと景気循環の経験則である。6月の米連邦準備理事会(FRB)による利上げで、政策金利がほぼ2%まで上昇したが、シンプルにインフレ率を控除した実質政策金利はほぼゼロだ。景気が後退局面に入る前には、多くの場合、実質政策金利が3%以上まで上昇、金融環境が景気抑制的に作用し、景気後退が訪れるのが経験則だ。

また、米国以外の中央銀行の金融政策が総じて緩和的な中で、長期金利は今年緩やかな上昇が続いているとはいえ低水準のままだ。金利サイクルと景気循環の観点からは、景気後退に至るにはまだ時間を要し、緩やかな利上げが続いても金融緩和的な状況はあまり変わらない。

<米景気後退の典型的パターンに合致せず>

第3の理由は、米国の景気後退をもたらす典型的なパターンと現状が合致していないことだ。米国が景気後退入りする前には、経済活動に何らかのブームや行き過ぎがあり、それが崩れることで需要縮小ショックが起きることが多い。

ところが、今の米国経済は失業率の低下こそ下限に近づいている可能性があるものの、景気後退をもたらすようなブームが起きている兆候はあまりみられない。例えば、米国の景気後退を招く典型的なケースは、住宅や自動車の総需要が増えて、金利上昇などでそれが大きく調整することだが、そこまでの総需要増が起きていることは確認できない。

住宅投資のGDP比率について、1940年代後半からの長期推移をみると、平均は4.6%。多くの場合、景気後退が発生する前には、この水準を超える住宅市場の盛り上がりが起きていたが、2018年初でこの比率は3.9%と、平均からかなり低い数値にとどまっている。2000年代半ばの住宅ブームの崩壊の余波がとても大きかったわけだが、住宅市場の回復は依然かなり遅れているように思われる。

同様のことは、自動車関連消費のGDP比率についても言える。家計の住宅・耐久財消費の状況から判断すれば、米国の景気後退入りはまだ遠いとみられる。

金融市場の値動きが、米国など各国の政治動向に起因する市場心理の揺らぎに支配される神経質な状況は、もう少し続くかもしれない。ただ、それがリスク資産の投資機会をもたらす可能性も十分あるのではないだろうか。

【私の論評】米国から勝ち目のない貿易戦争を挑まれても、自業自得としかいいようがない中国(゚д゚)!

ブログ冒頭の記事中の、「貿易戦争により、米国経済が落ち込み、世界経済全体が景気失速に至るほどのショックは起きないことの理由」を以下に再度まとめて簡単に掲載します。
第1に、米国では減税政策などによる景気押し上げ効果が、関税引き上げによるネガティブインパクトをかなり相殺することが見込まれる。 
第2の理由は、政策金利サイクルと景気循環の経験則である。米国では景気が後退局面に入る前には、多くの場合、実質政策金利が3%以上まで上昇、金融環境が景気抑制的に作用し、景気後退が訪れるのが経験則である。 
第3の理由は、米国の景気後退をもたらす典型的なパターンと現状が合致していないことだ。米国が景気後退入りする前には、経済活動に何らかのブームや行き過ぎがあり、それが崩れることで需要縮小ショックが起きることが多い。
米国による、中国に対する貿易戦争がさほど米国経済に悪影響を及ぼさないことは、貿易依存度からもうかがえます。

貿易依存度とは、一国の国内総生産(GDP)または国民所得に対する輸出入額の比率(輸出依存度、輸入依存度)をいいます。一般にGDPの小さい国ほど、貿易依存度は大きいです。

これは、GDPが小さい国の場合、自国市場だけで全ての産業を自給自足的に成立させることは難しく、国外市場への輸出もしくは国外供給地からの輸入に頼らざるを得ないためです。戦後の世界貿易は世界経済の伸びを上回って拡大しており、世界的に貿易依存度は高まってきているといえます。

2016年の米国の貿易依存度は、19.66%です。そうしてこの数値は、貿易依存度はGDPに対する貿易額の比率です。貿易額は貿易輸出総額と輸入総額の合計値で国際収支ベース(FOB価格ベース・所有権移転ベース)です。貿易額にサービス輸出・輸入は含めていません。

