2011年10月13日木曜日

たばこ税の除外検討 復興増税、期間延長も―【私の論評】復興税推進で、民主党次の選挙で大敗機運いよいよ深まる!!

たばこ税の除外検討 復興増税、期間延長も
喫煙するリンジー・ローハン。煙草もいずれ、セレブ御用達のみになるのか?

政府、民主党が東日本大震災の復興財源を賄う臨時増税案から、たばこ税を除外する検討に入ったことが13日、分かった。自民、公明両党で、たばこ増税への反対論が強まっていることに配慮。たばこ税を除外した分の財源は、所得税の増税期間を10年超に延長することや、増税幅の拡大で対応する方向で、今後の与野党協議で話し合う。

政府、与党の復興増税案は、所得税の納税額を10年間にわたり4%上乗せし、個人住民税や法人税も増税するほか、たばこ税を国税は10年、地方税は5年、それぞれ1本1円増税する内容。

【私の論評】復興税推進で、民主党次の選挙で大敗機運いよいよ深まる!!
煙草の原価は?
さて、以下の話は、煙草に関するものですが、話を単純にするため、煙草を単なる嗜好品という見方で話をしていることをはじめにお断りしておきます。煙草が健康に良い、悪いなどのことは、以下の文脈では全く関係ないものとして、ご覧いただきたいと思います。

煙草は、つい最近値上がりしたばかりですから、再度値上げということになれば、かなり風当たりが強いので、廃止ということになったのだと思います。それに、一本1円程度の、値上げであれば、一箱あたり20円の値上げであり、おそらく、ほとんどが焼け石に水なのだと思います。

それに、500円とか、700円とかに値上げしてしまえば、それこそ、かなりの人が煙草をやめてしまって、これも、増収には繋がらないのだと思います。もし、この程度値上げしてしまえば、それこそ、煙草は、一部のお金持ちや、セレブの嗜好品ということになり、本格的に日本の一般市場から消え、いわゆる、富裕層市場のものとなる可能性が高いです。それこそ、下の写真の、リンジー・ローハンのようなセレブ(celebrity:有名・著名人)にでもならなければ、おいそれと吸えなくなります。

たとえば、葉巻なんか完全にそうです。日本では、とてつもなく葉巻が高いです。本当に高いものでは、ハバナ産の高級品であれば一本1000円以上はします。安いものでも一本数百円です。だから、日本では、ほとんど吸っている人をみかけません。これが、欧米だと日本よりは、はるかに安いです。だから、私自身も、葉巻は、海外に行ったときに買ってくるか、あるいは、海外に出かける人に買ってもらう以外に日本国内で購入するなどということは滅多にありません。

日本では高級品の葉巻

日本では、なぜか、葉巻は昔から、欧米よりかなり価格が高かったです。そのためでしょうか、葉巻なと吸ったことがないという人も日本では多いです。吸ったにしても、それこそ、安い品質の悪いものしか吸ったことのない人が多いせいでしょうか、「匂いがいや」などという人も多いです。

もうこうなると、本当の一部の富裕層しか吸わないので、葉巻など、日本の経済にはほとんど関係ないものといっても過言ではないと思います。

さて、富裕層といえば、実は、最早アメリカでも、日本でも、国の経済とは関係ない存在になっています。富裕層が国の経済に関係ないなどというと、驚く人もいるかもしれません。しかし、現実は直視しなければなりません。

すでに、何十年も前から、ドラッカーはいわゆる富裕層の存在は、国の経済にさほど大きく影響を与える存在ではなくなっているとしています。なぜなら、特に、アメリカや日本のような国では、経済の規模があまりに大きいため、たとえば、ビル・ゲイツ(長者番付の上位に属していた時期のゲイツ)の全資産をもってしても、アメリカで動く金の数日分にすぎないことと、富裕層の数が圧倒的に人数が少ないということで、国に与える影響はほんとない時代に入ったとしていました。

そうです、もう、数十年前から、アメリカや日本のような国では、資産家自体は国の経済に影響を与える存在ではなくなってきています。では、実際に国の経済に影響を与える層はといえば、それは、国が豊になるにつれある程度余裕がでてきた中間層です。この中間層は、個々人でみると、確かに、資産家ほどの資産をもっているわけではありませんが、この層は、数が多いですから、この層がどのように動くかで、かなり国の経済も影響されるわけです。

さて、最近のマスコミは、富裕層のそれもごく一部の動きを捉えて、いかのような記事を掲載しているとこもあります。

http://diamond.jp/articles/-/14299

しかしながら、米国や、日本がこのような経済大国なれたのも、無論中国の経済が伸びているのも、この中間層が伸びたからであり、富裕層が圧倒的に経済的にも大きいような国は、たとえば、ギリシヤなどであり、経済発展は望めません。

煙草を例にとれば、この中間層が、煙草をより吸わなくなれば、かなり税収が減ることになります。だからこそ、煙草税を増税したからといって増収など期待できなくなるわけです。

これに対して、富裕層が煙草を控えようが、もっと吸うようになろうと、経済にはあまり影響はありません。日本の富裕層が、煙草をいままの2倍すおうが、逆に、1/2にしようが、ほとんど影響はありません。

煙草税をあげても、増税効果は、ほんど影響がないどころは、あまりに上げすぎれば、かえって、減収ということはこれでご理解いただけたものと思います。だからこそ、今回はタバコの増税は避けることを検討し始めたのだと思います。

では、いわゆる、復興税はどういうことになるかといえば、やはり、同じことです。このインフレの時期に、増税をしても、富裕層には、ほとんど影響はないことでしょう。おそらく、富裕層は、増税しようがしまいが、あまり消費を減らすとかなどの行動はせずに、従来の通りであまりかわりがないと思います。だからこそ、増税すれば、富裕層からの税収は増えるかもしれません。

