2010年5月12日水曜日

iPadの予約受けを終了、予想を上回る注文が-ドラッカーも語る消費者ニーズの虚しさ?この需要は、やはりイノベーションの賜物!!

iPadの予約受けを終了、予想を上回る注文が
http://journal.mycom.co.jp/news/2010/05/12/081/index.html


ドラッカーも語る消費者ニーズの虚しさ?この需要は、やはりイノベーションの賜物!!
この凄まじい販売数量、どう受け止めれば良いのでしょうか。:現在は、デフレの世の中で、まだそれが完全に回復したという発表はありません。モノが売れないと嘆いている人もたくさんいますし、実際売れていないとか、未だに安売り競争が激しいです。この最中に、これだけ売れる、それも、まだ製品が出回る前から、予約が殺到するのはどうしてなのか、本日はこれに迫っていきたいと思います。

iPadを独占する女性

以前(5/8)このブログは、iPadの登場は、ネットブックとの競合を意味するのかという趣旨の内容を掲載したことがあります。その時の結論は、iPadはiPhoneと同じくパソコンなどとの同期を求められるで、さほどでもないが、他社から単体で完結しているタブレットPCが出て、通常のパソコンと機能的にはほとんどかわりのないものが出てくれば、とって変わられるだろうというものでした。

ところが、アメリカでは、すでにiPad登場でネットブックの売り上げが下落しています。ある調査では、iPadとネットブックのいずれを購入するかというアンケートで、44%の人がノートブックは購入せずにiPadにすると答えたそうです。おそらく、日本の市場も同じような動きになっていると思います。従来、ネットブックを購入しょうと考えていた人が、iPadの予約に大量に走ったのだと思います。まだ、結論を出すのは早いですが、この傾向はほぼ間違いないものと思います。

私が先の結論に達したのには、一つ見逃していたことがあります。それは、ネットブックの購入者は、ほとんどの場合、パソコンをすでに所有しているという事実です。良く、言われることは、セカンド・マシンとしてネットブックを購入するとものです。セカンド・マシンということもありますが、今やパソコンは広く普及しており、ほとんどのパソコン購入者が2台目、3台目、あるいはそれ以上であるのが当たり前です。私自身、昨年の暮あたりにネットブツクを購入していますが、数えてみれば、6台目です。

そうした最中にあっては、パソコンに同期を求められるかといっても、もう誰もがパソコンを持っているので、これはほとんど制約条件にはならないということです。だからこそ、予想をはるかに上回る予約状況になったのだと思います。

しかし、それにしても、完全にデフレ基調の日本で、なぜこのようなことが起こったのでしょうか?これを知るためには、ちょうどiPadが販売されたのとほぼ同時期に販売されたソニー Vaio Pシリーズというネットブックと比較すれば、良く理解できると思います。

iPadはかなりの話題になったのですが、このPシリーズ、すっかりiPadにおされてしまって、影がうすくなったような感じなので、あまりその存在自体を知らない人も多いのではないかと思いますので、下にその特徴と画像を掲載しておきます。


ソニー「VAIO Pシリーズ」のココが○、ココが×!



ポイント評価コメント



デザイン◎従来モデルよりカジュアルな仕上がりで、女性や若者が持ってもオシャレだ。落ち着きのあるホワイトやブラックも選択できる。

液晶  ◎1600×768ドット表示に対応した横長の8型ウルトラワイド液晶を搭載。文字は細かいが読み取れないほどではない。横長液晶を生かして2つのウインドウを並べて楽に作業できる。画面回転機能も面白い

操作性 ◎コンパクトだが、キーピッチの広いキーボードを搭載。キータッチも良好で快適に入力できる。新たにタッチパッドを搭載し、両手で持って操作できるようになった。

基本性能○Atom Zシリーズの処理性能はあまり高くないが、2GBのメモリーとSSDを搭載し、Windows 7をまずまずの快適さで利用できる。直販モデルではクロック周波数の高いAtom Z560も選択可能

携帯性 ○薄型軽量で持ち運びやすい。ACアダプターも非常に小型軽量だ。延びたとは言え、5.5時間のバッテリー駆動は少し心許ないので○。外出先や会議で使いたい人は、約11.5時間駆動になるオプションの大容量バッテリーを利用しよう。
メーカー名ソニー(http://www.sony.jp/
シリーズ名VAIO Pシリーズ
OSWindows 7 Home Premium 32ビット
CPUAtom Z530(1.60GHz)
チップセットインテル システム・コントローラー・ハブ US15W
グラフィックスチップセット内蔵機能
メモリー2GB(最大2GB)
SSD64GB
光学ドライブなし
ディスプレイ8型ウルトラワイド(1600×768ドット)
TV機能なし
無線機能IEEE802.11a/b/g/n、Bluetooth、WiMAX
駆動時間約6時間
サイズ245(W)×120(D)×19.8(H)mm
重さ約619
インターフェースSDメモリーカードスロット、メモリースティックスロット、USB2.0×2、ヘッドホン出力
Officeソフトなし
価格10万円前後
発売日2010年5月22日
詳細情報http://www.vaio.sony.co.jp/vaio/products/P11/
店頭販売モデルはオレンジ、ピンク、ホワイトの3
色。直販モデルではグリーンとブラックも選択できる

