2014年5月16日金曜日

集団的自衛権、71%が容認 読売調査―【私の論評】集団的自衛権は世界の常識、今までが非常識であったと認識すべき(゚д゚)!

集団的自衛権、71%が容認 読売調査

「政府の基本的方向性」を表明する安倍総理大臣

   読売新聞社が2014年5月9日から11日にかけて行った世論調査によると、71%が集団的自衛権の行使を容認する考えを示した。大半が「限定容認論」を支持しているが、8%は全面的に容認する考えだ。

   設問の内容は

「日本と密接な関係にある国が攻撃を受けたとき、日本への攻撃とみなして反撃する権利を『集団的自衛権』と言います。政府はこれまで、憲法上、この権利を使うことはできないとしていました。この集団的自衛権について、あなたの考えに最も近いものを、1つ選んで下さい

というもの。「使えるようにする必要はない」という選択肢を選んだ人が25%にとどまったのに対して、「全面的に使えるようにすべきだ」が8%、「必要最小限の範囲で使えるようにすべきだ」は63%にのぼった。

   一方、朝日新聞社が4月19~20日に行った世論調査では、容認に否定的な結果が出ている。

「集団的自衛権についてうかがいます。集団的自衛権とは、アメリカのような同盟国が攻撃された時に、日本が攻撃されていなくても、日本への攻撃とみなして、一緒に戦う権利のことです。これまで政府は憲法上、集団的自衛権を使うことはできないと解釈してきました。憲法の解釈を変えて、集団的自衛権を使えるようにすることに、賛成ですか。反対ですか」

という問いに対して、賛成は27%にとどまり、反対は56%にのぼった

【私の論評】集団的自衛権は世界の常識、今までが非常識であったと認識すべき(゚д゚)!

安倍晋三首相は15日夕、首相官邸で記者会見を開き、集団的自衛権行使など安全保障上の課題について「政府の基本的方向性」を表明し、国民に理解を求めました。会見の詳報は以下の通りです。動画と、書き起こしの両方を以下に掲載します。


 「こうした事態は机上の空論ではありません。連日、ニュースで報じられているように、南シナ海ではこの瞬間も、力を背景とした一方的な行為によって国家間の対立が続いています。これはひとごとではありません。東シナ海でも、日本の領海への侵入が相次ぎ、海上保安庁や自衛隊の諸君が高い緊張感を持って24時間体制で警備を続けています。北朝鮮のミサイルは、日本の大部分を射程に入れています。東京も大阪も、みなさんの町も例外ではありません。そして、核兵器の開発を続けています。さらには、サイバー攻撃など、脅威は瞬時に国境を越えてきます」 
 「これは、私たちに限ったことではありません。もはやどの国も一国のみで平和を守ることはできない。これは世界の共通認識であります。だからこそ私は、『積極的平和主義』の旗を掲げて、国際社会と協調しながら、世界の平和と安定、航空・航海の自由といった基本的価値を守るために、これまで以上に貢献するとの立場を明確にし、取り組んできました」 
 「積極的平和主義の考え方は、同盟国である米国はもちろん、先週まで訪問していた欧州各国からも、そしてASEANの国々をはじめとするアジアの友人たちからも高い支持をいただきました。世界が日本の役割に大きく期待をしています。いかなる事態においても、国民の命と暮らしは断固として守り抜く。本日の報告書では、そうした観点から提言が行われました」 
 「今後、政府・与党において具体的な事例に即してさらなる検討を深め、国民の命と暮らしを守るために、切れ目のない対応を可能とする国内法制を整備します。これまでの憲法解釈のもとでも可能な立法措置を検討します」 
 「例えば、武力攻撃に至らない侵害、漁民を装った武装集団がわが国の離島に上陸してくるかもしれない。こうしたいわゆる『グレーゾーン事態』への対処をいっそう強化します。さらに、PKOや後方支援など、国際社会の平和と安定に、いっそう貢献していきます」 
 「その上でなお、現実に起こり得る事態に対して万全の備えがなければなりません。国民の命と暮らしを守るための法整備が、これまでの憲法解釈のままで十分にできるのか、さらなる検討が必要です。こうした検討については、『日本が再び戦争をする国になる』といった誤解があります。しかし、そんなことは断じて有り得ない。日本国憲法が掲げる平和主義は、これからも守り抜いていきます。そのことは明確に申し上げておきたいと思います」 
 「むしろ、あらゆる事態に対処できるからこそ、そして対処できる法整備によってこそ、抑止力が高まり、紛争が回避され、わが国が戦争に巻き込まれることがなくなる、と考えます」 
 「今回の報告書では、2つの異なる考え方を示していただきました。1つは『個別的か集団的かを問わず自衛のための武力の行使は禁じられていない、また、国連の集団安全保障措置への参加といった国際法上、合法な活動には憲法上の制約はない』とするものです」 
 「しかし、これは、これまでの政府の憲法解釈とは論理的に整合しない。私は、憲法がこうした活動の全てを許しているとは考えません。したがって、この考え方、いわゆる『芦田修正論』は、政府として採用できません」 
 「自衛隊が、武力行使を目的として、湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してありません。もうひとつの考え方は、わが国の安全に重大な影響を及ぼす可能性があるとき、限定的に集団的自衛権を行使することは許される、との考え方です」 
 「生命、自由、幸福追求に対する国民の権利を、政府は最大限尊重しなければならない。憲法前文、そして憲法13条の趣旨をふまえれば、自国の平和と安全を維持し、その存立をまっとうするために、必要な自衛の措置をとることは禁じられていない。そのための必要最小限度の武力の行使は許容される。こうした従来の政府の基本的な立場を踏まえた考え方です」 
 「政府としてはこの考え方について、今後さらに研究を進めていきたいと思います。切れ目のない対応を可能とする国内法整備の作業を進めるにあたり、従来の憲法解釈のままで必要な立法が可能なのか。それとも、一部の立法にあたって憲法解釈を変更せざるをえないとすれば、いかなる憲法解釈が適切なのか。今後、内閣法制局の意見も踏まえつつ、政府としての検討を進めるとともに、与党協議に入りたいと思います」 
 「与党協議の結果に基づき、憲法解釈の変更が必要と判断されれば、その点を含めて、改正すべき法制の基本的方向を、国民の命と暮らしを守るため、閣議決定してまいります。今後、国会においても議論を進め、国民の皆様の理解を得る努力を継続していきます。十分な検討を行い、準備ができしだい、必要な法案を国会にお諮りしたいと思います」 
「日本は戦後70年近く、一貫して平和国家としての道を歩んできました。これからも、この歩みが変わることはありません。しかし、『平和国家である』と口で唱えるだけで、私たちの平和な暮らしを守ることはできません。私たちの平和な暮らしも、突然の危機に直面するかもしれない。そんなことはないと、誰が言い切れるでしょうか。テロリストがひそむ世界の現状に目を向けたとき、そんな保障はどこにもありません」 
 「政府は、私たちは、この現実に真っ正面から向き合うべきだと私は考えます。私たちの命を守り、私たちの平和な暮らしを守る。そのためには、いかなる事態にも対応できるよう、常日頃から隙のない備えをするとともに、各国と協力を深めていかなければなりません」 
 「それによって、抑止力が高まり、わが国が戦争に巻き込まれることがなくなると考えます。さきほど申し上げたような事態においても、しっかりと日本人の命を守ることこそが、総理大臣である私の責任であると確信します。今後、検討を進めるにあたり、国民の皆様のご理解、心からお願いを申し上げる次第であります。私からも引き続き、あらゆる機会を通して丁寧に説明をしていきたいと思います」 
 「再度申し上げますが、まさに紛争国から逃れようとしている、お父さんやお母さんやおじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない、彼らが乗っている米国の船を今私たちは守ることができない。そして、世界の平和のためにまさに一生懸命汗を流している若い皆さん、日本人を、私たちは自衛隊という能力を持った諸君がいても守ることができない」 
 「そして一緒に汗を流している他国の部隊、もし逆であったら彼は救援に訪れる。しかし私はそれを断らなければならない。見捨てなければならない。おそらく世界は驚くことでしょう。こうした課題に、日本人の命に対して守らなければいけない責任を有する私は、総理大臣は、日本国政府は、検討していく責務があると私は考えます。私からは以上です」
以下は、記者団からの質問と、それに安部総理が答えた内容です。



