2014年12月6日土曜日

制空権「日本は確保困難」 中国軍、尖閣念頭に分析―【私の論評】中国が最も危惧するのは、"日本が自衛隊を使って尖閣から中国を排除すること"! 中国の情報戦に翻弄されるな(゚д゚)!




 中国人民解放軍の専門家が航空自衛隊を中心に日本の戦力を検討した報告書で、沖縄県・尖閣諸島周辺をめぐる有事を念頭に「日本による制空権の確保は困難」と断定していることが5日、分かった。日本は作戦機が少なく作戦持続能力が低いことなどを理由に挙げた。海上封鎖などによる日本封じ込めで「経済だけでなく戦力も破壊できる」とも指摘した。中国軍筋が明らかにした。

中国軍による日本の戦力分析が明らかになるのは極めて珍しい。中国は昨年11月、東シナ海上空に防空識別圏を設定するなど航空戦力を重視しており、軍事対立を想定した検討が本格化していることを示唆している。

日本では、日中航空戦力比較で日本優位との見方が多い。ただ日本の次期主力戦闘機F35本格導入のめどがはっきりせず、中国の次世代戦闘機配備が先行すれば逆転するとの声もある。

報告書は空軍専門家らが共同で作成。日本の航空戦力の弱点について、艦船の護衛など多様な任務が求められる大規模局地戦で「空自の規模と作戦持続能力では十分に対応できず、制空権を奪って勝利するのは困難」と結論付けた。

また日本は90%以上の戦略物資や原料を輸入に頼っているとした上で、封鎖により輸入を30%縮小させれば経済と戦力を根本的に破壊できると指摘。さらに50%まで縮小すれば経済と戦力は「完全に崩壊する」としている。

空自が敵のレーダーを探知して攻撃する対レーダーミサイルや対レーダー無人攻撃機を所有していないことなどから、総合的な航空戦力は高くないと判断している。日米共同作戦の能力は初歩的に整っているとしつつも、米軍が参戦した場合の戦力には言及していない。

一方、将来的に中国と台湾が統一されれば、日本の海上交通路は、中国機が打撃できる範囲に入るとしている。

中国軍は作戦機約2600機、自衛隊は約420機を保有。戦闘機などの質やパイロットの練度は日本の方が高いとされる。
【私の論評】中国が最も危惧するのは、"日本が自衛隊を使って尖閣から中国を排除すること"! 中国の情報戦に翻弄されるな(゚д゚)!

上の記事、どういう目的でこのような報道をするのか、その背景を知るには、以下の動画が一番理解しやすいです。


この動画は、2014/08/29 に公開されたものです。軍事評論家で第29代航空幕僚長の田母神俊雄氏が、APECでの日中首脳会談の可能性と、中国軍機の米軍機への異常接近について語っています。

田母神俊雄氏によれば、戦争を始めるには中央政府の意思決定が必要で、準備には最低でも数ヶ月かかるんだそうです。自衛隊の情報収拾能力は高いですが、その自衛隊が調べても、中国が戦争準備をしている状況にはないことが明らかになっています。

また、田母神氏は、ジエット戦闘機の「異常接近」といっても6mくらいなら実はそれほど驚く距離ではないとも語っています。

要するに、中国軍の尖閣付近などでの、領空・領海侵犯などは、中国軍が戦争を仕掛けようとするのではなく、情報戦の一つであるとみるべきとしています。

では、現時点で中国が最も困るのはなんでしょうか。それは、日本政府が自衛隊を使って、尖閣から中国を排除することです。

中国としては、日本政府が戦争になると大変なので、尖閣くらいくれてやっても、良いのではと考えるように仕向けることが、領海・領空侵犯の真の目的だというわけです。

そもそも、いくら中国の軍事力が向上したといっても、まだまだの水準です。特に、対潜哨戒能力に関しては、雲泥の差というか、日本が世界のトップレベルにあります。航空機についても、中国のステルス機などまだまだ、ステルス性能が低く、まともなステルス機とはいえません。

中国のステルス機は、確かに、中国の性能の劣るレーダーでは捕捉されませんが、日本の自衛隊の性能の高いレーダだと完璧に捕捉されてしまいます。

ステルス性能がない、あるいはステルス性能が低い戦闘機は、どのような運命をたどるかといえば、現在ではすぐにミサイルで撃ち落とされるだけです。現代戦では、非ステルス機で出撃するということは自殺行為に他なりません。

これは、すでに1980年代にアメリカで実証実験されています。地上の他対空ミサイルを配備している基地をステルスではない戦闘機で攻撃するという想定のもとで実際にテストをしてみたところ、出撃したジエット戦闘機は一回の出撃で平均で6回も撃墜されるというテスト結果がでていました。まさに自殺行為です。だからこそ、ステルス機の開発がされたのです。

中国の思惑に乗らないためにも、マスコミなどのいうことには十分気をつける必要がありそうです。

上の記事も、中国にとって、都合良く日本国内で、対中国脅威論を高めるための記事であると考えるべきものと思います。

中国の現状では、制空権はおろか、もし本気で日本政府が自衛隊を用いて、中国軍を排除しようとした場合、全く太刀打ちできないため、日本国内での、中国の脅威を高め、あわよくば尖閣を濡れ手に泡で、自らのものにしようとする見え透いた企みがミエミエです。


日中戦は、中国政府による情報戦の一環ととらえるべき

昨年の夏頃には、中国国内のネットで、日中が戦ったらどういうことになるかという話題が盛り上がっていました。それに関する記事のURLを以下に掲載します。
【中国BBS】ネット上で盛り上がる日中の開戦をめぐる議論
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、中国では昨年の夏ネットで、他国が参戦しないことを条件として、日中が戦争をすればどうなるかという話題が盛り上がっていました。

全く根拠なしに、どのくらいの犠牲者が出るなどのことが取りざたされていました。そうして、この記事の結論は、以下のようなものでした。
  中国のネット上では日中開戦は間近との論調が多く、このような予測をしたスレッドも非常に多く存在する。これは中国メディアが“日本の右傾化”を煽って報道する傾向が強いためであり、中国のネットユーザーの多くが“日本と中国はまもなく開戦する”と信じているようだ。 
  一方、日本では日中が開戦するとは誰も真剣に検討すらしていないというのが現実ではないか。“反日教育は中国の内政問題から目をそらさせるためのスケープゴートである”との見方もあるが、開戦論で盛り上がっている中国人ネットユーザーを見ると、どうやら“目をそらさせる”戦略は成功しているようだ。(編集担当:畠山栄)
このような記事を見ていると、やはり日中戦争などは、中国側の情報戦の一環に過ぎないことがわかります。