詳細に関しては、ここでは本筋ではないので、メーカーのサイトなどでご覧になってください。

さて、両者の違いは明らかだと思います。要するに、iPadも、VaioPの両方共、開発者は顧客の入念なマーケティングを実施しているのだと思います。ところが、VaioPは完全に従来の路線にのった、ネットブックという概念の中での改善であるのに対して、iPadは、従来のネットブックなどとは一線を画した別物であり、完全なイノベーションを実施しているということです。

私は、以前このブログで、リアルフアッションに関連して、マーケティングとイノベーションについて掲載しました。その中で経営学のドラッカー

経営学の大家ドラッカーは、その著書「マネジメント」の中で、以下のようなことを言っています。

「企業の目的は、顧客の創造である。したがって企業は、二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす」(マネジメント エッセンシャル版 16ページ)

さらに、こうも言っています。

「マーティングだけでは、企業としての成功はない。静的な経済には、企業は存在し得ない。そこに存在しうるものは、手数料をもらうだけのブローカーか、何の価値も生まない投機家である。企業が存在しうるのは、成長する経済のみである。あるいは少なくとも、変化を当然とする経済においてのみである。そうして企業こそ、この成長と変化のための機関である。

したがって企業の第二の機能は、イノベーションすなわち新しい満足を生み出すことである。経済的な財とサービスを供給するだけでなく、よりよく、より経済的な財とサービスを供給しなければならない。企業そのものは、より大きくなる必要はないが、常によりよくならなければならない」(マネジメント エッセンシャル版 17~18頁)

さて、現在デフレの最中ではありますが、これだけ売れるものがあるということです。しかも、この二つの製品から現在では完全にイノベーション優位であることがはっきりしたと思います。

現在、モノが売れないなどとなげく、経営者が多いです。確かに日本はデフレの最中にあります。しかし、イノベーションをすれば、このようにモノが売れることがハッキリしています。最近は、ユニクロが廉価なジーンズを発売し、さらに他社がもっと廉価なものを発売したりしています。一方で、多少は高いものの従来のジーンズの重量の半分にしたものが、売れています。これも、イノベーションの事例だと思います。

考えてみれば、今の日本では、この記事に出てくるソニーが従来はイノベーションを実施していたのに、上の事例のようにそれをしなくなったとに象徴されるように、多くの企業が従来の路線上で勝負をしていて、イノベーションがないがしろにされているのだと思います。日本は、未だにイノベーション大国ではありますが、それは、先端技術などにおける分野であって、顧客に身近な分野では、低調になっていると思います。顧客ニーズ、顧客ニーズなどと語っていて、結局は、従来のやり方でモノを作り、モノを売っていたのではいつまでたってお客様に気に入ってもらえる製品など作れないのではないでしょうか?

デフレが克服されても、こうしたイノベーションが頻繁に行われないならば、やはり、お客はモノをあまり購入しないという状況が続き、結局は飛ばす、吹かずの状況になると思います。

やはり、今こそ、イノベーションが重要であり、とにかく何をやっていても、常によくなるように努力していく必要があるのだと思います。もう、「顧客ニーズがどうの、こうのと」などとばかり語っている経営者は失格だと思います。とはいっても、しゃかりきになって、すっかり販売活動・事業活動などのど真ん中に入っていれば、過去の延長線上でしかものを考えられなくなり、イノベーションなどできません、もっと大局的な見方が必要になってくると思います。それに、遊びも必要でしょう。それに関しては、また機会を改めて掲載したいと思います。

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2010年5月11日火曜日

来年度の国債発行「44.3兆円超えないよう全力」と菅財務大臣が発表―これでは経済はダメになるばかり!!政治家がマスターすべきマクロ経済の鉄則!!

来年度の国債発行「44.3兆円超えないよう全力」と菅財務大臣が発表(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)


  菅財務大臣は、ギリシャの財政問題を受けて、来年度の国債発行額について、今年度の44兆3000億円を上回らないよう全力を尽くす考えを強調しました。

菅財務大臣:「(来年度の国債は)今年度2010年度の44兆3000億円を超えないで済ませるように全力を挙げる必要がある」

菅大臣は、日本の債務残高が国内総生産に占める比率が先進国のなかでも最悪の数字であるとして、「国債の増発は極力避けるべきだ」と述べました。ギリシャ問題が世界的な信用不安を引き起こしたことを踏まえ、財政健全化への決意を示したものです。鳩山政権の閣僚が来年度の国債発行額の上限について言及したのは初めてです。