私自身は、集団的自衛権はあたり前のど真ん中であり、それが国際常識であり、集団的自衛権を認めてこなかったことのほうが、余程異常であり狂っていたと思います。

新聞報道においては、朝日が明らかに世論を誘導しています。

大手紙の集団的自衛権に関する世論調査は下記のようにまとめることができます。

●読売新聞(5月9、10、11日)全面賛成  8% 限定賛成 63% 反対 25%
●朝日新聞(4月19、20日)賛成 27% 反対 56%
●毎日新聞(4月19、20日)全面賛成 12% 限定賛成 44% 反対 38%
●産経新聞(4月26、27日)全面賛成  7% 限定賛成 64% 反対 26%

この結果で明確な事実は、4紙中3紙が集団的自衛権の行使で全面賛成と限定賛成を合わせれば過半数を占めて、朝日新聞だけ全面賛成も限定賛成の選択肢が無く賛否の二者択一なことです。

朝日新聞は集団的自衛権の行使の質問内容において、全面容認、限定容認、行使反対にしなかったのでしょうか。なぜ、朝日新聞は賛成、反対以外に「どちらともいえない」の選択肢が無かったのでしょうか。

その理由は他3紙の如く全面容認と限定容認を合わせて過半数超えの結果となることを恐れたためと考えられます。これは明らかな世論操作であると思います。

集団的自衛権に関しては、私自身はあまりにあたり前すぎることなので、それに対してあれがとうのこれがどうのと、論評することは控えさせていただきます。ただし、もっともあたり前で、常識的に説明している高橋洋一氏の記事のURLを以下に掲載しておきます。
「個別」「集団」の区別は世界の非常識 集団的自衛権の基礎知識
詳細はこの記事をご覧いただくものとて、高橋洋一氏は、この記事の結びに集団的自由権についてまとめています。その部分のみ以下に掲載します。
 集団的自衛権の反対論者が言う、「巻き込まれ論」は、国際的に日本だけは「見て見ぬふり」を公言しているのをわかっていない。 
 それと、地球の裏側まで行くのかという議論も、極論である。正当防衛論から見れば、「緊迫性」、「必要性」、「相当性」が求められているので、地球の裏側というのは、そうした要件に該当するものとはなりにくいので、極論といえるわけだ。 
 報告書では、2008年に示された4類型(公海における米艦の防護、米国に向かうかもしれない弾道ミサイルの迎撃、国際的な平和活動における武器使用、同じ国連PKO等に参加している他国の活動に対する後方支援)のほかに、次の6事例があげられている。 
事例1:我が国の近隣で有事の船舶の検査、米艦等への攻撃排除等  
事例2:米国が武力攻撃を受けた場合の対米支援 
事例3:我が国の船舶の航行に重大な影響を及ぼす海域(海峡等)における機雷の除去 
事例4:イラクのクウェート侵攻のような国際秩序の維持に重大な影響を及ぼす武力攻撃が発生した際の国連の決定に基づく活動への参加 
事例5:我が国領海で潜没航行する外国潜水艦が退去の要求に応じず、徘徊(はいかい)を継続する場合の対応 
事例6:海上保安庁等が速やかに対処することが困難な海域や離島等において、船舶や民間人に対し武装集団が不法行為を行う場合の対応 
 これらに対して、次の3つの対応が考えられる。 
A. 対応を行わない
B. 個別的自衛権の延長として、行う
C. 集団的自衛権として、行う
 A~Cのどれでいくのか。ただし、これまで述べたように、Bは国内でしか通じないロジックで、国際的にはCと見られる。
さて、この記事を書いた高橋洋一氏集団自衛権に関して、面白いツイートをされていました。それを以下に掲載します。
このツイートにでてくる、「猫が猛犬に体当たり」のCNNのニュースで放映された動画を以下に掲載します。



この猫は、普段は自分より体格の大きい犬などに体当たりなどしないと思います。しかし、飼い主の子供が危険にさらされたため、これを守るためやむなく体当たりをしたのだと思います。

これは、猫でさえ防衛本能があることを示しています。このあたり前のことをできるようにするということが、集団的自衛権ということです。

集団的自衛権について、反対する人たちの論拠としては、この子どもがこの犬に対して攻撃をしようとか、あるいは子どもにとって脅威になるような、この猫があずかり知らない遠く離れたところにいる犬や人間に対する攻撃を仕掛けた場合、猫は自分の意思に反しても、これらの犬や人間に対してまて゜攻撃しかけなければならなくなるといって反対しているわけです。

しかし、このような場合は無論猫の判断になると思います。この猫が子どものことが心配で、遠くに行ったときも、必ずついてまわり、その都度攻撃に加担するかどうかを決めるのはあくまで猫の判断によるものと思います。

決して、自動的に攻撃をするというわけではないと思います。子どもとの関係や、自分の利益を考えた場合、それでやるべきと判断した場合は、実行するでしようし、そうでなければ、攻撃には加担しないでしょう。

それは、集団的自衛権を認めたから自動的に攻撃に加担しなければならないというわけではなく、あくまで、猫の判断によります。

海外で支援活動をする自衛隊員や、民間人を守ることができないなど非常識(゚д゚)
その非常識を貫き通すというのなら、鎖国するしかないが、鎖国もかなり危険だ(゚д゚)!
現実の集団的自由権に話をもどせば、その時々の国際情勢と他国との関係において、決まるものであり、集団的自由権により、自動的に他国の戦争に加担するというわけではありません。あくまで、総合的長期的判断によるものです。

その総合的長期的判断により、攻撃すべきとなれば、地球の裏側に行ってまで攻撃するでしょうし、そうでなけばすぐ近くで味方の軍隊が攻撃を受けて被害者を出しても見捨てることでしょう。極限すれば、アメリカが弱小国に成り果てて、助けても日本にとって何にもならないということになれば、見放せば良いことですし、恩義があるか今後国益になると思えば、助けるべきです。

これは、冷たいようですが、現実です。私たちが住んでいる世界は、お花畑ではないのです。有力な国々のパランス・オブ・パワーで均衡しているというのが現実です。日本は軍事的には弱い立場にありますが、経済的にはあいかわらず強い国ですから、今はアメリカも日本が攻撃を受ければ、助けてくれるかもしれません。しかし、日本が軍事的にも経済的にもとるに足りない国になれば、中国から攻撃を受けても手のひらを返したように、見捨てられるようになります。日本が、ラオスやカンボジア程度の経済になれば、確実にそうなります。

私たちはお花畑の住人ではない(゚д゚)!