中国としては、国内では、中国人民の中国中央政府に対する憤怒のマグマを日本に向けるために、中国政府が意図的に日中戦争のデマを流し、それに多くのネットユーザーがまんまとのせられるているということです。

一方、日本に対しては、日中戦争などのデマで、中国脅威論をさらに盛り上げ、日本から様々な譲歩を引き出そうというものです。

現状では、上記に書いたとおりです。しかし、ここで私達が気をつけなければならないことです。

現状では、かなり遅れている中国の軍事技術であり、到底日本に太刀打ちできるレベルではないものの、10年後、20年後はどうなっているはわかりません。同レベルになっているか、あるいは全体的に劣っていても、何らかの方法で、いくつかの部分は同水準までもっていけるかもしれません。

そうなれば、中国は、日本の生命線のシーレーンを封鎖して日本の経済と国民生活を破壊するという対日軍事戦略を実行したり、あるいは情報戦の一環としてそれをちらつかせて日本を威嚇し、譲歩を迫るようになるかもしれません。

日本の独立と、アジアの平和と安定を守るためには、そのようなことを中国にさせてはならないのです。その時になって、気づいても急に軍事力を向上させることはできません。一隻の空母をまともに扱えるようにするのでも、数年はかかります。まして、国の軍事力ともなれば、数年でできるはずはありません。

十分に戦略わ練って、その戦略のもと10年、20年の年月をかけて、構築していく必要があります。

そのためにも、私達は国の防衛に無関心でいるわけにはいかないと思います。

現状で、いたずに中国脅威論を煽ることは、中国の情報戦に屈することであると主張する、田母神閣下もこのことには、無論反対ではなく、大賛成だと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

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2014年12月5日金曜日

円安倒産、11月が過去最多に 帝国データ調べ―【私の論評】朝日新聞がまた印象操作、この愚かな手口にのせられるな!現実には、アベノミクスの成果で、全体では倒産件数、負債総額とも減り続けている(゚д゚)!

円安倒産、11月が過去最多に 帝国データ調べ

円安倒産は確かに増えてはいるのだが・・・・
円安の影響による企業の倒産が、11月は42件にのぼり、3カ月連続で過去最多を更新したことが4日、帝国データバンクの調査でわかった。海外から調達する原材料や輸入製品の価格が上がり、中小企業の収益を圧迫しているためだ。

「円安倒産」は1~11月で計301件となり、前年同期の2・7倍に達する。業種別では、運輸業や繊維業、食料品などが目立つ。帝国データバンクは「年明け以降も、日銀の追加緩和の影響で円安が進んでいるため、関連の倒産が増えそうだ」とみる。

【私の論評】朝日新聞がまた印象操作、この愚かな手口にのせられるな!現実には、アベノミクスの成果で、全体では倒産件数、負債総額とも減り続けている(゚д゚)!

この種の記事はもう読み飽きました。朝日新聞もまだこのうよな手を使うなんて、もう見え透いた印象操作などやめてもらいたいものです。

こういうときは、原点もしくは原点に最も近いところにあたってみるべきです。

ですから、私もそうしました。

私は、東京商工リサーチのデータを参照しました。下にURLを掲載しておきますので、皆さんも是非ご覧になって下さい。

http://www.tsr-net.co.jp/news/status/monthly/

この中では、現時点では10月のデータが一番新しいので、それを見るようにしました。そのURLが以下のものです。

http://www.tsr-net.co.jp/news/status/monthly/201410.html

このデータの中から下にいくつかピックアップしましょう。


おや、肝心の倒産件数や負債総額はどうなっているかといえば、前年同月比でも前月比でも減っています。

それでは、時系列でみてみるとどうなっているのでしょうか。



あれっ、大体の推移を見てみると、月ごとに凸凹はあるものの、全体右肩下がりで下がっています。

肝心の円安倒産については、どうなっているかを調べてみると、"「円安」関連倒産が24件、2014年1-10月の累計が238件にのぼる"との記載があります。

全国で24件ということですか。ただ、24件と言われても、多いのか少ないのかも皆目見当がつきません。しかし、全体件数は、827件であるとわかっているわけですから、24/827=0.029ですから、まあ3%sというところですか。

3%しかありませんね。確かに増えてはいるようではありますが、この程度のことであれば、特に大騒ぎする必要は、いまのところはないようです。

これが、倒産件数のうち10%以上をしめているもので、かなり増えたというのであれば、大騒ぎする必要もあるとは思いますが・・・・・。

それに、考えてみると、昨年とか、一昨年あたりだと、かなり円高倒産があったはずです。円高倒産に関しては、かなり深刻でした。

平成12年ころだと、まだまだ、円高不況、円高倒産がひどい状況でした。それに関しては、このブログでも掲載したことがありますので、その代表的なものを以下に掲載します。
増税と円高政策で「製造ニッポン」は壊滅寸前。1万9000社に迫る「為替デリバティブ倒産」の危機―【私の論評】まともな金融政策で、さっさと円高・デフレを終わらせろ!!
当時のシャープのリストラ策

これは、平成12年8月の記事です。詳細は、この記事ご覧いただくものとして、この記事は当時の円高の悪影響について掲載しました。

そうして、この記事の締めくくりでは以下のようなことを掲載しました。
今後、世界同時不況に見舞われたときにも、日銀が、デフレ・円高政策を堅持すれば、大変なことになります。そんなことは、とうてい許容されるものではなく、勝財務次官にくだされたような、鉄槌が、日銀および、白川総裁にも下されることになると思います。
そうして、私たちは、次の選挙では、増税反対、日銀法改正を訴える政党や、政治家に対して票を投じるべきと思います。
このように書いた通りに、平成13年2月に白川総裁は辞任表明して、任期を待たず辞任しました。そうして、4月からは日銀は、黒田体制となり、ご存知の異次元の包括的金融緩和に踏み切ったわけです。

それから、円安傾向になり、上の記事のタイトルにもあるように、" 1万9000社に迫る「為替デリバティブ倒産」の危機"から免れることができたわけです。

それにしても、この朝日の記事、こういった背景も何も説明せず、ただ"円安の影響による企業の倒産が、11月は42件にのぼり、3カ月連続で過去最多"などと掲載しているわけで、印象操作以外の何ものでもないと思います。動物としては、最大の象の一部だけを見て、これは象であると言っているようなのです。

象の足 これだけを見て、象だと思い込むのは間違いではないのか?