経済はダメになるばかり!!政治家がマスターすべきマクロ経済の鉄則!!
はてさて、本日も菅財務大臣から不可思議な、発表がありました。このブロクでは、何回も掲載してきたことですが、民主党をはじめとして、日本の政治家には酷いマクロ経済音痴が多いです。そうして、しなくても良い余計な心配をしたり、頓珍漢な論議や発言で、混乱を招いています。

このブログには、この話題は何回も掲載してきたので、詳細はそちらに譲るとして、本日は誰にでもわかる話を3点だけ掲載します。これは、読んでいただければ、当たり前といえば当たり前過ぎることなのですが、なぜか日本では、マスコミも政治家もこのへんの理屈を分かっている人は少ないです。

■その1■本当の財政破綻は、外国からの借金が超過して収拾がつかなくなったときおこる
さて、ギリシャのの話題がでていますが、ますば、ギリシャの現在の状況を簡単に整理します。ギリシャは現在民間と国家あわせた対外債務250兆円です。要するに、海外から借りている金融資産が250兆円もあるということです。その80%が、ユーロ以外の通貨での借金です。

さて、日本は借金、借金などとマスコミなどから全く誤ったたちの悪い脅迫観念を植え付けられた人が多いので、日本はギリシャよりもさらに借金をしているとかたくなに思い込んでいる人が多いですが事実は全く逆です。実は、日本は、対外債権(日本が外国に貸しているお金)が過去18年間世界第一でした。そうして、その金額はどの程度かいえば、約300兆円です。さて、先程のギリシャの例をみていただければ、わかると思いますが、あの小国(人口、経済とも日本の1/10程度)が日本の対外債権に匹敵するような甚大な借金を背負っているということになります。こうなった理由に関しては、本日の主題からは外れるので、いずれ機会を改めて掲載します。

さて、これだけ対外債権が多い日本ですから、まずはすぐにギリシャのように財政破綻の瀬戸際にあるなどとはいえないです。まあ、こういうことを言うと、日本破滅論者はすぐに日本の対外債権はアメリカ国債などすぐに現金化できないものが多いので安心はできないなどという人もいますが、それにしても、これだけ債権があるということはギリシャなどとは全く異なるということは誰にでもわかることと思います。

本当に日本が財政破綻をおこしてどうしようもない状況になったとしたら、日本は海外から債権をひきあげると思います。そんなことにでもなれば、世界が大変ことになります。たとえば、ブラジルなどいままで貸した金を全部返せなどといわれたら、すぐに破綻してしまうでしょう。それでも、全世界から引き上げたら、世界はかつての大恐慌よりも、もつと大きなハイパー大恐慌に見舞われることになります。日本破滅論者は、なぜかこのことを言いません。何か、日本だけが、ひっそりと破綻して世界の表舞台から静かに消えいくような言い方をします。

しかし、そんなことはありません。そうなれば、アメリカも中国も破綻してしまいます。だから、世界がそのようなことになることしないように立ち回ることになります。だから、ギリシャのようになるような心配は、まずはあり得ないということを言っているのです。日本破綻論者らの頭の中は、ギリシャでも悪行を繰り返し、たゴールド・マン・サックスの幹部とあまり変わりないということだと思います。ちなみに、米証券取引委員会(SEC)は米投資銀行大手ゴールドマン・サックスに対して訴訟を起こしています。金融馬鹿と賭博師には、はやく市場から退場願いたいものです。

■その2■プライマリーバランスは、その構造を熟知しなければ本質を見誤る
真の意味での、国の借金とは、国民からの借金ではなく、外国からの借金をいいます。なぜなら、政府は、税金でも、国債という形でも、いくらでも国民からお金を徴収できるし、極めつけは、自らお金を発行できるからです。

最近では、政府の借金ばかり大げさにいう人がいます。これが、くせものです。政府の財政のバランスは、プライマリーバランスといいますが、これが赤にふれると確かに赤字で、今日本の政府は確かにこのプライマリーバランスが大きく赤ふれています。しかし、この赤のすべてが国民からの借金によるものです。これをマスコミなどでは、政府の借金=国民の借金などとして大嘘をついて、大騒ぎしています。国民は、借金を背負っているのではなく、国債などの形で政府にお金を貸しているというのが本当です。さらにに、日本国政府のプライマリーバランスの赤には、外国から借金は全く含まれていません。これが、ギリシャとの大きな違いです。ギリシャの場合、政府のプライマリーバランスの赤のかなり大きな部分が外国からの借金によるものです。プライマリーバランスが赤にふれているとはいっても、日本とギリシャではその構造が全く異なるのです。