これは、米国のGDPに対する輸出+輸入の比率です。この中で、対中国の輸出・輸入ということになるとさらに比率は小さくなります。輸出がGDPに占める割合は、数%にすぎません。米国は経済の大きな国ですから、内需大国ということです。だから、もともと貿易の依存度はかなり低いのです。その中でさらに中国への依存となると微々たるものでしかありません。

ただし、米国の企業で直接貿易にかかわる企業でさらに、中国にかなり依存している企業はかなりの打撃をうけることでしょう。それと、米国の国家全体ということでは別次元の問題です。

さらに、米国は中国から様々な物品を輸入していますが、これらの物品のほとんどが、中国からしか輸入できないというものではありません。であれば、自国で生産するより、他国から輸入したほうが安い場合、他国から輸入することになるでしょう。このように考えていくと、確かに貿易戦争による米国への影響はさほどでもないといえそうです。

テレビ報道では貿易戦争が世界経済に大きな影響を与えるとしているものも多いが?

しかし、中国にとってはそうではないでしょう。

トランプ政権は中国との貿易戦争に本気です。第1弾の制裁500億ドル相当に加え、6031品目、2000億ドルにも及ぶ今回の追加制裁により、中国からの輸入額(約5055億ドル)の約半分が対象となりました。トランプ大統領はほとんど全ての中国からの輸入品に関税をかける可能性もあるとしています

11日の上海市場や深セン市場の株価指数は軒並み急落、人民元も対ドルで下落しました。

世界貿易機関(WTO)は11日、中国を対象にした貿易政策審査報告書を発表。中国政府の経済活動への介入により市場は閉鎖的な状態にあるとしたうえで、知的財産権侵害について「知財保護関連の法律に大きな変更はなく、改善が不十分」との見解を示しました。

米国の第1弾制裁に対して中国が報復措置を打ち出したことについて、USTRのライトハイザー代表は、「正当化できない」と批判する声明を発表。さらに中国による知財権侵害は「米経済を危険にさらす」と強調しています。

ライトハイザー代表

ホワイトハウスが6月に公表した報告書では、「中国国家安全部の諜報部員が国外に4万人いる」とし、「企業の部内者や企業秘密にアクセスできる者による産業スパイ」が行われていると指摘しています。

これを裏付けるような事件が発覚した。米連邦捜査局(FBI)は、米大手アップルの自動運転車の開発に関連する情報を盗んだとして元社員の男をカリフォルニア州の裁判所に訴追しました。男は母親が中国在住とみられ、自動運転車開発の中国企業に転職予定でした。退職を申し出る直前、広範囲の企業秘密のデータベースを検索し、ダウンロードしていたことが判明。今月7日、中国に向かうところを米サンノゼ空港で逮捕されましたた。


中国は対米貿易黒字で稼ぐドルを原資にした金融の量的拡大によって、経済の高度成長を達成したばかりか、軍拡路線を推進し、沖縄県尖閣諸島奪取の機をうかがい、南シナ海の岩礁を占拠、埋め立てて軍事拠点にしました。

拡大する市場に日米欧企業を引き寄せ、先端技術提供を強制しました。周辺の弱小国に輸出攻勢をかけて貿易赤字を膨らませ、返済難になると、インフラを接収するという暴挙を繰り広げました。

そうして、何よりも中国は自由貿易の前提でもある、民主化、経済と政治の分離、法治国家化を不十分なまま放置し、改善しようという気が全くありません。

このような中国が、米国から全く勝ち目のない貿易戦争を挑まれても、自業自得としかいいようがありません。身の丈知らずにも程があるといえます。

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2017年10月5日木曜日

リベラル勢力たちの自業自得 「反安倍なら何でもあり」では国民から見捨てられるだけ―【私の論評】マネジメントの原則から見る民進党消滅の要因(゚д゚)!

リベラル勢力たちの自業自得 「反安倍なら何でもあり」では国民から見捨てられるだけ

「立憲民主党」を設立した枝野氏
 民進党やリベラルとされるメディアが、森友学園問題や加計学園問題など「反安倍」に終始した結果、「安倍晋三首相より右」ともいわれる小池百合子都知事に民進党が事実上乗っ取られて分裂し、リベラル議員は「立憲民主党」を設立した。本コラムに書いたように「改憲」も加速する可能性がある。リベラル勢力やメディアは何を間違えたのか。