国家というものは、生物と同じく生きているものですから、刻々と姿を変えていきます。少し前までは、円高危機というものがあって、これはかなり深刻なものでしたが、昨今では円安状況であり、確かに円安倒産は増えています。しかし、全体の倒産件数、負債増額が減り続けていることからみて、現状の円安はプラス要因とみるべきです。

すべての人、すべての企業にとって、良い為替水準など存在しません。すべての人、すべの企業にとって、良い経済対策もありません。政府としては、なるべく多くの人にとって良くなることを実行するのが理にかなっています。現状で、わずかの円安倒産があるからといって、以前のような円高・デフレ政策をとれば、また元に戻るだけです。そんなことが良いはずがありません。

それに、現状では円高の悪影響を受けている中小企業であっても、今後経済が上向いていけば、これらにとっても良い経済状況になります。特にデフレは、何も良いことはありません。悪いことだけです。これは、経済の病です。一刻もはやく治すべきものです。

さて、今は、円安にかこつけた記事が読まれることから、全体の倒産件数が減少傾向の中で、朝日新聞は、ほんの一部分を拡大して記事に掲載したのだと思います。その過程で円安になり、悪影響が出るのは、やむを得ないことです。何もかも良くしようとすれば、結局大きなものを失ってしまうだけになります。

新聞社ですから、なるべく多くの人々の耳目を惹きつけたいということがあるでしょうから、そうすることも理解はできます。しかし、そうするなら、全体はどうなっているのかも同時に掲載するのが正しい報道のあり方であると思います。

企業倒産は、景気に対して遅行指標(遅れて変化する指標)であることを踏まえ、大きな流れをみるべきです。ちなみに、2013年の倒産件数は1万855件と、1991年の1万723件以来の低い水準でしたこの13年の数値と比較しても、さらに14年の数値よりも低いのです。

これは、どうしたことでしょうか。やはりアベノミクスの第一弾の金融緩和政策による、円安傾向はプラスであったことの証です。

倒産件数、負債総額の長期傾向 クリックすると拡大します

91年以降倒産件数は増加し、98年の1万8988件が最初のピークで、その後減少しましたが、2001年の1万9164件がここ22年間で最悪でした。第1次安倍政権の06年は1万3245件だったのですが、リーマン・ショックのあった08年に1万5646件と再びピークになりました。その後緩やかに減少し、その減少を加速させている。これが実情です。

【追記】12/07

以下のツイートに添付されているグラフをみるとさらにわかりやすいです。

【関連記事】

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2014年12月4日木曜日

朝日新聞の誤報への批判を「いじめ」「脅迫」と主張 慰安婦報道の朝日元記者がNYタイムズ紙取材に応じる―【私の論評】逃げまわる植村が唯一受け付けるNYT!背後にソースロンダリングという反日協同体制があることが再度浮き彫りに(゚д゚)!

朝日新聞の誤報への批判を「いじめ」「脅迫」と主張 慰安婦報道の朝日元記者がNYタイムズ紙取材に応じる 

ニューヨーク・タイムズの反日は今にはじまったことではない

【ニューヨーク=黒沢潤】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は2日、朝日新聞が今年8月に慰安婦問題の記事を撤回して以来、安倍晋三政権を含む「右派勢力の(朝日新聞)攻撃」が強まっているとする記事を掲載した。

記事は、慰安婦問題の報道に関わり、現在は北星学園大(札幌市)の非常勤講師を務める元朝日新聞記者に取材し、元記者が失職する恐れがあることなどを紹介。元記者は、安倍首相ら国家主義的な政治家たちが「脅迫的な手法で歴史を否定しようとしている」「(右派が)われわれをいじめて黙らせようとしている」などと述べ、朝日新聞や自身への攻撃は不当であると主張した。

記事はまた、「軍が占領地で女性をかき集め、軍が運営する慰安所で働かされた、と主流派の歴史家の大半が見なしている」などとしつつも、「日本軍が韓国で女性の連行に直接関与した証拠はほとんどない」とした。

さらに、慰安婦募集の強制性を認めた河野談話の見直しを求める人たちを「(歴史)修正主義者」と断じた。産経新聞は元記者に取材を申し込んでいるが、元記者は応じていない。

(産経ニュース)

【私の論評】逃げまわる植村が唯一受け付けるNYT!背後にソースロンダリングという反日協同体制があることが再度浮き彫りに(゚д゚)!

上の記事の「現在は北星学園大(札幌市)の非常勤講師を務める元朝日新聞記者に取材」となっていて、名前が出ていませんが、これが植村隆であることは明白です。

なぜ、実名で報道しなかったのか、不思議です。以下に、ニューヨーク・タイムズの元記事のURLとその一部ならびに写真を掲載します。
Rewriting the War, Japanese Right Attacks a Newspaper
北星学園大学構内の植村隆 クリックすると拡大します
SAPPORO, Japan — Takashi Uemura was 33 when he wrote the article that would make his career. Then an investigative reporter for The Asahi Shimbun, Japan’s second-largest newspaper, he examined whether the Imperial Army had forced women to work in military brothels during World War II. His report, under the headline “Remembering Still Brings Tears,” was one of the first to tell the story of a former “comfort woman” from Korea. 

Fast-forward a quarter century, and that article has made Mr. Uemura, now 56 and retired from journalism, a target of Japan’s political right. Tabloids brand him a traitor for disseminating “Korean lies” that they say were part of a smear campaign aimed at settling old scores with Japan. Threats of violence, Mr. Uemura says, have cost him one university teaching job and could soon rob him of a second. Ultranationalists have even gone after his children, posting Internet messages urging people to drive his teenage daughter to suicide. 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

“Abe is using The Asahi’s problems to intimidate other media into self-censorship,” said Jiro Yamaguchi, a political scientist who helped organize a petition to support Mr. Uemura. “This is a new form of McCarthyism.” 

Hokusei Gakuen University, a small Christian college where Mr. Uemura lectures on local culture and history, said it was reviewing his contract because of bomb threats by ultranationalists. On a recent afternoon, some of Mr. Uemura’s supporters gathered to hear a sermon warning against repeating the mistakes of the dark years before the war, when the nation trampled dissent. 
Mr. Uemura did not attend, explaining that he was now reluctant to appear in public. “This is the right’s way of threatening other journalists into silence,” he said. “They don’t want to suffer the same fate that I have.”
読んでいただければ、おわかりになると思いますが、全くの出鱈目です。記者は、"Martin Fackler"となっていました。

植村隆は、産経新聞に限らず日本のメディアには一切受け付けず、逃げまわっています。それに関しては、以下の動画をご覧下さい。


この動画で花田氏が語っているように、朝日新聞の関係者であるときには、会社に迷惑をかけるなどの理由で、取材を受け付けないというのはわかるが、辞めた後で、大学の講師をしているというのなら、取材に応えないというのはおかしな話であると語っています。

にも関わらず、ニューヨーク・タイムズの取材には応じるとは、本当におかしいです。このおかしさの背後に特殊な事情があることは明らかです。それについて、渡辺哲也氏が、以下の動画で解説しています。



