2008年5月4日日曜日

Invitation For Jazz - Tropical Jazz Big Band

Tropical Jazz Big Band & Akira Jimbo - Machete
構成
Percussion
カルロス 菅野 : Carlos Kanno
Timb
美座良彦 : Yoshihiko "MIZALITO" Miza
Drums
神保彰 : Akira Jimbo
Bass
高橋ゲタ夫 : Getao Takahashi
Piano
森村献 : Ken Morimura
Conga

斉藤恵 : Megumu Saito

Trumpet
佐々木史郎 : Shiro Sasaki


鈴木正則 : Masanori Suzuki


奥村晶 : Sho Okumura


松島啓之 : Keiji Matsushima
Trombone
中路英明 : Hideaki Nakaji
青木タイセイ : Taisei Aoki
B.Trombone
西田幹 : Kan Nishida
A.Sax
近藤和彦 : Kazuhiko Kondo
藤陵雅裕 : Masahiro Fujioka
T.Sax
野々田万照 : Mantell Nonoda
B.Sax
宮本大路 : Dairo Miyamoto





我が国のラテン音楽シーンをリードし続けて来たパーカッショニスト、プロデューサーのカルロス菅野 が"オルケスタ・デ・ラ・ルス"を脱退後にスタートした、日本のインストゥルメンタルシーンを代表するミュージシャンを一堂に集めた、ラテン・ジャズ・ビッグバンド。

無機質な音楽が溢れている昨今、17人ものメンバーが創り出すパワフルなリズムとハーモニーは年齢を問わず幅広い観客を魅了します。

17人の個性溢れるメンバーが"音楽はエンターテイメントだ!"をコンセプトに、ステージ上で正に縦横無尽に懐かしのラテン名曲は勿論、ジャズ・ファンキー・オリジナルまでトビッキリ熱いビッグバンドサウンドを繰り広げます。

現在ビクターエンタテインメントより10枚のアルバムと2枚のDVDをリリース。バンドスコアブックも出版され、全国アマュア・ビッグバンドや吹奏楽部の学生たちからも熱烈な支持を受けています。

NYの「JVC JAZZ FESTIVAL」に2年連続出演するとともに、RMMレコードより3枚のアルバムを全米発売するなど、国内外を問わずワールドワイドに活躍中です。

バイオグラフィー
■1994年
10月高崎音楽祭のプロデュースを依頼された"オルケスタ・デ・ラ・ルス"は、カルロス菅野を中心に"トロピカル・ジャズ・オールスターズ"と名付けたラテン・ビッグバンドを編成し群馬音楽センターでライブを行いました。これが"熱帯JAZZ楽団"誕生の源となりました。

■1995年
18名の日本音楽界一流のミュージシャン達に声をかけ、六本木ピットインにて熱帯JAZZ楽団として初めてのライブを行い、ライブハウスにも関わらず多数の動員を得たため、翌年には横浜ランドマークホールにてライブレコーディングを行いました。

■1996年
横浜ランドマークホールにて行われたライブはフジテレビ、ハイビジョン放送の番組『FNSミュージック・シアター INTO THE GROOVE 熱帯JAZZ楽団』として4月にON AIR。初めて東京、赤坂BLITZにてホールコンサートを開催。11月"熱帯JAZZ楽団"として初めて音楽担当したCF「出光ゼアス/唄とんねるず」がOA。

■1997年
5月21日に自主製作盤として「熱帯JAZZ楽団 LIVE IN YOKOHAMA」をリリース。旭川ライブジャム'97や高崎音楽祭にてカシオペア、渡辺真知子と共演。大阪ブルーノートにて2daysライブを行いました。

■1998年
3月に2枚目のアルバムをレコーディング。6月21日に「熱帯JAZZ楽団II~September~」をビクターエンタテインメントより発売。インストゥルメンタルとして驚異的に売上を伸ばし話題となる。同時に1枚目がRMM/TROPIJAZZレーベルより全米発売される。夏にはNEW YORK JVC JAZZ FESTIVAL(Bryant Park)に出演。その他COPACABANAやS.O.B's等で、海外初のライブを行い、ニューヨーカーの喝采を浴びる。国内では夏のジャズフェス(宮崎、横須賀)やコンサート等、各地で公演を行い着実に動員数を伸ばしました。

■1999年
6月2日に「熱帯JAZZ楽団III~My favorite~」をビクターエンタテインメントより発売。オリコンアルバムチャートに初登場97位にランクイン。同時に2枚目がRMM/TROPIJAZZレーベルより全米発売されました。98年に引き続きNEW YORK JVC JAZZ FESTIVAL(Carnegie Hall)に出演。Tito PuenteやPoncho Sanches等と共演。夏の札幌ジャズフォレストに出演し、観客の大喝采を浴びる等、地方でのコンサートの数多く出演しました。

■2000年
6月21日に「熱帯JAZZ楽団IV~La Rumba~」をビクターエンタテインメントより発売。オリコン初登場77位と着実に売上を伸ばす。ジャズフェスは国内4ケ所(青森、能登、葉山、札幌)にメインアクトとして出演。ファンクラブ登録人数は3,000名となりました。

■2001年
6月21日に「熱帯JAZZ楽団V~La Noche Tropical~」をビクターエンタテインメントより発売。前作同様オリコンにランクイン。国内最大のジャズフェス「ニューポートジャズフェスティバルin斑尾」にアメリカからの依頼で出演。3日間連続出演の他、各メンバーが来日アーティストとのセッションにも参加。ウェイン・ショーター、アルトゥーロ・サンドバル等と共演。その他岐阜めいほう音楽祭や山口きらら浜ジャズフェスティバルに出演。7月にファン待望のスコアブック「熱帯JAZZ楽団ベスト」もヤマハより出版され売上を伸ばしています。

■2002年
6月21日に2枚組のライブアルバム「熱帯JAZZ楽団VI~En Vivo~」をビクターエンタテインメントより発売。そしてアルバムと同時に収録したライブ映像を初DVD「熱帯JAZZ楽団-LIVE 2002-」もビクターより同時発売。夏には札幌、葉山のジャズフェスにメインアクトとして出演する他、今年最大規模といわれているハービー・ハンコックのプロデュースによる東京JAZZ2002(東京スタジアム)にも日本からの代表として出演。年末は六本木STBにて初のカウントダウンライブ開催。

■2003年
6月21日に7枚目のアルバム「熱帯JAZZ楽団VII~Spain~」をビクターエンタテインメントより発売。スペシャルゲストにNYの実力派ヴォーカルグループ"ニューヨーク・ヴォイセス"と2枚目のアルバムが大ヒットのFRIED PRIDEからヴォーカルの"shiho"が参加。「Spain」「Bridland」等の王道ナンバーをカヴァーしジャズ・ビックバンドとしての地位を確立しました。
夏には能登、葉山のジャズフェスにメインアクトとして出演。大好評だったヤマハのスコアブックの第二弾「熱帯JAZZ楽団ベストII」も9月に発売。年末は前年に引き続きSTBでのカウントダウンライブを開催。

■2004年
6月23日にNewアルバム「熱帯JAZZ楽団VIII~The Covers~」をビクターエンタテインメントより発売。既発表からセレクトした9曲にはニュー・ミックスを施し、誰もが知っている70~80年代のヒット曲を、まったく新しいサウンドで聴かせている。夏は東京池上本門寺、横浜旭ジャズ、サッポロジャズフォレストに出演。10月には高崎音楽祭で阿川泰子との初共演、11月には東京で初めて開催される「JVC JAZZ FESTIVAL in TOKYO」に出演しました。
年末カウントダウンライブは3回目となりました。