 結論から言えば、「反安倍」という名目であれば、何でもありというのが最大の間違いだ。客観的な情報をみれば、「モリ・カケ問題」には、首相の関与や意向は出てこない。にもかかわらず、例えば、文部科学省の前川喜平前次官について、天下り斡旋(あっせん)については厳しく批判していたのに、「反安倍」の発言をしたとたん、手のひらを返し、しかもその裏をとらずに金科玉条のように利用したりした。

 先日、加計学園問題で「行政がゆがめられた」という前川証言ばかりを報道し、「文科省によってゆがめられた行政が正された」という加戸守行・前愛媛県知事の証言をほとんど報道しなかったことについて、安倍首相がTBSとテレビ朝日の生放送で発言したら、両局関係者は凍り付いたという。不都合な事実を生放送で流してしまったからだろう。

 今回の「希望の党」による民進党の分裂についても、本来であれば、希望に行く各議員が以前主張していた政策と真逆の政策に賛同することを、「野合」「選挙目当て」などと厳しく批判するのがマスコミの役目である。

実際、過去には、大阪維新の会が石原慎太郎氏が率いる太陽の党、江田憲司氏が率いる結いの党と合流したときには、野合がどうかを厳しく追及された。しかし、「反安倍」であれば、議員の節操がいくらなくても許されるようだ。

 希望の党に参加する民進党出身者の多くは、安保2法に反対してきた。筆者は、安全保障分野では政治家の本質が現れやすいと思っている。つまり政治家の地金が出てなかなか意見が変わりにくい分野なのだ。

 筆者が政党に政策提言するときには、安全保障分野をできるだけ避けて、合意や意見変更をしやすい経済分野を中心としている。もちろん求められれば、安全保障分野でも政策提言を行うが、安全保障は意見対立が起こりやすく、しかも妥協のできにくい分野なので、取り扱いに細心の注意が必要だ。

 実際に、選挙戦になったら、希望から出馬する人が安全保障で意見を変えた場合、理由をぜひ聞きたいものだ。

 このようなリベラル勢力やメディアは、長い目で見れば結局国民から見捨てられるだろう。

 もっとも、そうした人たちの生命力はしぶとい。リベラル勢力やメディア関係者はひそかに希望の党に入り込んでいるという噂もある。もちろん、小池氏が公認権をもっているので象徴的な議員は排除されるだろうが、今勢いのある小池氏周辺には、左派の人が見え隠れしている。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】マネジメントの原則から見る民進党消滅の要因(゚д゚)!

上の高橋洋一氏の主張をさらにわかりやすく言うと、結局「アベ政治を許さない」という姿勢を貫く政党や議員は全部駄目になるということです。

「わが党の○○政策は、安倍政権の□□政策よりも、△△という理由ではるかに良い」と主張するのが本来の姿だと思います。

このような主張をした上で、「安倍政治を許さない」というのならまだ許せます。それでも、これが本来の主張より半分以上を超えて主張するなら、やはり駄目です。そんな党は、結局国民から見捨てられます。

旧民進党は、言葉づかいや、関連して扱うスキャンダルの内容は変わるもの、結局8〜9割方が「アベ政治を許さない」という主張でした。これだと、早晩滅ぶ運命だったのです。

なぜそのようなことになるかといえば、主に3つの理由があります。


第1は、自分たちの使命は「政権や権力と戦うこと」と定義してしまうと、本来の使命を考えなくなってしまうことです。

これは、誰が考えてもわかります。「政権や権力と戦うこと」自体は、手段に過ぎません。「政権や権力」と戦って、相手を潰したり、あるいは弱めたりすれば、自分たちの主張が通りやすくなります。

これは、あくまで自分たちの主張を通すための手段です。戦って、相手を潰したり、弱めた後には、自分たちは何をしたいのか、何をするのかはっきりしていなければ、全く意味がありません。
経営学の大家であるドラッカー氏はリーダーシップと、使命について以下のように語っています。
真のリーダーは、妥協を受け入れる前に、何が正しく、望ましいかを考え抜く。リーダーの仕事は、明快な音を出すトランペットになることである。(『プロフェッショナルの条件』)
ドラッカーは、リーダーシップとは、人を引きつける個性のことではないといいます。そのようなものは煽動的資質にすぎないとしています。まさに、「安倍政治を許さない」は、扇動的キャッチフレーズに過ぎないものです。