この動画では、2月28日の衆議院予算委員会で安倍首相が海外の反日プロパガンダに対抗するために広報活動を行うと発言したことを受けて以下のような解説をしています。

朝日新聞の社内には、ニュヨークタイムズの支局があり、朝日新聞の記者が書いたとんでもない記事をニューヨーク・タイムズが受け、それをニュヨーク・タイムズ自体や、電子版に掲載するというのです。

そうして、そのニューヨーク・タイムズの記事を朝日新聞が、引用する形で、日本国内で報道するということをしているというのです。このようななやり口を渡邉哲也氏は、反日記事のソースロンダリングと呼んでいるのです。

朝日新聞がニューヨークタイムズを使って行っている反日ソースロンダリングを例に出してそれらのプロパガンダが定着しないように逐一反論をしていく必要があると解説しています。

また渡邉哲也氏はやウォールストリートジャーナルなどでも日本の実情と全く違う記事が出されていると危機感を募らせています。

今回の植村インタビューもこうした、ロンダリングの一環なのかもしれません。この記事だけでも、アメリカ国内で、日本政府批判になります。それに、朝日など、いずれこの記事を引用するかもしれません。

こうした形式のソースロンダリングがこれからも、どんどん行なわれていく事が予想できます。われわれもこのようなロンダリングが実行できないように、こういう記事を見つけたらどんどん公開し、ニュヨークタイムズなどに抗議をすべきです。

マーティン・ファクラー氏

それから、この記事を書いた記者マーティン・ファクラー氏は、日本のメディアから逃げている植村隆がニューヨーク・タイムズの取材だけを受けるのは、ジャーナリストとして卑怯だとは思わなかったのでしょうか。

それに、無理やり「右翼の安倍首相が朝日をいじめている」という話に仕立てるにはかなり無理があります。現実はそうではありません。これは、朝日新聞自体が、訂正公告を掲載していることからも明らかです。

そもそも、ニューヨーク・タイムズの記事は、「軍が占領地で女性をかき集め、軍が運営する慰安所で働かされた、と主流派の歴史家の大半が見なしている」などして、もう一方では「日本軍が韓国で女性の連行に直接関与した証拠はほとんどない」と掲載しいます。

これは、まったくもって矛盾です。この矛盾を掲載したということは、自分たちが出鱈目を掲載していますと、公告しているようなものです。まともな人であれば、日本の状況を良く知らない人でも、この大きな矛盾に気づくことでしょう。

もともと、「日本軍の性奴隷」というデマが日本や、韓国・中国内にとどまらず米議会をはじめ世界中に広がった最大の責任は、ニュヨークタイムズにあります。そうして、今回の矛盾に満ちたこの記事です。ニューヨーク・タイムズは、このような意味不明な記事を掲載するのではなく、印象操作を反省して、朝日新聞のように訂正記事を出すのが世界の一流紙の矜持だと思います。

それをしない、できないというのなら、ニューヨーク・タイムズは、朝日新聞以下のとんでもない新聞であるといえると思います。とても、一流紙とはいえません。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

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【関連図書】

ヘンリー・S・ストークス氏は、イギリス人ジャーナリストであり、ニューヨーク・タイムズ日本支局長をしていたこともあります。ストーク氏の考えは、まともで、今のニュヨーク・タイムズ東京支局などとは大違いです。それは、以下の書籍をご覧いただければ良く理解できます。今の支局は、反日の糞ども集まりに過ぎません。

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ストークス氏の書籍は、ある程度歴史的事実も踏まえていないと理解するのは、難しいです。しかし、以下の書籍は、そんなことはありません。かなり理解しやすいです。

韓国・中国だけが敵じゃない! 国内に潜む反日日本人の危険性をKAZUYAが追求してます(゚д゚)!

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2014年12月3日水曜日

【日本の解き方】「首相VS財務省」前例なき衆院選 消費増税への評価が判断材料に―【私の論評】マスコミ、政治家、識者などをスコーン、スコーンと籠絡するための財務省の「ご説明資料」の入手先はここだ(゚д゚)!

【日本の解き方】「首相VS財務省」前例なき衆院選 消費増税への評価が判断材料に


2日、衆院選が公示された。有権者は何を判断材料とすればいいのだろうか。

まず消費増税だ。安倍晋三首相が解散を決断しなかったら、来年の10%への再増税は確実に行われていた。しばしば、「再増税は反対だが、解散の大義はない」という意見の人がいるが、単なる法律の無知である。

安倍首相が解散を打ち出す前には、自民党の大勢と民主党は財務省に籠絡され、消費再増税に賛成だったので、首相の一存では再増税をストップする法案は成立させられない状況だった。そこで、安倍首相が衆院議員全員をクビにして、財務省ではなく国民の意見を聞いてこいというのが、解散の意味合いである。

ここで多くの衆院議員は目覚めて、再増税に反対に回った。この経緯を考えれば、再増税に反対の有権者は、安倍政権を支持するのが当然だろう。

いずれにしても、今回の衆院選は、安倍政権が財務省と対峙(たいじ)する前例のないものだ。国民はそのチャンスをしっかり生かしたい。

次に金融政策。これはまず雇用が創出されているかが最重要だ。安倍政権で大規模金融緩和を始めて以降、就業者は100万人程度増えているので、職にありつけた人は安倍政権を評価するだろう。

すでに職を得ていた人は物価と賃金の関係で、賃金の上がり方が高ければいいが、そうでない場合、安倍政権に対する評価は分かれるかもしれない。ただし、その場合、物価の上昇から消費増税の影響を差し引くと、多くの人にとって、消費増税がなければ賃金の上昇のほうが大きいはずだ。そうなると、消費増税をどう評価するかが判断のポイントとなってくる。

最後に、安全保障と原発問題だ。安倍政権の安全保障は国際社会から見れば妥当な話だが、これまでの政権とは異なっている。従来のままでいいか、ある程度国際社会の動きに合わせるか、これは個人の価値判断の世界だ。

原発では、東日本大震災のような規模の災害が今後10年ぐらいで起こる確率は低いが、当面の措置をして再稼働を認めるかどうかである。その対極として、もちろん原発を即時廃止するという考え方もある。両者の中間として、当面、原発再稼働を認めるが、長期的に原発ゼロを目指すという考えもある。これも価値観が大きく影響する分野だ。安全保障や原発を重視する人は、自分の価値観に近い候補者や政党に投票すべきだろう。

自分は何に関心があって、どの分野を重視すべきかを十分に把握した上で、自分に近い候補者や政党を選択するしかない。

残念なのは、野党の政策がバラバラなことだ。自民党が嫌だとしても、野党が受け皿になりにくい。投開票までに、野合ではなく政策を統一して、どこまで勢力を結集できるだろうか。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

【私の論評】マスコミ、政治家、識者などをスコーン、スコーンと籠絡するための財務省の「ご説明資料」の入手先はここだ(゚д゚)!