政府による国民からの借金は本当に大変なことになるのでしょうか?これは、実は、これはさほど大変なことではないのです。なぜなら、国は、国民から税金を徴収することもできるし、国債を刷って自国民に買ってもらうこと(借金)ができるし、さらには、お金を自由にすることができるからです。ギリシャでは本当に破綻しかけているので、ギリシャ国債を刷って、金利を馬鹿高くしても、誰も買いません。お金を刷り増しすれば、国内がハイパーインフレになります。日本国債を低い金利でも、買ってくれる人や法人、それに金余りの日本とは全く次元が違います。

では、自由にどんどん国債を刷りまくったり、お金を刷りまくったりしたらどういうことになるでしょぅか?それは、限度なくやれば、大変なことになります。まず、国債を擦りまくれば、購入する人や法人などは限られているので、誰も買わなくなります。それでも、売りたければ、はっきりしています。国債の金利をあげるしかありません。日本では、随分国債をすっていますが、未だに国債の長期金利は低いし安定しています。だから、まだまだ発行する余力があるということです。

お金はどうでしょぅか?お金をすりつづければ、簡単なことですが、お金の価値が下がります。そうです。国内ではインフレになります。外国との関係では、円安になります。しかし、現在は日本はデフレのまっただなかにあります。それよりも、何よりも、日本にはお金が有り余ってだぶついています。だからこそ、お金を増やしても意味がないということです。日本人の金融資産は全部で1400兆円以上もあります。これは、アメリカに次いで世界で第二位です。その中でも、現金・預金(いわゆる貯蓄)は、アメリカを抜いて世界一です。

ギリシャと、日本を比較するにあたり、プライマリーバランスのみみて、その内容をみずに、同次元であるとするマスコミや政治家は、勉強不足か、認知症か、意図的に日本を貶めているとしか言いようがありません。

菅さんが上記の動画のようなことを公表した直後に、鳩山さんが「政府の公式見解ではない」などということを述べましたが、たまには、まともなことを言うと感銘いたしました(笑)!!

■その2■:景気の良いときの経済対策と、悪いときのそれは異なる
マクロ経済的には、景気が悪いときには、政府は財政を緩めて公共工事など多めに行い、市中にお金を流通させる、景気が良いときには、緊縮財政をするというのが常道です。これは、ちょっと考えれば判ることですね。アメリカは、世界大恐慌のときには、財政をゆるめて、大規模なダム工事などを沢山実施しました。これが、世にいうニューディー.ル政策というものです。現在のアメリカでは、オバマ大統領が環境対策によってこれを行って入ます。そうです、これが、グリーン・ニューディール計画です。

現在は、デフレの最中にあるわけですから、景気は悪い状態にあります。であれば、政府は財政を緩めて、市中にお金がでまわるようにすべきなのです。先程も、掲載したように、日本ではお金がないということではなく、お金が有り余っていますから、日本銀行のできることはあまりありません。お金をたくさん刷りまして、市中にまわそうとしても、なにせ借りてくれる人や企業があまりありません。今は、政府が財政を緩める時期なのです。

であれば、どうすべきでしょうか?先程、政府のプライマリーバランスが崩れていて、赤字で財源がありません。やるべき方法としては、増税と、赤字国債などがあります。増税と国債など、多くの人は全くの別物と考えている人も多いですが、お金の流れだけをいえば、同じようなものです。日本国政府がそれを保証しているから価値があるのであり、どちらも、結局は紙切れにすぎません。

しかし、心理的には随分違いがあります。税金の場合は、ご存知のように何らかの名目で、国民や企業から広く浅くお金を徴収して、景気対策などに遣います。徴収する先は、広範の国民や、企業ということになります。だから、お金に余裕のない人や企業からも徴収されることになります。税金ということから、徴収される側からいえば、それが何らかの形で自分に戻ってくるなどとは考えません。

国債の場合は、購入できる人や企業から徴収することになります。そうして、これらには、ある一定期間を過ぎたあとに金利にもとづいて償還することを約束します。今のところは、金利は低いですが、それにしても、確実に何がしかの利益がかえってくるわけです。だから、税金として徴収されるのとは全く違います。

さて、このいずれかの方法で、とにかく、政府は財源を確保して、経済対策にあたるこになります。さて、この二つの方式は、結局は似ていますが、でも、現状では国債のほうが優れているようにはみえませんか?なにせ、今は不況であるだけではなく、デフレなのですから、デフレを克服しないうちに、増税ということにでもなれば、ますます国民の財布の紐は固くなります。国債の場合は、購入できる余裕のある人や、企業から徴収わけですし、金利も低いにもかかわらず、購入してくれる人や企業があるわけですから、使わない手はありません。ギリシャでは、いくら国債を刷っても、金利を高くしても、外国は無論のこと、国内の人や法人の誰からも買ってもらえません。国民や国内の法人に買ってもらえる日本は、これをどんどん使えば良いのです。