また、仲間をつくり、人に影響を与えることでもないといいます。そのようなものは、セールスマンシップにすぎないといいます。小池百合子氏も今のところ、上手にセールスマンシップを発揮しているに過ぎないのです。

ドラッカーはリーダーシップは、カリスマ性でも資質でもないとしています。それでは、リーダーシップとは何なのでしょうか。ドラッカーは、リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることだといいます。

信頼がない限り、従う者はいません。そもそも、リーダーに関する唯一の定義が、つき従う者がいることです。

信頼するということは、必ずしも好きになることではありません。常に同意できるということでもありません。リーダーの言うことが真意であると心の底から確信を持てるということです。それは、真摯さというまことに古くさいものに対する確信です。

この真摯さという言葉の定義は難しいです。ドラッカー氏自身もそう語っています。しかし、リーダーにはこの真摯さが不可欠なのです。真摯さについては、このブログでも言葉の定義や、真摯さに欠ける態度などについて、掲載したことがあります。その記事のリンクを以下に掲載します。真摯さについて、ここでは詳細を説明しません。詳しく知りたいかたは、この記事をごらんになって下さい。
小池都知事率いる「希望の党」に全く希望が見えない理由―【私の論評】小池氏と希望の党は真摯さに欠けていないか?
希望の党の立ち上げ
リーダーが公言する信念とその行動は、一致しなければならないのです。リーダーシップは、賢さに支えられるものではないのです。一貫性に支えられるものなのです。
リーダーシップとは、組織の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確立することである。リーダーとは、目標を定め、優先順位を決め、基準を定め、それを維持する者である。(『プロフェッショナルの条件』)
「安倍政治を許さない」はどう考えても、政党の使命を考え抜き、それを目に見える形で明確に確率したものではありません。使命が明らかになっていれば、このようなキッチフレーズが出てくるはずがありません。民進党は、自らの使命を考え抜くことができず、その結果として、目標や優先順位も決められず、基準も定められず、したがってそれを維持することもできませんでした。これでは、崩壊するのが当然です。


第2に、「アベ政治を許さない」では、まともな意思決定ができないということがあります。経営学の大家ドラッカー氏は、意思決定について以下のように述べています。
決定においては何が正しいかを考えなければならない。やがては妥協が必要になるからこそ、最初から誰が正しいか、何が受け入れられやすいかという観点からスタートしてはならない。(『経営者の条件』)
決定においては何が正しいかを考えなければならないというのは、別な方面からると、誰が正しいか、誰が間違いであるかを考えてはならないということです。

これは、誰でも理解できます。社会問題を解決したり議論するときに、「誰が正しい、誰が間違い」などと議論することは不毛な結果しか招きません。やはり、「何が正しい、何が間違い」という議論をすべきです。

これは、一見誰にとっても当たり前のことのようにみえます。しかし、本当に当たり前でしょうか。多くの皆さんは、当たり前でない人たちを日々ご覧になっているはずです。そもそも「アベ政治を許さない」というキャチフレーズそのものが、「安倍が間違いで、自分たちが正しい」という前提に立っています。

これでは、まともな意思決定などできるはずはありません。それに、「アベ政治を許さない」というキャッチフレーズは、頭を使わなくても良いということもあります。何か政治信条などに、根ざしたキャッチフレーズだと、それを大勢の人々に理解してもらうには、それなりに説明したり、鼓舞しなければならず、かなり頭を使います。

しかし、このようなものでは、「あっ、安倍政権を倒すことが正義」だということで、このフレーズを広めるほうも、受けるほうも、頭を使うことをしなくなります。まともな意思決定のできない組織はどんな組織であれ、早晩滅びます。


第3に、民進党は、「アベ政治を許さない」という信念に凝り固まって、妥協の仕方が下手だということもあります。ドラッカーは次のようにも述べています。
頭のよい人、しかも責任感のある人は、せっかくの意思決定も実行されなければ意味がないと思う。そのため、最初から落としどころとしての妥協を考える。(『経営者の条件』)
安倍総理は、意思決定においては、最初から落とし所の妥協を考えているわけではありません。無論政治の世界には妥協はつきものなので、全く考えないということはないですが、少なくとも、野党と比較するとその度合いはかなり少ないです。