集団的自衛権は、こうした厳しい現実の枠組みで考えなければなりません。集団的自衛権に対して、闇雲に反対する人々は、世界はこうした厳しい枠組みの中で動いていることを理解していません。話になりません。

世界中の国が行使できる集団的自衛権を、日本も当然行使できるようにすべきです。するしないは別にして、何でも出来る事が我が国への侵略を抑止するのです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】












2014年5月15日木曜日

建設業、供給制約解消のために「工事単価値上げ」はまやかし?年収格差拡大で建設投資増?―【私の論評】景気対策は虚心坦懐に事実に基づいたバランスのとれた行動が重要!いずれにせよ、デフレ下で増税するなど全く問題外!馬鹿な政治家どもは、猛省せよ(゚д゚)!

建設業、供給制約解消のために「工事単価値上げ」はまやかし?年収格差拡大で建設投資増?

公共工事の単価上げはまやかし?

「バミューダトライアングルでは年間100隻の船が行方不明になっている」という主張は、いまだにバミューダトライアングルが危険だとアピールするのが目的だ。しかし、ここを通過する船が年間約15万隻であり、比率で見ると他の海域と変わらない。後者を伏せて前者だけ言うのはデマである。ちなみに、行方不明になった船のほとんどが、のちに発見されている。

最近インターネット上で吹聴されている「2009年、建設業に従事する生産労働者(現場で働く人)の年収は全産業平均より70万円安い」という主張は、そのせいで労働者が集まらず供給制約が生じているとアピールするのが目的だ。しかし、その年収の差は実を言うと1987年からずっと続いている。しかも、その金額は正確にいうと100万円以上なのだ。結論から申し上げると、この年収差の主な原因は建設業の生産労働者に占める中卒、大卒の比率は高いため、それが年収に反映される「学歴バイアス」の可能性が高い。この事実を伏せて、「建設現場で働く人の年収は、」と吹聴するのはデマである。

事実を確認しよう。一般財団法人建設業振興基金 が 13年5月に行った調査によると、建設業への学歴別入職状況は以下のようになっている。
※以下、学歴・全産業・建設業(数値は%)
大学・大学院卒 23.2 27.4
高専・短大卒 8.3 3.0
専修学校卒 13.4 10.0
高校卒 46.8 46.5
中学卒 8.4 13.0

これは13年の入職者の学歴なので、大卒が今より人数も割合も少なかった古い時代には、高卒、中卒の割合はもっと高かった可能性が高い。よって、全年齢で構成比をみた場合、高卒、高卒の割合は6割を超えていると推定される。13年単年の状況ですら高卒、中卒の割合は全産業での約55%に対して、建設業では約60%と5%も高いのだ。

●操作された統計データ
「09年、建設業に従事する生産労働者の年収は全産業平均より70万円安い」という主張の根拠として挙げられている資料は、国土交通省のプレゼン資料の一部である。この資料は厚生労働省の賃金基本構造統計調査をベースに、建設業の生産労働者と全産業平均の年収を比較している。つまり、全体の労働者から「建設業」の「男性」のうち「生産労働者」だけを分離して、それを全体と比べるという操作を行っているわけである。結果としてそれは、建設業における男性の中卒、高卒者中心の賃金統計をつくることと同じ意味になっているのではないか。

そもそも、労働者の年収は学歴によって大きな格差がある。13年賃金構造基本統計調査(厚労省)は次のように報告している。

「学歴別に賃金をみると、男性では、大学・大学院卒が395.4千円(前年比0.8%減)、高専・短大卒が298.8千円(同1.6%減)、高校卒が283.2千円(同0.9%減)となっており、全ての学歴において前年を下回っている。女性では、大学・大学院卒が281.3千円(同0.5%減)、高専・短大卒が244.6千円(同0.7%減)、高校卒が200.9千円(同0.2%増)となっており、高校卒が前年を上回っている。」

男性の場合、大卒と高卒の賃金は1カ月あたり10万円以上の開きがある。単純計算しても年収で120万円以上の差であり、賃金構造基本統計調査に含まれないボーナスも加算するとその差はさらに拡大する。先ほど述べたように、建設業全体に占める高卒、中卒の割合は全産業平均より5%多い約60%だが、それを生産労働者に限ってみれば、経験上その割合はもっと多くなることは容易に想像できる。仮にそれが建設業の平均より2~3割増しだったとすると、中卒・高卒の比率は7~8割に達するだろう。この数字は全産業に占める高卒、中卒の割合約55%に比べるとかなり高めの数字だ。

●建設業の年収は全産業平均より高い?
では、ここでもう一つの調査を紹介しよう。国税庁が実施している民間給与実態統計調査である。この調査は「民間企業における年間の給与の実態を、給与階級別、事業所規模別、企業規模別等に明らかにし、併せて、租税収入の見積り、租税負担の検討及び税務行政運営等の基本資料とすることを目的として」1949年(昭和24年)から継続している。

この調査では建設業における生産労働者とそれ以外の区別がないので単純比較となるが、1989年(平成元年)以降建設業の年収が全産業平均を下回ったことは一度もない。建設業は全産業に比べて高卒、中卒比率が最低でも5%以上高いにも関わらず、全体としては平均以上の年収をもらっているのだ。

さらにもう一つ重要な情報がある。国土交通省の資料「建設施工を巡る現状」によれば、建設業における生産労働者の賃金は、1987年のバブル前からずっと全産業平均を大幅に下回っていたというのだ。本資料から言えることは、次のような衝撃的事実である。

・87年から97年にかけての年収格差は拡大し、97年から11年にかけては縮小した(87年122万円→97年139万円→11年125万円)。

・87年から97年にかけての建設投資、就業者数は拡大し、97年から11年にかけては縮小した(就業者数:87年533万人→97年685万人→497万人)。



このデータを虚心坦懐に眺めれば、「年収格差が拡大するほど建設投資、就業者数が増え、年収格差が縮小すると建設投資、就業者数が減る」という事実が導きだせる。ならば、このデータをベースに議論する場合、建設業の供給制約問題の解決策として「工事単価を下げろ」というべきだ。しかし、このデータを持ち出す人の多くは「工事単価を上げろ」と主張している。データとは矛盾する主張だとの誹りは免れない。

そもそも厚生労働省の賃金基本構造統計調査をベースとして賃金格差を語ること自体に意味があるのだろうか? 誤ったデータに基づいて議論しても誤った結論が出るだけだ。筆者は国土強靭化には賛成だが、データを軽視した無茶な議論はこの政策を失敗に導くだろう。建設業の供給制約の壁が意外と低かったことが判明した今だからこそ、謝った主張をする人々には猛省を促したい。

(文=上念司/株式会社「監査と分析」代表取締役)

【私の論評】景気対策は虚心坦懐に事実に基づいたバランスのとれた行動が重要!いずれにせよ、デフレ下で増税するなど全く問題外!馬鹿な政治家どもは、猛省せよ(゚д゚)!

