2013年2月2日土曜日

首相、フェイスブックで女性誌に訂正要求―【私の論評】時流を読めない女性週刊誌や国売新聞、観測気球新聞は、売れている男性ファッション誌を学び潮目の変化を学べ!!

首相、フェイスブックで女性誌に訂正要求


 安倍晋三首相が1日、インターネット交流サイト「フェイスブック」に投稿し、週刊誌「女性自身」(2月12日号)が掲載した、昭恵夫人が首相公邸の台所改装費に税金1千万円を使ったとする記事を「とんでもない捏造(ねつぞう)記事だ」とし、訂正を求めた。

 首相は「私も昭恵も公邸のリフォームはおろか、ハウスクリーニングさえ依頼したことはない」と反論し、「清掃や空調点検、壁穴の補修作業が入るのは通例だが、1千万円もかかる大げさな工事はない」と強調。「編集された方に訂正をお願いする」と記した。 安倍晋三首相が1日、インターネット交流サイト「フェイスブック」に投稿し、週刊誌「女性自身」(2月12日号)が掲載した、昭恵夫人が首相公邸の台所改装費に税金1千万円を使ったとする記事を「とんでもない捏造(ねつぞう)記事だ」とし、訂正を求めた。

 首相は「私も昭恵も公邸のリフォームはおろか、ハウスクリーニングさえ依頼したことはない」と反論し、「清掃や空調点検、壁穴の補修作業が入るのは通例だが、1千万円もかかる大げさな工事はない」と強調。「編集された方に訂正をお願いする」と記した。

以下に、安倍首相がフェイスブックに投稿した内容を写真も含めてそのままコピペさせていただきます。
「女性自身 2月12日号」の記事を読んでびっくりいたしました。
「安倍昭恵さん~首相公邸台所改装費に税金一千万円」と題された記事。

記事を要約すると、
『「2007年の首相辞任は、自分がきっちり夫の健康管理をしてあげられなかったからだ」との後悔の念を強くもっている昭恵が「今度は前回以上に食事の面から夫をサポートしていかなければ」との思いから、首相公邸の台所を1000万円(税金)かけて改装するよう指示している。(自民党関係者からの話)』
・・・という内容です。

今更ではありますが、とんでもない捏造記事です。
私も昭恵も首相公邸のリフォームはおろか、ハウスクリーニングさえ依頼した事はありません。

公邸に移るにあたって清掃や空調点検、あるいは壁穴の補修作業が入るというのは通例ですが、本来こちらが依頼し行うというものではありませんし、金額についても1000万円もかかる大げさな工事はもちろんありません。
編集された方、どうかご訂正をお願いします。

【私の論評】時流を読めない女性週刊誌国売新聞、観測気球新聞は、売れている男性ファッション誌を学び潮目の変化を学べ!!

上の記事は、週刊誌に関するものなので、こんなものかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。たとえば、国売り新聞・・・・、じゃなかった読売新聞とか、新華社通信・・・・、じゃなかった日経新聞でもこのようなことは良くあります。特に、経済記事については、そのようなことがかなり多いです。というより、95%くらいは間違いではないかと思います。残りの5%は、ときたま正しいことを掲載して、さもさも、まともなことを書いてあるようにみせかけるというものです。

国売新聞

特に、新華社通信・・・じゃなかった、日経新聞は、 観測気球とも呼ばれています。どういうことかというと、日本の各省庁などが、記事を掲載していったいどのような反応があるかどうかを見るというものです。財務省など良くやります。たとえば、増税の記事など掲載して、どのような反応があるのかをみるという具合です。日銀なども、気球をあげるつもりはなくても、記者が勉強不足で、そのまま掲載するので、意図的にあげなくても、あげたのと同じ効果があります。観測気球である新聞記事をそのまま信じては大変なことになります。日経新聞は、経済以外の記事は、秀逸なものも多いのですが、経済記事ははちゃめちゃになりました。これを読むと、本当に日本の経済がわからなくなります。

観測気球
でも、それが観測気球であるということを知った上で、観測気球をあげた組織は、どのような意図があってそのような気球をあげるのか、あるいは、観測気球を上げた結果を観察して、当該組織の意図は成就されるのか、されないのか・・・・・。このような視点で、読むのは大変意義深いことです。