ドラッカーは、妥協について以下のように述べています。
妥協には2つの種類がある。1つは古い諺の「半切れのパンでも、ないよりはまし」、1つはソロモンの裁きの「半分の赤ん坊は、いないより悪い」との認識に基づく。前者では半分は必要条件を満足させる。パンの目的は食用であり、半切れのパンは食用となる。半分の赤ん坊では妥協にもならない。(『経営者の条件』)
ギュスターブ・ドレ〈知者ソロモン王の裁き〉
実際、民進党をはじめ、野党の多くは、何が国民から受け入れやすいかという観点から、護憲という立場を崩さないことを前提に物事を考え、最初から落とし所を考えるため、北朝鮮の危機にまともに対応できるような意思決定ができません。北朝鮮どころか、国際情勢からかけ離れた意思決定しかできません。

一方安倍総理のほうは、「何が正しいか=日本の安全保障にとって何が正しいのか」を考えて意思決定をするため、少なくとも野党よりは、まともな意思決定ができます。

そうして、「安全保障のダイヤモンド」という構想にもとづき全方位外交を実施し、インドやアセアン諸国の信頼を勝ち得ることができ、さらには、これら諸国と米国を仲介し、それが故に米国この地域における外交は飛躍的に改善されました。

そのため安倍総理は、トランプ大統領からの信頼は絶大なものとなっています。残念ながら、マスコミは、このことはほとんど報道せず、ゴルフをしたことくらいしか報道しません。

ドラッカーは、何が受け入れられやすいか、何が反対を招くから触れるべきでないかを心配することは無益であって、時間の無駄だと言います。心配したことは起こらず、予想しなかった困難や反対が突然ほとんど対処しがたい障害となって現れると語っています。
ドラッカーは妥協について以下のように語っています。
何が受け入れられやすいかからスタートしても得るところはない。それどころか、妥協の過程において大切なことを犠牲にし、正しい答えはもちろん、成果に結びつく可能性のある答を得る望みさえ失う。(『経営者の条件』)
これが、まさに現在の民進党の状況なのです。そのことにはやく気づき、何が正しいかを考え、正しい妥協ができるようにならなければ、民進党の再生はあり得なかったのです。 

現実世界では、政治的意思決定のほとんどが、妥協の産物であることがほとんどです。しかし、前原代表は、最初から落とし所を求めて、妥協をした挙句に民進党の消滅という事態をもたらしたのです。

この妥協は現在は「希望の党」に圧倒的に有利なように見えます。しかし、この妥協は「希望の党」にとっても誤った妥協であることには変わりなく、近いうちに必ずこの妥協は良くない結果を招くことになります。

妥協するにしても、「半分の赤ん坊」を得るような間違えた妥協ではなく、「半分のパン」を得る正しい妥協をしなければならないのです。

ドラッカー氏はマネジメントはあらゆる組織に共通であるとしています。企業組織であろと、政党であろうと、病院であろうと、組織のマネジメントの原則は同じなのです。そのため、政治の世界もマネジメントの世界からながめると、非常に参考になります。

政治家もマネジメントを学べば、もっとまともに政権や、政党運営をできるようになるのではないかと思います。政治家として、何度も失敗を繰り返して、はじめてマネジメントの原則を学ぶというのではなく、最初から原則を学んで行動すれば、より賢く行動することができるはずです。

以上に述べたようにマネジメントの原則に反する行動ばかりする野党はますます衰退するばかりです。もう安倍憎しという単純な考えはやめて、最初から落とし所など考えずまともな政策論争をして少しでも多くの「半分のパン」を得る行動をすべきです。

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2013年12月13日金曜日

日本の援助に仇で返し続けてきた韓国 経済破綻しても自業自得 ―【私の論評】朴よもっと激しく、しつこく、えげつなく反日をやれ!やれば、やるほど日本はまともになっていく!韓国におもねる政治家は日本ではもうやっていけない!さよなら、魅力の失せた破滅国家韓国(゚д゚)!