上の上念氏の記事の冒頭のバミューダトライアングルのたとえ話はなかなか面白いです。

この話は、最近のアメリカンジョークと一見異なるように見えますが、本質的には同じです。そのジョークを以下に掲載します。
アメリカの調査結果によれば、 パンは危険な食べ物だということがわかりました。 
パンは危険な食べ物だ(゚д゚)!
1)犯罪者の98%はパンを食べている  
2)パンを日常的に食べて育った子供の約半数は、テストが平均点以下である 
3)暴力的犯罪の90%は、パンを食べてから24時間以内に起きている 
4)パンは中毒症状を引き起こす。被験者に最初はパンと水を与え、 後に水だけを与える実験をすると、2日もしないうちにパンを 異常にほしがる  
5)新生児にパンを与えると、のどをつまらせて苦しがる  
6)18世紀、どの家も各自でパンを焼いていた頃、平均寿命は50歳だった 
7)パンを食べるアメリカ人のほとんどは、 重大な科学的事実と無意味な統計の区別がつかない 
8) 被験者100人に、1人につきパンをひとつだけ与え て 一か月間生活させると、一人だけしか生き残らなか った。
さて、アベノミクスの第一の矢である金融緩和の腰折れをさせるような、デフレの最中での増税をほとんどの自民党政治家などが、賛成しているという、マクロ経済を無視したような、政策論争・政局が平気でまかり通っています。最近の政治家は、政局すらもわからなくなってしまったようです。

自民党の大部分の頭の悪い暗愚の低能政治家ども(もうあきれてしまっているので、これくらい言わせて下さい)は別としてまともな識者の中では、国の借金1000兆などの馬鹿な話や、財政再建をするために増税するなどという大馬鹿な話は無論誰も信じるものもおらず、今は増税などという暗愚な緊縮財政策を実施すべきではなく、積極財政をすべきであるということでは、一致しています。

その積極財政にもいろいろあります、減税、給付などから、公共工事まで様々な方法があります。

その中で、公共工事については最近、公共工事の供給制約があり、すぐには効果のある経済対策とはなり得ないことが了解されています。

とはいっても、自民党の暗愚政治家どもはこのことも理解していないと思います。だから、前倒して公共工事などどんどんやれば、景気対策になると本気で思い込んでいます。これに関しては、麻生財務大臣も、とにかく予算の前倒しをすべきとしています。

麻生財務大臣
しかし、厳然とした公共工事の供給制約があるため、これはすぐには不可能ということをこのブログでも掲載したことがあります。

その記事のURLを以下に掲載します。

【日本の解き方】高く評価できる黒田日銀の1年目 懸念は増税による成長率下振れ―【私の論評】財政政策にも限りが、追加財政政策をしたとしても、公共工事の供給制約がある(゚д゚)!

詳細は、この記事をごらんいただくものとして、以下に公共工事の供給制約の部分のみコピペさせていただきます。
以下のグラフは公的固定資本形成(公共事業費)と建設業許可業者数の推移です。

公的固定資本形成の増減に対して、建設業者数が遅れて追従しているのが分かります。 
大体5年くらいの遅れでしょうか。国土強靭化により公共事業を拡大しても供給能力が元に戻るには5年くらいの時間がかかってしまうという事です。 
これでは、財政支出を増やして、公共工事をどんどんやろうにもできないということです。供給を増やしたとしても、それができるようになるには、5年くらいのタイムラグがあるということです。それにしても、過去20年にもわたって、公共工事を削り続けてきた結果がこれです。こんなことからも、糞馬鹿低能民主党が政権後退のスローガンとした「コンクリートから人へ」は大間違いだったことがわかります。
この記事では、公共工事の供給制約はかなり深刻であり、公共工事が増えたとしても、すぐには実行できず、5年くらいのタイムラグがあると悲観的に掲載しました。


しかし、上の上念氏の文章によれば、建設業の供給制約の壁が意外と低かったということです。

年収格差拡大で建設投資が増加するということですから、供給制約解消のためは「工事単価値を下げる」べきなのです。

いいですか、「工事単価を上げる」のではなく、「下げる」ことのほうが、建築投資が増加するということです。

であれば、確かに公共工事の供給制限は意外と、低いということです。

しかし、そうはいいながらも、現在は確かにはっきりとした「公共工事の提供制約」があるのは事実です。現場を観察してみれば、そんなことはすぐに理解できます。実際に、どこの会社も受注しない公共工事が増えています。

しかし、この状態もそんなに長くは続かないということです。はやければ、1~2年くらいしてから、建築投資も増えて、公共工事もかなり行なわれるようになり、公共工事の提供制約は、緩和されるかもしれません。


しかし、自民党の暗愚な政治家はこのようなことも理解しておらず、直近で闇雲に公共工事を増やそうとして失敗し、今度は失敗に懲りるとしばらく公共工事は駄目ということで、見向きもしなくなるのだと思います。そんな馬鹿なという方もいらっしゃるかもしれませんが、現実に過去20年がそうでした。

とにかく、公共工事=箱物行政=悪という空気に流され、現実を精査することもなく、ただただ公共工事を減らし続け、必要な工事までしなくなり、今日に至りました。

その間、民主党が政権交代し、政権与党となりましたが、あろうことか民主党も「コンクリートから人へ」のキャッチフレーズを掲げ、事態はますます悪化しました。民主党も自分たちの頭であまりものを考えずに、財務省のヨタ話にのってしまったということです。

このような見方しかできなければ、政局においても有利な手は打てません。ただただ、財務省などに振り回されて、気がついてみれば政局でも失敗、政策でも失敗ということになるのだと思います。

本来は、省益しか考えない財務省になど翻弄されるべきではありません。なぜ、翻弄されるかといえば、多数の自民党の議員が馬鹿だからです。財務省の官僚などは、今の馬鹿自民党の議員など腹の中では、「低能議員」と手して、皆でせせら笑っていることでしょう。というより、ずっと前からそうだったというのが現実です。だからこそ、日本は古今東西例をみない、15年以上もわたるデフレが続いているのです。

パンが危険だと財務省の官僚が説いてまわれば、
自民党議員の大部分は、パンを食べなくなる・・・?
結局今の暗愚な自民党政治家の大部分は、上のバミューダ沖が特に危ないと信じたり、自分では気づかず、パンが危険だと思い込んでいる人々とそう変わらないということです。

こんな状況は一刻もはやく、変えるしかありません。直近では、所得税減税、給付金でのりきり、1~2年たって、公共工事の供給制約がなくなれば、今度は公共工事を増やす、そうこうしているうちに、景気が加熱したら、今度は金融引き締め、緊縮財政をするなどのことをすべきです。

要するに、経済対策は、その時々の状況に応じて、バランスをとるということが重要です。これができない、考えもつかないというのが、今の自民党の大部分の暗愚など馬鹿議員どもです。

こんな状況は何としても変えなければなりません。政治家自身が、まっと勉強してまともになるか、勉強してもまともになれないというのなら、政界から消えていただく以外に方法はないと思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

【日本の解き方】高く評価できる黒田日銀の1年目 懸念は増税による成長率下振れ―【私の論評】財政政策にも限りが、追加財政政策をしたとしても、公共工事の供給制約がある(゚д゚)!