こんな背景を知って、マスコミの一端である週刊誌という見方をすると、所詮こんなものかとも思ってしまいます。しかし、やはり、マスコミの本来の姿というのは、きちんと裏をとるという事だと思います。誰かから聴いた話など、そのまま掲載するようでは、マスコミとしては全く意味がないと思います。

上の記事、おそらく、首相公邸に住むために少し変えたとか、補修したことを、小耳にはさんだ、女性自身の記者が、勝手な当て推量で大げさに書いたのだと思います。

首相公邸は、確かに他の建物からみれば小さいようにはみえますが、個人宅などと比較すれば、かなり大きいです。こうした、建物だとしばらく、手を入れなかったとしたら、少し修理などするだけでも、建物や敷地全部であれば、改築までしなくても、1000万くらい軽くいくと思います。

台所の改装ということにでもなれば、1000万円ですむわけがありません。なにせ、官邸の台所ということになれば、かなり広いでしょうから、かなり大きな個人宅の改修よりもはるかに経費を要するものと思います。修理でなくて、改装ということであれば、公邸の改装にしては、あまりにもお粗末です。それくらいなら、改装はしないで、修理にとどめておいたほうが良いです。

上の週刊誌の記者裏取りをしないどころか、このような矛盾にも気づかず、記事を書いてしまったのだと思います。あまりにもお粗末です。

それにしても、週刊誌も、新聞もお粗末な日本の現状。本当に困ったものです。このようなマスコミもう先がないです。ちなみに、女性週刊誌など、どんどん発行部数が減っていますし、廃刊になるものも多です。たとえば、昨年は、あの女性ファッション誌の老舗"Vogue"の日本版が休館(実質上の廃刊か?)になっています。

Vougue Jappanの表紙

 女性ファッション誌は、ひところ付録戦略で部数を伸ばしていた時期があります。しかし、この付録戦術もほとんど効かなくなって、女性ファッションは低調です。

女性ファッション誌スウィートとその付録
とにかく、雑誌は全体でかなり低調です。その低調な中にあって、伸びている雑誌があります。それは、なんでしょうか?そうなんです。男性ファッション誌なんです。

伸びる男性ファッション誌


 雑誌市場の縮小が止まりません。2012年の推定発行部数は5年前より26%減ったもようです。そのなかで健闘しているのが30~40代男性向けファッション誌なのです。出版科学研究所(東京・新宿)によると同ジャンルの12年の部数は前年を3割弱上回ったとみられます。インターネットに情報が氾濫する今、なぜ雑誌に手を伸ばすのでしょうか。探ってみると、おしゃれに一段と気を使いはじめたこの世代ならではの事情や、需要に応じた売り場の変化が浮かび上がってきます。かつては自分より会社や家族が優先といった30~40代が多かっものです。しかし、今のこの世代は自分の欲求に正直になっているとみられます。また、この世代は、印刷媒体によって情報を得た最後の世代にもあたります。

12年度の実売部数で前年度比5割増を目指すオーシャンズは「コンビニでの販路が拡大していることが要因」(肝付兼人販売部長)といいます。ある大手コンビニは「9~11年にかけて、このジャンルの販売が伸び始めたのに気付き、12年は扱いを増やした」と話しています。また、この年代ではほしいものは我慢せず買う傾向が強まっているとみています。雑誌を有力な情報源とみなす世代で、着こなしに気を配るこの世代の男性消費者層は当面、一定のボリュームを維持するため、あと数年はこのジャンルの好調が続くとみる業界関係者は多いです。

売れている男性ファッション誌スマートの表紙

さてこのような男性ファッション誌の伸びなどみると、やはり、何か潮目が変わっていると思います。伸びている男性フアッション誌は、既存の雑誌と比較すると、猥雑な部分がほとんどないと思います。フアッション以外のことでも、こだわりとか、生き方とか、ライフハック的記事とか、何というか、共感を覚える記事が多いです。

男性たちは、猥雑な雑誌にはあきあきしているのだと思います。今なら、単なる猥雑さを求めるなら、サイトをみれば満載です。検索サイトのセーフサーチを外せば、それこそ、猥雑さのオンパレードです。これでもか、これでもかと嫌になるくらいでてきます。わざわざ、お金を出して買うにはおよびません。お金を出すなら、欲しい情報が掲載されていてほしいのです。

