2009年10月7日水曜日

親族間の殺人、亀井金融相「大企業に責任」 発言が波紋―大企業に大きな社会的責任を背負わせることは小泉改革と同じ結果を招くのでは?

親族間の殺人、亀井金融相「大企業に責任」 発言が波紋(この内容すでにご存知の方は、この項は読み飛ばしてください)

亀井静香金融相

  亀井静香金融相が、親族間の殺人事件と大企業の経営姿勢を結びつけるような発言をし、波紋を呼んでいる。鳩山由紀夫首相は6日、「言葉が過ぎたのかもしれ ない」とくぎを刺した。亀井氏は日本銀行の金融支援策の打ち切り議論に絡んでも「時々日銀は寝言みたいなことを言う」と述べており、その発言が政権内でも 問題視されている。

 亀井氏は5日、内外ニュースの講演会で、日本経団連の御手洗冨士夫会長と以前会った際に、労働者を大切にする日本的 な経営を捨てたとして大企業を批判したことを紹介した。「ため込んだ内部留保をそのままにしといて、リストラをやっている。人間を人間扱いしないで、自分 たちが利益を得る道具として扱っている」と指摘。立件された国内の殺人事件の約半分が、親子や兄弟、夫婦といった親族間で起きていることを引き合いに、経 営者側に「責任がある」とした。

 亀井氏は6日の閣議後会見で真意を聞かれた際も、「改革と称する極端な市場原理、市場主義が始まって以来、家族の崩壊、家族間の殺し合いが増えてきた。そういう風潮をつくったという意味で、(経団連に)責任がある」と発言を撤回しなかった。

  これに対し、経団連の御手洗会長は6日、首相官邸で鳩山首相と会談後に記者団に、「私たちは日本的経営を捨てたつもりはない」と反論した。経団連による と、御手洗会長らは3月、当時国民新党の代表代行だった亀井氏らと懇談した。その席では、経営姿勢への批判はあったが、親族間の殺人が増えたという発言は なかったとしている。

 鳩山首相も同日記者団に、亀井氏の発言について「亀井さんらしいが、言葉が過ぎたのかもしれない。もう少し全体を見て、発言をされた方がいいと思う」と述べた。

  亀井氏は同日の閣議後会見で、日本銀行の企業金融支援の緊急措置を年末までで打ち切る議論について「そういう段階にはない。時々日銀は寝言みたいなことを 言う」とも発言。これまでも借金の返済猶予措置の導入を巡って銀行株が値下がりしたことに、「私が言ったから株が下がるほど脆弱(ぜいじゃく)な銀行は、 銀行業を営んでいる資格がない」などと強気の発言を繰り返してきただけに、金融相として適切な言葉を選ぶよう求める声が高まりそうだ。

     ◇

 大企業の経営姿勢を巡る亀井氏の発言は次の通り。

  「(大企業は)従業員を正社員からパートや派遣労働に切り替え、安く使えればいいということをやってきた。人間を、自分たちが利益を得るための道具としか 考えないような風潮があり、社会の風潮もそうなる。人間関係がばらばらになり、家族という助け合いの核も崩壊していっちゃう。改革と称する極端な市場原 理、市場主義が始まって以来、家族の崩壊、家族間の殺し合いが増えてきた。そういう風潮をつくったという意味で、(経団連に)責任があると言った」

大企業に大きな社会的責任を背負わせることは小泉改革と同じ結果を招くのでは?
亀井さん、民間営利企業の本質を理解できていないのではないかと思います。民間営利企業には、厳然として経済的尺度が存在しています。経済的尺度からみて、価値のない企業は、市場から抹殺されます。無論民間営利企業といえども、社会の公器であり、反社会的な企業もいずれ市場から抹殺されます。社会貢献をしない企業も社会から抹殺されます。

ただし、ここでいう社会貢献とは、本業によって社会に提供する貢献することを意味します。民間営利企業が、本業そっちのけで、CSRばかりやっていたらどんなことになるでしょう。本業という社会貢献ができなくなります。それは、本末転倒というものです。