政府のプライマリーバランス的な観点からすれば、政府は赤字ですが、何も外国からお金を借りているわけではないので、いずれ、このバランスは何とでもしようがあります。まずは、現在はプライマリーバランスからみれば、赤字ではあっても、国債でもすって、有益な公共工事などを含む様々な対策を行い、財政を緩めます。無論従来の箱物行政などせずに、有益で、特に直近での経済効果があり、長期的にも効果があるものを中心に投資します。そうすると、経済も上向き、税収もふえます。そうなれば、今度は、景気が良くなったのですから、緊縮財政をすれば良いのです。

これは、マクロ経済の常道です。今の日本では、マスコミなどがギリシャのような財政破綻など日本ではおこるはずはないのに、今にも、同じようなことがおこるようなことを言っているし、政治家のほとんどもそう思い込んでいます。さらに、国債に関しても明らかに間違った観念をマスコミが流布していまする

だからこそ、冒頭の、菅財務大臣のような愚かな発言が行われるのです。上に書いてあること、本当に簡単でしょう。理屈で言えば、中高生でもわかることです。まあ,言葉でいえば、簡単なことですが、実際に行うのは、何に投資するかとか、様々な技術的な問題もあり難しいことです。また、デフレであるのか、そこから回復したのか、これ以上投資を続けたらインフレになるかもしれないなどと計ることは、なかなか難しいことです。しかし、これなど、それこそ官僚の中にも立派でまともなエコノミストもいるわけですから、細かいことは彼らに任せれば良いことです。しかし、方向を決めるのはあくまで政治家です。そうして、それが政治家の本筋の仕事です。

おそらく、景気の回復は、マクロ経済音痴の酷い民主党ではできません。ごく最近の経済の回復は、民主党とは全く関係ありません。麻生内閣によるものです。民主党が政権の座にある限り、経済は本格的には好転しないでしょう。日本の経済の回復を考えてい諸氏は、はやくまともな経済観念を持っている政権に変えることを考えるべきです。プライマリーバランスばかり気にして、真の経済対策を行える政権に変えるべきです。

現状では、自民党の谷垣総裁もプライマリーバランス派です。他には、麻生さんはじめとして、そうではない人もたくさんいるのですが、自民党としては、プライマリーバランスを健全にすることを第一義としています。経済のことを考えれば、民主党も、自民党もダメということです。新党に期待するしかありません。あるいは、既存政党が考え方を変えるしかありません。でも、これにはかなり無理があるようです。

なお、上記の話いわゆる金融経済(いわゆる株のお話など)とは次元が異なります。金融経済は、実体経済を示しているものではありません。とはいいながら、実体経済を無視した金融経済なりたたず、いくら金融経済を良くしようとして人為的にいろいろやった(いわゆる投機など)としても、しばらく乖離しても、いずれは、実体経済に収斂します。この収斂がギリシャなどに起こっていることです。日本の場合は、対外債権や、国民の金融資産が膨大に実体経済は決して悪くありません。バランスが崩れているだけの話であって、国民も政府も外国からの借金まみれのギリシャとは違います。

一つだけ共通点があるとすば、どちらもバランスが崩れているだけです。少し前のギリシャは、実体経済を超えて、金融経済が良いほうにぶれてたのが、元の実体経済に戻るということです。それも、過激な形で・・・・。日本は、実体経済より悪いほうにぶれているだけです。これは、元に戻れば、良い方向に向かいます。ただし、ギリシャの場合は、市場原理によって、強制的に戻されるということです。もう、待ったなしです。日本の場合は、いずれ黙っていても戻るでしょうが、意図して意識して戻そうとしなければ、かなり時間がかかってしまいます。だからこそ、今こそ、政治家による正しい判断が何にもまして重要なのです。そんなときに、菅さんのように財務大臣でありながら寝ぼけたことをいっていては、本当に困るのです!!

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2010年5月10日月曜日

<万博に万華鏡>国威発揚の舞台、日本文化が主役に 「昴」、中国人に自由の夢を再び―東アジア共同体はローマ帝国よりもありえない虚構!!

<万博に万華鏡>国威発揚の舞台、日本文化が主役に 「昴」、中国人に自由の夢を再び(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)


作詞:谷村新司 作曲:谷村新司 演唱:谷村新司

目(め)を閉(と)じて 何(なに)も見(み)えず 哀(かな)しくて目(め)を開(あ)ければ
荒野(こうや)に向(む)かう道(みち)より 他(ほか)に見(み)えるものはなし
嗚(ああ) 砕(くだ)け散(ち)る宿命(さだめ)の星(ほし)たちよ
せめて密(ひそ)やかに この身(み)を照(てら)せよ
我(われ)は行(い)く 蒼白(あおじろ)き頬(ほほ)のままで
我(われ)は行(い)く さらば昴(すばる)よ


呼吸(いき)をすれば胸(むね)の中(なか) こがらしは吠(な)き続(つづ)ける
されど我(わ)が胸(むね)は熱(あつ)く 夢(ゆめ)を追(お)い続(つづ)けるなり
嗚(ああ) さんざめく 名(な)も無(な)き星(ほし)たちよ
せめて鮮(あざ)やかに その身(み)を終(お)われよ

