2011年10月24日月曜日

消費者が不信感を持つほど高額な日本版ジョブズ伝記本3990円 / 北米では940~1370円―【私の論評】この現象は、ジョブズだけではない!!日本では、欧米の名の通った著者の書籍は、目ん玉が飛び出るくらい高い!!たとえば、ドラッカーも例外ではない!

消費者が不信感を持つほど高額な日本版ジョブズ伝記本3990円 / 北米では940~1370円



先日、iPhone4SのSIMフリー版が、定価の倍以上の価格でオークションやショップで売られているという記事をお伝えした。アップル社が正規に売っているものではなく転売されているものなので、いくらボッタクリ価格だったとしても消費者は文句は言えない。

しかし、今回に限っては消費者から文句の「も」の字くらいは言ってもいいのではないだろうか? 2011年10月5日に亡くなったスティーブ・ジョブズ氏のオフィシャル伝記本が北米で10月24日に発売されるのだが、それの日本語訳版(講談社)が驚くほど高額なのである。なんと北米版の約3倍の価格である。

【スティーブ・ジョブズ伝記本のAmazon価格】
北米  17.88ドル(約1370円)
英国  12.50ポンド(約1520円)
伊国  22.99ユーロ(2440円)
独国  24.99ユーロ(約2600円)
日本  1995円×上下2冊=3990円
※2011年10月23日の為替相場で計算

翻訳と権利購入にお金がかかっているとはいえ、北米版の3倍の価格って尋常ではない気がするのだが……。また、この本は確実にミリオンヒットすると言われており「確実に売れる」とされている。もちろんジョブズ氏は注目の人だし、購入したいと考えている人も多いはず。

それならば薄利多売とまではいかなくても、もっと購入しやすい価格設定にしてほしいものだが、消費者からするとファンの足元を見たような価格設定に思えるのも確かである。同書は電子版も発売されるのだが、日本だけ電子版が書籍版と同等の価格なのも批判されている。以下は、この価格設定に対するインターネットユーザーの声である。

・日本版ジョブズ伝記本3990円に対するインターネット上の声
「ジョブズの死を冒涜する価格設定だな。潰れろ」
「日本人は高くても流行に飛びつくからな」
「どこの中間搾取のせいで電子と紙媒体が同じ値段になってるのよ」
「うまいわー。海外有名人の追悼伝記おいしすぎて、死の商人だわー」
「信者は文句言いながらも喜んで買うから問題ないだろ」
「俺達は英語版で読むから関係ないけどな」
「翻訳は言い訳にならん。ドイツ版と同じぐらいの値段ならわかる」
「これ買う奴は自分は馬鹿ですって公言するようなもんだよね」
「米語の勉強にもなるから、未翻訳のかっとけ」
「日本だけ電子書籍がハードカバーとほぼ同額。予想通りの展開だわ」
「日本のボッタクリは世界でも最悪なレベルだろ。俺はkindleで買うから関係ないけど」
「この手の絶対売れる本はおいしいよな」
「日本はバカが多いから搾取され続ける。歴史的円高でもこれ」
「上下巻商法多すぎ」
「こういうベストセラーはすぐブックオフで買える」

ちなみに北米で売られる電子版の価格は11.99ドルなので、日本円にして約940円。日本では電子版が書籍と同等の値段で売られるといわれているので、ほぼ3990円で売られることになる。940円と3990円、およそ4倍の価格差がある。出版社にも言い分があると思われるが、どうしてそんなに高額なのか説明がない限り、消費者からボッタクリと言われてもおかしくない価格差だ。

この件に関して出版業界に詳しいA氏に話を聞いたところ「絶対に売れる本は出版社にとってまたとないチャンスです。できるだけ高額で売りたいものの、1冊で数千円もする本は消費者の反感をかう可能性がある。なので上下巻に分けて購入しやすいように思わせるやり方はよくやることですよ。内情を知らないので今回の講談社がそうとは言いませんが」と語っていた。