日本の援助に仇で返し続けてきた韓国 経済破綻しても自業自得 
 
 日本と韓国が緊急時にそれぞれの通貨を融通しあう通貨スワップだが、日本にはほとんどメリットがなく、韓国救済が目的といっていい。経済評論家の上念司氏が解説する。

上念 司 氏

 「2011年には700億ドルに増額していた日韓スワップですが、2012年10月に韓国が難癖をつけて延長せず、再び30億に。そして今年7月に日韓通貨スワップはなくなった。まだ残っているのは2003年のチェンマイ・イニシアチブの分の100億ドルだが、20億を超えるとIMFの管理が入るので実質20億が上限。これも再来年2月で切れることになる」

 韓国の態度は、困った時には救いの手を求め、困った状況から脱したとたんに「バカにするな」といってその手をはたくというものだ。ところが、上念氏は、韓国が再び日本に救済を求めてくるだろうと予測する。

 「韓国はこのままいけばウォン高になり、輸出産業がダメになる。しかしウォン安政策をとれば海外の投資家がウォン売りに走り、投機的なウォン売りが起きる。韓国は対外債務が非常に多いため、ウォンの買い戻しができず、再び通貨危機になる可能性が高い。日本に通貨スワップをお願いにくるしかない」(同前)

 2013年6月末時点で、韓国の対外債務残高は4118億ドル(約40兆1000億円)で、3か月前に比べて15億ドルも増加している。

 一方、これほどまでに反日を鮮明にしている朴槿恵(パク・クネ)大統領は、性格的にも「日本に助けてくれとは口が裂けてもいえないだろう」と語るのは韓国経済に詳しい経済評論家の三橋貴明氏だ。

三橋貴明 氏

 「韓国は中国に擦り寄って、今年6月には通貨スワップ協定を3年間延長することで合意した。しかし、韓国がいざ中国に助けを求めても、中国が援助の手を差し伸べることはないだろう。それどころか、スワップ協定を反故にしてウォンが暴落するにまかせ、韓国企業を買い叩く手に出るのではないか」

 そうなると、最終的に韓国が泣きついてくる相手は日本しかない。だが、これまでの歴史を見る限り、韓国を助けても仕方がないとの結論に到らざるを得ない。

【私の論評】朴よもっと激しく、しつこく、えげつなく反日をやれ!やれば、やるほど日本はまともになっていく!韓国におもねる政治家は日本ではもうやっていけない!さよなら、魅力の失せた破滅国家韓国(゚д゚)!

さて、上の両氏は、このブログにも良く登場する方々ですが、両者の予想は180度異なります。一体どちらになるのでしようか。とちらに転んでも、韓国にとって良いことはないようです。私としては、三橋氏のほうがあたっているような気がします。

とにかく、中国も韓国も、全く姿勢を間違えています。両者とも、過去の歴史認識が出鱈目で、とにかく国内でも、対外的にも、日本を悪者に仕立て、国内での求心力を得、日本に対しては、居丈高に出て、過去には、日本から援助などを勝ち取ってきました。

日本のデフレ・円高で中韓は楽に経済を発展させることができた


両者とも、このようなやり方が、これからも十分通用すると考えているようです。実際過去の20年間は、それで大成功してきたというのが、両国です。

それは、日本の過去の20年をふりかえってみれば、良く理解できます。そもそも、日本のデフレ・円高傾向は、アメリカのマクロ経済を知らない馬鹿で愚鈍な政治家どもが、貿易赤字をあたかも、家庭の主婦のように悪いものとみなし、日本をバッシングし、日本の貿易黒字を縮小させるように迫ったことが発端です。とにかく、頭が悪すぎて、赤字となれば何が何でも悪いとみなし、自分たちの経済運営の悪さは、棚の上にあげたのですが、日本政府をこれに対抗することも、正すこともせず、お茶を濁し続けた結果、日本は円高・デフレ傾向になってしまいました。

その後、アメリカは、馬鹿な政治家ばかりではないので、まとも連中が、一国の貿易赤字や黒字そのものが、一国経済にとって良い悪いということとはほとんど関係ないことに気づき、すでに円高傾向になっていた日本に対して強く、迫ることはなくなりました。

しかし、その後は、親中派媚中派の馬鹿な日本の政治家どもが、中国や韓国の意向に対して対峙することもなく、お茶を濁し続け、何ときがつけば、20年以上も日本国内のデフレと、対外的には円高を許容しつづけました。その結果、中国や韓国など、本当は破綻している自国の経済を楽に運営することができました。

しかし、これも、今年の4月から、日本が包括的な異次元の金融緩和を実施したため、中韓の経済的な優位性が崩れました。その後、中国は元高傾向ですし、韓国はウォン高傾向で、両国とも多いに苦しんでいます。

