2009/4/30 9:00
28日、英経済週刊誌「エコノミスト」の調査部門は世界84か国を対象に調査した04〜08年の「イノベーション力」ランキングを発表。1位は日本。中国も前回の56位から54位に上昇した。写真は江蘇省の風力発電設備メーカー。
2009年4月28日、香港紙・大公報によると、英経済週刊誌「エコノミスト」の調査部門は世界84か国を対象に調査した04年〜08年の「イノベーション力」ランキングを発表した。1位は日本。中国も前回の56位から54位に上昇した。中国新聞網が伝えた。
中国は2年前に発表された02〜06年の調査では59位だったが、今回は54位にまで浮上した。同誌は「5年後にはさらに上位に入るだろう」と推測する。中国が短期間で一気に4位も順位を上げたことについて、調査報告は「注目に値する」と強調した。インドもまた58位から56位にまで順位を上げた。次回行われる09〜13年の調査では54位に上がると推測されている。
ランキングの上位5か国は順に日本、スイス、フィンランド、米国、スウェーデン。全体的に新興国の台頭が目立ったものの、上位はやはり先進国が独占する結果となった
これに先立つ、アメリカの調査では?(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)
<技術革新・競争力国別ランキング>中国、過去10年の成長度合では首位―米調査機関(左は、中国製玩具のロボット。実体は日本もののコピーに過ぎない)
2009 年2月25日、米シンクタンク・情報技術イノベーション財団(ITIF)は世界各国の技術革新と競争力に関する評価報告を発表した。シンガポールが1位、 日本が9位となった。過去10年間の成長度合いでは、中国が1位にランクインしている。26日、中国新聞社が伝えた。
ITIFははベンチャーキャピタルの投資状況、科学研究、研究開発費、教育などの各分野について、世界40の国と地域の技術革新と競争力を評価し た。首位はシンガポール、以下、スウェーデン、ルクセンブルク、デンマーク、韓国、米国、フィンランド、英国、日本及び北米自由貿易協定(NAFTA)地 域と続く。
中国は33位にとどまったが、1999年から10年間の成長度合いではトップに立った。以下、シンガポール、リトアニア、エストニア、デンマー ク、ルクセンブルク、スロヴェニア、ロシア、キプロス、日本と続く。米国は過去10年間で最も成長度合いが少ない国家と評価された。
いずれにせよ、日本は環境技術などこれからの分野では実質上のトップか?
英国のエコノミスト誌と、米シンクタンク・情報技術イノベーション財団(ITIF)とでは、評価の仕方が違います。エコノミスト誌は、イノベーション力のみで評価し、米国は、競争力も評価対象としています。
日本では、日本という国が昔から、あるいは昔は国際競争力がかなり高かったという錯覚を持っている人が多いようですが、これは事実ではありません。このブログにも以前掲載したように、日本は10年以上前には、GDPに占める輸出の割合が8%以下でした。それが10年ほど前から比率が徐々にあがり、近年倍の16%程度になりました。しかし、こうした輸出の増加も他国と比較するとそれほどでもなく、現状でもアメリカと同程度です。他国は、40%を超える国もざらにあります。シンガーポールもそうです。中国はもとより、ドイツなどのEU諸国も40%を超える国が多いです。
日本は、輸出大国だったこは、かつても現在でもなく、日本は、内需大国です。内需の大きさで日本と比較の対象になるのは、アメリカくらいなものです。他のほとんどの先進国や新興国は圧倒的に輸出の比率が高く内需は低いです。
国際競争力があまり高くないというのは、他の項目もありますが、平たく言えば輸出力ということになると思います。だから、日本が国際競争力が低いというのは当たり前のことです。
では、国際競争力すなわち、輸出力が高いというのは、現状では良いことなのでしょうか?私自身は、良いことではないと思います。現在は金融危機による世界同時不況の最中です。そうすると、世界中の国が輸入を控えるわけですから、いくら国際競争力が高いからといても、それは相対的なものにすぎず、どんなに競争力の強い国であっても輸出減になるのはやむを得ない状況にあります。
そんな最中で、日本やアメリカのように内需の率が高いことは、輸出減による影響は相対的に少ないことを意味します。
現在輸出に過度に依存してきた国は、大変だと思います。今までの不況などは序の口であり、何とか信用不安を解消したり、軽減しただけであって、これから本格的に実体経済が悪化していきます。
日本は、輸出力すなわち、国際競争力を除いた、「イノベーション力」が世界一位ということですから、掛け値なしの技術水準が高いという評価になります。これは、アメリカのオバマ大統領も認めていて大統領就任の少し前の演説で「日本の環境技術は高い。アメリカは、日本に追いつき、追い越すべきだ」と気炎をあげていました。