【私の論評】この現象は、ジョブズだけではない!!日本では、欧米の名の通った著者の書籍は、目ん玉が飛び出るくらい高い!!たとえば、ドラッカーも例外ではない!
それにしても、ジョブズの伝記本が日本だけが、こんなに高いのは異常です。それに、上の写真は、アメリカの本屋のでの写真と思いますが、もともと、安いだけではなく、本屋さんの裁量で、30%オフの値引き販売しています。日本では見られない風景です。

本屋で、値引き販売できないのは、日本には、再販売価格維持(さいはんばいかかくいじ、英語: resale price maintenance)という制度があるからです。これは、ある商品の生産者または供給者が卸・小売業者に対し商品の販売価格を指示し、それを遵守させる行為である。再販売価格維持行為(再販行為)、再販売価格の拘束とも呼びます。

要はメーカーが小売業者に対し商品の小売価格の値段変更を許さずに定価で販売させることをいいます。

再販売価格維持は、流通段階での自由で公正な競争を阻害し、需要と供給の原則に基づく正常な価格形成を妨げて消費者利益を損なうため、資本主義経済を取る国の多くでは、独占禁止法上原則違法とされています。但し例外的に一部商品については一定の要件の元に再販行為を容認している場合があり、それを再販制度と通称しています。

書籍に限らず、日本では、様々なものが値引き販売できないようになっています。これを他国と比較したのが、以下の表です。

主要各国の概況
書籍雑誌新聞音楽備考
フランス時限再販(2年)、値幅再販(5%)
ドイツ時限再販
ノルウェー
オランダ
デンマーク
オーストリア
日本
(※=詳細不明)
上記の通り書籍は7ヶ国、雑誌は5ヶ国、新聞は3ヶ国で再販行為が容認されています。ただし、ドイツやフランスでは時限再販や部分再販で弾力的運用を図っています。音楽ソフトの再販行為を容認している国は日本だけです。
とにかく、日本では、著作権にからむ商品に関しは、実質上値引きして販売することはできないということです。こういうことが、まかり通っているので、上の記事のジョブズ氏の伝記本も法外な価格になるのだと思います。おそらく、この手の本は、時間の経過とともに、すぐに売れなくなってしまい、儲けがすくなくなってしまうという事情があるだと思います。それにしても、こうした、今となっては、不可思議な慣習としかいえないようなことまでして、出版社などや著者を守る必要はどこにあるのでしょうか?
さて、上記で話題なった書籍の表紙を以下に掲載します。



海外では、ほとんどが、分冊にしていないというのに、日本では、わざわさ゜分冊にしています。これは、もう、高く売らんがための、方策としかいえないと思います。


下の写真は、英語版です。表紙に余計なことがかかれていなくて、非常にシンプルで、分冊でもなく、日本語版よりはるかに良いと思います。



それにしても、このような書籍の販売方法は、日本では珍しくありません。特に、海外の世界的に名の通った著者によるものや、著者がそうではなくても、ジョブズのような超有名人を題材とした、伝記などは、大抵そうです。
ドラッカーの書籍もその傾向があります。たとえば、ドラッカーの『マネジメント』はその典型ですz90;これは、何と、三分冊です。一冊2,250円ですから、三冊合計で、6,750円です。








































これは、高すぎだと思うのは、私だけではないと思います。 それに下の写真をみていただければ、おわかりいただけるように、日本の書籍だと帯がついています。この帯も無駄といえば、無駄だと思います。海外では書籍や、CDに帯をつけてうるところなどありません。日本独特の慣習です。この帯は、販促費などに含まれているのでしょうが、いずれにせよ、無駄です。これは、各書店で工夫して、店内ポップでもだせばそれですむことだと思います。 この『マネジメント』私が、学生の頃は、確か、2分冊で、一冊5,000円くらいだったと思います。そのため、両方あわせて、1万円前後だったと思います。だから、おいそれと、購入することはできませんでした。