我(われ)も行(い)く 心(こころ)の命(めい)ずるままに
我(われ)も行(い)く さらば昴(すばる)よ

嗚(ああ) いつの日(ひ)か誰(だれ)かがこの道(みち)を
嗚(ああ) いつの日(ひ)か誰(だれ)かがこの道(みち)を
我(われ)は行(い)く 蒼白(あおじろ)き頬(ほほ)のままで
我(われ)は行(い)く さらば昴(すばる)よ
我(われ)は行(い)く さらば昴(すばる)よ

【大紀元日本5月9日】万博開幕から7日目、来場者は13・6万人、数日来連続しての下降からやや上昇傾向に。しかし、入場者数の落ち込みで万博事務局は4日目から公式サイトでの入場者数自動カウントを停止し、事務局からの口頭発表の形に切り替えたため、ネットユーザーは、入場者数に水増しの可能性があると指摘した。

「成り金の顕示欲」と万博を厳しく批判する一方で、ネット上では、万博開幕式で谷村新司さんが歌った「昴」がホットな話題となっている。「天使のような歌声、日本のお爺さんに大感動」、「万博開幕式で唯一見る価値があった演出」、「開幕式に投じたすべてのお金は、谷村さんの一曲にも値しない」と、ネットユーザーらの絶賛の書き込みが殺到した。

「日本のソフトパワーを見せる舞台だった」

「万博は、いろんなことにうんざりで、開幕式を見ようとも思わなかった。しかし、彼の歌声が耳に入った途端、私はテレビの前に座り、釘付けにされてしまった」

「心を込めて励ます歌詞、抑揚のある美しいメロディー、ロマンチックで優雅な照明、舞台の上と下できらめく星明かり、人の温かさとやさしさを感じさせてくれた。久しぶりに会った友だちのように、私たちに尽きない感動を与えてくれた」

万博開幕式以来、谷村さんと「昴」を賛美する言葉が中国のネット上で絶えない。中国のネットユーザーは「昴」を、「開幕式の最大、いや唯一の見所」と選んだ。

中国最大の検索エンジン「百度」(Baidu)の掲示板に「谷村バー」が設けられ、ネットユーザーらは谷村さんの代表曲の映像や歌詞を交換し、谷村さんを賛美する。「私たちがいくらお金を出しても成り金にしか見えないが、谷村新司さんと岡本真夜さんは我々に文化とは何かを教えてくれた」、「開幕式のほかの演目のつたなさを認識させられた一曲」など、想像を超えるコメントが溢れている。

ポータルサイトSohuの掲示板に、このような書き込みが多く見られる。「この歌を聞いた感動をみんなと分かち合うため、私は掲示板のIDを登録した。家事をやりながら繰り返し彼の歌を聴いていた。少女時代に戻ったような久しぶりの感動と感激。同じような舞台と音響設備なのに、どうして国内のスーパースターたちの歌は雑音にしか聞こえないのか。日本の67歳のお爺さんが私たちの分からない言葉で歌った古い一曲がどうして私の心の奥まで響いたのか。国内のスターたちはただ名誉と利益のために歌っているけど、彼は心をこめて歌っている。名利のための歌と心がこもった歌は天と地の違い」

人気サイト「猫眼」で、「昴」を絶賛するある文章には、三千近くの発言がフォロー、賛美の声とともに多くの日本のヒット曲の映像と人気歌手の紹介が貼られ、日本の流行曲のファンを集めた。

「この歌を聞いた糞青(フェンチン:反日の愛国青年)は、これから『日本人は島国根性』と二度と口にしないでください。だれが心が狭いか、一目瞭然だ」、「愛国とはヒステリーの叫びではない。刀と銃で強制させるものでもない。私は日本人が好きではないが、彼が日本に無上の栄光を与えていることに敬服する。上海が巨資を投じて作った開幕式は、日本がソフトパワーを見せる舞台となっている」

上海万博を通して中国のイメージを世界に親んでもらうために、北京当局は「親中」の谷村さんを万博の海外プロモーション大使として採用したが、「万博の開幕式はすっかり、谷村さんが中国大衆に日本文化と日本人の良さを伝える舞台となった」とネットユーザーらが皮肉る。

「理想主義の八十年代を思い出した」

「さんざめく 名もなき星達よ せめて鮮やかに その身を終われよ ……」。「昴」に中国人が親しみを持ったきっかけは、80年代にテレサテンが歌った同曲の中国語バージョン。谷村さんの歌で、富裕層が最も多い五十代前後の中国人が再び、理想主義に憧れるあの時代にタイムトリップした。