コンビニスイーツでも、男子向けが伸びている昨今、従来とは時流が異なります。この時流の変化、潮目の変化に気付かないのが、既存の雑誌、新聞、テレビなのだと思います。そんなことをしているうちにどんどん購読者が離れていってしまいます。そうなりたくなければ、最近伸びている男性向けファッション誌など参考にして、潮目の変化を読んで、変身してほしいものです。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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2013年2月1日金曜日

1ドル=95円はもうすぐそこに!? 懸念表明がないということは米国もある程度の円安水準を了解済みか―【私の論評】通貨安懸念をするドイツと、しない米国との間には明らかに異なる訳がある!!

1ドル=95円はもうすぐそこに!? 懸念表明がないということは米国もある程度の円安水準を了解済みか:

1月25日時点のドル円レート

[真壁 昭夫]
最近、アベノミクスの金融緩和策に伴う円安傾向が鮮明化していることについて、ドイツや英国などから批判の声が上がり始めている。特に、ドイツのメルケル首相は、「日本の円安政策は、通貨引き下げ競争につながる」として明確に批判した。
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【私の論評】通貨安懸念をするドイツと、しない米国との間には明らかに異なる訳がある!!

上の記事、「米国もある程度の円安水準を了解済みか」とする一方で、ドイツは通貨安競争を懸念していることを掲載していますが、なぜそうなのか踏み込んでまで掲載してませんので、このブログで掲載します。


そもそも、通過安に関して米国とドイツとではどこがどう違うかといえば、それは、はっきりしています。米国は、貿易大国ではないですが、ドイツは貿易大国だということです。どういうことかといえば、アメリカは、貿易がGDPに占める割合は、数パーセントにすぎないのです。アメリカは、まごうかたなき、内需大国です。

それに比較すると、ドイツは何と40%以上を占めています。ドイツはまごうかたなき、貿易大国であり、外需依存の国ということになります。



そのため、アメリカは日本が円安になったからといって、さほど影響は受けないのです。外需よりも、内需のほうがはるかに大きいので、外国のことよりも、アメリカ国内のことのほうが、経済的にははるかに重要なのです。

それに比較すると、ドイツは日本が円安になれぱ、かなり影響を受けます。内需よりも、外需のほうがはるかに大きので、国内のことようりも、ドイツ国外のほうが、経済的にはるかに重要なのです。

だからこそ、米国は、日本の円高に寛容だし、それに、自分の国でも、QE3という金融緩和を大々的にやっているため、日本にいちゃもんをつけるような状況にはないというわけです。こういったことから、日本の円安について、両国で受け止め方が違うのは、当然のことといえます。

それにしても、円安だからといって、通貨安戦争になるなどのことはありません。それは、以前のこのブログに掲載しました。そのURLを以下に掲載します。

「円安で近隣窮乏化」という誤解 デフレ対策の緩和、堂々主張を―【私の論評】まともな国にとっては、まずは国民経済をきちんと運営することが、世界経済もうまく運営していく前提となる!!


詳細は、上の記事をご覧いただくものとして、以下に要点だけ記しておきます。

日本やドイツそうして、アメリカのようなまともな国々では、どこかの国が通貨切り下げをすると、短期的に外国はマイナスの影響を受けますが、外国も金融緩和をします。両国ともにインフレ率が高くなりますが、それぞれ許容できるインフレ率に限界があるので、金融緩和競争はいつまでも続きません。だから、通貨安競争が苛烈になり、とんでもないことになるというようなことは、ないのです。

ただし、中国や韓国のようなまともでない国々においては、国民生活をインフレで犠牲にしてまで、自国通貨を安くします。しかし、これらの国々はすで金融緩和をかなり実施して、すでにかなりのインフレ水準になっています。

ドイツが非難するのであれば、日本やアメリカではなく、中国、韓国を非難すべきです。

さて、アメリカは輸出が、GDPに占める割合は、数パーセントにすぎないという話をしました。世界で、次にこれが少ない国は、日本です。日本では、15から16%内外です。日本も輸出大国ではなく、内需大国です。輸出企業は、日本では少数派です。最近、円安で輸出企業が潤っていという話をよく聞きますが、まだまだ、少数派の企業が潤っているだけの話です。