上の記事では、"今回の衆院選は、安倍政権が財務省と対峙(たいじ)する前例のないもの"としています。さらに、"自民党の大勢と民主党は財務省に籠絡され、消費再増税に賛成だった"としています。

財務省は、昨年も、今年も政治家などにいわゆる「ご説明資料」を持って、財政再建、増税の必要性を問いてまわったとされています。

この「ご説明」に関しては、面白いツイートがあるので、以下にそれを掲載します。
これは、高橋洋一氏のツイートでずか、財務省の官僚が政治家などを一人ひとりまわって、説明していたようです。
これは、駒崎弘樹氏に関するツイートです。この方は、NPO法人フローレンス代表理事をやられいようですが、確かに黒木氏が指摘するように、【財務省レク、僕も受けました。僕としては、子ども子育て支援の財源が消費税に紐づいているため、増税に賛成せざるを得ません。】とツイートしていました。

しかし、このことから財務省が、政治家やマスコミなどにレクチャーをしてきたのは前からも言われきたことですが、NPO法人の理事長などにも、レクチャーをしていたということです。おそらく、ご説明にうかがうところは、かなり裾野が広いのだと思います。

高橋洋一氏は、以前政治家は、すぐに財務省や、日銀などの官僚に騙されるということを語っていました。これらの役所な主催の講演会などに言って、物の見事にスコーン、スコーン、スコーン、スコーンと騙されてしまうようです。

政治家は、財務省にスコーン、スコーン、スコーンと騙されてしまう
しかし、良心的な政治家や、多少まともな政治家の場合は、講演会などが終わった後で、高橋洋一氏のところに、訪ねてきて、「講演会では、講演者がこうこう語っていたが、あれは本当なのですか」という話をしにくるそうです。

そこで、高橋洋一が、手短に理解しやすく「これは、○○だから、完璧な嘘」、「あれも、□□だから、全くの嘘」、「▲▲については、□□の条件が整っていれば成り立つが、いまはそのよう条件は整っていないので、現状では嘘」などと教えるそうですが、それを聴いた政治家たちは一様に、かなり驚愕するそうです。

このように、財務省は政治家などを徹底的に籠絡されて、増税が正しいことと、心の底から信じてしまうようです。

さて、財務省の「籠絡」のために実行する「ご説明」とはどんなものなのでしようか。それは、同じ党でも派閥がいくつかあったり、マスコミでも、いろいろな立場があったりするので、説明の仕方はいろいろあるでしょうが、「ご説明資料」に関してはいくつかのパーターンがあるだけで、基本は同じと思います。

そうして、その基本形は、財務省のサイトをみれば「ご説明資料」のページがあります。そのURLを以下に掲載します。


さて、このサイトにアクセスすると、「ご説明資料」として、以下のようなものがでてきます。
»財政に関する資料をお届けします
»財務省の担当者がご説明に伺います

財務省に頼めば、財政に関する資料をいただいたり、ご説明にうかがっていただけるようです。

資料の送付だけなら、個人でもやってもらえるのかもしれませんが、財務省の担当者がご説明に伺うということであれば、おそらく、社会的地位の高い人とか、結構人が集まる集会などであれば、来てもらえるのかもしれません。

選挙期間中などに、ここに何回も連絡して、財務省の役人を小突きまわせるかもしません。小突き回せば、選挙妨害などのことができなくなるかもしれません。そうして、選挙が終わったら、こういうところに皆で問い合せをして、疲労困憊させて、政治家など籠絡への時間を奪うなどということも考えられます。

以下に財務省のサイトからひっぱってきた最新版の『日本の財政関係資料』の表紙と、目次のみ掲載します。



この目次を見ているだけでも、かなり胡散臭いことがわかります。まずは、デフレのデの字もでてきません。そもそも、これからだと、「財政再建」そのものを目的として書かれていることがわかります。

世界情勢も、財政に関することばかり掲載されていて、「財政関係資料」と銘打ってあるので、それはそれでも良いのかもしれませんが、世界の失敗例など掲載されていません。

たとえば、イギリスでは、財政健全化を目指して2010年に付加価値税(日本の消費税)の大幅増税をしたのですが、そうしたとろ景気がかなり悪化して、特に若者層の就業の機会が奪わて大変なことになりました。そのため、イングランド銀行(イギリスの中央銀行)が、大規模な金融緩和を実施したのですが、景気は回復しませんでした。

これは、似たような時期にイギリス以外の、スペイン、ポルトガル、イタリア、フランスなどでも同じような事を実行しましたが、全部の国で失敗しました。日本でも、当然失敗します。実際8%増税でもかなり悪影響がありました。

今必要なのは、財政再建そのものではありません。デフレで景気が落ち込み、税の源泉でもある国民所得が極端に減った状況にあります。この状況で増税ししまえば、さらに国民所得が減り、税収が少なくなることが予測されます。

実行すべきは、まずは金融緩和策気と、積極財政によるデフレからの脱却です。デフレから脱却して、しばらくして、景気が加熱気味になれば、そのときはじめて、金融引締めや、緊縮財政に走れば良いのです。

このようなことは、高校の政治経済でも学ぶことです。実際に、金融引締めや積極財政を実行するとすれば、実施方法、期間、他の経済活動などとの整合性や、兼ね合いなど、テクニカルな問題がたくさんあります。だから、素人にはなかなかできるものではありません。

ただし、現状は暫く何にをやるべきか、金融緩和策なのか、それても積極財政なのか、あるいは両方なのかという方向性に関しては、素人でも理解できると思います。

素人であったにしても、何かが実行されて、その結果の統計資料をみれば、失敗だったか成功だったか一目瞭然です。その良い例として、8%増税は、大失敗であったことは誰の目にも明らかです。

日本では、全くおかしな慣行が、まかり通っています。それは、財務省や日銀が、独自で国の財政政策やも金融政策を定められるという慣行です。日銀は、日銀法を根拠として、それが実施できます。今でも、日本国の金融政策は日銀の政策決定委員会で定められています。

財務省には、さすがに、財務省の行動を正当化する根拠法はありませんが、巨大な予算の配賦権をかさにきて、各方面に圧呂をかけたり、さらにはターゲットとなる人にご説明資料を持参して、ご説明するというこどて、籠絡して、財務省の思い通りに、財政を動かしてきました。

このようなことは、本来あってはならないことです。財務省も、日銀の政府の一下部機関に過ぎないわけで、彼らは選挙で、国民の信任を受けて、財務官僚や日銀官僚になっているわけではありません。

国の財政政策の方針、国の金融政策の方針など、本来は国民に選ばれた、国会議員で構成された、政府が方針を定めるべきものです。

国民から信任された、政府が実行すべきものです。そうして、財務省や、日銀は、政府の方針・方向性に従い、財政政策、金融政策を実行していくべきです。これが、まともな民主主義国家の正しいありかたです。

今回の選挙は、今回の衆院選は、安倍政権が財務省と対峙(たいじ)する前例のないものであり、その先には、官僚が国とって大事なことを自分勝手に決める官僚主導から、本来の正しい政治家が国とって大臣ことを国民の信託を受けて決定する政治主導への一里塚にもなるべきものです。

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倉山満氏


Q.安倍首相が打って出た今回の解散総選挙は大義名分がないの?