「雄壮。安らかな心でありながら励まされるムード。この歌で、久しぶりに80年代の理想主義を思い出した」

その時代、中国ではテレサテンの美しい歌が大流行し、胡耀邦、趙紫陽両氏の改革開放の政策が行われ、民主と自由の理念も伝えられた。人間性と思想の解放に憧れる時代を背景に、89年に大学生や中国各界の人々が民主自由を求める民主運動にまで発展した。しかしその時代の中国大衆の理想主義は、天安門虐殺事件で圧殺され、その後国中が拝金主義に陥った。

「もし、当時、胡・趙の方向で順調に進んでいれば、中国は現在のようにはならなかった。正直、現在我々の世代は権力や富を手に入れているが、あの時代の夢はまだ密かに見ている。闇夜の後にはきっと夜明けが来る。谷村さんの歌で再び80年代の理想主義を思い出した」と、あるネットユーザーが発言している。

「いつの日か誰かがこの道を 我は行く 蒼白きほほのままで 我は行く さらば昴よ」。谷村さんの「昴」は、中国人に、日本文化への感動をもたらしただけでなく、忘れかけていた自由への夢を再び思い出させたようだ。

東アジア共同体はローマ帝国よりもありえない虚構!!

平安時代の清少納言は、すばるは星々の中で最も美しいとたたえました。「すばる」とは、「たくさんのものをむすんで一つにまとめる」という意味の言葉から来ています。多くの星が集まっているからこんな名前になったのでしょうね。関西では「すばる」ですが、関東では星が6個見えることから「六連ら星」とも言うとか。普通の視力の人なら5,6個の星が見えます。今夜試してみてはいかがでしょう。 西洋ではプレアデスという名前で呼ばれています。古代ギリシャの物語ではアトラスとプレイオネの間に生まれた7人の姉妹だとされていて、肉眼で見える明るい星にそれぞれ名前がつけられています。 

双眼鏡で見ると何十もの星が見えて息をのむほど美しい星です。すばるのように星が集まったものを散開星団とよんでいます。そしてすばるはプレアデス星団ともよびます。天体望遠鏡を使うとさぞ立派に見えると思いがちですが、倍率をあげると星々がまばらになってしまって興ざめです。すばるは星がよく見える山奥で双眼鏡で見るのが一番です。


昴は、多くのものを一つにまとめるという意味、その美しさや、日本の古い時代をも、象徴するような、歌詞や華美などという表現から対極的な谷村さんのとつとつとした歌いぶりなど、ほとんど経済のみが価値観の尺度となってしまった、中国人の心の琴線にも触れたのだと思います。

しかし、他国の一歌手のそれも、歌謡曲というサブ・カルチャー的な歌が心の琴線に触れたからといって、上記のような特異な反応をするということから、私は、やはり、鳩山さのいうような、「東アジア共同体」、それも、日本と中国を含んだそれは、はなから絶望的に無理であると感じました。

このブログには、以前EUのことについて書いたことがあります。それは、ヨーロッパの人々の中にはあの強大なローマ帝国に対する憧憬の念が強いということです。だから、ヨーロッパの人は結束してかつてのローマ帝国のような国を目指そうと考える人が多いです。そうして、その試みは昔から何度も繰り返されてきました。古くは、神聖ローマ帝国から、新しくは、ナポレオンの帝国、ヒトラーが夢見た第四帝国、そうして最近ではEUです。

EUはどうなるかまだ未知数ですが、こうした試みは、過去の歴史が示すようにほとんどが失敗し、ついえました。EUもおそらくは、長期ではうまくいかないと思います。なぜなら、経済一つとっても、ギリシャ、ドイツ、フランス、イギリス、ポルトガル、スウェーデンと思い浮かべただけでも、各国にそれぞれの特徴がありあまりにも違いあります。さらに、各国の伝統文化についても、あまりに違いがありすぎます。

最近のギリシャのデフォルト危機の問題があります。これは、おそらく、EU内で何とかするでしょうが、やはりEUそのものの脆弱性を如実に示したと思います。しかし、過去の歴史をみれば、私は長いうちには、EUは解体の方向に向かうと思います。これは、何も私だけが言っていることではなく、かの経営学の大家ドラッカー氏も生前これに近いこと語っていました。

さて、EUですら、いずれ解体するかもしれないとすれば、鳩山さんが唱えている「東アジア共同体」はどうなるでしょうか?私は、これは、最初からほとんど無理だと思います。特に、日本と中国を内包した「東アジア共同体」に関しては、ほとんど不可能どころか、最初から全く無理です。

なぜなら、中国と日本とは、全くといってもいいくらい文化的にも、経済的にも違いすぎるからです。清朝までの中国であれば、日本は、漢字を輸入したなどで、多少の共通点ありましちたが、それでも、多少です。共産主義になってからは、ほとんど共通点などなくなったというのか実体です。経済に関しても、たとえ中国が今年日本とGDPが同程度になって、少し追い越したとしても、中国の人口は日本の10倍以上ですから、個人あたりに換算すれば1/10未満ということになります。このブログでも以前述べたように、資生堂の調査によれば、昨年あたりで、年収100万を越えたひとが1000万人を超えたという程度です。中国の物価は日本よりはるかに安いですから、1/5としても、日本国内の感覚でいえば、年収500万を超えた人が、100万人(人口は1/10として)という程度のものです。