異例の予算前倒し要請、麻生財務相「景気下振れに万全期す」―【私の論評】増税の悪影響は最初から懸念されていたこと、いまさら遅い!公共工事の供給制約が明らかになった今一体何をどうするというの?



【関連図書】

2014年5月14日水曜日

【西村幸祐氏ツイート】Hideki Tojo and Jewish refugees ユダヤ人難民を救った知られざる日本の人道主義者たち―【私の論評】東條英機閣下はユダヤ人から「ユダヤ人を救った英雄」と言われていることを知らない自虐的歴史観にまみれた日本人は、もう一度歴史を真摯に見なおせ(゚д゚)!

【西村幸祐氏ツイート】Hideki Tojo and Jewish refugees ユダヤ人難民を救った知られざる日本の人道主義者たち

東條閣下
【私の論評】東條英機閣下はユダヤ人から「ユダヤ人を救った英雄」と言われていることを知らない自虐的歴史観にまみれた日本人は、もう一度歴史を真摯に見なおせ(゚д゚)!

週間新潮4月13日号、「『東條英機』はユダヤ人から『英雄』と称えられていた」という見出しで、以下のような記事が掲載されてます。
A級戦犯の代表といえば東條英機。彼が合祀されている靖国神社への小泉首相の参拝を、「戦後ヒトラーやナチスを崇拝したドイツの指導者はいない」と非難したのは、中国の李肇星外相だが、その東條はなんと、ユダヤ人から「英雄」と称えられていたのである。
(「週間新潮」4月13日号より引用)

この記事のモトネタはラビ・マーヴィン・トケイヤー氏著「ユダヤ製国家日本」。氏は日猶同祖論やユダヤ教のタルムードに関する書籍で知られています。私は、古代ユダヤ教の儀式と神道の祭、古代ヘブライ語と日本のカタカナの相似をもとに展開される日猶同祖論に一時かなり興味を持ったことがあります。

さて、ユダヤ人が東條閣下を「英雄」と称える理由として以下の二つをあげることができます。

1937年、ナチスの暴挙を世界に喧伝するためにハルビンで開催された極東ユダヤ人大会。ハルビン特務機関長だった樋口季一郎らが大会に出席したことに対し、当時、同盟国であったドイツが抗議。その抗議を東條閣下が握りつぶされました。

樋口季一郎
ナチスの迫害から逃れたユダヤ人を満州国に入国させたことに対するドイツ外務省の抗議に対して、東條閣下は、「当然なる人道上の配慮によって行ったものだ」と一蹴されました。

エルサレムの中心地にユダヤ民族に貢献した人、ユダヤ人に救いの手を差し伸べた人達を顕彰するために、「ゴールデンブック(黄金の本)」なるものが展示されています。

ゴールデンブックの第一巻目

この「ゴールデンブック」には二人の日本帝国陸軍軍人、樋口季一郎中将と安江仙弘大佐の名が刻まれています。特務機関の幹部として、ハルビンのユダヤ民族協会を通してユダヤ人社会との交流があった樋口、安江。一方、東條閣下はユダヤ人と親交を結ぶ機会がありませんでした。

それゆえ東條閣下は「ゴールデンブック」入りができませんでした。しかし、「もしユダヤ民族協会との交流があれば、ゴールデンブック入りは勿論のこと、東京裁判の判決に対し世界中のユダヤ人から助命嘆願書がマッカーサーのもとに寄せられたことだろう」と、トケイヤー氏はそう記しています。

ユダヤ人映画監督スピルバーグ氏は、ユダヤ人を救った男の実話を描いた「シンドラーのリスト」について、トケイヤー氏は以下のように語っています。
「シンドラーの行為は無料で使える工員を集めて金儲けするという私欲から発したもの。人道的な精神からユダヤ人を救った日本人とは根本が違う」。
スピルバーグ氏

日本では、ユダヤ人を救った日本人ということになると、外交官の杉原 千畝(すぎはら ちうね)が有名です。第二次世界大戦中、リトアニアのカウナス領事館に赴任していた杉原は、ナチス・ドイツの迫害によりポーランド等欧州各地から逃れてきた難民たちの窮状に同情。外務省からの訓令に反して、大量のビザ(通過査証)を発給し、およそ6,000人にのぼる避難民を救ったことで知られています。その避難民の多くが、ユダヤ系でした。海外では、「日本のシンドラー」などと呼ばれることがあります。

しかし、東條閣下が、ユダヤ人に対して救いの手を差し伸べたことなど、歴史の彼方に消え去り、振り返られることもほとんどありません。これは、やはり、第二次大戦の戦勝国からみるとこの事実は隠蔽しておきたいからかもしれません。

杉原千畝

ユダヤ人に救いの手を差し伸べた閣下が、一方では残虐非道の独裁者であるかのような振る舞いをしたなどということは、はなはだしい矛盾です。そんなことがあり得るはずがありません。

東條閣下をはじめとする、いわゆる東京裁判における戦犯の方々は、すべて戦犯などではなく勝者の裁く一方的裁判でリンチにかけられ、死刑となったものです。これは、重大な戦争犯罪です。日本人たるもの、この事実は永遠に忘れてはならないと思います。日本軍は、ナチスドイツのSSなどとは明らかに違います。日本が軍国主義だったとか、軍人が何もかも権力を握って好き勝手をしたなどというのは、著しい歴史の歪曲です。


スピルバーグは、第二次大戦は自分にとって最も重要なテーマであると語り、実際、第二次大戦を扱った映画をいくつも発表しています。スピルバーグが東條閣下や、樋口、安江、杉原のような日本人を映画化してくれたなら、東條英機閣下の名誉も回復され、呪われた自虐史観も一掃されると思います。こんなことが実現したら本当に素晴らしいことになると思います。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】






【関連図書】

中国を捨てよ (イースト新書)
石平 西村 幸祐
イースト・プレス
売り上げランキング: 4,690

「反日」包囲網がアベノミクスを壊す トクアノミクスの正体
西村 幸祐
文芸社
売り上げランキング: 330,303


ユダヤ製国家日本―日本・ユダヤ封印の近現代史
ラビ・マーヴィン トケイヤー
徳間書店
売り上げランキング: 99,285

2014年5月13日火曜日

上念司「中国包囲網の決定打はモンゴル・トルコのランドパワー強化に在り!」―【私の論評】ソ連崩壊後、小国ロシアになってから国境溶解が顕著になり中国にとって軍事的脅威はなくなった!日本は経済援助を通じて中国と国境を接する国々のランドパワーを強化すべき(゚д゚)!