「増税延期」の建前で選挙をやれば、増税にお墨付きを与えかねない!




即死は回避した。

前回の本欄で、現在のデフレ下での消費増税10%は日本経済を破滅させると書いた。それを何とか回避した。11月18日の総理会見で飛び出した「1年半延期の後、必ず増税」というのは気にくわないが、「余命半年で即死」から1年半の猶予を得たのはよしとすべきだ。

今回の消費増税阻止に関しては、本田悦朗内閣参与の獅子奮迅の大活躍をあげねばなるまい。テレビに出ずっぱりで増税反対を訴えた気迫が世論を動かし、最強の財務省に勝ったのだ。昨年とは逆に、日本中に「増税反対」の声が巻き起こった。首相官邸筋からは「増税延期、そして総選挙」の解散風が吹いてくる。総選挙前に総裁に造反できる根性のある自民党議員など皆無である。大勢は決し、財務省は白旗を揚げた。

しかし、財務省はあくまで戦略的撤退をしたにすぎない。そして、罠を仕掛けた。最後まで増税断行に固執していた民主党も含め、全野党が増税延期を認めた。これで終了ならば、安倍首相の手腕は見事だったと言えよう。だが、吹き出した解散風は止まらない。

そして問題は解散の大義名分である。これまで増税を推進してきた民主党が「大義名分のない解散」と絶叫しているので、良識派は顔をしかめるかもしれない。しかし、「聖書は悪魔も引用する」ではないが、民主党でもマトモなことを言う場合もあるのだ。理由を2つあげる。1つは、今回の措置は「1年半の増税延期」である。これでは、1年半後に増税するのを確定させるような解散ではないか。2つは、自民党の党利党略である。自民党は仮に議席を減らしても過半数は維持すると見られている。それでは去年、財務省に怯えて増税に賛成した議員に免罪符を与えるだけではないのか。現に財務省は、与野党問わず増税派だけを当選させようと画策している。

■増税賛成派を抵抗勢力と見做す選挙なら許すが

そもそも経済状況は、「10%は論外、8%は地獄」なのである。ならば、「アベノミクスが順調だった頃の5%に戻す」が正しい経済学的知見ではないのか。仮に安倍首相が、「過ちは改めるに如くは無し。消費税は5%に戻す!」「財務省をぶっ潰す!」「アベノミクスが本当に必要ないのか、国民の皆様に聞いてみたい!」「増税に賛成する者は抵抗勢力だ! 公認もしないし、すべての選挙区に増税反対の候補を刺客として送る!」「日本を守るためならば殺されたっていい!」と宣言して解散を断行するなら、諸手をあげて支持しよう。だが、そうはなっていない。私のように、アベノミクスを支持し、増税に反対してきた人間は、自民党こそ許せないのだが……。いずれにしても、日本を守るための戦いは終わっていない。総選挙後こそが本番だ。

◆「景気条項」の撤廃で将来的な増税は確定!

18日の会見で安倍首相は、消費税率10%への引き上げを2017年4月に延期することを宣言。ご丁寧に、引き上げ時期の経済情勢が著しく悪化した場合に、増税を留保できる「景気条項」を撤廃すると明言してしまった。財務省に取り込まれた麻生副総理に唆されてのようだが、これで選挙がどうあれ将来の増税が確定

■倉山満 ●憲政史研究者、倉山塾塾長 くらやまみつる◎’73年、香川県生まれ。中央大学大学院在学中より国士舘大学日本政教研究所非常勤研究員を務め、日本国憲法を教える。’12年より、コンテンツ配信サービス「倉山塾」を開講。新著に『偏差値40の受験生が3か月で一流大学に合格する本』(扶桑社刊)、『逆にしたらよくわかる教育勅語』(ハート出版)など

【私の論評】勝って兜の緒を締めよという言葉もあるが、ここは素直に喜んでも良いのでは?最終的には政府が財政政策の方針を設定できるようにすること(゚д゚)!

上記の倉山氏の主張は良く理解できます。ただし、今は年末だし、消費増税先送りに関しては、もっとみんな喜んだ方が良いのではないでしょうか。これは、かつてない首相の地位にある人の素晴らしい貢献です。何しろ、全政党が賛成した増税を覆したのですから。勝って兜の緒を締めよという諺があるものの、これについては、素直に喜んで良いと思います。

第三十三回陸軍記念日絵葉書

無論、景気条項は、経済政策としてはあった方が良いに決まっています。しかし、再増税は2017年4月です。その前に2016年7月参院選があります。場合によっては衆院選の同時解散選挙もあり得るということです。

国政選挙で再増税が議論にならないはずはありません。政治的な議論はいくらでも出来ます。これは財務省にとっては不都合な真実かもしれませんが、今回の解散のいい教訓でしょう。

安倍総理は、まさに、財務省に対する総理大臣による御しかたを国民に目に見える形で、提示したわけです。このように解散総選挙を実行されてしまえば、財務省といえども、自分たちの都合の良い政策を政治家に押し付けるわけにはいかないということです。

ところで、一部のマスコミは「増税を決めた法律には景気次第で増税を停止できる景気条項があるのだから、解散しなくとも政権が決めればいい。税金の無駄遣いだ」と解散を批判しています。これは、私に言わせると、財務省寄りのマスコミの屁理屈というものです。

そもそも消費増税は民主党の野田佳彦政権と自民党、公明党による3党合意で決まったものです。それを合意に加わった自民党の安倍晋三政権がひっくり返すというのですから、あらためて選挙で民意を問うのは、政治的にまったく正統性のある手続きです。

3党合意の増税路線に賛成して自民党に投票した有権者からみれば、安倍政権ができたと思ったら突然、公約を反故にして増税先送りでは納得がいかないのはあたり前のことです。

しかし、一部のマスコミは「増税を決めた法律には景気次第で増税を停止できる景気条項があるのだから、解散しなくとも政権が決めればいい。税金の無駄遣いだ」と解散を批判しています。