■2005年
結成10周年となる今年は、6/22にビクターより9枚目のアルバム「熱帯JAZZ楽団IX~Más Tropical!~」を発売。本作はスペシャルゲストとして渡辺貞夫も参加。オリジナルが全体の7割を占める、今までにないスペシャルアルバムとなる。10th Anniversary Tour は札幌芸術の森野外ステージを初めに鳥取倉吉市、大阪、東京、富山小杉町、静岡磐田市にて開催。ジャズフェスは「宮崎フェニックス」「ヨコスカジャズドリームス2005」「熊谷ヒートブリーズフェスティバル」に出演。10月にはカルロスのプロデュースによる地元中高生との共演イベント「神戸 JAZZ2005」に出演。恒例となった4回目のカウントダウンライブをSTBにて開催。
Congaのコスマス・カピッツァが年内にてメンバー脱退。

■2006年
昨年の7月に行われた芝メルパルクでの10周年記念公演がDVD「熱帯JAZZ楽団~10th Anniversary Live~」がビクターより2月8日に発売。6/7には10枚目のアルバムを「熱帯JAZZ楽団X~Swing con Clave~」発売。本作はビッグバンド・ジャズの定番曲に焦点をあて熱帯流にアレンジ。全国のアマチュアビックバンドや吹奏楽部に好評を博す。 7月には鳥取、神戸、中野とアルバム発売ツアーを敢行。各地で多数の動員を集め、大盛況のもとに終了。9月に所沢MUSEにてコンサート。新メンバーとしてCongaの斉藤恵が参加。11月には昨年に続きカルロスがプロデュースした「神戸JAZZ2006」にて中高生と共演。ジャズフェスは「ヨコスカジャズドリームス2006」「JVC JAZZ FESTIVAL in Tokyo」に出演。年末は5回目のカウントダウンライブをSTBにて開催。

このブログで取り上げた過去のInvitation。反転文字列をクリックすれば、当該記事に飛びます。

■Quincy Jones-クインシー・ジョーンズ
■DAVID SANBORN-デビッド・サンボーン
■JOHN PIZZARELLI-ジョン・ピザレリ
■BERARDI JAZZ CONNECTION-ベラルディ・ジャズ・コネクション
■HARVIE HANCOCK -ハービー・ハンコック
■TOKYO ZAWINUL BACH-東京ザビヌルバッハ
■SADAO WATANABE-渡辺 貞夫
■TOM SCOTT-トム・スコット
■LOIS ARMSTRONG-ルイ・アームストロング
■JOHN COLTRAIN-ジョン・コルトレーン
■THE JAZZ INVADERS-ザ・ジャズ・インベーダーズ
■KEITH JARRET-キース・ジャレット
■ELECTRO DELUXE-エレクトロ・デラックス
■TRIBAL TECH-トライバル・テック
■MARK MURPY-マーク・マーフィー
■NORMAN BROWN-ノーマン・ブラウン
■TONY MONACO-トニー・モナコ
■DAVE KOZ-デエィブ・コズ
■ROOM ELEVEN-ルーム・イレブン

2008年5月3日土曜日

China Fashion Week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水


今年も中国でチャイナ・ファッション・ウイーク開催

【3月28日 AFP】中国・北京で3月25日から31日まで、08/09年秋冬中国ファッションウィーク(China Fashion Week)が開かれました。26日には、Chen Juanhongが手掛ける「ジュディ・ギャラクシー(Judy Galaxy)」が新作を発表しました。(c)AFP

最近は、中国の話題にしても、「中国分裂の筋書」など硬いものばかり、多かったので、本日は中国ねたでも、少し話題としては古くなりましが、軽いものをあげます。あまり説明してもしょうがないと思いますが、北京で開催しているため、やはり中国人のモデルが多いこと、パンダをモチーフとしたような中国らしいもの、オリンピックを意識したものなど、いろいろバラエティーがあることに気がつかれると思います。



中国ファッションウィークとは、北京で行われるファッションイベントです。国内外の ブランドとデザイナーがトレンドやアイデアを発表する総合的なファッション情報発信源となっています。中国国際青年デザイナーコンテスト「漢帛賞」なども 有名です。08~09秋冬コレクションは、2008年3月25日~3月31 日まで行われました。デザイナーのJudy Galaxy(ジュディ・ギャラクシー)やスーパーモデルのチェン・ジュエンホン(陳娟紅=Chen Junghong)なども参加しました。
http://j.fj1.jp/?eid=749400

http://www.fashion-j.com/r/collection.html

「チャイナ・ファッション・ウイーク」には中国の代表的なブランドやデザイナーが参加。「中国ファッション」を世界に発信しています。北京市は2008年の北京五輪までに北京を世界有数のファッション都市に発展させる構想を打ち出しています。


中国に押し寄せる情報洪水

現代中国には、ファッション界でも例外なくこのような形でさまざま情報が洪水のように寄せています。インターネットに関しては、中国中央政府がいろいろと細工をして、政府にとって都合の悪い情報はカットする一方で、都合の良い情報に関しては閲覧しやすいように工夫しています。

でも、すべての情報に関して制御することは不可能でしょう。たとえば、先月2日、BBCは世界34カ国の1万7000人余りを対象に行ったイメージ調査の結果を発表しまた。特定国について「世界に良い影響を及ぼすか」を 尋ねてみたところ、ドイツと日本がそれぞれ56%を占め、同率1位となりました。この調査では無論中国の評価もしていますが、低いほうの部類に入ります。このような情報などは、直接中央政府を批判するものではないため、特にカットしたりはしないでしょう。でも、確実に中国に浸透しつつあります。

ファッションの本質を理解するには、そのファッションが生み出された国の現状や、文化などを熟知していなければ不可能だと思います。日本のファッションを見ても、どうしてこれが生まれたのかを知るためには、やはり日本のことを知る必要があると思います。

そうした場合中国の人たちも、自らの頭や行動でいろいろな国の文化を吸収したり、他国の現状を知る必要があります。また、そうしたなくると思います。日本を知ろうとしたら、日本の歴史を知ろうとすでしょう。日本の歴史を知れば、近代史の負の部分もあることは事実ですが、第二次世界大戦後の驚異的な経済発展、現代中国人民よりもはるかに高い生活の質、驚異の社会変革を成し遂げた明治維新、その後の西欧列強の植民地にならず自主独立の道を貫いたという事実などを知ることになります。中国共産党が教える日本の歴史とは矛盾するところが多々あるものと思います。

これ以上説明しても、あまり意味がないと思いますので、百聞は一見に如かずといいます。ゆっくりご覧になってください。この規模といい、期間といいパリや東京で開催されるものと、レベルも変わりないと思います。このようなイベントが催されるのが、アジアの共産党が率いている国であるとは、とても思えません。

下は、ランジェリーのショーですが、提灯やら、ショール、髪飾りやら中国風の色を出しています。





近年頻繁に開催されるようになった中国のファッションショー
中国ではこのようなファッションショーが矢継ぎ早に開かれています。やはり、ファッション界もこれからも、拡大し続ける中国の旺盛な消費市場を少しでも多く開拓したいという目論みがあるのでしょう。

「上海国際ファッションフェスティバル2005」は上海新国際博覧中心の約4万5000平方メートルを使って開催される大規模なファッション展示会で す。内外のデザイナーによるコレクションが発表されます。フランスのファッション番組「FTV」と共同でのモデル選考会は今回が初めての試みです。 2004年秋の「2004年上海国際ファッションウィーク」には「ジョルジオ・アルマーニ」「ジャンポール・ゴルチエ」「エトロ」など、欧州の有力10ブ ランドが初参加しました。

 巨大市場・中国には世界各国が猛烈な売り込み攻勢をかけています。上海では3月25日までファッションショー「第3回韓国ファッション&テキスタ イル」が開催されていました。韓国のトップデザイナー、アンドレ・キム氏らがコレクションを発表しました。2004年には「ジョルジオ・アルマーニ」 「グッチ」などの有力ブランドが相次いで上海に旗艦店を出店しました。

 日本のファッション界も中国への売り込みに力を入れ始めました。2004年には日本のアパレルメーカーを一堂に集めた大型展示会「JFFイン上海 2004」を初めて開催し、日本ブランドをアピールしました。オンワード樫山は「ICB」「23区」を展開。ワールドは「オゾック」のファッションショー を開きました。