上念司「中国包囲網の決定打はモンゴル・トルコのランドパワー強化に在り!」


経済評論家の上念司氏は、南シナ海(南沙諸島、西沙諸島)で軍事的圧力を強めている中国に対抗するには、中国に接しているトルコやモンゴルなどの陸の国を経済的に支援して発展させることが解説しています。

上念司氏は、現在はベトナムやフィリピンが主導してASEANの海洋国家で対中国包囲網を敷いていますがそれではまだ不足で、日本は地政学を利用しランドパワーの国に支援して発展させれそれだけ軍事費に使える予算が増えるため、中国に対する圧力が増えて海に出てくる力を弱めることができると説明しています。

【私の論評】ソ連崩壊後、小国ロシアになってから国境溶解が顕著になり中国にとって軍事的脅威はなくなった!日本は経済援助を通じて中国と国境を接する国々のランドパワーを強化すべき(゚д゚)!

上の上念氏の動画でも言っているように、確かにソ連が崩壊してロシアになって以来、中国を取りまくランドパワーは格段に落ちて、それが中国の海洋進出に拍車をかけているのは事実です。

特に冷戦崩壊後のロシアの弱体ぶりに関しては、このブログにも以前掲載しました。そのURLを以下に掲載します。
旧ソ連と同じ罠にはまった中国、米国の仕掛けた軍拡競争で体力消耗―露メディア―【私の論評】ロシアの弱体化を吐露する記事、中国を封じ込めることと引き換えにロシアとの領土交渉を!!
現在、ロシアのGDPは日本の3分の1以下なのです。日露戦争の頃は、ロシアのGDPは日本の8倍でした。100年間(正確には80年間)で日露の国力は大逆転したのです。


 2010年各国のGDP
1.アメリカ
2、中国
3.日本   5兆4500億ドル
4、ドイツ
5、フランス
6、イギリス
7、ブラジル
8、イタリア
9、カナダ
10、インド

・ ロシア  1兆4650億ドル
こんな国が、アメリカなみの、ミサイル防衛網など、構築できるわけがありません。それから、中国が世界第二位の経済大国になったのは、日本のおかげでもあります。それは、このブログに、何回か掲載してきたことですが、日銀が、いつまでも、執拗に増刷拒否など金融引締めをするものですから、固定相場制の中国は、自国の元を好きなだけ、擦りまししても、日本の円が担保となり、インフレを免れてきたということです。しかし、それも、最近では、効き目がなくなりつつあります。日本銀行がまともになったら、中国は、あっという間に、経済大国の座からすべり落ちることでしょう。
ロシアの弱体化は明らかです。現状の小国ロシアに、領土問題などで譲歩する必要など全くありません。日本は、日本銀行に金融引締めをやめさせ、円高誘導をやめさせ、また、世界第二位の経済大国に返り咲くべきです。それに、いますぐするしないは、別にして、核武装の論議をはじめるべきです。それだけで、ロシア、中国、北朝鮮はかなり脅威に感じることでしょう。
こうしたことを背景にして、日本は、弱体化が明らかになった、ロシアと領土交渉を有利にすすめるべきです。そうして、これは、他国ならどこの国でもやっていることです。日本だけができないとか、やってはいけないなどということはないはずです。そのためにも、一日でもはやく、新たな憲法を制定すべぎではありますが、今の日本国憲法の範囲でもできることは、すぐにも実行すべきと思うのは、私だけでしょうか? 
ロシアは、人口も少なくなりました。現在のロシアの人口は、1億4千万人です。これは、現在の日本の人口1億2千万よりわずかに多い程度です。

ソ連崩壊以来、いくつかの国が分離したとはいえ、その広大な領土にわずか、1億4千万人の人口です。ロシアは多民族国家なので、支配階級である、ロシア人は、日本人と同程度の状況です。さらに、国境の溶解現象も起こっています。

かつての中ソ国境紛争の係争地だった黒瞎子島は今では観光地になっている

国境の溶解現象とは、中ロ国境を中国人が多数超えてロシア領内に入り、様々経済活動をしているため国境そのものが曖昧になっていることをさします。

黒竜江とウスリー江を挟んだ対岸は、中国有数の農業地帯であり、 渤海、金以来のさまざまな民族の興亡の地として歴史に残る遺跡も多いです。 わずかに川ひとつ隔てただけで、一方は衣食を外からの供給に仰ぎつつ資源を略奪しつづけ、 年々人口を減らしつづけているシベリアであり、一方は年々人口を急増させつつある 黒龍江省です。

ロシア側の、全シベリアの人口を総和しても、数十分の一の面積しかない黒龍江省の半分にしかならないのです。この救いがたい落差は、 つまるところ社会的な圧力になります。ソ連政府はだからこそ国境地帯に厳しい軍事的な緊張を 作り出すことによって、中国からの圧力に対抗していたといえるでしょう。

 国境を挟んだ中国側の吉林省、遼寧省と北朝鮮、 内モンゴル自治区とモンゴル、新彊とカザフスタンおよびウズベキスタン、中国の雲南省とミャンマー、 中国の広東省とベトナムなどを比較してみると、常に面積の少ない中国側の各省が人口ではるかに勝っていることがわかります。

 この明白な不均衡こそが、国境を超えて大量の中国人が流出あるいは進出しつつある 根本的な原因です。この点から言えば、シベリアも例外ではないばかりではなく、 最も典型的なものです。ソ連の軍事的圧力が解消し、 国境貿易が開始されたことは、この過程を一気に促進させました。


中越国境の橋

 ソ連の崩壊によってシベリアのロシア人社会は、直ちに危機に陥いりました。 政府は給与を支払うことができず、多くの労働者が引き上げていきました。 シベリアに市場はなく、シベリア鉄道もいたるところで寸断されようとしていました。 だから、中国からの輸入が不可欠のものとなりましたが、一方で中国に売り渡すものを シベリアのロシア人社会は何も持っていませんでした。その結果、 中国人がシベリアに入り込んできて、役に立つものを探し出し、作り出してゆくしかなくなりました。

こうして、国境溶解が進んていきました。この国境溶解は、無論中国にとっては、軍事的脅威がなくなったことを意味します。

特に現在のロシアは、ご存知のようにウクラナイ問題を抱えており、中ロ国境にソ連時代のように大規模な軍隊を駐留させておけるような余裕はありません。

かつてのソ連の脅威がなくなったどころか、国境溶解でロシア領内にまで浸透できるようになった中国は、この方面での軍事的脅威は全くなくなったということです。

各地で軍事的な脅威がなくなった中国は、これら国境地帯にかつのように大規模な軍隊を派遣する必要もなくなり、従来から比較すると経済的にも恵まれてきたため、海洋進出を開始刷るだけの余裕を持ち、実際に海洋進出を始めました。

中国に国境を接する国々である、ロシア、ベトナム、モンゴル、インド、トルコなどが、経済発展をして軍事的にも余裕ができ、中国に対峙することが可能になれば、中国はこれらの国々の脅威から自分を守るために、国境に軍隊を派遣セざるを得なくなり、海洋進出などしている余裕はなくなります。

昨年インドは中印国境の警備兵を5万人増兵
日本としては、これらの国々に経済援助や、技術援助、軍事援助などしてこれらの国々のランドパワーを強化することにより、中国の海洋進出の夢と野望を打ち砕くことができます。そうして、日本はデフレさえ脱却できれば、そのような支援を実施することは十分に可能です。

こんなことを考えると、安全保障のことを考えても、デフレからの脱却を遠のかせるような、消費税増税などやっている場合ではないのです。いますぐにでも、消費税増税の悪影響食い止めるためにも、公共工事の供給制約がある現在、政府はすぐにでも、所得税減税、給付政策を行うべきです。

私は、そう思います。皆さんは、どう思われますか?