輸出といえば、輸出ばかりに目が向いていますが、日本では、輸出がGDPに占める割合は確かに低いですが、所得収支が莫大です。所得収支とは、日本から海外に投資した結果のあがりのことです。これが莫大なので、日本は輸出少なくて十分やっていけるどころか、ドイツのような輸出の多い国から比較すると、世界経済に影響される割合は低いです。非常に利口なやり方だと思います。

このようになっていないドイツや、中国、韓国のような国々は、世界経済の変化にかなり翻弄されやすいです。だからこそ、ドイツ、中国、韓国ともに、日本の円安傾向を警戒するのです。

さて、日本では、あまりに酷い円高水準でしたから、工場や人が中国などに移転が進み、空洞化が心配されたため、円安傾向に傾いているのは、歓迎すべきことです。しかし、アメリカや、日本のような国では、内需が拡大しない限り、国民の大多数の人びとが、景気の良さを実感できません。

アベノミクス、次の段階では、大規模な財政出動をして、内需を拡大する必要があります。この内需拡大に関して、まだまだ、心許ない状況にあります。それに関しては、以下の動画をご覧になって下さい。




日本の政治家の中には、このような実体を知らず、全く足りない財政支出に対して、「バラマキ」などと評してアベノミクスを非判しているものも多いです。全く、マクロ経済音痴としかいいようがありません。

このようなマクロ経済音痴の言うことを真に受けて、アベノミクスがバラマキなどと信じてしまい、そのような人が大勢を占めれば、またまたデフレから脱却できずに、失われた20年が30年になりかねません。そんなことになって良いはずがありません。

安倍総理としては、参院選までは、非判をかわしながら安全運転をしようという腹だと思います。是非とも、参院選でも大勝利を納めて、その後からまともな財政政策に着手していただきたいものです。来年、再来年としばらく続けていく必要があります。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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2013年1月31日木曜日

【経済快説】市場が歓迎する日銀総裁候補は? W岩田、伊藤氏に期待―【私の論評】今の時点で、安倍総理の戦線拡大を主張する輩は、偽装転向コミンテルンか過去の歴史の反省を踏まえないただの愚か者!!

【経済快説】市場が歓迎する日銀総裁候補は? W岩田、伊藤氏に期待:



 政府と日銀は2%の消費者物価の上昇率を「目標」とする共同声明を発表した。これは、デフレ脱却に向けた一つの前進だが、日銀の将来の政策のコミットメントとして曖昧さを残す、不十分なものだった。声明発表後の為替レートと株価の反応は失望が優勢だった。


・・・・・・・・・・・・・<中略>・・・・・・・・・・・・


 実現性のありそうな方で、一番円安・株高に効きそうなのは岩田一政氏か。氏は外債購入プランを唱えたことがあり、円安に対して積極的だ。

 伊藤隆敏氏が総裁に就く可能性もありそうだが、同氏も明確なインフレ目標論者であり、市場は好意的に反応するだろう。

 財務省出身の武藤敏郎氏、黒田東彦氏には、将来、出身母体の財務省に呼応して、緊縮路線に割合早く転ずるのではないかという懸念がつきまとう。特に、元大物次官の武藤氏の「実力」はマーケット的には懸念材料だ。(経済評論家・山崎元)

このニュースの詳細はこちらから!!

【私の論評】今の時点で、安倍総理の戦線拡大を主張する輩は、偽装転向コミンテルンか過去の歴史の反省を踏まえないただの愚か者!!