中国などは、熱銭(中国の官僚などが外国に持ちだした大量のマネーを駆使た中国への投資)が途切れつつあり、このブログでも掲載したように、政府系ファンドが、日本国内の企業の株式を保有していたものを今年の夏あたりから、手放しはじめ、その総額が4兆円以上にもおよびました。これは、中国国内の熱銭不足を補うためです。しかし、この程度では焼け石に水なので、中国は恐るべき対応策を実施しはじめました。

それが、中国内に経済特区をつくり、そこに中国の企業を多数配置して、そこに海外に官僚どもが不正によって、持ちだしたマネーを呼びこむということで、何とか熱銭切れを防止しようということで、今のところ何とか小康状態を保っています。しかし、今のところ、これ以外に目立った対策もなく、このような不自然なことが何年も続くとは考えられず、中国の経済はあと2年もすれば、大崩壊します。

韓国としては、中国のような悪行であることは間違いないのですが、それにしても、奇想天外な熱銭呼び込み策によって小康状態を何とか保っているわけですが、韓国ではこのような方法などとれません。そのため、上記の上念氏が語っている日韓スワップが唯一の頼みのはずなのですが、過去に度々行って成功してきた、日本脅しはもう、過去の総理大臣などには通用しても、安部総理や、一般国民にも全く通用しません。

こんな韓国を尻目に、日本は、インドネシアなど3カ国と通貨スワップを実施しています。これについては、以下の記事をご覧になって下さい。
インドネシアなど3カ国と通貨融通、財務相「日本の国益に資する」
日本としては、韓国が歴史的真実を曲げてまで、反日活動するというのなら、そのまま放置すれば良いわけです。何も、日本が嫌いなら、頼ってもらわなくても良いわけで、それで自滅したとしても、それは、自己責任であるわけですから、全く譲歩する必要などありません。それに、韓国を取り巻く情勢はますます、不利に傾きつつあります。それは、例の張成沢氏の死刑です。

張成沢氏
「改革派」「朝鮮のトウ小平」抹殺に中国、衝撃

これは、張成沢氏がどうのこうのという北朝鮮側の報道など全く関係なく、単なる北朝鮮内の権力争いの結果にすぎません。しかし、このことによって、朝鮮半島は危険だという認識が高まり、半島から外資が逃げ出す傾向が強まります。

そうなれば、ますます韓国は苦しくなるわけです。しかし、私は、朴槿恵をはじめ韓国政府は、いまさら日本に頭を下げて、日韓スワップを願いでるなどということはできないと思います。

そうなると、韓国の経済の崩壊は近いです。無論中国より先に崩壊します。そうして、韓国としては中国にますます頼らざるを得なくなります。そうして、これはとどのつまりどうなるかといえば、韓国は完璧に中国の属国に成り果て、経済的にもますます苦しくなりますが、それでも、さらに中国から絞りたてられるだけの存在になります。

プーチンもあきれ果てた朴槿恵の告げ口外交

韓国は、日本にとっても、世界にとってもとるに足らない国に成り果てましたが、これはまだ最終段階ではありません。最終段階で経済崩壊すれば、もうどうしようもありません。彼らは、なぜ反共の砦であることをやめてしまったのでしょうか?この役割を果たさない韓国は、日本にとっても、世界とってもいらない国ということです。もはや、彼らには、反共の砦になるという唯一の存在意義を失ってしまいました。もう、ずっとまえから、戻れない地点を通過してしまいました。これは、北朝鮮や中国による工作の大成果です。愚かです。

在日韓国人の皆様、皆様がもし日本にご不満をお持ちでしたら、日本を捨てて母国にお帰りください。それで結構ですから。何も嫌な国に無理にとどまる必要などないです。嫌ならお戻りください。そうして、韓国で母国の人々とともに、反日活動をこころゆくまで存分に実施してください。

朴はもっと激しく、しつこく、えげつなく反日をやれば、良いのです。やれば、やるほど日本はまともになっていきます。昔のように、韓国におもねる政治家は日本ではやっていけなくなりました。一体、韓国におもねって、何にりますか?

もう、日本は、中韓に振り回されるのは、真っ平ご免です。これからの、日本は、日本の都合で動いていくべきです。無論、日本の都合を全部押し通すわけにはいきませんが、今までの日本は昔は、米国に最近では中韓に振り回されっぱなしでした。こんなことはやめにして、日本は対外的に親日国とは強調し、譲り合い、後は日本の都合で動くべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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