下は、水着のエキゼビションですが、漢字をモチーフにしてみたり、オリンピックを意識したものもあります。







中国ゼリー層にも大きな影響
現 代中国の経済のレベルは、日本などの一般の認識とは違い、かなり低い状況にあります。そのため、中国は発展途上国という位置づけにありますし、これからも 数十年にわたって、そうあり続けます。中国中央政府が発表する数字を鵜呑みにしてさえ、国民一人あたりのGDPの世界ランキングでは100位前後です。

このような状況であるため、上のような情報洪水も大方の中国人民にとっては、ほとんど意味を持ちません。ただし
、80後(はちじゅうご)世代の中でも、ゼリー層(富裕層)に対してはかなり大きな影響があるでしょう。

80後とは、中国の1980年代生まれの世代さします。改革・開放時代に生まれ「1人っ子政策」で育った彼ら は、ひ弱な面がある反面、情報収集力に優れているという評価があります。ただし、私はこれは、あくまで中国人の評価だと思っています。この80後世代は、 私たち日本人から見れば、そのほとんどが非一昔前の中国人と変わりません。私は、インターネットなども使うようになった分、昔の中国人よりは、情報収集能 力に秀でるようになっただけだと思っています。その思考様式、行動様式はほとんど変わっていないと思います。80後世代は、日本から輸入された、ゼリーを 食べて育った世代ということで「ゼリー世代」とも呼 ばれています。この世代は中国全土に2億人存在していると言われています。

しかし、このゼリー世代のうち、経済的に恵まれた少数派の2000万人程度の人々は、それまでの中国人と明らかに違った思考・行動様式を持っていると思い ます。これらを私のブログではゼリー層と呼んでいます。このゼリー層こそ、いずれ中国の新たな文化や、民主化を進めていく上でのリーダーになっていくと 思っています。ゼリー層以外の80後世代はというと、一昔前の中国人とさほど変わりなく、最近テレビなどで頻繁に放映されている、長野や、韓国での聖火リ レーで旗振りをしていたり、中国国内では反日デモをやったり、カルフール不買運動を行う連中です。中央政府の扇動などにすぐにのりやすい、旧タイプの中国 人です。

このゼリー層は、情報洪水の中でも、情報をより分け、何が正確で何が作為によるものかを見分けることができると思います。いろいろな価値判断などができると期待しています。今は目立たなくても、おそらく、これからの中国社会のオピニオン・リーダーになっていくと思います。

この人々に訴えかけることが、ファション界でも、その他の政治や文化などの関係でも、もっとも大きな影響を及ぼすことができると思います。彼らは、現在で は18歳~27歳という若年ですから、現状では目だって大きな変革などできないかもしれませんが、将来は革新の担い手になります。







下の写真は、モデルさんたちの休憩時間の一こまです。携帯で記念撮影をしています。



下は、パンダを意識したエキゼビションです。なかなか、面白い発想だと思います。



以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。

注)上の写真は、ほぼ2008年「チャイナ・ファッション・ウィーク」のものですが、一部2007年のものもあります。

■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?

■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?

■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?

■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄

■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?

■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択

■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権

■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々

■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?

■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩

■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実

■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない

■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史

■中国"義歯"から鉛「安全に問題」

■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名

■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?

■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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YUTAKARLSON、USA 市長からのお願い

ランキングは、ありきたりのは面白くないので、私の街に是非投票してください。この私の街は、サイバー上のアメリカ国内に設置してあります。街の名前は、YUTAKARLSONと いいます。この街は、皆さんからのアクセスがあれば、アクセス数が街の住民数となり発展していきます。先月からはじめているので、まだ住民数が少ないで す。最近は、人口も増えましたが、それに伴い失業者も若干ながら発生しています。失業率を低くするためには、工場などの職場をつくることが必要です。職場 を整備するには、下の反転文字列をぜひポチッチとお願いいた します。
⇒⇒YUTAKARLSONの職場整備←←


2008年5月2日金曜日

Invitation For Jazz - Quincy Jones

熱帯JAZZ楽団/ ディア・ミスター・ジョーンズ|アイアンサイド|ソウル・ボサノヴァ|愛のコリーダ

上はの画像は、私の大好きな、そうしてお洒落な熱帯ジャズバンドの演奏によるクインシー・ジョーンズ・メドレー。

彼の名はクインシー・ジョーンズ。またの名を、"Q"。米ポピュラー音楽界が生んだ史上最高のプロデューサー、今日の多くの人々が、クインシー・ジョーンズを音楽業界一のやり手ヒット・メイカー&プロデューサーとして認識しているに違いないと思います。50~60年 代においてジャズ・アレンジャーとしてひっぱりダコだったジョーンズの最たる偉業/功績は、映画産業や音楽業界全般でアフリカ系アメリカ人たちが活躍する 場を開拓したことにあります。

1933年3月14日シカゴ生まれ、シアトル育ち。小学校時代にトランペットを学び始め、12歳の時にはゴスペル・カルテットで歌っていたシアトルで生まれたジョーンズが10代になった頃、彼に楽譜の読み方を教えたのは、なんと盲目のファンク・ミュージシャ ン、故レイ・チャールズでした。レイとクインシー・ジョーンズの出会いは、映画「レイ」の中にもでてきます。



その後、ジョーンズはトランペット奏者の道に進み、ライオネル・ハンプトン、ディジー・ガレスピー、カウント・ベイ シー、レイ・チャールズなどのオーケストラ・アレンジメントを手がけるようになりました。そして57年、フランスのレコード会社<バークレイ>に重 役として引き抜かれ。その後<マーキュリー>に移籍。同時期、ジョーンズは自身のクインシー・ジョーンズ・ビッグ・バンド名義で優れた作品 を次々とレコーディングしています。

それは名立たるミュージシャンたちをフィーチャーしたもので、ハード・バップにカウント・ベイシーのスウィング感をふん だんに盛り込んだような秀逸な作品群でした。さらにこの時期、ジョーンズは活動を幅をどんどんと広めており、サラ・ヴォーンやフランク・シナトラなどの シンガーを含め、さまざまなアーティストたちと仕事をこなしていましたた。

以後、映画やTVのサウンド・トラック制作にも力を注ぎ、いずれも大成功を収めまた。 70年代に入ってから彼が制作する作品はファンキーなものへと変化していき、商業的音楽面を重視した作風になりつつありますが、リリースする度にシーンの第 一線へと返り咲くそのさまはあまりに偉大です。それも、作品のなかにジャズ、ファンク、ポップ、ラップといったあらゆる音楽を折衷させた、普遍性を持つ独自 の音楽観が存在しているからでしょう。


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2008年5月1日木曜日

ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?

私は中国語は、簡単な言葉をしゃべる程度なので、中国に関する主な情報は、日本語もしくは英語ということになります。中国に関する英語の記事を探していたら、面白い記事を見つけましたので、本日はこの記事をもとにして私の考えなどを掲載させていただきます。
上海のスターバックス・コーヒー店前でおどけて写真のポーズを取る中国の若者(MARK RALSTON/AFP/Getty Images)

中国民主化阻む若者のミーイズム=米タイム誌

【2008年8月9日】1978年から中国で実施されている「一人っ子政策」の若者は現在、20代となり、総人口の4分の1を占めている。急成長を遂げた中国経済の恩恵を浴びて育った彼らは、いわゆる自己中心的で、貪欲な消費者であるといわれている。米「タイム」誌アジア版7月号は、「中国のミー・ジェネレーション(Me Generation)」と題したカバーストーリーを掲載し、政治・民主化に無関心な若者たちのミーイズム(自己中心主義)が、中国の民主化を阻んでいると分析した。