日銀白川総裁


上の記事にもあるように、現在日銀総裁人事が焦点となっています。そうして4月の日銀総裁人事を巡って安倍政権が、どの政党と協力体制を構築するのかに注目が集まっています。それというのもどこと組むかで、誰を新総裁にするかが変わってくるからです。

日銀総裁人事は国会同意人事です。衆院定数の3分の2以上を確保した自公連立ですが、国会同意人事は法案とは異なり衆院の再議決は認められていません。そのため参院で過半数に達していない自公が、日銀総裁を選任するためには他党の協力が必要不可欠です。



しかし、自民党が勝ちすぎてねじれが事実上解消してしまったので、自公以外にとって日銀総裁人事が数少ないカードとなってしまいました。自公にとっては、選択肢は2つしかありません。1つは「みんなの党+日本維新の会」。そしてもう1つは「民主党」です。

しかし、安倍政権が掲げる金融政策と民主党のそれは、全く相容れるものではありません。それは、昨日のブログでもあげたように、民主党の海江田代表の代表質問では、徹底的にアベノミクス自体を非判してます。それに対してみんなの党の金融政策は、デフレ脱却へ向けて大幅な金融緩和策を進めるというもので、安倍政権の目指す方向とピタリと一致しています。安倍政権がどちらと組むかは明らかです。


イエール大学の浜田宏一名誉教授

金融政策面での安倍首相の知恵袋は、イエール大学の浜田宏一名誉教授です。その浜田教授は、元財務官僚の高橋洋一氏を通して渡辺喜美みんなの党代表とも通じています。最終的には浜田教授のお眼鏡にかなった人物、ということになるのではないか考えられます。

現日銀総裁の白川方明氏は、浜田教授の教え子の一人でした。にもかかわらず、白川体制では、日銀の金融政策を徹底的に批判する浜田教授を完全に無視してきました。いずれにせよ総裁人事をはじめとする一連の人事においては、白川ラインは徹底的に干される可能性が高くなっています。

巷では、このように、日銀総裁人事に焦点があてられています。しかし、日銀の政策は、日銀の総裁、副総裁および審議員によって定められるものであり、総裁だけがアベノミクスに好意的な人に変わったとしても、何も変わりません。これについては、私の説明よりも以下の動画をご覧いただければ、ご理解が深まると思います。





これについては、以下に、総裁、副総裁、審議員を含めた、現在の日銀政策委員会の顔ぶれを紹介します。審議委員は、日銀の最高意思決定機関の政策委員会のメンバーです。同委員会は総裁と副総裁2人、審議委員6人の計9人で構成されています。日銀の金融政策は、現状ではこの9人の多数決で決定されるのです。

政策委員会委員

白川方明
総裁
白川方明
山口廣秀
副総裁
山口廣秀
西村清彦
副総裁
西村清彦
宮尾龍蔵
審議委員
宮尾龍蔵
森本宜久
審議委員
森本宜久
白井さゆり
審議委員
白井さゆり
石田浩二
審議委員
石田浩二
佐藤健裕
審議委員
佐藤健裕
木内登英
審議委員
木内登英
この中で、アベノミクスに賛成派は、2人しかいないということですから、今のままであれば、いかにアベノミクスが前途多難であるかお分かりになると思います。


アベノミクス賛成派は、佐藤氏と、木内氏だけであるが、この二人は、昨年7月24日に審議員入りしたばかりです。両氏の任期は、17年7月23日までの5年間です。両氏は8月8~9日の金融政策決定会合から政策論議に加わっています。

昨年4月初めに審議委員2人が任期満了で退任。当時の野田政権は後任の人選を進めましたが、この後任も反リフレ派であったため、当時野党の自民党などの反対で国会の同意を得られないなどして空席が続いていたものを7月にこの二人を入れたということです。

この日銀政策決定委員会が、アベノミクスに好意的な人が多数にならなければ、アベノミクスは日銀の抵抗にあって、うまくはいかないということです。総裁人事に勝利し、これらの委員もアベノミクス賛成派に変えるとなると時間もかかります。

やはり、いずれかの時点で日銀法改正に踏切、世界標準からみると、異常な日銀の独立性の定義をまともなものにすることが重要です。日銀の独立性とは、なぜか日本だけが、日本国の金融政策を日銀が他から干渉を受けずに、決定できる、現状では政策委員会で決定できることを意味します。

しかし、世界標準では、日本国の金融政策は、あくまで政府が決めるものであり、中央銀行は、政府の金融政策を実施する段階で、専門家的立場からその方法を他から干渉を受けずに実施できるというものです。明らかに、現在の日銀法は、異常です。国の一下部機関が、国の重要な金融政策を決定するなどあり得ません。これを改める必要があります。