このブログでは、以前も、サミュエル・ハンチントンの「文明の衝突」について掲載しましたが、その中にもあるように、ハンチントンも、日本国は、西暦2~5世紀において中華文明から派生して成立した文明圏であり、日本一国のみで成立する孤立文明としています。そうして、その違いの際立ったところでは、日本には連綿と続く「天皇制」があります。この、天皇制があるということで、日本は、歴史上為政者は頻繁に変わりましたが、日本人の統合の要となった「天皇制」があったので、日本国内が分裂したとしても、日本という統一性はいつの時代にも保たれてきました。

これに、比較すると、中国には皇帝はいたものの、皇帝はその時々の為政者のトップでもあり、日本の天皇とは全く性質を異にしています。日本が統一性を保ってきたのとは、対照的に、統一と離散を交互に繰り返してきました。さらに、現代中国にも、天皇のような存在がないどころか、中国共通の英雄すらいません。建国の父毛沢東を英雄にすれば良いではないかという人もいるかもしれませんが、それもできません。なぜなら、毛沢東は悪名高い大虐殺を大量に行ったからです。ですから、今でも漢民族ですら、普通の家庭なら、親戚や知人など誰彼か、毛沢東の虐殺の犠牲にっなってまいす。鄧小平氏は、鄭和を英雄にしようとかんがえていたようですが、これも、漢民族でもない、異教徒ですから無理があって、英雄にはなっていません。

それと、極め付きは、EUの場合は、現在のヨーロッパに匹敵するような版図を実際に全盛期のローマ帝国が治めていたことがあります。そうして、各地の宗教・文化を認める形で統治したり、各地に文明都市を築き、各地の他民族にも、その文明都市で生活することを認めたりするなど、賢い方法でこれらの版図をまとめ、戦争がなくなり、パックス・ロマーナ(ローマの平和)といわれる、繁栄期を迎えたこともあります。そのため、今でも、スペインでも、フランスでも、ドイツでも、イギリスでもローマ時代の遺跡がみられます。それに、ローマ帝国は、キリスト教を採用したため、いまでこそ、いろいろ宗派にわかれていますが、一部の少数民族を除き、もともと全部がキリスト教です。

ローマ帝国の版図。現在のヨーロッパのみか、北アフリカもふくまれている。

しかし、中国が版図を最大限に広げたときにも、ご存知のように日本はその版図に含まれたことは一度ありません。その逆もありません。豊臣秀吉が明征伐をたくらんだこともありますが、無論それは成就しませんでした。両国は一度も、統一されたことはありません。これは、先の大戦時でも、日本は、点と線を占領しただけで、中国の大部分はその点と線から外れていました。宗教に関しては、儒教という共通点はあったものの、中共となってからは、宗教はアヘンとして退けられたため、すでに、中共建国より、60年以上もたったため、これも全く無理です。

ヨーロッパのように過去にローマによって、統一された経験もない日本と中国、さらに文化的にも全く違うし、一方は、日本人の統合の要となる天皇を頂点にいただき、もう一方は共通の英雄すらいない国、これでは、EUのような「東アジア共同体」など無理というものでしょう。それに、もともと、中国は他民族国家で、無理に統合しているような国で、中国自体が「共同体」のようなものです。共産党一党独裁とはいいながら、派閥が沢山あり、かろうじて拮抗して保っているような国です。選挙も建国いらい、地方も中央もありません。これが、さらに、文化も経済・政治も社会も全く異なる、他国と統合するなどということはほとんど不可能というものです。

さて、昴の話から、こんなに長々と書くことになってしまいましたが、万博開幕式以来、谷村さんと「昴」を賛美する言葉が中国のネット上で絶えないことや、中国のネットユーザーは「昴」を、「開幕式の最大、いや唯一の見所」と選んだことなどから、彼らの多くは、昴に日本の素晴らしさを垣間見ているのだと思います。特に、谷村さんに、現実の日本はどうかということは別に、日本人の結束ぶりや、自由や、経済力や、文化的な香りなどを強く感じているのだと思います。

結局江沢民の反日教育も共産党政府が思っているほどには、あまり効き目がなかったのかもしれません。とにかく、人間は、ないものねだりをするというのが習性です。叶わぬ夢と知りながらも、夢を抱くというのが普通です。彼らが、ないものねだりをしたり、夢を抱いたりしているうちは、統合などほとんど不可能だと思います。彼らが、谷村さんの歌を普通に聴けるようなるまでは、中国と日本とは、いろいろな意味で水と油で混じり合うことはないでしょう。

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