タイム誌のサイモン・エレガント(Simon Elegant)記者が取材したのは、中国都市部に住む典型的な若者6人。話題のレストランに集まり、最先端ファッションに身を包む彼らの職業は会計士、保険数理士などで、北京にある外資系企業に勤めるエリートである。彼らは旅行、グルメ、ダイビング、スキー、インターネット、iPod、クレジットカードなどの話題で盛り上がるが、唯一触れないのは「政治」である。

政治に無関心な点は、中国の新世代と親世代の根本的な違いだとエレガント氏は指摘する。親世代は、大躍進、文化大革命などの苦い過去を経験している一方、新世代にとってそれらの事件は既に歴史でしかない。六四天安門事件が起こった時は、新世代はまだ幼かったため、改革のための原動力とするほど覚えているわけではない。インターネット、ビデオゲームを楽しみ、消費社会の波にのって成長してきた新世代は、現在の生活に不満があるわけではない。取材に応じたある若者は、「わたし達の生活は、とってもいいの。私は、レストランのウェイトレスの態度とか買い物に関して、自分の権利を気にするけど、民主主義とか、そのようなものは....私の人生には関係ないわ」。

中国の人口統計データによると、18歳から30歳の人数は約3億人で、中国総人口の4分の1を占める。スイスのある銀行の調査によると、中国の20歳から 29歳までの若者層は過去3年間の平均収入が34%程度上昇し、その度合いは他の年齢層を大幅に上回るという。自己中心的で、政治に無関心な「ミー・ジェネレーション」が望むのは、現在の生活の維持であり、経済成長が保障されることだけだ。ナイキ、スターバックスが大好きで、ブログに明け暮れる中国都市部の若者は、選挙権などに興味はなく、ましてや現政府を倒そうとは考えない。生活雑誌を出版する中国人によると、「彼らの望みは、民主主義よりも任天堂ウィーの方が先にくるよ」。

中国共産党(中共)にとって、最大の救世主はこの「ミー・ジェネレーション」だ。中共が経済成長を保障してくれる限り、彼らは満足しており、改革よりも「現状維持」が大切なのだ。中国ウォッチャーが予想していた、いわゆる「経済成長とミドルクラスの増大が、中国を民主化させる」というシナリオは、もろくも崩れ去ったとエレガント記者は指摘する。中共は現状維持に満足する「ミー・ジェネレーション」を大事にする一方、その犠牲となっている地方の農民への対応は疎かだ。農民の社会保障や教育、格差是正のための財源は、経済成長を維持するために使われる。しかし、このまま「ミー・ジェネレーション」が成長を続けるには、政府の改革が必要だ。ある若者は、「私たちは、自己中心的。自分のために生きることがいいの。それが、力となって、経済に寄与している。私たちの世代は、それで国のためになっているの」と語った。記事は、これら中国の若者たちが民主主義も中国を助けることになると気付いてくれるか否かで中国の将来が決まってくるだろうと締めくくった。


上海の街角を往来する若い女の子たち
(MARK RALSTON/AFP/Getty IMAGES)


ナショナリズムに燃える若者をどう見るか
この記事が世の中に出た、昨年の8月当たりまでは、最近新聞やテレビを賑わしている例のナショナリズム的中国若者のデモ活動はあまり見られませんでした。ただし、反日デモなどはありました。ニューズウィークの記者は、まずこの点を見逃しています。若い世代が反日で盛り上がるということは、本質的には今日のナショナリズム的なデモと変わりません。本日も中国内のフランス資本カルフールへの不買運動の様子がテレビで写されていました。

昨年の中国国内の反日デモ。これは、ナショナリズムの発揚であり、
本質的には、今日の聖火リレーのデモと変わらない。

攻撃の対象が国外の国際政治にも関わる分野ともなるとこれだけ盛り上がるのですから、若い世代は、決して政治に無関心なのではないと思います。なにかのきっかけがあれば、熱くなるのです。内に向かないというより、向けないというのはなぜかということは後回しにします。

YAPPieやDINKSのいたかつてのアメリカ
このニューズウィーク誌の記者は、中国の若者のミーイズムと言っていますが、現代中国は指導層から一般市民まで、かなりミーイズムの状態になっているといえます。毒餃子の件から、腐敗した官僚から、他のことに至るまで見ているとと全く傍若無人といってもいいくらいのミーイズムのように見られ、特に若い世代がということではないと思います。

それに、この記者は少し前の80年代のアメリカ人のミーイズムをすっかり忘れています。

アメリカにも、ミーイズムの権化で、自分のことと消費生活にしかほとんど興味を持たない層が80年代には、存在していました。それは、YappieならびにDinksです。これらの層は両方とも、政治にはあまり関心を示しませんでした。

ヤッピーとは「ヤング・アーバン・プロフェッショナルズ=Young Urban(都市・都市に住む・都市に慣れた) Professionals(職業の・職業に従事する・専門職の)」の頭文字「YAP(ヤップ)」に人化する接尾語「-ie(-ee)」を付けたもので、 都市や都市周辺部を基盤とし、知的職業に従事する若者(主に30代後半~40代前半が対象)やサラリーマンの中でもエリートと呼ばれる若手のことです。 なお、ヤッピーは1960~70年代にブームとなったヒッピー(Hippie)に対して出来た言葉で英語ではYappieと書くカタカナ英語です。1980年代に流行語となったが、現在ほとんど使われなくなった死語です。

Dinksとは"Double Income No Kids"の頭文字をとった略語です。直訳すると「二重の収入があり子供達を持たない夫婦」という意味になります。本来、アメリカから発生した一つのライフスタイルの形態をさして、こう呼ばれています。加えて"Dinks"という意味には、「結婚しても、あえて子供達を作らず、夫婦お互いの価値観を尊重しあい、子供達に影響されず、 豊かな収入を得て、二人のライフスタイルを楽しみながら生きていく」 といういかにもアメリカ的な「ご都合主義的」なニュアンスも含まれています。 この言葉も現代ではほとんと死語に近いです。

この二つの層は、アメリカがかなり豊になってから後の80年代の比較的アメリカの経済が順調で、先行きもまだ明るい時代の階層でありましたが、だからといって、YappieやDinksがアメリカの民主化を妨げているとか、後退させているなどの論調は見当たりませんでした。私も、そう思います。これらの層は、民主主義に対する脅威でも何でもありませんでした。

だから、中国の若い世代が政治には無関心だからといってそれが中国の民主化を妨げているとは思えません。そのようなことはないでしょう。民主化を妨げているのは、彼らではありません。

言論統制弾圧、人権侵害など知らないアメリカ人

それに、このタイム誌の記者は、「親世代は、大躍進、文化大革命などの苦い過去を経験している一方、新世代にとってそれらの事件は既に歴史でしかない。六四天安門事件が起こった時は、新世代はまだ幼かったため、改革のための原動力とするほど覚えているわけではない。」などと簡単に片付けていますが、そのようなことはありません。

私は先に、「中国分裂の筋書-(4)毛沢東を統合の象徴にできない中国中央政府の苦悩」の中で以下を記載しました。

共産主義黒書』では、ジャン・ルイ・マルゴランが、ほぼ信頼できる数値として、内戦期を除いた犠牲者の数を、以下のように統括的に提示しています。

■体制によって暴力的に死にいたらしめられた人
                    700万~1,000万人(うち数十万人はチベット人)
■「反革命派」として強制収容所に収容され、そこで死亡した人
                    2,000ないし4,300万人

これらの記憶は、今での中国の人々の心のなかに生々しく残っていると思います。おそらく、ほとんどの人が、自分の親や、親戚や知人の誰かが直接の被害者になってるか、あるいは間接的に多くの人からその事実を聞いていると思います。また、現代でも地方政府の官僚が不正行為を働いた咎により死刑にもなっています。中国共産党は、体制を守るためには何でもやるという恐ろしい記憶が人々の中に残っていると思います。さらに、天安門事件はわずか20年ほど前の出来事です。人間の情念は、簡単に消えるものではありません。相当長い間保持されるものです。