私に言わせると、こういう批判は政治の世界の現実や流動性など全く理解しない馬鹿な意見としかいいようがありません。これは、解散なしで増税先送りを決めたとすれば、何が起きるかを考えればすぐに理解できます。

自民党の税制調査会を牛耳るベテランたちは増税断行を強硬に唱えていました。野田毅税調会長は言うに及ばず、麻生太郎財務相や谷垣禎一幹事長も増税派です。自民党内では、おそらく増税賛成派が多数派でしょう。

民主党はもともと増税に賛成です。舞台裏では財務省があの手この手で増税根回しに動いていました。そこで安倍首相が先送りを言い出せば、政権を揺るがす大政局になったのは間違いありません。

大手マスコミはほとんど増税賛成ですから結局、昨年と同じように安倍総理は先送り断念に追い込まれることになったでしょう。そうなったら政権の求心力は低下する一方ですし、景気は悪化するので最終的に政権が崩壊ということになります。

それどころか、増税せざるをえなくなった安倍政権は財務省にとって、もはや用済みです。「総理、ご苦労さまでした」の一言で安倍は谷垣や麻生に交代することになったことでしょう。

これこそが、財務省にとってベストシナリオだったのです。

結局のところ、「景気条項があるから、先送りしたいならできるじゃないか」という議論は一見、もっともらしいのですが、裏に秘めた真の思惑は「安倍政権、さようなら」ということです。

増税を先送りしなければ、5年前の悪夢が再現された可能性もある(゚д゚)!


増税先送りなら政局になるくらいの見通しは、多くの関係者にとつては、領解ずみのことなのですが、それでもなぜ景気条項のような建前論を吐くかといえば、理由は2つです。

まず、左派マスコミは増税賛成だろうが反対だろうが、とにかく安倍政権を倒したいのです。その思惑が一致するから、増税賛成派の朝日新聞も反対派の東京新聞も同じように景気条項論を持ち出すのです。

次に、永田町で暮らす政治記者や政治評論家たちは結局、財務省を敵に回したくないのです。裏で財務省が糸を引いているのは分かっていても、そんな「本当の話」をずばずば書き始めたら、財務省とその応援団に睨まれることになります。

財務省は奥の院でマスコミのトップ層と気脈を通じていますから、記者は下手をすると自分が飛ばされてしまいます。評論家は「永田町の政治が財務省によって動かされている」という実態を暴いたら、飯の食い上げです。彼らにとっては永田町と霞が関情報こそが商売のタネであるからです。商売相手を敵にするバカはいません。

はっきり言えば、政治記者も評論家も国民の暮らしなど眼中にありません。だから解散も予想外だったのです。

昨年に関しては、安倍総理も本当は解散総選挙という手を用いたいという意図もあったでしょうが、そもそも安倍政権が成立してから、1年もたっていないこと、さらに三党合意で決めたことを簡単に翻すこともできず、解散総選挙に踏み切ることはできませんでしたが、今年は違います。

今回の解散は政治バトルの戦場を永田町・霞が関から一挙に国民レベルに拡大しました。その結果、増税派は雪崩を打って先送り容認に動いた、というより動かざるを得なかったのです。戦う前から安倍首相の完勝です。

そうして、これからも、もしこのようなことが発生して、総理大臣と他の意見が真っ向から対立する場合には、節目で、解散総選挙に打って出れば良いということです。

今後の政権は、安倍総理を見習って、何か重大なことを周りに逆らってでも、決定しなければならないときには、このような解散・総選挙という手段を用いるようにすべきです。

そもそも、国民の7割が増税に反対というのに、政府の一下部機関に過ぎない財務省が、国民の意に反する増税を政治家やマスコミ等に対する説得攻勢で実現してしまおうというのが、異常なのです。

財務省の役人は、国政選挙で選ばれるわけではありません。だから、本来財務省が実行すべきは、政府の財務政策の方向性に関しては、あくまで政府が決定し、財務省はその方向性に従い、専門的な立場から、様々な具体案を選択し、実行するということです。


財務省は政府の一下部機関に過ぎない


実際、財務省が過去20年間ほど実行してきた、財務省主導による財務政策は間違いだらけでした。そもそも、デフレの最中に増税するというのが、完璧な間違いです。これをすれば、再度日本はデフレスパイラルの深みはまり、とんでもないことになってしまいます。

これは、8%増税による経済の悪化からみても明らかです。やはり、財務省の官僚は、選挙という正当な手続きで選ばれた人々ではないため、財政政策を決めるということになれば、国民や政治家など不在で、自分たちの省益のみに着目して決めてしまうのです。

しかし、10%増税など、実行してしまえば、景気がかなり落ち込み、税収の源泉である国民所得も大幅に目減りして、いずれ税収も減り、財務省にとっても都合の悪いことが生じていたはずです。

やはり、国民の代表ではない官僚が財政政策を決めてしまうというのは、全くの街がいです。

最終的には政府が財政政策の方針を設定できるようにすべきです。今回の選挙がそのための一里塚になっていただければ、本当に良いことだと思います。


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2014年12月1日月曜日

安倍首相、消費増税めぐる財務省の政界工作を示唆 省益優先で不況下に緊縮財政の罪―【私の論評】敵は財務省にあり!今回の解散総選挙は、官僚主導から政治主導への転換の第一歩である(@_@;)

安倍首相、消費増税めぐる財務省の政界工作を示唆 省益優先で不況下に緊縮財政の罪

文=田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授

田中秀臣氏

11月30日、各党代表が出演したテレビ番組『新報道2001』(フジテレビ系)内で安倍晋三首相は、キャスターの「(衆議院)解散の理由は財務省による消費増税包囲網を打開するため、という見方があるが、その真意は」という質問に対して、以下の2点を述べた。

ひとつは理念的な理由ともいえるが、来年10月に予定していた8%から10%への消費再増税を2017年4月へ先送りし、総選挙でその信を国民に問うというものだ。さらに「現実論として」と断ったうえで、「財務省が『善意』ではあるが、すごい勢いで(消費再増税にむけて)対処しているから党内全体がその雰囲気だった」と明かし、その「勢い」を転換することが必要だったと述べた。事実上、キャスターの問いを肯定するものだった。

●財務省の「善意」

ところでこのような財務省の「善意」は、どのような動機で行われているのだろうか。例えば財政再建を実現して国益に資するという意味での「善意」なのだろうか。

「そうではない」という結論を、多くの経済学者たちは導いている。著名な公共経済学者・柴田弘文氏は、財務省が不況時に限ってなぜ緊縮財政のスタンスに固執するかを解明した。財務省の予算編成に関わる部局は、できるだけ自由裁量的な予算を獲得しようとする。その理由は将来の天下り先への影響、財務省の他省庁に対する優位の確保などの「省益」がその根本的な理由だ。しかし、不況になると税収減によって予算総額が圧縮されるため、そのような自由裁量の余地が難しくなる。加えて国債発行増額への要求は自然と高まる。