【関連記事】

旧ソ連と同じ罠にはまった中国、米国の仕掛けた軍拡競争で体力消耗―露メディア―【私の論評】ロシアの弱体化を吐露する記事、中国を封じ込めることと引き換えにロシアとの領土交渉を!!


「沖縄は日本が武力併合」中国共産党機関紙が論文―【私の論評】歴史地図と長期国家戦略地図が示す、侵略国家中国!!弱れば、攻めこまれ領土を奪われるだけ!!



【関連図書】

国土と安全は経済(カネ)で買える~膨張中国包囲論~ (扶桑社新書)
上念 司
扶桑社
売り上げランキング: 505


中国を捨てよ (イースト新書)
石平 西村 幸祐
イースト・プレス
売り上げランキング: 7,046

国境 奪い合いの世界地図 (KAWADE夢文庫)

河出書房新社
売り上げランキング: 355,421

2014年5月12日月曜日

インフレで、日本の起業精神は復活する なぜ日本では、いままで起業者が減少していたのか―【私の論評】ちょっと待ってくれ、日本で最大の問題はデフレではないのかい?そう思わない、馬鹿な政治家・識者・専門家があまりにも多くないかい(゚д゚)!

インフレで、日本の起業精神は復活する なぜ日本では、いままで起業者が減少していたのか

村上 尚己 氏

4月下旬に公表された最近の中小企業白書では、2012年時点の「起業希望者」は約84万人と、1997年の約167万人から約半分にまで大きく減少した、と分析されている(下表)。「起業希望者半減」と、センセーショナルに伝えたメディアもあった。

実際に起業して成功している、あるいは将来の起業を目指している人々は、日本での起業精神の冷え込みを嘆いたり、「日本経済の停滞の象徴」と喝破している。

では、なぜ、日本人は起業しなくなったのだろうか。過去10数年余りで、日本人が臆病になったのか?日本人の意識が大きく変わったのか?日本の教育が大きく変わったのか?それとも起業を支援する制度が、かつては充実していたのか? 

いずれも筆者は違うと思う。日本で起業活動が衰え始めた時期と、物価に責任を持つ日本銀行の政策でデフレという異常な経済状況が始まった時期はほぼ同じだ。デフレが長期化して、起業というリスクをとる行動に、経済合理性を見出すことが難しかったから、と考えるのがもっとも自然である。

戦後は、正しいマクロ安定化政策が続き、このため経済が安定的に成長した。だから、既存企業が切磋琢磨し、あるいは起業による新たなプレーヤーによる技術革新が経済活動を活性化させ、日本の経済発展を支えた。

バブル崩壊後の経済安定化政策を誤り、「デフレでも仕方がない」と考える中央銀行の政策により、日本経済は常に抑制されてしまった。このため、低成長が続き、起業というリスクをとるコストが、多くの合理的な日本人にとって極めて大きくなっていたのだ。

日本で起業が停滞した理由は、「日本人は起業が苦手だから」ではなく、起業という行動の本質を、多くの日本人が良く理解しているから、というのが本当の理由である。だからこそ、実質金利が極めて高いという経済環境に直面し、起業に慎重になるという、合理的な行動が広がったということなのだ。

こうした認識が正しく、今後2%の物価安定と脱デフレが定着する経済正常化が進めば、日本における起業活動は再び正常化するだろう。

1990年代半ばのような経済状況になれば、2012年段階で落ち込んでいる「起業する人の数」は再び20%くらいは増えるだろう。そして、起業で成功する人が増え、それが魅力的な選択であると認識されれば、起業を考える人(起業希望者)も、倍増してもおかしくない。

アベノミクスがもたらすインフレ時代の到来は、日本の起業精神を復活させるのである。なお、この統計は5年に1回しか発表されないため、アベノミクス発動で景気回復が始まった2013年の起業者数の動きは残念ながら把握することができない。5年後が楽しみである。

村上 尚己 :アライアンス・バーンスタイン マーケット・ストラテジスト兼エコノミスト

上の記事は、要約です。詳細をご覧になりたい方はこちらを御覧ください(゚д゚)!

【私の論評】ちょっと待ってくれ、日本で最大の問題はデフレではないのかい?そう思わない、馬鹿な政治家・識者・専門家があまりにも多くないかい(゚д゚)!

上の、村上 尚己氏の記事、まったくこの通りです。あたり前のど真ん中です。とにかく、デフレの最中の起業は、余程のことがない限り控えるというのが、経済合理的な行動です。

しかし、日本では、なぜかこのデフレということを全く忘れたか、存在しないかのごとく、様々な経済問題や社会問題を考える人が多すぎです。特に多くの分野の専門家といわれる人々が、デフレなどなきがごとくに、様々な論議をしています。こういう人たちの頭の構造はどうなっているのか、私は理解できません。

日本は、過去15年間デフレでした。このことを忘れて、あたかもデフレがあたり前、通常の状態であるかのように、それを前提として日本の起業率が低いことを嘆いても意味がなく、まずはデフレ解消が喫緊の課題です。



デフレであることを前提として、起業率の問題を考えるのはもとより、社会福祉、医療、雇用の問題いや、もっと大きく社会問題を考えたとしても、すぐに行き詰まり、閉塞感にさいなまれるのは当然のことです。

そもそも、日本ではデフレがあまりにも長く続いたせいか、デフレを軽く考え、あたかも通常の経済循環の好景気、不景気のうちの不景気くらいに考えてものを語る頭の軽い政治家、識者、専門家といわれる人が多すぎです。

私は、デフレそのものよりも、こういう頭の軽い政治家、識者、専門家が日本にあまりにも多いということのほうが、よほど危険なことだと思います。

デフレ下では、税収の拡大は見込めない


デフレは、正常な景気循環の範疇には収まらないそこから逸脱した異常事態です。デフレは、実体経済の癌です。すぐにでも直さなけれはならないものです。

このことは、このブログでも、何回かタイトルに「ちょっと待ってくれ」というフレーズを入れた、シリーズで掲載してきました。

そのうちで、まずは起業に関係ある記事のURLを以下に掲載します。
従来の説はほとんどウソだった。日本でベンチャー企業が発達しない本当の理由。―【私の論評】ちょっと待ってくれ!!20年もデフレが続いたことを忘れていないかい?デフレは、ベンチャーの最大の敵であることを!!
詳細は、この記事をご覧いただくものとして、この記事では、ある方が日本のベンチャー企業が発達しない本当の理由を以下のように記述していることを掲載しました。
ベンチャーと大企業との関係でいえば、手塩にかけて作り上げた技術を、ベンチャー企業が大手企業の前でプレゼンテーションするとします。その時に、いつも決まって返ってくる答は「既存技術の価格より安くしてくれないと取引できない」だったのです。大手企業は、技術の価値は認めるものの、それ以上は、踏み込めません。
日本のベンチャー企業は良いモノを作ることはできます。しかし規模が大きくはないため、「安売り競争」には耐えられません。そのために、優秀なベンチャー企業は、幾度も臍(ほぞ)をかんできたのです。
しかし、私はこれに対して、「大手企業の担当者も忸怩(じくじ)たる思いであったと思います。デフレというマクロ環境がすべての企業行動にマイナスの影響を与えていたことを指摘したいだけです」ととして、デフレの最中では、大企業の担当者だって、新たな技術を取り入れるよりは、すでに定評のあるものをより低価格でと考えるのは当然のことであり、問題は大企業のスタンスではなく、デフレであることを強調しました。