確かに現在の若い世代は、直接は経験しなったものの、親やその他の人から聞いて、底知れぬ恐怖感を潜在意識の中に秘めていると思います。子供の頃に聞いたお化けの話とか、幽霊の話とかを覚えていると人がいると思います。もし、それが作り話ではなくて、それらが本当に出てくる可能性が相当高いとしたら、どうしますか?かなり怖いと思います。それと、同じことだと思います。おそらく、ある程度の年齢になれば、例外なく親や兄弟から、どんなことがあっても中国共産党には逆らうな、逆らえれば破滅すると教え込まれていると思います。破滅の具体例も聞いていると思います。テレビやマスコミにも報道されず、社会でも公にはされず、直接経験はしないだけに、かえって空恐ろしく、ある程度トラウマに近い形で潜在意識に刻み込まれていることでしょう。このような恐怖感は、おそらく生まれたときよりも、相当前から比較的自由な世界になじんだアメリカ人には理解できないと思います。

現代中国共産党を敵にはできない
このような恐怖感を潜在意識下に秘めた、若い世代は、政治には関わらないという姿勢をみせることによって、自らを守っているのだと思います。それも、ひょっとすると顕在意識ではなく、潜在意識がそうさせているのかもしれません。政治にさえ関わらなければ、恐ろしいこととは無縁でいられると思っているに違いありません。実際今でも、現代中国共産党を敵にまわせば、身辺に危険が及ぶということは間違いのない真実だと思います。現代中国共産党も体制を保持するためには、何でもするという姿勢を崩していないと思います。こうした恐ろしい怪物のような大きな存在が、彼ら若い世代の背後にいつも存在し続けているということを忘れていては、中国に対する正しい認識は持てません。

私は、先に「中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?」のなかで、現代中国若手作家張悦然のこのような言葉「同世代の共感をよぶこと でこの上ない充実感を得ているのであって、社会を変えたり、他人の人生に影響を与えようといった大それた目的などもっていない」を引用しました。そうして、この言葉の裏には、体制 派に組み込まれることはなく、中国固有の政治のための文学などもうとう興味がないという意思の表明だと思います。さらには、中国内でも長い間にわたって培われて伝承されてきた、体制から身を守るための知恵が感じられます。

現代中国の若者は、何も政治に無関心なのではなく、無関心を装うことで、体制から身を守っているのだと思います。

人間はもともと社会的生き物である
アメリカでは、随分前から、情報よりコミュニケーションの方が重要であるということが言われています。コミュニケーションとは『私たちの中の一人から、私たちの中のもう一人に伝わるものであり、コミュニケーションをとるべき人々とあらかじめ「私たち」という関係を気づいておく必要がある』としており、コミュニケーションを円滑にするためには、価値観を共有できる共同体が重要であるといわれるようになりました。さらに共同体についての研究が進んでおり、特に都市には新たな共同体が不可欠であるとか、企業などの組織内に共同体をつくろうとか、共同体の大儀が重要だとか、西欧的個人主義は駄目だとさえいうようになってきています。これは、「昨年「Web2.0的話題-未来社会への変革(ピーター・ドラッカー財団共著)」にも掲載したとおりで、アメリカでは、10年ほどまえから、共同体の重要性に着目し、最新の経営技法(営利、非営利問わず)の中にも取り入れられています。この共同体という観念からすると、現在のアメリカの最先端を行くような組織の人々の方が、仲間や共同体を非常に大事にするようになり、いわばかつての日本的になり、今の一般の日本人が一昔前の馬鹿なアメリカ人のようになっているような気さえします。

アメリカの最新経営技法を例として持ち出すもなく、人間は、もともと一人では絶対に生きてはいけない社会的存在です。そのことに、中国の若い世代もいずれ気がつくでしょう。若い世代全部ではなくても、すくなくとも80後世代の一部の私がいうところのゼリー層(80後世代は中国全土で2億人、その経済的に恵まれいる上位の2000万人を私はゼリー層と名づけている)は気がつくことでしょう。現在では、ゼリー層も年齢が未だ18歳~27歳であり、社会的地位もさほど高くはなく、仕事面でも自分が頑張れば何とかなる状況にあり、まだ、そうした自覚はないでしょう。

しかし、
彼らがある一定の年齢以上になって、社会的地位も上昇した場合、ミーイズムだけではどうにもならないことに気がつくでしょう。まさに、いわゆるハングリー精神といわれるような「オレ、オレ、オレ、金、金、金」のようなメンタリティーではどうにもならなくなることに気がつくでしょう。自分のためだけに生きることほど空しいことはありません。自分以外の他の人のためや、さらにはもっと大きな存在のために生きることこそ、価値のあることに気がつくことでしょう。

そのとき、彼らが、革新の担い手になることでしょう。また、そのときこそ、中国は分裂し、分裂後の民主中国樹立のために、国づくりに多くの人材が必要になっている時期とも符号すると思います。(この論考は、中国がオリンピック後10年を経て分裂することを前提としています。中国分裂に関しては、この論考の一番最後のほうに、前の記事を参照できるようにURLを貼り付けておきますので、そちらをご覧ください)

中国を民主化できるのはゼリー層しかいない
さてここまで、アメリカのタイム誌の記事について、反論を掲載してきました。ここまで読んでいただき有難うございます。ここで、結論を述べなければならないと思います。

私の持論では、中国は何も、若い世代が革命を起こさなくても、近いうち(10年から20年後)に崩壊します。ダライ・ラマはそのことを見通していると思います。というより、現代中国のあり方を精査すれば、誰にでも理解できることだと思います。

しかし、問題は、中国分裂後のことです。分裂してそのままでは大変なことになってしまいます。やはり、規模は小さくても、現代の中国人にとっても、近隣諸国を含む他の国々にとっても現代中国の版図に一定の影響力を及ぼすことができる、新生民主中国が必要になってきます。そのとき、誰が国づくりを行うのでしょうか。それも、できれば、日本も含むアジア圏や世界を繁栄させることに寄与できるような国づくりが必要となってきます。私は、これができるのは、現代中国の若い世代の中でも、ゼリー層以外にないと思っています。

現代中国共産党の流れを汲むものでは無論、全く駄目だと思います。他の層たとえば、同じ若い世代でも、カルフールの不買運動などて派手なデモをする、その他大勢の若者たちでは無理だと思います。彼らは、自ら考えることはできず、民主主義や資本主義の本質も理解できません。ゼリー層の敷いた路線をひたすら働き蜂のように歩むことだけに専念するしかないと思います。また、そうしたときに始めて彼らの存在価値がでてくるものと思います。もしここで彼らが反抗勢力となれば、その首謀者はことごとく打ち滅ぼさなければならなくなります。大きな変化の後には、必ず揺り戻しの時期がきます、ゼリー層はこれらに対処していく必要が出てくるでしょう。

カルフールに対する不買運動を展開する女性(ロイター19日)

そうして、私は、中国ゼリー層を良い方に導くことができるのは、日本だと思っています。日本の良識ある層のみが導いたり、保護できると思っています。70年代から、日本から輸出されはじめた、ゼリーを食べて育った世代に、今度はゼリーではなく、それこそ日本では導入に失敗してしまった真の民主主義のあり方、国家の品格、より良い社会のあり方などを授けるのです。経済ばかり追求するのではなく、日本でいえば明治維新の時のように、社会変革を強力に推進する道を授けるのです。また、日本が歩んだ明治維新での失敗の二の舞を踏ませないように、慎重に授けるのです。日本の政財界の中でも、低級な連中がやると、かえって壊してしまうかもしれないので、何らかの手段で新たなにNPO、NGOを作り出し実施していくのが良いかもしれません。無論、実施するのはゼリー層です。日本から授けたものを取捨選択したり、それを参考として新たな方法を彼ら自身が開発して実施すれば良いのです。日本は、単に援助したり手助けをしたりするだけです。強制はしません。