国際競争力が低いこと自体は、世界同時不況の最中の現時点ではさらに強みになります。日本は、現在内需拡大策を実施しつつあります。いずれ、内需も確実に拡大していくことになります。現時点のバラマキに近い内需拡大策に関しては、ここ1~2年は重要なことで、それによって内需は拡大していくでしょうか、それ以降内需拡大を続けていくためには、社会を良くしていく必要があります。
いろいろな社会問題を解決していく上で、必要な技術がさらにイノベーションを拡大します。こう書くと、抽象的で理解しにくいと思いますが、たとえば、中国のような社会システムが遅れた国においては、たとえば、下水を100%設置するだけでも、かなりの内需が拡大が見込めますが、技術的には新しいものは何も生まれませんが、日本のようにすでに下水道が完備されているところでは、それ以上の技術革新をしなければならないからです。これが、下手にシンガポールのように国際競争力が高いと、20世紀型の産業による古い技術による革新などが行われ、さらに国際競争力を高め技術的進歩は遅れることになります。
21世紀の高度な社会のためのインフラ整備でもある、日本の環境技術など、日本がこれからも世界一であり続ける可能性が大です。他国に比較してさらに高い水準に向かっていくと思います。
それから、日本のマスコミなどでは、アメリカのオバマの環境対策を見習うべきだなどという意見が大勢を占めていますが。私は、それは、誤りだと思います。私は、実は、アメリカのオバマ大統領の環境対策に関しては危惧していることがあります。それは、オバマ氏が地球温暖化二酸化炭素説を是としていることです。そうして、大規模な風力発電所や、太陽発電所をいくつも創出しようとしていることです。
これに対して、日本では、このような大規模なものではなく、あくまでも、工場などの事業所の一部の電力をまかなおうとか、個人宅の一部をまかなおうという方式に対して支援を実施しています。私は、アメリカ式ではなく、日本式が正しいやり方だと思います。あれだけ、エネルギー効率が低い太陽光発電や、風力発電を火力発電所や水力発電所のように大規模に行うことは間違いです。あくまで、各家庭や、事業所で全部もしくは、一部をまかなうようにして、節約志向で実施すべきものと思います。
以前このブログで「地球温暖化詐欺」という動画を紹介しましたが、その中で、アフリカのある村の診療所の例が放映されていました。その診療所の屋根には、太陽光発電装置が設置されています。しかし、その発電能力は限られており、冷蔵庫と電燈を両方つけると、ブレーカーが落ちてしまいます。
その国の産業担当大臣は、「EU諸国では、何かというとクリーン・エネルギーを推奨する。クリーン・エネルギーは援助の対象になりやすいが、既存のエネルギーに関しては支援対象にならない。彼らは、一体、普通に電車を動かすだけでも、一体どのくらいの太陽光発電施設や風力発電施設が必要になり、そのコストがどのくらいになるのか知っているのだろうか?アフリカでは、普通に既存の火力発電などで、電気を発生せて電車を走らせたり、夜電燈をつけたりしてはいけないのだろうか!!」と、怒りの声をあげていました。
風力発電や、太陽光発電に関しては、いくら効率を高めようとしても、もう限界があると思います。本来、現状の100倍、1000倍くらいにならなければ、大規模なものをつくるのは、非効率と言わざるを得ません。現状では不可能なことです。たとえ将来そのようなことが可能になるかもしれませんが、たとえば、日本がいくら頑張ったとしても、そこまでの技術が開発されるのは数十年後になると思います。その頃になったら、今では考えもつかないような代替エネルギーが生まれているかもしれません。
このような背景から、アメリカがこれらの巨大施設をいくつも作ったとしたら、数十年後には負の遺産となる可能性が非常に高いです。このようなことをすれば、おそらく、アメリカは地球温暖化二酸化炭素説を信奉して、巨大風力、太陽光発電施設はもとより、大規模二酸化炭素貯留施設をつくろうとしている、EU諸国とともに黄昏を迎えることになると思います。
以上のように、日本は、技術水準はもともと高いし、その技術水準の高さ故でしょうか、イノベーションの方向性も非常に健全です。このイノベーションに関する報道、マスコミはほとんど公開していません。この内容も、ネットのニュース配信で初めて知りました。ネット配信においても、事実発表をするだけで、論評など付しているものはありませんでした。最近、パンデミックなどの暗い話題が多かったのでこうした、明るい話題も良いと思い、掲載させていただきました。
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