こんなことを考えると、安倍政権の前途はまだまだ多難であることが、良くお分かりになると思います。こんなときに、安倍政権に対してあれもやれ、これもやれと言うのは、ちょうど大東亜戦争のときに、日本軍に北は、アリューシャン列島から、南はガダルカナルまで、西はインバールから、東はハワイまで戦線を広げさせ、しかも小さな島々を一島ずつすべてとらせるなものであり、わざわざ、アメリカに有利な拡大をしてしまったようなことをやれというようなものです。



これだけ戦線を拡大し、しかも、小さな島まで1つずつ全部制圧するなどのことをしていたら、いかに強かった帝国陸海軍といえども、負けたのが合点がいきます。ちなみに、1930年代には、帝国陸海軍といえば、あまりに強すぎて、当時のアメリカもソ連はもとよりいかなる国の軍隊も迂闊に手を出せる相手ではありませんでした。実際、日本が当初想定した防衛圏を守れば、大東亜戦争に勝利できたか、少なくとも講和に持ち込めたであろうとするアメリカ人の軍事専門家もいます。それについては、本題ではないので、本日は詳細をここに記すことはしません。以下の動画を参照願います。



これからでてくる、味方のようにみせかけながら、あれもやるべき、これもやるべき、あれもこれもできていないと、安倍政権を非難する輩は、このブログでも再三述べているように偽装転向コミンテルンか、このような背景に頭がまわらないただの愚か者だと思います。

そうして、安倍自民党政権がその手にのって、戦線を拡大すれば、アベノミクスは頓挫して、失われた20年が30年になる可能性も高まるわけです。そんなことにならないためにも、安倍総理が戦線を拡大しないことを非難するのは、控えるべきですし、戦線拡大を主張する輩に対しては、味方であれ、敵方であれ、徹底的に糾弾していくべきです。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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低劣番組『新報道2001』で前原氏がデフレ原因は人口減、円高原因は震災によるサプライチェーンの寸断だと発言−【私の論評】日本で横行する、財政も、金融も、日本自体もわからなくなくなる低劣番組は視聴に値しない!!



2013年1月30日水曜日

民主・海江田氏、アベノミクスを追及…代表質問―【私の論評】お笑い番組みたいな、無意味、錯誤発言大炸裂の海江田代表!!民主党大丈夫か?

民主・海江田代表「アベノミクス」追及 国会論戦スタート



安倍晋三首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が30日午後、衆院本会議で行われ、第2次安倍政権にとって初めての国会論戦がスタートした。最初に質問に立った民主党の海江田万里代表は「景気対策は財政赤字を蓄積させるバラマキだ」と批判、「アベノミクス」と呼ばれる経済・財政政策を中心に追及した。

海江田氏は「与党にすり寄るつもりは毛頭ない」と対決姿勢を前面に出した上で、首相のデフレ脱却策について「安易な国債増発による将来世代への負担先送り、弱肉強食社会を生む新自由主義的な経済政策」と批判。さらに「財政出動と公共事業に偏重した旧来型経済政策は効果に乏しい。財政出動が安易ではないか」と財政再建への道筋を示すよう求めた。

また、与党の平成25年度税制改正大綱で自動車重量税を「道路の維持管理・更新等のための財源」と位置付けたことに「道路特定財源の復活ではないか」と指摘。「道路族に代表される古い自民党政治、政官業癒着への逆行だ」と追及した。

海江田氏に続き、自民党の高村正彦副総裁は同党内で反発がある環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉への参加問題などを質問。日本維新の会の平沼赳夫国会議員団代表が皇室問題や憲法改正、防衛費増額などについて取り上げる。代表質問は衆院で31日も行われ、参院は31日と2月1日に実施される。

【私の論評】お笑い番組みたいな、無意味、錯誤発言大炸裂の海江田代表!!民主党大丈夫か?

衆院本会議で代表質問に立つ民主党の海江田万里代表。後ろは安倍晋三首相(右)と麻生太郎副総理・財務金融相=30日午後、国会・衆院本会議場

海江田氏の代表質問は、まるでお笑い番組で箸にも棒にもかかりませんが?