アメリカの場合は、特にファンドなどが関与すると、アメリカ流自由主義の悪い面だけ強調されると思います。そうして、その成れの果てに、現在の韓国のようにアメリカの経済植民地のようになってしまいかねません。それを許してしまえば、アメリカ自体も一時得をしたようにみえるかもしれませんが、結局アメリカを含む全世界にとって大きな損失となってしまいます。アメリカが関与するなら、それこそ、先ほど掲載した
ピーター・ドラッカー財団のようなアメリカの良識を代表するようなNPOに限るべきだと思います。巨大ファンドなどには、間違っても間接的にでも関与させるべきではありません。

2007.12.1発刊(エイアンドピープル)。昨年夏に創刊されたばかりの中国富裕層向けに日本のトレンドを紹介するフリーペーパーの第2号。この号の特集は「銀座」。このフリーペーパーは、銀座三越の入り口にも設置されていました。中国ゼリー層は、日本の情報に関しても貪欲に吸収しています。若者向けのファッションや、音楽、アニメなども非常に人気があります。若い世代にとっては、日本はさまざまな文化の仕入先でもあります。

いずれにせよ、今後の中国の趨勢にとって最も重要なのはゼリー層であり、現在彼らは体制から身を守るために、政治的無関心を装っており、彼らの現在のミーイズムは、一過性のものであるということです。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。私の説明不足から、以上の論考、以下の記事を読んでいないと理解できない部分もあるかもしれません。まだ、読んでいない方は是非ご覧になってください。
■ゼリー世代のミーイズム-体制から身を守る知恵か?

■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?

■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?

■中国分裂の筋書き-(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄

■中国分裂の筋書き-(その9)日本の対応は?

■中国分裂の筋書き-(その8)迫られる中国の選択

■中国分裂の筋書き-(その7)忘れてはいけない中国の不良債権

■中国分裂の筋書き-(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々

■中国分裂の筋書き-(その5)他の人達はどう思っているのか?

■中国分裂の筋書き-(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩

■中国分裂の筋書き-(その3)中国バブルの真実

■中国分裂の筋書-(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない

■中国分裂の筋書-(その1)繰り返される歴史

■中国"義歯"から鉛「安全に問題」

■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名

■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?

■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情


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2008年4月30日水曜日

Invitaion For Jazz - David Sanborn

Smile by David Sanborn


本名:デヴィッド・ウイリアム・サンボーン。1945年7月30日にアメリカ合衆国フロリダ州タンパ生まれ。

幼い頃セント・ルイスに移り住んだ彼は小児麻痺にかかり、医者の勧めでリハビリとして中学生の時にサックスを始めました。

町のR&Bクラブによく出没し、ブルースやジャズにのめり込んでいった彼は、ノースウェスタン大学とアイオワ大学で本格的に音楽を学びました。

67年から71年までポール・バターフィールド・ブルースバンドのメンバーとして活躍し、伝説のライブ”ウッドストック”にも出演しています。その後ニューヨークへ移り、スティービー・ワンダー、ポール・サイモン、ジェイムズ・ブラウン、デヴィッド・ボウイ、イーグルス、ブルース・スプリングスティーン、ジェームズ・テイラー、ローリング・ストーンズ等々、数多くのミュージシャンのセッションに精力的に参加しています。



75年にアルバム『テイキング・オフ』でソロ・アーティストとしてデビュー。そのワン&オンリーのサックスの音色とスタイルはアルトサックスの新たな魅力を引き出し、フュージョンサックスの新たなスタイルを確立。現代におけるアルトサックスのスタイルはチャーリー・パーカーのスタイルとサンボーンの確立したスタイルの二つしかないとも言えるほど彼がアルトシーンに与えた影響は計り知れず、現代のフュージョン・サックスプレイヤーで彼の影響を受けていない者を探すのは難しいくらいです。

ジャズ/フュージョン界を代表するサックス・プレイヤーとして、様々な分野で才能を発揮。2004年までに19枚のソロ名義のアルバムを出し6度のグラミー賞を受賞。3つのプラチナディスク、7つのゴールドディスクを獲得するという人気と実力を誇っている。現在までに彼のアルバムは全世界で700万枚近いセールスをあげている。まさに現代アメリカ・ジャズ・フュージョン・シーンの大物中の大物の一人です。

洗練され、個性的でユニークな彼のプレイを愛する熱烈なファンは日本にも数多く、ブルーノート東京や各種雑誌の人気投票で1位になる等毎年末に来日するライブは常に超満員となる人気の高さを示しています。

デビッド・サンボーンのリーダー・アルバム
テイキング・オフ  Taking Off (1975)
メロウ・サンボーン David Sanborn (1976)
流麗なる誓い Promise Me The Moon (1977)
ハート・トゥ・ハート  Heart To Heart (1978)
ハイダウェイ  Hideaway (1980)
夢魔  Voyeur (1981)
ささやくシルエット As We Speak (1982)
バックストリート Backstreet (1983)
ストレイト・トゥ・ザ・ハート Straight To The Heart (1984)
チェンジ・オブ・ハート A Change Of Heart (1987)
クローズ・アップ Close-Up (1988)
アナザー・ハンド  Another Hand (1991)
アップフロント Upfront (1992)
ヒアセイ  Hearsay (1994)
パールズ  Pearls (1995)
ソングス・フロム・ザ・ナイト・ビフォー Songs From The Night Before (1996)
インサイド  Inside (1999)
タイムアゲイン  Timeagain (2003)
クローサー  Closer (2004)

このブログで取り上げた過去のInvitation。反転文字列をクリックすれば、当該記事に飛びます。

■JOHN PIZZARELLI-ジョン・ピザレリ
■BERARDI JAZZ CONNECTION-ベラルディ・ジャズ・コネクション
■HARVIE HANCOCK -ハービー・ハンコック
■TOKYO ZAWINUL BACH-東京ザビヌルバッハ
■SADAO WATANABE-渡辺 貞夫
■TOM SCOTT-トム・スコット
■LOIS ARMSTRONG-ルイ・アームストロング
■JOHN COLTRAIN-ジョン・コルトレーン
■THE JAZZ INVADERS-ザ・ジャズ・インベーダーズ
■KEITH JARRET-キース・ジャレット
■ELECTRO DELUXE-エレクトロ・デラックス
■TRIBAL TECH-トライバル・テック
■MARK MURPY-マーク・マーフィー
■NORMAN BROWN-ノーマン・ブラウン
■TONY MONACO-トニー・モナコ
■DAVE KOZ-デエィブ・コズ
■ROOM ELEVEN-ルーム・イレブン


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2008年4月29日火曜日

中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?

中国文壇のゼリー世代
中国文学の世界では、80後(はちじゅうご)は、中国の1980年代生まれの作家たちをさします。改革・開放時代に生まれ「1人っ子政策」で育った彼らは、同世代以下の若者たちから圧倒的な支持を得ています。80後世代は、日本から輸入された、ゼリーを食べて育った世代ということで「ゼリー世代」とも呼ばれています。

24歳の郭敬明は女子中高生たちのカリスマ的存在で、青春期の友情や愛、痛み、鬱積、憤怒をテーマにしながらも「1人っ子世代」特有の孤独感がにじむ作品が人気。新作を出すたびにベストセラーとなり、各地で開かれるサイン会は数千人の熱狂的なファンをいつも集めているといます。

郭敬明

北京在住の25歳の女流作家・張悦然は、「自分の生活に密着した好きなものを気の向くままに書き、それが同世代の共感をよぶことでこの上ない充実感を得ているのであって、社会を変えたり、他人の人生に影響を与えようといった大それた目的などもっていない」と述べています。

張悦然

中国共産党の指導下にある中国作家協会も「80後」の実力を無視することができず、他の代表的「80後」作家ら8人の加入を認めた。同協会の主席・鉄凝も彼らの市場シェアは10%あり、我々は絶えず新陳代謝が必要だと述べ、市場への影響力をもつ若手作家を「体制内」に取り込もうとしています。しかし、80後世代は、それ以前の文壇とは全く価値観が異なるので、体制内に本格的に取り込まれることはないでしょう。