しかし、では富裕層からの税収が増えたからといって、何か国にとって良いことはあるでしょうか。上の煙草の例でも述べたように、あまり関係ありませんね。なぜかというと、もともと、数が少ないわけですから、富裕層からの税収が増えたからといって、さほど、国の経済にはもともとあまり関係ないわけです。

では、中間層はどうなるかといえば、中間層は、比較的まだ若い人も多いですし、特に、35歳くらいから、40歳初めまでのファミリーといえば、人生のステージの中でもっとも消費をします。この世代は、家のローンがあったり、車のローンがあるため、結構年収のある人でも、一般の人と同じような生活をしている人が多いです。これらの、層のことを少し前には、リッチプアなどと言っていましたが。

リッチプアとは、たとえば、年収1000万を遙かに超えるような年収でありながら、家のローンや、車のローンや、子供の教育費などがあるため、普通よりは、恵まれているはずなのに、消費行動などが、一般の普通の人と変らない人々のことをいいます。というより、言っていたというのが正しいのかもしれません。

もう、デフレの時代が長く続いたので、いわゆる、リッチプアはあまりにも当たり前になってきたので、わざわざ、この言葉を遣って、区別する必要もないほど、ごく一般的なライフスタイルになったのだと思います。特に、この20年節約は、日本のあらゆる家庭での一般的にライフスタイルになったものと思います。

さて、増税したとすると、何がおこるかといえば、こうしたリッチプア層は、当然のことながら、さらに節約や、当面の必要のない消費は控えることとなります。リッチプア層でないもっと、収入の低い中間層はなおさらのことです。そうなると、さらに、デフレが促進されるわけです。デフレとなれば、多くの人々の賃金が減り、ますます、ものやサービスが売れなくなったり低価格となり、さらにデフレが進行することになり、デフレの連鎖が始まります。そうなれば、賃金もかなり減り、雇用も減り、就職氷河期がますます加速されることになります。

それだけではありません。家のローンなどで、家を購入するわけですが、家の価値がデフレで目減りしていくにもかかわらず、ローンは最初契約したどおりにしかも利子も含めて払いつづけなければならないことになりますから、実質的には、損失を被っていることになります。だから、ますます、消費をさけることになります。

富裕層はどうかといえば、増税をされても、あまり影響がないので、消費を減らすということはありませんが、かといって、数が圧倒的に少ないですから、これらの人々が消費を維持したからといって、国の経済にはほんど影響はないわけです。それに、上ではいいませんでしたが、富裕層はどちらといえば、高齢者が多いですから、もともと、消費はリッチプア層などに比較すれば少ないですし、デフレですから、黙っていれば、お金の価値があがっていくから、これらの層も不要不急の消費は控え、がっちり貯めこむということになります。

こうして、ますます、デフレスパイラルが進行していくことになります。増税すれば、すぐにこの傾向がでてきて、いずれ、かなり酷いことになります。その時は、せっかく回復基調にあった(最近のマスコミの就職氷河期報道は、針小棒大です、それは、厚生労働省などの資料にあたっていたたればわかります)、新卒学生の就職率もかなり落ていくことになります。高校生もかなり就職難に陥ることと思います。

現在の状況で増税をすることになれば、世界で一番海外にお金を貸していて、国内でもお金がだぶつき、円高で裕福であるはずの日本で、ますます、デフレが進行して、とんでもないことになります。そうして、遅まきながら、日本の多くの国民がそのことに気づき、その時に選挙ということになり、そうなれば、民主党は、確実に大敗をきすることになります。増税に加担し、財源論議を繰り返す自民党にも明日はないです。

民主党政権も、野党自民党も、「財源、財源」と数字合わせのみに血道をあげて、騒いでいますが、財源を獲得するために、増税するというのは、下策中の下策というよりも、マクロ経済学で教えている基本中の基本を完全に無視して、逆のことをしようとしています。

今やるべきは、地震の復興対策なら、建設国債を発行することによって、対応することであり、また、デフレに関しては、国債を大量に発行して、大規模な財政出動をし、その一環として減税も行ない、日銀は、円を増刷し、大規模な金融緩和をすることです。それを実行することにより、デフレが解消され、景気を上向かせ、結果として、税収を増やすことです。

現在やるべきことは、これであって、デフレを克服して、景気を良くしない限りいくら「財源」探しをやっても、結局はもぐら叩きになって、どこかにしわ寄せがいくばかりです。このしわ寄せが、人の生命、外交、安全保障などの問題にまで、波及しないことを祈るばかりです。社会保障などを手厚くして、子供手当てなど民主党の公約どおりに、支給したとしても、今度は、父親はリストラされ、母親のパート賃金が半減するなどということになります。

こんなことばかりやっていれば、日本もいずれは、いわゆる、高級官僚、富裕層だけが幅をきかせ、あとはその他大勢の、中間層の存在しない、ギリシャやアフリカや、南米の後進国のようになってしまうと思います。ここ、10年から20年でそんなことにはならないでしょうが、私たちの子供たちが活躍する時代には、そうなってしまう可能性がかなり高くなります。

今のアメリカや、日本やヨーロッパのように、社会が全体的に富んだほうが良いのか、それとも、一部の高級官僚や富裕層だけが、幅をきかせる社会のほうが良いのか、選ぶのは、有権者です。結論は、最初からでていると思います。私自身は、金持ちもそこそこいて、比較的豊な中間層も多数いる社会のほうが活気があって良いと思います。

本日は、煙草を例にとって、今の増税論議の間違いについて掲載してみました。

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