ここで、いう本業とは、比較的狭い範囲の社会貢献ということです。すべからく、企業は、比較的狭い範囲に集中するから、他社と差別化もでき、存続することができます。

そうして、民間営利企業は、顧客に特定の社会貢献を提供し続けることによって、はじめて存在意義が生まれます。民間営利企業の最終的な存在意義は、顧客の創造にあります。顧客の創造ができない、企業は存在価値がありません。顧客の創造と比較すれば、株主、従業員は、二の次、三の次になります。

ただし、働く人がいなければ、企業も成り立たないわけですから、そういった意味では人を大事にしていく必要はあります。さらに、企業があまりにも従業員をないがしろにしてしまえば、大きな社会不安を巻き起こします。だからこそ、ある程度の雇用の確保などをしなければなりません。

しかし、それ自体は、民間営利企業の仕事の本質ではありません。やはり、それを実施するのは、政府の大きな役割であると思います。それも、直接企業に介入するというのではなく、労働法や税制などを整備し、必要な規制をつくりだし、その他の基盤整備を実施し、大きな社会不安をなくすことです。

上記のような仕事を怠れば、政府は仕事をしていないということになります。ましてや、家庭崩壊や家庭内の殺人まで、企業のせいにするのはいかがなものかと思います。仮に、大企業のせいだとして、パートや派遣労働をすっかりなくして、正社員に戻すということになれば、今までの社会のひずみが家庭内から企業にもたらされるかもしれません。そうなって、まともにそれを受ける企業は、破綻するかもしれません。破綻したくない企業は、海外に製造拠点を移すかもしれません。そうなれば、日本には、派遣やパートの雇用すらなくなってしまうかもしれません。

世の中は、そう単純なものではありません。複雑な事情を勘案しながら、適正な政策をとっていくのが、政府の役割です。法律や規制を守りながら、顧客の創造を確実に行うのが、民間営利企業の役割です。

亀井さんは何か勘違いしていると思います。たとえば、小泉構造改革では、いろいろな改革が行われまた。ただし、どれをとっても中途半端でした。たとえば、市場化テストなどそのさいたるものでした。

市場化テスト(しじょうかテスト)とは、公共サービスを国民に提供する主体として、官と民のどちらがより国民の期待に応えられるのかということを国民に判断してもらうために行われる、官民競争入札制度のことを言います。与党および一部野党の賛成で2006年5月26日に成立した『競争の導入による公共サービスの改革に関する法律』に基づきます。小泉内閣の構造改革の中で打ち出した施策の一つとして採用されました。

これは、完全に失敗しました。その失敗原因は明らかです。それは、日本では、実質的に官と民間営利企業とい二つのセクターしかないことです。欧米には、普通に存在し大きな経済主体になっている、民間非営利企業があまりにもお粗末で、他国と比較すると実質的に存在していないのと同じだからです。

この一環として、設立された、いわゆる「株式会社 大学」は、このブログにも以前掲載した「LEC大学」のようにすべて失敗しました。やはり、大学など公的な施設は、純然たる民間企業には最初から無理だったのだと思います。やはり、民間とはいっても、民間日営利企業(NPO)に担わせるべきものと考えます。

人間関係の問題や、家族という助け合いの核も崩壊に関する問題は、大企業が正社員ばかりを雇うようになっただけで解決できるとは思えません。これは、いわゆる社会問題であり、政府だけでは、全国一律の対策しかできなく、「必要な人にサービスがいきわたらず、必要のない人に対して手厚いサービスが施される」ということになりがちです。さらには、官僚機構の非効率、非能率に関しては、ここでまたさらに述べることもなく、多くの人の知るところです。したがって、日本では従来ほとんど顧みられなかった、NPOが重要であり、多数のNPOがかかわって長期的継続的に解決すべきものと思います。こういった、問題まで、営利企業に責任を負わせることになれば、それこそ、小泉改革と同じ結果を招くのではないかと思います。

上記で、NPOというと「なぜ?」という人も多いと、思いますが、NPOは米国などでは、すでに大きな経済主体にまでなっていますが、日本では、ほとんど存在しないも同然です。これには、私が「財政ゾンビ」と呼んでいる、似非財政民主主義を信奉する守旧派財務官僚の影響が大きいです。これに関しては、ここに述べていると紙幅を多く取ってしまいますので、過去の私のブログの記事を是非ご覧になってください。URLを以下に掲載しておきます。

http://yutakarlson.blogspot.com/2009/09/blog-post_29.html

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