張悦然の明かす「同世代の共感をよぶことでこの上ない充実感を得ているのであって、社会を変えたり、他人の人生に影響を与えようといった大それた目的などもっていない」という言葉の中には、体制派に組み込まれることはなく、中国固有の政治のための文学などもうとう興味がないという意思の表明だと思います。これらの作家達の作品は、たとえ日本語訳したとしても日本人にはほとんど受けないと思います。韓流の域にも達していないと思います。まだまだ、はっきりいって低水準です。しかし、その潜在的可能性は大きいです。

さて、私が以前このブログの中の「中国分裂の筋書」の中で述べたように、2018年に中国が分裂し、新生民主中国(現代中国の指導者およびその流れを汲む指導者が失脚し、民主化、法治国家化、政経分離化が達成され、チベットなどの周辺諸国が分離独立した中国)が出来上がったときに、新たな思想やライフスタイルを提唱するのがこの人たちだと思います。そのときにこれらの世代の真の力量が発揮されるのだと思います。それ以前の人たちには、到底無理でしょう。

後80世代を特徴付けるキーワード
さて、80後に対する中国の国内での評価はどのようなものなのか?以下にその調査結果があります。

【調査概要】
1.調査企画:サーチナ、藤時龍太
2.調査方法:上海サーチナ「新秦調査」上のインターネット・アンケート画面での回答
3.調査対象:上海、北京、広州。各都市20代、30代、40代、男女で均等割付け
4.調査期間:2008年3月10日から2008年3月15日
5.回答者数:300人

中国で80年代以降の世代をさす「80後」というキーワードがあるが、彼らはどのような層なのだろうか? 彼らを形容するのに最もふさわしい言葉を聴いてみたが、最も多かったのは、「ネット世代」で、3割強。広州にいたっては、約50%である。

ただし、月収を使いきってしまうという意味の「月光族」や「わがまま」、「困難にくじけやすい」なども高く、多少の地域差もあるものの、総じてこれらキーワードはどれも「80後」を指すのにふさわしい、ということだろう。

ゼリー層
さて、この80後世代、日本でもマーケティング関連の人々が新たに中国国内の消費を牽引する世代であるとしていますが、私は必ずしもそうではないと思っています。現在中国国内には2億人という数の80後世代がいるとされてますが、これらをひとくくりにすることは、不可能だと思います。なぜなら、日本国内で考えるほど中国の社会は均一ではなく、日本の格差社会どころではない、想像を絶する貧富の差があるからです。私は、現在中国政府の発表するGDPに関しては、ほとんど信頼していません。しかし、鵜呑みにしたとしても、中国の一人あたりのGDPは世界の中では、100位前後です。このような国では、貧富の差がありすぎて、ある世代をひとくくりにすることは不可能です。もともと、一つの世代を団塊の世代などとひとくくりにできたのは、世界の中でも日本だけ、それも戦後の高度成長時代の比較的短い間だけです。

この80後世代のほとんどが、中国人から見るので、思考形態や行動様式が変わって見えるだけであって、日本人などが見れば、大部分がそれ以前の中国人とたいした変わりはしないと思います。従来の思考様式、行動様式の延長戦上から一歩も逸脱せず、ただしインターネットなどで情報収集量が増えただけだと思います。このそれ以前とたいした変わらない若い連中が、その他大勢としてオリンピック聖火リレーなどで、政府に簡単に扇動されて騒いだり、過去には日本大使館に投石したりしているのだと思います。

2億人中の経済的に比較的恵まれた約1/10の2,000万人くらいが、ゼリー世代の中でも日本人からみても、明らかにそれ以前の中国人と思考様式や行動様式が変わっている層か、あるいはその様式にかなり親近感を持つ層と認識できるものと思います。これらの層を私はゼリー層と呼びたいと思います。これ以外のゼリー世代は、日本からは想像もできないほどの貧困にあえいでおり、日々生き抜いていくことで精一杯で、新たな思考や、行動様式などとは無関係だと思います。

ただし、民主中国になってからは、これらの人々は自分で考えたり、新しい創造はできないものの、いろいろな新しい政策や思考や文化などの最初の受け皿になる人々です。こうした、受け皿がなければ、新たな考え方や文化などは普及しないので、そういった意味では重要になってくる人々です。20年後あたりに、この層の中年が「長野の聖火リレーで大暴れしてきた。あのころは若かったら、今ではとってもできませんね」などと述懐しているかもしれません。

これら、2000万人の中さらに1/10程度の200万人の、非常に能力があり、経済的にも恵まれている連中が、将来の新生民主中国の指導層になると思います。これらの、層はあらゆる面で活躍しますが、特に新たな思考様式、行動様式の規範となり、新たな国を築いてくことでしょう。これらが、イギリスでいうところの、ジェントルマンのように数は少ないが、イギリスの大儀、理念などに大きな影響力を持つような層となることでしょう。私たちはこの層に今から、着目していく必要があります。オリンピックの聖火リレーで騒ぐ人たちや、旧態依然とした現代の中国官僚には未来を切り拓いていく力はありません。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。

■China Fashion Week 開催さる-中国ゼリー層にも押し寄せる情報洪水

■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?

■中国分裂の筋書き−(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄

■中国分裂の筋書き−(その9)日本の対応は?

■中国分裂の筋書き−(その8)迫られる中国の選択

■中国分裂の筋書き−(その7)忘れてはいけない中国の不良債権

■中国分裂の筋書き−(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々

■中国分裂の筋書き−(その5)他の人達はどう思っているのか?

■中国分裂の筋書き−(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩

■中国分裂の筋書き−(その3)中国バブルの真実

■中国分裂の筋書−(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない

■中国分裂の筋書−(その1)繰り返される歴史

■中国"義歯"から鉛「安全に問題」

■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名

■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?

■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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2008年4月28日月曜日

Invitation For Jazz - John Pizzarelli

John Pizzarelli -I Got Rythm


ジョン・ピザレリはイタリア系で、唄も歌うギタリストです。父親バッキーは有名なスイング派の地味なギタリストで、初期のころ、ジョンは親父と一緒に演奏していました。

ジョンは昔から徹底してナット・キング・コールが好きだったといい、かつてのナット・キング・コール・トリオを手本にした歌うギター・トリオで売り出しました。彼はイタリア人特有の人なつっこさと、エンタテインメント性を持っており、彼のステージはじつに楽しいものです。ユーモアのセンスがあるので、ナット・キング・コールそっくりに歌っても嫌味がなく、魅了されてしまいます。


彼は1997年には、ブロードウェイ・ミュージカル『ドリーム』に出演し、ジョニー・マーサーが作詞した歌を劇中でギターを弾いて歌い、大いに注目されました。



彼のアルバムで聴きものは、なんといってもナット・キング・コールものです。その代表が「ディア・ミスター・コール~バイ・リクエスト」だ。このアルバムはレギュラー・トリオではなく、ベニー・グリーン(p)、クリスチャン・マクブライド(b)の共演なので、ジャズ演奏としても秀逸であり、スケールが大きいです。そして、選曲は日本からのリクエストによるものなのだから申し分のないものとなっています。〈ペイパー・ムーン〉、〈表通りで〉、〈ネイチャー・ボーイ〉、〈ルート66〉、〈スウィート・ロレイン〉、〈ストレイテン・アップ・アンド・フライ・ライト〉、〈アンフォゲッタブル〉とナットのヒットがずらりと並んでいるのだから嬉しくなります。歌は白人だけにナットよりは明るく、粋なセンスの点では、マット・デニスやボビー・トループに通じるものがあるが、やはり白人ナットの印象が強強いです。なお、18曲中、〈ルック・フォー・ザ・シルバー・ランニング〉は日本盤のみのボーナス・トラックです。この歌の哀愁感の出し方はみごとであり、歌手としての成長が感じられます。