やはり、あまりにも高いせいでしようか、当時からあまり売れなかったとみえて、その当時から、いわゆる、「エッセンシャル版」というのが販売されていました。これは、今でも販売されています。その表紙の写真が下です。


これは、価格は、2,100円です。これは、無論、内容を要約したものです。現在、『もしドラ』ブームに牽引されたせいでしょうが、この『マネジメント』も売れていますが、売れているのは、ほとんどがこちらの「エッセンシャル版」です。この要約は、無論、『マネジメント』を翻訳した人が実施して、その要約の内容も、無論、ドラッカー氏が認可したものです。しかし、かといって、あくまで、要約版は要約版です。このエッセンシャル版を読んでいて、良く判らないことがありましたが、最初は、自分の読みが浅いとか、あるいは、内容が経営に関するものだったので、自分には経験がないので理解できないのだろうと思っています。

ところが、学生時代に、丸善で、ドラッカーの英語の書籍が、三冊まとめて、ハードボックスに入ったセットものが、数千円で販売していたので、購入しました。確か、『マネジメント』、『乱気流時代の経営』、『経営者の条件』でした。そうして、『マネジメント』は要約版でありませんでした。その頃までに、これらの本の日本語版を何回も読んで頭に入っていたので、英語のものも、あまり難なく読むことができました。

特に『マネジメント』を英語で要約版でないものを読んでわかったのが、やはり、エッセンシャル版などては、省略されている説明があるので、非常に理解しやすかったということです。そうして、最初、日本語のエッセンシャル版で読んだときに関じた、読みが浅いとか、経験が少ないから理解できないということはありせんでした。やはり、翻訳により意味が掴みにくくなっていたこと、さらには、要約版ということで、事例などの内容が省略されていたり、解説が省略されていて、理解しにくくなっていたのだと思ます。

このブログにも、掲載したことがありますが、私は、ドラッカーの『マネジメント』を米国アマゾンから、電子書籍で購入しました。これは、いわゆる、rivised editionということで、ドラッカーの原本をもとにしているのですが、ケース・スタディーなどは、あまりに古いものにかえて、新しいものに変えています。事例が、新しいのでますます、理解しやすなっています。それに、驚いたことに、価格、千円ちょっとでした。これは、以前も掲載しましたが、iPadや、iPhoneなどでも読めますし、特に、iPhoneにいれておけば、軽いし、本当に重宝です。iPhoneは、いつでも持って歩くので、いつでも読みたい時に、読めます。これは、本当に良いです。それに、iPhoneであれば、わからない単語がでてきても、すぐに検索できたりします。



しかし、ジョブズの伝記といい、ドラッカーの書籍といい、日本でだけこのような超高価で販売されるということは、非常に問題があるのではないかと思います。ある意味では、消費者をないがしろにするだけではなく、文化や学問を阻害しているかもしれません。

私は、上の記事で、掲載されているような、高い日本語版のジョブズの伝記よりも、低価格で、検索などもできて便利な、英語の電子書籍版をダウンロードしようと思います。そうして、無論iPhoneにも入れようと思います。こちらのほうが、私にとってずっと良いです。

以前、このブログでは、アマゾンの日本語電子書籍が日本に進出してくることを掲載し、アマゾンの優位性を示し、日本の業界は、アマゾンに席巻されてしまうかもしれないようなことを掲載したことがあります。しかし、このような、書籍販売の不合理の実体をみてしまうと、ある意味では、それも致し方ないことと思えてきます。上記にあげたもののほかにも、いろいろな不合理、規制などが、出版業界等にもあるのだと思います。アマゾンの日本語書籍進出を契機にこうした、日本の書籍業界の不合理な仕組みや、規制など、一掃されて、より、ユーザーのニーズに近いものに生れ変わることを望みます。

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