その上で、古いタイプの企業から、新興企業への労働力人口の移動の事実にもとづき以下のように掲載しました。
古い企業から新興企業への労働人口の移動があるということは、起業家予備軍も相当いるはずです。今後アベノミクスで、経済がまともになれば、ベンチャー起業も増え、ベンチャキャピタルを活用してくる人も増えてきます。 
そうして、デフレ脱却により、人々の選好がお金からモノに移行するということは、購入する時の判断のウエイトが、モノの値段からモノの機能・価値にシフトするということです。そうなれ ばベンチャー企業が持つ技術力に目が向けられるようになります。彼らは自らの得意分野で「相撲」を取ることができるようになります。 
そうして、デフレ解消は目前です。そうなれば、どんどんベンチャー起業がおこり、ベンチャーもモノの機能・価値を提供しつつ、発展していけるようになります。そんな時代はもう少しで来ます。最近中国の特許件数が伸びているかのような誤った印象操作がありますが、良く調べてみると、中国は特許の出願数が世界一なのであり、特許取得数は未だに日本が世界一です。そんな国日本で、デフレ以外にベンチャー企業が、起業できない、成長できないという理由はないと思います。
ベンチャーの起業が少ないことを大企業が新しい技術を導入しないということを原因とするのは、ミクロ的な見方であり、マクロ的にいえば、大企業がこのような購買傾向になるのは、デフレのせいです。大局的にみれば、大企業の購買傾向を責めても何の解決にもなりません。まずは、デフレを解消しなければなりません。

大企業の購買行動を責めているだけで、デフレを解消しなければ、モグラ叩きに終始するだけで、いつまでたっても、問題は解消されず、閉塞感に苛まされるだけとなります。その果てには、包括的大金融緩和の以前見られた、日本駄目論、日本人駄目論です。

日本がデフレであることを前提として、それが永遠に改善も改革もされないという考えで、物事を考えれば、結論はこうなるしかありません。しかし、それは違うでしょう! 全くの間違えでしょう!

デフレが解消されれば、日本も起業家が増える(゚д゚)!
(社)日本女性起業家支援協会 代表理事 近藤洋子さん

どこかで、水道のパイプに亀裂が入り、水が漏れだしたとして、それに対する対処として、皆で水を汲み出したとしても、根本的な解決にはなりません。まずは、どこかで元栓を止めて、亀裂の入ったバイブを取り替えるべきです。

しかし、ことデフレとなると、多くの政治家、識者、専門家などが、亀裂のはいったパイプを取り替えるのではなく、水を汲み出す方法の論議しかしません。これは、全く異常です。

このデフレ、実は日本国内で10の大きな問題があったとして、デフレを解消すれば、10のうち、6くらいは芋づる式に解消します。残りの4つも、解消飲めどが立つ可能性が高いです。しかし、デフレが解消しなければ、10の問題全部を解消できません。

上では、ベンチャー起業について取り上げましたが、 実は様々な問題の源はデフレです。

その典型的なものは、雇用の問題です。

大企業100社の内部留保99兆円に! “異次元の給与増額”は可能か―【私の論評】ちょっと待ってくれ!!20年もデフレが続いたことを忘れていないかい?デフレは、雇用・給与の最大の敵であることを!!

詳細は、この記事をご覧いただくものとして、デフレであれば、雇用環境が悪くなる、賃金も下がるというのはあたり前のど真ん中です。しかし、日本ではなぜか、雇用問題となると、雇用のミスマッチばかり強調され、企業側の問題点や、学生側の問題点ばかり指摘する専門家などがほとんどで、デフレのことを言う人は少ないです。

日本の以外の国では、雇用の問題となると、中央銀行の金融政策が問題という認識です。しかし、日本では、これがほとんど問題にされてきませんでした。今でも、その傾向があります。雇用というと、金融政策によって雇用枠を増やすことは論議されず、もともとある雇用枠を巡って、その中で企業側や、求職者側の問題などを指摘するにとどまる専門家があまりに多すぎます。

こういう専門家は、専門家ではなくただの馬鹿ではないかと私は思います。雇用問題の専門家と称する馬鹿の皆さんは、大反省すべきです。

デフレが解消されれば、雇用も良くなる(゚д゚)!

これは、起業とか、雇用に限らず他の問題でも同じことです。日本人は、優秀なのに、ことデフレに関しては、未だに正しい認識を持つことができない人々が多いです。この原因は、やはり、デフレを軽く認識する頭の軽い、政治家、識者、専門家が、御託を並べて論議をするというとこが間違えているのだと思います。

だから、デフレ下であるにもかかわらず、財務省主導の増税となどという馬鹿げたことが実施されてしまうのです。

私は、そう思います。皆さんはどう思われますか?

【関連記事】

従来の説はほとんどウソだった。日本でベンチャー企業が発達しない本当の理由。―【私の論評】ちょっと待ってくれ!!20年もデフレが続いたことを忘れていないかい?デフレは、ベンチャーの最大の敵であることを!!

大企業100社の内部留保99兆円に! “異次元の給与増額”は可能か―【私の論評】ちょっと待ってくれ!!20年もデフレが続いたことを忘れていないかい?デフレは、雇用・給与の最大の敵であることを!!











【関連図書】

ベンチャー創造の理論と戦略―起業機会探索から資金調達までの実践的方法論
ジェフリー・A ティモンズ
ダイヤモンド社
売り
上げランキング: 58,054

イノベーションと企業家精神 (ドラッカー名著集)
P.F.ドラッカー
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 8,870

起業家精神に火をつけろ!―会社のために働くのではなく、あなたのために働いてくれる会社をつくる7つのルール
マイケル E.ガーバー
エレファントパブリッシング
売り上げランキング: 57,392


ロシアでバスが橋から転落、川へ真っ逆さま 乗客7人死亡―【私の論評】ロシアで深刻化する人手不足問題、さらなる悲劇を招くのか?

ロシアでバスが橋から転落、川へ真っ逆さま 乗客7人死亡 ロシアのサンクトペテルブルクで5月10日、バスが橋の欄干を突き破って川に転落し、乗客7人が死亡した。監視カメラの映像には、転落する前にバスが大きくハンドルを切る様子が映っていた。バスは完全に水没し、救急隊が出動。現地当局は、...