 財務省にとってこのような要求は省益を長期的に損なうものと映る。なぜなら国債は将来返済しなくてはいけない「固定費」であるため、将来的な財務省の自由裁量の幅は、(将来の)好不況に関係なく「固定費」が増えれば増えるほど制約されると考えてしまう。したがって、現時点では経済が不安定であるにもかかわらず、財務省は国債発行に慎重になり、緊縮財政を志向してしまう。

 現在、アベノミクスの積極財政を反映して国債発行圧力は十分に大きく、財務省としては将来の裁量余地が極めて狭まったことになる。それに抗するためには、財務省は消費増税という「緊縮財政」を積極的に進めることがどうしても必要に思えたのだろう。税率を上げれば税収も増え、それだけ財務省の自由裁量の余地が拡大する。

 もちろんこのような財務省の見解は視野狭隘であり、国益ではなく「省益」にすぎない。十分な巡航速度に到達していないのに大規模な増税をすれば、経済は必ず失速する。税率を上げても十分な税収が手に入るかは不透明なはずだ。

●消費再増税にどう対処すべきか

 今回の消費再増税延期に伴い、その時の景気状況から増税可否を判断するという、いわゆる景気条項を外して、「18カ月後」の再増税を政府は確約している。これについて、政治が財務省に屈しているという指摘がされているが、財務省に屈しているかどうかは現時点では検証のしようがない。そのため、本稿では2年半後の消費再増税にどう対処すべきかを指摘するにとどめたい。

 ポイントは3点ある。ひとつは97年の消費増税時の所得減税のような「先行減税」もしくは「同時減税」を行うことである。これは事実上の消費再増税のちゃぶ台返しになる。

 2つ目は、日本銀行のインフレ目標到達と雇用最大化をできるだけ早期に実現することだろう。

 3つ目は、これも高橋氏が指摘していることだが、「17年4月に消費再増税を行うということは政治的には決まっていない」という解釈がある点である。今後の法改正を含めて、政治的自由度がかなりあるともいえる。

 いずれにせよ、経済が不安定な時の消費増税が経済に大きいショックを与えることだけは自明になった。この経験を生かして、衆院選後の経済政策の運営をチェックしていく必要があるだろう
(文=田中秀臣/上武大学ビジネス情報学部教授)

この記事は、要約です。詳細はこちらから(@_@;)

【私の論評】敵は財務省にあり!今回の解散総選挙は、官僚主導から政治主導への転換の第一歩である(@_@;)

上の記事、前々から明々白々の事実であり、今やまともな人なら周知の事実だと思います。よって、付け加えることなどほとんどないのですが、若干以下に、これも当然のことなが当たり前のど真ん中を掲載しておきます。

民主党は、政治主導をスローガンとしましたが、実施したことといえば、ほぼ意味のない事業仕訳と、できもしない、官僚の事務仕事を取り上げるというものでした。これは、見事に失敗したのは、周知の事実です。

そもそも、上の記事でも指摘されている財務省が、強力な政党でもあるかのような、一大政治勢力になっていることが非常に問題です。

一政府の下部機関に過ぎない財務省が日本では一大政治勢力となっている

最近では、あまり指摘されなくなりましたが、そもそも政府には大きな借金がといわれていますが、それと同時に日本政府は、世界一の金融資産を有しています。世界にこれだけの大きな金融資産を有している政府は日本以外にありません。これを相殺すると、実は政府の借金はさほどでもありません。

そのほとんどが、財務省が管轄しているというのが実体です。特に特別予算というおそろしく、複雑な体系をつくりだし、蓄積しています。

これがいわゆる財務省の埋蔵金というものです。とにかく、貯めればよいという考え方で、このような化け物のような、システムをつくりだし、自分たちの権益を拡大していましたし、これからも拡大しつづける腹づもりでした。増税も無論のこと、その一環の活動です。

しかし、この目論見は、安倍総理の増税見送りという判断により、最初の一撃をこうむったということです。

この第一撃だけでは、財務省の体質はすぐに直るということはありませんが、それにしても、最初の打撃はかなり大きいものになったものと思います。

それにしても、財務省は政府の一下部組織に過ぎないわけであり、しかも官僚は、選挙という手段で国民から選ばれるわけでもありません。

今の財務省のやり方は、根本的に間違えています。本来は、増税などの判断は、政府主導で行うものであり、政府が方向性を決め、財務省はその方向性に従って、専門家的な立場から、具体的に実行する方法を選ぶことしか実施してはならないものです。

しかし、今の財務省は完璧にこれから、逸脱して、短期的な省益のみの観点から、政治を動かしています。こんなことは、断じて許されるべきではありません。いずれ、これに関しては、法律など新たに作成して、白黒をはっきりつけるべきです。

日本では、日本銀行が日本国の金融政策を決定するという異常な状況が続いている


政治主導ということになれば、日銀の独立性というのも非常に問題です。世界的に、中央銀行の独立性とは、国の金融政策はあくまで、政府が定め、中央銀行はそれに従い、専門家的立場から、その方法を自由に選択できるというものです。

しかし、残念なことに日本では、日銀法が改悪されて以来、国の金融政策を日銀の政策決定委員の委員会で決定するという異常な状況に陥っています。日銀の政策決定委員など、国民から選挙という手続きで選ばれたものではなく、そのような委員が決定できるというシステムは根本的に間違えています。

日本政府の一下部機関に過ぎない財務省の省益に基づく、政治への働きかけ、日本の金融政策の方向性を自分たちの裁量で決めてきた日銀。これら、二つの官僚組織が、結局のところ、長い間緊縮財政、金融引き締めをしてきた結果日本は、15年以上もデフレという、古今東西にみることない、とんでもない状況に置かれてきたのです。

幸いなことに、日銀法は改正はされていませんが、日銀は黒田総裁をはじめ政策決定委員の多くが、安倍総理の考えに賛同する人が多かったため、昨年4月より、金融緩和に転ずることとなりました。

しかし、これとていつまで続くかわかりません。政策決定委員の多数派がデフレ・円高主義者になれば、またぞろ金融引き締めに転じて、またデフレが深化して、とんでもないことになりかねません。

やはり、近いうちに、日銀法の改正は必須です。財務省については、いずれなんらかの方法で、政府の財政政策を決定できないようにすべきです。

そこから、本当の意味での官僚主導から、政治主導が始まります。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

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