デフレや、不況のときに、財政規律を重んじて緊縮財政をやるというのは、まずは、世界大恐慌をますます悪くしてしまったという歴史的事実があります。これに関しては、1990年台に研究が進み、金融恐慌の原因はデフレであること、アメリカなどの日本以外の国では、緊縮財政で大失敗をして、戦争が始まってからしばらくしてから景気が回復したという事実がありすま。

当時、現在の高橋是清大蔵大臣は、現在のアベノミクスのようなリフレ政策をとって、世界で一番早く昭和恐慌から脱出したという事実があります。それに安倍自民党のことを新自由主義などといって批判していますが、海江田さんは新自由主義の意味をわかっているのでしょうか?

レーガンや、サッチャーから始まった本格的新自由主義的な経済政策は、結局ことごとく失敗してます。おそらく、新自由主義的政策で成功した国など存在しないのではないかと思います。新自由主義的経済運営といえば、IMFでも一時そのような考え方で各国に経済運営をするようにと、提言していましたが、結局どこもうまくいかず現在では、新自由主義はIMFのなかでも主流派ではなくなりつつあります。EUの経済運営も、結局新自由主義的な考え方で失敗しています。

それに、過去の日本がかくも長くデフレであったのには、このブログでも、以前示したように、いくつか理由がありますが、その中で新自由主的イデオロギーによるものもあります。

そのブログ記事のURLを以下に掲載しておきます。


新春特別番組 維新・改革の正体を語る(SakurasoTV)−【私の論評】今後の私たちは、新自由主義の呪縛から逃れ、真性保守主義の立場を貫くべき!!



この記事の中には、動画を掲載してありますが、その動画の中で、日本を駄目にした6つの勢力というテロップがでてきましたが、その内容は以下の3つです。

①「大蔵省/財務省」による「緊縮財政主義」
②「経済学者」による「新自由主義経済学イデオロギー」
③ウォール街・アメリカ政府等による「日本財布論」
④アメリカ政府による「ジャパンバッシング」
⑤社会主義陣営(ソ連・中国政府)による「対日工作」
⑥以上①~⑤の勢力を諸活動を吸収した「マスメデイア」

この勢力は、随分前から日本を駄目にし続けていましたが、さらに、ここ20年は日本をデフレに突入させたばかりか、今にいたるまで、継続させるというとんでもない結果を招いてしまいました。その中には、「経済学者」による、新自由主義経済学イデオロギー」というのがありました。今から考えると滑稽ですらあります。小さな政府とか、自由競争とか、グローバルだとか、何でも民営化だとか、最初聞くとなんとなく、一見たくましいく聞こえて魅力的に見えて良いようにみえますが、現実はそうではありませんでした。このイデオロギーに政治家はもとより、企業経営も騙された人が多いです。



この点で、海江田氏は完全に間違えているのは明らかです。アベノミックスにより、デフレから脱却しようとするには、新自由主義的イデオロギーから脱却しなければならないということです。しかし、海江田氏は、そうではなく、アベノミクスを標榜する安倍自民党政権が、新自由主義をもたらすと言っています。こんなことからして、本当にお笑い番組のようです。もっと、政治や経済を勉強してまともなことが言えないのでしょう。本当に反省が足りないです。

それに、アベノミクスは、安倍総裁が、選挙で公約で実施すると名言したものです。これに、最初から真っ向から反対するということは、与党に対して公約を破れと言っているのも同じです。こんなことをのっけから言ってよいものでしょうか?まともな感覚からすれば、実施することを前提として、その上で、実施すれば、このような不味い点があるが、まずはお手並み拝見という姿勢で述べるのが当たり前です。ことさら、対立軸を明らかにしようとして、完全に失敗しています。

もともと政治や経済には、疎かった海江田氏?


他にも細かいことをいくつか言っていましたが、全く無意味で、とにかく何を聴いてもばからしくて、ゲンナリという感じてす。民主党はこんな有様だったから、大失敗したのだと思います。このままであれば、もうすでに、「維新の会」はおろか「みんなの党」にも政党支持率が落ちているくらいですから、さらに下落して、その役割を終えると思います。

今のまま変わらないというのなら、存在意義が問われます。アベノミクス実施の邪魔になるだけです。静かに表舞台から消えて頂きたいと思います。そう思うのは、私だけでしょうか?皆さんは、どう思われますか?

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