このアルバムの続編として製作されたのが、「P.Sミスター・コール」であるが、前作に劣らず立派な出来栄えであり、自己のトリオによる演奏なので、しっとりとして落ち着いたムードがあり、親しみやすさがあります。ここでもコールの愛唱歌を歌っていますが、〈ウォーキング・マイ・ベイビー・バック・ホーム〉、〈センチメンタル・リーズン〉、〈テンダリー〉、〈エンブレイサブル・ユー〉がとくに心に残ります。また、2曲にゲスト出演しているハリー・アレンのテナー・ソロも大きな聴きものとなっています。〈ドント・レット・ゴー・トゥ・ユア・ヘッド〉と〈あなたに飽きて〉でハリーのテナーを聴け、いいアクセントの役を果たしている。これも彼のベスト・アルバムだ。

ビートルズの曲を収めた「ミーツ・ザ・ビートルズ」にはちょっと驚きました。キング・コールからビートルズに飛躍したからです。しかし、考えてみれば、若いジョンがビートルズを聴いて育ったことは十分に考えられるところです。しかも、ビートルズ体験をただストレートに歌ってすませているだけではなく、彼流にジャズにして歌っているのがいいです。いわゆるニュー・スタンダード化であり、どの曲にも彼一流のひねりが利いていています。〈キャント・バイ・ミー・ラブ〉、〈ヒア・カムズ・ザ・サン〉、〈エリナー・リグビー〉など大いに楽しめた。トリオ・ブラス・ニューヨーク・オールスター・ビッグ・バンドで、ケン・ぺブロウスキー(cl)、ハリー・アレン(ts)までゲスト出演していて絢爛豪華です。

ちょっともどって、「レッツ・シェア・クリスマス」も息抜きにおもしろい。〈レット・イット・スノウ〉、〈ホワイト・クリスマス〉、〈そりすべり〉、〈ザ・クリスマス・ソング〉までを歌うのがすごいです。クリスマスものがちゃんと歌えれば、歌手としても一流の証明になります。

など、など書いていると、きりがなくなるが、ジョン・ピザレリです。小粋でお洒落なジャズ・ギターと歌でどのアルバムも大満足です。皆さんも是非お楽しみください。

2008年4月27日日曜日

チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる、中国ゼリー世代!?

Chairman Mao 2002
Feng Zheng Jie

私は、このブログの中で「中国分裂の筋書」という連載を掲載しました。そうして、その一番最後の10回目で、「パクスマリーナが拓く世界の大繁栄」という民主中国と日本による大繁栄の筋書きを書きました。しかし、それを成就するには、中国の新たな世代の一部に存在する新たな力が台頭していることを謙虚に学び、彼らがどのような考え方や、行動をするのかを謙虚に学んでいく必要があります。

北京オリンピックの開催を控えた中国の経済成長、バブルについては様々なメディアでその光と影が取り上げられています。そして、バブルと言えば、中国の現代アート。今、世界中から注目を集め数年前には信じられないような値段で取引されています。90年代には数百ドルで売れれば良かった中国人アーティストたちの作品が、いまは天文学的な金額で売れていて、その値段の高騰ぶりは、日本の現代アートを代表する村上隆さんをも軽く抜き去ったこともあるほどです。

Big Family   一家人
張 暁剛 ZHAN XIAO GANG (1958-)

数年前までは食べることにも困っていた中国人アーティストたちが、家や別荘なら2、3軒、高級外車なら2、3台は当たり前、ベンツは「成金」の匂いがするので、買うならアウディ、というセレブ生活を謳歌するようになっているのです。しかし、急激に上がった価格は下がるのも早い、と指摘する専門家もいます。

そして、こんなバブル景気に危機感を抱くアーティストや美術関係者もいるわけで、その中心とも言えるのが、“ゼリー世代”、と呼ばれる人々。1970年代に日本から中国に入ってきたゼリーを子供の頃に食べて育った世代です。

Great Criticism Coca Cola    大批判 - Coca Cola
王 廣義 WANG GUANG YI (1957-)


一見、バブルに浮かれているかのように思える中国のアート界。しかし、一方ではもうその先を見据えて動き始めた人々がいます。それが、ゼリー世代です。


中国で一般に評される「ゼリー世代」(=「80後」)世代について整理しておきます。

1. 改革開放後に生まれ、経済発展の恩恵をそのまま享受しながら成長した。
2. 一人っ子世代で、自己愛や自己主張が強いが、ひ弱で忍耐力がなくプレッシャーに弱い。
3. 高学歴で、ネット情報収集力が高い。金銭感覚が開放的。蓄財より消費を優先する新人類。

彼らは、90年代以降の高度経済成長期に成長したため、昔や田舎の中国人みたいな食べるための苦労など想像がつきません。おまけに1979年以降、都市部を中心に徹底された一人っ子政策の申し子だから、甘やかされて育ちました。2000年以降の本格的な消費社会への突入で、物質的な豊かさを疑うことなく生きてきた、おそらく中国で初めての世代といえます。

2008年現在、この世代にあたる18~27歳の人口は約2億人(ただし、格差の大きいこの国ではそのすべてが「80後」的な境遇にあるわけではありません。実際は都市部のそれも一部の若者に限られます)。ただし、この一部の世代の行動や考え方が、広く支持を受けるということは、十分考えられます。イギリスには、ジェントルマンという、イギリス人の理念ともなっている階層があるが、彼らの階層も全人口からすれば、数パーセントに過ぎません。この数パーセントが、イギリスの理念ともなっています。「市場経済」「グローバル化」「インターネット」の世界で、“消費世代”として暮らす彼らの人生観は、これまでの中国人とはまったく違うといいます。彼らは新しい中国を担うエリート予備軍とみなされています。かれらは、今のエリート層とは全く違った思考様式と行動様式を持っていると考えれます。

これらの世代はおそらく、2018年頃に中国が崩壊したあと、しばらく動乱があった後に民主中国の中核的地位につく人達です。私たちは、この世代をもっと研究し、次世代の指導層のものの考え方や行動様式を研究する必要があります。

今回は、ここまでとして、ここしばらく、このブログでの中国関係の記事は、「ゼリー世代」に注目していきます。

以下にこのブログに掲載した中国関連の記事を提示します。反転文字をクリックすれば、当該記事に飛ぶことができます。

■中国ゼリー層-明日の中国を牽引する原動力となるか?

■チャイナ・アート・バブルにも冷めた見方のできる中国ゼリー世代?

■中国分裂の筋書き−(その10)パクスマリーナが拓く世界の平和と大繁栄

■中国分裂の筋書き−(その9)日本の対応は?

■中国分裂の筋書き−(その8)迫られる中国の選択

■中国分裂の筋書き−(その7)忘れてはいけない中国の不良債権

■中国分裂の筋書き−(その6)現代中国の混乱ぶりを現す動画の数々

■中国分裂の筋書き−(その5)他の人達はどう思っているのか?

■中国分裂の筋書き−(その4)毛沢東を統合の象徴にすることができない中国中央政府の苦悩

■中国分裂の筋書き−(その3)中国バブルの真実

■中国分裂の筋書−(その2)革命でもなければ現代中国は変わらない

■中国分裂の筋書−(その1)繰り返される歴史

■中国"義歯"から鉛「安全に問題」

■中国産原料を使ったヘパリン製剤で自主回収へ・・・・米国では死者21名

■世界一人当たりのGDP(国内総生産)と、一人当たり資産−これでも中国は経済大国か?

■南京虐殺記念館に対する日本政府の申し入れに関して考えた、中国のお家事情

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沈むハリウッド、日米コンテンツ産業逆転の理由 ―【私の論評】ポリティカル・コレクトネスに蝕まれたハリウッド映画の衰退と日本のコンテンツ産業の躍進

沈むハリウッド、日米産業逆転の理由 ■ Forbs Japan日本編集部 まとめ 日本のコンテンツ産業、特にアニメが国際的に人気を博しており、非英語番組の需要が増加中。 米国のZ世代は日本のアニメを好み、動画配信やゲームの普及がブームを加速させている。 日本のコンテンツ全体が注目...